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2014年06月30日

期末考査準備

 ニュースで得点シーンを見るから、より一層その感が強いのかもしれませんが、決勝トーナメントに入り熱戦と好試合、スーパープレイが繰り広げられているサッカーW杯です。リーグ戦とトーナメント戦による戦い方の違いもあるのでしょう。国際舞台で活躍している名選手にして涙する場面もありました。国を代表して戦うプレッシャーは想像以上のものがあるようです。
 予選リーグで一勝も挙げられず敗退した日本チームは、強化試合の対戦相手はとか、選手の意識や技術の問題に監督の采配、果ては大会に臨むキャンプ地まで反省材料が一杯あるようです。また、これはどの国にも共通する課題ですが、4年に一度、しかも大会初戦に万全のコンディションにもっていくピーキングの問題もあります。
 オリンピックやW杯が4年毎なら、ほぼ2ヶ月毎にやってくるのが定期考査です。日常の学習の上に、考査に向けて特別の体制で臨む考査準備が大切になってきます。授業で学習した時は出来たとしても、そのままにしておいては忘れたりして出来なくなります。「出来た」と「解った」とは違います。その時「出来た」としても、その後も出来る保障はありません。再現可能なように暗記だけではなく理解までレベルアップしておかなければなりません。学習したことが定着しているかどうかを確認するとともに不十分なところを再学習して考査に臨む。これも謂わばピーキングの問題です。
 中学生は中体連の大会もあります。限られた時間の中で複数の課題に挑戦することから集中力も鍛えられます。何々があったから出来なかった、とならないように対策を立てて考査に臨みましょう。

2014年06月29日

電磁波が渡り鳥に影響

 子どもの頃、ツバメが低く飛べば雨、高く飛んでいる時は晴れとか言ったりして天気予報をしたものです。ところが、最近街中でツバメを見かけなくなりました。田畑の減少や住環境の変化で巣を作る場所がなくなったり、カラスの増加などが影響していると考えられています。ツバメは夏にかけてやってくる渡り鳥です。
 季節とともに移動する渡り鳥は、体内に地球の磁場を感知するコンパスを備えていて、それにより定位を行ない、渡りの経路ををたどるといわれています。そのコンパスを、私たちが使う電子機器やAMラジオ信号による干渉で狂わせている恐れがあるという研究結果がNature誌に報告されました。渡り鳥のヨーロッパコマドリを太陽や星を手がかりにできないように木製の小屋の中で飛ばす実験をしたところ、小屋をアルミニウム板で覆い、接地(アース)をして50kHz~5MHzの周波数帯域の電磁ノイズを遮断したところ方向感覚を取り戻したというのです。都市化や住環境など目に見える変化だけではありません。電子機器やAMラジオの電磁波が渡り鳥の飛来に影響を与えている可能性がでてきました。
 この実験が行なわれたのがドイツのオルデンブルグ大学の構内です。オルデンブルグと言えば、この街にヘルバルト校があります。ここの生徒が11月本校にやってきます。平成11年から始まった交流です。最近は相互交流とはなっていませんが、2年ごとに秋になると来校され交流が行なわれています。

2014年06月28日

6月最後の土曜日

 昨夜からの雨も明け方には上がりました。梅雨空の様相を呈しながらも晴れ間が見える一日でした。沖縄地方は例年より3日遅い梅雨明けとの発表がありました。この辺りでは、今のところ本格的な梅雨とはなっていない様子です。この調子では7月に「帳尻合わせ」のような豪雨が襲ってくるのかもしれません。そう言えば、エルニーニョが発生し、今年は冷夏で暖冬となり梅雨明けも遅れるとの予想でした。
 きょうは6月最後の土曜日です。朝から「サルーン雲雀丘」に参加される方が来校されました。この企画は昨年度より始めたものです。説明会とは違った観点から雲雀丘学園を知っていただこうと企画したものです。参加者も30組と限定し参加者同士も話し合いができるようにしています。今回は小学校4年生から中学3年生までの児童・生徒と保護者が参加されました。
 学校行事では高校2年生のD・E・F・G組の保護者茶話会に中学2年生学年懇談会と学級茶話会、PTA実行委員会がありました。PTA関連行事は保護者が参加しやすい土曜日の午後に設定されることが多くなります。特に6月は毎週のように懇談会が行われています。
 一学期も後わずかになりました。今年の夏も林間学舎に強化勉強会、夏期講習、研究者体験、高校ニュージーランド研修、中学カナダ研修が行われます。サイエンスキャンプも「アカデミックサマー」となりより充実したものになります。学びには「帳尻合わせ」は通用しません。「個の成長」を目指す夏休みを前に一学期の締めくくりに向け期末考査の取り組みに全力を挙げてくれるものと期待しています。

2014年06月27日

高校受験早期化に対する対応を

 平成27年度高校入試から兵庫県の学区が現行の16学区が5学区に再編されます。受験生にとっては選択肢が広がることになります。多くの学校の中から自分に合った学校を選べることになります。一方で、選択肢が広がればそれだけ序列化が進むということも他府県の例を見るまでもなく明らかなことです。今年の志願状況がどうなるのか気になるところです。
 また、公立高校も前期・後期と2回の入試を行なうことがすっかり定着してきました。兵庫県は2月14日推薦入学・特色選抜入試、大阪府は2月23日前期入試とそれぞれ2月と3月の2回入試を行なうことになっています。その結果、2月は中学3年生にとっては入試のピークの月となっています。近畿一円の私立校高が2月10日に入試を行ないます。兵庫県の生徒はその4日後の14日に公立高校の前期入試、18日に兵庫県私学の1.5次入試、この間に大阪府私学の1.5次入試となっています。
 私立中学入試が、昔は3月に行なわれていたものが今では1月の第3週頃の実施と早まってきました。高校入試も昔は2月が私立、3月が公立という感じでしたが、すっかり2月が受験のピークと早くなってきています。年々早く、しかも競争が激化してくる感じの高校入試です。数年前までは、入試相談も一学期は中学入試、二学期以降は高校入試と言う感じでしたが、公立高校の動きも影響してこの図式は崩れてきました。受験が早くなり、その上機会が増えたとはいえ、「行ける学校」ではなく「行きたい学校」を目標として努力することに変わりはない筈です。

