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2010年10月31日

これからの環境技術~スマートグリッド

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  オバマ政権をはじめ、各国の環境政策で注目を高めているのが「スマートグリッド」(次世代送電網)です。スマートグリッドとは名前のとおり「賢い」送電網です。従来の電力網では、発電所で発電された電気は、送電線や変電所、配電線などを通り、家庭やオフィスなどに向かって送電されます。これに対してスマートグリッドは、これまでの発電所から消費者へという一方向だった流れを双方向にして、電力を効率的に使用するシステムです。解りやすく言えば、各家庭での太陽光パネルで発電した電力を売り、必要がなくなれば送り返すということを可能にするというものです。これを実現するためには、消費者の電力需要情報などを把握し、需要と供給をマッチングさせるIT技術を駆使することが必要になります。この技術によって新たなビジネスモデルを作り上げようとしているのが、IT企業の覇者であるグーグルです。
  現在、太陽光発電や風力発電は天候次第で発電量が変わり、電圧が不安定になるという欠点がありますが、今後、発電している場所と消費者がスマートグリッドでつながれば、適した発電場所から消費者へ安定した電気を送れるようになり、よりクリーンなエネルギーが有効活用できるようになります。
既に、各国において実証実験が始まりつつあり、日本においてもいくつかのプロジェクトが動き始めています。日本は比較的電力技術のレベルが高く、電力の供給が安定しているため、これを海外のスマートグリッドで事業化しようということも検討されています。
  いずれにしても、今後は網構築が大きく前進するのではないかと大いに期待されているのです。

2010年10月30日

教育実習生に対する事前指導

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  10月30日(土)午後、来年度教育実習を希望する学生に対する事前指導会を開催しました。該当者は20名ですが、今回の出席者は18名です。本校では2年前よりこの時期に事前指導会を持つようにしています。実習希望をしている生徒は全員が本校の卒業生のため、ともすると母校であるということでの甘えが生じがちです。以前は、教育実習を希望する者に対しては、無条件で全員の受け入れを行なっていたため、実習生が多数になるということもありました。また、何としても教職に就きたいという強い思いを持たずに、色々な経験をしたいという軽い気持ちの人もいたようです。これでは本人にとっても指導する先生にとっても十分な成果は期待できません。そして、何よりも実習生の授業を受ける生徒達に対するマイナスの影響も考えておかなければなりません。そこで、各大学に対して真剣に教職を目指す人に限って実習の受け入れを行ないたいという趣旨の手紙をお送りすると共に事前指導会という試みを行なうことにしたのです。
  私は全員に教職への志望動機を確認した後、教師を目指すにあたって心がけて欲しいことを中心に次のような話をしました。〝大した資源も広大な国土もない日本が国際社会で認められていくためにはグローバル人財(材)の育成が何よりも大切であること。生徒達に夢や希望を与えるためには、社会の動向をしっかりと掴む、具体的には新たな取り組みを行ない成功している事例を自ら集めること。就職が厳しいから選択肢の一つとして教職を考えるというような消極的な考え方は捨てること。皆さんは雲雀丘学園中・高で学校生活を送ってきているが、これが普通の学校であると思わないこと。生徒指導が難しい学校もあるが、教職を目指すという強い信念を持つこと。〟等です。
  今回の事前指導会に参加した全員が新たな気持ちで、来年の教育実習に臨んで欲しいと思っています。

2010年10月29日

これからのエネルギー事情

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  今後、益々世界人口の増加や途上国の経済発展が予想されますが、地球の環境を守っていくためには、頭を完全に切り替え、これまでの枠組みを大きく変えることが大切です。20世紀を振り返ってみると、この100年間は石油というエネルギーをベースにした『大量生産・大量消費・大量廃棄』の時代でした。そして、世界の人口は実に4倍になり、物質的な豊かさを求めて人々は経済活動を展開してきました。しかし、一方で温暖化や異常気象、土壌・水質の汚染等、地球環境面においては極めて憂慮すべき事態を招いてきています。
  これに歯止めをかけるには、化石燃料を使わないエネルギーの創出と効率的な活用が必要になってきます。これらはクリーンエネルギーと呼ばれており、代表的なものはほぼ半永久的に利用できる太陽のエネルギーです。これにはさまざまなものがありますが、大きく分けると太陽エネルギーを直接利用する「太陽光」「太陽熱」と間接的に利用する「水力」「風力」「海流」「海洋温度差」「放射冷却」「振動」「浸透圧」「波力」「大気熱ヒートポンプ」「地中熱」や「薪」「バイオ燃料」等です。また、最近「コ―ジェネレーション」「燃料電池」等も注目を集めています。
  なお、「原子力」については安全性の観点からクリーンエネルギーに含めるかどうかという論議もあるようです。また、エネルギーの効率的な活用という面では蓄電の技術や新たな送電網づくりが進んできています。
  これからの経済発展を考えた場合、エネルギー問題は食糧問題と同様、国家戦略として位置づけられなくてはなりません。今はそれぞれの国によってエネルギー事情が大きく異なるため、各国は独自のエネルギー施策をとっていますが、エネルギー自給率の低い日本にとっては、国民一人ひとりが今後エネルギー問題について関心を持つことが大切です。
  これから何回かに分けてエネルギーに関する課題や新技術の動向について取り上げていきたいと思っています。

2010年10月28日

ドイツ・ヘルバルト校との交流を終えて

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  10月28日(木)、ドイツのヘルバルト校の生徒達の研修が終了しました。実質的には、今週の月曜日から4日間という短い期間でしたが、生徒達は随分多くのことを経験しました。月曜日は三田地区に赴き、永澤寺での座禅、そば打ち、餅つき、母子小学校での神楽鑑賞と交流会、火曜日は調理実習でのたこ焼き、環境フォーラムへの参加と交流会、水曜日は全校朝礼での挨拶の後、数学・社会・書道の授業、クラブ活動、木曜日は幼稚園での歌と紙芝居の発表、柔道・剣道の授業等です。
  昨日は告天舎において、ホスト・ファミリーを交えての送別会を兼ねた歓迎会を開催しました。本校の生徒達は英語で司会をし、ヘルバルト校の11名の生徒達は日本語で自己紹介をし、パワーポイントを使ってプレゼンテーションを行ないましたが、勉強を始めて3年とは思えない流暢な日本語で立派な発表を行ない、非常に驚きました。また、ほとんどの生徒が英語も堪能なようです。立食形式で行なわれた懇親会は英語と日本語とドイツ語での会話が混ざり合い、大いに盛り上がりました。私は出席いただいたホスト・ファミリーの皆さんとそれぞれお話しましたが、「良い経験をさせていただきました。勉強になりました。」等好意的な意見が多くホッとしました。また、筝曲部員による琴の演奏も好評で、大きな感動を与えたようです。
  本日の午後には、今回の研修の反省と今後の進め方について引率の沼崎先生、ヴィンツェラー先生と意見交換を行ないました。本校は現在、夏にカナダ研修とニュージーランド研修をしているため、教員が引率する新たな研修は考えられない旨をお伝えしたところ新たな提案をいただきました。この内容は、ドイツでは地域毎に毎年夏休みが異なり、8月初旬から学校が始まる年があるため、この期間を利用して1~2名でも受け入れたいというものです。これから時間をかけて、より良い方向を模索していきたいと思っています。

