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2013年06月30日

富士山

 「♪あたまを雲の 上に出し 四方の山を 見おろして かみなりさまを 下に聞く 富士は日本一の山」。あす7月1日は富士山の山開きです。今年は富士山が世界文化遺産に登録されたということで一層脚光を浴びています。「ご来光ツアー」も各地から計画され、きょうから登っている人も多いようです。TV番組も特集が組まれています。
 昔から山を神聖視し、信仰や修行の場とする考えから登山が行われていました。火山が噴火したりすることから、お山は畏怖すべきものとする原始的な山に対する信仰から、密教と結びついた山岳信仰の修行の場、信仰の対象の場となってきた経緯もあります。今でも、奈良県の大峰山や山形県の羽黒山などは修験道の修行の場としても有名です。富士山も宗教と結びついた登山が、江戸時代中期の頃から「富士講」が大盛況をみせ頻繁に行われていたようです。
 昔、銭湯へ行けば決まったように富士山の絵が描かれていました。初夢に見ると縁起が良いといわれるなかにも「一富士二鷹三茄子」と富士山がでてきます。各地の有名な山にも、伯耆富士(大山)、蝦夷富士(羊蹄山)など、山の形が似ているということもありますが、「富士」の名前が使われます。絵画や小説に取上げられることも多くあります。富士山を扱った小説で思い出すのが、太宰治の「富嶽百景」です。教科書にもでてきます。その中の一節に、富士山と立派に対峙している月見草に感動し、「富士には、月見草がよく似合う」という有名な一節があります。
 このように富士山は地理学的な山としての存在より、日本人の精神性や文化のシンボルとされてきたのです。

2013年06月29日

6月最後の授業日

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     サルーン雲雀丘                中2探求の授業
 きょうは梅雨の晴れの一日でした。朝から第2回サルーン雲雀丘に参加される方が来校されました。今回は中学受験を考えておられる方を対象に実施しました。本校教諭のミニ講座の後、参加者された方々から話題を提供していただき話が弾んでいったようです。初対面にもかかわらず、帰り際には早速お友達になられた方もあったようです。中学受験を考えておられる子どもさんをお持ちの親同士のネットワーク作りに少しお役に立てたようです。
 平常通りの授業日ですが、4限目には中学2年生の探求の授業において、明石工業高等専門学校から先生をお招きして出前講座が行われました。「電気エネルギーに関するお話」、「東日本大震災から学ぶライフスタイル」、「建築とはなにか」の3つのテーマの中から選び受講しました。
 きょうは土曜日ですので、授業は午前中で終了です。放課後は学習スペースで自学自習する姿がすっかり定着しました。それに加え、月曜日からの期末考査に備え、大学に通う卒業生が「学習支援」に駆けつけてくれました。もちろん交流スペースで先生に質問したり、教えてもらっている姿もあります。
 一方、朝からPTA機関誌「ロンド」の編集会議、午後からPTA実行委員会と実行委員の方はフル稼働でした。試験前の6月最後の授業日、土曜日ということもあって、朝からお客さんや卒業生、保護者の方で賑わった一日でした。週が明ければ7月、期末考査です。一学期の締め括りとして全力で臨んでくれると期待しています。

2013年06月28日

教科の教育力

 6月もいよいよ終わりです。一年の半分が過ぎたことになります。学校は4月からのスタートですから、半分が終わったことにはなりませんが、一学期の終盤にさしかかっています。
 きょうは1限目が国語科の研究授業でした。高校2年生の古文、徒然草の授業でした。今までにもいくつかの教科で研究授業が行われています。ベテラン、若手の先生を問わずお互いが切磋琢磨して授業を磨くことは先生の重要な使命です。
 私立学校は先生の転勤がありません。言い換えると同じ職場に長期間勤務することになります。じっくり腰を据えて、長期的展望のもと教育活動を展開することができますし、校風や伝統が定着し易いことが挙げられます。それにひきかえ、公立学校は転勤があります。長くても10年、場合によってはそれより短い期間で職場を変わることになります。人的交流により新しい風や流れが取り入れ易いことがあります。裏を返せば、一方の長所がもう一方の短所になり、逆に短所が長所になります。伝統と革新、不易と流行は私立・公立を問わず大切にしなければならないことです。
 絶えずより良いもの、授業を磨くことはベテラン若手の別はありません。進取の精神は共通です。何を伝統として受け継ぎながら新しいものをどう取り入れていくか、教科としての先生育成の教育力が重要だと考えています。人的交流の少ない私立に於いては、先生を採用する機会をどのように位置づけ活用するかが大切になってきます。当然のことですが、学校全体の方向性や強化すべき点や年齢バランスなどを考え、若手なのか経験豊富なベテランなのかなどが決まることになります。来年度に向けての構想を煮詰める時期になってきました。

2013年06月27日

人間たらしめるのにスポーツが果たした役割

 今年のプロ野球界に高校時代から160km/hのボールを投げる選手が入団したとして話題を呼んでいます。物を投げる動作についての興味深い研究が、きょう付のネイチャー誌に、米国ハーバード大学とジョージ・ワシントン大学の研究グループが発表しています。それによりますと、物を上手に投げるというのは、ヒトにある独自の能力で二足歩行に関係があるとダーウィンは推測していたそうです。チンパンジーなども物を投げるそうですが、速度や正確さは人間の小さい子どもに勝てないそうです。ちなみに、チンパンジーの握力は200kg以上といわれ、人間はとてもかないません。これだけの怪力の持ち主でもボールを投げると30km/h程だといいます。それに比べて、人間がこれほど速く、しかも正確に物を投げられるのは、どうしてなのかということがわかったというのです。
 大学野球で活躍する選手のフォームを解析することにより、人間は「肩の弾性エネルギーを弩(いしゆみ)に似た形で保存し解放することが可能になっている」ことを解明しました。この特徴はヒト族の化石記録にも保存されているそうです。約190万年前にアフリカに出現した原人に、すでにこの様な特徴がみられるということです。原人は大型動物を狩猟していたことが知られていますが、物を投げる能力が狩猟で重要な役割を果たしただろう、と研究チームは考えているようです。
 二足歩行、道具の製作・使用や火の使用は人間が人間たらしめるものに大きな影響を与えました。「走る、投げる、跳ぶ」などスポーツの原点もこのことがいえそうです。

