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2007年02月28日

数と雑学 6

 今回は、雑学の話だけです。「十二支(干支)」は知っていますよね。日本人にはとてもなじみ深いもので、自分の生まれた年の干支は知っているものです。干支は本来「十干十二支」のことで、今年は亥(いのしし)の年です。十二支の日本語読みは、子(ね・ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う・うさぎ)、辰(たつ・りゅう)、巳(み・へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い・いのしし)ですが、そのルーツは中国にあります。中国では古代から、木星・火星・土星・金星・水星の5つの惑星が「五星」として知られている。そのうち、木星は黄道を約12年で1周することから、この木星の動きを基準にして、12年で1巡するある種の12進法を生み出し、「十二支」とした。その「十二支」に動物を当てはめたのは、中国・戦国時代といわれているそうである。ほとんどの日本人が自分の生まれた年の干支は知っているものですが、年をごまかしていると、いえないことがあります。気をつけてくださいね。

2007年02月26日

国公立大学前期試験を終えて

 昨日25日(日曜日)に国公立大学の前期試験が一斉に行われました。今日の新聞に神戸大学・大阪大学・京都大学の国語・数学・英語の一部のテスト内容が載っていましたが、受験生諸君(本校の3年生や卒業生)はできたのでしょうか。自分の実力以上にうまくいった者もいれば、自分の実力ほど力を出し切れず失敗した者もいると思います。結果は、3月10日前後に出ると思いますが、それまで終わったことをいつまでもくよくよせず、次の中期試験・後期試験に向けて、あと少しがんばってほしいと思います。ここ数年の東京大学・京都大学・大阪大学の数学の試験を見てみると、昔のような難問・奇問は減り、オーソドックスな問題が出ています。解けるようになるには、よりたくさんの問題演習をこなすことが第一だと思われます。最後まで、しっかり頑張りましょう。


2007年02月23日

誰のために、何のために

 昨日、御堂筋を歩いているとある有名企業のビルの前に、たくさんのリクルートスーツ姿の大学生達が集まっていました。会社説明会の入場を待っていたようでした。
 私が大学生の頃には、企業の募集活動は、4回生の7月が解禁で、就職活動はそれからでした。ところが、この取り決めが撤廃され、今では3年生から就職活動に動かなければいけないという、何のために大学に行っているのか分からない状況が生まれ、大学が「就職予備校化」してしまっています。
 会社の人事担当者は、どうしても見かけで人を判断してしまうようです。明るい表情で、ハキハキ答える人が、評価が高いようです。しかし、短い時間の中でその人を見抜くのは難しいことですが、例えハキハキと答えられなくとも、何とかその人の本質を引き出そうとすることは、面接者の側の能力にかかっていると言えるでしょう。表面でしか人物を評価できないのであれば、失格といういわざるを得ません。就職活動をした卒業生達の経験談を聞いていると、大企業であっても、実際は大学名や見た目で採用している企業が少なくないようです。
 現在の企業のそうした体質が改まらない限り、日本の差別社会・格差社会はなくならないと思います。学校は、本来そうした考え方とは別の世界であったのですが、最近は企業主義の発想が無批判に取り入れられて、本来教育が抱えている問題を解決する方向性をさらにややこしくしてしまっているように、私には感じます。教師の仕事をやりやすく効率化することと、なぜ教師の仕事が複雑化しているのかという本質的な問題を考えることは、分けて行われるべきでしょう。
  私の高校3年間の学年主任であった国語の先生は、メガネをかけた小柄の子狸みたいなおじさんで、授業も訥々と静かに語るタイプの先生でした。しかも、悪筆でテストは問題を考える前に、文字を解読しなければならないという、今の君たちから考えたら、あまり良い先生に思えないかもしれない方でした。しかし、私達はその先生の授業中は、とても緊張していました。厳しく叱られるからではありません。静かな授業の中での、その先生との受け答えが、真剣勝負に感じられたからです。その理由は、その先生の学識に、我々生徒もみんな敬服していたからです。先生は、松尾芭蕉の研究者としても一流で、その国語の授業は、正に一言一言が価値のあるように思えました。今の自分を顧みると、ただただ恥ずかしいばかりです。
人の価値は、表面的な姿形やしぐさで判断されるものでは、決してありません。もちろんそうしたものが必要な職業もあるわけですが、よく考えると、当たり前のことですが、すべての人間が容姿端麗で、何でもニコニコ・ハキハキとしゃべれるわけではありません。例え、物静かであっても、人の気付かないことに心配りができたり、逆にものすごく美男・美女であっても、平気で他人を傷つけたり、いろいろな人間がこの世の中にいます。「巧言令色、鮮なし仁(巧言令色鮮矣仁)」という言葉が中国にあります。孔子の『論語』の言葉で、巧みな言葉や見かけの素晴らしい人間が誠実な人間、立派な人間とは限らないということです。
 皆さんの人生は、もちろん皆さん自身のものですが、その人生は多くの人々に影響を与え、役立つことができます。自分の持っているすばらしさを発揮し、他人を表面的に姿ではなく、その本質を認め、付き合えることのできる、そんな人間に育ってほしいと願っています。