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2010年10月27日

エコ・クッキングの薦め~エコ弁当

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  本校の環境活動は〝身近な自分達のできることから始める〟ということが基本です。そのためには日常生活の中で小さな取り組みを積み上げることが必要です。
今回の環境フォーラム開催にあたって、生徒会からの呼びかけに応じてこの日を「エコ弁当持参の日」ということにしました。人間は1日に3回、食事をするため、食という切り口でとらえると環境に貢献できることがたくさんあります。このエコ弁当作りにあたっては、できるだけ地元の農作物を使うことも推奨されました。さすがに、この日はコンビニのお弁当やパンを持参してくる生徒は少なかったようですが、自分でお弁当を作ってきた人は少ないのではないかと思います。保護者の皆様がご理解いただき、ご協力いただいたお蔭であると心より感謝しています。
  私も生徒達と同様、エコ弁当を持参しました。お米は親戚の農家から取り寄せた玄米、おかずは自宅近くの菜園で育てた茄子とシシトウとゴーヤ、自家製の減塩梅干で、残りが魚と高野豆腐です。従って、80パーセント以上は地元の食材ということになります。
  地産地消には多くのメリットがあります。まず「食材が新鮮で安全なこと」、次に「運送にかかるエネルギーコストが省かれること」です。この他にも「地域の生産者の顔が見える」、「地域の伝統的な食文化を継承できる」、「地域の農業の支援に繋がる」ということもあげられます。
  毎日、このようなエコ弁当を持参するのは大変ですが、環境ということを考えてできる限り地産地消をこころがけていきたいものです。

2010年10月26日

第3回環境フォーラムの開催

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  10月26日(火)、カナディアン・アカデミーとドイツのヘルバルト校の皆さんをお迎えして、第3回目となる『環境フォーラム』と『ザ・ワールド・チルドレン・サミット』を開催しました。
  本校の生徒達の大きな拍手に迎えられて両校の生徒達が入場、ステージに整列し代表者の挨拶が終わったところで私が登壇し、最初にコミュニケーションを深める意味で、英語(グッド モーニング)、ドイツ語(グーテン ターク)、日本語(こんにちは)の3か国語で相互に挨拶を交わしました。そして、次のような趣旨のオープニングスピーチを行ないました。
  〝我々が住む地球は豊かな水に覆われており、太陽系の中で唯一生物が住む惑星です。しかし、残念ながら、この100年少しの間に地球のいたるところで環境が著しく悪化してしまいました。これは人間が熱帯雨林やマングローブの林や森の木を大量に伐採し、豊かな生活を求めて石油や石炭等の化石燃料を大量に消費してきたからです。この結果、温暖化や異常気象等が起こり、サンゴ礁の白化に代表されるような環境破壊が進み、今では1年間で実に4万種類の生物が絶滅しています。
  現在、雲雀丘学園では2年前より環境教育に取り組んでいますが、この基本は「学び 考え 行動する」ということです。単に知識を吸収するということではなく、行動するということが何よりも大切です。学校や家庭において、無駄な電気を消す、水を流しっ放しにしない、食べ残さない、ゴミを出さない等やるべきことはたくさんあります。まず自分達のできる身近なことから始めましょう。
  また、環境に配慮するということは、人間に対する思いやりやりや真心を育てることに繋がります。環境を大切にするということは本校における人間教育の大きな柱なのです。一人ひとりが、かけがえのない地球を守るという気持ちで、環境活動に取り組んでいきましょう。そして、雲雀丘から日本や世界へ、この活動の輪を広げていきましょう。〟
  続いて、千葉県の成田西中の生徒とカナディアン・アカデミー、ヘルバルト、雲雀丘の3校の生徒による活動報告、全員参加のクイズ、パネルディスカッション、夢・スローガンの発表の後、この大会開催にあたって尽力したメンバーに認定書が授与され、最後に参加者全員による三本締めで無事閉会しました。
  この大会を機に、生徒達が環境に対する意識を高めていってくれることを期待しています。


2010年10月25日

第2回高等学校オープンスクールと学校説明会

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説明会の様子                  校長の話

  10月24日(日)、本年度第2回目となる高等学校のオープンスクールと入試説明会を開催しました。学校説明会がピークを迎える中、出張等の予定のない教職員全員が出勤。通常通り、8時25分から職員朝礼を開催した後、最終確認のためそれぞれの配置につきました。
  早い人は9時過ぎから来校されましたが、新校舎や芝生化された校庭をご覧になって、学習環境の素晴らしさに驚いておられました。ほとんど欠席者もなく、予定通り10時から200名を超える生徒を対象にオープンスクールを実施しました。内容は事前に希望されていた『古典に親しむ(国語)』『英語に親しむ(英語)』『大学入試に挑戦・規則性を見つける(数学)』実験をしよう(理科)』『環境を考える(社会)』の5つの授業の中から一つを選び受講していただくというものです。また多くの中学生の皆さんにとって高校の授業を受けるのは恐らく初めての経験であったと思いますが、興味深く先生の話に耳を傾けたり、実験をしていている姿が印象的でした。
  続いて、高校校舎を中心に校内見学、少しの休憩を挟んで75分にわたって18の運動クラブ、文化クラブの体験をしていただきました。心配していた天気も何とか持ち、屋外のクラブ体験も予定通り実施することができ本当に良かったと思っています。生徒達の成長ぶりを見て頼もしく感じています。
  午後1時半からは入試説明会を開催し、675名の生徒・保護者の方に来場いただきました。本日は日曜日ということもあり、ご両親で参加された方も多数おられました。私は、最初にパワーポイントを使って、これまでの説明会と同様、〝社会で役立つ力を育てる〟というテーマで、世界や日本の現状やトレンド、将来社会人として活躍するために必要な力について触れ、現在進めている学校改革の基本的な考え方についてお話しました。次に教頭から4年前に導入したコース制の進捗状況やカリキュラムの概要、進学実績、年次別の学力の伸長度等を説明し、続いて生徒達の学校の様子を収録したDVDを見ていただきました。最後に入試広報部長から来年度の入試における留意点等の説明を行ない、約1時間半にわたる説明会は無事に終了しました。終了後も多くの保護者の方から個別の質問をお受けしましたが、お解りにくい点も多々あるのではないかと思っています。
  本校では『開かれた学校づくり』を目指し、ホームページによる学校情報の提供を積極的に行なっていますので、ご覧下さい。なお、授業参観やクラブ見学、校舎見学等につきましては随時受付ていますので、ご希望があれば、ご一報いただき是非ご来校ください。

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学校説明会                    受付
【 オープンスクール 】
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学校紹介DJ                    国語:古典に親しむ
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理科:動物を顕微鏡で見よう          社会:環境を考える
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数学:大学入試に挑戦             英語:英語に親しむ
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クラブ見学:吹奏楽部              クラブ見学:剣道部

