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学園自然百景
2022年11月11日
42.「蓼食う虫もすきずき」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
イヌタデは、辛味のないタデと紹介しました。もとになるのは、ヤナギタデという種類でした。このことわざに出てくる虫とは、どんな虫でしょうか。調べて見ると、ハムシと呼ばれる昆虫の一種のホタルハムシと呼ばれる昆虫らしいです。この昆虫は見つけられませんでした。見つけたのは、ルリマルノミハムシという下を噛みそうな名前の昆虫です。
ルリマルノミハムシ
セイダカアワダチソウの中で見つけました。この昆虫は、名前にあるように、ノミのように跳ねます。そのため、後ろ足が、発達しており、写真をよく見ると、後ろの方に三角の形をした、後ろ足のふともも部分が見えます。逆に名前にハムシとありますが、花びらやつぼみなどを食べる事が多いそうで、園芸害虫として扱われることが多いようです。本当に飛ぶのかを試してみたところ、花にいるこの昆虫を触っても全くその気配がなく、「間違えたかな?」と指に乗せて歩いていると、急にすごいジャンプ力で飛び跳ねました。
黄色のセイタカアワダチソウは、花言葉が、「生命力」「元気」だそうです。明治時代に帰化し、アレロパシー植物といい、生えていた周りの植物を駆逐しながら、一面を覆っていくそうです。その様子から、「唯我独尊」という花言葉も付いています。その花を食べるのですから、なんとなく強い昆虫のようにも思えてきます。
「たで食う虫も好き好き」ということわざを使うとき、イメージとしては、マイナスのイメージがありますが、本来は、「十人十色」と同じ意味で、好みは、人さまざまという意味なのです。ハムシが花びらを食べてもその昆虫の好みなのですね。
人それぞれの好みがあるからこそ、様々な文化やものが生まれて豊かになるのでしょう。