2007年02月22日

あした来る人

 作家の井上靖さんは、唐僧鑑真と彼を日本へ招こうとする2人の青年僧を描いた『天平の甍』やジンギスカンの生涯をドラマチックに綴った『蒼き狼』といった歴史小説で有名ですが、実はたくさんの青春小説・恋愛小説を新聞小説として執筆されています。
 表題に採り上げた『あした来る人』もそんな一つですが、この作品だけではなく、『その人の名は言えない』・『緑の仲間』・『揺れる首飾り』など、井上さんのこのジャンルの登場人物は、主に皆さんよりも10才ぐらい上の人達です。彼らが様々な人間関係を通じて、青春時代から大人へと自らを成長させて行く姿を描いています。そして、井上さんの筆は、彼らの姿を真っ直ぐに清々しく描きます。何だか過剰にドロドロした小説や逆に綿矢りささんのように新しい感覚と筆致で淡々と人間を描く小説が巷には溢れていますが、井上さんの小説は、表面的には静かでも、人間同士が互いに心と心をぶつけ合って、その生を紡いでいくという本来の人間の生き方が描かれているように、私は感じました。
 大学に合格して、時間はあるけど何をしたらいいか分からない。そのような人は、井上さんの青春小説を手に取ってみて下さい。

2007年02月21日

昨日、そして今日

 高三の皆さんは、卒業して一日が過ぎました。たった一日の違いですが、大きな一日の違いですね。制度上は3月31日までは、皆さんは本校の生徒ですが、もう私達の手を離れてしまいました。
 卒業の「卒」という字には、いくつもの意味があります。「終わり」という意味が一般的ですが、もう少し正確に言うと「すべてを終える」・「全うする」という意味になります。だから、縁起でもないと思うかもしれませんが、「卒」には「死」という意味もあります。皆さんは、この雲雀丘で、「業を卒して」=すべてを学び終えて、巣立つことができたと考えているでしょうか。もし、納得できなければ、これからの大学や社会の生活の中で、自分が納得できるまで、様々なことを学び続けて下さい。
 「卒」という字には、その形の成り立ちから見ると羽織のような粗末な着物を着た雑兵=下級兵士という意味もあります。「一兵卒」という言葉を知っているでしょうか。皆さんは、雲雀丘を離れ、まさに「一兵卒」として社会に出て行きます。兵隊の世界を肯定するわけではありませんが、目上の人の言葉に良く耳を傾け、人生の訓練を積んで下さい。 毎日毎日が人生を刻んでいきます。4月からの新しい世界で、雲雀丘で学んだことを糧に、それぞれの道を弛まず歩んで下さい。

