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学園自然百景
2022年12月09日
46.「平和」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
滋賀県の高島市では、この木の並木道が壮大な紅葉を見せているのですが、以前、世界から絶滅していたと言われた樹木があります。中高・小学校では、シンボルとも言える樹木です。
現在の中高・小学校のメタセコイア
生きている化石とも言われるメタセコイアという木です。化石としてしか見つけられなかったこの木が、1946年中国で自生していることがわかり、1950年日本に送られ、広まったようです。
セコイアという植物は常緑のヒノキ科の植物で、アメリカで生息していました。ところが、見つかったこの植物は、同じ系統のヒノキ科の植物ですが、落葉し、葉が対生になっていることから、別種であることがわかりました。そこで、「後で」みつかったという意味の「メタ」がついて、メタセコイアという名前が付いたそうです。しかし、考えてみると、セコイアよりも前の時代から生息していたらしく、なんだかおかしいような気もします。
メタセコイアは、紅葉も見応えがありますが、新緑や落葉後の姿も見応えがあります。
昨年12月18日の
小学校 メタセコイアとヒマラヤスギ
10月の中高 メタセコイア様子
当初小学校6年生の理科に森林についての学習内容がありました。その学習のために、メタセコイア2本とヒマラヤスギ1本が並んで植えられたと聞いています。両サイドの樹木は、枝が横に伸び、真ん中の樹木は、上に伸び、山形を形成することを見るためのものだそうです。今では、その内容はなく、低学年の子どもたちが落ち葉とその実を拾って生活科の学習に役立てるようになっています。
幹を見ると、コケが生え、正に古生代を思わせるような雰囲気があります。
メタセコイアの実
幹の写真
12月8日は、太平洋戦争が、始まった日。
長い年月を人間の歴史よりも長く命をつないできたメタセコイア。平和を祈りつつ人間の愚かな繰り返しを起こさないよう願ってくれていることでしょう。長く命をつなぐために今できることを考えていかなければいけないときだと思います。