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2012年07月31日

one day college(大学職員の出張講座)-大阪府立大学-

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現代システム科学域
(講義内容)
 「黒人の犯罪率は高い」は本当か?
犯罪についてわたしたちが信じていることの中には、よく調べてみると根拠が薄弱だったり、そもそもそのこと自体が「ウソ」であることも少なくありません。このことを仮にここでは「犯罪の神話」と呼ぶことにしましょう。犯罪はそもそも社会的な環境の下で起きますので、「犯罪の神話」にも、国や地域によっていろいろなバリエーションがあることが予測されます。今回、わたしがみなさんと一緒に考えてみたいのは、主にアメリカ合衆国で1960年代に信じられていた「黒人の犯罪率は高い」という「犯罪の神話」についてです。実はこのことは、当時の人々にとってはきちんとした統計から導かれた真実だと考えられていたのですが、そのことに「待った!」をかけた人々がいました。わたしのお話では、当時のアメリカ社会の人々がどのように犯罪を考え、そしてその「常識」を「神話だ」と考えた人がどんな風にそれを覆していったのかについてお話しします。それを通して、「社会学」という学問領域の発想のユニークさをお伝え出来ればと考えています。

(感想文)
・与えられる情報の背景を考えることは非常に大切だと思った。犯罪統計の中には冤罪者や不起訴者がいるということを初めて知った。人の外見や人種で社会の中で差別が公務員でさえ行われているということは極めて遺憾だ。社会学はある物事を周りとの関係を含めて考える学問ということだが、これこそがとても重要だと思った。(高2男子)

・今までこのような社会学的な話を聞いたのは初めてだったけれどとても興味深く面白かったです。私たちは無意識に決まりごと、規範に従って行動しているんだと思いました。考え方も人それぞれ違い、それが思い込みとなり色々影響を与えることもわかりました。(高2女子)

・統計だけで見たら黒人の方が犯罪率が高いけど、検挙率がまず白人と黒人で違ったら、統計だけで黒人の方が犯罪率が高いと判断したらだめだと思った。差別がこういうところにも出ていることに少しびっくりした。自分でも意識しているうちに、見た目で恐いとか判断してしまうことがあるので気を付けようと思った。               (高3女子)

・セレクティブ・サンクションという考え方はすごいと思いました。アメリカで行われた「万引き実験」の結果は面白いなと思いました。こんなに楽しい話を聞けるとは思っていなかったので受けて正解だったと思います。来年も工藤先生の授業を受けられればと思います。
(高2男子)

・すべての物事をシステムで見て、「なぜ」起きるのかを当事者ではなく第三者の目として、反応を確かめるという考え方は斬新だった。黒人の犯罪率が高いのは、周りの人の通報、検挙。実験結果はウソつかない。社会の風潮がそうさせている。大事なのは物事を多角的に見て、風潮に流されずにすること。それは難しいことだと思った。社会の規範を変えるのは難しい。(高3男子)

・すごくおもしろかった。社会学が何なのか。いまいち分からなかったがすっきりした。先生の話はいろんな分野の話にとんだけれど、どれもつながっていておもしろかった。今回の話はアメリカ社会の話だったので他の国の犯罪についても知りたいと思った。アメリカの社会の話を聞きつつ日本のことも考えられた。                (高3女子)

・興味のあった社会学の詳しい話が聞けてよかったです。講義もとても分かりやすくて楽しく、また今まであまりはっきりとは分からなかった社会学で学ぶ内容も話していただきありがとうございました。3年連続ありがとうございました。           (高3男子)

2012年07月30日

one day college(大学職員の出張講座)-宝塚市立看護専門学校-

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看護学科
(講義内容)
「大切な人を助けるために」
-学んでみよう!救命について-
AEDを用いた心肺蘇生法について学び、実演、その後、生徒の皆さんにも実際に体験してもらいたいと考えています。

(感想文)
・AEDの使い方を教えてもらえるということで、今回のこの講義の受講を希望しました。講義を受けて、改めて早期の心肺蘇生と除細動の大切さがよく分かりました。AEDの操作や中に入っている部品なども見せてもらえ、また、初めてのことばっかりだったので、非常に感動しました。今回の経験をいかして、倒れている人を見かけたら、積極的にAEDを使用し、心臓マッサージをして助けてあげられる人になりたいです。ありがとうございました。(高3女子)

・人の命を救うためには、迅速な対応がとても大切だと分かった。人が倒れていたら迷わずに助けるために、今日の体験をしっかり覚えて、もしそのような状況になったときには対応できるようにしたいと思った。AEDは音声などが流れたりして、その場で使い方が分からなくなることもないと思う。この講義を聴いて、私にも人の命が助けられるのだと思い、さらに医学に興味を持ちました。(高1女子)

・授業後、初めて挑戦させていただきました。心肺蘇生はすごく難しいものだと思っていましたが、人形が相手だったけれどうまくすることが出来たので、実際助ける状況があったら自分から助けに行く勇気が持てそうです。いつどこでそんな状況が自分の周りで起きるのかは分からないですが、体験してみて本当に良かったです。(高3女子)

・AEDの前にCPR(心肺蘇生)をすることによって、グラフのように違いがあることを知った。実際にAEDを使用するデモンストレーションはすごく分かりやすかったし、勉強になりました。これからAEDを使用するときが来たら、ちゃんと指示したり出来るようにしようと思った。(高2女子)