2014年06月26日

公立高校の学区再編とは

 第1回目の中学オープンスクールの申し込みが始まっています。今後、これに引き続き高校オープンスクールと来年度入試に向けての取り組みが本格化します。
 高校入試では、兵庫県の公立高校入試が来年度から学区の再編が行なわれます。現行は16学区ありますが、それが5学区に縮小されます。学区が縮小されるということは、多くの学校の中から選択することができるということですから、選択肢が広がることになります。現行では受験できる学校の選択肢は4〜14校だったのが、再編後は9〜34校に増えます。
 学区再編では、隣の大阪府が従来は4学区あったものが撤廃されたという動きがありました。府公立中学校長会の今春の進路希望調査では、他学区を志望した生徒は前期で3.9%、後期で5.2%だったとしています。この数字をどう見るかということですが、圧倒的多数は従来の学区にある学校、言い換えると自宅から近い通学に便利な学校を選んでいるということになるのではないでしょうか。反面、僅かな受験生が進学特色校と言われる一部の学校を学区を超えて志願していたということになります。
 私立学校はそれぞれの学校が「建学の精神」を持ち、それに基づく特徴ある教育を行なっています。それに共鳴し、元々私学には学区がありませんから居住地から遠い学校を選択するということがあります。しかし、公立高校は私立学校とは設立の趣旨や成り立ちが違います。居住地の近くに「行きたい学校」をつくることが大切であって、学区縮小や撤廃により「行きたい学校」が選択できますというのは少し違うように私は感じます。

2014年06月25日

生徒の手による中体連壮行会

P1011554.jpg きょうの1限目のLHRは、中学生が体育館に集まり「中体連壮行会」を行いました。中学校体育連盟を略して中体連です。運動部の大会を組織するものですが、きょうの壮行会は「中体連」と銘打っていますが文化部も含めたものです。この企画は中学3年生を中心にこのような取り組みを行おうということで計画され実現したものです。今年度初めて実施するものです。
 1・2年生が体育館に集合し整列しているところへ、3年生の生徒代表の司会のもと吹奏楽部が「栄冠は君に輝く~全国高等学校野球選手権大会の歌~」を演奏する中、運動部の3年生部員はユニフォーム姿で拍手で迎えられながら入場してきました。私が教職員を代表して「激励の挨拶」を行いました。選手代表が宣誓を行い、その後、各部のキャプテンが決意表明と応援のお願いをしました。中学生徒会代表の「激励の言葉」のあと、ギター・マンドリン部の演奏のもと全員で学園歌を斉唱し壮行会を終了しました。最後に、応援に対する注意事項やマナーについて野球部のキャプテンがすべての部を代表して生徒に呼びかけました。
 初めての試みでしたが、各部のキャプテンの決意表明は気持ちのこもった立派なものでした。試合に参加する者、応援する者が気持ちを一つにしてこれから繰り広げられる各種大会に臨むことになります。先日の環境フォーラムに続き生徒自身の手で運営される行事が新たに誕生したことになります。工夫を重ね今後も継続されていくことになるでしょう。

2014年06月24日

一学期総まとめの時期

 早いもので6月もあと一週間足らず、一学期もあと一ヶ月足らずとなりました。入学式に体育大会、中間考査などの学校行事とともに自然学舎やオリエンテーション合宿、修学旅行などの各学年の行事、中学生の環境フォーラムと様々な行事が一学期に集中しています。新しい年度のスタートが一学期ですから、このような諸行事を通してクラスや学年の集団づくりも加速されてきたことと思います。
 部活動においても新入部員を迎え、新チームとして活動してきました。市の大会や地区の大会、県大会と様々な規模での大会も行われてきました。高校運動部の大会、高体連の大会はほとんどの種目の県大会が終わりましたが、夏の風物詩となっている高校野球は、抽選会も終わりこれから各地で甲子園を目指して熱戦が繰り広げられることになります。本校も対戦相手が決まり初戦突破に向け練習にも熱が入ることと思います。初戦は単なる一つの試合というものではありません。流れや勢いをつける意味からも大切な役割を果たします。練習の積み重ねにより各自の技量とチーム力をアップさせることになりますが、「試合での勝利」はそれを一段と加速させることになります。また、中学運動部の大会、中体連の大会はこれから夏の全国大会に向けて市・地区・県の大会が行われて行きます。
 部活動に期末考査と一学期を締めくくる大切な時期になってきました。「文武不岐(ぶんぶふき)」、学問を極め何が正しいかを知ることは武道のきびしい修練を積み人として向上することに通じる、その逆も真なりです。文と武は岐れず(わかれず)、両方とも追求することが大切です。

