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学園自然百景
2023年11月02日
89.「友情・友愛」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
ふと足下をみると、写真のようなものが落ちていました。
複雑な形をしています。これは、コブシの実が出たあとの「さや?」なんです。コブシは、モクレンの仲間です。春には白い花を一斉に咲かせます。この花が咲くのを目安に農作業の準備を行うことから、田植え桜などとも呼ばれるそうです。モクレンより花が小さく花びらも少なく一つの花をみると、弱々しくも思うのですが、一斉に咲くとみごとな姿を見せてくれます。この白さが、純粋さをあらわし、表題の花言葉がついたといわれています。花のつぼみが、子どもの握りこぶしに似ていることもこの名前の由来とも言われます。つぼみは、乾燥させたものが、辛夷(しんい)とよばれる鼻腔炎などの緩和に効く生薬にもなるそうです。
花が散ったあと、握りこぶしのような実がつき始めます。これも名前の由来の一つだと言われています。
この実が出たあとが落ちたものが、最初の写真というわけです。中には、黒い種が入っています。
花芽も葉芽も毛のようなもので覆われ、寒さや風、雨などから中を守っているようです。
冬になってから、この芽を出すのだと思っていましたが、春から夏にかけてすでに毛の生えた芽をつけて次の年の準備にかかっていることを初めて知りました。
春、コブシの花が咲くころ新入生は、新しい友達と会うことを楽しみにしていることでしょう。コブシが実を結ぶ頃には、友情がめばえ、深まっていることでしょう。長くその友情を保っていけるといいですね。