・心肺停止した際に1分ごとに7~10%も生存率が下がることに驚いた。倒れた人を目前にした際には、パニックになっている間にその人が死ぬかもしれないことが改めて分かった。また、相手の呼吸がないと分かった後に、人工呼吸なしで心臓マッサージに移っても良いことなど、冷静に落ち着いて判断することが大切なことも分かった。初めてAEDの使い方を習うことが出来たのでとてもためになった。(高1女子)

2012年07月27日

one day college(大学職員の出張講座)-京都外国語大学-

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外国語学部 フランス語学科
(講義内容)
フランス語授業体験

大学でのフランス語授業を少しだけ体験していただきます。フランス語の音、簡単な表現に触れてみましょう。日本語になったフランス語もみてみましょう。

(感想文)
・今まで知っていたフランス語の発音が思っていたのと違っていたので為になりました。もっと色んな事を学びたいと思いました。楽しかったです。(高1女子)

・フランス語は自分の中で一番好きだと思う言語です。知らない事を今回、知ることが出来て良かったです。特にクレープやチューリップ、カマンベール、カフェオレなど、日本語になったフランス語の話は面白かった。フランスでは映画は芸術であるととらえられていることが素晴らしいと思いました。また、羨ましいとも思いました。ありがとうございました。(高3男子)

・フランス語は“bon”という発音が多くて、最初はフランス語が難しいというイメージがありました。でも、日本語になっているフランス語も多くあって、少しフランス語が身近に感じられました。(高1女子)

・フランス語は発音が変わっていて面白かったです。フランス語は世界でたくさん話されているそうなので、是非、大学で学びたいと思いました。ありがとうございました。(高3女子)

・フランス語は日本でもカタカナで使われているものが多く、びっくりしました。チーズの種類が一年毎日食べても食べきれないくらい多いと聞いて気になった。(高2女子)

・“BONJOUR”ひとつ取ってみても発音が思っていたものと違ったりして、フランス語に興味が湧きました。言語ってたくさんあるなと思いました。(高1女子)

・フランス語がそのまま日本語になったものが多くあることに驚きました。“r”の読み方がアメリカとは違い、すごく難しい発音でした。難しかったけど、楽しかった。(高3女子)

・フランス語って楽しい!響きが綺麗だから好きです。(高1女子)

・今まで触れたことのなかった言語に触れるのは難しかったけれど、面白かったです。ボンジュールなど自分が知っていると思っていた言葉でも、実際、フランス語では発音が違っていたので、驚きました。これを機に、少しフランス語が分かるようになってみたいと思いました。(高1男子)


2012年07月26日

one day college(大学職員の出張講座)-神戸大学-

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文学部(大学院人文学研究科)
敗戦の舞台裏
-ポツダム宣言受諾の過程-
1945年8月、日本はポツダム宣言を受諾して連合国軍に降伏します。戦地では圧倒的な戦力差の前に敗走が続き、国内でも空襲による被害が拡大する中で、政府・軍部はそれでも戦争終結を決断することができず、日本に降伏を促すポツダム宣言を一旦は黙殺しました。しかし、広島・長崎に対する原爆投下、ソ連の参戦など、日本をめぐる軍事的・国際的環境がさらに悪化する中で、1945年8月10日の未明、ある条件付きでポツダム宣言の受諾がようやく決定されます。当時の政治家・軍人はどのようにしてポツダム宣言の受け入れを決めたのか。この講座では、史料を使いながらその舞台裏に迫ります。

(感想文)
・授業が思っていたよりも何倍もおもしろくて、今までにない授業だったのが印象深いです。劇のような授業で、役を与えてたくさんの人が参加できるのは、新鮮に感じました。(高1男)

・宮下規久朗先生から始まった50分間、とても集中することができました。授業の始まりからしっかりと心をつかまれました。(笑) 今まで、日本は「これ以上戦争を継続することは不可能だ」と、政治家の人たちが全員同意して受諾したんだと思っていたけれど、違うと言うことを知って驚きました。1条件か、4条件かを決める会議だったのに、多くの人が動いて1条件に決定していたと聞いたとき、裏の画策があったことを知り勉強になった。(高1男)

・テレビや本などで見るようなリアルな戦争時の裏を感じた。なんだか話にスリルを感じ、楽しく講義を聴くことができた。元々歴史に興味を持っていたので、さらに裏まで知ってみたいと思った。(高1女)

・すごく面白かったです。神戸大学の文学部を受験したいと思いました。苦手な数学を克服しようと思います。(高1女)

・一つの事柄を深く理解していく大学の学問に、とても興味が湧きました。授業のテーマの「ポツダム宣言」についても、今まで勉強では歴史の流れを理解するための必要最低限の知識しか得られませんでしたが、50分間の授業を通して、いろんな人の思いや世間の情勢が絡み合っていく過程を学ぶことができました。(高1女)

・歴史が動いた瞬間のドラマ、人間の動きを知ることで、歴史上の事実がより近いものに感じることができました。歴史上の人物の言葉から考えを見入ることによって、より深く理解できたように思われました。歴史が一つの物語に感じられました。(高1女)

・ポツダム宣言は会議の末に天皇の聖断によって受諾することが決められたが、天皇の聖断はあらかじめ工作されていた。このような、授業で知ることができない歴史の裏舞台を知ることはとても面白いと感じた。(高2男)

