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2009年10月31日

鳥取出張を終えて

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  一昨日は鳥取県の公立の高校、中学校、小学校、特別支援学校の校長先生を対象に講演を行ない、昨日は鳥取大学を訪問しました。この2日間の鳥取県出張では色々なことを感じましたが、その最大のものは〝鳥取県は日本の縮図である〟ということです。今、鳥取県で起こっている過疎化は鳥取県だけの特別な状況ではありません。私がかつて勤務していた四国でも同様のことを経験しましたし、日本の他の地域でも同様のことが起こっていると思います。そして、この傾向は今後ますます顕著になってくるのは間違いありません。
  鳥取県の人達は、地元に大きな産業もないため生徒達は県外に出て行って帰ってこない。そのため過疎化するのは仕方がないと半ば諦めておられるようです。鳥取県としても企業誘致等を考えておられると思いますが、多くの地域が同じような動きをしても実現することは簡単ではありません。
  学校経営についてお話したのは〝差別化〟つまり〝他にない特色づくり〟ですが、経営という観点で見ると鳥取県としても差別化をはかるということが大切ではないかと思いました。鳥取には大山を中心とした素晴らしい自然環境や海の幸にも恵まれています。東京や大阪のような都会に住む人から見れば羨ましいことも数多くあります。県外から来られている鳥取大学の教授の皆さんも鳥取の良さを訴えておられました。また、鳥取大学の学生も県外出身者が多く90%が下宿生活をしているそうですが、同様の見方をしているようです。
  大都市を真似るのではなく〝癒し〟や〝安らぎ〟をキイワードにし、環境という切り口での活動を推進することによって地域の活性化をはかっていくことが必要ではないかと感じました。

2009年10月30日

鳥取大学を訪問

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  10月30日(金)、鳥取大学を訪問しました。同大学はJRの鳥取駅から倉吉、米子方面行きの列車で二つ目の〝鳥取大学前駅〟から徒歩5分のところに位置しています。同大学のルーツは明治7年の小学校教育伝習所です。その後、幾多の変遷を経て昭和24年5月鳥取大学に再編スタートされ、今年創立60周年を迎えています。
  最初に入試センターを訪れ、三宅貴也教授と森川修准教授にお会いしました。冒頭、本校から農学部のAO入試を受験した生徒が、先日合格の通知を受け取り、本年度の国公立大学合格の第一号となったことに対するお礼を申し上げた後、色々と意見交換させていただきました。今回の訪問に際しては、本校をよりご理解いただくために事前にパンフレットや環境に関する取り組みに関する資料をお送りしましたが、話の中で本校のホームページもご覧いただいていることが分かりました。私からは本校の学校改革の内容や環境教育の取り組み、とりわけ中学2年生が自然学舎で大山登山やサントリーの奥大山ブナの森工場の訪問等を行なっており、鳥取県とは多くの面で関係が深いことをお話し、本校との連携をお願いしました。
  その後、農学部長の中島廣光教授や工学部の細井由彦教授にもお会いしました。中島教授とは前任の芦間高校出身で今年同学部を卒業し現在海外で活動している生徒の話題に花が咲き大いに盛り上がりました。
  現在、本校では環境教育に注力していますが、今後エコスクールの完成を機に更なる充実をはかると共に鳥取大学をはじめとする大学との連携も深めていきたいと思っています。
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2009年10月29日

鳥取県校長総合研修にあたって

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  10月29日(木)、鳥取県教育委員会主催の「校長総合研修」において昨年に引き続いて“特色ある学校経営”というテーマで講演を行なうため、間もなく出発します。今回は講演後鳥取に宿泊し、翌日鳥取大学を訪問する予定です。また、今回の校長研修ではサントリー奥大山水工場の徳田工場長による企業経営の立場からの講演も並行して行なわれることになっています。実は数ヶ月前に誰か企業経営の経験のある方を紹介して欲しいという依頼を受け、徳田氏を紹介させていただいたところ快く引き受けていただいたとのことです。現地で同氏ともお会いできそうで、日頃のお礼も兼ねて色々とお話したいと思っています。
  鳥取県は年々人口が減少し人口も59万人と全国の都道府県では最低ですが、この数字は豊中市と宝塚市を合わせた人口より少ないということになります。一方では大山を中心とした素晴らしい自然環境や海の幸にも恵まれており、都会に住む人から見れば羨ましいことも数多くあります。私はこれまでも何度か学校の特色づくりの中に環境の切り口を取り入れられないかということをお話してきましたが、正直なところこれが十分活かしきれていないように感じています。今回はそれぞれの学校で特色づくりがどれ位進んできているのかも確認してきたいと思っています。
  これからはまさにグローカル(グローバル+ローカル)の時代。鳥取県としての強みを生かした学校づくりを進め、子ども達を育てるという高い志で取り組んでいただきたいものです。
本校も環境教育に注力していますし、毎年中学二年生の研修旅行では鳥取県を訪れていますので、これから何らかの形で連携を深めていきたいと考えています。

2009年10月28日

課題を解決する

  これまで、学校と社会との大きな違いは与えられた問題を解くというだけではなく、何が課題なのかを見つけ出し、解決していくことであるということを紹介してきました。
  現在、日本はあらゆる分野において見直しが必要になってきていますが、教育界も例外ではありません。本日(10月18日)午後、初めて大阪府教育委員会会議に出席し、さまざまな懸案事項の説明を受けました。また、先日いただいたマニュフェストにも実に多くの内容が盛り込まれていましたが、これらをやり遂げるためには業務に落とし込むことが大切です。しかし、現下の厳しい経済環境のもとにあっては、ヒト、モノ、カネといった経営資源が豊富にあるわけではありません。まさに限られた資源を有効に使うという発想が必要です。そのためには、まず課題を緊急度と重要度という二つの尺度で分類し、絞り込む、その上でスケジュールを作成していくことが必要です。よく実現性のない例えとして〝絵に書いた餅〟という言葉が使われますが、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」ということが明確になっていないと課題を解決していくことは難しいように思います。
  いずれにしても過去の延長線上で物事を考え行動するというパターンから脱却して、新しい仕組み、システムを構築していくという姿勢が必要であると感じています。

