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2010年12月31日

日本の文化と伝統~大晦日と除夜の鐘 

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  今年も昨年に引き続き、政治も経済も激動の一年でした。この中で、皆さんはそれぞれの思いで一年を振り返り、来年度に向けての決意を胸に秘めておられることと思います。
  年の最終日は大晦日(おおみそか)と呼ばれていますが、この「みそか」というのは本来「三十日」と書き、月の三十番目の日ということです。やがて、これが転じて月の最終日を指すことになりました。また、晦(つごもり)というのは陰暦では十五日に満月となり、月末になると月が見えなくなってしまうため、月隠(つきごもり)が訛ったものです。そして、一年の最後のことを「みそか」に「おお」をつけて「おおみそか」「おおつごもり」というようになったのです。
  また、大晦日の夜を除夜(じょや)と言いますが、これは一年の日ごよみを除くという意味であり、一年を締めくくり、暮れゆく年を惜しむということから色々な行事が行なわれてきています。
その代表が除夜の鐘をつくというものですが、この風習は中国の宋の時代に起こり日本には伝来したのは鎌倉時代と言われています。新たな思いで新年を迎えるために、今年一年の自分の行いを改めて振り返り、至らなさや愚かさをしみじみ反省しながら除夜の鐘と共に洗い流すという趣旨です。
  私も社会人になるまでは奈良に住んでいましたので、毎年NHKの紅白歌合戦が終わると友人と初詣に出かけ、興福寺で除夜の鐘をついていたものです。
  それでは、どうして除夜の鐘は108回つくことになっているのでしょうか。これは人間の煩悩の数を表しているのです。即ち、人間の感覚を司るのは、「眼」「耳」「鼻」「舌」「身」「意」の六根。これに「好(気持が良い)」「悪(嫌だ)」「平(何も感じない)」の三種類。また「浄(きれい)」「染(きたない)」の二種類。最後に「現在」「未来」「過去」の三つ。これだけの組み合わせを考えると6×3×2×3=108ということになります。
  なお、正式な数珠の数は人間の煩悩の数と同じ108個です。しかし、一般的には簡易タイプとして54個(2分の1)や27個(4分の1)が使われています。是非、一度確認しておいてください。

2010年12月30日

日本の文化と伝統~年越しそば

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  今年も明日一日を残すばかりになりました。この大晦日には暮れゆく年を惜しむという意味で昔から色々な行事が行なわれてきていますが、その代表的なものが年越しそばを食べるという風習です。わが国には古くから続いている食習がありますが、起源や由来がはっきりとしないことが多いのです。
  この年越しそばを食べる風習は、江戸時代中期から始まったと言われていますが、特に商家において月の末日に蕎麦を食べる「三十日蕎麦(みそかそば)」という習慣がありました。これが大晦日のみに残ったものと考えられています。これらの理由を挙げると〝そばは伸ばして細く長く伸びるので、寿命や身代、家運が長く伸びることに繋がる〟〝金細工師が一年の作業を終える時に、そば粉を丸めて散らかった金粉を寄せ集めていたことからお金が集まる〟〝そばは切れやすいので、旧年の苦労や災厄をきれいさっぱり切り捨てる〟〝そばは風雨にあたっても、翌日陽が射すと起き上がるということから捲土重来を期す〟〝家族そろって食べることが多いことから末長く、そばにいたい〟等といった意味が込められているようです。
  このように大晦日には日本各地で「年越しそば」を食べるしきたりがありますが、それぞれの地で「つごもりそば」「みそかそば」「暮れそば」「運そば・運気そば」「歳とりそば」「大年そば」「福そば」「寿命そば」「年切りそば」等の違った呼び方があるようです。
  また、かつて勤務していた高松では、讃岐うどんの産地ということで、大晦日でもうどんを、沖縄ではそば粉ではなく小麦粉を使った沖縄そばを食べて、一年を振り返っています。

2010年12月29日

子は親の鏡

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  親にとって、子どもが成長していく姿を見ることは人生の中で何事にも代えがたい大きな喜びです。しかし、この反面で子育ての難しさのために悩んでおられる方が多いのではないでしょうか。本日は、子育てに対して保護者の皆さんに是非読んでいただきたい一冊の本を紹介します。この本は、40年以上にわたって家庭教育についての授業や講演を行ない、子育てコンサルタントとして活躍したドロシー・ロー・ノルトによって著された『子どもが育つ魔法の言葉』(PHP研究所)です。私もこの本を読んで、もう少し早くこの本に出会っていれば良かったと感じました。
  この本は世界23カ国で出版されそれぞれの国の親たちを励ましましたが、冒頭には「子は親の鏡」という詩が紹介されています。そして、本文は次の19の項目にわたってさまざまな事例を取り上げながら、親自身が子どもの手本になることが大切であり、親の価値観は行動によって子どもに伝わることを語りかけています。
  ① けなされて育つと、 子どもは、人をけなすようになる
  ② とげとげした家庭で育つと、 子どもは、乱暴になる
  ③ 不安な気持ちで育てると、 子どもも不安になる
  ④ 「かわいそうな子だ」と言って育てると、 子どもは、みじめな気持ちになる
  ⑤ 子どもを馬鹿にすると、 引っ込みじあんな子になる
  ⑥ 親が他人を羨んでばかりいると、 子どもも人を羨むようになる
  ⑦ 叱りつけてばかりいると、 子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
  ⑧ 励ましてあげれば、 子どもは、自信を持つようになる
  ⑨ 広い心で接すれば、キレる子にはならない
  ⑩ 誉めてあげれば、 子どもは、明るい子に育つ
  ⑪ 愛してあげれば、 子どもは、人を愛することを学ぶ
  ⑫ 認めてあげれば、 子どもは、自分が好きになる
  ⑬ 見つめてあげれば、 子どもは、頑張り屋になる
  ⑭ 分かち合うことを教えれば、 子どもは、思いやりを学ぶ
  ⑮ 親が正直であれば、 子どもは、正直であることの大切さを知る
  ⑯ 子どもに公平であれば、 子どもは、正義感のある子に育つ
  ⑰ やさしく、思いやりを持って育てれば、 子どもは、やさしい子に育つ
  ⑱ 守ってあげれば、 子どもは、強い子に育つ
  ⑲ 和気あいあいとした家庭で育てば、
           子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

  また、彼女はこの本の続編として『10代の子どもが育つ魔法の言葉』という、もう一冊の本を書いていますが、この本は大人に近づいていく子どもとの親子関係についての多くのヒントを教えてくれると思います。

2010年12月28日

日本の文化と伝統~注連縄と門松の由来~

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  昨今は年末年始を海外や帰省先で過ごす人が増えてきています。また、お正月の御節料理を作ったり、飾り付けを行なう家庭も少なくなってきているため、わが国の伝統的な行事や文化の意味を知らない若者も多いようです。新しい年を迎えるにあたって、これまで日本において行なわれてきた行事や風習を何回かにわたって紹介したいと思います。
  年末には〝煤(すす)払い〟を行ない、〝注連縄(しめなわ)〟を張り、〝門松〟や〝鏡餅〟を飾り、御節料理を作り、大晦日には年越しそばを食べます。最近はスーパーやデパート、コンビニ等でも御節料理やお餅を販売しているため、手軽に購入することができますが、私の幼少の頃はお餅つきをし、御節料理を作るのはあたり前でした。そして、お正月には家族全員がお屠蘇でお祝いし、雑煮や御節料理を食べるというのが一般的でした。
  今回は注連縄と門松の由来についてお話します。
  まず、玄関先に注連縄を張るのは、家の中に悪霊を入れず穢(けが)れをぬぐい去り無病息災・家内安全を祈るものです。神社などで見られるように注連縄は神聖な場所に渡し、内(神域)と外(現実社会)を隔てて、不浄に触れさせないために用いられるものです。
  また、門松については平安時代に中国から伝わり、現在の様式が決まったのは室町時代であると言われています。最近は簡略化されたものがほとんどですが、本格的な門松には竹の先端が斜めにカットしてある「そぎ」と呼ばれるものがあります。この風習は徳川家康が始めたと伝えられています。家康は戦上手でしたが、生涯唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」(1572年)では武田信玄の騎馬軍団に完膚(かんぷ)なきまでに叩きのめされました。この戦いの後、信玄に対して次は斬るぞという念を込めたのがこのそぎの始まりです。
  なお、門松や注連縄を飾るのは29日と31日を避けるのが良いとされています。この理由は、29日は「二重苦」、9の末日ということで「苦待つ」に通じる、また31日は「一日飾り」と言って神をおろそかにするからです。今日までに飾っておられない人は、是非、明日を避けて30日に飾ってください。