・私が持つ文学部のイメージは、いろんなものの集まりでよくわからないものだったが、今回で文学部が何かわかった。自分の目標が細かく決められそうな気がした。(高2女)

2012年07月25日

one day college(大学職員の出張講座)-武庫川女子大学-

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生活環境学部 建築学科
(講義内容)
ARTとしての建築学
1)建築とは確かな技術の上に展開する豊かな感性 
2)建築家の役割とその教育 -欧米と日本の比較-
3)建築教育・資格制度の変革4)欧米型プロフェッショナルスクールの教育事例 
4)欧米型プロフェッショナルスクールの教育事例
5)人間の研究にもとづく建築設計と設計教育

(感想文)
・ぼくは、建築学が分類されていることを少しは知っていたけれど、大学で勉強するときには計画系・構造系・環境系で分かれていることは知らなかった。また建築で歴史が重要視されているなんて思いもしなかった。建築の三大要素の「強・用・美」についての話では、「用」と「強」だけではしせつでそれに身が加わって建築になるということは確かにそうだなと思った。建築学について知識を深められて良かった。(高1男子)

・「建築」ということだけでなく、様々な方向からのお話がとても面白かったです。歴史なども初めて知ることがほとんど楽しかったです。今からずっと昔に建築は発達していたことが分かりました。外国だけでなく、日本のものも素敵だと思った。(高1女子)

・いくら建築において「強」を追求しても、それは施設としか呼べないので、「美」も追求していかないと、改めて思いました。前半の講義が、今年勉強し始めた倫理に少しかぶっていたので分かりやすかった。これまでの歴史の中で造られてきた、建築物の(先人たちの知恵)を後世にも伝えることが大事だ。(高2男子)

・建築のデザインだけでなく色々なデザインについて学べてよかったです。建築家というのはデザインを描くだけでなくて全体の統括をする仕事だと思う。コミュニケーション能力が必要なのでこれから意識していこうと思いました。(高2女子)

・自分が考えている「建築」と同じラインの話をしてくれたので、とても理解しやすかった。やはり日本と世界との建築に対する教育体制の違いも自分が思っていた通りで、やはり、現代の日本建築学の流れを改めるべきだと思った。「建築」の本質を今一度自分の中で整理し直すことができた。女子に生まれたらよかったと思った講座だった。(高3男子)

・単なる施設に美を加えて初めて建築になるという考え方がすごくおもしろく感じられた。英語が話すことが得意な人が国際人ではなく、日本のことをよく知っている人が国際的な人という考え方も新しいと思った。(高2男子)

・建築はデザイン的なイメージが強かったけど理性と感性を必要とする奥の深い学問なんだと知りました。普段すごすものすべてが設計されていて芸術・技術どちらも兼ねる必要があると知れました。(高3女子)

2012年07月23日

one day college(大学職員の出張講座)-上智大学-

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(講義内容)
前半では、何故ことばを学ぶのか、何故外国語を学ぶのか、何故英語を学ぶのか、新しいことばを身に付けると何がおこるか、といった基本的な疑問を7つ提示して、それに答える形で講義を進めます。後半は、英語の勉強方法について、個人的な経験に基づいて、講師自身の考えをお話します。

(感想文)
・大学は外国語学部か国際教養に行きたいと思っていたので、この講義を聞いてよかったと思います。他の言語は自分の人格を1つ増やすことというのは、何か新鮮な感じがしました。それから複数の国の言葉を話す人に、異なる言語で心理テストをすると結果が違うというのも、とても興味深かったです。僕はせめて英語、できればプラスもう1つの言葉を話せるようになりたいと思っているので、それに向けて頑張りたいと改めて思いました。(高1男子)

・私が英語に興味を持ち始めたのは、ハリー・ポッターからです。ハリー・ポッターはもちろん日本語で読みましたが、とても翻訳しているとは思えず、日本人が書いているような表現で、色々な面で驚きました。それから翻訳家という仕事に興味を持ちました。しかし、英語の知識もまだまだで、どう学べばいいのか全くわかりませんでした。今日の授業で “言語と文化は切り離せない” ということが強く印象に残っています。まずは、イギリスの本・映画などから文化を学んでから、言語を詳しく学んでいこうと思いました。(高1女子)

・たくさんの話を聞かせていただいて、もっと英語や外国語に対する関心が深まりました。英語を学ぶ楽しさを1番感じることができたので、この講座を受講することができて本当によかったと思います。また意味のある英語の学び方も教えていただけたので、取り入れた方がよいと思うところを選んで実践していきたいと思います。外国語を学びたいという意識を受験の意識にもつなげて、学習に励もうと思います。(高3女子)

・「はじめに言葉ありき」ということについて、様々な観点から考えることができました。しかし、それでいて言葉の虚しさについても思いました。また、英語など外国語を学ぶということを通して、様々な文化を知り受け入れる姿勢を養うことができるのだと、改めて実感しました。ただ、日本人という自分を見失ってはいけないと思いました。(高3女子)