2009年10月27日

チーム・マイナス6%の取り組み

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  『チーム・マイナス6%』という言葉について尋ねても知らない人が多いようです。
これは、環境省が地球温暖化防止のために行なっている国民的プロジェクトの愛称であり、2005年に京都議定書において取り決められた日本の温室効果ガス6%削減に因んで〝みんなで止めよう温暖化〟を合言葉に結成されました。しかし、現状は温室効果ガスは逆に増加してきているのです。
 実は、本校ではこのチームに加入していますが、まだ全体運動というレベルには到達していません。新政権は温暖化ガスを2020年に1990年比25%削減するという新たな目標を打出しましたが、まず当初の目標を達成することが大切であると思います。
チーム・マイナス6%プロジェクトの目的は、地球温暖化の状況を広く国民に知らせ、温暖化防止のアクションを促すことであり、次の具体的な6つのことを提案しています。
    ① 温度の調節で減らそう・・・・冷房は28℃、暖房は20℃に設定する
    ② 水道の使い方で減らそう・・・蛇口はこまめに閉める
    ③ 自動車の使い方で減らそう・・アドリング・ストップを行なう
    ④ 商品の選び方で減らそう・・・エコ(省エネ)商品を購入する
    ⑤ 買い物とゴミで減らそう・・・ゴミになりそうな過剰包装を断る
    ⑥ 電気の使い方で減らそう・・・コンセントをこまめに抜く
  これらは、一人ひとりが意識しておれば、そう難しいことではありません。一人ではごく小さな削減にしかなりませんが、チーム全員が実施するとなると確実に大きな削減効果が期待できることになります。そして、今、チームとしてこの運動に参加する企業や諸団体が増えてきています。
  温室効果ガスの6%削減は、全世界に対する日本としての約束事であり、これが達成できないということは、国際社会における信用失墜に繋がるのは間違いありませんが、現状ではこの目標の達成はかなり難しいと思います。2020年に先送りするのではなく、多くの国民が参加する大衆運動にまで広げることによってまずこの目標を達成することが大切です。。
  現在、本校は環境教育に注力していますが、個人のレベルを超えたチームとしてのレベルにまで高めていくことが必要ではないかと思っています。是非、家庭においても環境に対する意識を高め行動に結びつけて欲しいものです。

2009年10月26日

創立の精神の体現

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     ―小学校での総合発表会―

  先日の学園小学校の総合発表会では、六年生と一年生が合同で学園の歴史を見事に演じてくれました。
  思えば、初代理事長 鳥井信治郎先生の“どうや、うまくいっているか、なんか困っている事はないか”という心温かい言葉に励まされ、先人達が保護者や地元住民の皆さん方と共に築き上げてきた学園も明年60年の節目を迎えようとしています。人間でいえば干支が一回りして元にかえる還暦ということになります。今日に至るまでの諸先輩方のご苦労に思いを寄せると共に学園創立の原点に立ち帰り、創立時とは比べ物にならない施設や設備の整った教育環境の下で働けることを感謝したいものです。
  これまで、昭和26年7月の創刊より本学園の沿革・歴史を一歩一歩着実に記録し続けてきた機関紙「ひばり」も、今年10月には273号を発行するはこびとなりました。同号の巻頭言で私は「社会で活躍する骨太のリーダーの育成」というテーマで本学園の目指す教育についての思いを述べましたが、その基本となる考え方は「創立の精神」の体現です。即ち『孝道を人間の根本義と考え 社会のために尽くす精神を最も尊重し よりよい社会 国家を生み出すべく 心を素直にもち すべてに感謝の念を捧げ 健康な体力とたくましい実践力をもつ強い人間を創ることを念願としています』というものです。
  来るべき創立60周年に向けて、学園に集う全員が歴史をしっかりと胸に刻み込むと共に素晴らしい伝統を継承し、新たな学校づくりに取り組んでいくことが大切であると思っています。

2009年10月25日

体験授業と第2回高等学校入試説明会の開催

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  10月25日(日)、体験授業と本年度第2回目となる高等学校の入試説明会を開催しました。9時半からの体験授業には120名の生徒が二班に分かれて『古典に楽しむ』『英語に親しもう』『ゲームの中に潜む数学』『細胞と細胞分裂の観察』『古代文明を考える』の授業をそれぞれ受講しました。多くの生徒にとって高校の授業を受けるのは初めてだと思いますが、興味深く先生の話に耳を傾け、実験をしている姿が印象的でした。
  続いて実施した入試説明会には約550人の生徒・保護者の方に来場いただきました。本日は日曜日で天候にも恵まれたということもあり、ご両親で参加された方も多数おられました。私は、最初にパワーポイントを使って〝日本と世界の現状〟〝これからの地球規模での課題〟〝8年後に社会人として活躍するために取り組むこと〟等について説明した後、本校の改革の基本的な改革の考え方についてお話しました。次に高校教頭から3年前に導入した3つのコース制の進捗状況やカリキュラムの概要、生徒の学力の伸長度、年次別の学力比較等をグラフで説明しました。その後生徒達の学校の様子を収録したDVDを見ていただき、最後に入試広報部長から本年度の入試結果や来年度の入試における留意点等の説明を行ないました。今回は約1時間半にわたる説明会でしたが、終了後も多くの保護者の方から個別の質問をお受けしました。
  本日の説明でおわかりにくい点があれば遠慮なくお問い合わせいただくようお願いします。また、授業参観やクラブ見学のご希望があれば、いつでもお受けしていますので、ご連絡いただいた上で是非ご来校ください。

2009年10月24日

相互授業参観にあたって

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  本校においては、授業の質を高めるため、年間を通じて各教科の教員による研究授業や相互授業参観、全生徒による授業アンケート等を実施しています。今週の月曜日からは本年二回目となる相互授業参観旬間がスタートしています。このやり方はまず全教員が事前に授業の目標を掲示し、参観したい人は事前に名前を記入します。そして、参観後には感想結果を提出することになっており、本人にフィードバックされるシステムになっています。本日は土曜日ということで四時間しかありませんでしたが、二つの授業を見学しました。昨年までは時間的な制約もあり、一時間に複数の授業を参観するということにしていましたが、これでは授業全体を通して把握することができません。そのため今年からはできる限り授業の最初から最後まで見学するようにし、授業の始まりや終わりがしっかりできているかもポイントにしています。また、授業の間に教室内を巡回してノートのとり方や集中度を確認するようにしています。更に授業終了後はできるだけ多くの生徒に理解度や感想を聞くようにしています。
  私の場合には急な予定がはいるため、先生にはあらかじめ連絡せずに急遽授業参観させていただくことがよくあります。そのため先生の中には緊張される方もおられるようですが、気にしないで通常の授業をしていただくようお願いしています。
  先生にとって〝授業は命〟であり、毎日の授業は真剣勝負です。従って絶えず自らの教科指導力を磨く努力が必要です。私学の場合には転勤がなく人が固定化する結果、どうしても色々な面で活性化が進まないといったことが起こりがちです。これを防ぐには常に新たな刺激が必要であると考え、この四年間、先生の新規採用や相互授業参観、授業アンケートの実施等を積極的に進めてきました。この結果、授業の質は確実に向上しつつあると思いますが、更にこのレベルを引き上げるためには、各教科や一人ひとりの先生が受身の姿勢ではなく、積極的に行動することが大切です。
  理想を言えば、常に授業が公開され随時相互授業参観が行なわれ、フランクに感想を述べ合うといった風土を醸成することではないかと思っています。