2013年06月26日

紫陽花


     ガクアジサイ        アジサイ
 きょうは朝から雨がシッカリ降っています。全校朝礼を予定していましたが中止にしました。考査前ですので、各クラスでじっくり時間をかけてHRを行いました。
 梅雨の雨に似合うものといえばアジサイの花です。アジサイといえば、ガクアジサイとアジサイ(ホンアジサイ)が有名ですが、日本のガクアジサイが原種で、変種がアジサイだといわれています。中国に渡りそこからヨーロッパへと広がり様々な園芸品種が作られていったようです。アジサイは紫やピンクの綺麗な花が咲きます。土壌が酸性であれば青い花が咲き、アルカリ性であれば赤い花が咲くというのは良く知られています。土壌が酸性になると、アルミニウムや鉄分が溶けて吸収され青い花に、アルカリ性や中性だとこれらが溶け出さないので吸収されず赤い花になるようです。花の色が変わることから「移り気」、「高慢」などあまり良くないイメージの花言葉があてられています。逆に、「夏至にアジサイを赤い糸で吊すと幸せになれる」とか「土用の丑の日に、花を軒下に吊るすとお金ができる」ともいわれています。
 アジサイを「紫陽花」という漢字で表記しますが、もとは別の花につけた名前が誤って広まったともいわれています。考えてみれば、おかれた環境に順応して、その環境にふさわしい花を咲かせています。また、名前を間違えられても「文句も言わず」、「紫陽花の花」を咲かせています。「辛抱強い愛情」という花言葉もあるようです。何とも見習うべきところが多い花でしょうか。

2013年06月25日

乳児に弱者への同情心

 人間の本性は「善か悪か」といったものを論じた「性善説」・「性悪説」があります。孟子が「人は生まれつきは善だが、成長すると悪行を学ぶ」という性善説を、荀子が「人は生まれつきは悪だが、成長すると善行を学ぶ」という性悪説を説いています。この2つの説に関係するかもしれない研究が最近発表されました。
 それは、京都大学教育学研究科の鹿子木康弘特定助教や文学研究科の板倉昭二教授らの研究で、生後10カ月の言葉をしゃべれない乳児でも、いじめられている弱者に同情心をもつことが分かったというものです。乳児は1歳半以上になると言葉やしぐさなどによって、苦境にある他人に同情的な態度を示しますが、それ以前の幼い赤ちゃんについては不明だったそうです。ところが、今回の研究の場面で見られた様子が「後に発達する同情行動の基盤となっているのかもしれない」というのです。
 今回の研究からは「性善説」に軍配が上がりそうです。人間は生まれながらに「善」というものですが、何もせずにそのまま大きくなってくと「悪行を学ぶ」ということになります。それを防ぐための教育の重要性を説いていることを忘れてはいけません。人間の「本性は利己的欲望」とする性悪説も、教育により「善行を学ぶ」というように教育の重要性を説いていることは共通しています。いずれにしても、「誰のために、何のために学び、社会貢献するのか」を念頭において、自己研鑽を怠ってはならないということになります。

2013年06月24日

期末考査一週間前


卒業記念 元気に芽吹く藤       元気になった芝生
 やっと梅雨らしい天気になってきました。この間の雨で校庭の芝生も元気を取り戻してきました。梅雨本番もそのはずです。6月もいよいよ今週で終わります。来週から7月、一学期末考査が始まります。
 きょうから考査一週間前になりますので、試合前のクラブを除いて基本的に部活動が禁止になります。期末考査といえば、一学期の総まとめです。今まで学習したことが理解されているか、覚えなければいけないことはキチンと定着しているかなどが検証されることになります。
 試験に向けての準備を既に始めている人も多勢いると思います。きょうからは部活動の時間を学習にあてることができます。学校に残って勉強するもよし、早く帰宅して自分のペースで学習するのもよいでしょう。ただ普段とは違う生活をどう作り出すか、集中力、時間とも今まで以上のものにするよう挑戦することです。例えば、一つの問題が解けるまで何時間、いや場合によっては何日かかっても諦めずに自分で考えてみるという経験も必要です。しかし、試験となれば、時間内にできるかということが問われますので、時間との勝負も大切になります。これらを工夫した学習が求められます。繰り返し反復練習することにより、脳は大切な情報だと判断し記憶するといわれています。ですから、試験範囲を一通り学習して試験に臨むのでは不十分だということになります。範囲を何回も学習して試験に臨まなければならないということです。今週の重点は期末考査対策です。

2013年06月23日

「中だるみ」現象

 何か課題をやり遂げたりすると達成感を覚えて働きが低下したり、長期間情報を保存するにはエネルギーが必要となるので、不必要な情報は極力捨て、エネルギーを使わないようにするのが人間の脳だといわれます。しかしこの脳も、生命維持にとって不可欠と感じる時は働き記憶するそうです。何とも親近感を覚えるというか、実感としてよく分かります。
 一年生では、中学受験で希望する学校へ入学できたという達成感を感じ、学習時間が少なくなってしまったりしている人はいないでしょうか。二年生では、三年生になったら進学に備えて勉強が大変になるだろうからと、今は省エネ生活を送っている人はいないでしょうか。三年生では、高校へ行ったら頑張るけど、今は最後の部活動を頑張ろうと思っている人はいないでしょうか。全体の傾向として中学2年生から3年生にかけて学習時間が減少していく、いわゆる「中だるみ」現象です。中高一貫校の共通の課題だといわれています、脳の特性にもどこか似ているように思えます。
 「中だるみ」とみえる現象が全て問題だとは考えていません。新しい分野や課題に挑戦しようとして相対的重点がそちらに移動したりする場合もあったりするからです。ただ、学習時間が極端に減少したり、ほとんどゼロということでは、いくら新しい課題に挑戦していると言ってもこれは改善の余地があります。あれかこれかではなく、学習時間を減らすことなく、いろんなことに挑戦し「やればできる」という成功体験を多く持ち、生き方の問題として進路を考えるということが必要ではないでしょうか。脳の特性やクセを理解した取り組み方だといえます。

