« 2013年07月 | メイン | 2013年09月 »

2013年08月31日

八月が終わり九月へ

 八月もいよいよ終わりです。記録的な猛暑に、短時間に降る集中豪雨など「異例ずくめ」の今夏でした。異常気象の異例は困ったものですが、例年を上回る成長や新境地を開く取り組みは大いに歓迎すべきものです。
 今夏、例年以上に発展したものとして「サイエンスキャンプ」が挙げられます。協力していただける大学が増えただけに留まりません。この取り組みに期待する生徒の増加やその学びの内容などどれをとっても「例年を上回る」ものになっています。「研究者体験」も然りです。日本生物学オリンピックでは銅賞を受賞するところまできました。「本物の学び」の大きな前進であり、新たな峰を築いたことになります。
 高校1・2年生の強化勉強会は、パワーアップゼミの発展形として、短期間に集中した外部講師や本校教員による講座でした。これも今年初めての試みでした。
 部活動においても、中学女子テニス部が全国中学体育大会個人戦出場、ギターマンドリン部連続全国大会出場、高校剣道部、中学水泳部近畿大会出場などを始めとして運動部、文化部とも活躍が目立ったのも今夏の特徴でした。
 あすから九月が始まり、週末は文化祭です。各クラスや学年、クラブも最後の追い込みに入っています。協力・共同によって一つのものを創り上げていくことになります。また、その過程で自分の役割や存在意義を確認し、クラスやクラブといった集団のまとまりが強められていきます。これらの点では例年以上の成果、「異例づくし」を期待したいところです。

2013年08月30日

「情けは人の為ならず」

 昔からのことわざに、「情けは人の為ならず」というものがあります。これは「情けは人のためではなく、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にした方が良い」という教えです。「情けは人の為ならず 巡り巡って己が(自分の)為」ということになります。ところが、「情けをかけることは、結局はその人のためにならない」、だからすべきでないという全く反対の意味だと思っている者が多いと話題になったことがあります。
 さて、この「情けは人の為ならず」を科学的に実証したと大阪大学が研究成果を発表しています。それによりますと、「幼児が第三者間のやり取りを観察して他者の親切さを評価していること、親切を行う幼児は後にまわりの児から親切にしてもらいやすく、自分が親切にした分をまわりの児から返してもらっていることが明らかになりました」(大阪大学最新研究成果リリース)としています。ヒトの利他性は動物界の中でも大変特異的で、大きな謎とされてきたそうですが、それを幼児の日常生活の行動からデータを集め実証したというのです。
 人間は「他人のため」に何かをすること自体を喜びとするものですし、「他人のため」に一生懸命努力している姿に感動するものです。「他者に親切なものには、より親切に振る舞う」という「正の連鎖」は良いのですが、「他者に親切にしないものには親切にしない、もしくは罰を与える」という「負の連鎖」や「倍返し」は断ち切らなければなりません。

2013年08月29日

第8回兵庫私学展開催

 きょう、あすと大丸神戸店で兵庫県の私立中・高50校(2校は資料参加)が集い、私学展を開催しています。昨年と同じ日程での開催になります。8月末といえば、少し前まではまだ夏休み中でしたが、最近は多くの公立学校が2学期をスタートさせています。足を向けにくい状況だとは思いますが、保護者の方は勿論のこと、受験生本人が来場されることを期待しています。
 少子化に先行き不透明な経済情勢は、私立学校にとっては逆風になっています。この逆風を跳ね返すべく、それぞれの私立学校で学校改革を行い、公立学校にはない特徴を発揮しています。各学校にある創立の精神に基づく教育展開がその典型で、明確な生徒育成像を持っていることになります。
 本校は「孝道」をベースに「人間力」と「学力」を備えた「社会で活躍するリーダー」の育成がそれにあたります。また、戦後最少の児童・生徒数を記録する少子化のなかで、高校生の二人に一人が大学へ進学し、逆に戦後最多の大学生数となっている時代です。大学を出ても約2割が安定した仕事に就いていない現実があります。単なる受験学力ではなく、「何のために大学へ進学するのか」をシッカリ捉えさせるキャリア教育に力を入れ、「本物の学び」を追求しています。
 自分に合った学校選択が、受験において重要なことは言うまでもありません。多くの学校が集う私学展がそのお役に立てるものと確信しています。

2013年08月28日

「I have a dream」

 「I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.」「私には夢がある。私の小さな四人の子どもたちが、いつの日か肌の色ではなく、人格そのものによって評価される国に住むようになるであろうという夢です」。今から50年前、奴隷解放宣言が発布されてから百周年になる1963年8月28日のワシントン大行進において、リンカーン記念堂の前で行われたキング牧師の演説の一節です。
 厳しい人種差別の中で育ったキング牧師ですが、その現実に負けることなく夢と希望を持ち「非暴力主義」を貫き戦ってきました。64年にノーベル平和賞を受賞しています。この「I have a dream」は毎年行っている中学英語暗唱大会の3年生の課題文です。アメリカの歴史やこの演説が行われた当時の時代背景などを調べ、理想を簡潔な文体で訴えているこの名文を読み返せばまた違ったものが見えてくると思います。
 さて、今現在の社会で生きている私たちはどのような夢を持っているのでしょうか。「I have a dream that」の後にどのような文を書くかです。夢の実現目指して努力することの大切さをキング牧師は教えてくれています。

