学園ブログ

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学園自然百景

2024年08月30日

127.「悠々自適」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 やっと実が大きくなりました。前々話からの続きの話になります。

 ヘチマという名前は、いろはの順番に由来しています。「へ」と「ち」の間は「と」になります。この名前がつく前には「とうり」と呼ばれていました。つまり「へ」と「ち」の間にある「と」のついた瓜というところから洒落てついたといわれています。ヘチマは、「糸瓜」と書きます。実の中に繊維がいっぱいなのでそう書かれたようです。その読みが「いとうり」と読み、なまって「とうり」となったそうです。

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教室の窓から見えるヘチマの実
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葉陰からみえるヘチマの実
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受粉したと思われる雌花

 話は違いますが、そのように洒落た名前をもつ植物があります。「カスマグサ」という植物があります。同じ仲間の植物の「カラスノエンドウ」と「スズメノエンドウ」の最初の一字をとり、「カ」と「ス」の間という意味の名前です。ちょうどその植物の一つの実に入っている種の数が、2種類の中間にあたることからついた名前です。

 話を戻します。ヘチマの花言葉は、実がぶら下がっている様子からついたと言います。小学校のヘチマは、ぶら下がるようには、していないのですが、棚を作って実をぶら下げることが多かったからでしょう。とても重く実の下に行くほど膨らみが大きくなっていきます。ただ、キュウリと同じで曲がってできるものもあります。小学校にできた一つは、コンクリートのへりの上にのって大きくなっています。もう一つは、葉陰からのぞくようにぶら下がっています。

 ヘチマは、これぐらい大きくなると、食べるのには不向きです。このあたりでは、食べることは少ないですが、沖縄では、へちまのことを「ナーベラ(ナーベラー、ナベーラなど)」といって、煮物料理に使われます。沖縄料理の店に行くとメニューに載っていることもあります。

 たわしや化粧水として利用されます。最近では、日焼けのほてりなどをおさえたり、肌への栄養を与える成分が含まれていることもわかってきているそうです。

 薬としてもヘチマ水を煮出してうがい薬や咳止めなどにも利用されたようです。名古屋には、東充寺というヘチマ薬師があり、当時の住職が、疝痛を起こした際にへちま加持祈祷を教わり、完治したことからへちまを悪いものの身代わりとして奉納しているとのことです。

 今後、世の中は台風や地震などの自然災害が心配されますが、悠々自適とは行かないでしょうが、備えあれば憂いなしということで、いざということに備え準備して、いざというときに少しでも早く対策がとれることをこころがけていきたいものです。