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学園自然百景
2023年10月27日
88.「追憶」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
ついこの間まで、猛暑、酷暑と言われて来ましたが、秋は足早にやってきています。朝夕の気温が低くなり、肌寒さを感じるようになりました。
そんな中、静かにこっそりと花を咲かせている樹木があります。日本人にはとても馴染みの深い樹木です。
花は、下向きに恥じらうように咲くので、純愛という花言葉もあるようです。
緑茶の原料になる「チャノキ」です。
この花を見ていると、別の花を思い出すことはないでしょうか。
ツバキやサザンカのはに似ていませんか?ツバキ科の植物です。ツバキよりも花は小さく、花びらの割に雄しべが長いのが特徴です。本来野生になると、高木になるようですが、お茶の栽培に適するように半円をえがくように選定されているのがよく見られます。
このチャノキの新芽を摘のが茶摘みです。この葉の加工具合によって、緑茶、ウーロン茶、紅茶になります。このことを知るまでは、それぞれのお茶には別の木があると思っていましたから、目からうろこでした。
花と一緒に実が見られます。実は、花が咲いた1年後に大きくなるらしいです。自家受粉の確率は低く、できた種も発芽率が低いため、繁殖力は強くはないようです。実は、ツバキと同じく油を採取することができ、放棄された茶畑では、実の採取が行われることがあるようです。
じっと眺めていると不思議に懐かしさを覚えることから、追憶という花言葉がついたようです。
ふと、この池で昔ザリガニ釣りをした事が思い出されました。今は、そのザリガニは特定外来種となり全くいませんが、日本古来の生き物たちがこの里に棲み着いてくれています。