2013年08月27日

兵庫の私学展へ

 8月も最終週を迎えています。連日の猛暑日に熱帯夜や最高気温、記録的な小雨で水不足かと思えば短時間に記録的な集中豪雨で各地に被害が出るなど、とにかく記録尽くめの夏でした。沖縄周辺の海水温が赤道直下の海水温並に上昇し、サンゴの白化現象が起きるなど生態系も影響を受けているようです。今までの慣例や常識では判断できない現象が数多く発生しています。これから先どのように展開するか気をつけないといけないことを教える前触れなのかも知れません。
 今までと違う動きをしているのは気象現象だけではないようです。高校入試制度も、大阪府は二万数千人にも及ぶ不合格経験者を出した普通科の2回受験はそのままのようですが、来年度から学区が撤廃されます。その次の年度には兵庫県が学区を再編します。高校無償化に所得制限を導入するとの政府の動きも報じられています。これらの動きは公立高校とともに公教育を担っている私立高校にも影響を与えることになりそうです。本校もそうですが、それぞれの私学がこれらの動きを受け、来年度に向け新たな取り組みを計画しています。8月29・30の両日、神戸大丸において兵庫の私学が一堂に会して私学展を実施します。受験生の皆さんには、公立にはない私学の良さ、特徴ある取り組みを理解、再認識してもらう絶好の機会になると思います。多数参加されることを願っています。

2013年08月26日

文化祭準備

 昨日の高校OSと入試説明会は大雨の降る中無事終えることが出来ましたが、大阪の梅田や西宮の高架下の道路が冠水したり、吹田市で停電など本校生の通学地域でいろいろ被害が出ていたようです。短時間に局地的に豪雨が降り、各地で被害をもたらした今年の夏の典型的な空模様でした。
 雨が降り、猛暑から一転、涼しい空気に入れ替わり月曜日がスタートしました。きょうからは午前中4時間授業と午後からの文化祭準備になります。各学年やクラス、クラブで様々な取り組みが行われます。それぞれの集団の力量が問われるところですが、この取り組みを通してクラスやクラブの集団としての「まとまり」や質的向上が図られていくことにもなります。先輩が後輩に何を伝え、何を継承させていくのか、身を以て示すことになります。これらの活動を取りまとめていく生徒会執行部の役割も重要になってきます。腕の見せ所でもあります。
 秋は「スポーツの秋」、「文化の秋」、「実りの秋」などいろいろな表現がなされます。春から夏にかけて展開されてきた諸活動が一つの成果として現される時期を指しているからです。授業とは違った、また授業では経験できないような諸活動が展開され、その成果が発表出来るように準備が進められていくことと期待しています。

2013年08月25日

高校OS&説明会

H25.8.25%E9%AB%98%E6%A0%A1OS%26%E8%AA%AC%E6%98%8E%E4%BC%9A.jpg
 猛暑の晴天が続いていたと思えば、一転して昨夜からの激しい雨です。メリハリがつき過ぎるというか、極端から極端への動きが最近の天気の特徴になっています。
 きょうのオープンスクールと入試説明会は、雨が降る天気を予想しての対応を考えていましたが、その予想を超えるような荒れ模様の中で実施することになりました。参加者が少なくなっても、来られた方には体験授業を受けていただくつもりで準備をしていましたところ、申し込み数とほぼ同数の約300名で実施することが出来ました。入試説明会の方は512組(資料配布数)、660名の方が参加してくださいました。これは昨年を大きく上回る数になっています。保護者と一緒の姿の中に、友達同士で申し合わせてきたのでしょう生徒たちだけのグループの姿も見られました。
 今回はこの様な天候になりましたので、本校生の活動している姿を見ていただくことが出来なかったのが残念です。その学校の雰囲気や様子は、そこにいる生徒たちの活動している姿を見るのが一番よくわかります。9月8日には文化祭もあります。次回のオープンスクールではクラブ見学も出来ると思います。是非、生き生きと活動している姿を見てやってほしいと思います。
 悪天候にもかかわらず、多数参加していただいたことに教職員一同感謝しています。

2013年08月24日

あすは高校OS&入試説明会

 何日ぶりでしょうか。雨が降ったのは。ほんとに久しぶりの雨です。被害が出るほど短時間に豪雨が見舞うところもあれば、全く雨が降らずに水不足のところもあるという異常な気象です。これで少しは猛暑も影を潜めてくれるとありがたいところです。きのうは二十四節気の「処暑」、暑さがおさまる頃と暦の上ではなっています。
 あすは今年初めての高校オープンスクールと入試説明会です。暑さや水不足にはありがたい雨なのですが、生憎の天気となりそうです。体験授業は教室で行いますので雨でも関係ないのですが、グランドで行うクラブの見学は困ったものです。活動場所を校舎内に変更するクラブもありますが、中止になるところもあるかもしれません。その時は、目的とするクラブだけでなく、他の多くのクラブを見学していただければ幸いです。かえってその方が、本校生の様子をよく理解していただけることになると思います。
 入試説明会は講堂で行います。今まで取り組んできています学校改革の理念やその様子、第二ステージを迎えている生徒の様子、そして本校の特徴な取り組みである「本物の学び」などを理解していただけると思います。来年度入試における変更点もあります。これらもあわせて説明させていただくことになります。高校入試では保護者の方は勿論のことですが、受験の当事者である中学生に、是非足を運んでほしいと思っています。3年間の高校生活を送る学校を、本や雑誌などの情報だけでなく自分の目で観、体で感じ「この学校で頑張りたい」という思いを持ってほしいと考えているからです。8月最後の日曜日、多数ご来場されることを期待しています。

