学園ブログ

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学園自然百景

2024年04月19日

111.「向上心」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 すべての校種の入学式が終わり、新入生が新しい生活をはじめています。「よし、やるぞ!」という気持ち、「ちょっと不安」という気持ちと様々でしょうが、是非前者「よし、やるぞ!」という気持ちを持って臨んでほしいですね。

 この気持ちに見合う草花として、写真にある草花があります。「向上心」という花言葉を持つスギナです。花言葉と言っても、花は咲かせません。シダの仲間なので、胞子や地下茎で増えていきます。これもなかなかの繁殖力があり、農家の方たちには厄介者だそうです。

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ひばりの里にはえるスギナの群生 
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名前の由来となるスギ

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はかまの部分で、離した状態
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ついだあとのスギナ

 スギナといえばツクシですが、残念ながら見つけることができませんでした。ツクシは、スギナの花にあたる部分だそうです。新潟の知り合いの家の周りには所狭しとはえているのですが…。

 花言葉は、ツクシについたものだそうです。ツクシの伸び方がとても早く、1日に1cmも伸びることがあるそうです。そんな伸び方から向上心という花言葉がついたと言われています。

 スギナという名前は、スギに似た葉をしていることからついたといいます。ツクシは、土から出ている部分が筆に似ていることから「土筆」と漢字で表し、土からつきでている様子から、「つく子」から名前がついたとも言われます。

 ツクシは春の味覚の一つですが、スギナは若い葉の出る前の茎は佃煮などにされることもあるらしいのですが、あまりメジャーとは言えません。お茶、薬にも利用されるようです。私のスギナの印象は草花あそびができる植物です。

 スギナの袴の部分を引き抜き、再びさしてどこで継いだか当てるという遊びでした。何ヶ所かを引き抜いて楽しんだ記憶があります。

 宮沢賢治は、酸性土かどうかを見分ける一つとしてスギナをあげています。良く生えているところは酸性土であり、石灰などをまいて土壌を落ち着かせると教えていたそうです。

 よく見かけている割には知らないことの多い植物はよくあります。雑草と一括して呼ばれることが多いですが、彼らは、人間の出現前より生命をつないでいます。彼らを知ることで、これからの人間のありかたもわかるかもしれません。「向上心」忘れないようにしたいものです。