2013年06月22日

高1・高2は「夢ナビライブ」へ

 大学進学のための学問発見イベント「夢ナビライブ2013」がインテックス大阪で行われています。全国から136校の大学が参加し162種類の講義ライブが行われるようです。高校1・2年生が朝からこの夢ナビに参加しています。
 本校ではキャリア教育を、将来の進むべき進路、たんに大学進学を考えるだけでなく、自分の進むべき道や生き方を探る重要な役割を担うものと位置づけています。中学1年生から高校3年生までの6年間の指導計画が立てられています。その中の一つに「夢ナビライブ」も位置づけられています。7月には、本校独自の取り組みである「1Day College」が行われます。今年は32大学よりお越しいただき33講座を開講する予定になっています。この取り組みを補完するものとして「夢ナビライブ」を活用しています。ねらいは、各専門分野の大学教授によるミニ講義に参加し、自分の目指すもの、進みたい進路を見つけだすことにあります。今春の卒業生のなかにも、「1Day College」が自分の進むべき進路や研究との出会いの場になり、その国立大学に見事合格したというケースがあります。明確な進路目標を持っている生徒は、同じ学部であっても大学によってどのように違うのかを調べたり、また、まだ目標が定まっていない生徒は心がときめく分野との出会いを求めることができると思います。「何のために学ぶのか」、「なぜ、その大学・学部なのか」といった明確な目標が持てれば、進路実現の原動力になること間違いなしです。

2013年06月21日

来年度高校入試の概要決まる

 きょう兵庫県私立中学高等学校評議員・校長会が開かれました。その中で審議され、平成26年度高校入試の概要が確定しました。本校の今年度高校入試は、選抜特進80名、特進35名、一貫選抜若干名募集で行われました。それに対し、選抜特進789名、特進258名の志願者がありました。前年比、選特が約60名プラス、特進が約50名マイナスでした。選特への期待が高いことを受け、来年度は15名増やし、その分を特進から減らすことにしました。その結果、A日程では選特80名、特進20名、一貫若干名募集となりました。併せて、B日程入試の日程も審議されました。兵庫県は、大阪府の私学のように学校毎に日程を決めるのではなく、県として同一日を指定することになっています。2月17日と18日を希望する学校が多かったのですが、調整の結果18日と決まりました。本校は、選特15名、特進、一貫若干名募集でB日程入試を行うことになります。
 高校入試は、今年度の様子から選特は併願が少し厳しくなりそうです。特進は募集人数が減ったことから厳しくなり、専願のラインが上がって併願と変わらなくなるのではないかと予想しています。入試科目は従来と変わらず、A日程は5教科、B日程は国・数・英の3教科ですが、B日程の英語の試験ではリスニングをなくしますので、より読解力が問われる試験になります。
 入試は、合格さえすれば良いというものではありません。その学校へ入って十分活躍できる力をつけて入るのかどうかが大切です。その力をつけるべく今から努力されることを期待するものです。

2013年06月20日

帳尻を合わせる

 帳尻を合わせるとは、帳簿の尻が合う、つまり収入と支出の計算が合うようにするところから、「 最終的につじつまが合うようにする」という意味で使われます。
 空梅雨模様でスタートした今年の梅雨も、一転して昨日から今までの「つけ」を取り返すがの如く雨が降っています。淡路市には大雨警報がでる始末です。神戸で、雨が降り始めた昨日の12時からきょうの11時までの24時間に降った雨量が94mmに達しました。1981年から2010年までの30年間の統計による神戸の6月の平均降水量は、181.6mm (Time-j.netより)です。梅雨の時季を抱えている6月だけあって、月別では年間の最高を示しています。それにしても、1日で、ひと月分の半分以上の雨がまとまって降ったことになります。この雨量、同じ神戸の1月、2月、8月、11月、12月の各月の平均降水量より多い量です。おまけに、台風4号の影響で、明日の正午にかけて近畿地方の多いところで250mmの雨が予想されています。空梅雨解消の帳尻は合うでしょうが、この様な帳尻合わせは災害を引き起こしたりします。
 期末考査が近づいていますが、考査直前の一夜漬けで、試験に対して少し勉強したというだけの帳尻合わせも困ったものです。帳尻を合せるだけ「まし」とする見方もあるかもしれませんが、これでは前進もなければ発展もしません。計画的に、毎日コツコツと積み上げる地道な努力による学習習慣作りの上に、考査前の集中した取り組みによる「努力と成果の帳尻が合う」のであれば歓迎されると思うのですが・・・。