2009年10月23日

安岡正篤氏について

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  昨日、小野晋也氏が取り上げた九人の先達の中で、安岡正篤氏についてはあまり知らないと答えた人が多かったようです。安岡正篤氏は人の道・国家と指導者のあり方を説き不朽の人間学によって社会を啓発した人間学・陽明学者であり、昭和の碩学(学識の広く深い人)です。
  安岡正篤は、孔子・孟子や老子・荘子ほか東洋先哲の教訓に潜む普遍の真理についての造詣が深く、そのテーマは国家治乱興亡の歴史、英雄・先覚者の人間像、科学と産業、教育と道徳、人生と家庭、経営と行政、自然と環境など、実に多くの領域にわたっています。その凝縮したものが人の道と指導者のあり方に関する教えであり、安岡人間学(人物学)と言われています。そして、吉田茂や佐藤栄作、中曽根康弘といった昭和を代表する歴代の首相や三菱グループ、住友グループ、近鉄グループ、東京電力等の多くの財界人に師と仰がれました。また、「平成」の元号の考案者でもあります。
同氏は「思考の三原則」として次の三つのことを取り上げておられます。
  一、目先にとらわれず、長い目で見ること
  二、物事の一面だけを見ないで、出来るだけ多面的全面的に観察すること
  三、枝葉末節にこだわることなく、根本的に考察すること
  まさに、現在のような混迷かつ激動の時代には非常に大切な味わい深いものがあります。我々の周りを見ると、あまりにも目先のことにとらわれ、物事の一面だけを見、枝葉末節なことにこだわっていることが多いように感じています。今一度、自分自身の言動を見つめ直してみることが必要ではないかと思っています。

2009年10月22日

本物に学ぶ生き方

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  この度、旧知の小野晋也氏より『本物に学ぶ生き方(致知出版社)』を恵贈いただきました。同氏は1955年愛媛県の新居浜市生まれで東京大学の航空学専修修士課程を終了後、松下政経塾に第一期生として入塾、その後愛媛県の県会議員を経て1993年38歳で衆議院議員に初当選、5期勤められ、この度の衆議院選では立候補せず引退されました。この間人間教育と新しい文明創出を目的とする『OAK TREE運動(思いやりある政治、足で歩く政治、考える政治)』を主催されており、月刊誌OAKを発刊されています。また、人間の生き方や考え方、幸福を考える『永田町人間講座』を主催し、超党派の国会議員や政治関係者と共に「人間学」の普及、啓蒙活動を展開してこられました。今回の著書には人間力養成の道として九人の先達の教えが紹介されています。私も一気に読破しましたが、実に数多くの味わい深い内容が盛り込まれており、感銘を受けました。
  この後、身近な10数人の方にこれらの人を知っているかどうかを質問しましたが、すべて知っているという人は皆無でした。その九人とは、安岡正篤、新渡戸稲造、吉田松陰、森信三、山田方谷、伊庭貞剛、二宮尊徳、石田梅岩、西郷隆盛です。
  皆さんも機会があれば一度この本を読んでいただきたいものです。きっと得るところがあると思っています。

2009年10月21日

後期生徒会役員の認証式

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  10月21日(水)、マイク放送による後期生徒会役員の認証式を行ないました。本校では、新型インフルエンザの感染防止対策として全校生が集まる行事等は極力避けることにしています。そのため、これまでは全校朝礼の場で紹介の上、認証書を渡していましたが、今日はマイク放送で名前を読み上げ、一人ひとりの役員から自己紹介するという形をとることにしました。その後、校長室で各人に認証書を手交し、「皆さんは今回役員として生徒会活動を行なってもらうことになるが、自分達だけで色々なことをやるのではなく、全校の生徒の力を結集して素晴らしい学校づくりを目指して欲しい」という話しをしました。会長は定期的に生徒会新聞を発刊することや役員相互のコミュニケーションを密接にはかっていきたいという思いを持っているようです。
  既に朝の生徒登校時には、先生方に混じって生徒会役員が交互に参加し元気に「おはようございます」という言葉をかけてくれています。先生は指導や注意をする人、生徒は指導され注意される人というのでは、いつまで経っても受身の姿勢から脱却することはできません。人間として成長していくためには生徒同士が切磋琢磨していくことが何よりも大切です。生徒会役員の自主的な活動をしっかりとバックアップしてあげたいと思っています。

2009年10月20日

友人からの野菜の贈り物

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  近くの農園を借りて野菜作りを始めてからほぼ一年が経過しました。この間、自己流で玉葱、大根、さやえんどう、きゅうり、ゴーヤ、トマト、シシトウ、サツマイモ等を栽培してきましたが、必ずしもすべてがうまくいった訳ではありません。先日、友人との電話の中で野菜作りの話しになりましたが、その後シシトウ、茄子、ミョウガ、パプリカ等の野菜が送られてきました。どれも見事な出来ばえで、早速美味しくいただきました。彼は7、8年前から近所の農家から約200坪の土地を借りて色々な野菜作りをしていますが、高齢のため農業を続けられない人が増えてきているようです。 現在、日本の農業人口は年々減少し300万人を割っています。つまり国民の3%に満たない人が日本の食料の大半を支えているのです。しかも、この約半数の140万人が70歳以上になっており、40歳未満の人はわずか35万人しかいません。
  更に、世界の食料事情が不安定化し、食料自給率が41%しかないという状況にもかかわらず、わが国の耕作放棄地は年々増加し約40万haに及んでいます。これは実に埼玉県の総面積に匹敵する大きさです。かつて自給自足があたり前であった日本は食料生産軽視の消費ばかりの国になってしまいました。政治だけに任せていくのではなく、地域をあげて耕作放棄地の活用をはかり、地産地消を推進していくことが必要であると思っています。