2007年02月20日

ご卒業おめでとうございます

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ご卒業おめでとうございます。今朝の青空は、本当に素晴らしかったですね。まるで君たちが飛び立つのを待っているかのようでした。
 「あれっ、この題名って…」と思った人。その通りです。これは、この学園中学出身の人は中学の卒業式で歌った卒業の歌の題名です。この曲が生まれたいきさつは、テレビなどでもよく採り上げられているので、知っている人も多いと思います。今からもう15年も前、埼玉県のとても荒れていた中学に赴任した校長先生が、何とか学校を良くしよう、自分の気持ちを生徒達に伝えようと作詞し、音楽の先生が作曲して、先生達が卒業式で歌ったのです。
教師は、君たちにとっては通過点にしか過ぎません。今日を以って雲雀丘学園は君たちの思い出になってしまいます。卒業式を迎えるたびに私は考えます。授業の中で、様々な場面で、本当に自分の思いを生徒達に伝えることができたのだろうかと。授業で知識を伝えるだけなら、事務的に説明しても何も問題はありません。しかし、文学や歴史や、音楽や美術を語るときには、ただ文法や事件や作品の説明をいくら正確に受けても、そこに人間としての感動や共感は生まれません。一人一人の教師が、自分の教える教科・科目が大好きで、説明するのが楽しくて仕方がない、そんな先生の授業が素晴らしいのではないかと私は思います。私は、そんなふうに、君たちに何かを伝えることができたのだろうか、
今日、もう一度自分自身に問い直しています。

「 飛び立とう!この広い 大空へ」 皆さんの素晴らしい未来を祈っています。 

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2007年02月19日

春を待つ君たちへ

 さあ、明日は、いよいよ卒業式ですね。皆さんはどんな気持ちで迎えるのでしょうか?無事志望校に合格した人、国公立の受験に向けて準備を進めている人、私学の3月入試を受けようと頑張っている人、とっくに推薦に合格して、この日を待っていた人、様々ですよね。「まだ、私には春が来ない…」と思っている人もいるでしょう。でも、春はみんなに必ずやってきます。
 身の回りを見回してみてください。今年は暖冬でしたが、それでも木々は冬の風に打たれていました。受験勉強に取り組んでいた君たちの姿と重なります。でも、その枝をしっかりと見つめてください。もうゆっくりと芽がふくらんできています。明日が待ち遠しい人ばかりではなく、新しい大学生活が不安な人、合格したけれども、進学先で保護者と意見が合わない人、合格してしまうと何をしたらいいか分からなくなってしまった人…。みんないろいろ悩みましょう。木々の芽がゆっくりと養分を蓄えて、緑の葉が芽吹き、美しい花を咲かせるように、いま君たちが悩んでいることが、きっと人生の栄養分となって、4月からの君たちの人生にじんわりと役立つはずです。
 さあ、まずは卒業式で、最後に高らかと学園歌を歌って、笑顔で、喜びの涙で、この学園を卒業してください。春の女神も、そんな君たちの姿を見つめています。まだ合格通知を見ていない人にも、きっと微笑んでくれることでしょう。

2007年02月17日

前期日程の状況

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立命館大学はどうか。前期日程の合格者数がまだ公表されていないので、志願者数だけしか比較できない。
【一般入試】
 一般入試では、産業社会・国際関係・政策科学・理工学部で志願者増、法学・文学・経済・経営学部で志願者減となっている。特に、産業社会学部は募集枠が小さくなっているにもかかわらず、大きく伸ばしている。小学校教員免許取得など、ここでも、教育人気が功を奏した恰好となった。一方、昨年人気であった経済・経営はもう役割を終えたかのようである。先ほどの産業社会学部とは逆に、受験生の移り気の早さがよく表れているように思う。