2010年10月24日

ドイツ・ヘルバルト校歓迎会

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  10月23日(土)、午後ドイツのヘルバルト校の生徒11名と付き添いの先生2名が本校を訪れました。早速、生徒達の司会で、吹奏楽部の演奏をまじえて歓迎のレセプションを行ない、ホームステイファミリーとの対面の後、それぞれの家庭に向いました。基本的に、これらの生徒達にはホームステイを通じて、日本の家庭や日常生活を体験してもらうことになります。 
  以前国際科があった時には相互交流という形で、本校の生徒達もドイツを訪問していましたが、現在は二年に一度ヘルバルト校からの生徒の受け入れを行なうということにしました。ホームステイでの滞在期間は来週の木曜日までとなっており、本校での生活は実質4日間ということになっています。
  本校では、現在カナダとアメリカから2名の留学生を受け入れていますが、生徒達にとっても海外の生徒と交流する機会は貴重な体験になっているようです。
  近年、急速にグローバル化が進展してきており、今後は海外で勤務することがあたり前になってきます。また〝内なる国際化〟という言葉に代表されるように、日本国内そのものが国際化することは避けられません。このため、相手の国のことを理解し積極的に受け入れていくことが必要になってきます。グローバル人材の最も重要な要件のひとつは異質なものを受け入れる柔軟性なのです。今回は外国の生徒と触れ合う絶好の機会ですので、生徒達が積極的に交流してくれることを願っています。

  今回、生徒の皆さんのご家庭での受け入れの募集をお願いしたところ、多くのご家庭からご協力いただき心より感謝しております。日本ではホームステイの受け入れにあたって、お客様であるという気持が強く、ホストスチューデントに対して一部屋を提供したり、特別な料理を準備しなければならないというように思われがちですが、そのような配慮は全く必要ありません。子ども達と同じ部屋で寝泊りさせ、普段家族が食べているものを出す等、ありのままの生活を体験してもらうことにより、日本を理解してもらうことが大切です。
  本校においても、今回のようなホームステイの受け入れや海外留学、ニュージーランド・カナダへの研修旅行等を通じて国際教育に注力していきたいと考えています。

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2010年10月23日

中学3年環境講座

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  10月23日(土)、琉球大学理学部海洋自然科学科の土屋誠教授にお越しいただき、中学3年生を対象に環境講座を開催しました。生徒達は11月9日から沖縄への研修旅行に出発しますが、この目的は「平和」と「環境」の大切さを学ぶというものです。
  本日は、『沖縄の自然と生物多様性』という環境に関するテーマで、サンゴとサンゴ礁を中心にパワーポイントを使って解りやすくお話しいただきました。
  〝最初にサンゴとサンゴ礁は同じものであると思われているが、明確に区別することが必要であること。簡単に言えばサンゴは生物であり、サンゴ礁はサンゴ等が作り上げた海岸地形であること。近年、温暖化による白化現象やオニヒトデの大発生、赤土の流入等により、沖縄のサンゴ礁の環境は急速に悪化していること。このようにサンゴ礁が攪乱を受けた結果、生物達の生活空間の減少、水産物の漁獲量の減少、生物多様性の減少等の深刻な事態が起きてきていること。今、単にサンゴ礁だけではなく、さまざまな環境問題が地球環境変動に対応して起こっていること。生物多様性というのは耳慣れない言葉であるが、「遺伝的多様性」「種の多様性」「生態系の多様性」「景観の多様性」という4つのカテゴリーがあること。世界の人口が急激に増加してきたことが環境問題に繋がってきていること。環境を守るためには、単にその地域だけではなく地球全体で取り組んでいかなければならないこと。皆さんも、まず身近なできることから環境問題を考えて行動して欲しい〟。
  生徒達はこれまで、里山での自然体験や奥大山での森を守る活動をはじめ、さまざまな環境活動に取り組んできました。今回の沖縄での研修旅行を通じて、更に環境への理解を深めていって欲しいと思っています。

2010年10月22日

定期考査が終了

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  10月22日(金)、2学期中間の定期考査が終了しました。生徒達はテストの緊張感から開放されて、ホッとした様子で、早々と下校する者、クラブ活動を再開する者等さまざまでした。職員室では先生方が返却された答案の採点を通じて理解度を確認されていますが、教科によって成績のばらつきは大きいようです。テストというのは生徒にとっても先生にとっても色々なことを反省する材料になると思います。生徒の中には、たまたまヤマが当たって高い点数を取れたという者もいますが、大部分は日頃の勉強に対する努力の積み重ねが反映されていると考えて間違いないと思います。また、先生にとってはあれだけ丁寧に教えたのにもかかわらず、できていないということであれば、この原因は何なのかをしっかりと把握しておくことが必要です。いずれにしても、何が出来て何が出来なかったのか、どうして出来なかったのかを明確にしておくことが大切です。更に、一人の生徒が多くの教科において成績が振るわないということであれば、生活習慣や勉強に集中できないといった他の理由があるのかも知れません。これらを明らかにしてアクションを起さないと何の解決にも繋がりません。 
  うまくいかなかった時に真の原因を見つけ出し、次の手を打つというのは勉強だけではなくスポーツにおいても仕事においても同じです。要は、素直に反省し、次に同じ失敗をしないようにしておくことです。
  中学・高校時代に〝日々地道に努力する〟〝しっかりと反省する〟という二つの習慣をつけておくことは、将来社会に出た時に必ず役立ちます。これから順次、答案が返却されてきますが、キッチリと見直し出来なかったことを確実に出来るようにして欲しいと思っています。

2010年10月21日

嬉しい報告を受けて

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  先日、多くの大学でAOや公募推薦入試が始まったという話題を取り上げましたが、この度、関西学院大学の2次試験を受験した5名の生徒全員の合格が決まりました。本校ではAOや公募推薦入試受験者に対しては現在も引き続いて個別指導を行なっていますが、幸先の良いスタートとなりました。
  私は常々「大学に進学することが最終の目的ではない。将来自分がやりたい具体的な仕事が今の時点で決まっていなくても、進みたい分野についてはよく考えて学部を選び、その上で大学を選んで欲しい」ということをお願いしていますが、特にAOや公募推薦入試の際には、何故〇〇大学の△△学部を受験したのかという志望動機が明確になっていることが大切です。以前はこれらの入試に対する指導の体制も十分ではありませんでしたが、年々AOや公募推薦入試に対する理解が深まり、指導体制も整い、生徒達もしっかりとした自分の考えをもって受験に臨むようになってきています。
  合格の報告に来た生徒に対しては、祝福の言葉をかけると共にこれから入学までにやるべきことは何かを確認し、気持を緩めることなく高校時代にしかできないことをやるように指導しています。正直なところ、合格したことによりホッとしているかとは思いますが、これですべてが終わったのではなくこれからがスタートです。生徒達が将来を見据えて研鑽を続けることにより充実した高校生活を送り、自らの道を切り開いていって欲しいと思っています。