2014年06月23日

共感を呼ぶ日本人サポーターの応援マナー

 日本からすると地球の裏側に当たるブラジルでサッカーW杯の熱戦が繰り広げられています。4年に一度の大舞台、ここでの活躍が各自の評価につながるプロの世界です。最高のパフォーマンスを発揮しようと頑張っているところに素晴らしいプレーの数々が生み出されているのだと思います。
 対戦相手がある競技です。前評判通り実力を発揮しているところがあるかと思えば、スペインやイングランドが一次リーグで敗退するという「番狂わせ」や苦戦を続ける日本など様々です。予想通りの展開にならなかったりすると「自分たちのプレーができていない」など作戦面や監督の采配について議論が飛び交うのはどの競技にも共通しています。しかし、相手があることです。それぞれが「自分たちのプレー」を貫こうとしています。言い換えると相手に「自分たちのプレー」をさせないようにしようとしているのです。それを打ち破るところが難しいところです。日本も一次リーグ最後の戦いを残しています。悔いの残らないプレーを期待するのみです。
 W杯で苦戦する日本チームとは裏腹に、日本人サポーターは世界から高い評価を受けているようです。応援席をジャパンブルーで染めようと青いビニール袋を膨らませて応援しています。試合が終わった後、勝敗に関係なくゴミを出さないようにと応援に使ったビニールにゴミを拾い集め入れているサポーターの姿がネットを通じ世界中に発信され注目されているそうです。サッカーの応援では、ヘイトスピーチやバナナを投げ込むなど暗いニュースがありました。それを吹き飛ばす日本人サポーターの相手に関係なく誰でもできる素晴らしい行動が共感を呼んでいます。

2014年06月22日

「夏至、乃東枯(なつかれくさ かるる)」

 昨日の神戸地区の日の出は午前4時46分、日の入りが午後7時16分でした。一年で最も昼が長い夏至でした。昼の長さは14時間30分ということになります。これから昼の長さが冬至に向けだんだん短くなっていきます。
 昼の長さや太陽の南中高度の変化、季節の移り変わりは地軸が傾いているから起こる現象です。地軸は公転面に対して約23.4度傾いています。この傾きによって北緯約66.6度地点では夏至には太陽が沈まない白夜となり、それより以北の地点では夏至を挟んでその前後の期間が白夜となります。冬至ではその逆となり太陽が昇らない日がでてくることになります。地軸の傾きはこのような幻想的な演出もします。日本には季節が明確に変化する四季があると言われます。これも地軸の傾きがなせる技です。誰が傾けたのか粋な計らいをしたものです。
 昨日から二十四節気の「夏至」、それを更に細かく分けた七十二候では「乃東枯(なつかれくさ かるる)」に入っています。乃東とは夏枯草のことで、田んぼの畦などでよく見かけられる紫色のきれいな花を咲かせているウツボグサのことです。ウツボグサは多くの草木が枯れる冬至の頃に芽吹き、反対に多くの草木が成長し緑が濃くなる夏至の頃に枯れていくことから夏至の初候「乃東枯」となっているようです。同じ環境でも違う育ち方をするものが存在するのが自然界です。大きな流れ大勢に目を向けることは大切なことですが、それとは違う小さな流れも見逃さなずそこに焦点をあてて捉えるという見方を大切にしたいものです。

2014年06月21日

環境フォーラム2014

H26.6.21%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0%20%284%29.jpg 環境フォーラムが行なわれました。環境問題に中学校として取り組むと2008年に宣言して以来毎年行なってきました。今年で7回目となる中学生の運営による環境フォーラムです。
 中学1年生が1本、2年生が3本、3年生が3本の計7本のレポートがありました。入学してまだ2ヶ月しか経過していない1年生は学校の中にヒッソリと生えている草木を調べた「雲雀丘学園の植生」のレポートを発表しました。2年生は阪神地区で最優秀賞を受賞した「ゴミの分別」や、里山保全活動として地域の方々と協力して取り組んでいる「きずなの森保全活動を行なって」、環境大使の取り組みをロールプレイングゲーム風に自作した「環境大使RPG大使クエスト」を披露しました。3年生は英語を交えて探求の授業で取り組んだ「環境と神様」と近畿大学のマグロの養殖の調査研究を行なった「SPPマグロの養殖」、京都大学の先生から指導を受けた「家庭ゴミの調査京都大の場合」です。
 今回は7回目のフォーラムです。英語で発表内容を紹介するというのは今回初めての試みでした。伝統の力と言うか回を重ねる毎に発表の仕方や内容がレベルアップしてきているように感じました。
 今回の発表の講評と基調講演を大学教授でツリークライマーのジョン・ギャスライト氏にお願いしました。講演内容は「地球は大きな貯金箱」でした。「貯金箱は貯めてから使うもの。貯めないで使ってはダメ」、未来のために、使い切るのではなく貯めていく生き方をしないというものでした。
 最後に生徒会から環境活動に取り組もうと力強い訴えで「環境フォーラム2014」を終えました。

2014年06月20日

大阪私学経営者協議会の皆さんが視察に来校

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 2時から受付を始め、2時半から授業見学の予定でしたが、受付を始める2時前には皆さん集合を完了されていました。さすがに時間を大切に活動されている方々だと感心した次第です。中1から高3までの全ての授業を公開していましたので、予定を早め2時過ぎからそれぞれお目当ての教室へ向かっていただきました。6時間目の授業は2時20分からです。業間の休み時間から生徒たちの様子を見ていただくことになりました。その後、施設見学をしていただき会議室で研修会を行いました。
 研修会では、私の方から雲雀丘学園の学校改革の取り組みを簡単に紹介させていただき協議に入りました。「コース制導入に踏み切った強い思いは何だったのか」、「公開授業旬間とありましたが、これも教員研修の一環だと思いますが他にどのような研修を行なっているか」、「雲雀丘には大阪から沢山の生徒が来ていると聞きました。反対に私たちの学校も兵庫県からの生徒は1/3ほど居ます。大阪と兵庫の就学支援金の違いがあると思いますがその影響はどうですか。またその為の対策をされていますか」、「教員の勤務に関して」など様々な観点からの意見交換を行ないました。
 私学経営が厳しい現状にあって、公教育を担う私立学校がその良さを生かし公立学校ではできない教育を行なって行くために府県の違いを超え互いに協力し合い、頑張りましょうと呼びかけ研修会を終わりました。