2009年10月19日

横浜市立みなと総合高等学校の取り組み

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  昨日のブログで、横浜市立みなと総合高等学校の角田武彦先生が来校されたということを紹介しました。同校は2002年に開校され8年目を迎えており、学校の基礎固めが終わり、第二ステップにさしかかっていますが、順調に学校づくりが進んできているようです。
  角田先生とは前任の芦間高等学校時代からの付き合いで、年に一度くらいの割合で情報交換していますが、今回の話し合いの中で非常に印象に残ることがありました。それは、以前私が話した「権限とは与えられるものではなく、奪い取るものである」という言葉を胸に刻み、積極的に学校づくりを進めています、という力強い答えが返ってきたことです。
  
  総合学科というのは普通科、専門学科(工業、商業等)以外の第3の学科ということで、1994年(平成6年)から導入され、現在全国には334校が設置されています。総合学科の最大の特徴は将来の進路希望に応じて各教科・各科目を選択履修できる、言い換えると生徒一人ひとりが自分で時間割をつくることができるということです。そして、これを助成するため『産業社会と人間』という科目が設置されています。
  同校では学校としてのマニュフェストを公表しており、「学校ビジョン」としては〝人間力を高める〟、「めざす学校像」としては〝学ぶ力を伸張する学校〟〝キャリア形成を支援する学校〟〝相互理解を深める学校〟、また「めざす生徒数」としては〝知識を活用できる生徒〟〝将来の展望を拓く生徒〟〝暖かな人間関係を築く生徒〟を掲げています。そして、具体的な教育活動として、きめ細かい進路指導や学校生活を見直す週間の設置、学校Webページの活用、学校評価の精度アップ等を公表されています。
  今は政治分野を中心にマニュフェストを公開することが一般的になりつつあります。また、企業では事業経営計画だけではなく都度進捗状況を発表しています。本校も毎年学校経営計画を作っていますが、開かれた学校づくりのためには更に精度を高め、公表していくことが大切であると思っています。

2009年10月18日

教育実習希望者に対する事前研修

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  10月17日(土)は実に慌しい一日でした。朝一番横浜市立みなと総合高等学校の角田先生が来校され意見交換した後、環境フォーラムに出席、続いて来年度教育実習を希望する学生に対する事前研修会での講話、最後は学園PTA協議会に出席という過密スケジュールでした。
  本校では昨年度より教育実習希望者に対して事前の研修会を実施しています。一昨年までは本校の卒業生で教育実習を希望するすべての学生に対して受け入れを行なっていました。この結果、30名を超える学生が実習することになり、教科によっては十分な指導ができないということになってしまいました。また、将来教職に就く希望のない者や実習にあたっての事前準備も十分でないという者も散見されました。これでは本来の教育実習の効果は上がりません。たとえ実習生であっても授業を受ける生徒達にとっては、あくまで先生であり、しっかりとした指導をしてもらわなければならないのは当然です。
  今日の事前研修に参加した学生は18名ですが、全員が教職を目指したいと力強く宣言してくれ、頼もしく感じました。私はあらかじめ作成していた『教職を目指す皆さんへ』のレジュメの中から〝確固たる人生観を持つ〟〝高志・自律・努力の実践〟〝われ以外皆わが師〟〝反省なきところ進歩なし〟のテーマの資料を渡し、教育実習にあたっては十分な準備を積んで臨んで欲しいということをお願いしました。
  これからの日本にとって最大の課題は教育であると言っても過言ではありません。そして、教育の質を上げるのは教師の力量によるところが大きいと思います。教職を目指す皆さんがゆるぎない志を持って日々研鑽してくれることを願っています。

2009年10月17日

第2回環境フォーラムの開催

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  10月17日(土)、第2回環境フォーラム「ワールド チルドレン サミット2009 in HIBARIGAOKA」を開催しました。この催しは当初5月の末に開催の予定でしたが、新型インフルエンザのために延期してきたものです。
  本日はバハラム・イナンルさんをはじめカネディアン・アカデミイのエコクラブの皆さん、関西カモフラージュドパーティーの皆さんに加え、『ABU 未来への航海2009』 に参加された松本ニイナさんにもスペシャルゲストとして参加いただきました。
  冒頭、イナンルさんから開催にあたっての挨拶があり、続いてカネディアン・アカデミイのエコクラブと本校の中学2年生3年生の中から選ばれた環境大使によるプレゼンテーションが行われました。次いでエコクラブのメンバーと、環境大使全員が壇上に上がり、イナンルさんの司会でパネルディスカッションを行ないました。時間がなく全員が意見を述べ合うことができませんでしたが、会場内の生徒達も環境保護の大切さについて考えることができたようです。最後に、今回のフォーラムで考え、話し合ったことをスローガンとしてまとめられました。雲雀丘のスローガンは『経験を次に活かす』 CAのスローガンは『GOGREEN!』です。
  本校では昨年来環境教育に注力してきていますが、まだまだトライアルの段階で定着しているとは言えません。私も今年4月にカネディアン・アカデミイを訪問しましたが、実に多くの学ぶべき点がありました。これを機に両校の交流を更に深め、環境に対する活動を充実させていきたいと思っています。 


 

2009年10月16日

大阪府教育常任委員会に出席して

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  10月16日(金)、『教育常任委員会』が開催され、大阪府教育委員の初仕事として出席しました。委員会は各会派の議員15名と大阪府の教育に関わる教育委員会や私学・大学課等の責任者約30名出席のもと定例府議会の時期に開催されています。会議の進め方は各会派からの質問に対して府の各部署の代表が答弁するという方式で、昼食休憩を挟み、約7時間にわたって行なわれました。
  主な質問事項は「卒業式や入学式における国旗・国歌」「小中学校における学力向上策」「公立高校の授業料の無償化」「支援学校の整備」「府立大学問題」「公立高校受入れ枠の拡充」「教員の新規採用」「私学・助成の復活」「小中学校における教育環境の整備」「親学習の充実」「地域と学校の連携」「教員のサポート」「教員の給与」等実に多岐にわたるものです。これらの事項については、どれを取り上げても重要なものばかりですが、限られた経営資源をいかに有効活用して最大の効果を発揮していくかが極めて重要です。そのためには〝これまでの取り組みをしっかり反省すること〟〝多くの課題を緊急度と重要度別に整理すること〟次に〝やるべきことを決めタイムスケジュールを明確にすること〟が必要です。何事を行なうにも、現場、現物、現実という「三現主義」が基本であり、一律ではなくそれぞれの実態にあわせて個別に対応していくことが大切であると感じました。
  委員会の後、教育長をはじめ教育委員会事務局の幹部と教育委員の皆さんによる懇談会が開催されましたが、本音の意見が出され大いに盛り上がりました。 
  本日取り上げられた内容は単に公立についての課題ではなく、私学にとっても大変参考になると思います。これからも児童・生徒を育てるという視点に立って、より一層充実した教育活動を推進していきたいと思っています。