2010年10月20日

優れた環境技術を生かす

09ecocar1.jpg エコカー

  昨今、いたるところで日本の国際競争力の低下が取り上げられてきていますがこの原因を一口で言うとグローバル化という大きな潮流に乗り遅れたということです。言い換えると日本経済が絶好調であった1980年代に打つべき手が打てていなかったということであり、現在その時のツケが回ってきていると考えなければなりません。
  昔から〝失敗の芽は得意(成功)の中にあり、成功の芽は失意(失敗)の中にある〟と言われています。また、〝ピンチはチャンス〟〝ピンチとチャンスは裏表〟という言葉もあります。日本にとって厳しい状況にあるのは間違いありませんが、プラス思考に立つと、経済情勢の厳しい今が日本にとってはチャンスです。
  今後、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)をはじめVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン)等の途上国が大きな経済成長を遂げることになり、これに伴い温暖化ガスの排出量が増大することになります。この対策を講じないと、地球環境は壊滅的な打撃を受けることになるでしょう。そのため、世界各国において、さまざまな環境への取り組みが始まっています。日本も2020年には、温暖化ガスの排出量を1990年比25%減にするという意欲的な目標を掲げていますが、現時点においてはこれまでの増加分を含めると40%に近い削減が必要ということになります。このように見ていくと、長期的に先進諸国では温暖化ガスを半減するというくらいの取り組みが必要になってくるのは間違いありません。
  これから日本が早急に取り組まなければならないのは中長期の視点に立った国家戦略の構築です。そして、その中核となるのがこれまで蓄積してきた日本の強みである「優れた環境技術」ではないかと思います。ハイブリッドカーや電気自動車への切り替え、非食料バイオ燃料の精製、LED照明への切り替え、太陽光・風力・バイオマス発電の促進、CO2の地下貯蔵、スマートグリッド(次世代送電網)の導入等数限りなくあります。これらの環境技術に磨きをかけ、官学民が連携して世界をリードしていくことが、元気な日本を取り戻すことになると思っています。
  
  これから、この校長通信を通じて、さまざまな環境技術とその動向について取り上げていく予定です。


2010年10月19日

日本の次世代育成を考える委員会に出席して

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  10月19日(火)午後、関西経済同友会『日本の次世代育成を考える委員会』のパネルディスカッションにパネラーとして出席しました。
  この委員会では〝グローバル化、少子高齢化が加速し、景気が後退する中で広がる格差社会、それらを背景とする青少年問題の増大などわが国の現状は、非常に大きな危機の時代にある。このような逆境の時代に耐えて、安心して暮らせる社会が安定的に形成されるためには、我が国の将来を担う人材を育てる他はない。厳しい社会環境を乗り越え、正しく豊かで、かつ社会・国の発展に貢献しようとする志の高い次代を担う子ども達を育てるために、今の次世代育成環境の何が問題で、それをどう解決すればいいのかということが最優先課題である。〟という基本認識に立って委員会活動を行なっておられます。
  そして、次代を担う子ども達、特に人格形成から社会で活躍するための基本的な知識や態度を習得する小学校から高校までの範囲の子ども達をターゲットに、学校、家庭、地域社会から行政まで次世代育成を取り巻く環境がいかにあるべきかを研究し、提言を行なっていくことを目指しておられます。
  本日は、最初に私から日本における教育の課題、学校において起きているさまざまな事象、学校の組織風土、学校現場から企業にお願いしたいこと等についての基調講演を行ないました。この後、パネラーである3人の校長から自己紹介とそれぞれ感じている教育界の課題を発表し、続いて竹花豊委員長の司会で4人のパネラーによるディスカッションを行ないました。
  その後、場を移して正副委員長会議が開催されましたが、参加されている皆様とパネラーとの教育にかける熱い思いが交錯し、活発な意見交換がなされました。子どもは国の宝であると共に親や教師や社会の鏡です。産業界の皆様や保護者、地域の皆様の協力を得て次世代の人材を育てていきたいものです。

2010年10月18日

週刊朝日主催「選ばれる私学 関西共学校」誌上座談会

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  10月18日(月)、週刊朝日が主催される「選ばれる私学 関西共学校誌上座談会」が朝日新聞本社ミーティングルームで開催され出席しました。週刊朝日では何回かに分けて首都圏、関西の私学の校長による座談会を開催されており、今回は関西の共学校である関西大倉、京都産業大学附属、金光八尾、初芝富田林、雲雀丘学園の5校が対象です。座談会は森上教育研究所代表の森上展安氏の司会で約2時間にわたり、建学の理念や各校が取り組んでいる特徴ある教育活動、社会人になった際に問われる必要な能力、保護者の皆さんに訴えたいこと等について活発な意見交換が行なわれました。
  現在、私学をめぐる環境は激変してきていますが、この中でそれぞれの学校が私学の特徴を活かしてさまざまな取り組みを行なっておられることが解り、大変参考になりました。
  座談会の後、引き続き本音で情報交換しようということで食事をしながら懇談を行ない、これからもお互いに交流を深め切磋琢磨することを約束して別れました。
グローバル化が進展する中で、日本が世界から認められるためには世界をリードしていく人材の育成が何よりも大切です。我々教育に携わっている者は将来の日本を背負って立つ人材を育てるという強い志を持って取り組んでいかなければならないと感じました。
  なお、この座談会の内容は『週刊朝日11月9日発売号』に掲載される予定です。

2010年10月17日

学園PTA協議会の開催

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  10月16日(土)午後、学園PTA協議会が開催されました。この協議会は事務局の幹部、中学・高等学校と小学校の校長・教頭、両幼稚園の園長と学園およびPTAの会長・副会長が出席し、4月と10月の年2回開催されています。
  最初に、常務理事の挨拶、続いて各PTA会長からそれぞれの活動についての報告がありました。その後、各校種の校長と園長から4月以降に取り組んできた教育内容について、パワーポイントを使って説明を行ないました。
  私は新学期になって7ヶ月足らずの間に、実に37にわたる行事を行なっている事を紹介した後、中学を中心に学力の伸長状況をグラフで説明しました。これまで、このような詳細なデータを提示することはなかったため、今回の説明で改革の成果を理解していただけたのではないかと思っています。その後、PTAの役員の皆さんと活発な意見交換を行ないました。この中で、皆さんがお子さんの中学や高校進学について関心をもたれている様子がひしひしと伝わってきました。学園として、どのような生徒を育てていくのかという明確な方針を打ち出すと共に、本校が現在取り組んでいる内容について、更に情報提供していくことが必要であると感じました。
  また、改革は毎年継続していかなければなりません。現在の状況に満足するのではなく、これから更なる改革を行なっていくことが大切であると思っています。


2010年10月16日

赤い羽根共同募金活動

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  10月1日より赤い羽根共同募金活動が始まり、現在本校においても生徒会が中心となって募金活動を行なっています。まず、先日の全校朝礼において生徒会長から募金活動の趣旨について、次のようなメッセージを全生徒に伝えました。
  〝赤い羽根共同募金は、市民自らの行動を応援する、「じぶんの町を良くするしくみ」で、集まった募金はその県内で使いみちが決められます。つまり、寄付した皆さんの地域で役立てられている募金です。共同募金運動は昭和22年に「国民たすけあい運動」として始まって以来、赤い羽根共同募金として広く定着し、今年で64回目を迎える全国的なたすけあい運動です。 寄付金は、県内で地域福祉の推進のために役立てられます。昨年度は200億円程が集められ、高齢者を対象とした事業、障がい者を対象とした事業、児童・青少年を対象とした事業、住民全般を対象とした事業などに用いられました。このように共同募金は、社会課題を解決するための活動や、様々な地域課題を解決するための活動のために助成されます。みなさんもご協力をよろしくお願いします。〟
  これを皮切りに、生徒会役員が交替しつつ、教室や昼食時の食堂等で募金活動をスタートさせました。この活動は来週からの定期考査期間を除いて、今月末まで続けられることになっています。目標額は3万円とのことですが、既に、これに近い金額が集まっており、目標は達成できる見通しであるとの報告をいただいています。
  これまで、ハイチやチリ地震等の支援活動を行なってきていますが、常に弱者や困っている人を助けるという気持ちを持ち続けて欲しいものです。

