これからの環境技術~スマートグリッド
オバマ政権をはじめ、各国の環境政策で注目を高めているのが「スマートグリッド」(次世代送電網)です。スマートグリッドとは名前のとおり「賢い」送電網です。従来の電力網では、発電所で発電された電気は、送電線や変電所、配電線などを通り、家庭やオフィスなどに向かって送電されます。これに対してスマートグリッドは、これまでの発電所から消費者へという一方向だった流れを双方向にして、電力を効率的に使用するシステムです。解りやすく言えば、各家庭での太陽光パネルで発電した電力を売り、必要がなくなれば送り返すということを可能にするというものです。これを実現するためには、消費者の電力需要情報などを把握し、需要と供給をマッチングさせるIT技術を駆使することが必要になります。この技術によって新たなビジネスモデルを作り上げようとしているのが、IT企業の覇者であるグーグルです。
現在、太陽光発電や風力発電は天候次第で発電量が変わり、電圧が不安定になるという欠点がありますが、今後、発電している場所と消費者がスマートグリッドでつながれば、適した発電場所から消費者へ安定した電気を送れるようになり、よりクリーンなエネルギーが有効活用できるようになります。
既に、各国において実証実験が始まりつつあり、日本においてもいくつかのプロジェクトが動き始めています。日本は比較的電力技術のレベルが高く、電力の供給が安定しているため、これを海外のスマートグリッドで事業化しようということも検討されています。
いずれにしても、今後は網構築が大きく前進するのではないかと大いに期待されているのです。