2009年10月15日

宮坂政宏氏にお会いして

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  10月15日(木)、株式会社『日本教育綜合研究所』の宮坂政宏氏が来校され、さまざまな教育課題について意見交換しました。同社は〝こころの教育 モラルの教育 創造性の教育を問い求めます〟というテーマで毎週、『教育PRO』を発刊されています。編集長である宮坂氏は卓越した見識を有する教育のプロフェッショナルで、大阪府を中心に教育行政の歴史や教育動向を正確に把握されています。また教育界における幅広い人脈を活用され、新たな特色ある教育活動を紹介されています。同氏とは8年前に大阪府立の校長に就任して以来今日に至るまで、貴重な情報やアドバイスをいただいてきました。
 この度、大阪府の教育委員に就任することになりましたが、既に色々な方から現場の実態はもとよりご意見やご要望が寄せられてきています。現在、自分なりに課題の整理を行なっていますが、あまりにも多岐にわたっており総花的に取り組んでいくというやり方では到底うまくいかないように思います。「あるべき姿を描く」「現状を正確に分析する」「重点課題を絞り込み優先順位をつける」「目標を設定し個々の業務に落とし込む」その上で「進捗状況を確認する」ということが不可欠です。
 〝教育日本一〟という言葉だけが一人歩きしないように、誰が、何を、いつまでに、どうする、ということを明確にしていかなければならないと思っています。

2009年10月14日

後期生徒会役員の皆さんとの懇談

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  10月14日(水)放課後、後期に新たに生徒会役員に就任した生徒達と今後の活動について意見交換しました。本校では前期と後期毎に全生徒の選挙によって選出された生徒会役員が中心となって生徒会活動が行なわれています。このうち前期については体育大会や文化祭等の大きな行事がありますが、これまで後期の生徒会活動は「年末の有志ライブ」・「球技大会」と各クラブの予算編成が中心であり、やや物足りなさを感じる内容になっています。そのため今日は新役員の皆さんから〝生徒会としてどのようなことをやりたいのか〟をお聞きしました。
  新会長からは、環境に重点をおいた〝食堂における割り箸使用の改善〟や〝ポリオワクチンを贈るエコキャップ運動〟等の取り組みを行ないたいという話しがありました。この他にもゴミの分別や来年度に向けての〝ゴーヤによるグリーンカーテン作り〟や〝野菜作り〟等についての取り組みについても話し合いました。来年3月にはエコに配慮した待望の高校新校舎も完成します。これを機に、より一層環境教育と生徒会活動との連携をはかっていきたいと思っています。
  懇談の中で、今回のメンバーは高校一年生と中学二年生が中心になっており、全校生を動かしていくことに対して不安を感じているということを聞き、『人を動かす』という色紙を全員にお渡ししました。これから生徒会役員としてのさまざまな経験を通じて人間的にも大きく成長していってくれることを願っています。

2009年10月13日

推薦入試受験者に対する面談指導

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  10月に入ると大学の推薦入試がスタートします。本校はお蔭様で多くの大学から指定校の推薦枠をいただいており、本年度も総数では500を超えています。この数は高校3年生の在籍数を考えると、1人につき2校の推薦枠があるということになりますが、本校ではあくまで第一志望を下げないことを進路指導の基本の方針にしています。そのため実際に受験する生徒は推薦枠総数の10%にも満たない状況です。
 大学から推薦枠をいただくということは、とりもなおさずお互いの信頼関係がベースになっていると思います。以前ある私学の理事長と話をする機会がありましたが、「学生確保のために指定校の推薦制度を採っているが、高校の中には能力や人間力において首を傾げたくなるような問題のある生徒を推薦してくるケースがあり、頭を痛めている。その学校の校長とお会いしたが、誰を推薦したかもご存じなかったので愕然とした。少なくとも学校としての動機付け等の指導をしっかりして欲しい。」とのことでした。
  本校においては、大学に対して自信を持って推薦するということが何よりも大切であると考え、全員校長面談を実施することにしています。授業中に面談することはできないため、どうしても面談は昼休みか放課後ということになります。先週から順次面談を開始し「明確な将来目標を持っているか」、「安易な考え方で学校を選択していないか」、「学習に対する取り組み意欲は十分か」、「高校生にふさわしい態度や服装、言葉遣いができているか」等の確認を行ない、受験にあたって事前に調べておくべき内容についても指導することにしています。
  また、推薦入試で合格すると、ともすれば気持ちが緩み学習面において何かと問題が出てくることが予想されるため、たとえ推薦やAO入試に合格しても原則として全員がセンター入試を目指すということを合言葉にして取り組むようにしています。いずれにしても大学に進学することが最終目的ではありません。大学ではより高度な専門能力を修得し、将来社会で活躍できるようになることが大切です。これからもしっかりと個別指導を続け、生徒達が卒業の日まで充実した高校生活を送れるようにしていきたいと思っています。

2009年10月12日

体育の日にあたって

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  本日(10月12日)は体育の日で、運動会等の行事が開催されている学校や地域も多いようです。また、中には連休を利用して家族で行楽に出かける人もあったのではないかと思います。
  最近、わが国の文化や歴史についてあまりにも無関心で無知な人が増えてきているように感じますが、日本には世界に誇れる素晴らしい文化や規範、慣習というものがあります。これらをしっかりと受け継ぎ次世代に伝えていくことが必要であると思います。昔は祝日にはそれぞれの家において国旗を掲揚していましたが、残念なことにこのような光景はほとんど見られなくなってきました。そのため祝日についても制定された由来を知らないまま、単に休みが増えたということになってきているようです。
  体育の日は、1961年(昭和36年)に制定されたスポーツ振興法により、10月の第一土曜日を「スポーツの日」としていたことに遡りますが、この日は祝日ではありませんでした。その後、1964年(昭和39年)にアジアで初めて開催されたオリンピック東京大会の輝かしい成果と感動を記念して開会式が行われた10月10日を「国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日」として1966年(昭和41年)国民の祝日に定められました。因みに10月10日は秋雨前線が集結した後で、日本の観測史上晴れる確率が最も高い「特異日」ということになっており、この日を開会式にしたのです。
その後2000年(平成12年)からは『ハッピーマンデー法案』の制定により第二月曜日が体育の日とされ、現在に至っています。