2013年08月23日

文化祭に寄せて

 「独立の小学校とし更に接続の中学校をも作り一大総合雲雀丘学園にして行きたいとの高遠なる希望」(学校創設趣意書)をもっているとし、1950年(昭和25年)、学校法人としてスタートした雲雀丘学園は、現在約2,800名の園児・児童・生徒と約200名の教職員を擁する学園になりました。その内、中高等学校は生徒も教職員も半分以上を占める規模になっています。
 発足当初から、将来の展望を持った取り組みを進めてこられた先輩方のDNAを受け継ぎ、私たちも学校改革をはじめ、日々新しい取り組みを進めてきています。「本物の学び」を軸とした今の学校改革もその延長線上にあるものです。学びの主体である生徒については、①「学び」を追及する生徒集団(やらされることから、自ら進んでやる生徒集団)、②実践力旺盛な生徒集団(「やってみなはれ」精神)、③自治力に富んだ生徒集団(授業規律や学年・生徒会活動)として育てていきたいと考えています。
 さて、今年の文化祭ですが、テーマは「やってみなはれ」だと聞いています。言うまでもないことですが、文化祭はクラスや学年、クラブなどの日常の活動の成果を発表する場です。生徒会が中心となり、生徒自らの手で企画・立案や運営を行います。時には失敗することがあるかも知れません。しかし、ここから学ぶものは多くあるはずです。こういった経験を中学・高校時代に持つことは大変意義のあることです。それを端的に表した言葉が、「やってみなはれ」です。可能性と将来の展望に対する確信を表した素晴らしい言葉です。この言葉はサントリーの創業者である初代理事長鳥井信治郎氏の口癖だったそうです。「現状に甘んじることなく、異分野・新しいことへの挑戦を続ける」。「『結果を怖れてやらないこと』を悪とし、『なさざること』を罪と問う社風」(サントリー研究開発100年の歴史より)として今も受け継がれているそうです。この精神を本校生もぜひ受け継いでほしいと願っています。

2013年08月22日

二学期始まる

P1060392.jpg P1060396.jpg
 厳しい残暑が続く中、二学期がスタートしました。汗がにじむ日焼けした顔がみえます。みんな大きくなったのかと感じるほど校庭が狭く感じます。ほぼ一ヶ月ぶりに全校生徒が校庭に集まりました。
 この休暇中に、中2の林間学舎、中学生のカナダ研修、3週間に及ぶ高校生のNZ研修、3大学で実施されたサイエンスキャンプに研究者体験、各学年での夏期講習や強化勉強会、とりわけ第4クールに渡って実施された高3の夏期講習など様々な取り組みが行われました。その他に部活動での練習や合宿、試合などもありました。全校集会で、市の大会から全国レベルの大会まで、たくさんのクラブや個人の表彰を行いました。様々な場面で「個」の成長を目指した取り組みが行われてきたことになります。二学期は、個々人の取り組みの成果をみんなで確認し、全体で共有するところから始めることになりました。
 高3はきょうから模試、他の学年はあすから実力考査や模試が始まります。休暇中の取り組みの成果がいきなり問われます。それが終われば、週明けから文化祭準備と続いていきます。3学期ある中で一番長い学期、集団として成長してきたクラスや学年・学校の真価が問われる学期のスタートです。

2013年08月21日

生物学オリンピックで銅メダル

 日本生物学オリンピックで本校の高3生が銅メダルを獲得しました。今年は、全国の生物に興味や関心を持つ中高生3,149名が参加して予選が行われました。その中から80名が本選に選出されるという非常に厳しいものですが、本校から2名が選出されました。本選は、8月17日〜20日まで広島大学生物生産学部を会場にして実施されました。3泊4日のなかで、「動物」、「生化学」、「植物」関連の実験試験を3回実施、成績上位者に「金・銀・銅」メダルが贈られることになります。本校は1名が銅メダル、1名が敢闘賞を受賞しました。試験終了後、研究者と語らう「サイエンスカフェ」や天文台見学、施設見学、記念講演会に交流会と盛りだくさんの内容です。参加した生徒にとってこの4日間は、一生の思い出に残る貴重な体験になったことと思います。
 「本物の学び」の追求を掲げて今年で2年目になります。生物学オリンピックは昨年に続き連続して本選出場を果たしました。化学グランプリも健闘し、あと少しのところまできています。結果もさることながら、これらに向けて先生の指導を受けたり、自主的に学習会を開くなどしている姿勢が立派です。高1生がたくさん参加し、高3生が教えている場面もあると聞いています。頼もしい限りです。授業を大切にして学習することは学校生活の基本ですが、興味・関心のあることを学年の枠を超えて共に学び、追求していくことも必要なことです。こうした風土が根付いてくれることを願っています。今回の連続本選出場に銅メダル獲得は、その芽が出てきていることの現れだと思いたい。

2013年08月20日

サンゴが危ない

 記録尽くめの夏でした。四国の四万十市で日本の最高気温を、大阪の豊中市で39℃を越えるなど、猛暑日や熱帯夜の連続記録などです。この影響で、8月に入ってからの沖縄周辺海域の平均海面水温が30.3℃と平年より1℃上回り、これまで最高の平均海面水温だった98年と同じ程度になっている、と気象庁が発表しました。海水温は赤道直下でも31℃が上限といわれています。こうなると亜熱帯を通り越して熱帯地方です。海水温が上昇するとサンゴの白化現象が問題になってきます。サンゴの細胞内には光合成で養分を与える微小な藻類「褐虫藻」が共生しています。海水温が上がり過ぎると褐虫藻が抜け、その独特の色を失ってサンゴが白くなり死滅してしまいます。中3は11月に沖縄へ研修旅行に行きます。現地でこれらのことをシッカリ学んでくることになると思います。海水温の上昇が与える影響は、それだけではありません。海水温の高い熱帯地方で発生した台風は、通常日本近海の低い海水温で勢力を弱めることになるのですが、そうはならず発達が加速されることになってしまうのではないかと懸念されています。
 今年の夏は例外と考えていると、2010年も今年に負けず劣らずの猛暑だったとか。「喉元すぎれば熱さを忘れる」、苦しいことも過ぎてしまえば、その苦しさも簡単に忘れてしまうということですが、自然界や動植物に与える影響を考えると、そう簡単に忘れることはできません。ましてや人間の行う経済活動からくる地球温暖化が関係しているとなれば尚更です。

