学園ブログ

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学園自然百景

2024年09月13日

129.「Lace bug」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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「先生!ツノゼミ発見した!」と生き物が大好きなI君が知らせに来ました。「え!ツノゼミ。どこにいたの?」との返事に、隣にいたKくんが、体操帽子を差し出しました。そこには、写真のように、黒い小さなゴミのようなものがついていました。さすが虫をよく知るIくんです。「動いてるよ。あしも6本あるよ。」と。そう言われれば動いてるようでした。ツノゼミは、聞いたことはあったのですが、実際に生きているのをみたことがなかったのと、見えづらかったので、携帯のカメラで拡大して撮ると、変わった形の面白い昆虫の姿が明らかになりました。調べてみると「グンバイムシ」であることがわかりました。大きさからいうとツノゼミと似ていますが、少し小さいのとシンボルの角がなく、透明の羽のようなものが、相撲の行司の軍配の形をしています。なるほど、これが名前の由来なんだと納得しました。英語名は、「Lace bug」。ステンドグラスのようになって、カーテンのレースのように見えるたたまれた翅からことからついたようです。Kくんがツノゼミと言ったのは、この翅の模様が角に見えたからでしょう。彼の観察力はすばらしい。
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体操帽子についたものを見せて
くれました。
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拡大して撮ったグンバイムシ
 

 もう少し調べてみると、ヘクソカズラグンバイという種類のようで、外来種にあたるようです。彼らは、葉裏から汁を吸い生活しています。種類によっては、農作物に影響を与える害虫として扱われるようですが、大きな被害を与えるほどではないこともあり、知名度もあまりないようです。また、写真にもあるように、大きさが、2㎜程度なので、人間も気付かないこともあるのでしょう。そんな小さな昆虫の羽が、レースのように繊細な模様をしているのは、自然のすごさですね。精密機械の製造技術にも値するものかもしれません。