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学園自然百景
2024年12月06日
140.「密かな告白」「治癒」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
ようやく、里の紅葉が見頃になりました。ただまだ西側の紅葉はもう一息というところです。幼稚園の怪獣公園にあるモミジバフウは、黄葉が綺麗になっていました。そんな中、花を咲かせている樹木が幼稚園にありました。あまり目立たない花ですが、とても馴染みのある樹木です。ビワです。ビワの実はフルーツの売り場ではもちろんですが、実ったところをみることもあると思います。しかしながら、花が咲いていることを意識してみないと見逃してしまいそうな花です。なんか白いということはわかるのですが、近くに寄らないとどんな花かはっきりとわかりません。白い5枚の花びらのついた花です。このような様子から付いたのが「密かな告白」のようです。
琵琶は、中国から伝わった楽器のことで、漢字の上の王2つは弾くということだそうで、下の比と巴は、音を表しているのだそうです。「ピン!」と鳴って、「パー」となるところから来たとか。その楽器に似た形の実をつけることから、音を表す漢字に木偏をつけて、枇杷と書くようになったそうです。
5年生の理科で、花のつくりを学習します。そこでは、アブラナのめしべの下の子房がふくらんで実ができると学習します。花の中に子房があり、ふくらんでいく果実は、ウメやブドウがそれにあたります。枇杷のように、花びらの中の子房だけでなくその下の花托と呼ばれる部分も一緒にふくらんで果実となるものがあるようです。前者を真果(しんか)、後者を偽果(ぎか)と呼ぶそうです。実はもちろんですが、昔から葉は生薬にも利用されていました。今はビワの葉茶などもあります。そこから「治癒」という花言葉がついたようです。
密かに咲く花、大きく固く、産毛を生やす葉は、心の治癒に大きな結実を育んでくれているのですね。