【センター利用】
 ここでも産業社会人気が目立っている。昨年、前年の反動で大きく志願者数を減らし、低倍率であったことが、今回はそのリバウンドがきているものと思われる。後期日程についても厳しい状況が続くだろう。 経営の増加現象は産業社会と連動している。ところが、経済学部も同じはずなのだが、逆に減らしている。しかも募集枠が大きくなっており、増える要因はあった。もし、経済学部前期日程の合格者数が昨年と同じだったなら、ここが今年の穴場だったのかも知れない。後期日程についても志願者数の状況に注目しておいた方が良さそうだ。
 一方、理工・情報理工学部共に大きな変化はない。後期日程についても恐らく昨年並み、3~4倍程度であろう。理系諸君はチャンスと捉えてよい。

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2007年02月16日

前期日程の状況

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 関西大学の2007年度一般入試前期日程およびセンター利用前期・中期の結果が公表されているので,それを昨年度の結果と照らし合わせて検討してみた。
【志願者数】
 総合情報学部を除いて,どの学部も,昨年度より大幅に増加しているが,これは,新しくS2日程・E日程(工学系学部のみ)を導入したためであり,実際は日程間の併願が多いのではないかと思われる。反面,総合情報学部は,S2日程を設定したにもかかわらず減少している。特に,A・S日程に限ってみると,大幅に減少しているのがわかる。
【合格者数】
 昨年度と比較して,文学部を除いて,合格者を減らしている。だいたい,昨年度の20%(法学部)~10%(社会学部)少なく,これは、募集定員の減少分に合わせて減らしたためだと思われるが、昨年と違ってS2日程との併願者を含んでの数であるから,それから推測すると、合格者の実人数はもっと少ないのではないかと思われる。要するに、ちょっと絞りすぎではないのかな?と。
 もし、この推測が正しければ、後期日程は大きなチャンスといえる。出願は22日(持参のみ)までであり,まだ充分間に合う。ぜひ挑戦してみてはどうだろう。
 文学部は合格者数が増えているが,募集定員が20%多くなることを考えると,結局例年並みとなっている。
 一方、センター利用入試の方も比較してみたが,やはり,こちらも合格者を減らしている。集まりが悪いせいもあるが、センター試験の平均点が下がっているにもかかわらず、昨年と同じ得点率で絞っているためではないかとも思う。
 いずれにせよ、後期の志願者数にもよるが、はたして、法学部・経済学部、商学部は、思惑通りに募集定員の減少分に見合う絞り方ができたかどうか。それによって、レベルを上げることができたかどうか。上位層ほど定着率が悪いことを考えると、後期は相当狙い目かも知れない。

2007年度一般入学試験<A・S・S2・D・E日程>の志願者数・合格者数
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昨年度(2006年度)入試結果
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2007年02月15日

入試は,まだこれから。

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 今週,主要な大学の合格発表が続いている。一昔前なら,これを境に私立大入試は収束していったが,今は違う。後期・3月入試は前期入試とほぼ同じ重みがあり,実施しない大学の方が珍しい。後期が「前期の補充」であった時期は過去の話。後期・3月入試はもう,前期と独立した別日程の入試なのだ。だから,最後まで粘った者は,前期の日程では間に合わなかった力も,後期には確実についている。焦ることは何もないのだ。気をつけたいのは,周りの雰囲気に飲まれて一緒に終わったような気持になってしまうこと。決してブレてはいけない。
 下に,後期・3月入試を行ったいる大学をすべて掲載した(excel形式)。見ればわかるが,物凄い数がある。焦らず,再度出願を考えてみよう。


後期・3月入試を行っている大学一覧はここ

2007年02月14日

国公立大の場合

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 同じ後期日程でも,国公立大の場合は事情が異なる。
その1 前期日程の結果を見てから出願することができない。
その2 国際教養大を除いて,国公立間の併願はできない。
 この結果,前期(または中期)で合格した者は大抵,その時点で入学手続きをし,後期試験を受験しない(もちろん,受験してもよいが,選考から除外され,点数がいくらよくても合格にはならない)で欠席する。このため,欠席率はどうしても高くなり,例年約50%である。
 後期の志願倍率は,募集枠が小さい分,見かけ上高倍率になる。しかし,実質倍率は欠席率を考えるとその半分ぐらいであろうか。結局のところ,数字上は前期とさほど変わらず,むしろ受験者の内面の変化,諦めない気持を持ち続けているかどうかの違いだけではないかと思う。

