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学園自然百景
2023年01月27日
51.「知恵・個性」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
今週は、大型の寒波が襲来し、ここ兵庫県でも、北部では、最高気温が氷点下を示す天気予報を見ることになりました。ひばりの里の里池も氷が張り、私たち人間もですが、動植物にとっては、大変厳しい条件となりました。メダカは、できるだけ体の消耗を減らすためにあまり動かず、氷の張らない底の方にいます。ヤゴたちも同じです。カエルは冬眠のため、地下に穴を掘り寒さから身をまもります。植物たちは、自分では、移動ができないため、さまざまな知恵を働かせています。タンポポやハルジオンは、葉を広げロゼットという形をとり、日光をめいっぱい葉に当て、地面には直接触れないように少し浮かせて凍結などを防ぎます。
ロゼット
ロゼット
葉を落としてしまった落葉樹。いかにも寒そうですが、それなりに、知恵を働かせて?冬の寒さや、寒風から新しい芽を守るために冬芽(ふゆめ・とうが)をつくります。それぞれの樹木によって、特徴のある冬芽を持ち、よく観察すると、とてもおもしろいのです。『ふゆめがっしょうだん』という福音館からでている写真集のような絵本があります。とても面白いので、まねをして、写真を撮ってみました。もちろん上手くは撮れないのですが、確かに面白い様相をしていますので、いくつか紹介いたします。
サルスベリの冬芽
ソメイヨシノの冬芽
イチョウの冬芽
トチノキの冬芽
シダレザクラの冬芽
コブシの冬芽
ちなみに、顔のように見える部分は、葉が落ちたあとになります。
このように、それぞれの樹木の冬芽が、個性あるものになっています。寒さをしのぐとともに、新しい命をまもるために知恵を絞り(植物ですから、知恵を絞るという表現はおかしいかもしれませんが)、その結果、個性が出ているので、とても興味深く思います。