教員対象の防衛大学校研修会に参加して-(5)-

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 12:55分に中央広場に着き、学生舎前の道路に整列していく学生の様子を見る。課業行進とは、朝と昼に、受ける授業ごとに生徒が隊列を組んで教室までの行進をいう。5分ほどで2000名以上の生徒が整列し、点呼後、整然と隊列をなして各校舎に移動する。白い制服の集団や、作業服の集団がすべて中央広場の前まで来て、酸方向に分かれていく様子は壮観であった。その姿に思わず周囲から拍手が起こった。その拍手が聞こえたのか、学生達はますます元気に腕を振って行進し、学業に向かっていった。
13時15分,第一大隊の学生舎を見学した。8人部屋の学習室、そして8人部屋の寝室、結構広く、部屋中きれいに整頓されていた。ベットの毛布も見事なほどきれいにたたまれている。起床後、5分ほどで身支度をするらしいが、驚くほどのスピードだ。人間、鍛えればすごいことができるものだと、感心した。屋上に上がると、横須賀湾が一望できた。
その後、資料館と総合情報図書館を見学した。資料館では、吉田茂首相がどんな思いで防衛大学校の前身である保安大学をつくったかが、わかる。総合図書館は、世界の主だった新聞がすべてそろえてあることや防衛に関する蔵書欄がある以外は、一般の図書館と同じ雰囲気だった。ただ、展示棚には、榎本武揚、東郷平八郎の書や、乃木希典の手紙などが展示してあり、書かれた文字からその人柄に思いをはせている内に、退室の合図。
 会議室に再度集合して、防衛大学校からの挨拶を受け、感謝を述べたあと、現在防衛大学校に留学している生徒の国旗が並んでいる玄関を通り、防衛大学を後にした。
防衛大学校の学生も、見学に参加した教員も分刻みの行程であったが、充実した1日であった。すれ違う学生が、「お疲れ様です」と「おはようございます」か「こんにちは」を短く混ぜた「*##&*&*」と言って敬礼してくれる。自ずと、こちらも姿勢を正して会釈しながら返礼していた事を思い出しながら、新幹線の中で、同行していただいた山村氏といろいろ話している内に、大阪に着いていた。横浜から大坂までこんなに短く感じたのは、初めてだった。

2012年07月21日

教員対象の防衛大学校研修会に参加して-(4)-

自衛隊4.jpg 11時40分、授業見学後、記念講堂を見学。防衛大学生の卒業式が行われる講堂である。その広さに驚く。玄関前には見事な富士山のステンドグラスが飾ってあった。記念講堂を出た広場で記念撮影後、私だけ防衛大学内にあるコンビニへ行き、昼食を購入して12時に2階へ。そこには、兵庫県出身の防衛大学生が来てくれた。洲本高出身のKさん(2回生)、姫路西高出身のTさん(4回生)、六甲高出身のM君(4回生)、白陵高出身のM君(4回生)とK君(3回生)の5名である。防衛大学に来た動機や、生活上のつらいこととか、よかったことなど、私は失礼にも食事をしながら、短い時間にいろいろと尋ねてみた。みんな、ハキハキと答えてくれた。特にアメリカ留学を終えて帰ってきたTさんは自信に満ちあふれ、年齢以上にしっかりしていると感じた。Kさんに、防衛大学で女生徒がやっていくうえで必要なことはと聞いてみると「気合です」とのこと。しっかりした意志を持ち、自己管理ができれば問題なくやっていける。やはり人のためにという使命感が、彼女らにエネルギーを与えている。また、白陵で教えていた二人の生徒は、高校時代と比べて、驚くほどたくましくなっていた。彼らの顔には、誇りと自信が満ちていた。どの大学に合格したかではなく、大学で何を学び、将来何のために自らの人生をかけようとしているかが、大切だ。進路指導をする教員の心構えを教えられた。一人ひとりの元気な顔を見て、安心し、そしてうれしかった。リタイヤする生徒は、ふつう大学に未練を持っている生徒ですときっぱり言ったK君には、迷いはなかった。就職でうつ病になっている生徒も見受けられる現在の一般大学生がいる中で、防衛大学の生徒は制服の影響もあるかも知れないが、本当に輝いて見えた。あっという間に予定の12時50分時間が来て、日本を頼むとの思いをこめて、彼らと握手して別れた。彼らから一杯エネルギーをもらい、すがすがしい気分で、課業行進を見学するため中央広場に急いだ。

2012年07月20日

教員対象の防衛大学校研修会に参加して-(3)-

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質疑応答後、早速、授業見学に参加。まずは、理工学2号館で気候学の授業を見学。大気がある場合と無い場合でのエネルギーの出入りから、温室効果を計算値から理解するという内容であった。白い制服を着て生徒達が凛々しく見えた。生徒達は、熱心にノートを取っていた。ノートをのぞき込むと、びっしり数式が書き込まれていた。
 続いて人文科学館にて2回生対象の英語表現法Ⅰの授業を見学した。2教室を見学したが、どちらも外人講師で、授業のほとんどが英語で行われていた。女性講師の部屋では、指名された2名の生徒が前に出て英語会話をし、隣の男性講師の部屋では、講師の質問に生徒が受け答えしていた。少しは英語がわかるつもりでいたが、講師の話が早くてなかなか聞き取れない。それを生徒達は、笑いながら聞いているので、そのリスニング力に驚かされた。
 最後に衛星利用の講義で、宇宙物理学の授業を見学した。非常に難解な内容で、4回生の生徒であったが、かなり苦戦していた。このような授業までもこなす生徒が、パイロットのリーダーとなっていくのだろう。授業中、訓練で疲れてうとうとしている生徒も見られたが、11時35分まででみっちりと、防衛大学の授業を見学した。