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2007年02月13日

これから始まる後期日程について

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私立大入試は前期日程の合格発表のあと,後期日程が始まる。
ところが,後期は人数調整のためにあるから,募集人数も少ないし,どうせ難しいもんだと決め込んで諦めてしまっている人が意外に多い。確かに,後期日程の募集枠は前期に比べて小さい。だから,難しい・・・・・・・これって本当?
 下表を見て欲しい。これは,昨年度の京都産業大学後期日程結果である。「合格者数」「割増率(合格者数÷募集人数)」がいかに大きいか,見て取れるだろう。多少倍率の変動はあるが,概ね前期日程と変わらない。決して,募集枠が小さいからチャンスも小さいのではないのだ。特に,理工系学部の割増率は文系学部に比べて大きくなるようだ。
もちろん,すべての大学の後期日程が同じ状況とは限らない。本当に,人数調整によって募集枠より少なく合格者を絞っている大学もある。また,本年が昨年と同じ採り方をするかどうか,はっきりとした情報がない。

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 肝心なのは,最後までやり通せる根性があるかどうか,である。当たり前なのだが,諦めれば,そこまで。それ以上新しいものは生まれない。だけど,やってみれば,結果がついてくる。
 それより,ここまでやり続けられたことに大きな自信と誇りを持って欲しい。それは明日に繋がる大きな財産だと思う。
 以下に,主な大学について,2006年度の後期日程結果を一覧にした。参考にして欲しい。

昨年度 後期日程 入試結果 を見るにはここをクリック

2007年02月08日

近畿教育学部の動向

団塊世代の退職を受けて、教員採用の門が広くなる予想で、近年教育学部志望者が増えています。実際、10~20年ほど前は、教員になるには50倍を越える狭き門で、教員志望の卒業生たちも大変苦労しました。当時、各教育大学も、教員養成課程以外に教養学部的な学科を増設して対応してきました。
さて、今年の近畿の国公立大教育学部の志望動向を挙げてみます。
教育学部は細かく学科・専攻に分かれているので、募集人数も少なく、専攻によっては、後期40倍を越えたところもあります。
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上記の8大学は、難易度もそれほど大きな開きがないので、志望倍率が大きく合否に関わってきます。昨年度、前期7.2倍と高倍率だった鳴門教育大は隔年現象でほぼ半減しました。三重大のみ前後期とも少しアップしていますが、名古屋大の教育学部・三重大の教育学部の一部が後期募集停止なので、その影響とも考えられます。後期は、奈良教育大が28.8倍と非常に高い倍率になっていますが、これは保健体育(95.5倍)・言語社会(66.2倍)・音楽(42.5倍)の倍率が全体を引き上げています。
後期は、当然のことながら受験生が減りますので、数字に負けずに最後までがんばりましょう。

2007年02月07日

国公立出願締め切る

国公立大学の出願期間は、1月29日~2月6日でした。志望書類は2月6日必着という大学がほとんどなので、出願状況がほぼ出そろいました。
07年度入試は、京都大学が後期入試を実施しない(医学部を除く)ということで、例年と出願状況において差異が出るのではないかと言われていました。以下に、京都大・大阪大・神戸大・大阪市大の出願状況を挙げてみます。

数字は倍率(昨年の倍率)

 
文系

京都大 総合人間 3.6(3.6)   
       教育   3.4(4.1)     
       文    2.8(3.0)
       法    2.7(3.0)
       経済   3.5(3.7)

大阪大   文     前期 3.7(3.9)  後期 8.4(7.5)
       人間科学  前期 2.6(2.7)  後期  8.7(7.0)
       法      前期 2.5(2.7)  後期 12.0(11.4)
       経済     前期 3.2(3.3)  後期  7.7(9.6)