2013年06月19日

塾長対象入試結果報告会

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 きょうは梅雨空を通り越し大雨が心配される天候です。雲は低く垂れ込め、西から東へ速い速度で流れています。そんな中、塾長対象の入試結果報告会を実施しました。2時間目の授業を公開し、3時間目から社会科教室で報告会を行いました。100名収容の教室がほぼ満席になる状態でした。お世話になった塾の先生に、生徒が会いに来るといった場面もありました。
 中学入試は、統一日初日の志願者が4年連続上昇している中で実施されました。これは近畿地区の中では本校だけだとのことです。その結果、一貫選抜3クラス、発展2クラスの学年構成になりました。そして、毎年4月に実施している学力推移調査の結果から、過去のどの学年よりも高い学力結果がでていることなどをデータを提示して説明しました。
 高校入試は、1,000名を超える過去最高の志願者の中で実施されました。結果、一貫選抜2クラス、選抜特進2クラス、特進3クラスになりました。例年以上にB日程での志願者が多く、また入学者も多いという特徴がありました。高校も中学同様、入学者の学力レベルが上昇していることをデータを提示し説明しました。
 中学、高校ともこれらの入試結果から、来年度入試の方向性を報告しました。中学は再来年度より一貫選抜のみの募集となります。それを展望し、来年度は今年度と同じ募集形態になりますが、発展コースの位置づけが従来とは変わること、高校は、希望者の多い選抜特進にウエイトを置いた募集になり、特進の募集が少なくなることからレベルが上がることが予想されることなどを説明させていただきました。

2013年06月18日

厳しい指導とは

 学習やスポーツ、習い事において基礎・基本を定着させることはその後の上達に欠かせないものです。また、武道においては「守・破・離(しゅ・は・り)」という言葉があります。学びや修行の第一段階は、師の教えを守る、無条件で言われた通り実践する「守」、次の段階として師の教えをしっかり身につけ、自分の特性にあった自らの境地を見つける「破」、最終段階としてそれらの段階を通過し、何者にもとらわれない境地を切り拓く「離」へと進むという意味のものです。これらは、学ぶ者のとるべき姿勢や態度を表しています。
 反対に、指導する側、教える者の立場から見た場合はどうなるでしょう。教えてやるのだから、無条件で言う通りにしなさい、とか、威圧的、強圧的に学びを強要するのが真の指導者の立場ではありません。自ら教えを請う為に師の門を叩く「習い事」ならいざ知らず、学校教育の場には馴染みません。「生徒の心に火を点ずる」のが教師の仕事とする本校の初代板倉校長の言葉があります。生徒の中にあるいろんな可能性の中から「これを追求してみたい」、「この分野で頑張ってみたい」というものを見いださせて取り組ませる、簡単な言葉で言うと「学びのスイッチ」を入れさせる、のが教師の仕事ということになります。粘り強く根気のいる、本当の意味での「厳しい指導」です。「過ち」を犯した時の指導も同様です。恐怖心を抱かせ、強圧的に反省させることが「厳しい指導」ではありません。「自分の犯した過ちを素直に認め、そうした自分を変えなければならない」と自覚し、自己変革させることが「真の厳しい指導」である、と私は考えています。

2013年06月17日

基礎・基本

 基礎は建築用語で、構造物を支える機能を持つもので、下部構造と呼ばれます。建物本体の上部構造の大きさや重量などを計算して下部構造、基礎を決定します。基礎がシッカリしていないと大きな建物を建てることができないところから、勉学や習い事、スポーツなどでも比喩的に用いられます。基礎と良く似たものとして、基本という言葉があり、「基礎・基本の定着」というように続けて使われたりします。しかし、基礎学力や基礎体力とはいいますが、基本体力とはいいません。技術の習得においては、基礎技ではなく基本技です。微妙に違います。いろいろな捉え方があるようですが「基礎は認識や価値観を培う土台で、基本は基礎の上に立つ応用」とするものがうまく言い得ている、と私は思います。いずれにしても、物事が成り立つためのよりどころとなるおおもとや根本を表す大切な言葉です。
 きょうは英語学習の「基礎・基本」となる英単語の大テストの日です。30分間ですが、与えられた範囲の中から100問出題されます。単語は文の構成要素ですからこれを理解していないと文の理解に繋がりません。「有無を言わさず、理屈抜きで」覚えなければならないものもあれば、成り立ちや語源などを理解することにより覚え易くなるものもあります。まさに、「基礎・基本」です。と同時に、与えられた課題に対してどう取り組むかという「取り組む姿勢」も問われています。
 立派な建物にはシッカリした基礎があります。多彩な応用技を駆使できる人は基本技がシッカリしています。「基礎・基本」の大切なことは言うまでもないことです。

2013年06月16日

 二十四節気「芒種(ぼうしゅ)末候、七十二候の二十七番目にあたる「梅子黄」梅の実が黄ばんで熟す頃です。「夏至(げし)」(芒種の次)も近いので昼の時間が長くなってきています。きょうの神戸での日の出が4時46分、日の入り19時14分となっています。
 梅は、別名に好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)があり、厳しい冬から春の便りを知らせてくれる花の観賞の他、結実した実を梅干し、梅酒、梅酢など食用としても用いられます。クエン酸などを含み健康食品として重宝されています。また、古くから塩とともに調味料とされてきたところから、良い味加減や調整することを意味する「塩梅(あんばい)」という言葉ができたといわれています。健康食品とされる梅ですが、古くから青梅は毒とされてきました。種子の中に毒性を発揮する物質があるからです。それを、アルコールや塩分、加熱により毒性を低下させてきた先人の知恵によって食用にされてきました。このように梅は、古来から季節を感じ、食べ物にも利用されるように人との関わりが深く、生活にとけ込んできました。
「東風吹かばにほひをこせよ梅花 主なしとて春を忘るな」は、菅原道真の和歌です。「学問の神様」といわれる道真が、梅の花を好んだところから天満宮の神紋として用いられ始めたと考えられています。道真公と梅、深い関わりがあるようです。私たちにとっても身近な存在の梅、「学問の神様」の御利益にあやかりたいものです。