2014年06月19日

学びのキーワード「融合」

 「化石燃料と再生可能エネルギーに関する以下の設問」、「植物からエタノールを生成して燃料として利用するバイオマスエネルギー」という文章を見ると生物の分野や理科の内容だと想像する人が多いと思います。これは、今年度東京大学の2次試験「地理」の問題に出てくる文章です。地球温暖化について問うている問題ですから生物分野、地学分野といった理系の知識が必要になります。
 国語や英語といった文系分野の教科の学習において、理系の知識が必要ないとは誰も思わないと思います。その言葉を使って何を伝え説明するか、その内容は当然理系といわれる科学的知識が必要なものもでてきます。私たちは、理系・文系という分け方をついしがちですが、物事の本質を追究する学問においてはこのような分け方は必要の無いことだと思います。ましてや、数学や理科が苦手だから文系の進路を考えるとか、反対に国語や社会が苦手だから理系の進路を考えたりしていないでしょうか。自分はこのことに興味や関心がある、また、時間や労力を惜しまず打ち込める、その内容が理系分野だったからとか文系分野だったから、その分野への進路を選択するということが大切です。
 「学び」のための入り口が、文系・理系といわれる分け方からするとどちらなのかというだけで、そこから先はどちらの分野の学びも必要になってきます。「文理融合」、「教科の融合」というように「融合」を学びのキーワードにしたいと私は考えています。

2014年06月18日

塾長対象入試結果報告会

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 説明会は私と入試広報部長の二人で、平成19年高校、翌20年中学と学校改革を進めてきたその進捗状況について、志願者の動向や進学実績など現在の到達点と次年度以降の目指す方向についてお話しさせていただきました。志願者の動向では、中学は一貫選抜、高校では選抜特進の志願者が年々増加していることなどから次年度は中学は一貫のみの募集、高校は選特にウエイトを置いて特進は若干名募集と変更になることをお知らせしました。コース間の合格基準点は中学・高校とも年々接近してきていますが、中学入試は従来の一貫のレベルが合否の基準となり難化すること、高校も特進が若干名となることから昨年より難化が予想されることなどを説明しました。
 次年度から学校改革の第三ステージへ歩みだします。コース制の発展的解消により、学びのスタイルや内容も変化してきます。育成すべき生徒像も「自ら学びを追求する」ものへと進化させていきます。単なる進学指導や受験学力をつけるだけではなく、「本物の学び」を通して「人間力と学力」を備えた「社会で活躍するリーダーの育成」が私達の使命だと考えています。

2014年06月17日

今週末は環境フォーラム

 2008年5月29日、中学の全生徒が保護者や地域の方々とともに環境ジャーナリスト枝廣淳子氏の「不都合な真実を超えて」という講演を受け、この日を環境の日と制定するという宣言とともに環境教育に取り組む決意を表明しました。これを機に中学生が行なってきた環境に対する取り組みを発表する環境フォーラムが毎年行なわれるようになりました。今年は今週末の土曜日に行なうことになっています。
 私たちの住むかけがえのないこの美しい地球をいつまでも大切にしていかなければなりません。ところが、自然環境破壊や温暖化などにより直接私たちの生活に影響を及ぼす大きな問題が発生してきています。異常気象による災害などもこれらと関係があると指摘されています。環境省研究チームの報告書は、今世紀末の日本の年平均気温は、20世紀末に比べて最大6.4度上がって約20度になり、海面は約60センチ上昇、これに伴って日本の砂浜の85%が消失、降水量は今世紀末には約10%増え河川流量は1.2倍になると予測しています。北極海で氷が減少する一方、南極海の氷は拡大を続けているという一見矛盾した現象も温暖化による影響だそうです。
 自然の一部を構成する人間の活動が自然に大きな影響を与えてきました。自然との調和、共生を考えて活動しなければ、自らの生活をも危うくすることになってしまうところに環境問題の本質があるように感じます。一人ひとりの行動が意識するしないに係わらず他人に影響を与えているという人間生活そのものにも通ずるところがあります。今年の環境フォーラム、何を問題提起してくれるか楽しみです。

2014年06月16日

地中海の海水が滝のように

 一見何事も無く穏やかに見え、順調に推移しているものでも内部では大きな動きがあります。温暖な気候、まばゆい太陽の形容がピッタリの地中海はユーラシア大陸とアフリカ大陸に囲まれ、西側に位置するスペインとモロッコに挟まれたジブラルタル海峡により外海、大西洋とつながる内海です。スエズ運河ができるまではこの海峡を通ってしか外洋に出られませんでした。狭い海峡に挟まれた地中海は蒸発により海水の塩分濃度が高くなります。塩分濃度が高くなると海水は重くなり、浅いジブラルタル海峡から深い大西洋に向かって滝のように深層海流が流れています。表面は反対に大西洋から地中海へと西から東へ流れ、深いところでは東から西に流れています。
 地球の7割を占める大きな海となるともっと大きな変化が起こっています。北大西洋と南極大陸付近では冷やされて重くなった海水が深層に潜り込み、北半球では南下、南半球では北上した深層の海流がインド洋から太平洋に流れ込み北上しています。ベーリング海峡付近が浅いので海流が浮上して南下し、深層とは逆方向に流れる海洋大循環がおこっていると考えられています。比熱の大きな海水が太陽から得た熱を地球上の各地へ運び気温差を和らげ、気候変動を制御する働きをしています。
 4月からスタートした新学期も体育大会や中間考査など諸行事を乗り越えてきました。この流れを更に加速させ期末考査へと確かな大きな流れとすることが、一年の流れを安定させることになります。その為には深層での安定した十分な家庭学習の大きな流れなくして成り立たないことを見逃してはいけません。

