学園ブログ

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学園自然百景

2022年06月10日

22.「内に秘めた情熱」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 「ひばりの里」には4つの池があります。
「湧き水池」ここは、絶えず水が湧いてきています。涸れそうなときもあるのですが、しばらくすると満タンになります。この水を田んぼに利用しています。
 この池に、イトトンボ、クロスジギンヤンマが産卵に来ています。
どちらも日影が好きなようで、反対側にある日の当たる中池・下池ではあまりみかけません。
 上池・中池には、日本の絶滅危惧種のクロメダカが繁殖しています。

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 上池に写真のような植物が見られます。葉の半分ぐらいが白くなっています。ウドンコ病ではありません。白い部分の下をみると上に向かって伸びている穂のようなものが、花になります。この花が咲く所につく葉が白くなる特徴があるのです。名前は、「ハンゲショウ」。ドクダミの仲間ですが、兵庫県では、準絶滅危惧種になっています。
 名前の由来は、いくつかあります。「半夏生」と漢字で書き、この頃に咲く半夏という植物(カラスビシャク)の名前からとったという説。夏至から11日目のことを半夏生といい、この頃この花が咲くので、その名前がついたという説。その反対にハンゲショウが咲く時期からこの名前でこの時期を呼ぶようになったという説。写真のように葉の片面だけが白くなるので、半分化粧をしたようなので、「半化粧」という説などがあります。私的には、最後の説の方がわかりやすく思います。
 花が咲くまでは、緑のままで、咲いた後は、また緑に戻ることからついた花言葉「内に秘めた情熱」なのかも知れません。

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 「ひばりの里」では、5月30日に小学校3年生が、6月4日には中高生が田植えを行いました。半夏生の日には、関西では、たこを食べる風習があります。稲の根が、たこの足のように根付くようにという事だそうです。
 田植えを始めてから3年目になります。昨年までは、なかなかよい収穫が得られなかったので、今年は、たこを食べて豊作を願おうと思います。
 表には、出さないものの時が来れば内に秘めていた思いを外にしっかりと形に出すことは、大切なことですね。そこには、積み重ねと努力が必要でしょう。日本人の気質に合っているかも知れませんね。