2013年08月19日

いよいよ今週から二学期


サイエンスキャンプ in 徳島大学
 夏休みもいよいよ終わりに近づきました。今年はとりわけ暑く、猛暑日が連日のように続く厳しさでした。1日で月間の雨量を超えるような豪雨で災害が起こっているようなところもあれば、ほとんど雨が降らないといったところもあったりしました。稲穂は頭を垂れかけ始めています。セミの鳴き声が止み、風の流れに敏感なトンボをよく見かけます。まだまだ暑さは厳しいようですが、季節は「秋」、二学期が始まります。
 昨年から始めた「サイエンスキャンプ」は、今年は3大学で実施と広がりを見せました。名古屋大学、鳥取大学が終わり、きょう最後の徳島大学へ出発しました。この取り組みは、「研究者体験」と共に「本物の学び」の追求の一環であるとともに、「個」の成長をはかる夏休みの新境地を切り拓くものになったと確信しています。これらに参加した生徒が、ここで得た成果を周りの多くの生徒に還元してくれるようになれば尚更のことです。来年度、更に充実発展したものにしていくよう検討していきたいと考えています。
 また、17日から3泊4日の日程で、日本生物学オリンピックの本選が広島大学で実施されています。実験試験が終わり、きょうは最先端研究体験、施設見学や交流会、明日は公開講演会と表彰式が予定されています。昨年に引き続き、本校生が出場しています。全国から選出された80名の生徒たちと共に、素晴らしい体験をしていることと思います。
 第4クールに渡って実施された高3夏期講習も終盤です。連日登校して勉強している生徒もいます。その成果が現れる二学期が始まります。

2013年08月18日

高校OS&説明会に向けて・・・5

 連日この炎天下で熱戦が繰り広げられている高校野球も、残念ながら地元兵庫や大阪の代表校は敗れましたが、ベスト8が出揃いました。夏休みは、運動部、文化部とも全国大会を始め各種大会がたくさん実施され、多くの生徒が一生懸命汗を流しています。
 部活動は、諸外国にはみられない日本の学校の特徴といえます。施設・設備や予算、また指導者の問題など多くの課題を抱えていますが、生徒の学校生活を充実したものにしていることは間違いない事実です。共通の興味や関心を持つ同好の生徒が、教員等の指導のもと自発的・自主的に行うものです。「もっと上手くなりたい」、「もっと良い記録を出したい」と個人や団体としての技能向上に挑戦して「無償の汗」を流しています。そこには先輩・後輩の関係も生まれます。部の運営や課題遂行には自治力も問われます。これらを実践する貴重な場になっています。
 本校は「人間力」と「学力」を兼ね備えた生徒を育成すべく学校改革を行っています。「学力向上」を目指す取り組みと部活動は、相反する課題のように思われがちですがそうではありません。ここ数年ますます活発になってきています。県大会3位以上に相当する実績に対し「理事長特別表彰」がありますが、最近では在籍生徒の1割を超える生徒が受賞するようになっています。本校の目指すものは、上記で述べているように決して「勝利至上主義」ではありません。「学力向上」を目指す生徒と「部活動の実績向上」を目指す生徒が別という学校もありますが、本校では練習時間が短いなかでも選抜特進の生徒は頑張っています。また、牽引者になっているケースもあります。部活動に対する学校の姿勢も大切な学校選択のポイントです。

2013年08月17日

高校OS&説明会に向けて・・・4

 「学び」は学校で学習する科目の学びだけではありません。高校時代は、仲間や家族のこと、そしていろんな社会事象を通し、物の見方や考え方、自分の生き方などを模索する時期でもあります。自分の考え方を確立していく過程で、時として仲間や周りの親を含めた大人と「衝突」したりもします。「自立」へ向けての「もがき」といわれる大切なものです。
 学校では、科目の学習を通じてこのような課題についても考えていくことやその力をつけていくことになりますが、独自の課題として取り組む必要もあります。「とにかく一生懸命勉強して大学へ行けば良い」、といったことではこれらの課題に真っ正面から対応したことにはならないのです。「何のために勉強するのか」、「何のために大学へ行くのか」、もっと根源的に「自分の生きている意味は」などについて自分なりの「答え」を見つけないと気が済まないからです。これらの課題を追求するものとして「キャリア教育」というものがあります。学年進行や発達段階を考えていろいろなものが用意されています。これらについてはどこの学校も同じではありません。学校の考え方があらわれてきますので、学校選びの大切なポイントになります。
 心や体、「頭」も大きく成長する高校時代に、どのような高校生活を送るかは将来の生き方を大きく左右します。「勉強」だけ、「クラブ」だけでは十分といえないことは当然のことです。多くの大人は、あの時「もっとこんなこともしとけば良かった」と後悔の念を持っています。その教訓を踏まえ、受験勉強に打ち込むことが必要なのです。

2013年08月16日

高校OS&説明会に向けて・・・3

 「学びたい」、「成長したい」と言う気持ちは受験生に限らず皆が持つ共通したものです。本来、「学び」は楽しく、学べば学ぶほど「もっと深く知りたい」、と努力を惜しまず取り組んでいくものなのですが、必ずしもそうなっていないのが現状です。決められた時間に、知識をいかに効率よく、要求された形に加工して取り出すか、が問われる受験は、「理解している」かどうかを問うことと少し意味合いが変わってきます。「分かっていても」時間内にそれを形として表さなければ「分かっていない」ことになります。これに対応するためには、独自の取り組みと対策が必要になります。しかし、この対策がメインになってしまうと、「学び」の本来持っている「楽しさ」などが薄れてしまいます。「高い点数」がでる科目が「好き」で「得意」なもの、そうでないものが「嫌い」で「不得意」なものという判断をしてしまったりします。好きな科目だけど「点数がでない」というものもあるはずです。この中には必ず伸びる要素があるのですが、点数にこだわると「不得意」から「苦手」なものに変わり「嫌い」なものになってしまうことがあります。
 人生の土台を築くといわれる大切な高校時代です。この時にこそ、効率や目先の結果だけに捉われず、いろんなことにチャレンジしてほしい。その中で、「苦手」だと思っていたことが、実は「こんなに面白いもの」だったのかといった経験をしてほしい、と考えています。「本物の学び」の追求を目指しているのはその為でもあります。もちろん「受験対策」も軽視すること無く取り組むことは当然のことです。