2014年06月15日

「真・行・草」

 書道の書体の類型を示す言葉に「真・行・草」という言葉があります。「真」は「とめ・はね・はらい」などを正確に文字通りキッチリと書く「楷書」を表し、最も崩した書き方をする「草書」、その中間を表す「行書」のことを指します。この言葉は、書道の書体を表すだけにとどまらず、日本人の美意識の表現として広く用いられたりします。
 日本の和風建築においても「真・行・草」があると建築家の方から話を伺ったことがあります。和室一つをとってみても、書院造りの床の間や長押などを備えた最も格式の高く整った「真」と,その対極に位置する「草」があるそうです。また、全ての部屋が「真」や「草」ばかりでもバランスが良くないとのことです。一軒の家の中に「真・行・草」がバランス良く配置されているように考えて設計しているとのことでした。その他、茶道や礼法、剣道にもこの言葉はでてきます。日本剣道形の小太刀三本はこの言葉で表されています。
 「学び」においてもこの言葉が適用されると考えます。教えを忠実に「摸写」し、基本を忠実に学ぶところから、自分なりの学びのスタイル、考え方をシッカリ持つものへと進化させていくことです。また、学年進行と共にそれに合った学びのスタイルへと変化させていくということになります。千利休は「真を知り、行・草に至ればいかほど自由にくずそうと、その本性はたがわぬ」と弟子に説いたといわれています。基本となる「真」を知り修得する、そこから本質を理解することが大切だということを表している、と私は考えています。

2014年06月14日

カナダ研究発表会

P1070625.jpg 土曜日は午前中4時間授業です。午後からは部活動や様々な自主活動が行われます。PTA行事なども行われます。中間考査が終わった6月は毎週のように土曜日の午後は学年懇談会が行われます。きょうは高校1年生の学年懇談会が行なわれました。
 生徒の活動としては、カナダ研究発表会が行われました。これは中学2・3年生が参加するカナダ研修の事前学習として行なわれたものです。50名を超える参加者が、個人発表・団体発表に分かれて行ないました。内容は各自がカナダについて興味や関心を持っていることについて調べ発表するものです。研修に直接関係する「赤毛のアンについて」や「モンゴメリーについて」、「赤毛のアンと村岡花子」、「プリンスエドワード島について」など、その他「カナダの文化」、「カナダの歴史」、「カナダの自然」、「カナダの地理」、「カナダの食べ物」など様々な分野におよんでいました。手書きのイラストや写真などを交えての発表です。初めてプロジェクターを使って発表する生徒もあったと思います。調べたことを自分の意見や感想を添えてプレゼンテーションすることは生徒の備えるべき力としてこれから益々大切になってきます。その為の機会や場の設定を含めた私たちの指導も重要になってきます。充実した事前学習は研修の中味をよりよいものにします。出発まで後一ヶ月余りあります。これから実施される事前学習をより良いものにしましょう。
 今年はカナダの連邦結成について話し合いが行われたシャーロットタウン会議から150周年を迎えます。記念すべき年です。舞台は準備されています。記念すべき研修となるようにしましょう。

2014年06月13日

胸に一杯お土産を詰め込み修学旅行団帰る

 高校2年生は4泊5日の北海道修学旅行を終え、今夕伊丹空港に着きました。後半は少し雨にたたられたようです。梅雨前線が北海道まで北上する間に衰えるため梅雨の無い北海道とされていますが、蝦夷梅雨といわれるものかもしれません。高校生活の中の大きなイベントが一つ終わりました。
 本校は、中学には沖縄研修旅行、高校に北海道修学旅行があります。平和学習と環境学習や感響学習などそれぞれに現地でないと学べないものを取り入れた工夫がされています。と同時に、二つの行事に共通したものとしてファームステイがあります。沖縄と北海道では家業に違いがありますが、どちらも2泊のファームステイで家業体験をします。中学生と高校生では感じ方や内容にも違いはあるものの「思春期」という課題を抱える時期です。他者とは違う自己を見つめ大人へと自立していく時期です。この時期にファームステイを経験することは、この課題に大きな影響を与えることになります。親子関係を含め家族について考え直す機会になったなど毎年多くの感動を胸にファームステイを終えています。これが本校の中学と高校の修学旅行の特徴になっています。
 5日間学校を離れ多くの仲間と寝食を共にする中で友情を更に深めたり、仲間の新たな一面を発見したりとクラスや学年の絆を強くし集団としての質を高めてきたことと思います。週明けから日常の学校生活に戻ります。この体験や経験をもとに一段ステップアップした学校生活を展開してくれることと期待しています。

2014年06月12日

今年は暖冬で冷夏?

 6月10日気象庁は「太平洋赤道域の状況はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態を示しているが、エルニーニョ現象の発生に近づいた。夏には5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い」と発表しました。エルニーニョ現象とは、東太平洋の赤道付近で海水温が上昇する現象です。これが発生すると、日本では暖冬・冷夏になることが多いと言われています。冷夏といっても西日本は猛暑、東北から北にかけては冷夏ということになることが多いようです。また、日本だけではなく、世界的に多雨の地域もあれば大干ばつの地域があったりと異常気象を起こします。それが原因となり農作物の収穫に大きな影響を与えます。気候変動もその地域だけに留まらず、グローバル化ということになります。
 地球上の一部で起こった僅かな変化が、地球全体に大きな影響を与えることになります。自分たちの身近で起こったことでないからと気がつかなかったり、無関心ではおられません。これは気象現象だけに限ったことではありません。あらゆるものは相互に関連し、影響を与え合い存在しているからです。
 梅雨と言えば青やピンクのアジサイにシトシト降る雨などを私は思い浮かべます。ところが最近の梅雨はそのような風情を感じません。急に雨あしが強くなり大粒の雨が振り出す豪雨が梅雨のイメージとして定着しつつあります。災害も引き起こされています。雨の降らない空梅雨も、それもまた困ったものです。必要なものは来るべき時に来、それ相応の内容でないと困るということでしょう。