2010年10月15日

AO・公募推薦入試受験者に対する指導

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  今年も9月以降、多くの大学でAOや公募推薦入試が本格化しはじめました。
最近の大学入試は実に多様化してきており、一般入試だけではなくAOや公募推薦入試を採用する大学が増えてきていますが、これらの入試はペーパーテストでははかれない問題発見能力や課題解決能力を重視するということで、面接や小論文試験が中心になっています。大学によっては、これに集団討論等を実施するところもあります。大学がAO入試の受験生に対して期待している資質・能力は「コミュニケーション力」「探求心」「論理的思考力」が上位を占めています。
  現在、受験者に対して進路指導部や担任が自己推薦書や志願書の作成、面談等の個別指導を行なっています。そして、このうちの何人かには、私も動機付けも含めた面談を実施することにしています。
  主な指導ポイントは、〝何のために大学に進学するのかをよく考えること。大学進学が最終目的ではなく、将来どのようなことをして社会に貢献するかが大切であること。そのために志望動機をしっかりと整理し、自分の言葉で表現できるようにしておくこと。〟等です。また、入室の仕方や挨拶、頭髪、服装、話し方といった基本的なものから受験志望の動機やこれまで特に注力してきたこと、本校はどのような学校なのか、そして何を学んできたのか、自己のセールスポイントは何か等の質問を通じての指導を行なっています。
  しかし、大切なことはしっかりとした基礎学力を身につけておくことです。そのため、本校では「全員がセンターを目指す」を合言葉に、AOや公募推薦入試の合格者についても高校における学力の集大成としてのセンター試験を受験することにしています。


2010年10月14日

漢字の成り立ち~手、口、工をめぐる漢字

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  漢字大テストが終了しましたが、合格点に達しなかった生徒は再テストを受けています。しかし、一部には漢字に対する苦手意識が払拭できず、クリアできていない生徒もいるようです。この大きな理由は、漢字には画数の多い複雑な文字がたくさんあるため、難しいという先入観があるからではないかと思います。しかし、漢字を体系的に整理すると、一つ一つ覚える必要はないようです。このことを我々に伝えてくれた人が以前紹介した白川静氏なのです。
  白川氏は中国にもない新しい漢字学の体系を打ちたてたことにより、文化勲章を受けましたが、その最大の功績は「口」という字が、耳や口の「くち」ではなく、神への祈りの祝詞(のりと)を入れる器「口=サイ」であることを明らかにしたことです。これにより、漢字の世界がひとつながりの文字体系であることがわかるようになってきたのです。
  例えば、右という字を取り上げると、この中の「口」も、その神への祝詞をいれる「口=サイ」を表しています。また「ナ」の字形は古代文字を見ると明らかなように「手」の形です。このように見ると、右という字は祝詞を入れた器を右手で持つ形であることが解ります。
  では、左はどんな字かというと「ナ」はやはり手の形ですが、この「工」の部分は、呪術のために使う道具の形です。つまり左という字は、左手で呪具の「工」を持つ形なのです。更に「寸」も、その古代文字を見れば、「手」と指を表す「、」から成り立っています。また「ョ」も手を表わしています。このように見ていくと「ナ」も「寸」も「ョ」も手を表わしているのです。
  次に「尋」という字を見ると、「ョ」と「寸」という2つの手の間に「口=サイ」と「工=呪具」があります。つまり、尋という字は両手で祝詞を入れた器と呪具を持っている姿を表わしているのです。この漢字の意味が解ると、一尋というのは人間の両手を広げた長さ(1.8メートル)であるということが容易に理解できます。
  漢字をまる覚えするのではなく、成り立ちを知ることができれば、興味も湧いてくるのではないかと感じています。


     

2010年10月13日

中学校全校朝礼~水の大切さを知る

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  10月13日(水)、爽やかな秋晴れの下で、中学校の全校朝礼を行ないました。本校の全校朝礼は中学・高校合同で実施する場合と別個に実施する場合があります。朝礼においては必ず私が話をすることにしていますが、中学1年生と高校3年生ではあまりにもレベルが違いすぎるため、少し難しい話題になると中学生は理解できないことになるからです。
  本年度は中学生には「環境」、高校生には「グローバル化」をテーマに話をしており、本日は水の大切さについて次のような話をしました。
  〝芝生を植えてから、2ヶ月以上が経過しました。毎日水やりをし、手入れをしているせいか、しっかり根づいてきています。もし、水がなければ枯れてしまったかもしれません。地球は水の惑星と言われており、宇宙から地球を見ると美しい青色をしています。この水があるためにさまざまな生き物の誕生につながりました。
  皆さんは朝起きて顔を洗い、歯を磨き、パンやご飯を食べ、牛乳やお茶を飲み、トイレを使ったと思います。ごく当たり前のこととしてこのような生活をしていますが、日本のように水道の蛇口をひねると水が出てくる、しかもこの水を安心して飲めるという国はあまりありません。生水を飲むとすぐに下痢をするということが多くの国では珍しくないのです。
  現在、地球上にある水の総量は地球が誕生した頃からほとんど変わっていません。海水が暖められて大気中に上昇し、これらがやがて雨となって降り、川や海に注ぐという循環が続いているのです。地球上の水の大部分は海水で97%、淡水は3%弱しかありません。そして実際に人間が使える水はこのうちのごくわずか(川や湖の水は全水量の100万分の1)なのです。これを用途別に見ると、一番多く使われるのが農業用水で70%、次いで工業用水の20%、生活用水の10%です。圧倒的に農業用水が多いのですが、米を1kg収穫するのには4t、小麦・とうもろこしは2tの水が必要なのです。そして、牛を育てるためには多くのとうもろこしが必要になるため、牛肉1kgには実に20tの水が必要です。日本は食料自給率が40%しかなく、食料の多くを海外から輸入しています。そして、当然のことながらこれらの食料には大量の水が使われているのです。
  日本は豊富な水に恵まれているとほとんどの日本人は思っていますが、実は水の輸入国であるということを理解しておかなければなりません。一人ひとりが食べ物を大切にし、食べ残して廃棄するということは絶対にしないようにしてください。〟