2010年12月27日

本格的な受験シーズンを控えて

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  中学校教員向け説明会             保護者見学会
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  オープン・スクール               塾長説明会 

  今年も残すところあとわずかになってきました。年が明けると本格的な受験シーズンが始まりまるため、受験生の皆さんはそれぞれ最終の受験校の絞込みを行なっておられることと思います。最も早く行なわれるのは1月15日から始まる近畿地区の私立中学校の統一入試と大学のセンター入試です。
  本校も明日は一年の仕事収めになりますが、中学の願書受付は1月6日からスタートするため、本日が実質的には最後の広報活動日ということになりました。私学にとっては、どれだけ多くの生徒が受験してくれるか、そしてどれだけの生徒が入学してくれるかが何よりも重要です。そのため、これまで入試広報部のメンバーを中心に、さまざまな広報活動を行なってきました。具体的には、7月の中学のオープンスクールを皮切りに、神戸大丸での私学展、中学・高校の入試説明会、塾長や中学教員の皆さんを対象とした説明会、保護者見学会、色々な会場での入試相談会、塾や中学訪問等です。反省すべき点もありますが、やるべきことはすべてやり遂げたと思っています。果たして、どれだけの生徒の皆さんが受験してくれるのか、期待と不安の入り混じった複雑な心境で年の瀬と新年を迎えることになりそうです。
  なお、この度ホームページも一新しました。また、中学入試、高校入試に関する『Q&A』を掲載していますので、是非ご確認いただきますようお願いします。

2010年12月26日

凡事徹底~掃除の大切さ

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         ピカピカ賞受賞

  本年最後の日曜日となる12月26日、新年に備えて大掃除を始められた家庭も多いのではないかと思います。松下幸之助氏は身の回りをしっかりと掃除することを訴えておられましたが、掃除というのは〝凡事徹底〟の中でも挨拶や約束の遵守と共に実に大切なものです。
  本校では毎日ホームルーム終了後、生徒達による掃除を行なっていますが、クラスによって大きな差があるようです。先日の終業式では『ピカピカ賞』の特別表彰を行ないました。このピカピカ賞は1学期を通じて、教室の掃除がゆきとどいていたクラスに対して表彰するもので、終業式後クラスの代表に表彰状と副賞を渡しました。どちらも簡単なことですが、クラス全員が毎日意識して行動しないと達成できません。そして、この日々の積み重ねがクラスのまとまりや風土をつくり上げていくのです。
  身の回りを整えるというのは社会人になっても守らなければならない最低限の事柄です。私も民間企業での勤務を通じて、これらの凡事を徹底することの大切さを身にしみて感じてきました。整理整頓や掃除のできていない職場では、必ずといってよいほど仕事のミスや品質不良、事故が多発します。また、個人を見てもこれらができていない人は仕事の進め方も概してルーズです。
  本校では〝人間力〟と〝学力〟の両立を方針に掲げていますが、人間力を高めるための特効薬はありません。あたり前のこと、簡単なことをやり続けるという「凡事徹底」が何よりも大切であると思っています。年末にあたって、家庭においても是非、掃除と整理整頓を心がけて欲しいと思っています。

2010年12月25日

冬休みの生活指導について

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  冬休みに入って既に5日が経過しましたが、毎日規則正しい生活が送れているかどうか気になるところです。
  本校では長期休業に入る前に、生徒指導部が中心となって保護者に対して「ご家庭での生活指導についてのお願い」のプリントを配布しています。このプリントには「家庭との協力」「生活習慣」「健康」「学習」「携帯電話」「薬物」等について家庭で留意していただきたいことを掲載しています。休みが続くとどうしても不規則な生活になりがちですし、一旦生活習慣が乱れると元に戻すまでには大変な労力が必要になります。また、残念なことに最近生徒達を取り巻く環境は決して安心できるものではありません。そのため、ちょっとした気の緩みから事件に巻き込まれるということにもなりかねません。保護者の皆さんは「うちの子に限って・・・」と思われていると思いますが、今、社会で起こっていることは決して対岸の火事ではなく、身近に起こる可能性があるのです。そのため、保護者の皆さんには、このプリントを確認いただいた上で、ご意見をいただくことになっています。
  先日、生徒指導部の先生がこれらの意見をまとめてくれましたので、すべて目を通しました。これによると、普段学校においては、生徒の生活指導に注力しているものの、まだまだ改善していかなければならない点もあるようです。
  本校では、生徒の育成の基本は〝共育〟つまり家庭と学校との連携であると考えていますが、この冬休みの間、是非とも暖かさの中にも厳しくお子様を見守っていただきたいと思っています。

2010年12月24日

入試直前対策講習・冬期講習の実施

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  既に冬休みに入っていますが、各学年においては勉強合宿や補習が行なわれています。
  特に、センター入試を直前に控えた高校3年生については『入試直前対策講習・冬期講習(第1期)』ということで、年内は12月30日まで、年明けは1月4日から講習することになっています。
  終業式でもお話ししましたが、センター入試まではまだ20日間余もあります。1日に5時間勉強すれば100時間、10時間やれば200時間になります。私のこれまでの経験から言っても500時間かければまとまったことができますし、200時間あれば目に見えた成果に結びつきます。従って、他のことに気を奪われることなく、この期間勉強に集中すれば、学力は飛躍的に向上するのは間違いありません。先生方も色々と工夫を凝らして、きめ細かい指導を計画してくれていますので、生徒達がしっかりと受講すればそれなりの成果が上がると思っています。
  また、この時期になるとどうしても新しいことや難しいことをやろうとしがちですが、センター試験で出題される問題は高校で習った内容です。これまでの模擬試験を見直し、できなかった問題を確実にできるようにする等、自分の弱点を補強するようにしておくことです。更に、生活のリズムを徐々に試験の時間に合わせていくことも非常に大切です。夜にならないと頭が働かないというのでは良い成績には繋がりません。できる限り、入試本番に合わせて睡眠や食事をとるようにして下さい。

2010年12月23日

「元気な学校を支援し創る会」の活動

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  このたび、「元気な学校を支援し創る会」というNPO法人のホームページに「私学から学ぶ学校経営」の第3回として本校が紹介されました。
  この会は現職の教員を中心として、元気な学校づくりをさまざまな形で応援する特定非営利活動法人です。ルーツは、平成12年に現職の学校教師を中心とした研究グループ「たくみの会」であり、ほぼ毎月、授業や学校・学級運営について勉強会を行なってこられました。その後、活動の幅を広げられ、毎年教師力アップのためのさまざまなセミナーを開催されてきました。このような活動を推し進める中で、学校教育現場の問題解決のためには活動の範囲をより広げ、その内容もより一層充実させると共に教育委員会や企業等の外部関係者と積極的に協力関係を持つことが必要である。そのためには、法人格の取得が不可欠であるとの結論に達し「NOP法人 元気な学校を支援し創る会」を設立され、積極的な活動を展開されています。

