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学園ブログ
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2024年09月06日
128.「純潔」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
前話で書かせていただいたヘチマが、気がつくと大きな実を5つもつけていました。
ひばりの里では、ある植物の同定(植物の種類を判断する)に時間をかけて観察していました。
最初に細い葉の生えた植物が伸びてきたのを見つけました。それは、見た目できっとユリだろうというのはわかったのですが、そこからなんというユリなのかを同定するのに時間がかかりました。花が咲くまでは、葉の幅の細さから沖縄原産のテッポウユリか、台湾原産のタカサゴユリかだろうと見当をつけました。ただ、その違いは、花が咲かないと決定できないとゲストティーチャーの米本先生と話をしていました。しばらくすると、かなり背が高くなり、つぼみがつきはじめ、紫色の線が見えてきたので、タカサゴユリだろうということになり、ユリが咲くこともきれいなので、花が咲くまで待ちました。というのもタカサゴユリは、外来種になり、種で繁殖することも多く、環境省では、「生態系被害防止外来種」の中で、「その他の総合対策外来種」に指定されています。
実が出来て、種を散らさなければ、繁殖が爆発的に進むことはないので、花を咲かせることにしました。
開花が始まり、真っ白なユリが咲きました。と、見るとあのタカサゴユリの特徴である赤い筋が見当たらないのです。調べてみると、タカサゴユリとテッポウユリの交雑種であるシンテッポウユリというのがあるようで、花期からしてもテッポウユリではないのでシンテッポウユリであろうということに落ち着きました。
テッポウユリの語源は、ブランダーバスといわれるラッパ型の銃ににていたからだと言われています。今の散弾銃の元になったと言われています。そんな名前であるこの花はイースターリリーとしてキリストの復活祭で飾られる花でもあります。聖母マリアをイメージする真っ白な花であることからついた花言葉であると言われています。
私学の名前にユリがつくことがあるのはこのことが関係していて、キリスト教系の学校についていることが多いです。
ユリは、日本が宝庫だとも言われていたようですが、最近は、様々な病気にかかるなどで在来種が減少していると言われているようです。
心身にけがれがなく清らかなこと。これは子どもたちの心といえます。私たち大人が守っていかなければならないですね。