2012年07月19日

教員対象の防衛大学校研修会に参加して-(2)-

自衛隊2.jpg「高い志を持った優れた生徒達に、防衛大学を、受験してほしい。」
10分間の挨拶ののち、石川入学試験課長より入試概況の説明が30分、その後の質疑応答が30分であった。
今年の防衛大学入試は、例年通りの推薦採用試験、一般採用試験に加えて、総合選抜採用試験、後期日程一般採用試験の2種類が加わった。推薦採用試験では、活動実績が顕著であることが求められている。この総合選抜採用試験は、基礎学力だけでなく、集団行動を含む適性能力、協力しておこなう問題解決能力、基礎体力などを総合的に見る試験である。石川課長の説明から、防衛大学で学んでいける適性を持ち、強く入学希望している生徒を選抜したいとの意向がわかった。
後期日程一般採用試験は、一次試験が3月2日で、人文社会科学専攻も理工学専攻も、英語(50分)、数学(人文40分、理工60分)、国語(人文60分、理工40分)の3教科マークセンスである。二次試験は3月15日で口頭試験と身体検査が行われる。
 質疑応答では、今年度新しく導入された入試方法についてのことや、入校後リタイアする生徒や任官しない生徒の割合、受験で合格したが入学しない生徒の割合など、防衛大学側としては厳しい質問もあったが、懇切丁寧に、そして包み隠さず真摯に受け答えしていただいた。リタイアする生徒は、ほとんどが学業不振者とのことであった。集団生活など人間関係でリタイアする者は少ないらしい。

2012年07月18日

教員対象の防衛大学校研修会に参加して-(1)-

自衛隊1.jpg防衛大学校を見学

東日本大震災での自衛隊の活躍は、記憶に新しい。ニュースで流れてくる自衛隊の活躍を見るにつけ、自衛隊が日本の平和と安全のための欠くことのできない心強い存在であるとあらためて認識する。
 この度、6月29日の中部方面管内高校教諭の防衛大学校研修会(2泊3日の研修会であるが、授業の都合で29日の防衛大学校見学会にだけ)に参加した。
 9時に防衛大学校の到着。他の先生方がバスで到着するまで校内を散策。今は使用されていない戦車や飛行機が校舎前に展示してあった。
 全員(参加者約30名)がそろったところで、本部庁舎前にて記念撮影後、すぐに第2会議室にて渡辺人材確保総括官の挨拶を聞く。
 挨拶の要旨は以下の通りである。
「自衛隊は、日本国民の平和と安全を守る最後の砦である。東日本大震災など、緊急時に国民の安全のため的確に判断し、物質と自衛隊員を動かし行動するには、優れたリーダーが必要である。そのリーダーの育成を担っているのが防衛大学校である。同じ学び舎で学んだ者が陸、海、空それぞれのリーダーになることで、共通理解の上に立ち、密接に連携を取り合うことができ、最善の対策がとれる。それは、規律正しい集団生活と、高い教養を身に着ける学習、そしてたくましい肉体を作る運動と訓練によって形成される。

2012年07月17日

勉強の仕方シリーズ ~日本史編~

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日本史を好きになることの大切さ・・

日本史は、「努力が形になる科目」であり、探究心や思考力が育つ魅力的な科目です。
まず、最も大切なことは、授業です。授業でしっかり、先生が話したことをあとで自分がわかりやすくなるようにメモすることから始まります。
日本史は暗記科目かと聞かれれば、確かに他教科と比べても多くの事項を暗記することが必要ではあります。
しかし、最も重要なのは、それぞれの歴史事項を大きな流れの中で把握することです。
つまり、歴史的な背景や史実の展開、結果、影響や歴史的意義を論理的に理解することが大切です。
そうすることで、興味や関心、探究心を持って歴史に触れてもらえたらなと思います。
また、大学の歴史学専攻では、実際史料を読んで、研究し、歴史を学ぶおもしろさに触れることができます。
「なぜ」その史実はおこったか、その史実の結果、どのように世の中は変わったかといった因果関係が大事です。
幸い、雲雀丘学園の生徒は、多くの生徒が日本史を好きになってくれているので、これからもその気持ちを大切にして、頑張ってください。
もう一つは、「整理して理解する、暗記する」ことです。今勉強しているのは、何時代、何世紀のいつごろで、誰が政権を担当している時代か・・
基礎基本ですが、整理して理解、暗記するために大切です。
最後にもう一つ。身近な史跡に訪れ、歴史に触れることが大切です。
特に、近畿地方は京都など、ありとあらゆる所で歴史に触れることができます。
機会を見つけて、ぜひ史跡を見学し、歴史に触れてみましょう。

2012年07月14日

勉強の仕方シリーズ ~地理編~

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地理を楽しむこと

地理を暗記科目だと思っていませんか?地理は文系理系両方の側面を持ち「諸学の母」と謳われます。さまざまな事柄が密接に結び付き、多角的多面的な視点を体得するには一番の科目なのです。さらに、「百聞は一見に如かず」を地で行く科目です。
この写真は、新潟県の弥彦山ロープウェーの中から撮影したものです。平地に列状に緑色の地形が見えますが、これは自然堤防です。河川の氾濫が繰り返されることにより、河川に運搬されてきた土砂が堆積してできた高まりが自然堤防。新潟県にある越後平野は傾斜がほとんどないため、河川が一度氾濫すると大きな被害につながります。実際に越後平野を歩くと、見渡す限り真っ平な土地が続いており、河川が増水すると大きな被害になることが理解できます。そんな土地だからこそ、自然堤防のような地形ができやすいのです。