  取材を受けたのは10月の初旬でしたが、
(http://school55.net) (http://www.school55.net/index/column21_20101220.html)に記事が掲載されていますので、ご覧下さい。

2010年12月22日

保護者懇談が始まる

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  本校では、学期終了時に保護者懇談を実施していますが、本年度からは3学期制に移行したことによって、今週から本年度2度目となる保護者懇談が始まりました。
  連日、多くの保護者の方がお見えになり、それぞれの担任とお子様の学業成績や学校生活、交友関係、生活面等における話をされたようです。担任との懇談後、何人かの保護者の方とお話させていただきましたが、やはり学業成績に関する悩みが多いように感じました。
  親としてはどうしても成績表を見て〝点数が上がった、下がった〟と一喜一憂されるのは仕方がありませんが、成績が思わしくないということで決して頭ごなしに叱り付けるということは得策ではないと思います。よく「勉強しなさい。勉強しないと大学に行けないよ。」とか「どうしたの、この成績は。こんなことでは、どうなっても知らないよ」といった言葉は、かえってやる気をなくさせることになるのではないかと思います。
  私は世の中で起こっていることは、すべて原因があって結果が生じると思っています。従って、問題となる原因を除去したり、改善しない限り良い結果が期待できないのは当然です。
  授業に集中できていない、予習や復習が不十分である、家庭での勉強時間が足りない、苦手教科に手が回っていない、勉強の仕方がわからない、といったことや体調が優れない、基本となる生活習慣が乱れている、携帯端末のメールやゲームに熱中している、整理整頓ができていない、といったことも考えられます。そして、勉強の意義がつかめていない、将来の目標がない、ハングリー精神がない等のことが根本原因かもしれません。
  この冬休みという機会をとらえて、是非家庭において現状の実態を正しくつかみ、改善に向けての取り組みをしていただきたいと思っています。

2010年12月21日

平成23年度大学入試前半戦の結果

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  近年の大学入試は、センター入試の前に国公立大学の公募制推薦、AO入試および私立大学の指定校推薦、AO入試等が実施されています。本校においても多くの生徒がこれらの受験に臨み、この12月までにほぼ結果が出揃いました。主な合格状況の内訳は次の通りです。

(1)国公立大学  5名・・・京都工芸繊維 2名、 京都府立、愛媛、兵庫県立
(2)大学校(一次) 6名・・・防衛医科、 防衛5名 
(3)私立大学  178名・・・関西13名、 関西学院14名、 同志社2名、 立命6名、 京都産業10名、近畿20名、 甲南3名、 龍谷2名、 京都女子3名、 同志社女子4名、 神戸女学院3名、甲南女子18名、 武庫川女子8名、 京都外語9名、関西外語6名  等
(4)短大他    7名

  これらの公募推薦やAO入試を受験する生徒に対しては、私もこれまで個別指導をしてきました。生徒には〝大学に進学することが最終目的ではない〟ということを繰り返し言っていますが、将来何をやりたいかというしっかりとした思いを持って、より一層の研鑽を積んで欲しいと思っています。 今回、国公立大学への合格者は5名になりました。また初めて難関の防衛医科大学への合格者(1次)が出ましたが、まだまだ十分とは言えず反省点も多いように感じています。
  合格した生徒達はそれぞれ校長室に報告に来てくれていますが、お祝いの言葉と共に気を引き締めて残された高校生活をしっかりと送るように伝えています。なお、本校では高校における学習成果の集大成として、全員がセンター入試を受けるよう指導しています。

2010年12月20日

2学期終業式にあたって

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  12月20日(月)、4時限短縮授業の後、2学期の終業式を行ないました。当初は校庭で実施する予定でしたが、生憎早朝からの雨でグランドの状況が悪いため、マイク放送に切り替えて次のような話をしました。

  〝今年も残すところ、わずかになってしまいました。本当に月日が経つのは早いですね。今年のお正月に、皆さんは「今年は是非こういうことをやりたい」「自分はこういう人間になりたい」など、様々な目標を持ってスタートしたと思います。一年経った今、振り返ってみて、今年はどのような年でしたか?自分の思いどおりにできたという人、逆に思いどおりにできなかった人がいると思います。できなかったという人は、毎年同じ繰り返しをしていませんか?年末にあたって、是非自分自身の姿勢を反省して下さい。
  皆さんは、やがて社会に出ます。“継続は力なり”という言葉がありますが、どの分野にあっても社会で活躍している人の共通点は、一旦決めたことをやり続けているということです。
  野球やゴルフといったスポーツ界を見ても、皆さんが良く知っているイチロー選手や石川遼選手は、血のにじむような努力を毎日続けています。簡単に言えば、どのような日であっても“例外をつくらない”ということです。〝今日は疲れているから〟〝今日は体調が悪いから〟“今日は他にやりたいことがあるから”ということで、いったん例外をつくると、それが当たり前になってしまいます。
  明日から冬休みに入りますが、休みだからということで夜更かしをしたり、朝遅くまで寝ていたりせず、しっかりと生活習慣を整えることが大切です。また折角の機会ですので、家の手伝いをしたり、家族の方とも色々とお話をして下さい。
  さて高校3年生の皆さん、センター入試も目前に迫ってきました。しかし、まだ25日もあります。仮に1日8時間勉強すれば、200時間もあります。これだけの時間があれば、相当学力が伸びるのは間違いありません。マラソンレースで言えば、今はゴール間近の40km過ぎです。自分が苦しいときは、他人も苦しいのです。是非悔いのないように全力を尽して下さい。
  皆さんにとってこの冬休みは人生の中では1回限りで、後戻りはできません。充実した生活を送っていただき、1月8日には元気に登校して欲しいと思っています。

2010年12月19日

第39回中学英語暗唱大会の開催

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       英語暗唱大会の様子          西谷中学校 佐藤校長先生

  12月17日(金)の午後、学園講堂において中学英語暗唱大会が開催されました。この大会は、今年で実に39回目を迎える本校の伝統行事の一つです。各学年では数ヶ月前からそれぞれの指定された課題文に全員で取り組んできました。そしてクラス毎に選考を行い、各学年10名の代表が選ばれスピーチを行ないました。
  今年の暗唱文は中学1年が宮永勝さん原作の「若返りの水」(英語タイトルMiracle Water)、中学2年がイソップ物語「アリとキリギリス」(The Grasshopper and the Ants)、中学3年がキング牧師のスピーチ「I Have a Dream」でした。出場者にとっては、生徒や先生、保護者等多くの聴衆の前で、しかも英語で発表することは初めてという人がほとんどです。恐らく物凄く緊張していたと思いますが、一人ひとりが舞台で堂々としたパフォーマンスを披露し、さらに工夫を凝らした個性的な発表も目立ちました。物語の登場人物になりきってセリフを言ったり、ジェスチャーを加えながら力強くメッセージを伝えたりと、豊かな表現力を発揮できたと思います。いずれも甲乙つけがたい出来映えであり、本番に備えて繰り返し練習を積んで来た努力の跡が感じられました。
  審査の結果は20日(月)に発表され、終了式で表彰することになっていますが、参加者全員が十分に練習を積み重ねて最大限に努力したことは間違いありません。その姿に観客からも大きな拍手が送られました。大会の最後に英語ALT教員のキャスティー先生から賞賛のコメントをいただきました。また発音の重要ポイントについても指導していただきました。
  また今回は特別ゲストとして西谷中学校の佐藤校長先生にご参加いただきました。佐藤先生は宝塚市教育研究会の英語科研究部長をされており、ご自身の英語の体験談や英語を学ぶ姿勢について興味深いお話をいただきました。
  これからグローバル化の進展に伴い、語学とITを駆使したプレゼンテーション能力がますます重要になってきます。この行事も来年は記念の40回の節目を迎えますが、更に充実した大会になるように計画していきたいと思っています。