神戸大   文     前期 3.5(4.2)  後期 10.8(12.9)
       国際文化 前期 3.2(4.1)  後期  6.1(7.8)   
       発達科学 前期 2.6(2.7)  後期  8.7(7.0)
       法      前期 4.0(4.8)  後期  8.3(9.6)
       経済    前期 2.7(4.2)  後期 19.1(20.4)
       経営    前期 4.5(3.5)  後期 18.5(16.8)

大阪市大  文    前期 3.8(4.0)  後期 10.2(13.2)
        商    前期 2.8(1.9)  後期 13.4(9.9)
        法    前期 4.0(4.5)  後期  30.0(35.7)
        経済   前期 3.4(3.7)  後期   6.0(7.5)

 理系 

京都大   理  前期 2.6(3.1)
        工  前期 2.3(2.6)
        農  前期 2.1(2.5)
        医  前期 2.7(2.9)   後期 7.3(11.3)

大阪大   理    前期 2.3(2.5)    後期 10.2(7.1)
        工    前期 2.1(2.4)   後期  10.0(8.2)
        基礎工 前期 2.8(2.8)   後期   5.7(7.1)
        薬    前期 3.0(4.3)   後期  6.5(12.7)
        歯    前期 2.8(2.9)   後期  11.5(12.7)
        医    前期 2.1(2.3)   後期  7.6(4.6)

神戸大   理   前期 3.0(2.9)   後期 9.0(8.3)
        工   前期 2.6(3.2)   後期 10.8(10.5)
        農   前期 3.5(3.8)   後期  9.0(10.1)
        医 前期 3.9(3.9)   後期 13.4(13.9) 
       海事科学 前期 2.6(2.7)  後期 10.0(5.9)

大阪市大  理  前期 3.1(2.9)    後期 11.2(8.5)
        工   前期 3.9(4.2)   後期 17.4(13.2)
        医   前期 3.7(4.4)   後期 7.7(7.3)
       生活科学 前期 2.7(3.9)


センター試験の平均点が昨年度より文系(-32点)・理系(-48点)となった影響か、後期試験のない京都大学の倍率が全学部で下がっています。受験生は安全志向に走ったようです。前期試験では、神大の経営、大市大の商・理・で倍率がアップしています。後期試験では、阪大は経済・基礎工以外の学部で京大の後期から流れたと読み取れます。神大は学部によって、倍率の上下にばらつきがあり、結局玉突き現象で大市大のアップが目立ちます。 

2007年02月06日

好きこそ……(2)

「高校生の夏」といえば、高校野球を連想する方が多いと思います。今年の夏の「甲子園ポスター原画コンクール」で全国1196点の応募から最優秀賞に輝いたのは、北九州市の八幡中央高校芸術コース2年生の木下遥さんです。  在学する芸術コースは美術専攻と書道専攻があり、全国レベルの大会で優秀な成績を修めています。NHK教育番組高校講座「美術」にも出演するなど多角的に活動している高校生たちです。彼女も、お互いに切磋琢磨できるこのような環境の中でさらに磨きがかかったのでしょう。

 彼女が美術を志すきっかけは、幼いころ、左利きを右に変えるために、いやいや絵画教室に通わされたところから始まります。「そのままでいいんだよ」という先生の一言に夢中で絵を描き、その絵をほめられた喜びが今につながっているそうです。  

創作の過程を知って、自分の好きな絵をさらに磨くためのたゆまぬ「努力」とどこまでも一つのことにこだわる「強い精神力」を感じました。

 創作にあたって、高校野球に疎かった彼女は、新聞・雑誌の記事や写真を手当たり次第に読み、見ることからスタートしました。有志で応援団をつくる地域の人たち、甲子園のアルプススタンドを目指して練習に励む吹奏楽部員……。高校野球は単に高校生だけでなく、無数の人々がかかわっていることを知り、引きつけられました。80枚の写真を選び、1週間かけてパソコン上で構図を練り、アクリル絵の具の仕上げには3週間かけたそうです。