*ハッピーマンデー制度
  週休2日制で生活している人が増えたので、休日を月曜日に持ってくることで、3連休にして、余暇を有意義に利用してもらおうという制度です。この制度で月曜日に移動した祝日は、成人の日、海の日、敬老の日、体育の日です。

2009年10月11日

塾の日フェスティバルの開催

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  10月11日(日)、尼崎市のホテル・ポップイン・アミングにおいて『塾の日フェスティバル2009inひょうご』が開催されました。この催しは全国学習塾協会の主催で日本の各地区の持ち回りで開催されることになっており、21回目となる今年は近畿地区の担当です。学習塾協会は1988年に当時の通商産業省(現、経済産業省)の指導・協力により設立された社団法人です。
  本日のテーマは〝学力が危ない!~確かな学力と豊かな人間性教育を求めて〟です。各種の表彰の後、京都大学経済研究所所長の西村和雄教授による〝分数ができない大学生から10年〟という題目の基調講演があり、続いて〝学力が危ない〟というテーマでパネルディスカッションが行なわれました。
  現在、日本の子ども達の学力はゆとり教育の影響もあり、以前に比し大幅に低下してきています。また、豊かさのあまり我慢することもできなくなってきています。更に道徳面でも憂慮すべき事象が数多く見受けられます。
  これからグローバル化が益々進展する中で、世界に通用する人材の育成と共に学力不足に悩む子ども達の育成をはかっていかなければなりません。このためには学校も塾も画一的な指導ではなく、個々の子ども達に合ったきめ細かい指導をしていくことが大切です。塾や学校という教育の場は心のふれ合いがベースになければならないと感じました。
 
  なお、この催しに先立ち、〝今後求められる人材の育成と私教育のかかわり〟というテーマで座談会が開かれました。私もメンバーとして参加しましたが、この内容は『新未来』という冊子に掲載され、本日の出席者に配布されました。
是非、ご意見、ご感想をお聞かせいただきたいと思っています。

2009年10月10日

中学体験授業・第2回中学入試説明会の開催

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  10月10日(土)、爽やかな秋晴れの下、中学校の体験授業と本年第2回目となる中学校の入試説明会を開催しました。体験授業には事前にホームページを通じて申し込みいただいていた約90名に国語、英語、数学、理科、社会、技術の中から二科目を選択して受講していただきました。生徒達は国語で学ぼう、英語に親しもう、図形で学ぼう、カナダモの光合成と呼吸の実際、東西文化の違い、パソコンによる絵葉書作りといったテーマに熱心に取り組んでいました。
  午後3時から体験授業と並行して実施した入試説明会には約280名の方に参加いただきました。中にはこれまで多くの会場でブース形式による入試相談会を実施しているため、何度も説明会に足を運んでいただいている保護者の方もおられたようです。私は冒頭、「社会で役立つ力を育てる」というテーマで、〝これからの社会はどうなるか〟〝社会で求められる人材は〟〝学校改革の取り組み〟〝新たな飛躍を目指して〟という内容の話をしました。
  続いて入試広報部長から2009年度入試の志願状況と入試結果、2010年度の募集、入試の傾向と対策等についての説明を行ないました。約一時間の説明会の後、多くの保護者の方から個別の相談をお受けしましたが、例外なく親として自分の子どもの将来について心の底から心配されている様子が窺い知れました。
  現在、小学6年の生徒も11年後には社会人になります。世界はものすごいスピードで変化してきており、その時には今の世の中とは大きく異なる状況になっているのは間違いありません。そのような社会を力強く生きぬくためには人生における最も多感な時期である中学・高校時代をどのように過ごすか、言い換えると社会で活躍できる力をいかに身につけておくかが何よりも重要です。
  本校も3年前より、コース制を柱とした学校改革を進めていますが、これからも〝生徒一人ひとりの大切な人生を預かっている〟という思いで教育内容の充実に努めていきたいと考えています。

  「中学受験は親の受験」という言葉がありますが、最終の受験校の決定にあたっては、保護者が学校に足を運ばれ、学校の実態を自分の目で確認いただくことが大切です。本校では、これからも個別の進学相談や学校見学等にはいつでも応じていますので、お気軽にお立ち寄りください。
      
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2009年10月09日

センター入試まで100日を切る

  10月9日(金)、ついにセンター試験まで100日を切り99日となりました。奇しくも私学の中学入試もセンター入試と同じ1月16日のため、この時期になると受験生は最終の受験校を絞り込むということになります。そのために何回か模擬試験を受け、判定結果を参考にしながら決めるということになります。
しかし、この結果が最終の合否になるということではありませんし、とりわけ現役生の場合にはこれから試験までの間に学力は大きく伸張します。99日というのは短いようですが、高校生活全体の中では実に十分の一を占めているのです。
  大切なことは、模擬試験の結果に一喜一憂するのではなく、ペースを守って着実に勉強を続けていくという姿勢です。良かったと思って安心して努力を怠るとたちまち学力の伸びは止まってしまいますし、悪かったからといって心配ばかりしていると無駄な時間ばかりを費やすことになります。最終の栄冠を勝ち取るには〝99日しかないからもう駄目だ〟と諦めるのではなく、〝まだ99日もあるのだから、この間に全力を尽くす〟というプラス思考で取り組むことが必要です。ましてやこの時点で安易に目標を下げるということは折角のチャンスを自ら放棄するだけではなく、これからの人生においても安易な道を選ぶということに繋がります。〝入試はまさに人生の節づくり〟受験生の皆さん、この機会にしっかりとした節をつくってください。

2009年10月08日

台風による臨時休業

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  10月8日(木)、台風18号が日本列島を縦断し各地に大きな被害をもたらすことになりました。
今回の台風については、既に昨日の予報では近畿地方に直撃する可能性が高いということが判っていましたので、〝午前6時の時点で臨時休業にするかどうかを決定する〟という方針で臨みました。そのため午前4時頃からテレビの台風情報を確認していましたが、台風は近畿地区を通過したものの暴風雨に対する警戒警報は発令されたままです。そのため教頭とも電話で話し合った結果、もう少し今後の状況推移を見届けた上で結論を出すということにしました。風雨は次第に収まってきたため、6時前に家を出て学校に向かいましたが、JR学研都市線のダイヤが大幅に乱れ、到着するまで2時間半もかかってしまいました。その後、台風状況を見守っていましたが、9時までに警報が解除されなかったため、やむをえず緊急連絡網で各家庭に臨時休業の連絡をさせていただきました。
 本日はほとんどの先生が出勤されており、それぞれの懸案事項の整理やテストの採点、業務打ち合わせ等をしておられたようです。私も何人かの先生と懇談したり、手紙の返事を書いたり、講演のレジュメを作成する等、時間を有効に活用しました。午後からは台風一過、雨も上がりましたので、校舎の諸施設を見回りましたが、幸い大きな被害はなかったようです。
 