2013年06月15日

待望の雨

 昼前から雨が降りだしました。梅雨入り宣言後、初めての本格的な雨です。ほっとひと安心というか、待望の雨です。校庭の木々や芝生も喜んでいることでしょう。
 入学式、始業式、自然学舎、体育大会や修学旅行など、各種行事を行う時は天候を気にします。雨が降ると活動が制限されたり、順延や場合によっては中止にせざるを得ないことがあったりするからです。雨が嫌がられ、晴れが好まれるのが常です。今年度は今のところ天候に恵まれおおむね順調に行事が行えてきました。
 ところが、梅雨の時期になると様子が少し変わってきます。降り続く長雨や集中豪雨を望む人はいませんが、梅雨時にはそれなりに雨が降ってくれないと困ったことになります。水不足になったり、カボチャ、トマト、キュウリや茄子などの夏野菜や稲の生育に影響が出ます。気温、降水量や日照時間など、その地域の季節の移り変わりに即して規則正しく繰り返されてこそ農作物の収穫が維持され、自然環境が守られるからです。
 確か、昨日までの新聞にでている天気図には、明確な梅雨前線が表示されていませんでした。大阪や京都で37℃を超える気温が観測されたり晴天が続いているものですから、てっきり梅雨前線が消滅しているものと思っていました。ところが、きょうの雨です。雨雲は日本列島沿いにシッカリ覆い被さっています。太平洋高気圧と大陸の高気圧がシッカリ主張しあっているようです。やはり季節は、梅の実が熟す頃の雨という意味の梅雨(ばいう)です。きょうは七十二候の「梅子黄(うめのみきばむ)」になります。梅の実が薄黄色く色付いてくる頃、季節は規則正しく進行しているようです。

2013年06月14日

花菖蒲


 梅雨入りして、2週間が経つというのに、一向に雨が降りません。校庭の芝生が悲鳴を上げているのが聞こえてきそうです。来週中頃から梅雨らしい天気になるとの予報もあるそうですが、この台詞、何度も聞いたような気がします。このまま雨が降らなければ、取水制限や農作物への影響などが心配されます。
 芝生とは対照的に、中央棟前の「水景」には、今年も花菖蒲が綺麗な花を咲かせています。花菖蒲によく似た花として、「菖蒲(あやめ)」と「杜若(かきつばた)」があります。「何れ菖蒲か杜若」と言うように、どちらもすぐれていて、選択に迷うことのたとえとして使われたりしますが、それほど見極めるのが難しいということになります。「菖蒲」これも同じ漢字で、「しょうぶ」と読んだり「あやめ」と読んだりします。「花菖蒲」と書けば、「はなしょうぶ」ですが、「菖蒲」だけでは「しょうぶ」なのか「あやめ」なのか困ります。きょう、「水景」に咲いている花は、「はなしょうぶ」か「あやめ」か、はたまた「かきつばた」かチョットした論争になりました。生物の先生を交えて検討したところ「はなしょうぶ」との結論にいたりました。花の大きさ、背丈、葉脈や水辺に咲いているなどいろいろな要素を検討しましたが、決定打は、花弁の元が「黄色の目型模様」であることでした。
 真理の追究というほど大層なものではありませんが、疑問をそのまま放置しておかないで分かるまで調べる、この姿勢は大切にしたいものです。真夏を思わせるほど暑い日が続いていますが、植物はきっちりと季節通りに花を咲かせています。

2013年06月13日

本物の学び

 本校では、第三ステージへ向けての取り組みの柱として、「本物の学び」を位置づけています。これは、特別な科目やイベントとして取り組んでいるのではありません。日々の授業を、たんに知識や事象の暗記で終わらせるのではなく、「なぜ」を大切にして物事の本質に迫るものにしたいと考えています。これを基本に、興味や関心のあること、深めてみたいと思っていることなどをとことん追求されていきたいとも考えています。そのことが、各自の中にある才能を開花させ、夢を叶える取り組みを後押しすることになると確信しています。
 これらの取り組みを推進し、まとめていく「本物の学びプロジェクト」を本年度立ち上げました。このプロジェクトからの呼びかけに、化学グランプリや生物学オリンピックなどへの挑戦があります。今年度の特長は、高校一年生が積極的に参加してくれているとのことです。放課後の学習会はなかなか盛況で、意欲的に取り組んでいるとのことです。昨年度、生物学オリンピックの本選に出場したことが影響を与え、勇気づけているようです。また、夏休みに実施する「サイエンスキャンプ」は、鳥取大学の鳥取キャンパス、米子キャンパスにおいて各5つの研究室、徳島大学、名古屋大学では各2つの研究室と充実してきました。「研究者体験」も2班編成で2週間に渡って行われます。これらへの応募者や問い合わせも多いようです。嬉しい限りです。
 「学力」は「学ぶ力」ともいわれます。こういった分野や内容なら時間や労力を惜しまない、そういうものを各自が見つけそれに取り組むという風土を根付かせる、それが「学ぶ力」であり「真の学力」の向上につながるものと確信しています。

2013年06月12日

高校朝礼

 薄らと日焼けした顔の生徒が目立ちます。5日間にわたる北海道での修学旅行を終えた高校2年生です。今日は久しぶりの高校朝礼です。台風の影響による風のせいで、空気が澄み渡っているのか、朝礼台から南の方向に金剛・葛城山がくっきりと良く見えます。
 早いもので、一学期も残りあと一ヶ月余になりました。年度当初に立てた目標を今一度思い出し、順調に来ているのか、少しつまづいているのか、そうであるとすれば何が問題なのか、進捗状況を確認、分析する作業が必要になってきます。とりわけ、家庭学習など学習習慣の確立についての点検ははずせません。以前にも指摘したことですが、一日の生活の中に学習の時間をどう確保するかではなく、学習を基本に、その中に休憩や気分転換の時間、食事や入浴の時間を組み込んでいくと、どれだけの時間が確保できるかという発想の転換が必要です。
 意志力や学力も筋肉と同じで、鍛えることができるといわれています。筋肉を鍛える時には継続した練習が必要です。ただ同じ練習をしていては鍛えることができません。少しずつ負荷をかけてやる必要があります。意志力や学力を鍛えるのも同じことです。きょうこれだけ出来たから、あすはもう少し量を増やそうとか、集中力を高めてみようとする「負荷」をかけてやる必要があります。そうすれば、筋肉と同じく鍛えることができます。継続は力、続けることが必要です。一念発起して、つい「負荷」をかけ過ぎてしまうと、「よく頑張ったのでチョット休憩」、となってしまい続かないことがあります。「筋肉痛」で体が動かなくならないよう、少しずつ「負荷」をかけることが成功の秘訣です。