地理を勉強するにあたり、こうやって現地に足を運んで自分の目で確かめられれば良いのですが、なかなかそうもいかないでしょう。そこで、地図帳を活躍させてください。授業で習った地名を地図帳で見つける、もしくはGoogle Earthや空中写真で探して、その土地がどのような環境におかれているのか考えるのです、忘れないうちにできるだけ早く。それから、資料集でその地域の写真を見て、その地域の風景や、そこに暮らす人々の生活を想像してください。机の上でテキストを広げるだけの勉強よりも、何倍も楽しくなってくるはず。これらの作業は時間を要するものですが、気を長く持ち、じっくりと考え想像し、知識を増やして理解につなげて欲しいと思います。
車窓からの風景、ニュースなど、身近なところに地理の教材は転がっています。今まで見過ごしていたものにも、ほんの少し目を向けることが、地理の勉強になります。

2012年07月12日

勉強の仕方シリーズ~公民~

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政治経済は、まずサブノート(コンパスノート)で大きな流れをつかみ、細かいところは資料集を見て一つ一つ確認していきましょう。新聞・ニュースを見て、社会の流れをとらえることも必要です。
倫理は、資料集を見て、それぞれの思想家の考えをしっかりととらえていきましょう。一つ一つの用語の意味を把握していくことも大切です。
どちらも、入りやすく、奥の深い科目ですが、学んでいてとてもためになるはずです。めげずに、頑張ってください。

2012年07月11日

勉強の仕方シリーズ~化学編~

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[高校3年で、短期間で化学の成績を上げる方法] 
学校で使用している問題集(セミナー化学)をⅦ人間生活と化学を除いて、
すべての単元の基本 例題をノートに自力で解き、答え合わせをし、
間違ったところを、丁寧に解説を読み、それでも理解できなかったなら
友達や先生に必ず聞く。
理解できた点を自分の言葉で赤で書く。
できる限り早くすべてを仕上げる(真剣にやったら7日で終了できる)。
受験に必要なすべての単元をした自信が着く。
次に404問ある基本問題を1,5,10と4問づつ飛ばして解いていくと
1日5題解けば16日で終わる
(基本例題と同様、答え合わせをし、間違ったところを、丁寧に解説を読み、
それでも理解できなかったなら友達や先生に必ず聞く。理解できた点を自分の言葉で赤で書く)。

つぎに同様に発展例題に発展問題をする。

これを4回すると、セミナー化学の問題をすべて解くことになる。
始めは時間がかかっても、3回目(問題3,8,13、18- -)になると、解くのが楽しくなり、
4回目が終了した時点で化学の成績は確実に上がってくる。
Ⅶ人間生活と化学を同様にする。
9月から模試の前は、必ずノートを見るようにする。

2012年07月09日

勉強の仕方シリーズ~生物 編~

 理科の選択をするとき、「物理は計算ばっかり、生物は暗記、化学はその半々。」みたいな考えで選んだことはないですか?確かに、高校で学習する生物の各単元を見渡すと、物理や化学に比べて計算することは少ないように見えます。では、暗記で何とかなる科目でしょうか?確かに多くの知識を覚える必要があります。でも、用語を覚えるだけでは十分とは言えません。
 各予備校が行っているセンター試験の分析などを見ても、選択肢として、用語や語句だけを選ぶ問題が減少し、文章から選ぶ問題が増加する傾向と言われています。また、設問内容も、知識だけで答えられる設問と共に、知識と考察力の両方が必要とする設問が大きな割合を占めています。当然ながら、各大学の個別試験(二次試験)については、さらに論述する力が要求されます。
 本来、生物学は、いろいろな生命現象をその原理を明らかにして論理的に説明する学問です。先人たちが明らかにした内容を土台として、更に新しい領域を探求していく学問です。高校生物の教科書を見ても、多くの実験や観察の内容が載せられ、そこから考察される原理が書かれています。普段から教科書に載っている実験などを「何を目的とした実験か。」ということを確かめながら、「どのような結果から何が考察されるのか。」ということを考える習慣が求められます。そして、それを「なんとなくわかっている」のではなく、「正確に他の人に伝えられる」力をつけてほしいと思います。
 知識を正確に得て(INPUT)、それを正確に他人に伝える(OUTPUT)、その両方ができるようにしましょう。論理的に分かりやすい文章を書くことを鍛錬してください。答案は、自分自身を伝える「手紙」だと考え、精一杯、自分を分かってもらうように心がけましょう。

2012年07月07日

1Day College―大学教員による出張講義を行いました-

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 本日1Day College―大学教員による出張講義を行いました。
毎年本校の教員たちで企画運営を行い、大学の先生方をお呼びして出張講座を開催しています。
来校された先生のある大学では雲雀丘の出張講座は取り合いになるほどの人気がある学校ですといっていただきました。なぜなら本校の教員がone Day Collegeを一生懸命取り組まれていることに感心していることと、素直で礼儀正しく好感を持てる生徒が多いからだそうです。『雲雀丘学園さんはよい教育をされていると評判です。』とお褒めいただきました。今回の雲雀丘学園の出張講義に多くの先生が手を挙げて競争率が高い中を勝ち抜いて来ましたと言ってくださいました。
このようにいっていただける雲雀丘学園は本当に幸せな学校であると感謝しております。
 生徒たちは、高校時代に大学の先生方の授業を受講するという貴重な体験をしたことで、志望学部を考えたり、志望動機を高めるよい機会となったことと思います。