  今年は新型インフルエンザの影響による臨時休業が増えてきたため、現在授業の補填を検討していますが、なお感染拡大が続いていますので最終結論は出せない状況です。来年度以降は、このような不測の事態を考慮しつつ教育活動計画を作成していかなければならないと思っています。

2009年10月07日

後期始業式にあたって

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  10月7日(水)、新型のインフルエンザが大流行の兆しを見せているため、マイク放送を使って後期の始業式を行ない、次のような話をしました。

  いよいよ今日から後期が始まります。本校では前期の期末考査が終わった後に自宅研修日を設けていますが、これには二つの理由があります。
  一つ目は〝前期を振り返り、新たな気持で後期を迎えるための準備をする〟ということですが、皆さん準備はできていますか。
  二つ目は10月1日が雲雀丘学園の創立記念日にあたっており、今一度原点に戻って創立の精神を確認しようということです。
  本学園は昭和25年(1950年)に、この雲雀丘の地に何とか学校をつくりたいという地元の皆さんの熱い思いで設立されました。この運動の中心になって学校づくりにあたられたのが、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏、本学園の初代の理事長です。すべての学校には、〝このような学校にしたい〟〝このような生徒を育てたい〟という創立の精神があります。本校の学校づくりに対する考え方の基本は『孝道』です。 つまり 人間としての基本である親孝行をしっかりするということです。自分を生み育ててくれた親を大切にできない人に他人を大切にすることは到底できません。創立の精神では、〝親孝行のできる人は将来どんなことでもできるという考え方に立って、将来社会のため人のために尽くす人を育てる〟ということを明確に謳っています。分かりやすく言えば、皆さんに将来社会で役立つ人間になって欲しいということです。皆さんは何年か後には、社会に出ることになりますが、雲雀丘学園の中学・高校時代に是非社会で役立つ力を身につけて欲しいと思います。

  そのために必要なことを今日は三つお話します。
  一つ目は『相手の立場に立って物事を考え行動する』ということです。自分のことだけを考えて行動するというのでは他の動物と同じです。自分さえ良ければ他人はどうなっても構わないというのでは、決して世の中は良くなりません。自分がして欲しいことを相手にしてあげる。反対に自分が嫌なことは絶対に相手にしないという姿勢が大切です。
  二つ目は『高い目標に向かってチャレンジする』ということです。鳥井理事長の口癖は〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟というものでした。皆さんは失敗を恐れて、挑戦することをやめていませんか?困難を避けて楽な道を歩もうとしていませんか?今、世の中で活躍している人はこれまで多くの失敗をしている人です。大いにチャレンジし、たとえ失敗してもくじけず再チャレンジしてください。
  三つ目は『小さなことをおろそかにせずやり続ける』ということです。
これまで何回も話していますが、さわやかな挨拶、キッチリした服装、ルール・規則を守る、整理整頓する、一日5分間の反省をする といった小さな積み重ねが大切です。小さなことができない人間に難しいことは絶対にできません。  
  〝相手の立場に立って行動する〟〝高い目標に向かってチャレンジする〟〝小さなことをおろそかにせずやり続ける〟という三つのことを是非心がけてください。そうすれば必ず道は拓けると思います。
  それでは本日も明るく元気で生き生きと楽しく学校生活を送りましょう。

2009年10月06日

世界の国々~ブラジル連邦共和国

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  外務省の発表によると、2009年1月現在の世界の国の数は193カ国ということになっています。
これらの国を見ると単一民族というところは少なく、ほとんどが宗教や言語、生活習慣が異なる多くの民族で構成され、一つの国家を形づくっています。しかし、過去の歴史を紐解くと相次ぐ戦争の結果、国境は絶えず変わってきていますし、現在でもいたる所で領土をめぐる紛争や民族対立が起こっています。従って、それぞれの国の概要を述べる際には、縦軸としての歴史と横軸としての国際社会における政治や経済の現状をしっかりと把握しておくことが大切です。
  ブラジルは1500年にポルトガル人のペドロ・アルベス・カブラルによって発見され、16世紀半ばにはポルトガル国王の直轄地となりました。その後、砂糖産業の隆盛に伴いアフリカからの黒人奴隷が流入され、更に18世紀に入って、金鉱やダイヤモンドの発見により空前の繁栄を遂げますが、ナポレオンのポルトガル侵攻により、王室がブラジルに移転を余儀なくされます。その後、帝政として独立しましたが、やがて共和制や軍政に移行しました。この間、19世紀の終わり頃から大量の自動車が生産されるようになり、そのタイヤの原料として天然ゴムブームが起こりますが、これも長くは続かず人工ゴムの発明等で衰退してしまいます。そして、1985年からは民政が復活しましたが、政策の失敗からハイパーインフレーションを招き、ブラジル経済は一時大混乱に陥りました。
  現在はBRICsの一翼として、GDP(国内総生産)は1兆8000億ドルを超え世界第8位、ラテンアメリカ最大の経済大国になりました。また人口は1億8千万人、国土面積も851万平方キロと共に世界5位であり、国土の約4割を占めるアマゾン森林地帯は日本の13.5倍に及んでいます。
  品目別の生産高を見ると牛肉は世界2位、鶏肉は3位、砂糖は1位、大豆は2位、鉄鉱石は2位となっており、世界で唯一商業ベースでのエタノール自動車の生産にも成功しています。このようにブラジルは大きな潜在能力を有しているのです。移民を通じて日本との関係も深いブラジルの動きをこれからも注目していきたいものです。

2009年10月05日

地理や歴史を学ぶ

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  一昨日、2016年のオリンピック開催地に決定されたブラジルのリオデジャネイロのことを紹介したところ、〝最近学校でも世界の国について教えなくなったため、あまりにも世界のことを知らない人が多くなっている。これからグローバル化がますます進展する中で、もっと諸外国のことを教えるべきではないか〟というメールをいただきました。この意見には私も同感です。ゆとり教育の影響で社会科の時間が削減され、地理や歴史の時間が極端に少なくなりました。この結果、日本の都道府県や世界の国々についての知識は極端に乏しくなってきています。振り返ると、私の小学校時代には日本の各都道府県の地図や県庁の所在地、世界の主要な国の首都や主要な歴史年表等はほとんど記憶していたように思います。しかし、今は中学生でも十分な知識を持ち合わせていないようです。

