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学園自然百景
2024年06月21日
119.「訪問者と誕生」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
緑の多い学園なので、様々な生き物が入ってきます。コウモリ、ときにはタヌキも。それは特別なのですが、トンボやチョウなどの、昆虫がよく校舎に入ってきます。休み前などに入ってしまうと、外に出られず命を落としてしまいます。休み明けになると子どもたちがよくその昆虫が何かを聞きに来ます。
今日は2種類。ヤマトシジミとオニヤンマでした。オニヤンマは、腹の部分は取れていました。目も黒く息絶えてから時間が経った感じでした。
ヤマトシジミは、まだ息絶えて間もない感じでした。
もちろん息絶えたものばかりではありません。掃除の時間に見つけたトンボはキイロサナエでした。ゲストティーチャーの米本さんによるとこの胸の部分の黒い線が消えたりすることがあるのだそうです。写真を撮ってから子どもたちが逃がしてくれました。
ある時、壁に止まった虫に子どもたちが騒いでいました。カノコガという見た目が少しハチのようなガで羽の模様の鹿の子模様から名前がついたようです。
捕まえたあとは、外へ逃がしました。
3年生の教材として育てたものもいます。モンシロチョウは、以前にも紹介しましたが、キャベツの苗に産み付けた卵を葉ごと飼育箱に入れ育てて観察します。ところがモンシロチョウだと思って飼ってみると、まゆを作って真っ黒な蛹になるのです。生まれてきたのは、イラクサギンウワバというガでした。モンシロチョウと同じ食草だったのです。アゲハも飼いました。学年の先生が近くで採ってきてくれたので育てたものです。無事に羽化して子どもたちと逃がしました。
里へ行くと、羽化したてのイトトンボやまだ青くなっていないシオカラトンボの未成熟個体を見つけました。これから産卵、羽化が繰り返されていくのでしょう。
校舎の中に訪問者としてやってきたものの中でも運不運があります。運良く外へ出られても危険は続きます。一方で、生き抜いた成虫から生まれた新しい命が次々と誕生していきます。人生の縮図をみるように感じるのは私だけでしょうか。