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2011年10月31日

環境教育の今後の展開

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  10月31日(月)、サントリー・ビジネスエキスパート(株)お客様リレーション本部の坪松博之部長と来年度以降の環境教育の進め方についての話し合いを行ないました。
 本校では人間力養成の大きな柱として「環境教育」を位置づけており、同社よりさまざまな支援をいただいていますが、そのキイマンが坪松氏です。振り返ると、平成20年(2008年)の3月にサントリー(株)を訪問し、佐治社長に新年度からスタートさせる環境教育の概要について説明し、特別講座をはじめとする支援をお願いしました。その後、5月29日に環境ジャーナリストで『不都合な真実』の翻訳者である枝廣淳子氏に講演をお願いし、環境宣言を行ない、この日を本校における「環境の日」に制定しました。
  その後、「里山」「水・森林」「生物多様性」に関する環境講座や毎年の環境フォーラム、トマト栽培、地球学ファイルやTシャツの製作等幅広く支援いただき、今日に至っています。環境教育の基本の考え方は単に環境に関する知識を習得するということではなく、「学び 考え 行動する」ことにしています。既に本格的な環境教育に取り組んで4年目になりますが、お蔭さまで学校での授業や行事だけではなく、生徒会や環境大使による自主活動が活発になってきました。今の学校教育は、ともするとすべて先生が段取りをして、生徒は受け身になっていることが多いようですが、社会では自ら問題意識を持って行動していくことが大切です。
  そのため、来年度以降はこれらの自主的な活動を深堀りさせていくこと、現在、中学3年の環境大使が来年度は高校に進学するということもあって、いくつかの大学との環境学習についての連携も模索していくこと、環境教育についての体系だったパンフレットを作成し、生徒達に全体像を示していくこと。身の周りの環境をしっかり整えていくこと等の話し合いを行ないました。これから来年度に向けて、具体的な計画のつめを実施していきたいと思っています。

2011年10月30日

中学3年保護者懇談会の開催

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  本校の基本的な考え方は、〝家庭と学校が連携して生徒を育てる〟という『共育』です。そのため、ホームページ、学年通信、「ロンド」や「ひばり」等を通じて学校の状況を伝えると共に学年保護者懇談会や中学・高校学級委員会を開催しています。
  昨日(10月29日)の午後は中学3年と高校2年特進コースの学年保護者懇談会が開催されました。同時刻の開催であったため、私は中学3年の懇談会に出席し、冒頭の挨拶をしました。
  中学3年生は間もなく中学最後の大きな学校行事である沖縄への研修旅行に出発します。そして、あと5ヶ月少しで中学を卒業し、高校生になります。しかし、中高一貫ということで、入試という関門を通らず高校に進学することになるため、他の公立中学生と異なり、受験という節づくりができません。また、保護者の皆さんにとっても、受験生をかかえているという緊張感はありません。そのため、今回は現在実施している高等学校の入試説明会で話している『社会で役立つ力を育てる』というテーマでお話しました。
  これから世の中は大きく変わってきますが、社会に貢献できる仕事は無限に広がってきます。生徒達が大学を卒業して社会人になるのは、8年後ということになりますが、これからの高校・大学生活でしっかりとした考え方や生活習慣、専門能力等を身につけておくことが何よりも大切です。現時点では、将来どのような方向に進みたいのかという明確な意思を有している生徒は少ないようです。そして、漠然と大学への進学を考えているようです。今後、学校においてもキャリア教育に注力していきますが、家庭においても機会を見つけて、社会の動向や将来の仕事について話し合っていただきたいと思っています。

2011年10月29日

中学3年生環境講座の開催

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  10月29日(土)、沖縄への研修旅行に先立ち、中学3年生を対象に琉球大学理学部の土屋誠先生にお越しいただき、環境講座を開催しました。
  テーマは『沖縄の自然と生物多様性~サンゴ礁とマングローブ』です。講演の内容は、最初に、沖縄には小さな島々が数多くあるが、150万年ほど前には中国大陸と陸続きであり、多くの動植物が大陸から渡ってきたと考えられる、その後、小さな島々が形成されると、それらの島に住んでいた生物は島の外への移動が困難になり、その島独自の固有種に進化したこと、そのため、沖縄にはヤンバルクイナやノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネ等この地域でしか見られない生物が数多く生息していることを説明していただきました。
  次いで、生物の多様性やマングローブ生態系について、数多くのスライドを使って紹介されました。特に、マングローブ植物の落ち葉は直接河口域あるいは海域に流出し、そこに生息している動物達にとって重要な食物源になっていること、また全面に広がる干潟は、これらの動物の食事を通じて、海水の濾過と堆積物の浄化という2つの役割を果たしているとのことです。また、地球の温暖化に伴い、オニヒトデが大量に発生し、世界のサンゴ礁が白化現象という深刻な事態を招いていることも紹介していただきました。70分という短い時間でしたが、生徒達は熱心に聞き入っていたようです。
  講演の後、土屋先生と懇談している部屋に、生徒達がやってきて、様々な質問をしていました。その中の一人は、自宅でマングローブやヒトデを育てており、将来琉球大学の理学部に進む希望を持っているようです。私も本日の講演を興味深く拝聴させていただき、生物の多様性について今一度、調べてみたいと思いました。
  土屋先生には、遠路、本校までお運びいただき、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

2011年10月28日

注目される再生可能エネルギー

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  新興国の経済発展によって、世界のエネルギー需要は年々増加してきています。そのため、これからはそれぞれの国にとってどのようにしてエネルギーを確保していくかが大きな課題になってきます。しかし、石油や石炭や天然ガスといった化石燃料は有限であり、いずれ枯渇することは目に見えています。そのため、原子力発電にシフトする動きが加速されてきましたが、東日本大震災によって、各国のエネルギー政策は大きく見直されることになりました。そして、最近では石油価格の高騰に伴い、新たなエネルギー源としてオイルシェールやオイルサンド(岩盤や砂の中に含まれている石油を取り出す)といった新たな化石燃料の活用も進んできています。しかし、これらの化石燃料については、いずれもCO2を発生させるため地球の温暖化という深刻な環境問題につながります。そのため、これからは再生可能エネルギーに注目が集まり、普及が加速してくることが予想されます。
  この再生可能エネルギーには、大きく栽培植物に由来するバイオ燃料、太陽光と太陽熱、地熱、水力、海洋エネルギー、風力の6つがありますが、この中で有望なのは風力、バイオ燃料、太陽光と太陽熱の3つです。最近、日本では太陽光発電が注目されていますが、世界の再生エネルギーの内訳は風力発電と水力発電が7割以上を占めています。
  いずれにしても、エネルギーは我々の日常生活においては不可欠です。そのためこれから再生可能エネルギーは一層注目を集めることになり、これらを生み出す産業は次世代の世界経済の主役になるのは間違いありません。資源の乏しい日本にとっては、この分野で世界をリードしていくことが大切であると思っています。