2013年06月11日

目標が成長の原動力

 台風3号が北上しています。空梅雨が解消される雨が降るかと思いきや、この辺りでは期待はずれになりそうです。しかし、東海地方から関東地方や紀伊半島東部では局地的な雨が降ると予想されています。台風の進行速度が弱まり停滞すると予想されているからです。
 台風は、海水の温度が27℃以上にならないとエネルギーを蓄え勢力を強めることができないといわれています。今、日本の近海の海水温は23℃と低く、台風は勢力を弱め梅雨前線に吸収されると予想されています。その上、高気圧に行く手を阻まれ停滞するので、風による被害はそれほどでなくても局地的な豪雨による被害が心配されています。水不足のところがあると思えば、水による被害が心配されるところもある等、何ともちぐはぐなことです。
 でも、梅雨の時期には雨が必要です。植物の成長にとって水は欠かせないものだからです。しかし、絶えず必要というものでもありません。あえて、ある時期水をやらないことが花を咲かせたり、実をつけるのに大切な役割を果たしたりすることもあるからです。施肥にもタイミングがあります。植物に限ったことではありません。人間の成長にも同じようなことが言えると思います。学習習慣は小学校から中学にかけての時期に確立しておきたいものです。その後、集中力や持久力を高めるということになります。ただ、人間はたとえその時期や順序がズレたとしても、それ相応の努力がいるとはいうものの、取り返すことができるところが植物とは違います。どんな人間になりたいのか、その為にどんな進路をとるのか、明確な目標を持つことがその原動力になります。

2013年06月10日

雑節

 近畿地方では5月28日に梅雨入りが宣言されました。例年より10日以上早い梅雨入りでした。その後、梅雨空とは打って変わって好天が続き、空梅雨模様で水不足が心配されています。京都府京丹波町では、田植えができない田も出ているといわれています。また、稲作以外でも、黒大豆の発芽が遅れる懸念もあるとされています。黒大豆といえば、環境大使が栽培体験を行っている「黒豆」のことです。週間天気予報を見ていますと、今週は傘マークが連日ついています。いよいよ梅雨らしく「待望の雨」も期待できそうです。そう言えば、あすは雑節の「入梅」にあたります。
 季節を表すものに二十四節気や七十二候などがあります。これらはもともと中国でつくられた暦です。日本で使用するためにいろいろ改良を加えてきたといわれています。ところが、農業に従事するには、中国から伝わった二十四節気などでは十分に季節の変化を読み取れないところがでてきます。それ補うために考えられた日本独自の暦、それが雑節です。雑節には、節分(2月3日)・八十八夜(5月1日頃)・入梅(6月11日頃)・半夏生(7月2日頃)・二 百十日(9月1日頃) ・土用(1月17日・4月17日・7月20日・10月20日頃)・彼岸(3月20日・9月23日頃)などがあります。あすは「入梅」、納得です。
 この雨模様が、梅雨前線によるものであれば良いのですが、台風3号の影響も考えられています。台風と梅雨前線は大雨のパターンです。6月に台風が日本に上陸するのは珍しいのですが、昨年もこの時期に台風4号が上陸しました。雑節で補えきれない気候変動が起こっているのかもしれません。

2013年06月09日

本校の来年度入試

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 一学期の折り返しが過ぎました。各地で来年度入試に向けての説明会が行われています。本校も参加させていただいていますが、例年と少し違った様子がでているようです。といいますのは、今のこの時期は相対的に中学受験の相談が多く、夏を境に高校受験の相談が多くなってくるような感覚でいました。ところが、今の時期から高校受験の相談が多くなっているという報告を聞きます。もちろん、中学受験より高校受験の方が志願者が多いのですから、最終的には高校の方が多くなるのですが、時期のズレがあったように思います。高校受験を考えている生徒の出足が早くなってきていることの反映だと思われます。
 本校の来年度入試は、中学はコースの募集人数、入試の日程や形態には大きな変更はありません。入試日程は前期A・B日程と後期日程と昨年と同じです。ここ数年採用するところが多くなってきている午後入試は行いません。ただ、今年の入試結果から一貫3クラス、発展2クラスになり、例年より難易度が上がりましたが、この傾向が続くと思われます。
 高校もA日程とB日程で、昨年度と同じですが、募集人数は選抜特進を増やす方向で検討しています。選抜特進を増やす分、特進の募集人数が少なくなります。その結果、難易度が上がると予想しています。これは、今春の高校入試において、選抜特進の志願者が多く、そのうえに併願者で入学される方も多くなっていたという状況を判断しての結論からです。
 細部は、説明会等で聴いていただくことになりますが、「孝道」をベースに「人間力」と「学力」を備えた「社会で活躍するリーダーの育成」を目指す教育理念は変わりません。

