日本の文化と歴史~暑中見舞いと中元
この時期には暑中見舞いを出される方も多いと思います。私も毎年、多くの暑中見舞いの便りをいただきますが、年賀状とは異なり近況が詳しく記されていることが多く懐かしく感じています。本日で7月も最後になりますが、このままでは便りを書くタイミングを失しそうなので、これから時間を作り出していこうと思っています。
ところで、この暑中見舞いというのは、本来『盆礼』といってお盆に親や親戚、仲人、恩師等お世話になった方を訪問し、心のこもった贈り物をする風習があり、これが簡略化されたと言われています。暑中見舞いを書くのは通常、一年で最も暑さが厳しいとされる「大暑(7月23日頃)」から「立秋(8月8日)」の前日、いわゆる土用の時期ですが、最近では「小暑(7月7日)」以降のケースも増えてきているようです。
また、この時期に『お中元』を贈るという習慣もありますが、この中元というのはもともと中国の道教の習俗なのです。道教では上元(1月15日)・中元(7月15日)・下元(10月15日)を三元と定め、贖罪(しょくざい)する日とされていました。一方、わが国では古来より1年を二回に分けて、先祖の霊をお迎えし供養する『御霊(みたま)まつり』がありましたが、伝来した仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ・7月15日)が重なり、夏にお中元として品物を贈るようになったようです。そして、今は中元という風習だけが残り上元や下元という言葉は全く聞かれなくなっています。
私達が何気なく行なっていることもそのルーツを調べてみるとなかなか興味深いものです。
なお、これからまだまだ暑い日が続きますが、8月8日は暦の上では秋ということになります。暑中ではなく残暑になりますのでそれまでに暑中見舞いは書き上げたいものです。