2011年10月27日

世界の人口70億人を突破

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  昨日、国連人口基金(UNFPA)は2011年版「世界人口白書」を公表しましたが、これによると世界の人口はついに今月末に70億人を突破するとのことです。60億人に達したのは1999年ですから、この12年間で10億人増えたことになります。  この白書によると、2011年の国別人口の1位は中国の13億5000万人、2位はインド(12億4000万人)、3位はアメリカ(3億1000万人)で、日本は10位(1億2650万人)世界人口に占める割合は1.9%となっています。
  また以前に世界で人口が1億人を超える国は11か国(中国、インド、アメリカ、インドネシア、ブラジル、パキスタン、バングラディシュ、ナイジェリア、ロシア、日本、メキシコ)であることを紹介しましたが、これらの国で人口の6割、中国とインド両国だけで4割弱を占めているのです。そして、ロシアと日本以外の国は今後更に人口が増加、特にインドは21年には人口が14億人に達し、中国を抜き1位になると予測されています。こうして世界人口は今後も増え続け、2050年には93億人に、今世紀末には100億人に到達すると予測されています。
 これからこれらの国はますます経済成長を遂げ、人々はより豊かな暮らしを求めることになりますが、これは取りも直さず、生活に必要な食料や水やエネルギー消費の増加に繋がります。また、電機機器や自動車をはじめとする工業製品を生産するための資源も必要になってきます。
  この結果、地球規模での資源の争奪が起きることが危惧されます。一方で経済発展に伴って、環境問題が深刻化してくることが予想されます。また、60歳以上の人口も現在の8億9300万人(全体の13%)から50年には24億人(同26%)に増加するため、高齢化の進行も大きな課題になってきます。   なお、世界人口が93億人となる2050年時点では、日本の人口は世界16位の1億900万人に落ち込む見通しです。
  いずれにしても、今後の人口増に対しては、地球上に住む人類が〝共生〟という考え方に立ち、智恵を絞りだすことによって解決していかなければならないと思っています。

  参考までに、昨年10月実施の平成22年国勢調査の確定値によると、日本の総人口は1億2805万7352人(男性6232万7737、女性6572万9615人)で、前回調査から0・2%増になりました。これは大正9年の調査開始以来最低の伸び率です。但し、この中には外国人の数も含まれているため、日本人の人口は1億2535万8854人と前回調査(17年)に比べ37万1千人減少、外国人と分けて集計を始めた昭和45年以来初のマイナスに転じました。一方、外国人人口は164万8千人で、前回から5・9%増と過去最高を記録しました。そして、国籍別では「中国」が初めて「韓国、朝鮮」を上回ることになりました。また、国籍不詳の人も前回の倍を超える105万人いると見られています。

2011年10月26日

全校朝礼の開催~ハザードマップ

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  10月26日(水)、放送による全校朝礼において次のような話をしました。
〝今日は〝自分の身は自分で守る「危機管理」〟というテーマで、お話しします。皆さんはハザード(防災)マップというものを知っていますか。これは自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもので、予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報が既存の地図上に図示されています。
  先日、私の住む京田辺市からハザード(防災)マップが送られてきました。地震と洪水の2種類ですが、震度6の地震が発生した場合の家屋の倒壊状況や木津川が氾濫した場合の浸水状況が色別に記されています。
  最近のニュースを見ていると、日本では東日本大震災やこれに伴う津波、先日の台風による豪雨等、想定外と言われる災害が発生しています。また、世界を見渡しても、スマトラ沖の大地震をはじめ、超巨大ハリケーンのカトリーナや今回のタイにおける大洪水、トルコでの大地震等、想像をはるかに超えた災害が次々と発生しています。このような災害を見ると、簡単に想定外という言葉では片づけられない状況になってきているように思います。想定外というのは、これまでの経験になかったということを前提にしているようですが、近年、地球の温暖化に伴い、ゲリラ豪雨や大型台風による水の災害が増えてきています。この際、恐らく大丈夫だろうという先入観を捨てて一から見直さなければならないと感じました。
  そこで、皆さんの居住地や通学区域がどうなっているのかを調べてみる必要があると考え『通学区域(すべてではないですが)の防災マップ・ハザードマップを取り寄せることにしました。このハザードマップを利用すれば、災害発生時には迅速・的確に避難を行なうことができます。また二次災害の発生予想箇所を避けることができるため、災害による被害を軽減することも可能です。
  このマップは、玄関の60ホールの前に閲覧できるよう置いていますので、是非災害時の避難場所等をマップで確認しておいて下さい。ここ数日、朝晩は冷え込んできましたので、体調を崩さないようにしましょう。〟

  私達の周りにはさまざまな危機が潜んでいます。「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、お互いに色々な面での危機管理を心がけていきたいものです。また、この一環として学校における防災教育についても今後検討していかなければならないと思っています。

2011年10月25日

学校経営~鍋蓋組織とピラミッド型組織

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  今、大阪府においては教育条例案をめぐって、さまざまな議論が交わされています。本日は大阪府の教育委員全員がこの条例案に反対するということで記者会見を行ないました。私はこれまで、34年間、民間企業のパナソニックで人事部門や経営の仕事を担当してきました。そして、4年間大阪府立高校の校長を歴任した後、現在本校で校長の仕事に就いています。この10年間の教育現場での勤務を通じて、正直なところ民間企業でのマネジメントをそのまま適応することは難しいと思っています。何故なら企業と学校では組織風土が全く異なるからです。従って、これから何回かにわたって、学校経営ということについての私なりの考え方を紹介していきたいと思っています。
  最初に取り上げるのは組織の違いです。学校は『鍋蓋(なべぶた)組織』になっていると言われていますが、この意味は校長・教頭が鍋のつまみで、この下に各教員が横並びに位置しているということです。実際の学校組織を見ると、縦糸としての「学年」と横糸としての「分掌」があります。そして、小学校、中学校、高校と上級学校に進むにつれて教科の専門性が高まるため、教科としての取組みが重要になってきます。このように中学校や高校では「学年」「分掌」「教科」という3つの調整をはかりながら学校経営をしていかなければなりません。しかも、学年は一つではなく、各学年の状況が異なるため調整が難しいということもあって、ともすると学年中心の運営になってしまいます。そのため、毎年、修学旅行先が変わる、模擬試験のやり方や補習、進路指導、生徒指導等のやり方が異なるということになってしまいます。この結果、前年度の反省や苦労して作り上げたノウハウが次の学年に引き継がれないという事態を招くというケースも散見されます。また、学年主任や分掌部長が校長の任命制になっていない学校もあって、リーダーシップが発揮しにくいということもあるようです。そして、すべての物事が話し合いで決まっていくため、大きな改革ができにくいということになりがちです。これまでのように、学校を大きく変える必要がない時には、このやり方で十分であったと思います。
  民間企業では、ピラミッド型の組織になっており、トップの意思が末端にまで届くようになっています。そして、製造や営業という「ライン」と経理や人事・企画という「スタッフ」が明確に分かれており、ライン業務とスタッフ業務を兼務することはほとんどありません。そしてスタッフの役割はラインの仕事がスムーズに流れるように調整したり、仕組みやシステムの構築をはかる等の活動を通じて事業を伸ばすことを目的としてトップを補佐し経営改革を推進していくようになっていました。しかし、最近の環境の変化に対応し、迅速な意思決定をはかるために、階層を減らすことによりフラット化を目指しています。このことからも解るように、裁量性の大きい鍋蓋組織が一方的に悪いというのではありません。
  本校では、「教務」「進路」「生徒指導」「入試広報」の4分掌と中・高の6学年の責任者をはじめ、教職員の人事についてはすべて校長が任命することになっています。そして、学校を取り巻く環境が大きく変わる中にあって、学年単独の取組みではなく、分掌とのマトリックスによって円滑に教育活動が推進されるように学校全体のシステム化をはかっていきたいと思っています。
         