2014年06月11日

更なる高みを目指して

 中間考査も終わり、答案返却、成績処理も済み一学期前半の振り返りが行なわれています。それと関連して、各先生の授業のスキルアップや指導内容・方法の改善を目指した公開授業・研究授業も行なわれています。自分の専門分野だけでなく他教科の授業も見学し、互いにコメントを出し合えるようになっています。
 中学・高校とも当然のことながら、学校は毎年新入生を迎えます。世の中の変化の影響もあり入学してくる生徒の気質・対人関係における対応力や学力も変化しています。数年単位で見れば変化は誰しも実感できるのですが、毎年となると僅かな変化なので見落としがちになります。後で気がついていては対応が遅れていることになります。変化を見逃さないというか、その学年の特徴を踏まえた対応・指導が重要になってきます。学校の世間的な評価が安定している時でも言えることですが、学校改革を進めている時は特に変化が顕著に表れてきます。
 本校は、平成19年高校、翌20年中学と改革をスタートさせました。高校は選特・特進Ⅱ・特進Ⅰの3コースからスタートし、23年から選特・特進の2コースに、中学は一貫・発展の2コースからスタートし、来年は一貫のみの募集となります。この間の入試でのコース間の合格基準点の差を表したものが上記グラフです。明らかにその差が縮まってきていることが分かります。入学者の学力の開きが縮まり、上位にまとまってきていることを表しています。これらを踏まえ、更にその傾向を見通した新たな授業内容・指導方法を検討しているところです。

2014年06月10日

先輩の頑張りが後輩に好影響を

 体育大会の入場行進や文化祭での音楽コンクールでは上級生の意気込みや集団としてのまとまりに、下級生、特に新入生は圧倒されることがあります。後輩に「ここまで来てみろ」と言わんばかりの先輩の意地というか壁の高さを見せつけてくれます。その刺激を受けた後輩が先輩を追い越そうと懸命に努力します。学校やクラブなど集団や組織が好循環している姿だと思います。
 高校2年生の修学旅行では、北海道大学を訪れたグループを大学に在籍している卒業生が案内するなど先輩が活躍してくれています。5月に行なわれた東大見学会も、東大を始め慶応や千葉大などに進学した卒業生が後輩の面倒を見てくれています。今年で3年目を迎えるサイエンスキャンプも同様に、その大学に進学した卒業生が激励に駆けつけてくれています。後輩思いの先輩という個人の持つ特性だけではありません。自分たちが先輩から受けた影響や学んだことを、次は自分たちが後輩につないでいきたいという自発的思いからでてきています。伝統として受け継がれてきていると喜んでいます。学校やクラブで共に活動している身近な存在の先輩から受ける影響は大きなものがあると言えます。
 先輩の頑張りは大学進学にも表れています。平成19年から始まった学校改革以降、順調に伸びてきています。第二ステージの始まりである今春の卒業生は、在籍者の3割が国公立大学に現役で合格するところまできました。私大の入試でも頑張っているのは勿論です。部活動も同様のことがいえます。先輩が築いた高い峰を後輩が乗り越えていく、この好循環は今後も続いていくと確信しています。

2014年06月09日

高2は北海道へ修学旅行

 梅雨が無いとされる北海道と小笠原諸島を除いて日本列島は梅雨に入っています。気象庁の発表によりますと、各地とも平年より数日早い梅雨入りだそうです。農作物や夏期の水資源確保に無くてはならない梅雨ですが、時として集中豪雨により被害をもたらしたりします。地球温暖化の影響で最近はこの傾向が顕著に表れていると思われます。
 さて、高校2年生はきょうから梅雨の無い北海道へ修学旅行に出かけています。トマムでの「感響学習」や空知地方でのファームステイによる農業体験がメインとなるプログラムです。「感響学習」の一環として取り組まれてきた植林作業で、占冠村に「雲雀丘の森」が誕生しています。先輩たちが植樹したものを後輩が面倒を見るとともに新たに植樹することになります。卒業した後、北海道を訪れた時の思い出のスポットになることでしょう。ファームステイも長く続いた取り組みになっています。農業体験もさることながら、家族関係や親子の関係を考える機会となり思い出深いものとなっているようです。
 現地からの報告によりますと、天候にも恵まれ、札幌での自主研修の後トマムに入ったようです。きょうから始まる4泊5日の修学旅行、高校時代の思い出だけに留まらず、大人になってからも良き思い出として思い出されるものです。多くの仲間と寝食を共にし、語り合い、また多くの人との出会いふれあいの中で多くのことを感じ、共に心に響き合う「感響学習」を行なう修学旅行になるものと思います。

2014年06月08日

より高度な学びを目指しコース制を発展的に解消

 高校にコース制を導入する学校改革に続き、中学改革を行なってきました。高校から始まる選特はスタート時1クラスでした。中学から始まる一貫は2クラスからスタートしました。それが、今春入学した生徒は選特3クラス、一貫も3クラスとスタート時より増えています。これは、本校のコース制が決してコース制導入そのものを目的としたものではないこと、また、コースを固定的に捉えないという考え方の現れです。
 コース制導入に踏み切ったのは、当時の入学してくる生徒の学力分布が広がっているところから、効率よくきめ細かな対応をするために行なったものでした。それが、ここ数年、一貫と発展、選特と特進の合格基準点が接近してきていることに見られるように、レベルアップとともに学力分布が以前よりまとまってきています。また、本校のコース制は、中学入学時に一貫と発展の2つに分かれますが、高校進学時に一貫と同じ目標を持つ選特へ発展からいけるというところに特徴がありました。これは、コースに分かれていても学習の到達目標は同じところに設定して指導している、コースを固定的に考えていないところからきているものです。
 この間の改革の進捗状況から、来年度の募集が中学は一貫のみ、高校は選特が募集枠一杯、一貫・特進若干名となっています。現状の到達点と今後の方向を考えると、コース制を存続させるメリットより、コースを解消しシンプルな教育課程で深く考える授業内容と課外での高度な学びの様々な講習やゼミを展開することの方がメリットがあるとの判断からです。受験生にとっては受験の難度はアップしますが、これを自らの学力アップの課題と捉え、頑張ってほしいと思っています。