2010年12月18日

留学生に対する面談指導

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  高校には以前、普通科と国際科という二つのコースがありましたが、4年前に新たなコース制を柱とする高校の改革を行ないました。この狙いは、単に国際科を廃止するという消極的な考え方ではなく、グローバル化が急速に進展する中で、これまで国際科が培ってきたグローバル感覚をすべてのクラスに広げていこうとするものです。従って、ニュージーランド研修、JICAとの交流、海外留学等についてはカリキュラムとの調整を行いながら継続することにしています。
  先日、この冬、新たに留学する高校1年生に対する渡航前の校長面談を行ないました。今回は1人がアメリカ、3人がニュージーランドの現地校に留学しますが、このうちの2人の生徒は昨年のカナダ研修、今年の夏のニュージーランドの語学研修に参加しています。
  私は生徒達に次の4つのことを話しました。
①日本の常識は世界の非常識ということも数多くあり、国外から日本を客観的に見ることは貴重な経験になると思う。是非、海外で色々な体験をして欲しい。  ②留学を通じて、語学力は向上すると思う。語学力というのはITスキルと同様、一つのツールにすぎない。要は語学を使って何をやるかが大切である。  ③帰国は来年の年末になるため、すぐに大学への進学を検討しなければならなくなる。是非将来の進路をしっかりと考えておいて欲しい。  ④このような貴重な経験ができるのも、両親のお陰であると思う。感謝の気持ちを忘れないで欲しい。
  また今週末にはオーストラリアに留学していた生徒が高校2年生に帰学する予定です。この生徒も過去に雲雀丘のカナダ研修に参加した生徒です。この他にも高校2年生の生徒がカナダに、高校1年生の生徒がアメリカに留学中であり、2人とも来年の6月に帰国する予定です。
  一方で、海外(アメリカとカナダ)からの留学生も、高校2年生と高校1年生に1人ずつ在籍しています。グローバル化が進む中、これからも海外との交流を更に進めていきたいと思っています。

2010年12月17日

歳末助け合い運動

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  12月1日より、全国で歳末助け合い運動が始まっていますが、本校においても期末考査が終了した12月8日(水)より生徒会が中心となって募金活動を開始しました。この歳末助け合い運動は、赤い羽根共同募金同様、さまざまな地域における社会的な課題を解決するための活動に利用されます。そのため、集められた募金は宝塚市で使い道が決められることになっています。一口で言えば、これは「じぶんの町を良くする」活動です。
  宝塚市では、一人暮らしの高齢者の方へお正月におせち料理を届ける配食事業などの高齢者を対象とした事業や体の不自由な児童を対象とした事業などに使われています。
  本年度の宝塚市の目標額は1,030万円ということなので、本校の目標額を宝塚市の目標額の0.1%の10,300円に設定しました。まず、スタートにあたって各クラスの自治委員に集まってもらって自治委員会を開き、趣旨説明を行なうと共に目標金額を超えるよう募金活動を進めていくことを確認しました。そして、9日と10日に各クラスの学級委員に、一人1日10円ずつクラスで集めてもらうことにしましたが、学級委員が集め方をいろいろと工夫をしてくれ、楽しみながら集めたクラスもあったようです。各クラス共、目標金額を超えるように頑張ってくれた結果、募金総額は、本校の目標としていた金額を大きく越え、目標の約3倍の3万4千円余りが集まりました。
  また、12月15日(水)には、宝塚市社会福祉協議会より常務理事の小中和正氏 他2名がわざわざ来校され、8時から生徒会執行部の役員と共に「歳末助け合い募金」と書かれたのぼりと募金箱を持って登校してくる生徒達に、募金協力を呼びかけてくださいました。そして、この後、講堂での高校の全校朝礼において、生徒会会長から小中氏へ募金箱が渡され、同氏から御礼の言葉を述べていただきました。
  ささやかな金額ですが、少しでも皆さんのお役に立てればと思っています。

2010年12月16日

学園教職員研修会~山極寿一氏による講演

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  本学園では、年1回幼稚園から中高の全教職員を対象に外部の講師の方をお招きして、教職員研修会を開催しています。一昨年の志ネットワーク代表の上甲晃氏、昨年のアート引越センター社長の寺田千代乃氏に続いて、今年は京都大学院の理学研究部教授の山極寿一氏に“家族の起源と少子高齢化社会”と題して、ご講演いただきました。
  山極氏はゴリラ研究の第一人者で「ゴリラ」「ゴリラと人の間」「ゴリラの森に暮らす」「ゴリラ雑学ノート」「オトコ進化論」等、数多くの著書を出版されています。
  山極氏がゴリラの研究を始められたきっかけは、“人間の特長や特殊性を少し離れたところから見てみよう”との思いからだそうです。お話の中で興味深く感じたのは、鳥や狼、猿などには家族と呼ばれるものがなく、家族と呼ばれるものがあるのは人間だけであること。人間が家族を形成するに至った理由として考えられるのは、森から草原へ進出したことによって、強力な捕食者の脅威にさらされることになり、必然的に多産になったこと。この結果、出産間隔が減少し、授乳期が短縮されたこと。人間は肉食ではなく雑食であるため、食べだめすることができず、絶えず食べ物を探し回る必要があり、この間誰かが子どもを守る必要が生じたこと。これによって、男が育児に参画するようになったこと。人間以外の動物の一生は、母乳を飲む「乳児期」、大人の物を食べる「少年期」、子どもをつくる能力を有する「成年期」、その後の「老年期」の4期に分かれているが、人間の場合には乳児期と少年期の間に「子ども期」があり、更に少年期と成年期の間に「青年期」があり、更に長い老年期があること。そして、人間は2年しか乳を飲まないが、6歳にならないと永久歯が生え揃わないため、この間は固いものが食べられないこと。人間の脳は直立二足歩行に移行後、700万年~200万年は500cc~600ccであったが、石器の使用を始めてから脳容量が急速に増大したこと。また、乞われないのに与えるのは、人間独特のものであり、人間の食に不可欠な「上の躾」と「下の躾」があること。多子高齢化が少子高齢化に移行する中にあって、それぞれの役割を果たすためにも、高齢者は子ども達と付き合うようにすることが大切である。等です。
  最後に、ゴリラは獰猛(どうもう)で悪役のように思われているが、これらは間違いであり、ゴリラと人間とを比べるとゴリラの方が優れていることが、いくつもあることを熱っぽくお話しいただきました。
  近年、核家族が進む中にあって、親子をはじめ家族の関係が希薄になってきていますが、今一度家族というものについて見つめ直していかなければならないと思いました。

2010年12月15日

グローバル化の推進~小松製作所

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          高校朝礼にて                コマツ建設機械