2011年10月24日

世界多極化の中の日本

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   これまで何回かにわたって、世界が多極化してきているということに触れましたが、これはアメリカ・ヨーロッパ・日本を中心とした三極体制やアメリカの一極集中体制が徐々に移行するというようなものではなく、急激に世界の枠組みが変わリ、全く新しい経済社会が生まれてくることを意味しています。このような環境の変化の下では、これまでの成功体験は全く参考にならないばかりか、かえって経営判断を誤らせることになるかもしれません。この新しい枠組みの中で、考えておかなければならないのは、今までとは全く異なる市場が生まれるということです。
  これから発展してくるのは途上国ですが、これらの国における一人あたりの所得水準は先進国に比べると高くはありません。そのため、これまで先進諸国で受け入れられてきた製品やサービスがそのまま受け入れられることはありません。しかし、膨大な人口を有しているため、マーケットの規模としては極めて大きいのです。
  最近、新聞紙上でもB.O.Pという言葉が目につくようになってきましたが、これは世界の所得別人口構成の中で、最も収入が低い所得層を指すもので、Base Of the Pyramid の略です。かつてはBottomという単語が使われていましたが、差別的な意味もあるということで、Baseということになりました。そして、現在地球上の約40億人がこの層に該当しており、市場規模は実に約5兆ドル(約400兆円)にも上ると言われています。また、このうちの30億人がアジアに居住しています。言い換えるとアジアの人口の80%がBOP層であり、これからますますアジア市場が注目されてきます。
  そして、企業にとっては利益を追求しつつ、低所得者層の生活水準の向上に貢献できるというビジネスモデル」が求められるため、現地でのさまざまな社会課題の解決をはかるという基本的な姿勢が不可欠です。日本企業はグローバル化への対応が不十分であると言われていますが、この要因の一つが途上国に対するビジネスの遅れなのです。近年になって、ようやく多くの日本企業がグローバル化に向けて、経営の舵を切り始めています。これから、これらの企業活動の事例を取り上げていきたいと思っています。
 

2011年10月23日

第2回高等学校オープンスクール&入試説明会の開催

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  10月23日(日)、第2回高等学校オープンスクール&入試説明会を開催しました。本校では教職員全員が分担して学校訪問や入試相談会・説明会等の入試広報活動を行なっています。本日も学校説明会がピークを迎える中、出張等の予定のない教職員全員が出勤し、通常の勤務日と同様、8時25分から職員朝礼を開催した後、オープンスクールに備えてそれぞれの配置につきました。
  生徒達は9時過ぎから続々と来校し受付を済ませた後、授業が開催される教室に向いました。生徒達の中には初めて本校に来た人も多く、環境に配慮した校舎や芝生化された校庭等を見て、学習環境の素晴らしさに驚いていた様子でした。中学のオープンスクールと異なるのは、保護者同伴ではなく一人で来校している生徒の姿が目についたことです。オープンスクールは270名を超える生徒を対象に、10時から2つのグループで、授業体験とクラブ体験を行ないました。多くの中学生の皆さんにとって高校の授業を受けるのは、これまであまり経験がなかったと思いますが、それぞれ興味深く先生の話に耳を傾けたり、実験をしていたようです。また、心配していた天候も回復しましたが、昨日の雨によるグランド不良のため、屋外のクラブの中には予定通り実施することができず申し訳なく思っています。
  また、昼食を挟んで午後1時半からは学園講堂で入試説明会を開催しました。日曜日ということもあり、生徒・保護者あわせて680名(資料配布460部)の方に来場いただきました。
  最初に、私からパワーポイントを使って、これからはグローバル化が進展する中で、将来社会人として活躍するために必要な力を育てることが大切であること、そして、これが学校改革の基本的な考え方であることをお話しました。次に生徒達の学校生活の様子を収録したDVDを見ていただき、続いて教頭から5年前に導入したコース制の進捗状況やカリキュラムの概要、進学実績、年次別の学力の伸長度等の説明、最後に入試広報部長から来年度の入試における留意点等の説明を行ないました。
  こうして、約1時間半にわたる説明会は無事に終了しましたが、その後も多くの保護者の方から個別の質問をお受けしました。何分にも短時間での説明でお解りにくい点も多々あったのではないかと思っています。本校では『開かれた学校づくり』を目指し、ホームページによる学校情報の提供を積極的に行なっています。私も極力、社会のトレンド等を紹介していきたいと思っていますので、是非ご覧下さい。また、本校ではいつでも入試に対する相談をお受けしていますので、事前にご一報の上ご来校下さい。

2011年10月22日

新たな採用で学校を活性化

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  《本年度 新任教員研修会より》
 
  現在、本学園においては、来年度の教員の採用試験を行なっています。今年は初めての試みで新聞に教員採用の募集広告を掲載した結果、多くの方に応募していただき、何回かに分けて筆記試験や面談、模擬授業等を行なわせていただきました。私学の場合には公立と違って、事前に入学者数が確定しないため、次年度の人事体制を固めるのは難しい面もありますが、本校では極力前倒しで、来年度の教員人事も含めた経営計画策定のを行なうことにしています。
  企業でも学校でも、毎年新しい社員や教員を迎えますが、このことによって組織が活性化するのは間違いありません。特に、私学の場合には常に新しい血を取り入れておかないと同一集団化することになります。この結果、どうしても考え方が保守的になり、マンネリ化に陥ってしまいます。私もこれまで、多くの学校を見てきましたが、これは公立・私立にかかわらず改革が進まない学校の共通点です。
  また、新たな教員を迎えることは、現在本校で勤務されている教員にとっても原点に戻って自分を見つめ直すチャンスであると思います。毎年、新たに勤務される方に対しては次のような資料を配布していますが、私自身も今一度、見直していきたいものです。

①確固たる『人生観』『人間観』『職業観』を持つ
  人生一回、生命一個、たった一回きりの人生で後戻りはできない。
  充実した悔いのない人生を送ることが大切(人間としての生きざま)。
②教えるとはどういうことなのか 
  教師の使命とは何かをしっかりと心の中に刻み込むこと。
  子ども達に生き方を教える。子ども達の心に火を灯す(ともす)。
  子ども達の能力を引っ張り出す。
③雲雀丘学園とはどういう学園なのか
  雲雀丘学園中・高等学校はどういう学校なのかをしっかりと理解し、
  自分の言葉で語れるようにする。
  現在、学校改革を進めているが、その基本は『創立の精神の体現』。
  『孝道』・・・親を大切にする人はどんなことでも立派にできる
  初代理事長の教え・・・〝やってみなはれ、やらなわかりまへんで〟
  中・高の校是は『高志』『自律』『努力』⇒将来社会で役立つ人材を育てる
④学園のビジョン(目指す姿)とは
  『人間教育の充実と学力の向上の両立をはかり、
  関西を代表する一流の学園を目指す』 
  関西を代表するとは・・・?
  一流の意味とは・・・?
⑤人間力を高めるには
  このための特効薬はない。『凡事徹底』が何よりも大切である。
  当たり前のこと・簡単なことをしっかりとやること。
  (爽やかな挨拶・きっちりした服装・規則/ルールの遵守・整理整頓など)
⑥子どもは『親の鏡』『教師の鏡』『社会の鏡』
  教師自らが実践し手本になることが大切。
  人との出会い(縁)を大切に。 日々明るく、元気で、生き生きと、楽しく。
                                    以上