2012年07月06日

1Day College―大学教員による出張講義

 「大学全入時代」に象徴されるように、大学は少子化の中で大きな改革の波にもまれ、学部・学科の新設・再編が激しく行われています。また、学生の教育や地域との連携、高大連携にも力点が置かれ、公開講座などを通して社会にも門戸が開かれ、学問研究が身近に感じられるようになりました。そのような環境にあって、大学の情報なども多数手に入れることはできますが、多くの大学の先生方と直接接し、お話を聞く機会はなかなかありません。本校では、学校の教員の手作りで、校内において国公立・私立の大学約30校の先生方にお出でいただき、出張講義(1 day college)をしていただく機会をつくっています。生徒達は、高校時代に大学の先生方の授業を受講することで、志望学部を考えたり、志望動機を高める機会となると思います。下記の要領で、高校生対象に行います。
 保護者の皆様もぜひご参加ください。申し込みは不要です。
              
日時:  7月7日(土)3・4限(10:45~12:35) 
        50分講義   3限(10:45~11:35)、4限(11:45~12:35)
        100分講義  10:45~12:35(この間で100分間行います)   

場所:  雲雀丘学園中高等学校 普通教室、特別教室(講座教室は当日掲示します)

<参加大学 (32講座)> 
▶人文科学系:神戸大学 甲南女子大学 京都外国語大学 大阪音楽大学 上智大学
         神戸女学院大学 宝塚大学 神戸芸術工科大学
▶社会科学系:兵庫県立大学 大阪府立大学 同志社大学 甲南大学 龍谷大学
         関西大学 関西学院大学 立命館大学 京都女子大学
▶理・工・農学系:大阪大学 大阪市立大学 鳥取大学(環境) 広島大学
         徳島大学 高知工科大学 近畿大学 崇城大学 京都産業大学
▶医・歯・薬・家政系:鳥取大学(医) 奈良女子大学 神戸薬科大学 武庫川女子大学
         同志社女子大学 宝塚市立看護専門学校 

2012年07月05日

勉強の仕方シリーズ-英語-

英語の学習について(大学進学を目標とする高校生対象)
①読解力:読解力をつけるには、たくさんの英語を読む必要があります。そのためには、文法や構文の基礎的知識は欠かせません。
学習参考書はそのためにあります。学校で学んだ範囲のことを繰り返し読んで復習してください。問題演習も必要でしょう。
特に、構文問題集は是非、少しづつ自分のペースで取り組んでください。そのような読解のための基礎力を身に着けながら、並行してできるだけたくさんの様々な話題の英文を読むようにしてください。特に高校1・2年生のみなさんには教科書以外にまとまった英文を読むことをお勧めします。学校の図書室に適当な英語の本がありますから(今後増やしていく予定です)、気に入ったものを借りて読んでみてください。1冊でも読み終わると大きな満足感が得られますよ。

②表現力:言葉ですから、目標は自分の意思を英語で伝えることにしてみてください。習った英語を実際に使ってみてください。Kaste先生をもっともっと利用することです。そのためには日常的に読んでいる英語の中で気に入った表現があれば、マークして覚えるようにするとよいと思います。Kaste先生にそれをtryしてみるといいですよ。また、教科書の中で気に入った一節があれば丸暗記するのもよいでしょう。時には、Internetで世界を駆け巡ってみるのもよいでしょう。日常的に英語に親しむ時間を増やしてほしいと思います。

③音声:家庭学習では英語を発声することと英語を聞くことを欠かさないでください。CD教材があればできるだけ利用してください。

以上 いろいろと書きましたが、英語の力は一気にUPするものではありません。少しづづ、根気よく、続けてください。
You have to learn to walk before you can run.

2012年07月04日

勉強の仕方シリーズ-数学-

「数学」を学ぶために-
 皆さんはニュースを見たり新聞やネット等で記事を読んだりするとき、与えられた情報をどうしていますか?全てをそのまま信じますか?
数学を学ぶときも同じです。何か新しい公式等を聞いたとき、「何故それが成り立つのか」「何の為にあるのか」まず疑ってみて下さい。それから自分で納得のいくまで考えて考えて下さい。全ての定理や公式は「暗記」するものではありません。何故・何の為に・この公式で何の情報を取り入れて何を導き出しているのか・・・自分で考えて「理解」して下さい。そこには先人の知恵が沢山詰まっています。数学は何千年も前から様々な数学者によって考えられてきたのですから・・・。与えられた情報を鵜呑みにするのではなく、納得してから取り入れる--これが数学の学び方です。
「問題」を解くために-
入試問題を解くためには「問題に正面から向き合う」「慣れる」です!解き方をずっと聞く・暗記するではわからないままです。与えられている情報から答えを導き出すにはどうすれば良いのか・今何がわかって何がわからなくて困っているのか・何を導きだせば答えがわかるのか・・・1問1問しっかり向き合って考えてみて下さい。
 入試問題には様々な問題があります。しかし沢山の問題と向き合ううちに、よく出てくるパターンが少しずつ見えてくると思います。「こういうときはこれを求めれば答えに繋がるはずだ!」これがわかれば数学の問題は得意になっているはず。是非様々な問題に触れてみて下さい。
 しかし、ただ沢山の問題を解くだけでは力になりません。皆さんは今わからない問題があったときどうしていますか?答えあわせはどのようにしていますか?間違ったときはどうしていますか?数学が得意な人が問題に取り組むとき、次のような共通点があります。
 1. 疑いながら解く
 2. わからないときは自分の限界まで考えてから答えを見る
 3. 間違ったときは自分の解答を消さずにどこが間違いなのか探す
まず1つ目について。問題を解くときは数学を学ぶときと同じです。自分が今から書こうとすることをまず「疑って」下さい。今この式変形は行っていいのか・この公式は使えるのか・別の場合があるのではないか・・・等々、常に考えながら答えを書いていきましょう!特に記述問題では、誰がどう見ても「突っ込みどころの無い文章」にしましょう。
2つ目。問題を解いていて詰まった・どう考えれば良いかわからない・・・そんなときは自分の頭にある知識を総動員してあの手この手で考えてみましょう。それから答えを見て下さい。たとえ正解が導き出せなくても、その問題について精一杯「考えた」ことが今後の力になっていきます!
3つ目。間違えたとき、ノートを消していませんか?間違ったときはまず模範解答をよく読みましょう!自分の解答とはどこが違うのか・何故この模範解答はこのような解き方をしているのか・・・しっかり考えましょう。間違いは成長する証です!「どこを直せば成長できるのか」を模範解答から学び取りましょう。
 以上です。是非「様々な問題と真っ向勝負」して下さい!