2013年08月15日

高校OS&説明会に向けて・・・2

 現在の高等学校のコース編成は3学年とも「一貫選抜」2クラス、「選抜特進」2クラス、「特進」3クラスの7クラス体制になっています。この3つのコースの体制を私たちは第二ステージと呼んでいます。来年度入試においてもこの体制にそった募集活動を進めています。今春卒業した生徒たちは第一ステージで、「選抜特進」1クラス、「特進2」2クラス、「特進1」3クラスの6クラスでした。ですから、「一貫選抜」コースは来年の3月に初めて卒業生を出すことになります。
 来年度は第二ステージでの募集になりますが、ここ数年「選抜特進」の希望者が急増しているところから「選抜特進」の募集人数を増やし、その分「特進」の募集人数を減らすことにしています。そして近い将来、第三ステージとして「一貫選抜」と「選抜特進」のみのコースにする予定です。といいますのも、コース制を導入した時から、コース制が目的ではなく、入学してくる生徒の学力層を考えた時に、よりきめ細かく対応するためにと導入したものです。ですから、入学してくる生徒の層が変化すればコース制も変わってくるものだと考えています。ここ数年の「選抜特進」への期待とそれに応じた希望者増から、次のステージでは高校から入学してくる生徒は「選抜特進」のみにする必要があると判断したからです。
 コース制を導入している学校は沢山ありますが、それぞれに学校の考え方が反映しています。本校はコース制を固定的に捉えていません。現在も、「特進」で入学してきた生徒を、3年後には「選抜特進」と同等の力をつけさせるべくシラバスや指導法を研究しています。その方向性が第三ステージへの考え方を生み出しています。

2013年08月14日

高校OS&説明会に向けて・・・1

 お盆も中日になりました。早くもUターンラッシュで高速道路の渋滞が始まっているようです。ヨーロッパなどのバカンスに比べて日本の休暇は少なすぎるところから、どうしても一時に集中して渋滞が発生します。お盆明けに向かって世の中が動いている証拠でもあります。
 さて、お盆が明ければすぐに二学期が始まります。二学期は文化祭など大きな行事がありますし、授業日数も多い学期です。夏休み中の8月4日に私学展が行われましたが、8月29・30日にも神戸大丸で私学展が行われます。本校独自の取り組みとして、25日に高校のオープンスクール(OS)と入試説明会を実施します。新入生を迎え入れる取り組みも本格化してきます。
 高校OSですが、国・数・英は各1講座、社・理は各2講座の計7講座で体験授業を行いますが、既に定員が一杯になっており参加していただけません。ただし、学校見学やクラブ見学は可能ですのでぜひ参加して下さい。もちろん入試説明会は当日参加可となっています。保護者の皆さんとともに、受験生の皆さんの参加を期待しています。進学を考えている学校がどのような教育理念を持ち、そのもとでどのような取り組みを行っているのかを知ってほしいからです。「この学校へ是非とも進学したい」となれば、学習に対する取り組みも変わってきます。学習に弾みを付ける機会としてOSを活用して下さい。
 二学期の頑張りが入試に大きく影響します。夏休みの残りを有意義に過ごし、飛躍の準備にあてる必要があります。「努力は人を裏切らない」。暑い夏を高い志を持って乗り切った者に女神が微笑んでくれます。

2013年08月13日

猛暑の中にも

 連日40℃を越す地域が出て記録更新とかいわれていますが、この暑さ、いったいどうなっているのでしょうか。40℃といえば、お風呂の湯の温度です。服を着たままお風呂に入っているのと同じことになります。日本一の清流、四万十川が流れる四万十市での記録です。なんでも、チベット高気圧と太平洋高気圧の二重重ねで、空気が圧縮され気温が上昇しているとのことです。気体を圧縮すると温度が上昇するというボイル・シャルルの法則がこんなところに登場するとは思いもよらなかったことです。おまけに記録的な小雨と地形の関係からフェーン現象が起こり、このような高温が連日続いたようです。
 しかし、季節は「立秋」も過ぎて、秋です。お盆の入りを迎えています。昨夜というか、きょうの1時前、ペルセウス座流星群の流れ星を見ることができました。都会の空は星も数える程しか見えない程明るいので、半ば諦めの気持ちで眺めていると、北東の空に明るい糸を引く流れ星が出現しました。しかも僅かな時間の間にまた一つ。さすがに都会でも条件が良ければ見えるのだと感心すると同時に、広大な宇宙空間の中で寸分違わず繰り広げられる現象にある種感動を覚えました。また、暑さのせいかも知れませんが、最近クマゼミの鳴き声も峠を越したように感じます。そう言えば、「立秋」の次候「寒蟬鳴(ひぐらし なく)」に入っています。「カナ カナ カナ」と鳴くヒグラシは何となく物悲しく感じ、いかにも夏の終わりを感じさせてくれるセミです。猛暑の中にも次の流れ、秋へ向かっての流れは着実に進んでいるのだと思います。

2013年08月12日

お盆休み

 あすから3日間は学園の特別休暇になります。特別休暇が来れば、夏休みの前半が終了という感じになりますが、実は、後10日程、後半というより終盤の総仕上げ、ラストスパートということになります。夏期休業中の多くの行事も高3の第4クールの講習と徳島大学でのサイエンスキャンプを、部活動では剣道部がきょうから行う夏合宿を残し、ほとんど終了しています。二学期に向けて、学習環境を整備する工事も行われています。中央棟の外壁塗装と防水工事、校庭の芝生のメンテナンスなどです。必要な時期にその対策を打っておく、そのことがそのものを大切にすることであるし、長持ちさせることに繋がるのは何事にも共通することです。授業のある学期中には出来ないことなので、休暇中に集中することになります。
 この特別休暇ですが、一般的には「お盆休み」という言葉で親しまれています。古くは、休みをとって実家に帰る「薮入り」という風習もありました。私も小さい頃から「お迎え火」で「先祖の霊」を迎え、「送り火」や「精霊流し」でお送りするものだということで育てられ、「お盆」は「盆と正月」というように大切な行事と教えられてきました。「親族が一堂に会し、先祖や故人を偲び、今日ある自分をかえりみる」というお盆の理念は、いつの時代にも必要で大切なものだと思います。
 マラソンのラストスパートでは最後の給水ポイントが勝負所になったりします。夏休みの最後の給水ポイントは「お盆休み」です。家族揃って一緒に過ごし、それぞれの思いや願いをシッカリ肌で感じとり、ラストスパートをかけるエネルギーを蓄える期間になれば、と願っています。

