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学園自然百景
2024年07月26日
124.「やってみなはれ」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
今年のイネはこれまでの教訓を生かして、雑草も抜いたり害虫対策もしたりして、順調に伸びています。1mの高さにまでなりました。 しかしながら、逆に伸びすぎなのかもしれません。それはそれで心配な種です。
昨年は、ヘリカメムシやイネミズゾウムシ、雑草と色々と悩まされたものの3年生の子どもたち全員がおにぎりを食べられるだけの収穫がありました。その喜びの中、ある子どもたちが、こぼれていた籾をこれを植えたらどうなるかをやってみたいと持ってきたのです。冬に入る前ですから、本来は発芽なども期待できないかもしれないとは思いましたが、そこは「やってみなはれ!」
ということで、水槽とバケツを、渡しました。土を田んぼからもらい、観察を開始しました。
すると、教室の暖房の効いた部屋にあるためか発芽をしました。子どもたちは、毎日水やりなど一生懸命やっていました。冬休みには家に持って帰って世話をしたようです。
ある時、水が足らず、枯れかけたときもありました。水を足しながら様子を見ていました。何とか復活してきました。そうこうしているうちに、学年末になり、担任から、諦めモードで理科室で預かるようにと依頼がありました。なかなか水の管理は難しいのですが、とりあえず預かりました。たくさん植えた種籾は、かなり減りました。そのうち5つの苗が育ちました。新学期になり、その子どもたちは、大きくなっているのに驚いていました。理科室に置いていたイネに6月に花が咲きました。その後、穂が垂れ始めモミも固くなってきました。どうやらコメができそうです。4年生になった子どもたちは、理科室に来るたびに見ています。元担任もびっくりしていました。本来は、花が咲くのが8月初旬ですから、かなり早い開花でした。このままいけば夏休みに稲刈りの時期になります。
年を越してイネが実るという体験を子どもたちがさせてくれました。正に「やってみなはれ」でした。