2013年06月08日

第6回環境フォーラム

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 宇宙飛行士の山崎直子氏の「宇宙・地球・人」を基調講演に、岡山大学の難波教授に指導・助言をお願いして、第6回環境フォーラムを実施しました。
 このフォーラムは、雲雀丘学園中学校が取り組む環境活動を集約し、次年度に向けての課題を明確にするために行われるもので、中学生自身の手で運営されます。今回のフォーラムは、「ソーラーパネル」(3年生)、「外来種の現状とその課題」(2年生)、「お弁当に詰まった環境」(2・3年生)、「ハリエンジュ(影絵)」(3年生)、「フードマイレージ」(2年生)、「今年の活動目標」(1年生)、「生徒会活動における環境」(生徒会)の7つの発表にあわせて、ゲストとして参加していただいた武庫川女子大学附属中学校からは「環境保全に関する体験学習、およびバイオディーゼル燃料の合成実験」、奈良学園高等学校からは「環境保全の取り組み」を発表していただきました。
 環境問題は、自然を構成する一部である人間の行う活動が、自然を大きく変化させることによって生じさせている問題です。そのなかで、人類が直面する大きな課題として、水、エネルギー、健康・医療、農業など食料、生物多様性の保護そして貧困などが挙げられています。環境に関心や問題意識を持つことは、これらの課題に取り組むことになり「何のために、誰のために学ぶ」のかが問われることにもなります。
 きょう発表された取り組みは小さなものかもしれませんが、認識を深め課題に取り組む「確かな一歩」であることに間違いありません。この「一歩」が多くの人の「一歩」へと広がっていくことを願うものです。

2013年06月07日

「I was born」

 「I was born. 吉野弘。 確か 英語を習い始めて間もない頃だ。・・・」、「シン」と静まり返った教室に先生の朗読の声が凛と響きます。高校三年生の現代文の研究授業です。授業者は今年本校に来られた守本先生です。教材は、吉野弘氏の詩、「I was born」、テーマは「アイデンティティー」です。身重の女性と遭遇し、「人間は生まれさせられるんだ」、習いたての英語の受身形なんだと納得する少年が、父親との話の中から、生後間もなく亡くなった自分の母への思いや、母と自分との関係、つながりを実感していくという心情の変化を表した詩です。
 この詩のテーマを理解させるために、新婚五ヶ月で出征した父が戦地から出した「レイテ島からのはがき」も用意されていました。何度も何度も母親が読み返したのか、判読不明になった手紙の中にかすかに読める、いや読みたい、そうであってほしいと願う「身重」の文字にこだわる、父親の姿を知らない依頼者の姿を描いたビデオをはさみながらの授業展開でした。
 親の子に対する思いや願い、場合によっては命と引き替えに我が子を産む母親の存在、それらを受け継いで今の自分があるのだと実感させられる、何とも「ズシリ」と胸にのしかかり、こみ上げてくるものを感じる内容でした。涙ながらに授業に参加する生徒の姿も見られました。自分らしさ、自分の存在価値や意味を他者との係わりのなかで捉え考えさせる、生徒はもちろん、参観者も巻き込んだ、まさに魂を揺さぶる授業でした。

2013年06月06日

6回目を迎える環境フォーラム

%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A02013.jpg 2008年5月29日、中学1年生から3年生までが一堂に会し、環境ジャーナリスト枝廣淳子氏の「不都合な真実を超えて」というテーマで基調講演をいただき、環境教育に積極的に取り組むと同時に「5月29日を環境の日にする」という環境宣言を行いました。以後、一年間の取り組みを集約して「環境フォーラム」を毎年行ってきました。今年は週末の6月8日(土)に6回目の「環境フォーラム」を実施することになっています。
 環境の取り組みは、各学年の行事と関連づけた環境講座、文化祭での生徒会が中心となってのゴミの分別、家庭科が呼びかける地産地消によるeco弁当作りなどとして定着してきています。60周年にあわせた高校新校舎は、太陽光発電や雨水を利用した屋上緑化などを備えたecoスクールに、校庭は天然芝による緑化へと生まれ変わりました。この間の取り組みの中から、中学生を中心に環境活動に取り組む「環境大使」の組織化や地域のコミュニティと連携した里山再生の取り組みへと発展してきました。きょうから北海道へ修学旅行に出かけている高校2年生は占冠村にある「雲雀丘の森」を目の当たりにし、先輩たちの「感響プログラム」の取り組みを実感することでしょう。
 本校の「学び・考え・行動する」ことを基本にした環境の取り組みは、「人間教育」は勿論のこと「本物の学び」の原動力、それが「学力の向上」へと繋がっていくことになると考えています。今年の「環境フォーラム」は他校からも参加していただくことになっています。お互いの活動を交流し、更にステップアップしていく契機になるものと期待しています。

2013年06月05日

「卒業生に学ぶ」など様々な取り組み

H25.6.13%E5%8D%92%E6%A5%AD%E7%94%9F%E3%81%AB%E5%AD%A6%E3%81%B6.jpg 梅雨入り宣言のあと良い天気が続いています。気温は上がって暑いものの、湿度が低く爽やかな気候です。梅雨といえば「ジメジメ」のイメージが強いものですが、梅雨らしくない気候です。しかも、梅雨の晴れ間が一週間ほど続きそうです。「五月晴れ(さつきばれ)」といえば、今は5月の良く晴れた天気のことをいうようですが、本来は陰暦五月のころのさみだれの晴れ間を指していたもので、今の天気が「五月晴れ」ということになるようです。陽気が良くなって、万物が次第に長じて天地に満ち始める「小満」から、きょうは芒(のぎ、稲でいう籾殻にあるとげのような突起)を持った植物の種を蒔く頃「芒種」へと移っています。
 季節の移り変わりと同様、学校の取り組みも進んでいます。きょうの中学朝礼で、テニス部や柔道部の表彰を行いました。これから、夏の中体連大会に向けて試合が多くなってきます。高校も県大会などが始まっています。各クラブの健闘が期待されます。
 高校一年生は、1限のホームルームの時間を使って「卒業生に学ぶ」と題した進路学習を行いました。教育実習にきている卒業生も講師として活躍してくれました。年齢の近い先輩から高校時代の話や大学のことを聴くのは、またひと味違ったなものとして心に残ったのではないかと思われます。高校二年生は明日からの修学旅行に向けての結団式を行いました。高校生活の最大のイベントです。掛け替えのない思い出とともに、実りあるものにしてくれると期待しています。高校三年生は進研模試、とそれぞれの学年がそれぞれの課題に取り組んだ一日でした。

