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学園自然百景
2023年01月13日
49.「夢」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
新年明けましておめでとうございます。今年はウサギ年、ジャンプアップの言葉が合う年です。
ウサギの足の裏には肉球がなく、滑る床では、歩くのが苦手です。しっかり踏み込める地盤が必要です。今年は、しっかり地盤を固めて、ジャンプアップしたいものです。
写真は、ひばりの里にはえているベニシダというよく見かけるシダです。若葉が赤くなることからついたようです。葉の裏にある胞子の入った赤い袋がきれいに並んでいるのも特徴です。シダは、感じで書くと「羊歯」と書きます。漢字からすれば羊の歯に似ていることからついたと言うことがわかるのですが、諸説あるようです。生えてくるときの様子が羊の角のようだからとか、生えているときの枝垂れている様子からだとか。
新美南吉作の「ごんぎつね」という作品をご存知な方も多いと思われます。小学校4年生の国語の教科書に載っています。キツネの「ごん」と「兵十」のなんとも切ない物語ですね。その冒頭にごんぎつねが住んでいたところを「しだのいっぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。」とありますが、草稿では「いささぎのいっぱいしげった所に洞を作ってその中に住んでいました。」とあります。イササギとは、第11話でご紹介した「ヒサカキ」のことです。定稿(本稿)のときには「しだ」に変えたらしいのです。千葉県半田市では、イササギ=ヒサカキでわかるものの他ではわかりにくいとのことで、一般的なシダに変えたようです。シダになることで、少し湿った暗い感じになり、ヒサカキとでは住んでいるイメージが変わる気がします。
ごんぎつねについては草稿との違いについて様々なところがあるようです。
ベニシダには花が咲きません。胞子を散らすことで仲間を増やすからですが、言い伝えでは、夏至の頃にシダの花を見つけると幸運が得られるとのことでした。そこからこの花言葉が生まれたと言います。皆さんは初夢はいかがでしたでしょうか。夢を持ち続けながら今年一年ジャンプアップしたいものです。