2011年10月21日

兵庫県私立学校事務研究会研修会の開催

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  10月16日(金)、本校において兵庫県私立学校事務研究会の研修会が開催されました。
出席者は、東洋大学附属姫路高等学校の加藤文則校長、淳心学院の村上法人事務局長をはじめ各校の事務局長・事務長の皆さんです。
  9時にバスで到着された後、4グループに分かれて、中学・高校、小学校、雲雀丘幼稚園、学園講堂等を見学いただきました。続いて、私から『学校事務における組織マネジメント』~事務職員が学校経営に果たす役割と題して約1時間の講演を行ないました。
  講演では、世の中の動きに触れた後、社会で求められる力、教育をめぐる課題と学校の役割、最後にこれからの学校づくりについて説明しました。本校では現在、学校改革を推進していますが、この中で校舎・施設等の教育環境の整備や業務の合理化等事務部門が中心になって取り組んできていることが多くあります。私は学校経営の中で、事務部門の果たすべき役割は非常に大きいと思っています。単に事務処理をするという考え方ではなく、校長のスタッフに徹する、言い換えると校長を補佐するという姿勢が必要です。そして、種々雑多な先生の仕事を標準化し、生徒と接する時間を生み出してあげることも重要な役割の一つです。以前から感じていることですが、事務という名前を〝学校総務〟とか〝経営企画〟に変えるというのも一方ではないかと思っています。
  事務職員の皆さんが強い志を持って、それぞれの学校改革に取り組んで欲しいものです。

2011年10月20日

タイの大洪水のもたらす影響

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  今年は東日本大震災による津波や台風の豪雨によって、日本国内でも大きな被害が出ましたが、世界でも局所的に大きな水害が相次いで発生しています。
  とりわけ現在、タイで発生している50年に1度と言われる記録的な大洪水は深刻な事態を招いています。これまで、カントリーリスクが小さいということで、日本企業も自動車や電機を中心に積極的にタイに進出してきました。その結果、現在タイは東南アジア最大の生産拠点であると同時に欧米や中東など世界への輸出拠点になっています。今回は多くの日本企業が工場を構える中部アユタヤの工業団地だけでなく、首都バンコクでも浸水被害が出始めでおり、既に約400社の工場が被災しました。この中には完成品だけではなく部品メーカーも多数含まれているため、部品の供給が止まることによって、直接洪水被害がなかったタイ国内や周辺諸国のベトナムやマレーシア、シンガポール、ひいては日本にある工場までが操業停止や減産を余儀なくされることになっています。これは、3月に起きた「東日本大震災と同じ」サプライ・チェーン(部品供給網)の寸断と同じ状況です。
  特に、深刻なのは自動車メーカーで日系の8社はすべて操業停止に追い込まれています。これまで各社は「超円高や米国や中国での競争激化といった逆風が続く中で、歴史的に日系メーカーが強みを発揮できる」ということで、東南アジア事業を強化してきました。この戦略の一環としてタイを完成車、関連部品の生産、輸出拠点と位置づけてきており、タイは「アジアのデトロイト」と呼ばれるようになってきていたのです。
  また、キャノン・ニコン・ソニー・日本電産・日東電工・ミネベア等の電機や部品メーカーにとっても年末商戦を目前に控え、デジタルカメラ、インクジェットプリンター、スマートホーン、パソコン等の生産に大きな影響が出ることになります。そして、洪水被害が長引けば日本企業の経営に非常に大きな打撃を与えるのは避けられません。また、復旧が長期化すれば代替生産や部品緊急輸入といった対応だけではなく、事業戦略自体の見直しが必要になってきます。まさに、個々の企業にとっても正念場を迎えていますが、企業だけではなく日本政府としての強力な支援も必要ではないかと思っています。

2011年10月19日

高等学校全校朝礼 ~インドネシアにおけるポカリスエット販売

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  10月19日(水)、爽やかな秋空の下、定期考査終了後初めての高等学校の全校朝礼を実施し、次のような話をしました。
  〝定期考査の答案が返却されていると思いますが、間違ったところはしっかりと確認し、同じ失敗をしないようにしておいてください。
  今日は健康飲料のポカリスエットの話をします。今、世界でこのポカリが爆発的に売れている国がありますが、どこか分かりますか。それはインドネシアです。私も以前インドネシアで生活していたことがありますが、インドネシアは赤道直下にあって、人口は2億4千万人、人口の90%はイスラム教徒です。約1万8千の島からなり、実にアメリカ合衆国の東海岸から西海岸の距離に点在しています。
  大塚製薬がインドネシアでポカリを売り出したのは1997年ですが、当時飲料水の主流は甘い清涼飲料水でした。甘くないし酸っぱいと思われていたポカリを売るためには、新しい飲料であることを訴求し、長い目で見たビジネスを考えることが不可欠です。そのため通常の販売方法ではなく、文化や風土に根差した売り込みをはかることにしました。具体的には
①50人ほどの販売促進員を中心に足で稼ぐ営業をスタートさせた。
②赤道直下で暑いという気候風土の中で、熱中症予防や下痢や脱水症状の際の水分補給に役立つことを地道に訴え続けた。
③年間5千~6千回の販促会を開催し、口コミで市場を広げることにした。
④2004年に発生したデング熱(発熱し、高熱が続き発疹が出る)の大流行をとらまえて、健康飲料としての認知度を一挙に高めた。
⑤2005年から断食月(ラマダン)向けキャンペーンを始めた。宗教に立ち入るのは良くないと躊躇する日本人に、販売員たちは「ラマダンは文化」と気にかけず、ラマダン限定のTV・CMを作り、モスク周辺で礼拝帰りの人にサンプルを配った。等です。
  価格は500mlのペットボトルで約47円ですが、2011年の販売見込みは6億本で、この10年で30倍になりました。これは、日本の販売量の半分に達する勢いであり、このまま推移すると、近い将来世界一の販売高になることが予想されています。この成功例でも分かるように、風土や文化の異なる海外市場を攻略するためには地に足のついた売り方が欠かせないということになります。〟
  今、日本の飲料各社は円高を生かしたM&Aや海外拠点の設立等に動き始めています。サントリーも東南アジアでの戦略強化の一環として「サントリー食品アジア」をシンガポールに新設しました。これらの動きは飲料業界に限ったものではありません。これから多くの業界各社の動きを注視していきたいものです。
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2011年10月18日

環境大使による黒豆採取

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  本校では、環境大使によるさまざまな自主活動を行なっています。この中の一つが〝黒豆栽培〟です。先週の日曜日、秋晴れのさわやかな天候の下、環境大使と有志のご家族、担当教員が篠山で黒豆の収穫を行ないました。この黒豆栽培は篠山市辻営農生産組合の組合長をされている青野さんのお力添えで実現しました。今から半年前になる4月に、本校教員のお父さんの紹介で青野さんにお会いして畑をお借りすることになったのです。その後、5月に種まきをし、雑草抜き、土寄せ、支柱立て等の農作業を行ない、やっと収穫作業にこぎつけました。
  青野さんには毎回、作業の前に生徒達に農業に関する興味深い話をしていただいています。今回のテーマは「獸害について」でした。篠山では、鹿やイノシシの害を防ぐために、柵を作りネットを張り、その外側には電気柵を張リ、イノシシの嫌がる音が出る音波発信器を取り付ける等の対策を行なっているとのことです。このように、野生動物による重大な被害を受けており、ヌートリアに餌を与えるような行為は農家から見ると非常に残念なことであるとのお話でした。。
  青野さんからは、訪問の都度、農器具をはじめ休憩のためのシートまで準備していただく等、実に細やかな気遣いをしていただいています。今年の黒豆は、豆のつく割合がとても良いそうで、たくさんの豆が枝についていますが、生育に関しては少し未熟なものもあるとのことです。また、苗付けの後すぐに鹿の被害を受けたため、全体の高さが低いとのことでした。獣害については、これまでも機会のある毎にお話を聞いてきましたが、実際に畑を転々と横断するイノシシの足跡や、鼻で掘り返した跡、鹿が食べてしまって地面に散乱している豆のサヤなどを目の当たりにして、生徒達もその問題の大きさを実感したようです。
  収穫の後、畑の水溝の整備をし、青野さんが用意してくださったお鍋をお借りして、採れたての豆を茹でてアツアツの黒豆をいただきました。そして、帰りには収穫した黒豆を1kgずつお土産にいただきました。この活動を通じて生徒達も農業の難しさや楽しさを体験したのではないかと思います。青野さんのご厚意に心より感謝申し上げます。