2013年08月11日

今年もやってきます

 連日40℃を超える地域がでるなど、今年は異常な高温が続いています。この一週間がピークだといわれています。丁度お盆の時期に差し掛かっています。お盆で帰省される方には、高速道路の渋滞にこの酷暑、何とも気になるところだと思います。
 お盆といえば、「ペルセウス座流星群」が毎年この頃にやってきます。1月の「しぶんき座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と並んで3大流星群といわれるものです。12日の真夜中前後から13日明け方前にかけてがピークだそうです。今年は、活動が極大になり、多くの流星群が出現するとともに、流星のやって来る放射点が高く、おまけに月明かりが無いという好条件が揃っているといわれています。絶好のチャンスかもしれません。
 ペルセウスは、見たものを石に変える能力を持つ怪物メドゥーサを倒し、また海の怪物の生け贄にされようとしていたアンドロメダ姫を救ったといわれる、英知と勇気を持ったギリシャ神話に登場する英雄です。この名前をとった流星群です。流星群の正体は、広大な宇宙空間にある僅か1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が、大気と摩擦を起こして発光しているものです。このチリを撒いている彗星の軌道と地球の軌道が交差しているから毎年決まった時期に出現します。熱帯夜が続く毎日ですが、気分転換にしばし夜空を眺め、宇宙の中で繰り広げられる天体ショーを観るのも良いかもしれません。

2013年08月10日

夏休みも終盤

 40℃を超える地域がでるなど、猛暑日が続いています。暑さもピークです。いよいよ夏休みも、あと10日余になりました。
 自己実現、進路実現に向けて懸命に取り組んでいる高校3年生は、夏休み返上で頑張っています。夏期講習も第3クールが終了しました。お盆明けの第4クールを残すのみとなりました。講習に参加し、空いた時間も学習スペースで頑張っている生徒もいます。かけがえのない高3の夏です。この夏を強い目的意識で乗り越えた者が、新しい境地を切り拓くことが出来ます。あと僅かです。頑張りましょう。
 カナダ研修や3週間に渡ったNZ研修も終わりました。研修に参加したからといって見違えるように英語が得意になったり、喋れるようになるもではありません。しかし、自分の気持ちや意志を正しく伝えるには言葉が大切だ、「勉強しなければ」と強く感じたことでしょう。また、ホストファミーリーとの生活を通して多くのものを得たことと思います。
 3大学で実施されるサイエンスキャンプも徳島大学を残すのみとなりました。名古屋大学、鳥取大学で実施された内容は「進路のへや」や「中3学年だより」に詳しく報告されています。最先端科学実験教室の一週間に渡る「研究者体験」も2グループとも終了しました。これも「進路のへや」に報告されています。大学や研究機関の先生方の協力で素晴らしい体験や経験をさせていただきました。これらは、本校の「学びの質」を大きく転化、向上させることになると確信しています。
 あと僅か、「個」を成長させる夏休みもゴールが見えてきました。さあ、ラストスパートです。

2013年08月09日

基本調査から考える


 昨日に続き文科省が発表した学校基本調査のデータをもとに、独自の計算も入れてもう少し細かくみていきたいと思います。
 大学の学部といっても、理系、文系に代表されるように、いろいろな分野に分かれています。まず、今年の卒業生がどのような分野で学んでいたのかを次の7つの分野に分けてみると、人文18.7%、社会42.5%、理学4%、工学18.8%、農学3.8%、家政3.5%、教育8.7%となっています。経済、経営、法学部などの社会科学分野で学ぶ学生が多いのは私立大学にこういった学部が多いからです。国公立大学は理学、工学などいわゆる理系学部で多くなっています。
 次に、大学を卒業しても約20%が安定した仕事に就いていないというデータを同じく7つの分野でみてみますと、教育が31.8%と一番高く、次いで人文28.6%、社会20.6%となり、工学が10.1%と一番低くなっています。教育が高いのは非常勤として働いている人が多いと考えられます。
 同様に進学者が約13%でしたが、理学が44%と一番高く、次いで工学37.3%、農学25.4%となっています。低い方では、家政4.4%、社会4.8%、人文7.5%です。進学率が高いのは、理系です。
 最後に、全体で約63%が就職していますが、一番高いのは家政72.8%、次いで社会72%、人文62%となり、低いのは、理学39.6%、次いで工学52.1%、農学58.9%となっています。就職率が高いのは、文系です。
 これらは社会情勢によっても変化します。このデータが出てくる背景も考慮しながら、先ずは自分が何をしたいのか、その為にどのような分野に進むのかを考えることが大切です。

2013年08月08日

大学卒業後の進路は?

%E5%AD%A6%E9%83%A8%E5%8D%92%E6%A5%AD%E8%80%85%E3%81%AE%E9%80%B2%E8%B7%AF.jpg 文科省の学校基本調査(速報)が7日発表されました。それによりますと、今春4年制大学を卒業した学生の20%が安定した仕事に就いていないとの結果になっています。安定した仕事に就いていない者というのは、正規の職員等でない者、一時的な仕事に就いた者、就職も進学もしていない者をさしています。昨年より約2%少なくなっているとは言うものの大きな数字です。正規の職員等になった者(就職)が約63%で、昨年より約3%増加しています。進学者は13%となっています。
 大学院をでた者では、修士課程修了者の就職が約70%と、博士課程修了者の約50%より高い数字になっています。安定した仕事に就いていない者が修士課程では約17%ですが、博士課程では約40%という高い数字になっています。この中には、いわゆる「ポスドク問題」があります。これは、90年代から始まった大学院重点化計画によって大学院の定員が増え、その結果博士号取得者が増加したものの、大学や研究所の定員が増えていないところから、任期制の職についている研究者の問題です。法科大学院も同様の経緯をたどっているように思えます。
 高校卒業後、2人に1人が大学生になっている時代です。戦後最低の18歳人口といわれる少子化なのに、最高の大学生数です。以前からいわれている「大学さえ出れば何とかなる時代ではない」ことは明白です。時代の変化を考え、「何のために大学へ行くのか」、「将来どのような分野で社会貢献できる人間になるのか」など、明確な目標を持って大学進学を考えなければならないということを示唆してくれるデータです。