2010年10月12日

加速する生物の絶滅

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  今年は生物多様性年にあたっており、日本で国際会議が開催されていますが、現在多くの生物が絶滅の危機に遭遇しています。
  地球が誕生して46億年、生物が現れてから38億年になりますが、これまでに全生物種の大半が絶滅するという「大絶滅期」を何回か経験しています。このうちの代表的なものは今から約6,500万年前(白亜期)に起きた恐竜の絶滅です。この時には巨大隕石の衝突によって、地球上の全生物の約75%が絶滅したと言われています。ところが現在起きている絶滅は、この「大絶滅」をはるかに上回るスピードなのです。
  恐竜時代以降、1年間に絶滅した種の数を調べてみると、恐竜時代は1年間に0.001種(1000年に1種)、1万年前には0.01種(100年に1種)、1000年前には0.1種(10年に1種)、100年前からは1年間に1種の割合で生物が絶滅してきています。このように絶滅のスピードはますます加速されてきており、現在では1日に約100種が絶滅しています。これは1年間で実に約4万種がこの地球上から姿を消しているということになります。驚くべきことに、たった100年で約4万倍以上のスピードになっているのです。そして、なおそのスピードは加速を続け、このままでは25~30年後には地球上の全生物の4分の1が失われてしまうという計算になります。 「種」とは、生物分類の基本的単位のことで、この「種」が絶滅するということは、〝その種類の生き物がこの地球上から一匹もいなくなる〟ということです。
  自然界では絶えず競争が繰り返されており、生物どうしの争いに破れて滅びた種もたくさんいます。ところが現在問題になっている絶滅は、自然界で起こる絶滅とは根本的に異なっており、私達人間が絶滅させているということなのです。100年前までの絶滅の主な理由は、人間による乱獲でしたが、今は環境破壊が原因になっています。全人類が地球環境を守るという意識を持たないと多くの生物が絶滅し、やがては人間も絶滅することになることを認識しておかなくてはならないと思います。

2010年10月11日

平成22年体育の日にあたって

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  本日は1年に15日ある祝日の12番目にあたる体育の日です。このルーツは1961年(昭和36年)に制定されたスポーツ振興法の「スポーツの日」(10月の第1土曜日)ですが、この日は祝日ではありませんでした。その後、1964年(昭和39年)に東京オリンピックが開催され、日本は柔道、重量挙げ、男子体操、女子バレーボール、レスリング、ボクシングで金メダルを獲得し、国民に勇気と感動を与えました。この輝かしい成果と感動を記念して開会式が行なわれた10月10日を、1966年(昭和41年)から『体育の日~国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日』として国民の祝日に制定したのです。その後、2000年(平成12年)からは「ハッピーマンデー法案」の制定により、体育の日は10月の第2月曜日になりました。
  そして、現在は成人の日(1月の第2月曜)、海の日(7月の第3月曜)、敬老の日(9月の第3月曜)とあわせて、4つの祝日がこの法案の適用を受けています。私も以前はバレーボール、テニス、ゴルフ等のスポーツに親しんできましたが、最近は体を動かすことはほとんどなくなってしまいました。運動が必要だと感じながら、時間がないことを理由に遠ざかっていますが、健康維持のためにも体に負担にならない軽い運動から始めたいと思っています。
  なお、日本の観測史上晴れる確率が最も高い日が10月10日ということで、この日が東京オリンピックの開会式になったのです。また、日本全国ではこの時期に運動会をする学校や団体が多いようです。本学園でも昨日は中山台幼稚園、本日は雲雀丘幼稚園の運動会が秋晴れの下、開催されました。

2010年10月10日

卒業生激励会の開催

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  10月10日(日)、この春卒業し、現在予備校などに通い来春の大学合格を目指して勉強している卒業生に対する激励会を開催しました。本校では卒業後も生徒達と緊密な連絡をとるようにしており、とりわけ進路が決まっていない生徒に対しては、激励する機会を設けるようにしています。昨年はお盆にこの激励会を実施しましたが、今年はセンター試験まで残り100日を切ることになった10月のこの時期に実施しました。
  参加者は15人で、最初に一人ずつ簡単な近況報告を行なった後、旧担任から激励メッセージ、続いて進路指導部長から激励の言葉を送りました。
 私は、学校に来る途中、学問の神様で有名な大阪天満宮に立ち寄り合格祈願を行ない、少し遅れて到着しました。そして、それぞれの生徒にお守りを渡し、次のような趣旨の話をしました。
  「しばらく見ないうちに、皆さんは実に逞しくなったように感じる。学力面だけではなく精神面でも大きく成長しているのは間違いがない。人生は山あり谷ありで、平坦な道はあまりないと言っても良いと思う。松下幸之助氏は〝僕には失敗はない。何故なら成功するまでやり続けるからだ。〟という言葉を残しているが、高い目標に向って諦めずにチャレンジすることが大切である。そして、どのような時にも、プラス思考で考え行動することが豊かな人生を作るために必要である。健闘を祈る。」
  その後、生徒達はサンドウィッチを食べながら、色々なことを話し合っていました。
  昔から〝艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす〟と言われていますが、人はたくさんの困難や苦労を重ねて立派な人間に成長するのです。この経験を活かして、将来社会で役立つ人材に育って欲しいと思っています。

2010年10月09日

第2回中学校オープンスクール&学校説明会の開催

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  10月9日(土)午後、本年第2回となる中学校オープンスクール&学校説明会を開催しました。朝から雨が降り続くあいにくの雨天でしたが、足元が悪い中にもかかわりませず、多くの生徒・保護者の皆さんにお越しいただきました。
  まず、13時30分から高校校舎のエントラスホールにおいて、放送部員による学校紹介DJを2回に分けて行なった後、生徒の皆さんには国語・英語・数学・理科・社会・美術・技術・家庭の8教科による体験授業を受けていただきました。また、並行して保護者の皆さんには学園講堂において学校説明会を開催し、体験授業には170名、説明会には380組・426名の方に参加いただきました。
  続いて校内見学とクラブ見学を行ないましたが、雨のためソフトテニス部、硬式テニス部、サッカー部、軟式野球部等のクラブについては見学していただくことができず、説明だけに終ってしまいました。折角楽しみにされていた生徒の皆さんには申し訳なく思っています。本日も説明会の後、多くの保護者の皆さんから個別の質問をお受けしましたが、お解りにくい点が多々あるように感じています。本校では随時校舎や授業、クラブ等の見学を受け入れておりますので、ご一報の上ご来校ください。
  なお11月7日(日)、午前10時30分より、学校説明会を開催いたします。今回参加いただけなかった方々は、是非ご来校いただきますようお願い申し上げます。


2010年10月08日

校庭芝生化の効用

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  校庭の芝生の植え付けを行なってから2ヵ月が経ちました。最初の1カ月は芝の養成期間ということで校庭への立ち入りを制限していましたが、その後文化祭開催と同時に校庭を開放しました。校庭に仮校舎が建設されていた1年あまりの期間は、生徒達も休み時間に運動する場所がなく、相当ストレスが溜まっていたのは間違いないと思います。
  丁度、中央棟二階の校長室から全校庭が見渡せるため、時々生徒達の様子を確認していますが、昼休みや放課後を中心にバレーボールやバドミントンをしたり、芝生の上に座って談笑したり、部活動に使用する等大いに活用しているようです。確かに以前に比べると、生徒達の笑顔や元気な声が増えてきたように感じています。
  芝生にはさまざまな効用がありますが、緑の芝生を見ると、何となく心がなごみ、やすらぎと満足感が自然に湧いてきます。また、裸地を芝生にすることで発塵量が減少する(ホコリをしずめる)ことは、研究によって証明されており、実際にその目的で芝生が利用されている所もあります。例えば空港では、飛行機のエンジンにホコリが入るのを防ぐ目的で、また精密器械や化学工場等では、製造現場へのホコリの侵入を防ぐ目的で芝生が用いられています。更に以前紹介したようにコンクリートやアスファルト、地面等に比べて太陽光の反射を和らげ周辺の温度上昇を防ぐことにもなるため、ヒートアイランド現象の緩和にも役立っています。
  本校でも、芝生化によってさまざまな効果が出始めていますが、今後これらの効果を高めていくためには、芝生のメンテナンスをしっかりとしていかなければなりません。この維持管理については生徒達が自主的に行なうことにしており、既に二回の芝刈りを実施しました。何でも人任せにせず自分達のことは自分達で行なうということが環境教育にとって大切なことであると思っています。