2014年06月07日

高校は選特か一貫を志望する者

 平成19年にスタートした高校改革は、選抜特進・特進Ⅱ・特進Ⅰの3コース制でした。翌20年にスタートした中学改革のコース制のもとに入学してきた生徒が高校へ進学する23年に高校のコース制は現在の一貫・選特・特進の形態となりました。
 選特を初めて募集した19年は、高校から入学してくる生徒の募集人数が25名でした。その後、志願者増とともに年を追う毎に選特の募集人数を増やし、その分、特進の募集人数を減らしてきました。そして、今春の入試は選特95名、特進20名の募集となりました。それが、来年度は中学が一貫のみの募集となることに併せ、高校は選特115名、一貫・特進若干名募集に変更します。志願者全員が選特か一貫が第一志望になります。勿論、第二志望は無しでもよいのですが、特進を選んでもらうことはできます。ただし、特進のみを志望して受験することはできません。また、特進若干名募集ということは、選特にほんの少し届かなかったという受験生を対象としますので、合格基準点の差はほんの少しとなるように選考する予定です。当然、従来の特進よりレベルが上がり難しくなることは間違いありません。入試日程や受験科目の変更はありません。B日程の日は決定していませんが実施します。面接も従来通り専願者のみです。
 来年度はまだ一貫・選特・特進の3コースが存在しますが、高校も一貫と選特だけのコース、第三ステージへ向け動き出すことになります。高校から本校への入学を目指す受験生は「選抜特進か一貫選抜を志望する者」となります。

2014年06月06日

中学は一貫選抜のみ

 新学期がスタートし2ヶ月が経ったところですが、学校案内の作成をはじめ来年度入試に向けた取り組みがスタートしています。
 本校の来年度入試は、中学・高校とも大きく変わることになります。このことについては、昨年度の入試説明会(今春の入試に向けた)や5月に実施した「入試結果報告&学園を知る会」などで説明してきました。これらに参加された方や学校訪問をされて説明を受けた方についてはご理解していただいていると思います。また、今後行なわれる校内外での説明会でお話しすることになりますが、来年度の中学入試は発展コースの募集がなくなり、一貫選抜コースのみの募集となります。平成20年度から始まったこのコース制は発展・一貫各2の4クラスでスタートしてきましたが、23・24年度には発展3・一貫2、25・26年度は発展2・一貫3の5クラスとなってきました。志願者が年々一貫が多くなってきたことから当然の結果といえます。合格基準点も一貫と発展の差が年々縮まり、今春の前期A日程では7点差までになってきました。そこで、来年度から一貫のみの募集となるわけです。当然のことながら、入試の難易度は上がります。
 入試日程は、従来と同じです。1月17日(土)が前期A日程、18日(日)が前期B日程、そして21日(水)が後期日程となっています。午後入試を行うところが増えていますが、本校の入試はいずれも午前スタートです。
 本校への入学を考えている受験生の皆さんには、従来の一貫のレベルをクリアする目標を掲げて頑張ってほしいと思っています。

2014年06月05日

異常気象の原因は

 気象庁は4日、中国、近畿、東海の各地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。中国と近畿は平年より3日早く、昨年より8日遅い梅雨入りとなりました。梅雨入りを待っていたかのように、昨夜からきょうにかけて動きの遅い低気圧の影響で、太平洋側では局地的に激しい雨が降っています。高知県では降り始めからの雨量が500ミリを超えた所があり、6月の平均降水量を大きく上回る記録的な大雨となりました。
 近年の特徴といえる局地的な豪雨です。異常気象ともいえるこのような現象は世界的な現象のようで、地球のエネルギーバランスが大きく崩れているからだといわれています。この100年間をとってみると、海水温が0.5°C上昇しているとの調査結果があります。わずか0.5℃ですが、海水は熱容量が大きく、しかも膨大な量ですので大変なエネルギーです。おまけに、水温上昇は深海までおよんでいるようです。この海水温の上昇が異常気象の大きな原因と考えられています。
 昨年の日本では、梅雨入りしたのに雨がふらなかったり、高知県四万十市で41°Cなど各地で猛暑を記録しました。これは、大西洋の海水温の変化により偏西風を引き上げ蛇行させたことが影響しているとの指摘があります。偏西風が南下したところは冷夏となり、北上したところは暑夏となりました。遠く離れた複数の場所における大気や海洋の状態が相関をもっています。
 海水温の上昇をもたらす地球温暖化。温暖化を加速させるCO2の排出量増加。異常気象は天災ではなく人災ということになります。

