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学園自然百景
2024年10月11日
132.「いぼじり」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
秋の季語である「いぼじり」、「いぼむしり」とも言います。昔の言い伝えで、この虫にイボを噛ませれば治るということがありこの名がついたとか。またの名を「おがみむし」ともいわれ、その格好からついた名前でもあります。
今回持ってきたのは、4年生のSくんです。登校途中の道で見つけたと言います。彼は、コカマキリかヒメカマキリどちらか教えて欲しいと私のところに持ってきました。よくヒメカマキリの名前を知っているなあと思い、写真を撮って一緒に調べてみました。大きさは、小さいので、オオカマキリではないのはわかりました。あとはその他の特徴です。翅が褐色。体は緑を帯びている。翅が体と同じぐらいの長さで、脚に紋はなさそう。後ろ脚のところに少し突起がある。これらのことからヒメカマキリだと言えそうです。それがわかると、にこやかに大事そうに教室へ帰っていきました。入れ物も自分で探したのか持ってきて入れていました。友人が貸して欲しいというので、渡していました。「逃がさないでね。」と一言付け加えて。その言葉に友人に対する優しさと見つけた嬉しさが表れていました。
ヒメカマキリは、京都や千葉では絶滅が危惧されているらしいです。
「蟷螂」と漢字では書きます。中国からきた漢字で、当たりやと少々物騒な意味があります。これには、中国の故事に出てくる話が由縁だと言います。君主が馬車で行く道の途中に「カマキリ」がかまを立てて、車に向かって立っていたそうです。それを見て、君主は、小さな敵をみて、『このような人がいたら、天下に名を残す人になっている(山形県家庭教師協会TOPICS from KATEKYOU 2023.06.13より)』と褒め、避けて通ったという話だそうです。そこからこの漢字が使われるようになったと言われています。「蟷螂之斧」という故事として、使われることがあるようです。以前の話で、ハチのムサシに出てきたのが、まさにこの蟷螂の斧ということになるようです。
小さな力が、大きなものに立ち向かうことは、なかなかできることはないのですが、自分の意思を貫くことは、必要なことかもしれません。