作品は、そろいの帽子で声援を送る女子生徒や歓喜の選手を背景にして、バットを振り抜く球児の姿が大きく描かれています。ユニホームの陰影が彩色されて強調してあるのは「光を浴びるようにたくさんの人の思いを背負い、全力で打ち、勝ちに行く姿を伝えたかったから」。ここに掲載できないのは、残念ですが、夏の全国大会のポスターを楽しみにしてください。

進路を考えるときに「やりたいことが見つからない」という生徒がたくさんいますが、「好きなこと」はあるはずです。その「好きなこと」を究める努力を本気で始めてみませんか。きっと新たな自分が発見出来ることでしょう。

2007年02月05日

好きこそ物の上手なれ( 1 )

「好きこそ物の上手なれ」ということわざがありますが、自分の好きなことに一心に打ち込んで、それが一生の仕事となれば、素晴らしいことです。

好きな道なら楽しく歩く」これを座右の銘にしている中学生がいます。

 1月中旬、ニュースで取り上げられたスーパー中学生の女流棋士、里見香奈さんです。
 彼女は「レディースオープン・トーナメント2006」決勝3番勝負の第1局で、矢内理恵子女流名人を破ったとクローズアップされました。私自身は、まったく将棋には不案内なのでよくわからないのですが、どんな中学生なのかと興味を覚えました。
 

彼女は、6歳の頃、将棋愛好家の父と3歳年上の兄の影響で将棋を始めました。兄と一緒に道場に通うようになり、大会には必ず参加して、上位入賞の図書券などの賞品をもらうのがとても嬉しかったそうです。小学生でアマ女流名人戦(Aクラス)のタイトルを獲得し、2004年秋に女流2級に、12歳6ヶ月の若さで女流プロとなりました。現在は女流1級です。(2006年4月)


 テレビニュースでも、出雲市から会場の東京まで、夜行バスでやってきたセーラー服姿の中学生が放映されていて、こんなふうに自分の道を究めていく中学生がいるんだと感心しました。
 彼女はエッセイに次のように記しています。

 ……鳥取に住むおじいちゃんも将棋が強くて、そのころ(小学生)の私はお兄ちゃんお父さんにも全く歯が立ちませんでした。おじいちゃんはよく大会に応援に来てくれて、大会で勝つと、とても喜んでくれました。今でも私の記事が載ったりすると将棋仲間に自慢しているそうです。このように、私は家族やまわりの人に支えられてとてもいい環境で将棋が指せて来られたと思います。行く先々で、たくさんの人と出会え、知り合いになったことは私にとって大きな財産だと思っています。その応援があったからこそ、女流棋士にもなれたと思います……