2013年08月07日

「立秋」

 連日の猛暑日です。人間の体温を超えるところがたくさん出てきています。気温が体温を超えるといういことは、動けば暑くなるということになります。じっとしていれば、体温で周りの空気が冷やされます。動くと折角冷やされた空気が逃げてしまい熱い空気が来るということになります。熱いお湯のお風呂に入ると、じっとしていないと熱いのと同じです。原理でいえば、扇風機や団扇、扇子が役に立たないということになります。今後一週間この暑さが続くそうです。暑さのピークです。しかし、季節は「立秋」、秋です。七十二候の第37候「涼風至(すずかぜいたる)」になっています。何と現実とのギャップが激しいことでしょうか。
 暑さはピークですが、太陽の南中高度は低くなり、日照時間は確実に短くなっています。季節を進める動きがでています。現状を変化させるための動きは必ず先行しています。しかも、かなりの時間のズレ、ギャップがあるものです。「明けない夜は無い」、「止まない雨は無い」ではないですが、「最高は、下降の始まり」と言えます。夏も終わりということです。
 季節は順調に進んでいますが、私たちはどうでしょう。「夏休み」も折り返しが過ぎ、後半に入りました。二学期からの飛躍を目指した動きや準備が確実にできているでしょうか。「個」の成長を目指した計画は順調に進んでいるでしょうか。現状を変化させるための動きは、努力と共通しています。すぐに成果としては表れにくいが、あとから必ず結果がついてきます。「努力は人を裏切らない」ということです。この努力が、今、必要とされているのです。

2013年08月06日

8月6日

 1945年(昭和20年)8月6日(月)午前8時15分、広島市の中央を流れる太田川が分岐する地点にかけられたT字型の相生橋を目標に一発の爆弾が投下されました。この爆弾が、一瞬にして町を壊滅させ、多くの人の命を奪った原子爆弾でした。きょうで68年を迎えます。広島市内に住んでおられる被爆者の平均年齢が78歳になったと言われています。被爆の記憶を語り継いでいくことができる方が高齢化してきています。
 一方、「世界でただひとつの戦争による被爆国・日本に生きる私たちが風化させてはいけない記憶」がある、とする取り組みがあります。朗読劇「この子たちの夏~1945 ヒロシマ・ナガサキ~」です。ものがたりは、「1945年年8月、広島・長崎で原子爆弾にあった子供たち、それを看取った母、看取ることの出来なかった母たちの残した手記・詩歌などを六人の女優と五人の地元参加者が読む100分の朗読劇」です。あす7日、尼崎ピッコロシアターで公演されますが、この中の「五人の地元参加者」として本校の演劇部5名が参加します。舞台や映画・TVで活躍されている女優の方と一緒に活動することは、生徒たちにとっては演劇の学びの場であるとともに、原爆のこと、戦争で子どもを失った親の気持ちなどたくさんのことを学ぶ機会にもなると思います。忘れてはならないこと、「風化させてはいけない記憶」などシッカリ受け継ぎ、語り継いでいく責任が私たちにはあります。今朝の朝日新聞に広島平和記念資料館を視察したオリバー・ストーン映画監督のメッセージにもあります。「真実を学んでほしいということ。若者に関心を高めてほしい。・・・学べば意識は変えられる」、と。

2013年08月05日

サイエンスキャンプ in 鳥取大学

 今年度のサイエンスキャンプ第二団が、きょう鳥取大学へ向けて出発しました。午前8時出発の予定でしたが、早く集合が完了したこともあり、7時40分に出発しました。参加者の意気込みを感じた次第です。
 サイエンスキャンプは、昨年鳥取大学からスタートしました。本校のサイエンスキャンプ発祥の地ともいえます。鳥取大学はご存知のように、鳥取市と米子市にキャンパスがあります。昨年度は鳥取キャンパスでの実施でしたが、今年から医学部のある米子キャンパスでも実施していただけることになりました。高校生はもちろんのことですが、中学入学時点から医学部進学を目標にする生徒が多くなってきています。こういった状況から、医学部でサイエンスキャンプが実施できることは、生徒たちにとってもまたとない機会だと喜んでいます。必ずやこれを契機に、医学部進学の目標実現へ向けてのモチベーションアップに繋げてくれるものと期待しています。
 多くの希望者の中から選出された生徒たちです。希望が叶えられなかった生徒の分まで頑張ってきてくれるでしょう。昨年の参加者もそうです。参加すれば意識が変わります。意識が変われば行動も変わるはずです。参加した生徒の活躍が次年度へと続き良き伝統へとなってくれると信じています。
 鳥取、米子とも5つの研究室で2泊3日の日程で行われます。先生方にとっては、対象が中学生や高校生ですので、お手数やご迷惑をおかけすることも多々あると思いますが、ご指導の程よろしくお願いします。