2011年10月17日

人口爆発のもたらすもの

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  これまでグローバル化や世界経済の多極化ということを何度も取り上げてきましたが、この根底にあるのは人口問題です。現在の世界の人口は既に69億人を超え70億人に近づいており、2012年には70億人の大台を突破するのは確実です。この人口の推移を見ると200年間に約6倍、100年間に約4倍になっているのです。これを10億人単位の到達年を見ていくと次の通りになります。
  ●1802年・・・10億人    (  )は人口が10億人増えるまでの年数
  ●1927年・・・20億人 (125年)   
  ●1960年・・・30億人 ( 33年)
  ●1974年・・・40億人 ( 14年)
  ●1987年・・・50億人 ( 13年)
  ●1999年・・・60億人 ( 12年)
  ●2012年・・・70億人 ( 11年)
    * 参考までに 1900年・・・17億人

  これから2050年にかけて、人口増加のスピードは減速していきますが、それでも40年足らずの間に世界の人口は途上国を中心として更に20億人増加することになります。そして、これらの人達が豊かな生活を求めていくのは当然です。振り返ってみると、20世紀は大量生産、大量消費、大量廃棄という経済モデルが確立された時代であり、これまで何億年、何千万年もかかって蓄積されてきた貴重な資源の大半をすべてこの100年間余で費消してしまいました。冷静に考えれば、このような生活パターンがいつまでも持続できるはずがありません。そして、食料・水・エネルギー・資源等の不足が深刻化してくることは避けられないでしょう。しかし、あまりにもこのことを身近な課題としてとらえている人は多くないようです。これらの時代は限りある資源を大切にし、いかに効率的に使っていくかを真剣に考えることが必要であると思っています。

2011年10月16日

新興国における新たなビジネス・モデル

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  グローバル化の進展に伴い、新興国における消費が爆発的に伸びることになり、新しい市場が次々と誕生してきています。これらの市場は、先進国におけるものとは全く異なる特色を持っているため、先進国での成功モデルは全く通用しないということになります。 これまでの多くの日本企業は、主に先進国に焦点をあてて経営活動を展開してきました。このため、製品についても同一機種を世界の先進諸国で同時発売するというやり方をとってきました。そして、新興国においては、一部の富裕層に限定して製品の供給を行なってきました。つまり、一般大衆については販売対象として考えていなかったということです。分かりやすいように自動車や電気製品を例に挙げると、インドで最も売れている自動車は20万円台、エアコンや冷蔵庫は2万円というように日本の10分の1の価格です。この価格を実現するためには、現在、日本国内で開発・製造・販売している方法では不可能です。材料費、人件費等のコストを一から見直していかなければなりません。そして、新たなビジネス・モデルを作り出していくことが必要になってきます。この結果、経営資源であるヒト・モノ・カネの流れに大きな変化が起こってきます。この中でも、学校教育にとって、とりわけ関係深いのは国籍を超えた「優秀な人材の獲得競争」が起こってくるということです。これからグローバル社会で活躍できる人材の育成をはかっていきたいものです。

2011年10月15日

第2回学園PTA協議会の開催

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  10月15日(土)午後、中・高等学校、小学校、幼稚園の各PTA会長・副会長と常務理事、事務局長、校園長・教頭の21名のメンバーが出席し、学園PTA協議会が開催されました。この会合は、毎年4月と10月の2回開催されています。
  最初に学園のPTA会長と常務理事から挨拶があり、続いて各校園のPTA会長から活動の報告、各校園長・事務局長から本年度前半の取り組みについて報告しました。私は現在進めている学校改革が第2ステージに入り、中学校にコース制を導入した年に入学した生徒が高校1年生になってきていること、外部模試の結果も伸びてきていること、遅刻者が激減してきていること、学校行事も活発に行なわれていること等をパワーポイントで説明しました。また、より理解を深めていただくために、これまでの学校改革の取り組みをまとめた『骨太のリーダー育成を目指して』という資料をお渡ししました。
  その後、PTAの役員の皆さんと活発な意見交換が行われました。とりわけ、幼稚園から小学校、中高までの一貫教育や各校種間の連携についての貴重な意見も出されましたが、これは私自身も以前から感じていることです。中高についてもこれまで必死に学校改革を進めてきましたが、今は各校種が独自に教育活動を行なってきています。本学園は幼稚園から高校までで大学がありませんが、これを最大のメリットと受け止め特色づくりを目指していくことが必要であると思っています。
  また、本校では家庭と学校が連携して子どもを育てるという「共育」を教育目標に掲げていますが、日常多くの中学生、高校生と接していて家庭教育が非常に大切であることを痛感しています。とりわけ幼少の頃にどのような育ち方をしてきたかによって物の考え方や行動パターンが決まってくるは間違いありませんし、大きくなればなるほどこれらを修正するのは難しくなってきます。
  これからも家庭と学校が連携し、学園に集う保護者と先生が力を合わせて、子ども達を育てていきたいものです。

2011年10月14日

継続することの大切さ

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  10月14日(金)、定期考査も3日目が終了し、明日1日を残すだけになりました。多くの生徒達の様子を見ていても、かなり睡眠時間を削ってテストに臨んでいるようです。振り返ってみると、私も試験の前日に明け方まで勉強したこともありますし、社会に出てからも期限ぎりぎりになってレポートをまとめるといったことも度々ありました。しかし、一晩で顕著に成果が上がるということはあまりなかったように感じています。勉強はスポーツや芸術等とは基本的に異なる面もありますが、共通する面も数多くあります。それは、ある程度の時間をかけなければものにならない、言い換えると「時間の絶対量」が必要だということです。
  昔から〝継続は力なり〟という言葉がありますが、何かを達成しようと思えば、少しでも良いから毎日やり続けていくことが大切です。仮に一晩徹夜しても生み出せる時間は6~7時間しかありません。1週間何も勉強せずに、まとめてやろうとしても限界があるのは当然です。毎日2時間集中して机に向かっていれば、1週間では14時間、1か月では60時間になります。ある日には5時間やったが、翌日、翌々日は全くやらない、ということでは結局トータル時間は少なくなってしまいます。
  また、細切れ時間を有効に使うことができるようになれば、驚くほど多くのことができるようになります。1日10分間としても1ヶ月では300分、実に5時間になります。1日に10分単位の時間を3回生み出すことができれば、1日で30分になります。これくらいの時間であれば、通学電車の中でも、学校でのちょっとした休憩時間の中でも簡単に生み出すことができます。社会で活躍している人の特長の一つは、時間の使い方がうまいということです。
  間際になってから慌ててスタートするのではなく、毎日小さなことを積み重ねていけば必ず結果はついてきます。定期考査はあと1日になりましたが、是非、効率的な時間の使い方を心がけて欲しいものです。

