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学園自然百景
2024年11月29日
139.「見間違ってはいや」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
今年ようやく最低気温が10度を下回るようになってきました。紅葉の名所でもライトアップなどで、雰囲気をアップさせているニュースなども聞かれます。「緑の葉も混ざってまたそれもきれいです。」というコメントがありました。まだ真っ盛りといえないのか、それともこのまま枯れていくのか気になるところです。ひばりの里の紅葉もまだまだです。そんな中、黄色いツワブキが花盛りです。黄色に紅葉の赤のコントラストがきれいです。そんな景色をみていると、「おや?」と目にしたのが、ノゲシです。これは確か春の花。ハルノノゲシともいわれる花だと思ったのですが今頃咲いているとは。と田んぼの方に目をやると、タンポポの花が咲いた形跡が見つかりました。確かに春と秋は、気候的には似ているのですが、少しびっくりしました。ノゲシとタンポポの花、葉が似ていて、どちらも綿毛を飛ばします。子どもたちもノゲシをタンポポといってしまいます。全くちがうのは、茎を伸ばすのがノゲシ。花の軸だけが伸びていくのがタンポポです。このように紛らわしいことから、ノゲシの花言葉には、「見間違ってはいや」という珍しい言葉がついています。
ノゲシは、野に咲く芥子ににた花というところからその名が付いています。ハルノノゲシの仲間には、数種ありました。オニノゲシ。葉は、ノゲシとあまり変わらないのですが、その様相は刺々しい感じがして、実際触るとかなり痛いです。オニのつく所以かと思われます。こちらは外来種になります。今は枯れてしまったのですが、ホソバアキノノゲシという植物もありました。とても背が高く、始めはヒメムカシヨモギかと思いました。というのも、葉に独特のタンポポのような切れ目がないのです。花を直接見ることができなかったのですが、つぼみや枯れた跡を見るとノゲシと同様の俵型のつぼみと綿毛を見つけることができました。それぞれが同じ種類でも個性を持っています。見間違わないように、しっかり観察しようと思います。