勉強の仕方シリーズ-現代文(1)-
現代文学習の最善-「サイコー」を考える-
まず、次の昨年の名古屋大学 前期(文・教・経・医・理)の現代文の問に答えてください。
問1 傍線部a~jのカタカナは漢字に、漢字は読みをカタカナで答えなさい。
aケンイのある bスまない c顕わに dどんヅまり e代替 f簡便 gゲンワクh痕跡 iクウキョ j粛々と
いかがですか。案外易しいと思いませんでしたか。しかし、もう一度あなたの答を見てください。読みを「ひらがな」で答えてはいませんか。日本語には、「漢語・ひらがな・カタカナ・混種語」があります。最近は「ローマ字」も一部は日本語化しています。どれで答えさせるかは出題者の自由ですが、答は一つしかありません。
①「論う」②「挙って」③「因む」④「設える」⑤「弁える」は読めますか?話題の「小学校で習った漢字」から抜粋しましたが、小学校で習う漢字でも、読めないものがあります。侮っていけません。常用漢字の書き取りや辞書的意味や文学史などについてはこれまでどおり、丁寧に正しく覚えてください。これまでの積み重ねはとても大事です。
先ほどの漢字の読みに戻りますが、例えば「最高」の読みをカタカナで読みなさいと問われたら、もう、あなたは「さいこう」ではなく「サイコウ」と答えられますね。
しかし、国語の問題には、上記書き取り問題以外に次のような問いがあります。
問 次の傍線部に込められた「彼」の心情を置かれた状況に即して答えなさい。
「彼は山道を登りながら「サイコー!」と叫んだ。」
いかがですか。"saikou"の"ou"は"オー"と長音になり、そのまま表記されているのですが、「最高!」でも「さいこう!」でもない、なぜ漢字の読みでは不正解の「サイコー!」だったのか、あなたは考えて「ひらめき」の答えをださなければ○をもらえません。状況が表現されていなければ、あなたが状況設定するのです。