  12月15日(水)、高校の全校朝礼で代表的なグローバル企業である小松製作所の取り組みを紹介しました。

  〝皆さんはグローバル企業といえば、どの企業をイメージしますか?
真っ先に自動車メーカーであるトヨタやホンダ、次いで電機メーカーのソニー、パナソニック、キャノン等を思い浮かべると思います。しかし、もっとグローバル化の進んだ凄い企業があります。それは、小松製作所です。何故「小松製作所」と言うのか知っていますか?
それは企業の発祥の地が、石川県の小松市だからです。創業は1917年(大正6年)で、元々は鉱山会社でした。その後、1950年代から海外への輸出や海外への工場展開を進めてきましたが、1960年頃キャタピラー社が日本に進出してきたのです。当時日本の機械の耐久性は、外国製の2分の1しかなかったため、このままでは事業を継続していくことは不可能な状態にまで追い込まれたのです。そして、この危機を脱するためにコマツでは、2つの戦略が打ち立てられました。1つはマルA対策で〝品質の向上をはかる〟、もう1つはマルB対策で〝世界に打って出る〟というものです。この危機を改革の好機ととらまえて、本格的にグローバル企業としての動きを加速させたのです。
  現在、コマツは世界50カ国に工場を持ち、従業員の半数以上は外国人労働者です。売上高は1兆8000億円を超え、営業利益は2000億円。実に利益率は10%超という好業績を残しています。しかし20世紀後半には、経営面で大きなピンチがありました。皆さんの知っている関西外国語大学の枚方キャンパスはかつてはコマツの大阪工場でしたが、赤字を解消するために、この工場を売却して経営再建を図ったのです。
コマツの強みは、何と言っても他社にないダントツ商品です。代表的なものとしては「ハイブリット式の油圧ショベル」ですが、この一台の値段は1700~1800万円です。また、GPSを使った「超大型ダンプトラックの無人運行システム」を持っています。このシステムは現在チリやオーストラリアの鉱山で使われていますが、無人で運転することができるため、大幅な人件費の削減につながっています。
  また、衛星やGPSを利用して、「建設機械の位置や稼動時間、燃料の消費等を確認し、自動制御できるシステム」も導入しており、〝24時間365日のサービス体制〟を実現しています。そして遠隔操作により、スイッチを切ることができるため、このシステムは盗難防止や円滑な代金の回収にも役立っているのです。
  危機をバネにして品質を向上させグローバル展開を図ったこと、他社にない商品の差別化を図ったこと、簡単に真似できないように主要な部品はすべて自社で作るようにしたこと等、コマツに学ぶべきことは非常に多いと思います。皆さんには、これからもこの朝礼を通じて特色ある企業の取り組みを紹介していきたいと思っています。〟

2010年12月14日

グリーンコンシャス国際イベント2010の開催

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  先週の土曜日、食料と環境をテーマに活動を続けておられるNPO法人のピース&ネイチャーの主催で『グリーンコンシャス国際イベント2010』が神戸レガッタ&アスレチック倶楽部で開催されました。このイベントのプログラムは「オーガニック商品販売ブース」「国際フットサル大会」「スイートコンテスト」の部に分かれており、先日、本校で開催した環境フォーラムの際に、「スイーツコンテスト」の審査員として出席して欲しいとの依頼がありました。
  このスイートコンテストは日本の伝統である米(米粉)を使った独創的なお菓子について、審査を行なうというものです。午後3時からのコンテストに先立ちは、こども部門のアイデア・スイーツの審査を実施しましたが、それぞれ工夫を凝らした夢のある作品が出展されていました。続いて行なわれたスイーツの試食会には一般の方も多数来場され、我々6人の審査員と共に応募作品のさまざまなお菓子を試食し、大いに盛り上がりました。これらのお菓子には米粉を使うことが条件になっているため、小麦粉だけのものに比べると粘りが強くなるようです。最後に最優秀作品とアイデア作品を選び表彰を行ないましたが、受賞者の感想によると米粉の配合の割合に苦労されたとのことです。また、今回のお菓子作りにあたっては、本校の環境大使の生徒達が育てた三田地区のお米も使われたということをお聞きしました。
  最近は米を材料にしたパン作りが話題になってきていますが、米離れが進む中にあって、更に米の活用を積極的に検討していかなければならないと感じました。

  なお、このイベントの様子はライブストリームで全世界に映像配信されました。

          www.peace-and-nature.com/jp/events.html

2010年12月13日

各国の食糧自給率

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  日本の食料自給率が先進諸国の中でも極めて低いということはこれまで何度も取り上げてきました。世界各国の食料自給率の最新のデータは2007年のものですが、これによると日本は先進12ヵ国中最下位の40%です。トップはオーストラリア(173%)続いてカナダ(168%)、アメリカ(124%)、フランス(111%)と4ヵ国が100%を超えています。
  逆に、日本、韓国(44%)、スイス(52%)、イタリア(63%)、英国(65%)が70パーセントを切っています。そして、2004年との比較において、食料自給率が上昇しているのはオランダ、カナダ、アメリカの3カ国だけで、他の国は軒並み低下しているのです。
  また、全世界における穀物の生産量だけを見ると年間19億トンもあり、単純に計算すると世界の人が生きていくのに必要な量は十分確保されています。ところが現在、世界では8億人が飢餓で苦しみ、飢餓が原因で1日4~5万人、1年間に1500万人以上の人が亡くなっています。そして、その70%にあたる1000万人が子どもなのです。
  〝一部の先進国が必要以上に食料を費消している。しかも肉類や脂質のウェイトの高い食生活を送っている。更に、本来食料であるトウモロコシがバイオ燃料に使われるようになってきている。〟つまり、一部の先進諸国が贅沢をしすぎているため、食料がすべての国に行き届かないということなのです。このような実態をしっかりと把握した上で、わが国の食糧問題を考え、身近なことから行動に移していくことが大切であると思っています。

2010年12月12日

食料自給率(カロリーベース)が再び低下

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  現在の日本の状況については、書物や新聞等に紹介されていますが、最近は各省庁のホームページに詳細なデータが掲載されるようになってきています。私も休日には時々これらのデータを見るようにしていますが、参考になることが非常に多くあります。
  これまで、日本の食料自給率について何回か取り上げてきましたが、改善の傾向は見られません。農林水産省が今年の8月に発表した食料需給表によると食料自給率(カロリーベース)は再び40%に逆戻りしてしまいました。低下の原因は ①小麦と国内産糖(てんさい・サトウキビ)の生産量の減少 ②米の消費量の減少が原因です。平成18年(2006年)に39%になった自給率が40%、41%と2年連続で上昇し回復基調に入ったのではないかと思っていましたが、抜本的な対策が講じられていない現状では大きな改善は期待できないかもしれません。特に、米作を中心とした中長期的な農業政策が必要であると思います。
  食料自給率の推移を見ると、昭和40年(1965年)には73%であったものが、翌41年(1966年)には68%に、更に46年(1967年)には58%に、平成元年(1989年)には48%に、平成5年(1993年)には37%に低下し、その後40%前後の食料自給率が続いています。このように50年足らずの間に自給率は半分近くになってきているのです。
  人間の命を支える基本となる「食料」と「水」についての危機感が日本人には乏しいと感じています。この2つは、世界の人口や食料事情を長期的に見ると、看過できない問題です。学校においても家庭においても、食料と水問題については、全員がより一層関心を持っていかなければならないと思っています。

2010年12月11日

職業人に学ぶ

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           色々な職種の方にお越しいただき、お話を伺いました 

  12月11日(土)の3限・4限に高校1年生を対象に『職業人に学ぶ』というテーマでの進路学習を実施しました。この催しは例年この時期に、社会のさまざまな分野で活躍されている方々にお越しいただき、それぞれの仕事の内容や体験を語っていただくというものです。
  本年度の講師はは何らかの形で本校に関係ある警察官(大阪府警)、弁護士、医療機器の研究・開発、旅行業、客室乗務員、グラフィックデザイナー、病院薬剤師、救急救命士、出版関係、電気通信機器メーカーの方、10名です。現在、本校では〝将来社会で役立つ人材の育成〟を基本の教育方針に掲げていますが、生徒達は社会のことをほとんど知りません。このため、さまざまな機会を通じて、社会で活躍している人のお話を聞く等のキャリア教育を行なっていますが、この進路学習は年を重ね、本校の伝統の行事になっています。今回、お話いただいたのは、多くの職業の中のごく一部の方々ですが、生徒達が将来の仕事に対して考える良い機会になったと思います。
  最近、日本の生徒の学習に対する意欲低下が問題視されていますが、この原因は自分なりのしっかりとした目標を持っていないからです。目標を持つと、俄然学習に対する意欲も向上してくるのは間違いありません。これを機会に生徒達が人のため、世の中のために尽くすという思いで将来の進路を考えてくれることを願っています。
  年末の慌しい時期にも関わらず、快く講師をお引き受けいただいた講師の皆さんに心よりお礼を申し上げます。

