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学園自然百景
2024年11月01日
135.「見事なアーク」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
月3回小学校では、水曜の7時間目にクラブ活動を行います。わたしは、科学クラブを担当していて、科学を通して楽しいものづくりや実験を行っています。気圧をテーマにそれを体感するために、フィルムケース(今は貴重品)に水を入れ入浴剤を入れ蓋をして、二酸化炭素を発生させて蓋を飛ばすという実験をしていました。そんな実験ですので、屋外での実験でした。その途中のことです。子どもが、「虹が出てる!」というので空を見上げると、虹の一部分が見えている「幻日(げんじつ)」という現象で時折みられるのですが珍しい虹でした。空を見上げていると、不思議な虹も発見しました。通称「逆さ虹」といわれる虹で正式には、「天頂アーク」と呼ばれる虹だそうです。しばらく見ていると、うっすらともう一重。思わず子どもたちに「写真を撮っておいてごらん。珍しい現象だよ」と促しました。子どもたちは、フィルムケースロケットを撮るためにタブレットを持ってきていたからです。あいにく私は、持っておりませんでしたので、終了後薄くなった天頂アークだけを撮ることしかできませんでした。
そこで、子どもたちにお願いをして、撮った写真を提出してもらいました。それがこの写真です。あらかじめブログにのせることを知らせておきました。
「幻日」と「天頂アーク」の両方をとってくれた見事な写真もありました。子どもたちもしばらく見とれていました。後で気づいたのですが、彩雲も撮れていました。
そのあと、太陽を背にしてみると虹が見えることがわかることをホースでシャワーを出して、人工の虹を見せました。中にはこの虹の写真を撮る子もいました。虹は、人を引きつけるアーク(arc)〔円弧〕といえそうです。
虹は、虫偏がつきます。全く虫とは関係なさそうですが、もともと虫という字は、ヘビの形からできたものです。空に昇るヘビ、つまり龍からできた漢字だそうです。
ウェザーニュースでは、その日の天頂アークについては、関西で見られたことを報じていました。雲の氷の粒に反射してできるとありました。上空はかなり冷えているようです。
虹は、天の架け橋に例えられ、「虹の橋を渡る」というと、ペットが亡くなったときに使われます。それだけ幻想的なものを感じるのでしょう。長く見えるものでもないため一層その感じが増すのでしょう。
このアークが子どもたち同士の心の中にいつまでものこる架け橋として残ってくれることを願っています。
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