2013年08月04日

西宮地区で開かれた私学展

 兵庫県私学中高連主催の私学展が西宮市のノボテル甲子園で行われました。例年、神戸大丸において2日間にわたって私学展は実施しています。これは今年も8月29・30日に行われます。今回この地域で実施したものは初めての企画になります。
 神戸大丸は阪急・阪神・JRとどの交通機関を利用していける場所ですが、今回実施した場所は、阪神甲子園駅の近くです。この点がどう影響するのか興味があったところですが、午前11時の開場前から多くの方が来場されていました。本校のブースにも沢山の方が相談に来られました。さすがに西宮市の方が多かったですが、大阪方面から相談に来られている方もありました。
 中学・高校の入試を実施しますが、相談件数は高校受験が多かったように感じました。部活動も終わり、夏休みに入り「さあ受験だ」ということでしょうか。中学受験も言うに及ばずですが、この「夏休み」は受験生にとって大切な時期です。学力の伸長もさることながら、学校の授業が無い中で、自分の力で生活をコントロールし学習時間を作り出す。しかも、1時間や2時間ではなく学校の授業と同等の6時間程度は家庭学習として定着させコントロールする必要があります。これが、2学期以降に力を発揮してきます。
 相談のなかで、特に多くの方が関心を寄せられていたのが、本校が力を入れている「本物の学び」です。「サイエンスキャンプ」、「最先端科学実験教室」などは興味深く聴いておられました。
 自分が立てた志や目標遂行のプロセスのなかで、今がどの段階にあるのかが把握できると、持てる力を十分発揮することができます。目標設定がこの夏休みを有意義に過ごす「鍵」を握っています。

2013年08月03日

順調に進む「個」の成長を目指す取り組み

 「個」の成長を目指す「夏休み」も各方面で頑張っている様子が伝わってきています。
 今年初めて実施しました名古屋大学でのサイエンスキャンプも無事終わったようです。NHKニュースでも取り上げられた、これまで観測が難しかった海底の地殻変動を探る新たな調査を行っておられる名古屋大学大学院地震火山研究センターの田所先生や伊藤先生に直接指導していただいたことは中学生や高校生たちにとって貴重な体験になったと思います。
 「最先端科学実験教室」の「研究者体験」も一週間の「研究」が終わりました。第一線で活躍されている研究者の方にマンツーマンで指導していただいています。この取り組みに参加しているのは高校2・3年生です。昨年もそうですが、直接進路にかかわる研究になっています。また、日本生物学オリンピックの本選に昨年本校から初めて1名の生徒が選ばれました。今年は2名が本選に出場します。いずれの生徒もこの「研究者体験」の経験者であることをみても、この取り組みが、本校の目指す「本物の学び」の推進力になっていることを物語っています。次週から第二タームの生徒がお世話になります。
 「本物の学び」や「体験」として、海外研修も行われています。高校生の3週間に及ぶNZ研修はあと10日程になりました。現地から元気な様子や活動の様子をメールで報告してくれています。中学生のカナダ研修も、いよいよホストファミリーとお別れです。親元を離れ、海外での生活はきっと「自立」の「促進剤」になることでしょう。
 いずれの取り組みも「進路のへや」、「国際理解」に報告されています。「個」の成長を目指す取り組みの一例です。

2013年08月02日

「大雨時行(たいう ときどきに ふる)」

 きょうは七十二候の第三十六候「大雨時行」です。二十四節気「大暑」の末候にあたります。これが終われば「立秋」、夏も終わりです。とはいえ、暑さはこれから本番を迎えます。この時期の雨は集中豪雨や夕立など、シトシト降る雨というより一気に降る大粒の雨のイメージが強いと思います。「大雨(たいう)」とはよく言ったものです。しかし、先日から山陰や北陸地方での驚異的な大雨は「大雨時行」といったものとは桁違いです。今までの日本の風景や風物詩とは違ったものです。温暖化など気候変動の影響かも知れません。
 抜けるような青空に真っ白な湧きあがる入道雲、そして時ならぬ夕立、これが私の夏の原風景です。クーラーなど無く、団扇に扇風機、庭に打ち水で涼をとっていたものでした。風鈴の音も涼を演出してくれました。蝉も「シャン、シャン、シャン」といったいかにも気ぜわしい鳴き方ではなく、「ミーン、ミーン、ミーン」とのんびりしたものでした。入道雲も「坂東太郎(ばんどうたろう)」と風情のある名前で呼んでいた地域もあったようです。「坂東太郎」といえば、「筑紫(つくし)二郎」や「四国三郎」と同じく、利根川に筑後川や吉野川(四国)につけられた川の名前です。昔の夏は、ヒートアイランド現象による蒸し暑い現在の夏とは別物のような感じがします。
 自然との共生、生活の中に取り込み折り合いをつけながら生きてゆくといったことは、昔の人の生き方に学ぶべき点が多いように思います。

2013年08月01日

八朔(はっさく)

 きょうは8月1日です。8月1日は、八月朔日(ついたち)から、八朔(はっさく)と呼ばれるそうです。八朔とは、「陰暦の8月1日。農家でその年の新しい穀物を取り入れて祝いをし、お世話になっている人に初穂を贈り感謝する日」、とされ「田の実の節句」ともいわれます。陰暦ですから、月の満ち欠けにより作られた暦です。朔日(ついたち)は月の始まる日、「月立ち(つきたち)」から「1日(ついたち)」になったといわれています。月の始まりである朔日は、新月からスタートします。きょうの月齢はといいますと23.8です。まだ新月までに間があります。今年の旧暦8月1日は、新暦の9月5日にあたります。
 陰暦のもとになっている月の満ち欠けは、約29.5日周期です。これが、12ヶ月ですと、一年は約354日になります。それに対し、新暦は地球の公転周期、約365.24日です。約11日間のずれが生じます。このずれをそのままにしておくと、季節と暦が合わなくなるので、19年間に7回閏月を入れて一年を13ヶ月とし調整したのが太陰太陽暦です。しかし、これだけではまだ季節とズレが生じます。これを正すものとして二十四節気が考えられたそうです。何とも素晴らしい先人の知恵です。
 陰暦は1月下旬から2月の中旬頃から始まります。二十四節気も同じく季節より先に進んでいます。季節の先取りは、目標達成や課題の進捗状況を点検する節目にするには好都合です。八朔、今までの努力でどんなものが実を結んでいるのか、その成果をお世話になっている人をはじめ皆にどう還元するのかを考える日と捉えたいものです。もちろん感謝の気持ちを忘れずに。