2011年10月13日

学力を高める

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  10月13日(木)、定期考査2日目を迎えました。本日もいつもの通り、早朝の登校指導を行ないましたが、生徒達は参考書や教科書やプリント等をそれぞれ手にしながら登校してきました。中には見るからに睡眠不足という表情の生徒も見受けられました。テストは午前中で終了しましたが、午後からも学校に残って先生に質問したり、自習している生徒もいました。このように、何事に対しても真剣に取り組む姿勢は素晴らしいと思います。
  また、職員室では先生達が既に終了したテストの採点を始めていました。、数人の先生にどのような結果になっているのかを尋ねたところ、高校生については穴埋め問題についてはできているが、応用問題は今一歩である、中学生については、単純な知識も十分にできていない生徒も散見されるという答えが返ってきました。特に、中学1年生の社会の答案を見ると、歴史上の人物や日本の地名が正確に書けていない生徒もごく少数ながらいることが解りました。定期考査に慣れていないことも原因かもしれませんが、小学校時代のように何とか要領でこなしていくやり方は通用しなくなります。これからは学習内容はどんどん難しくなってくるため、予習復習をする等しっかりとした学習習慣を身につけていくことが大切であると思います。
  一方、高校生で気になるのは、学習の基本が暗記するということになっていないかどうかということです。大学入試センター試験や各大学の入学試験は知識を問うものが多いため、今は多くの知識を有する生徒が優秀であるということになりがちです。勿論、記憶するためには、それなりの努力が必要であるのは言うまでもありませんが、これからの社会においては単なる知識だけでは不十分です。それぞれの学年によって、課題は様々ですが、一つ一つレベルアップをはかっていかなければならないと思っています。

2011年10月12日

定期考査がスタート

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  10月12日(水)、本日より定期考査がスタートしました。本校では昨年から3学期制に変更しましたが、2年目に入りすっかり定着してきたようです。また、6年前と比べると、生徒達のテストに対する姿勢も随分変わってきたように感じています。職員室の隣にある交流スペースでは多くの生徒達が解らないところを真剣に先生に質問していますし、数箇所の自習コーナーでも生徒達が勉強している姿が目に付きます。一口で言えば、学習に対して真剣に取り組む生徒が増加してきたということですが、これは先生にとっても嬉しいことです。
  今回の定期考査は台風時の臨時休業をカバーするため、4日間で実施することにしました。今、生徒達はテストに備えて必死に学習しているようですが、大切なことは結果をしっかりと受け止めることです。〝何ができなかったのか、何故できなかったのか〟を明確にし、同じ失敗をしないことです。また、先生にとっても生徒の理解度がどうだったのかを把握し、自らの教え方を見直す機会にすることが必要です。
  エクセレント・カンパニーと言われる会社には素晴らしい風土がありますが、これは学校でも同じです。そして、このような風土を維持することで、良き伝統が生まれてきます。そうすれば、結果は自ずとついてくると思っています。


2011年10月11日

宝塚市中学校英語祭に参加

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  10月5日(水),第8回宝塚市中学校英語祭(宝塚市中学校英語研究部会主催)が宝塚市立文化施設ソリオホールで行われました。参加校は中1が13校,中2が13校,中3が12校で60名以上の中学生が暗唱してきた英文を披露しました。
  本校からは中2生4名,中1生1名が参加しました。中2~3生の持ち時間は3分以内,中1は1分以内というもので,2人ペアで1つの英文を暗唱する学校もありましたが,本校の生徒は1人ずつが“主役”となって発表しました。テーマは自由ですが,それぞれが興味・関心のある題材を見つけ,時間内におさまるよう英文をリライトし,ネイティブをはじめとする多くの先生方の指導を受けながら原稿を完成,夏から練習に取り組んだ生徒が大半だったようです。中2生4名は学年集会で生徒全員の前でリハーサルし,英語科教員のみならず担任の先生にまでアドバイスしてもらったそうです。タイトルは中1生が“The Cowardly Hunter”,中2生が“I’m coming”“Simon and Tussy”“What’s More Important-Love or Money?”“The Story of Goldilocks and the Three Bears”です。内容もおとぎ話のようなストーリー仕立てのものからディベートに結びつくような論説調のものまでかなりバリエーションに富み,当日は立派な発表ができたようで,生徒達もかなり自信を深めたと聞き、非常に頼もしく感じました。また,アイ・コンタクトや感情移入などの細かいスキルもところどころに見られたとのことでした。
  先週、この催しに参加した5名の生徒が校長室に報告に来てくれましたので、記念写真を撮り〝たゆまぬ研鑽で世界に翔たく〟という言葉を添えておくりました。これからグローバル化が進展する中にあって、国際社会で活躍するためには語学力の習得が不可欠です。生徒達が今回の感動を胸に刻み,ますます精進努力していってくれることを願っています。

2011年10月10日

平成23年体育の日にあたって

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  本日は10月の第2月曜日で体育の日です。たまたま今年は第2月曜日が10日になりましたが、この10月10日というのは戦後の日本にとって実に記念すべき日です。
  振り返ると、第2次世界大戦で全土が焼け野原になってから、20年も経たない1964年(昭和39年)に東京でオリンピックが開催され、この大会で日本は柔道、重量挙げ、男子体操、女子バレーボール、レスリング、ボクシングで金メダルを獲得し、国民に勇気と感動を与えました。この輝かしい成果と感動を記念して開会式が行なわれた10月10日を、1966年(昭和41年)から『体育の日~国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日』として国民の祝日に制定したのです。また、この大会に先立って10月1日には最先端技術を結集した東海道新幹線が開通しました。
  その後、2000年(平成12年)からは「ハッピーマンデー法案」の制定により、体育の日は10月の第2月曜日になったため、必ずしも10日ということではなく今日に至っています。
  本日の新聞には文部科学省がこの体育の日に合わせて発表した昨年度の体力・運動能力調査結果が報道されていました。これによると、小中高生の総合成績は、今の形式で調査が始まった1988年度以降緩やかな回復傾向が続いてきていたが、今回は13年間で最高を記録したとのことです。ただ、運動をする子どもとしない子どもの成績差は拡大してきているようです。そして、子どもの頃に身についた運動や食事の習慣は大人になってからも引き継がれ、成人病にも繋がると言われています。本校では多くの生徒が運動クラブに加入していますが、そうでない生徒もしっかりと運動して欲しいものです。
  私も学生時代にはスポーツに親しんできましたが、最近は運動不足の日々が続いています。幸い、凌ぎやすい気候になってきていますので、この体育の日を機に健康維持のためにも体に負担にならない軽い運動から始めたいと思っています。

2011年10月09日

多極化する世界~BRICsに続くVISTA

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  19世紀から20世紀初頭にかけては、世界は完全に欧米の2極を中心に動いていました。そして、第二次世界大戦後には世界の奇跡と言われる復興を遂げた日本を加え、世界は日米欧3極へと移行し、先進7ヵ国(G7)と言われるアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・カナダ・日本が世界をリードし、政治経済面での安定をはかってきたのです。この中でも超大国アメリカの力は絶大で、長い間「アメリカ一極集中」とさえ言われてきました。しかし、同時多発テロやイラク戦争等でアメリカの存在感は低下し、BRICsと言われるブラジル・ロシア・インド・中国が経済的に大きな影響力を持つことになりました。とりわけ、中国の経済成長は目覚しく、ついに日本を抜いてGDP(国内総生産)世界第2の経済大国に躍進することになりました。また、世界第2位の人口保有国であるインドも急速に発展を遂げつつあります。
  更に、今、世界では更に大きな変化が起りつつあります。それはBRICsに続く新興国の台頭です。この代表格がVISTAと言われるベトナム・インドネシア・南アフリカ(サウス・アフリカ)・トルコ(ターキー)・アルゼンチンです。やがて、これらエマージングカントリー(新興国)が世界のGDPの過半を占めるようになってきます。このように、これからの半世紀は急速に世界多極化の時代に向っていくことになります。
  現在、日本社会は少子高齢化に伴う労働人口の減少や需要の低迷、社会保障費の増大等大きな転機を迎えていますが、世界の中で起きている大きな潮流をしっかりととらえておかなければならないと思っています。

