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学園自然百景
2024年10月18日
133.「マニアック」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
幼稚園、中高科学部、小学校のすべての稲刈りが終わりました。この猛暑の中ではありましたが、様々な知恵を絞りながら昨年よりも多くの収穫を得ることができました。まだ、脱穀が終わらないので、出来栄えはなんともいえませんが、まだ青い籾も見られ、猛暑の影響はあるようです。
子どもたちが稲刈りを終えてしばらくした頃、ゲストティーチャーの方が見せてくれたのが、写真の幼虫です。「可愛いでしょう。」と。私もそれを見て「可愛いですねえ。」と話していると、横におられた保護者の方が、「マニアックですね。」と。「これはマニアックな会話なんだ」と思いました。早速、写真を撮り調べ始めると、それそれというように、ニコニコとお二人が笑っておられました。
調べてみると、クロコマノチョウというチョウの幼虫でした。成虫は、まるで枯れ葉のような姿をしている上に、活動は夕刻からというのですから、見つかることはとてもまれと言えます。
幼虫は、ジュズダマなどの葉を食べるらしいのですが、保護色であり、じっとしていることが多く見つけるのは難しいらしいです。たまたまそのとき、ゲストティーチャーの方が、見つけていただいたのです。ラッキーと思うのは、マニアックからなのでしょう。
マニアックという言葉は、コトバンクによると〘形動〙(maniac 熱狂家の意)⸨マニヤック⸩ 物事に徹底して熱中しているさま。また、非常に凝っているさま。
となっています。
しかしながら、自分はこれには当てはまらないのかなと思っています。確かに自然の動植物に対して小さい頃から興味を持ってはいますが、熱狂的と言えるかというとそうではありません。
もう少しのめり込んでも良いのかもしれません。話を幼虫に戻します。
頭を見ると、とても愛らしく2本の角のようなもの、顔?には黒い輪郭模様、おちょぼ口が、ウサギの鼻のようにも見えてきます。幼虫を観察するたびに思うのですが、遠目から観ると、そうでもないのですが、毛虫といわれる由縁にもなる毛がからだ全体に生えているのに気づきます。雨などからからだを守るためなのでしょう。一部のガの幼虫にはチャドクガやイラガなど毒を持つことがありますが、持たない毛虫がほとんどです。手で触っても何ら問題はありません。
昆虫や草花などは非常に多くの種類があり、人間よりも古い歴史をもっていますので、不思議や疑問は尽きません。少しマニアックになってみようかとも思うのですが…。