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学園自然百景
2024年03月01日
105.「春隣 春めく」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
温かいと思えば、寒くなり、寒いと思えば汗ばむほどにもなる昨今です。そんな中、植物たちは春の兆しを感じて来ているようです。
きれいに雑草を刈っていただいたひばりの里ですが、新たな芽生えがあちこちに。
白梅の便りはすでに常務理事だよりで紹介されました。私ごとですが、岡本にある梅林公園に18日に行ってきました。いつもより10日ほど早い開花らしいです。1796年にはすでに名所であったと言われているのでかなり古くからあるようです。様々なゆかしい名前のついた梅が見事に咲いていました。
話を学園に戻します。色鮮やかではないものの、足元に淡い緑の新芽があちこちに出ています。タンポポの仲間であろうロゼット状の葉が地面に花のように広がっています。(写真②)ハコベも蕾をつけています。(写真①)その左手には、小さな4枚から6枚ぐらいの葉を花のように広げて、幾重にも重なって生えている草があります。(写真③)これは、ヤエムグラという植物です。春になれば、葉も大きくなり、これをちぎって勲章のように胸につけて遊ぶことができます。今でも小さな勲章にできます。(写真④⑤)葉の裏や縁に棘のような毛が生えており、拡大するとサボテンのようです。(写真⑥)小さな花が咲き、球形の実にもまた、茎にも棘がついています。ちぎられてもどこかについて広がって行くのでしょうか。
ムグラ(葎)とは、密生している雑草またはつる草の総称だそうです。ヤエムグラは、折り重なって生えているところからついたようです。百人一首にもヤエムグラは出てきます。
「八重葎しげれる宿の寂しさに 人こそ見えぬ秋は 来にけり」
どうやらここにでてくるヤエムグラは、この植物のことではなく、つる草が折り重なり生えている様子を表しているそうです。
ともあれ春隣。まだ2月ですが、春めくのも近いのかもしれません。植物たちはそれを知っているのでしょうね。