2010年12月10日

高校PTA 学級委員会の開催

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  12月9日(木)、先週の中学校に続いて「第2回高校PTA 学級委員会」を開催しました。既に本格的な受験シーズンを迎えていますが、高校生の保護者にとっての最大の関心事は大学入試です。かつて大学の入試はセンター試験を軸に展開されてきましたが、最近、多くの大学ではセンター試験の前に「指定校推薦」や「公募推薦」「AO」等の入試が実施されるようになってきました。本校においても、これらの入試を受験する生徒が数多くいるため、最初に私から、既に合格者が延150名を超えていることを報告しました。
  続いて、これからの世界や日本の動向と社会が求めている人材について触れた後、現在の極めて厳しい雇用情勢についてお話しました。今年の大学生の就職内定率は10月1日時点で60%を切っており、このまま推移すると、最終的には大学卒業者の10人のうち2人は就職できないということになることが予想されます。このような状況下にあって、保護者の皆さんもお子さんの就職については以前にも増して、深刻に考えておられるようです。
  今は昔のように、一流大学を出れば一生安泰というような時代ではないというのは、多くの人が感じていると思います。これからはどの大学や学部を出たということではなくて、〝何ができるのか〟〝何をやってきたのか〟ということがポイントになってきます。現に、就職氷河期と言われている中でも数社から内定通知を受ける人も数多くいる一方で、100社の入社試験を受けても、全く内定通知をもらえないという人もいるのです。
  このように考えると、将来どのような分野で仕事をしたいのか、そのためにどのような力が必要なのかをしっかりと把握し、その力をつけるために日々研鑽するという姿勢が重要になってきます。生徒達の進路にあたっては担任や進路指導部の先生が個別の相談に応じていますが、ご家庭においても将来の進路について、よく話し合って欲しいと思っています。これまで何度も取り上げていますが、大学に進学することが最終目的ではありません。将来の仕事を考えて、大学・学部の選択をしていただくことが大切です。そして、就職活動そのものに注力するのではなく、しっかりと社会で役立つ力をつけることを心がけて欲しいものです。

2010年12月09日

中学3年生学年集会の開催~高校進学に向けて

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  12月8日(水)、中学の全校朝礼に引き続いて、中学3年生を対象に「学年集会」を開催しました。中高一貫校での課題の一つは、中学に入学すると全員が高校に進学できるというシステムになっているため、ともすると〝中だるみ〟という現象が生じることです。今、公立中学の生徒は高校進学を目指して、ラスト・スパートに入っています。このように、本来であれば高校受験を目指して、必死に勉強していなければならない時期に、のんびりと残りの中学生活を送っているということでは成長は期待できません。
正直なところ、生徒達は昨日までの定期考査から解放されてホッとしており、気持ちは緩んできていると思います。しかし、このままの状態で2学期の終了式を迎え、冬休みに入ってしまうと、さまざまな課題が積み残されたまま3学期を迎え、中学4年生という意識のまま高校に進学するということになりかねません。従って、今日は私から高校進学にあたって留意して欲しい事柄について話をしました。
先日の高校の入試学校説明会で生徒と保護者に話した内容のパワーポイントをベースに、社会の動向や社会で役立つ力について触れた後、
  
  《高校進学に向けて考えて欲しいこと》として
①一流大学を出れば一生が安泰ということではない
②これからは何ができるのか、何をしてきたのという真の実力が問われることになる
③大学進学は最終目的ではなく、あくまで手段である
④将来何をしたいのかを考え、目標設定する
⑤冬休みを使って将来のことを考え、3月までに自分の将来の夢、目標をまとめる
⑥自分の優れているものを見つけ出し、真の実力・自分なりの武器を身につける
  
  また、《日々実践して欲しいこと》として
①挨拶、服装、ルール・マナー・約束の遵守、整理整頓といった凡事徹底をはかる
②正しい生活・学習習慣を守る
③日々の地道な努力と素直な反省を行なう(5分で良いから必ずやる)
④徹底的な基礎固めをし、今の間に弱点・苦手を克服しておく(中学1年からやり直す)
⑤本・新聞をしっかりと読む
⑥学校の授業を大切にする     等を取り上げました。
  生徒達が、気持ちを切り替えて、行動に移していってくれることを期待しています。


2010年12月08日

中学校全校朝礼~クロマグロの完全養殖

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  12月8日(水)、中学の全校朝礼でクロマグロの完全養殖の話をしました。
  これは何の写真かわかりますか?「クロマグロ」です。今日は、このクロマグロの完全養殖というテーマでお話しします。

  ところで、皆さんに対して、“あなたは誰ですか?”と質問されたら、どう答えますか? “男です” “女です” “中学生です” “雲雀丘学園の生徒です” と色々な答えがあると思います。しかし、もし外国に行って、“あなたは誰ですか?”と言われたら、恐らく多くの人が “私は日本人です” と答えると思います。それでは “日本というのは、どういう国ですか” と聞かれたら、どのように答えますか?何と答えたら良いのかと困る人もいると思います。
  大切なことは、自分達が住んでいる日本という国のことをよく理解しておくことなのです。日本の良いところ、日本の強みを知ることが大切です。そのためには、今の日本がどうなっているのかということと、これまでの日本はどうだったのかという歴史、言い換えると横軸と縦軸をしっかりと勉強しておかなくてはなりません。
  今回の尖閣諸島での中国漁船の衝突問題ひとつを取り上げても、その背景にはどういうことがあるのかをしっかりと把んでおく必要があります。今日はこの話に詳しく触れるつもりはありませんが、中国の生活圏の拡大と海洋資源の問題が係わっています。
 
  さて、日本の国土面積は世界で61位ですが、海洋面積(排他的経済水域)は、世界第6位です。1位はアメリカ、次いでオーストラリア、インドネシア、ニュージーランド、カナダ、日本と続きます。従って、日本には実に豊かな海洋資源があります。その1つが魚です。漁獲高は中国、ペルーに次いで世界第3位(・・・・4位チリ、5位アメリカ、6位インド)です。このように、わが国では主要なタンパク源は魚でした。米と野菜と魚というのが、伝統的な日本食でしたが、農業と同様に漁業に従事する人が少なくなって、世界一の魚の輸入国になっています。そしてマグロ、サケ、エビをはじめ多くの魚介類を世界の国々から輸入していますが、特にマグロは世界の約3分の1を消費しているのです。このマグロは養殖物が多いのですが、この養殖の方法は天然マグロの稚魚を捕獲して育てているため、天然マグロの減少につながります。
  これを何とか解決したいということで取り組んだのが、近畿大学の水産研究所です。1970年、今から40年前にクロマグロの完全養殖に着手して、2002年6月に成功しました。マグロの稚魚は人間の手に触れると、すぐに死んでしまいます。しかし、幾多の失敗を乗り越え、実に32年の歳月をかけて、ついに夢をかなえたのです。マグロは卵を孵化させて20日後に稚魚となり、約3年で体長1メートル・体重30kgに、5年で体調2メートル・200kgに、そして最終的には体長3メートル・体重500kgにまで成長します。
  現在、鰻の完全養殖の道も開けてきていますし、高級食材のキャビアが収穫できるチョウザメにも挑戦しているようです。このようにさまざまな分野で新技術が開発され、これまで不可能であると思われていたことが実現されてきています。この例でも解るとおり、将来皆さんがやるべき仕事は限りなくあるのです。
  これからはやりたい仕事を見つけることにより、しっかりと進路選択を行なうと共に社会で役立つ力(人間力と学力)を身につけていって欲しいと思っています。