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2010年10月07日

雲雀丘学園の歴史を紐解く~模範を示す

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  前述の本校初代校長の板倉操平氏は更に『わが心の自叙伝』の中で、先生が模範を示すことの大切さを次のように語っておられます。

  〝模範を示すということは、吾々凡庸にはおこがましいが、あれかしと思うことはつとめて躬行(きゅうこう・身を持って実行すること)する。それが生徒に感染すること、伝染病の伝播よりも疾(はや)し。これは訓育ばかりではない。勉強も同様。先生が研究もせずして、生徒に勉強せよ、勉強せよと言っても生徒が勉強するようにはならぬ。教師自らたえず研究に従事している。机の上にはいつも専門書が開かれている。寸暇を見つけて、それを読んでいると、それが自然に生徒達にも及ぶものである。・・・・≪以下 略≫〟

  よく「後姿を大切にせよ」ということが言われますが、生徒達は家庭では親の背中、学校では先生の背中を見て育っていきます。従って、まず親や先生が自らの姿勢を正していくことが何よりも大切です。そのためには、挨拶の励行、キッチリした服装、時間厳守、規則・ルールの遵守、整理整頓、正しい生活・学習の習慣づくり等を実践していかなければなりません。
  私自身も最近、世の中の政治・経済のトレンドや企業・新技術の動向、教育問題、環境問題等さまざまなことについて勉強するようにしていますが、あまりにも知らないことが多く、更に努力の必要性を感じています。特に現在のように変化が大きい時代にあっては、絶えず自己研鑽していかなければ、知識や技術、ノウハウ等あらゆるものが陳腐化してしまうことになりかねません。 
  今一度、原点に立ち返って、本校の教育方針である〝家庭と学校の連携による『共育』〟と〝生徒・保護者・親が共に学ぶ『共学』〟について考えていきたいものです。

2010年10月06日

全校朝礼~命の大切さを知る

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  10月6日(水)、爽やかな秋晴れの下、全校朝礼で命の大切さについて次のような話をしました。
  
  〝今、皆さんは、この地球上で人間として生を受けて暮らしていますが、これは凄いことなのです。何故ならお父さん、お母さんがいなければ皆さんはこの世の中に存在しなかったのです。そして、お父さん、お母さんにはそれぞれの両親、皆さんにとっては、おじいさん、おばあさんがおられます。当然おじいさん、おばあさんがおられなかったらお父さんもお母さんも、生まれてこなかったということになります。そして、このおじいさん、おばあさんにもそれぞれお父さん、お母さんがおられました。このように、人の命は何代にもわたって受け継がれてきているのです。
それでは10代さかのぼると何人になりますか? 2人、4人、8人、16人・・・・・1024人です。1世代というのは約30年ですから約300年前、江戸時代ということになります。更に10代さかのぼると約600年前、室町時代になり、実に100万人を超えることになります。この中の誰か一人がいなくても今の皆さんは存在しないのです。このように皆さんは数え切れない命を受け継いできているのです。
  しかし、もっと驚くことをお話したいと思います。地球が誕生して46億年、生物が誕生して38億年が経ちますが、皆さんはお母さんの胎内で過ごす10月10日(約290日)の間に、この地球における生物の進化を体験して、この世に生まれてきたのです。何故かと言うと、受精した直後の姿は、地球上に最初に誕生した生き物であるアメーバと変わらない状態です。ところが5週間くらい経つと、エラを持つ魚の姿になります。次に6週間では、カエルのような両生類や亀のような爬虫類の形になり、8週間目くらいでやっと哺乳類のようになり、姿かたちも人間らしくなってくるのです。そして、その後の8ヶ月で脳細胞が出来上がります。このように、皆さん一人ひとりには、ずっと以前からの人間の進化の歴史が宿っているのです。このことからも人間の命はどれほど尊いかが解ると思います。
  ところで、皆さんは食事の前に“いただきます”ということで手を合わせていると思いますが、この意味は魚や肉や米や野菜の命をいただいているということなのです。  しかし今、多くの生き物が人間による環境破壊が原因で、絶滅の危機にさらされています。実に1日に100種、1年で4万種が絶滅しているということになります。皆さんは是非命の尊さを知り、生きていることに感動と感謝の気持を持って欲しいと思います。〟

2010年10月05日

自主的な生徒会活動

seitokai.jpg 前、生徒会役員の皆さんと

  本校においては前期と後期の年二回、全校生徒による選挙による生徒会役員の選出を行なっています。今年も前期には体育大会や文化祭といった大きな行事があり、生徒会の役員を中心に積極的な活動を展開し、また全校あげて永年の夢であった校庭の芝生化に尽力してくれました。このように年々、生徒会による自主的な動きが活発し、これらの活動を通じて生徒達は確実に成長してきています。
  この度、後期の生徒会役員体制が決まり、避難訓練の日に新役員に対する承認式を行ないました。最初に私から会長、副会長(2名)、書記(2名)、会計(2名)と自治、風紀、美化、厚生、体育、文化、図書委員の代表である委員長にそれぞれ認証書を手交し、続いて、それぞれの役員から所信表明がありました。
  本校における生徒会活動は、これらの役員に加えて、更にクラス毎に選出された12名のホームルーム委員によって推進されています。これらの人を合計すると総数は約400名、実に全校生徒の3分の1を占めることになります。言い換えると約3人に1人が何らかの形で生徒会の活動に関わっていくことになります。
  本校においては創立以来、生徒、先生、保護者が力を合わせて学校をつくってきました。現在の雲雀丘学園があるのは、これらの人達の努力の結晶であると言っても過言ではありません。これからも、この良き伝統を引き継ぎ、誰かがやってくれるという考え方ではなく、自分達の学校は自分達でつくるという気持ちで、自主的に活動して欲しいと思っています。

2010年10月04日

雲雀丘学園の歴史を紐解く~一以貫之

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  板倉操平氏は、前述の『わが心の自叙伝』の中で、一以貫之の大切さを訴えておられます。
 〝教育上やりたいこと、やらねばならぬことは山ほどある。それもこれもと手をつけると、それもこれも完成せぬ。そこで最も重要のこと一つを選んで、それから手をつけ、それができるまでは他のことはやらぬ。すると不思議なもので、それ一つが完成すると他のことは自然にできるものである。校庭に紙屑が散乱している。生徒が廊下を走る、教室の入口のドアーの開閉が乱暴である。便所がまたきたない。色々改善すべき点が多い。それを同時にやろうとすれば、どれも徹底せぬ。その内最も重要なことを選び、それ一つを完成するまで徹底する。例えば紙屑を落とさぬこと、落ちている紙屑を拾うこと、先生も生徒も紙屑が校庭に一つもなくなるように毎日毎日の紙屑を拾っていて、校舎内に紙屑が落ちていなくなる時には、他のことも自然にできるものだ。その学校の最大の欠点一つを徹底的に攻めると、他のこと全部も自然に改まる。之を「一以貫之」という。一つが完成すると不思議に万事が成る。教育の効果は「徹底」にあり、その手段は「一以貫之」にある。〟
  本校においては、人間教育に注力していますが、人間力向上のための特効薬はありません。これからも挨拶、服装、ルール・マナーに代表される〝当たり前のことを当たり前に行なう〟という凡事徹底を継続していきたいと思っています。