 中学校では卓球部に所属し、体力作りに励んでいるようです。高校の合格も決まったようで、今後が楽しみです

彼女の自己PRです。 
何でも一度決めたことはあきらめずに最後までやり遂げる根性だけはあります

2007年02月02日

数と雑学5

 今週もあと少しで終わりですが、国公立の出願は来週火曜日までです。あまりぎりぎりになりすぎると、焦って願書の記入間違いや記入漏れが出てきますよ。少し余裕を持って出願書類を整えるようにしましょう。迷っている場合は、2~3の大学の願書を書いておくのもいい方法でしょう。しかし、まだ願書を取り寄せていない場合は、間に合いませんよ。今日には取り寄せないといけませんね。速達で頼んで、速達で送ってもらうようにしましょう。取りに行ける大学なら、取りに行くのがベストでしょう。さあ急いで行動を起こしましょう。
 今日の私立大学入試は、近辺では、大阪観光大学、大阪体育大学、関西大学、関西学院大、京都学園大学、京都産業大学、京都精華大学、京都橘大学、甲南大学、神戸海星女子学院大学、神戸国際大学、神戸ファッション造形大学、神戸薬科大学、神戸山手大学、摂南大学、帝塚山大学、花園大学、兵庫大学、森ノ宮医療大学、立命館大学などがあります。来週くらいまで、私立大学入試がびっしり詰まっています。私立大学を第1志望にしている受験生は、ゆっくり休む暇もないとは思いますが、全力尽くして合格を勝ち取るまでしっかり頑張りましょう。もうすぐ春が来ます。それを信じてファイト!
 ところで、明日(2月3日)は、節分ですよね。節分を2月3日に行うのは、旧暦(太陰太陽暦)からきています。旧暦には、一太陽年を24等分した「二十四節気(節季)」があります。春の節気は「立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨」、夏の節気は「立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑」、秋の節気は「立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降」、冬の節気は「立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒」で、節気の前日をべて「節分」と呼んでいた。その中でも立春は、春が始まる日として特に重んじられ、節分といえば立春の前日の2月3日を指すようになった。
 平安時代、宮中において、位の高い大舎人が仮面をかぶって鬼になり、子供たちが追いかけ回して鬼を払う行事が行われていた。(「たいな」とか「ついな」とかいう)また、同じ日に、からだにしみついた1年の穢れを豆に集めて道端に捨てる習わしがあった。豆は「魔目」につながり鬼の目を打つのに適しているとされて、家の中でまかれるようになった。この2つの行事が合体したものが、現在の節分の豆まきになったそうである。

2007年02月01日

数と雑学4

 そろそろ各国公立大学も志願者が集まり始め、中間集計が出る頃ですが、それを見てから出願する受験者も多いと思います。ですが、今現在集まりが悪いからといって易しくなる(合格しやすくなる)とは限りません。逆に、そういうところはこれからどんどん志願者が増え倍率が高くなることも多いのです。あまりそういうのに左右されず自分の行きたいところに出すのがベストだと思いますよ。頑張ってください。
 今日の私立大学入試は、この近辺では、藍野大学、大阪経済大学、大阪体育大学、大阪電気通信大学、関西大学、関西学院大、京都産業大学、京都橘大学、甲南大学、神戸海星女子学院大学、神戸国際大学、神戸山手大学、摂南大学、帝塚山大学、兵庫大学、立命館大学などがあります。いよいよ、関関同立の入試ですね。関関同立を第1志望にしている人は多いと思いますが、今まで勉強してきたことをすべて出し切れば合格することもいくらでも有りです。また、今日から日程別に連続で入試が続きますから、体調管理もしっかりして全力を尽くして頑張ろう。受験生諸君、全員が合格することを陰ながら応援しています。ファイト!
 今日は、「六曜」についてです。皆さん、「六曜」って知っていますよね。カレンダーにも毎日書かれているあれですよ。「結婚式は、大安の日に」「友引の日は葬式は出さない」とか言われる縁起担ぎのルーツともいえるものです。「六曜」は、「先勝(せんしょう、せんかち、さきがち)」「友引(ともびき)」「先負(せんぷ、せんまけ、さきまけ)」「仏滅(ぶつめつ)」「大安(たいあん、だいあん)」「赤口(しゃっこう、しゃっく)」の6つから成りたっています。ちなみに、今日2月1日は「先勝」になります。
 旧暦の1月・7月の1日を先勝、2月・8月の1日を友引、3月・9月の1日を先負、4月・10月の1日を仏滅、5月・11月の1日を大安、6月・12月の1日を赤口とし、後は順番に各月の日にこの六曜が割り当てられている。
 それぞれの意味は、「先勝」:午前が吉、午後が凶。急用や訴訟に向き、早く事を行う日。「友引」:朝晩は吉、日中は凶。何をやっても勝負がつかない日。「先負」:午前が凶、午後が吉。急用や公事を避けて静かに待つ日。「仏滅」:釈迦の死を意味し、すべてに凶であるとされる日。「大安」:「大安吉日」というなど、万事に吉の日。結婚、旅立ち、移転、開店などに良い日。「赤口」:一日中凶。午の刻のみ吉。
 何か良からぬ事が生じたとき、やっぱり六曜のとおりにしておけばよかったと後悔したくないから、六曜信仰における縁起担ぎはこれからもずっと続くのだろう。