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学園自然百景
2024年06月28日
120.「Rare」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
最近よく聞く英語です。レア。
ステーキなどの焼き加減では、以前からよく耳にした言葉ですが、最近、「レア物」などと使うことをよく耳にします。前述のレアは、生焼けとか火を通さないという意味を持ち、レアチーズケーキ等が挙げられます。後者は、希少な、珍しいという意味になります。
生き物にもレアな生き物がいて、中にはそれを販売しているところもありす。
先日4年生が里田んぼで、水生生物の観察会を行いました。アメンボ、ヌマガエル、ミナミメダカ等たくさん捕まえていました。もちろん観察のあとは逃がします。そんな中にレアと言われる生き物も捕まえられていました。
写真にある少しグロテスクに見える昆虫がレアだといいます。つまり、希少種であり、絶滅危惧種に指定されています。コオイムシという昆虫です。水生昆虫の中でも珍しくオスがたまごを背負って育てます。ただ残念なことに孵化した幼虫を育てることはなく、あるときは捕食の対象になってしまうこともあるらしいのです。厳密に言うならば、「子負い」ではなく「卵負い」ということになります。
呼吸を呼吸管といわれるもので空中から空気を取り込みます。翅と腹の間に貯めそれを水中で利用するのです。また、水中の酸素を取り込み、二酸化炭素を放出することができる仕組みにもなっているというのですから大したものです。
もう一つレアなものが写っています。ヤゴは、ナツアカネの幼虫ですが、その近くにあるにある藻がレアなのです。子どもたちは、動かないものなので、あまり興味を示さないのですが、絶滅危惧種のシャジクモといいます。
水草ではなく藻になります。水草は、シダなどの陸上植物が水中に入っていった経緯があり、根を伸ばして栄養を吸収しています。藻は、本体自身が光合成から養分を摂ることを全て行います。なので根はありません。田んぼやため池でよく見られたものが、その数も減り絶滅危惧種となっています。
これまでにも絶滅危惧種をいくつか紹介してきましたが、不思議とこのひばりの里には増えてくるのです。
この里自体がレアなのかもしれません。今後も大切にしていかなければと考える次第です。