一昨日の続きです。久石譲さんの「感動をつくれますか?」からです。
第二章の「直感力を磨く」にこんな文章がありました。
『最近いろんな人と話していて思うのは、結局いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切だということだ。創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。』
中学生のときにたくさんの経験をすることは、将来を豊かにするために必要なことなのですね。その経験は特殊なものである必要はないのです。積極的に授業を受け、たくさんの本を読み、いろいろな人とさまざまなテーマで話をし、部活動などで活発に体を動かすこと。清掃,委員や係の活動,家事の手伝いなど、中学生活のすべてが経験の蓄積になるのだと思います。この章の終わりにこうありました。
『楽な人生などない。みんな何かしら人知れず苦労しているものだ。だから自分から進んで苦労する必要はない。苦労自慢する人には、自分を冷静に見つめる第三の脳、客観視能力がない。ひいては知性が感じられない。普通の苦労は人間の幅を広げることにはならない。幅を広げたかったら、知性を磨くことと本当の修羅場をくぐり抜けることである。』
お子さまの能力を上げるためには、苦労させないために障害を取り除くのではなく、多少苦労することが分かっていてもそれを自分で乗り越えるまで見守ることではないでしょうか。楽をさせる方法はいくらでもあります。でも敢えて不自由な道を選ばせてこそ、それを克服する能力が身につくような気がします。
今日は子どもの日です。子どもの機嫌をとる日ではなく、子育てを見直す機会にしたいと思います。