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2010年12月07日

期末考査を終えて

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  12月7日(火)、先週の木曜日から5日間にわたって実施されていた定期考査が終了しました。生徒達には何が難しかったのかを質問していますが、個人差が相当大きいように思います。人間であれば得意なものと不得意なものが必ずあります。しかし、最初はそんなに大きな差はなかったのではないでしょうか。昔から「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、好きなものは色々と工夫して繰り返し行なうから上達するのに対して、嫌いなものは嫌々やるためどうしてもうまくいかないものです。特に、興味のないもので丸暗記だけをしているようなものは、なかなか力がつかないと思います。力がつかないからますます面白くなくなる。面白くないから仕方なしにやるという負のスパイラルに陥ります。逆に興味のあるものは喜々として取り組むため、力がつく。力がつくから自発的に取り組むというように正のスパイラルになります。このようにして、最初はほんのわずかな差であったものが、時間が経つにつれて途方もない大きな差になってくるように思います。
  一方、職員室では先生方が答案の採点を始めています。「出来はどうですか?」という質問をすると、「思ったよりできています。」「大体予想通りです。」「あまりできていません。」とさまざまな答えが返ってきますが、先生にとっては生徒がどれだけ教えたことを理解してくれているかは実に気になるところです。
  いずれにしても、定期考査というのはPDCAサイクルで言えば、C(Check) の段階にあたります。 先生にとっては定期考査の結果によって、これからの授業をどのように展開していくかを考える良い機会になるでしょうし、生徒にとっても日頃の努力の成果が顕著に現れ、今後の学習に繋がる機会になるように感じています。
  生徒達はこれから長い人生を歩むことになりますが、人生は毎日毎日がテストの連続です。朝に発意し、昼間に実行し、夕べに反省する。月の初めに発意し、月の終わりに反省する。1年、5年、10年単位でも同じことが言えるのではないかと思っています。是非、反省する習慣を身につけて欲しいものです。 

2010年12月06日

中学PTA学級委員会の開催

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      中学PTA学級委員会              PTAバスツアー

  生徒の育成のためには、家庭と学校との連携が必要ということで、保護者には「共育」と「共学」をお願いしていますが、有難いのは多くの保護者の皆さんが学校の教育活動に対して、実に暖かい支援や協力をしていただいていることです。
  本校では、保護者とのコミュニケーションを深めるために、さまざまなPTA活動を行なっています。 主なものをあげると、学園PTA協議会(年2回)、PTA実行委員会(年5回)、中学・高校PTA学級委員会(年3回)、PTA総会(年2回)、各学年懇談会(年3回)等です。この他に保護者と教員の懇親を深める場として、各学年では茶話会を行なったり、今年は全体行事として希望者とバスツアーを実施しました。更に、各学期の終了時にはクラス担任による保護者懇談を実施し、一人ひとりの生徒の育成についての話し合いを行なっています。
  間もなく2学期が終了することになるため、先週の木曜日に中学のPTA学級委員会を開催しました。折角の機会なので、私から入試説明会で取り上げている学校改革に対する基本の考え方と社会の動向についてお話ししました。保護者の皆さんの悩みは、子ども達の学習に対する積極的な姿勢の欠如や高校入試がないことによる中だるみ現象といったものが多いようです。これは規則正しい生活や学習習慣が身についていないこと、将来に対する明確な目標がないこと、ハングリー精神が薄いため安易な道を選ぶということが大きな原因のように感じています。
  本校では〝社会で役立つ力を育てる〟ことを教育方針に掲げていますが、さまざまな社会の動きを伝えることにより、できるだけ中学を卒業するまでに、自分なりの将来目標を持たせたいと思っています。明後日には中学3年生の学年集会が予定されていますので、自分の道は自分で切り拓くことの大切さを生徒達に訴えたいと考えています。  

2010年12月05日

ギター・マンドリン部が3年連続最優秀賞を受賞

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  『第34回兵庫県高等学校総合文化祭の器楽管弦楽部門演奏会(兼第34回兵庫県高等学校ギター・マンドリンフェスティバル)』が先週の日曜日に「いたみホール」で開催され、本校のギター・マンドリンクラブは、3年連続で「最優秀賞」を受賞しました。
  今年演奏した曲は、大栗 裕作曲の『マンドリンオーケストラのためのシンフォニエッタNO.7 「コントラスト」第1・第3楽章 』でしたが、この曲がこの兵庫県高等学校ギター・マンドリンフェスティバルで演奏されるのは、初めてのことです。この大会は、高校3年生が9月の文化祭で引退したため、高校2年生以下の新メンバーで臨みました。顧問の先生によると「最優秀賞を受賞することができたのは、部員全体の頑張りとこの選曲が功を奏した結果だと思います」とのことです。今回の受賞により、来年の『第41回全国高等学校ギター・マンドリンフェスティバル』への出場切符もいただくことができ、部員をはじめ関係者にとっては大きな励みになりました。
  本校のギター・マンドリン部の主な演奏活動は、今回と7月の全国高校ギター・マンドリンフェスティバル、9月の文化祭での演奏会の3つですが、この他にも年に数回依頼演奏を行なっています。 現在、部員は45人で、日常の活動は試験前を除いて月曜から金曜まで、演奏会前には土・日にも練習に励んでいます。そして、特筆すべきは、全国で唯一の「40年連続全国大会への出場」を果たしているクラブであるということです。また、先輩達も社会の色々な分野で大いに活躍しています。部員達が、これまで素晴らしい伝統を築いてこられた先輩の努力に感謝すると共にこれから更に研鑽を積み重ね成長して欲しいと思っています。

2010年12月04日

第3回高等学校入試説明会を終えて

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  12月4日(土)午後、本年度最後となる第3回の高等学校説明会を開催しました。昨日の大荒れの天気から一転し、本日は寒さも和らぎ、受付開始と同時に生徒と保護者の皆さんが続々とお越しになり、出席者は約900名という多数にのぼりました。そのため講堂は満席となり補助椅子を準備させていただきました。
  1時30分からの説明会においては冒頭、私から「社会で役立つ力を育てる」というテーマでパワーポイントを使って次のような話をしました。
  「最初に皆さんに質問したいと思います。世界にはどれだけの国があるか? 世界の人口は? これから世界の人口は増えるか、減るか? 日本は恵まれているか? 日本の将来は明るいか、暗いか? 」 挙手をしていただいた結果は予想していたとおり、日本は恵まれているが、日本の将来は暗いというものでした。
  「生徒の皆さんが高校・大学を終えて社会に出るまでには8年間あります。この間どのような生活を送るかは将来の人生にとっても極めて大切です。今、世界は大きく変化してきていますが、現状における地球規模の課題にはどういうものがあるのか、そして、8年後にはどのような世界になっているのかを想定しておかなければなりません。これからはIT、バイオ、ナノ、エコ等の新技術によって新しい仕事やシステムが続々と生まれてきます。また、BRICsをはじめとした国々が急速な経済発展を遂げることになります。そうすれば、皆さんの活躍する場は世界中に広がってくるのです。本校の教育方針は〝将来社会で役立つ力を育てる〟ということです。社会で活躍するためにはしっかりとした人間力と学力が必要です。今年3月には高校の新校舎も完成しました。この恵まれた環境下で、人間としての根っ子をしっかりと育ててください。」
  次に「学校生活を収録したDVD」をごらんいただき、続いて教頭から学校の教育内容や学校改革の進捗状況についての説明を行ないました。そして、最後に入試広報部長から本年度の入試結果や来年度の入試に関する留意点、奨学金制度等の説明を行ないました。
  説明会終了後には、講堂内での進路相談と新校舎の見学をしていただきました。本日は定期考査中ということもあって、昨年実施したクラブ紹介ができず、一方的な説明会になってしまいました。また説明会終了後の相談者も多く、お待ちいただくことになり誠に申し訳なく思っています。
  これで本年度の入試説明会は、中学・高校共全て終了しましたが、本校ではいつでも校舎見学やクラブ見学、入試相談に応じていますので、事前にご一報いただきご来校いただきますようお願いします。