2011年10月08日

指定校推薦入試受験者への講話

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  10月8日(土)午後、高校3年の指定校推薦入試を受験する生徒に対する講話をパワーポイントを使って行ないました。近年、少子化の影響で、生徒数は減少傾向にあり、大学としては早期に入学者を確定したいということで、多くの高校に指定校の枠を付与しています。このため、本校の指定校枠も年々増加してきており、現在は500を超える数字になっています。これは、学校、学部を選ばなければ、生徒一人当たり平均2つの推薦枠があるということになります。しかし、本校では進学にあたって、単に大学の名前を重視するのではなく、あくまで将来の進路を考えて大学と学部を選ぶように指導しています。また、選抜特進のクラスについては、指定校の推薦はしないということにしています。このため、今年は、この枠を利用する生徒の割合は一桁台、約40名ということになりました。
  本日のテーマは『これからの社会で生きぬく力」~世界が変わる、日本が変わる、仕事が変わる、仕組みが変わる~です。最初に、指定校推薦は大学と本校との信頼関係がベースになっている、言い換えるとこれまでの先輩達の実績に基づいている、ということを紹介し、雲雀丘学園を代表しているという気持で取り組んで欲しいという話をしました。続いて、世界や日本の現状、これからの世の中のトレンドを説明し、今、日本はまさに正念場を迎えていること、一方で急速な技術革新によってこれから新しい仕事や仕組みが続々と生まれてくること、世界で役立つ仕事は限りなくあること、社会で活躍するためには、人間としての土台をつくること、そのためには雲雀丘の創立の精神や校是をしっかりと体得し、充実した学校生活を送ることが大切であるとの話をしました。そして、大学入学がいち早く内定しても、浮かれることなくクラス一丸となって、センター試験に臨むことをお願いしました。生徒達が最後まで目標を持って高校生活を送ってくれることを期待しています。

2011年10月07日

AO入試受験者に対する指導

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  近年、大学全入時代を迎え、早期に生徒確保する動きが加速してきています。そのため、大学入試は実に多様化し、年々一般入試以外にAOや公募推薦入試を採用する大学が増えてきました。今年も9月以降、多くの大学でAOや公募推薦入試が本格化しはじめ、本校でもこれらの受験に臨む生徒がいます。これらの入試はペーパーテストでははかれない問題発見能力や課題解決能力を重視するということで、面接や小論文試験が中心になっており、集団討論等を実施するところもあります。
  AO入試はアメリカの大学で通常行なわれている選抜方法で、受験生に対して期待している資質・能力は「コミュニケーション力」「探求心」「論理的思考力」が上位を占めていますが、将来社会に役立ちたいという強い思いがベースになければなりません。
  現在、受験者に対して進路指導部や担任が自己推薦書や志願書の作成、面談等の個別指導を行なっています。主な指導ポイントは〝「何のために大学に進学するのか」「将来どのようなことをして社会に貢献しようとしているのか」「何故この大学・学部を選んだのか」をキッチリと整理して自分の言葉で表現できるようにしておくこと。〟等です。また、入室の仕方や挨拶、頭髪、服装、話し方といった基本的なものから、高校生活を通じて特に注力してきたこと、本校で何を学んできたのか、自己のセールスポイントは何か等の質問を通じての指導を行なうことにしています。
  しかし、大切なことはしっかりとした基礎学力を身につけておくことです。AO入試合格者については一般入試合格者と比較して、基礎学力が不足しているということが指摘されています。これでは、将来社会に出た時に役に立つ仕事はできません。
  私も時間の許す限り、動機付けも含めた面談指導を実施していきたいと思っています。

2011年10月06日

雨水タンクの設置

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  本校では、将来社会を担うリーダーの育成を目指し、「人間教育」と「学力の向上」を教育方針に掲げており、この「人間力を高める」ための柱として、これまで環境教育に注力してきました。
  環境教育の狙いは「環境に配慮することにより、人間に対する優しさや真心を育てる」ということです。これの実現のために段階目標として、「①関心、②理解、③行動」の3つ、わかりやすく言えば、「学び・調べ・考え・行動する」ということを掲げています。そして、学年・教科・生徒会・環境大使を中心に、実際に「知る・気づく」「親しむ・体験する」「行動する」ことを様々な場面で体現し、更にこれらを「伝える」ことによって、環境活動の輪を広げてきています。特に、環境大使と生徒会は「伝える」中心的存在として、これまで様々な視点から環境活動を全校生徒へ提案し、大きな成果をあげてきました。
  この環境教育の一環として、本校では雨水の利用にも積極的に取り組んでいます。まず、平成22年に完成した新校舎には雨水を利用した屋上緑化給水システムを設置しました。続いて、本年度からは、グラウンドへ続く生徒専用地下通路の入口部分に新たに雨水タンクを設置し、より多くの生徒が雨水利用について具体的に考え、知る機会を増やしてきました。更に、今年8月、大阪で開催された『第4回雨水ネットワーク会議全国大会』において、本校の環境大使のメンバーが、一般企業に混じって、本校での雨水利用の取り組みについて発表し、来場された多くの方に感動を与えました。そして、この大会の参加企業の1社である(株)パナソニック電工様から、本校の環境教育に役立つのではないかと提案をいただき、同社の雨水貯水タンク「レインセラー」2台を、生徒会役員が中心となって、食堂南側の花壇に設置しました。この場所は、生徒にとってもよく目につく所です。
  21世紀は「水の時代」と言われるように、地球規模で水不足が深刻化することが予想されます。これらの取り組みを通じて、生徒達が水の大切さを実感して欲しいと思っています。