2014年06月04日

新暦1615年6月4日

 「新暦1615年6月4日(慶長20年5月8日=7月に元和と改元)桃山文化の粋を誇った大坂城が紅蓮の炎に包まれました。豊臣氏が滅亡した『大坂夏の陣』の終焉です(猪名川町HPいながわ歴史ウォークより)」。399年前の6月4日の話です。多田銀銅山をめぐる攻防であったのでしょうか、猪名川町域も戦場となり、上野や広根などが灰燼となったそうです。平安時代に多田庄を開いた源満仲の家臣の子孫、多田院御家人も参戦したといわれているそうです。冬の陣は約2ヶ月、夏の陣は2週間足らずといわれていますが、広範囲に及ぶ規模の大きな戦だったことが伺えます。
 大坂城をめぐる攻防は一日で決着がついたようです。その様子を描いた「大坂夏の陣図屏風」は、自らも大坂の役に参戦した黒田長政が絵師を集めて描かせたとされる六曲一双の屏風絵です。右隻には、真田幸村隊と松平忠直隊の槍合戦など、5月7日(新暦6月3日)の決戦の様子が、そして左隻には、恩賞目当ての雑兵達が大坂城下の民衆に襲い掛かり、偽首を取る様子や略奪を働き身ぐるみを剥がすところ、さらには川を渡って逃げる民衆に銃口を向ける光景など落城後の避難民の悲惨な状況が詳細に描かれています。この屏風絵は、NHKの「その時歴史が動いた」で「戦国のゲルニカ」として紹介されました。
 慶長20年5月8日、大坂城落城、豊臣秀頼・淀殿ら自害、その3ヶ月後(旧暦は閏月を入れ実際の季節とのズレを補正した暦で、慶長20年は6月の次に閏6月がある)の7月13日(新暦1615年9月5日)に「元和」と改元されました。新暦と旧暦の違いから6月4日を考察してみました。

2014年06月03日

「ローマは一日にして成らず」

 私たちは練習を繰り返すことで、ピアノ演奏や野球、水泳など様々な運動において難しいスキルを上達させることができます。このような練習によって脳に蓄えられた情報は「手続き記憶」とも呼ばれるそうです。この「手続き記憶」の形成を自然科学研究機構基礎生物学研究所は、マウスを使った実験で脳内の細胞・回路レベルで解明しました。運動がある程度のレベルに達してからも、がんばって練習を続けると難しいスキルでも無意識にできるようになるのは、その運動を自動的に生み出すための新しい回路が大脳皮質深部の神経細胞活動パターンとして記憶されることによると考えているそうです。
 繰り返し練習することにより脳内に新しい回路をつくることになります。回路ができるまでには一定量の時間が必要となります。各分野で活躍している名選手の華麗なテクニックも脳内に回路が形成されるまで練習を続けたから身に付いたものと言えます。「ローマは一日にして成らず」。何事も成果を収めるようになるまでには時間がかかる、継続して努力を続けないといけないということです。
 6月を迎え一学期も半分が過ぎようとしています。4・5月を振り返り、身に付けたい新しいスキル、必要とするスキルが明らかになってきたと思います。これを獲得するため、脳内に新しい回路ができるまで継続した練習が必要となります。それを実行する期間が6月といえそうです。

2014年06月02日

「攻防一如」

 「攻撃は最大の防御なり」という言葉があります。自ら積極的に仕掛けることにより相手を防戦一方に持ち込み攻撃をさせないようにするという意味でしょうか。相手の出方に応じて対処する防御は、弱点を悟られないようにし、そこを攻められないようにしなければいけません。万全の体制で待ち構えているところ、強いところを攻めさせるように誘導すれば「防護が最大の攻撃」になるのですが、主導権を相手に握られていては難しくなります。主導権を持って仕掛けることが「先んずれば人を制す」ということになります。
 考査や試験は学習面における「防御」と考えられます。出題という「攻撃」にどう対処、「防御」するかということになります。今まで学習してきたところのポイントをシッカリ押さえ、万全の態勢で臨めば、強いところを攻めさせる「防御が最大の攻撃」となりますが、出方を伺っている受け身の防戦一方では太刀打ちできません。中間考査のテスト返却が進んでいると思います。テスト直しをシッカリやりながら「この戦い」がどうであったのか分析する必要があります。
 普段の授業はどうでしょうか。何の準備、「予習」をせずに臨めば、攻められっぱなしの防戦一方になります。相手の出方を十分研究して臨めば「有利な戦い」になります。本来、攻撃と防御は「攻防一如」です。「予習と復習」があって授業が成立することになります。どちらが欠けてもいけません。日常をこの姿勢で臨めば考査や試験といった一見「防御」に見えるものも「防御が最大の攻撃」に変化させることが可能です。

2014年06月01日

ワールドカップ公式球ブラズーカ

 プロ野球の統一球が跳び過ぎるなど物議をかもしたように、スポーツにおいて道具は大きな役割を果たします。高校野球でも木製バットから金属バットへの変更は戦術面まで変わったといわれています。ゴルフのボールとクラブの進化も然りで、コースマネージメントに影響を与えています。
 さて、6月12日から始まるサッカーワールドカップブラジル大会が始まります。この大会で使われる公式球「ブラズーカ」は、前回大会の公式球「ジャブラニ」よりも空気抵抗が少ないということを低速風洞装置などを使って実証したと筑波大学が発表しました。風洞実験の結果は、「ブラズーカ」の方が「ジャブラニ」より中速領域での空気抵抗が小さく、低回転で飛翔した場合ブレにくいボールであることが分かったそうです。回転が少なく野球のナックルボールのように曲がり方が予測しにくいブレ球は蹴りにくいことになります。Jリーグは今シーズンから公式戦でブラズーカを使っており、国内選手はこのボールに慣れているとのことで活躍が期待できそうです。
 サッカーボールといえば、黒い五角形のパネル12枚と白い六角形のパネル20枚で構成される切頂二十面体のデザインを思い浮かべます。ところが、このパネルも14枚、8枚と減ってきて、ブラズーカは6枚となっています。このパネルの形状や枚数の違いがボールの飛翔特性や空力特性に与える影響も併せて研究されました。今回使用される公式球ブラズーカは上下左右に揺れる力を受けにくく正確なパスが期待できるようで、技術が生かされる素晴らしい大会になりそうです。