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2010年12月03日

本校におけるさまざまな募金活動

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  本校においては、生徒会や環境大使、インターアクトクラブ等が中心となって、さまざまなボランティア活動を行なっています。間もなく歳末助け合い共同募金活動がスタートすることになりますが、これまでの取り組みを紹介します。
  まず、生徒会を中心とした取り組みです。これには毎年行なっている定例的なものとして、次の4つがあります。

①赤い羽根共同募金・・・先日終了し、本年度の実績は32,000円でした。
②歳末助け合い共同募金・・・これから年末にかけて募金活動を行ないます。参考までに、昨年度実績は14,145円でした。

  この2つは宝塚市共同募金会と協力して募金活動を行なっており、寄付した地域の高齢者、障害児者、児童・青少年、住民全般を対象とした事業などに使われています。

③私学ボランティア基金・・・全国の私学の災害や事故の被害者のために使われる募金で、生徒1人10円を生徒会会計から支出しており、本年度実績は14,220円でした。
④エコキャップ運動・・・ペットボトルのキャップを800個集めると、NPO法人を通じてポリオワクチン1人分を開発途上国の子どもたちのために援助することができるというもので、昨年度は24、800個集め、ポリオワクチン31人分を寄付することができました。

  この他にも生徒会直轄ではない募金活動として、次の3つがあります。

①インターアクト部 による活動・・・文化祭でバザーを実施し、この売上金をユニセフへ寄付しており、本年度実績は14,730円でした。
②チャリティ自販機・・・AWPSのコア事業で、自動販売機を通じて、募金活動を行なうというものです。これは通常と同じ売価で飲料を購入し、1本につき3円~10円程度がフィリピンのストリートチルドレンの保護施設で生活する子どもたちの学費として寄付されるものです。本校の食堂にこのチャリティー自動販売機を設置しています。
③勤労奉仕・・・春秋の一斉掃除の日に地域清掃に参加しています。

  この他に、非定例的なものがあります。最近では次の緊急支援活動に取り組みました。

①ユニセフ緊急支援・・・ハイチ復興支援(1月)のために、 ユニセフの協力のもと街頭募金を実施しました。実績は11万円で宝塚市の広報誌「てくてく」にも活動の様子が紹介されました。
②日本赤十字社緊急支援・・・チリ大地震緊急支援(2月)のために 地震発生の翌日より開始し、宝塚駅で街頭募金による支援活動も行いました、実績は5万円でした。
③環境大使の活動・・・世界こどもの日募金として世界平和支援協会(AWPS)へ寄付し、実績は約11,00円でした。本年はフィリッピンのストリートチルドレン救済に使われます。

  このようなボランティア活動を通じて、生徒達が困っておられる人達の現状を知り、支援してあげるといういたわりの気持ちと共に、現在の自分達の生活に対する感謝の気持ちを持って欲しいと思っています。

2010年12月02日

切磋琢磨の大切さ

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  今週火曜日の午後、広島県の私立中学・高等学校の教頭先生29名が来校されました。各都道府県においては、私学の校長や教頭等の管理職、分掌、教科等それぞれの役割に応じて、研修の機会を設けています。今回お見えになったのは、この中の「私立中学・高等学校協会教頭部会」の皆さんです。早速、新校舎を中心に施設見学をしていただきましたが、太陽光発電や屋上緑化、LED照明、ICT等の導入状況について色々な質問がありました。
  校舎見学の後、私からパワーポイントを使って「本校の教育活動の現状」について説明を行ないました。2007年に高校のコース制を柱とする学校改革に着手してから今年で4年目を迎え、徐々に成果は見えつつありますが、まだまだやるべき課題は山積しています。特に、今のように変化の激しい時代には、まさに「進歩なきものは退歩」という言葉のとおり、現状のままにとどまるということは取り残されてしまうことを意味します。
  私は〝学校づくりにあたって留意して欲しいこと〟として、次の5点をお話ししました。
  ①どのような学校を目指すかというビジョンが明確になっており、しっかりとした戦略が構築されている。
  ②全員がこのビジョンに向かって行動を起している=ベクトルが合っている
(一枚岩、全体最適)
  ③生徒の育成ということが第一義に考えられている
  ④目は外部(世の中の流れ・ライバル校)に向けられている
  ⑤自己評価ではなく外部評価が優先されている
  そして、あるべき姿に向かって具体的な計画への落とし込みができており、P-D-C-Aのサイクルがキッチリとまわっていることが大切です。
  説明の後、意見交換の場を設けましたが、活発な発言が相次ぎ、大変有意義な時間を持つことができました。また、お持ちいただいたそれぞれの学校案内のパンフレットを見ると、独自の特色ある取り組みを推進されており、学ぶべき内容が数多くあるように感じました。変化の時代には〝他に素直に学ぶ〟という姿勢が何よりも大切です。これを機会にお互いの交流を進め、切磋琢磨していきたいと思っています。

2010年12月01日

「税の作文」表彰式

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  11月30日(火)、昼休みに西宮税務署の遠山副署長が来校され、「税の作文」コンテストの入賞者に対して表彰していただきました。
  本校においては、毎年、社会科による夏休みの課題として、中学1年生と2年生には歴史や地理に関するテーマについての調べ学習、中学3年生・高校1年生・高校2年生には課題作文を書いて、それぞれのコンテストに応募することにしています。この「税の作文コンテスト」では、毎年何人かの生徒が入賞しており、今年は5人の生徒が入賞しました。内訳は中学3年生の3名が西宮納税貯蓄組合連合会長賞、1名が西宮宝塚租税教育推進協議会賞、更に、高校2年生の1名が西宮納税協会長賞ということになっています。
  生徒達はまだ就労していないこともあって、直接に納税したという経験はありません。このため、現時点では税金に対する関心はそんなに強くないかも知れませんが、税金は国家予算を決める上で、極めて重要な要素になります。しかし、実際にどれだけの税金があり、どのように使われているのかを正確に理解している人は少ないのではないかと思います。
  税は大きく「国税」と「地方税」に分かれており、国税は更に「直接税」と「間接税」に分かれています。直接税の中には、個人の所得に応じて課税される「所得税」や企業の利益に応じて課税される「法人税」、「相続税」、「贈与税」といったものがあります。また、間接税には「消費税」や「酒税」、「たばこ税地方税」、「自動車税」等が含まれています。また、地方税には「道府県民税」と「市町村民税」があります。このように税は複雑な体系になっており、必要に応じて税制改革が行なわれることになっています。
  本年度の国家予算は92兆円ですが、税収の不足により実に44兆円が不足するという深刻な事態になっています。これをすべて国債発行によって埋め合わせてきており、年々国の借金が膨らんできているのです。現在、国際的に高い法人税率の引き下げや消費税のあり方について論議されていますが、国民一人ひとりが税金についての理解を深めていくことが大切であると思っています。