2010年10月03日

学園の歴史を紐解く~保護者が創業者

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  初代の中学・高校校長である板倉操平氏の「わが心の自叙伝」を読み返してみると、改めて本学園は他の私立学校のように校主によって造られた学校ではないということが解ります。

  板倉氏の自叙伝には「父兄(保護者)が創業者であり、先生が協力し、生徒が又一体となって造り上げた学校である。何等の設備もなく、教室さえ無い所から学校教育が始まった。小学校の当初は、既設の幼稚園に間借りし、工事事務所を買い取って学校とし、中学校も小学校の空教室へ新一年生を入れて授業を始め、時には物置までも教室にした。かかる教育を受けた第一回の入学生、それが小学校六年間、中高六年間、合して十二年の教育を終えて卒業した生徒達のその後の成績は如何、大学入試の難関といわれる、東大、京大、、阪大へも入学した。・・・(中略)・・・ 年次を加える毎に、先生も増員せられ、設備も一応は整ったが、しかし、既設の他の私立学校、公立学校に比ぶれば、職員組織も整わず、設備も不備であった当時の卒業生第一回、第二回の連中は其の後の成績は最も優秀であり、現在も社会で大いに活躍している。・・・(中略)・・・ 設備も整い職員組織も充実した其の後の生徒諸君、其の日の生活に安住していると、創業時代の卒業生に及ばぬ結果となる。今は守成時代に入ったが、飽くまで創業時代の意気込みを忘れてはならぬ、生徒先生も。」と叙述されています。

  中学校が創設されたのは学園創立3年後の昭和28年(1953年)であり、待望の鉄筋校舎(今回建て替えの対象になった高校校舎)の完成は翌年の昭和29年(1954年)です。この度、創立60周年を機にこの校舎の建て替えを行ない、校庭の芝生化を実現することができました。当時とは比較にならない素晴らしい教育環境になりましたが、今一度板倉先生の言葉を噛みしめていきたいものです。

2010年10月02日

指定校推薦決定者への校長講話

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  10月2日(土)午後、平成23年度大学進学の指定校推薦決定者を対象に、今後の心構えについての校長講話を行ないました。本校に対しては多くの大学から毎年500を超える指定校推薦の枠をいただいており、単純に考えると大学や学部を選ばなければ全員が一般の試験なしに進学することができるということになっています。しかし、本人の将来のことを考えると、安易に指定校推薦の枠を使って大学進学するということは、決して良い結果にはなりません。
  本日は、事前に作成したレジュメを配布し、パワーポイントを使って質問もまじえながら約40分にわたってお話しました。
  私は最初に次のような問いかけをしました。「大学への進学が最終の目的か」「将来の夢や目標が明確になっているか」「高校での基礎学力は身についているか」「高校卒業までにやるべきことは決まっているか」「日本の将来は明るいか」等です。続いて、「これから情報化とグローバル化が急速に進展すること」「現在問題になっている食料や水、エネルギー等は世界の人口爆発が原因になっていること」「今後世界人口はますます増加し、途上国が急速に発展すること」「この中で、日本の競争力は年々低下してきており、少子高齢化社会を迎えてきていること」「日本の食料自給率やエネルギー自給率は先進国の中では最低の水準にあること」「OECD調査によると、教育レベルも低下してきていること」そして、「これからは技術革新により、新しい仕事やシステムが創出され、これに伴って真の意味での実力主義が浸透してくること」等を話しました。
  その後、大学の教授や職員、企業の人事責任者の学生や新入社員に対する生の声等を紹介し、残された高校生活をどういう姿勢で過ごすべきかを訴えました。生徒達の多くが日本の将来は暗いと考えているようですが、時代の変化が激しいということは、取りも直さずこれまでのやり方が通用しなくなるということです。言い換えると、経験のないものにとっては大きなチャンスがあるということになります。 
  大学進学は手段であって、最終目標ではありません。将来社会で活躍するためにはしっかりとした目標を設定し、現状とのギャップを明らかにした上で、これを埋めていくという取り組みが必要です。これからは是非「何を」「いつまでに」「どうする」といった具体的な計画を立てて行動に移していって欲しいと思っています。

2010年10月01日

雲雀丘学園の歴史を紐解く~小学校創設の経緯

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  本学園は今年創立60周年という記念すべき年を迎えましたが、創立当時の状況を知る人もごくわずかになってきているようです。創立記念日にあたって周年誌(20周年・30周年)を紐解いてみると次のように記されています。
 
  〝第二次世界大戦が終わって間もない昭和24年(1949年)2月、雲雀丘、花屋敷の住宅地の子ども達が多く通学していた隣の市の大阪第二師範学校付属小学校の入学試験に対する「文部次官通達」が出されました。この通達の内容は終戦後アメリカが日本の「教育の民主化」政策を進める中で、進駐軍の意向が強く反映されたものでした。即ち『付属小学校は富家の子弟ばかりの入学を認めているのが実態であり、一般の子どもの入学を認めて庶民教育をするべきである。志望者が多ければ抽選で入学者を決めよ』というものでした。この通達によって抽選が実施されたため、抽選にもれた雲雀丘、花屋敷地域の子どもが数多く出ることになりました。その結果、兄姉が付属に通っているのに弟妹が入学できないという事態になり、不幸にして入学できない子どもの保護者には、諦められないものがありました。“付属のような学校を設けたい”との意見が生まれることになりました。
  特に、当時この地域の子ども達が通園していた雲雀丘幼稚園の卒園児童から多数の不合格者が出ることになったため、大原たま園長らは地元の教育熱心な人達と共に、学校新設の世論を起こすことになりました。これが2月半ば過ぎのことです。そして、大阪第二師範学校( 校長・板倉操平、付属小学校主事・池上実)に援助を仰ぎ、新設のための運動が進められたのです。これから、わずか1ヵ月後の3月25日に第1回の公式会合が行なわれ、「雲雀丘小学校創立委員会」として発足しました。そして、委員長に鳥井信治郎氏(寿屋社長 現サントリー)・ 学校長に土井信男氏(師範学校付属小学校教官)を推すことが決められたのです。しかし、私立学校としては、基本金、書類等の設立準備が間に合わないので、とりあえず村立西谷村雲雀丘分教場として発足すること、但し、教育方針その他教育に関することは独自の立場をとること等の申し合わせができたのです。しかし、肝心の校舎をどうするのかは全く決まっていませんし、学校を建設するための資金も時間もありません。そこで、校舎は雲雀丘幼稚園の園舎を分教場として借用し、後に独立することになりました。
  その後、4月10日頃になって、ようやく4月15日の入学式の日取りが決定し、石黒冨貴子(師範学校付属小学校教官)の赴任も決まったのです。こうして、この学校が将来どうなるのかについては誰もが不安な気持ちを持ちながら、第1回目の入学式兼開校式が行なわれ、男子22名、女子14名、計36名の新1年生でスタートしたのです。