2012年07月03日

勉強の仕方シリーズ-古文-

古文の勉強法
文法と単語が学習の基礎となることは間違いないです。小テストはすべて満点を目指し、しっかり授業を復習するのが王道です。しかし、読解力は、やはり多くを読むことによってしか得られないというのがわたしの実感です。かといって、基礎が出来ていない人に、とにかく読めと言うのも苦痛を伴うだけです。そんなときにはマンガがお薦めですね。いまでは絵がきれいで、面白く読めるものがたくさん出ています。『源氏』『和泉式部日記』『とはずがたり』『堤中納言』など、入試や模試で頻出の作品は、高3の夏でも息抜きを兼ねて読めると思います。その作品が直接出題されることがなくても、当時の恋愛事情や貴族の生活、古典常識などが結構詳しく理解できます。さらにマンガで覚えた場面を原書で読むと、自然と主語を補いながら読んでいる自分がいて、力がついた気がします。「設問を解く」という実践力を身につけるためには、同じ問題を2度解くのが効果的です。特に模試の復習はきっちりやってください。本文の理解が不十分なまま解いたあと、しっかり答え合わせをして、本文の輪郭がはっきりした状態でもう一度解きます。すると、「ここは大事な場面だから出題に絡むのだ」という設問の意図まで見えてきます。これは、次に新しい問題を解くにあたっても、実に役に立つスキルです。とりとめなく書きましたが、参考にして下さい。

2012年07月02日

勉強の仕方シリーズ-現代文(2)-

 2、3年生のみなさんは、授業で、脳科学者の茂木健一郎の『脳と創造性』の文章を勉強したことをもう一度思い出してください。「最初のペンギン」という題で、不確実な状況に直面した時それを乗り越えるには直感を支える脳の感情が必要で、それこそが創造性を生むという大変平明な文章でした。 彼の著書で全編にわたって脳内の「ひらめき」について述べられている『ひらめき脳』新潮新書2006がありますが、論旨は「最初のペンギン」と同じです。
 認知科学では、一つしかない正解へと集中させていく思考を「収束的思考」と呼びそれに対して不確実な状況を「ひらめき」で乗り越える思考を「拡散的思考」と呼んで区別しています。
 「ひらめき脳」の冒頭で、脳科学の用語で「アハ!体験」(Aha! experience)と呼ばれる「あっそうか」と突然わかる感覚体験が紹介されていますが、脳を使う感覚を味わうことはつまりは「考える」ということです。
 くどいようですが、表現のツールであることばの基礎的知識を国語の知識として身につけるということは、とても大切です。今まで通り、授業を大切に、ことばの意味、ことばの表現方法など基礎基本をしっかり知識として身につけてください。と同時に、ことばはコミュニケーションのツールであり、自分でものを考えて、自分の答を発信することに意味があるのです。
 幸い、雲雀丘の国語の授業では「収束的思考」と「拡散的思考」どちらにも偏ることなく授業と講習が組まれています。皆さんは安心して雲雀丘での学びを大切にしてください。「学校の国語は受験には役に立たない」という人がいますが、それは「ひらめき脳」を鍛えていない人の誤解です。「受験での解法テクニック」とは別の大切な学びとは、平素から何に対しても問題意識をもって、ものを考え、自分の基礎力とひらめき力を武器にして自分なりの答を見つけ出す力を身につけ、実際に自分のことばで表現する力を身につけることです。これが現代文学習の最善なのです。 

読みの解答 ①「あげつらう」②「こぞって」③「ちなむ」④「しつらえる」⑤「わきまえる」

「彼は前方の砂漠を前にして「サイコー!」と叫んだ。」 (キーワード 「水筒」)
一例
砂漠の景観に感動したのではない。彼は、この砂漠をぬけるまでは残り少ない「水」は飲むまいと決心していた。しかし、のどはカラカラだ。見かねた同伴の彼女から水筒を差し出されて、躊躇したあげく一口飲んでしまった、その一口の「水」のおいしさに、思わず口がら出た言葉である。