  なお、この内容は(株)パナソニック電工様のホームページにも掲載されていますので、参照ください。。
 
     http://sumai.panasonic.jp/amatoi/raincellar/jirei.html

2011年10月05日

中学全校朝礼の開催~相手の立場に立つ

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  10月5日(水)、定刻の5分前には中学の全員がグランドに集合し、全校朝礼を行ない、次のような話をしました。
  〝10月1日は、雲雀丘学園の創立記念日でした。皆さんもわかっていると思いますが、学園の創立の精神は「親孝行な人はどんなことでも立派にできる」という“孝道”です。そして、本校では社会で役に立つ人材を育てることを目指しています。皆さんは、やがて社会人になりますが、これからの学校生活においてどのような姿勢が大切なのかを話します。
  それは、相手の立場に立って物事を考え、行動するということです。皆さんは、仕事というものをどのように考えていますか?わかりやすく言えば“困っている人を助ける”“不満に思っていることを解消してあげる”“自分がしてほしいことを相手にしてあげる”ということです。 今成長しているところは必ずこのような姿勢で活動しています。
  今日はコンビニエンスストアの事例を紹介します。皆さんが知っているコンビニにはどういうものがありますか?セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなど色々ありますが、コンビニでは、常にお客様の立場に立って、新しい商品の開発をしています。コンビニは1927年(今から84年)、アメリカでサウスランド ・アイスという氷を販売する店が日用品や雑貨、食料を品揃えして販売を始めたのが最初です。この店は営業時間が朝7時から夜11時までだったので、セブンイレブンと名付けられました。
  ところで、今年の夏、コンビニで大きく売り上げを伸ばしたものがあります。それは何かわかりますか?アイスクリームや氷菓子も増えましたが、意外なものがヒット商品になりました。それは、鶏の唐揚げやコロッケという揚げ物です。そのきっかけは東日本大震災ですが、電力が不足するため家庭では節電志向が強まるため、揚げ物が売れると考えたのです。そして材料の確保やメーカーとの折衡等を短期間で立ち上げ、注文に応じて店で調理することにしたのです。この予想は見事にあたりました。
  また、これまでコンビニはお客様の立場に立って、色々な新しい取り組みを行ってきています。商品面においては、季節に合わせて、おせち料理・バレンタインチョコレート・クリスマスケーキ・節分の恵方巻きと次々に新しい企画を行なってきました。暖かいおでんもヒット商品の一つです。このように、自らが考えたことがうまくいった時は、達成感があり実に楽しいものです。
  自分の仕事を通じて人に喜んでもらう、そして自分がやりがいを感じるということが大切なのです。どうか、これからの学校生活を通じて、相手の立場に立って物事を考え行動するという習慣を身につけて下さい。そうすれば必ず将来社会で役立つ人間になれると思います。〟


2011年10月04日

環境対応車の開発

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  前述したように、19世紀の後半には、蒸気自動車、電気自動車、ガソリン自動車が完成度を高めていましたが、機構上の問題と油田の開発によってガソリン車に集約されるようになりました。しかし、安価な石油とガソリン車の普及によって、地球温暖化という環境問題を発生させることになりました。現在の状況が予測されていたなら別の動きになっていたかも知れません。
今、世界各国の自動車メーカーは環境対応車の開発にしのぎを削っており、政府も普及に対する助成を行なっています。これらは「低公害車」や「エコカー」とも呼ばれ、従来のガソリン車やディーゼル車に比べて、排気ガスによる大気汚染物質(窒素酸化物や硫黄酸化物等)や地球温暖化物質(二酸化炭素等)などの排出が少ないのです。この環境対応車にはさまざまな種類があり、代表的なものとしてはガソリンエンジンと電動モーターの二つの動力を効率良く切り換えて走る「ハイブリット自動車」やバッテリーからの電気でモーターを動かして走る「電気自動車」、天然ガスを燃料にした「天然ガス自動車」、メタノールを燃料にした「メタノール自動車」がありますが、これらに加えて「低燃費・低排出ガス認定車」も含まれています。
  課題は、走行性能の向上、価格の低下、エネルギー充填スタンドの整備等ですが、将来的には自動車のほとんどが環境対応車に置き換わっていくのは間違いないと思います。

2011年10月03日

自動車の歴史

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  自動車の世界生産は平成19年(2007年)には5400万台規模まで拡大しましたが、リーマンショック等の影響で先進国を中心に、現在は減少してきています。しかし、今後は途上国を中心に需要が拡大し、2020年には7200万台規模になるのではないかと予測されています。自動車産業は裾野が広いため、これからも注目すべき産業になるのは間違いありませんので、これから自動車について何回かにわたって取り上げてみたいと思います。
自動車の歴史を紐解くと、1886年に、ドイツのダイムラーとベンツにより現在のガソリンエンジンとほぼ同じものが開発されたのを皮切りに、フランス、イギリス、アメリカなどでも今日に通じるガソリンエンジンの車の生産が始まりました。当時は電気自動車や蒸気自動車も完成度を高め、いずれも相当な台数が街を走っていましたが、蒸気自動車と電気自動車はともに機構上の問題があることと前述したように、1901年の「テキサス油田」が発見されたことにより、ガソリンエンジンの普及に拍車がかかることになりました。この結果、自動車工業の舞台から次第に姿を消していくことになったのです。実は発明王のエジソンも電気自動車の改良に注力していたと言われています。
とりわけ、アメリカのヘンリー・フォードフォードは流れ作業が可能な「ベルトコンベアによる組立ライン」を導入することによって、自動車を大量生産し販売価格を下げることに成功しました。これによって、一部の富裕層の所有物であった自動車が大衆化されることになり、自動車産業は巨大なものになりました。そして、年間の生産台数は1920年までに100万台を突破し、アメリカの自動車の半数はT型フォードとなったのです。
  日本では1930年代にトヨタが最初に自動車の開発を手がけることになりましたが、今日の地位を築き上げるまでには血の滲むような努力と紆余曲折があったのです。
                                          《続く》

2011年10月02日

石油の歴史

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  石油の歴史を紐解くと、17世紀にルーマニアで灯油として使われていたという記録が残っています。その後、アメリカのペンシルベニア州やテキサス州において大油田が発見され、石油の商業化が始まり、それまで使われていたランプの燃料である植物油に代わる便利な燃料(灯油)としての需要が急速に増えていきました。
  石油というエネルギーを語る上で、切っても切れないのが発明王と言われたエジソンとの関係です。エジソンは電気を使用してさまざまな製品開発を行なっており、1879年に電球(白熱灯)を発明しました。この結果、照明は灯油ランプから電気へと置き換わっていくことになり、石油企業としては市場の多くを失う恐れが出てきたのです。
  ところが、1885年にドイツでゴッドリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハという技術者が、ガソリンエンジンを搭載したオートバイを開発し、その翌年には、カール・ベンツというドイツの技術者が三輪乗用車を作りました。これは、世界初のガソリンを搭載した自動車ですが、間もなくアメリカで「T型フォード」というガソリンを燃料とする自動車の大量生産・販売が始まりました。そして、自動車のエンジンは、石炭のように人が燃料をこまめに補給しなくても、燃料タンクへガソリンなどの燃料を一度入れてしまえば、一定の距離を走ることができるため、コンパクトな移動・輸送手段が欲しいというニーズに応えることになり、急速に石油の需要が増大することになりました。その後、石油を使った多くの技術が開発され、石炭から石油へとエネルギー転換が急速に進むことになりました。更に、1903年にはライト兄弟によって発明された飛行機の登場により、石油の消費がますます増大し、20世紀は石油を中心に工業化が進展することになったのです。

2011年10月01日

第2回 中学オープンスクール&入試説明会の開催

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  10月1日(土)、第2回中学校オープンスクール・学校説明会を開催しました。本日は、天気が崩れるのではないかと心配していましたが、素晴らしい秋晴れになり、野外でのクラブ体験もしていただくことができました。ただ、本日は多くの市で中学の運動会が開催されたり、他の学校との説明会と重なったこと等もあって、参加いただけなかった方も多かったようです。
  また、本日は雲雀丘学園にとっては、記念すべき61回目となる創立記念日を迎えました。本校は現在、学校改革を進めていますが、この基本の考え方は「創立の精神の体現」です。この記念日にあたって、親孝行な人は立派になれるという「孝道」をしっかりと確認し、将来社会で役立つ人材の育成に努めていきたいと思っています。  
  なお、11月6日(日)には、本年最後となる中学校説明会を予定しています。また、いつでも教育相談や授業参観、校舎見学の受け入れを行なっていますので、ご一報の上、ご来校ください。


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