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学園自然百景
2023年10月13日
86.「思い込み」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
この時期とにかく多くなるのが以前も少し触れたのですが、イネの仲間です。特徴は、細長い笹の葉のような葉で、葉脈が並行に走っている平行脈です。大抵花は地味な色で、花びらがないことが多いです。主食の米になるイネがそのトップになります。イネ科の中で、私が、初めて名前を確認したのが、メヒシバとオヒシバでした。当時は、両方がそばにあって、太い穂がオヒシバ、細いのがメヒシバとだけ覚えていました。
ひばりの里で当たり前のように見ていたこのメヒシバ、オヒシバですが、よく見ると、大きさや穂の様子が違っています。調べて見ると、オヒシバと思っていたのは、シマスズメノヒエという植物でした。
ウィキペディアによると、小笠原諸島で発見された、または、果実に縞があることからこの名前がついた説があるといいます。スズメノヒエは、ヒエに似た実をスズメが好むことからついたらしいです。特徴は、この黒い花のような雄しべのやく、そしてよく見ると、毛がたくさん生えていることです。私の中では、いつの間にか混同して、毛虫のように黒いものがついたシバをオヒシバと思い込んでいました。もう一つは、コブナグサでした。これは、「暗い人」という花言葉がついており、この写真では明るいのですが、少し紫をした穂をつけることがあることからついたようです。黄色い染料にも利用されるようです。メヒシバは、見た目とは違い「侵略者」という花言葉が付き、その繁殖力の強さが現れています。
よく見て観察すると、違いが見えてきます。「あれ!」と思う意識を持つか持たないかで見方が変わります。このコブナグサもブログを書いているうちに判明しました。コメヒシバと思っていたのですが、穂の付き方がどうも違うと思いコブナグサにたどり着いた次第です。子どもたちを思い込みで見ることなく、本来の姿を見る目を養わなければならないと感じました。