学園ブログ

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学園自然百景

2023年02月03日

52.「生命力」「活力」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 皆様のあたりでは、寒波の影響はいかがだったでしょうか。

1月25日のひばりの里は、雪景色でした。

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 今日は節分、明日は立春。季節の変わり目がやってきました。豆まきをする家庭が少しずつ減り、特に関西ではお寿司のまるかぶりが一般的な行事となっています。

 暦の上では、春ですがなかなかそうは感じられないのが実感ですね。

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 この写真は、小学校のエントランスを出た正面に見えるススキです。ちょうど阪急電車が通ったところでした。

薄・芒・尾花どれもすすきを表す漢字です。はじめの二文字はススキと読みますが、3つ目はオバナと読みます。馬などの尾に穂が似ていることからついた漢字のようです。



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 ススキといえば、中秋の名月にお月見で飾るイメージがあります。秋に開花し、実が熟したころのススキが使われます。その後、実が落ちて枯れるのですが、写真のように穂が残った状態になるものがあります。

 この枯れすすきは、詩に詠まれることが多いです。『ともかくもならでや雪の枯れ尾花』は、松尾芭蕉の句です。「ススキ」の生命力の強さと、長旅を終えて無事帰ってきた自分を重ね合わせて詠んだ句になります。『幽霊の正体見たり枯れ尾花』ということわざがあり、ゆらゆらとゆれている姿が、幽霊にみえるように、恐怖や懐疑心から、何でもないことが恐ろしい物や怪しい物に見えてしまう例えとして表されています。

 ススキは、昔は、生活と密着していて、茅(カヤ)として特定される場合もあり、茅葺き屋根の原料にもなります。イネの藁と比べて水などにも強いことから使われていたようです。

 この寒波の中でも、折れることなく、しなやかに穂をなびかせているほど生命力があり、その姿は、わたしたちに寒波を乗り超える活力を与えてくれているようにも思います。