one day college(大学職員の出張講座)-大阪府立大学-

現代システム科学域
(講義内容)
「黒人の犯罪率は高い」は本当か?
犯罪についてわたしたちが信じていることの中には、よく調べてみると根拠が薄弱だったり、そもそもそのこと自体が「ウソ」であることも少なくありません。このことを仮にここでは「犯罪の神話」と呼ぶことにしましょう。犯罪はそもそも社会的な環境の下で起きますので、「犯罪の神話」にも、国や地域によっていろいろなバリエーションがあることが予測されます。今回、わたしがみなさんと一緒に考えてみたいのは、主にアメリカ合衆国で1960年代に信じられていた「黒人の犯罪率は高い」という「犯罪の神話」についてです。実はこのことは、当時の人々にとってはきちんとした統計から導かれた真実だと考えられていたのですが、そのことに「待った!」をかけた人々がいました。わたしのお話では、当時のアメリカ社会の人々がどのように犯罪を考え、そしてその「常識」を「神話だ」と考えた人がどんな風にそれを覆していったのかについてお話しします。それを通して、「社会学」という学問領域の発想のユニークさをお伝え出来ればと考えています。
(感想文)
・与えられる情報の背景を考えることは非常に大切だと思った。犯罪統計の中には冤罪者や不起訴者がいるということを初めて知った。人の外見や人種で社会の中で差別が公務員でさえ行われているということは極めて遺憾だ。社会学はある物事を周りとの関係を含めて考える学問ということだが、これこそがとても重要だと思った。(高2男子)
・今までこのような社会学的な話を聞いたのは初めてだったけれどとても興味深く面白かったです。私たちは無意識に決まりごと、規範に従って行動しているんだと思いました。考え方も人それぞれ違い、それが思い込みとなり色々影響を与えることもわかりました。(高2女子)
・統計だけで見たら黒人の方が犯罪率が高いけど、検挙率がまず白人と黒人で違ったら、統計だけで黒人の方が犯罪率が高いと判断したらだめだと思った。差別がこういうところにも出ていることに少しびっくりした。自分でも意識しているうちに、見た目で恐いとか判断してしまうことがあるので気を付けようと思った。 (高3女子)
・セレクティブ・サンクションという考え方はすごいと思いました。アメリカで行われた「万引き実験」の結果は面白いなと思いました。こんなに楽しい話を聞けるとは思っていなかったので受けて正解だったと思います。来年も工藤先生の授業を受けられればと思います。
(高2男子)
・すべての物事をシステムで見て、「なぜ」起きるのかを当事者ではなく第三者の目として、反応を確かめるという考え方は斬新だった。黒人の犯罪率が高いのは、周りの人の通報、検挙。実験結果はウソつかない。社会の風潮がそうさせている。大事なのは物事を多角的に見て、風潮に流されずにすること。それは難しいことだと思った。社会の規範を変えるのは難しい。(高3男子)
・すごくおもしろかった。社会学が何なのか。いまいち分からなかったがすっきりした。先生の話はいろんな分野の話にとんだけれど、どれもつながっていておもしろかった。今回の話はアメリカ社会の話だったので他の国の犯罪についても知りたいと思った。アメリカの社会の話を聞きつつ日本のことも考えられた。 (高3女子)
・興味のあった社会学の詳しい話が聞けてよかったです。講義もとても分かりやすくて楽しく、また今まであまりはっきりとは分からなかった社会学で学ぶ内容も話していただきありがとうございました。3年連続ありがとうございました。 (高3男子)







11時40分、授業見学後、記念講堂を見学。防衛大学生の卒業式が行われる講堂である。その広さに驚く。玄関前には見事な富士山のステンドグラスが飾ってあった。記念講堂を出た広場で記念撮影後、私だけ防衛大学内にあるコンビニへ行き、昼食を購入して12時に2階へ。そこには、兵庫県出身の防衛大学生が来てくれた。洲本高出身のKさん(2回生)、姫路西高出身のTさん(4回生)、六甲高出身のM君(4回生)、白陵高出身のM君(4回生)とK君(3回生)の5名である。防衛大学に来た動機や、生活上のつらいこととか、よかったことなど、私は失礼にも食事をしながら、短い時間にいろいろと尋ねてみた。みんな、ハキハキと答えてくれた。特にアメリカ留学を終えて帰ってきたTさんは自信に満ちあふれ、年齢以上にしっかりしていると感じた。Kさんに、防衛大学で女生徒がやっていくうえで必要なことはと聞いてみると「気合です」とのこと。しっかりした意志を持ち、自己管理ができれば問題なくやっていける。やはり人のためにという使命感が、彼女らにエネルギーを与えている。また、白陵で教えていた二人の生徒は、高校時代と比べて、驚くほどたくましくなっていた。彼らの顔には、誇りと自信が満ちていた。どの大学に合格したかではなく、大学で何を学び、将来何のために自らの人生をかけようとしているかが、大切だ。進路指導をする教員の心構えを教えられた。一人ひとりの元気な顔を見て、安心し、そしてうれしかった。リタイヤする生徒は、ふつう大学に未練を持っている生徒ですときっぱり言ったK君には、迷いはなかった。就職でうつ病になっている生徒も見受けられる現在の一般大学生がいる中で、防衛大学の生徒は制服の影響もあるかも知れないが、本当に輝いて見えた。あっという間に予定の12時50分時間が来て、日本を頼むとの思いをこめて、彼らと握手して別れた。彼らから一杯エネルギーをもらい、すがすがしい気分で、課業行進を見学するため中央広場に急いだ。
「高い志を持った優れた生徒達に、防衛大学を、受験してほしい。」
防衛大学校を見学