2013年06月04日

公開授業旬間

 学校では授業を始め、部活動や各種行事など生徒を指導する場面はたくさんあります。その中でも授業の時間が一番多くなります。新しい知識や技術・技能の獲得をはじめとして仲間との意見交換を通し学び合い成長するのが授業です。成長をするのは生徒だけではありません。指導する先生も成長する場だ、と私たちは位置づけています。「学び」の中心的役割を授業が担っています。この授業を磨く取り組みの一環に「公開授業旬間」を、本校では設定しています。各教科で研究授業も行いますが、もう少し気軽に授業を見学できるようにしたものです。指導案をプリントして用意しなくても良いことになっています。もちろん、担当する教科だけではなく、他教科の先生の授業も見学できます。「我以外皆我師(われいがい みな わがし)」、これは吉川英治氏が作品のなかの宮本武蔵の言葉としているものです。また、「われ以外みなわが師 (私の人生観)」という本も出されています。他人からだけでなく、自然にある草木一石に至るまで「我が師」として「教えを請う」ことができるというものです。
 時を同じくして、教育実習生の研究授業も佳境を迎えています。大変忙しい時期でもありますが、暇だから学ぶことができるというものでもありません。概して、忙しいときこそ時間を有効活用し、かえって多くのことができるようになったりするものです。一学期も折り返しが過ぎ後半戦にさしかかっています。「授業は生徒も先生も成長する場」、それに相応しい授業力をつける一助に、この旬間がなることを期待しています。

2013年06月03日

素数ものさし

 長さ18cmの竹のさしに2、3、5、7、11、13、17の目盛りしか刻まれていない「ものさし」が手に入りました。今ひそかなブームで品切れ状態が続いているといわれている「素数ものさし」です。「あえて不便なものを使うことで得られる楽しさを知ってほしい」と京都大学の研究者らが考案したもので、値段も577円と素数になっています。
 素数とは、1と自分自身以外に正の約数を持たない、1でない自然数のことであるということはよく知られています。数の素であり、数の元素といわれ、1以外の自然数は素数の積で表すことができます。この素数を使った「ものさし」です。例えば6cmはこのさしのどこにも表示されていませんが、11cmと5cmの間、13cmと7cmや17cmと11cmの間に隠れています。それ以外にこのさしの中に19カ所隠れているそうです。絶えず暗算など計算が必要とされます。
 今はこの対極にある測定器具もでています。床から天井までや壁から壁までの距離をレーザー光線を使って瞬時に正確に測ることができるようなものです。ゴルフにも利用されています。距離を測るだけでなく、傾斜を計算した距離を出してくれるという優れものです。距離は正確に測定できたとしても、その通り打てるかどうかの方が大きな問題なのですが。ただ、これに頼ってしまうと目で見た距離感とかが養えないように思えます。使えない時には非常に不安になったりもします。
 「あえて不便なものを使う」楽しさの中に大切なものが隠されているように感じます。

2013年06月02日

高校受験に向けて

 学校見学会や進学相談会の様子を見ていますと、高校受験より中学受験の方が出足が速いようです。高校受験を控える中学3年生は最後の部活に打ち込んでいる時期であったりしますので、それが終わってから受験を考えるというムードが大勢を占めているのかもしれません。また、中学受験と違って内申書というものがあります。内申書の内容によっては受験校を変更しなければならないときがあったりします。その大勢が判明するのが2学期末ごろなので、その様子を見て志望校を検討しようとするところから遅くなるのかもしれません。いずれも受験を考えると出遅れの感がありますし、力を十分伸ばすことにはならないと思います。
 兵庫県は27年度に学区の再編がありますが、大阪府は来年度、学区が撤廃されます。今まで受験できなかった高校が受験できるようになります。選択肢が広がることになります。おまけに前期・後期とも普通科を受験することができる訳ですからなおさらのことです。兵庫県も特色選抜に後期試験の複数志願制度があります。それに私学が加わります。多くの学校の中から自分に合った学校、進むべき進路を決定しなければなりません。本校でも夏にオープンスクール、秋に説明会等を計画しています。それに参加してから決めるというのでは出遅れています。それらは、最終の確認やモチベーションアップのために活用するという位置づけが大切です。
 人間誰しも、自分の進むべき道や目標が明確になれば、努力も惜しまないし大きな力が発揮できます。高い目標を掲げ、その実現のために努力する取り組みが、今求められていることです。

2013年06月01日

学校見学会

 毎年6月の第一土曜日にユーデック主催の学校見学会が行われます。今年は例年より早い梅雨入りでしたが、梅雨の晴れ間で見学会を行うことが出来ました。
 70名を超える多くの方が参加してくださいました。まだ6月なのに来年度の中学入試の準備は早いのでは、と思われるかもしれませんが、中学入試はもう始まっていると言っても過言ではありません。自分にあった学校、この学校なら頑張れそうだと思う学校を見つけ、それに向けて努力をしていくことによって力をつけていくことになります。そのことが目標とする学校に合格することにつながります。「なんとしてもこの学校に」というところを見つけ出すことが力を伸ばす「秘訣」ともいえるかもしれません。
 本校の来年度中学入試は今までとは違った意味合いを持ったものになります。といいますのも、再来年度、27年度入試から第3ステージに向けての募集、「一貫」のみの4クラス募集になるからです。今までの「一貫」と「発展」の2コースでの募集は来年度が最後になりますので、「発展」コースも従来とは違った位置づけになります。このことを知っていただくことも、今回の見学会の柱になっています。そして、現状をより良いものにしていく延長線上に次のステージを生み出すという、学校改革のベースになる本校の教育理念を理解していただきたいと考えています。
 情報社会といわれています。学校の情報もいろんな形で入手できます。しかし、現場に足を運んで自分の目で観、体感することに勝るものはありません。きょう参加された方が、本校を進学対象校にしてくださることと期待しています。