 以前、イラクを知らない高校生が3割もいるということや世界の国がどれ位ありどれ位の人口がいるかというごく基本的なことすら知らない人が多いという現実に愕然としました。もっと世界に目を向けていくためにも、これからこの校長通信を通じて機会ある毎に世界や日本の状況について紹介していきたいと思っています。

 この一環として次回は近年成長の著しいブラジルについて掲載する予定です。

2009年10月04日

サツマイモのためし掘り

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  自家自給率を上げるという目標を掲げ、近くの農園を借りて野菜の栽培を始めて約一年が経過しました。最近はインターネットという便利なものがあり、調べたいことがあれば簡単に情報を入手することができます。そのため全く経験がなくてもこれまで何とか野菜づくりを続けてきました。この一年間に収穫したのは大根、玉葱、エンドウ、ソラマメ、キュウリ、トマト、ゴーヤ等です。特にエンドウやキュウリ、ゴーヤは予想をはるかに上回る量を収穫することができました。
  なかなか時間が取れないため、農園での作業は休日ということになりますが、野菜が育っていくのを見るのは楽しいものです。しかし、涼しくなるにつれてさすがに夏野菜であるキュウリは実をつけなくなり、ゴーヤやトマトも収穫量が減ってきました。
  代わって6月上旬に蔓(苗)を植えたサツマイモが蔓を伸ばし、葉を茂らせています。サツマイモが日本に伝来したのは17世紀と言われていますが、あまり肥料を必要とせず、比較的連作もできるため育てやすい作物のひとつです。収穫までの期間が約4ヵ月ということなので、本日〝ためし掘り〟をしてみたところ、かなりの大きさになっていました。この様子では一週間後には全て掘り上げることができそうです。
  今、本校においても環境教育の一環として野菜の栽培に取り組んでいますが、自ら体験することによってアドバイスできるようになりたいと思っています。

2009年10月03日

2016年オリンピックの開催地

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  国際オリンピック委員会(IOC)は2日、コペンハーゲン市内での総会において、2016年オリンピックの開催地をブラジルのリオデジャネイロにすることを決定しました。鳩山首相夫妻が出席し「環境五輪」を前面に押し出すことによって支持を訴えた東京は残念ながら2回目の投票で落選することになりました。有力候補地であったシカゴや東京、マドリッドを押さえてリオデジャネイロが選ばれたのは〝南米初〟ということが多くの委員に受け入れられた結果ではないかと思います。振り返ると日本は1964年(昭和39年)の東京オリンピックを契機に一時低迷はあったものの経済の高度成長路線に乗り、世界屈指の経済大国になったのです。このように世界最大のイベントであるオリンピックは経済発展と深い関係が認められています。
  現在、ブラジルは一時の経済の低迷から脱して、大きな成長を始めており、世界から注目を集めています。また、移民等を通じて日本とは深い関係にあり、日系人も数多くいます。オリンピック開催までにはさまざまな準備が進められることになりますが、これに伴い世界の資金がブラジルに流入し、ますます経済が活性化されるのではないかと思います。今後ブラジルの動きを注視していきたいものです。

  因みに、リオデジャネイロは『リオのカーニバル』で有名な人口約600万人を有するブラジル第二の都市(第一はサンパウロ)であり、世界三大美港のひとつに数えられる港町です。是非世界地図で確認しておいてください。

2009年10月02日

終わりは始まり

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  10月2日(金)、今週の月曜日から始まった定期考査が終了しました。生徒達はそれぞれ5日間にわたるテストの緊張感から解放されて、晴れ晴れとした表情で部活動に参加したり、帰宅の途に着いたようです。何人かの生徒に「結果はどうだった?」「何が難しかった?」と尋ねてみましたが「この教科は自信があります」とか「できました」という答えは少数で「まあまあです」とか「微妙です」といった答えが多かったようです。
  私のこれまでの経験からすると概して「大体できた」ということで放置しておくケースが最も問題があるように思います。何故なら〝できたか〟〝できなかったか〟を自分なりに確認し、できなかったところを今一度自分の手で解き直しておくことが大切なのです。野球のイチロー選手や金本選手等活躍しているスポーツ選手は必ず試合後に素振りや体力づくりを行う等のトレーニングを欠かさず、次の試合に備えています。長い間にわたって活躍できるのは、能力もさることながらこの習慣が身についているからです。
  何事においても終わるとホッとしてのんびりと過ごす人と明日のために準備をする人とは大きな差がつくのは当然です。まさに〝終わりは始まり〟なのです。明日からは自宅研修日になりますが、確かな学力を身につけるために、テスト後の取り組みをしっかりと行なって欲しいと思っています。

2009年10月01日

大阪府教育委員就任にあたって

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(2009年10月2日 神戸新聞 了解済み)

  本日10月1日付で大阪府の教育委員に就任することになり、橋下知事から辞令を拝受しました。主な仕事は、月一回および臨時の教育委員会会議に出席して〝大阪府の教育行政の基本計画や基本方針の決定を行なう〟というものです。これ以外にも学校視察、市町村教育委員会との意見交換会、知事との意見交換会、府議会への出席等があります。現職を継続しながらの勤務になりますので、ますます多忙になりますが、世の中にお返しするという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
  振り返りますと、8年前にパナソニック(株)を退職し、大阪府初の民間出身の校長として、大阪府立守口北高校(兼)芦間高校の校長として4年間勤務させていただきました。その後、雲雀丘学園中学・高等学校校長として4年目を迎えています。この8年間、教育の仕事に従事させていただいた感想を一言で表わすなら〝このままの状況では日本の将来は危うい〟ということです。
  今、世界はグローバル化や情報化の急速な進展に伴い、大きく変化してきています。特にリーマンの破綻に端を発した今回の恐慌によってアメリカの一極集中体制が崩れ、BRICs諸国を中心とする多極化体制への移行が進みつつあります。また、人口爆発による環境問題、食料・水・エネルギー・資源の争奪といった問題も今後深刻さを増してくることが予想されます。
  これまでわが国は高度な技術力に立脚した自動車や電機、工作機械に代表される物づくりによって世界をリードしてきました。そして、これを支えてきたのは高い専門知識やスキルを有する人材であったのは間違いありません。しかし、ゆとり教育の導入や子ども達のハングリー精神の欠如等の結果、日本の子ども達の学力は国際比較においてここ数年顕著に低下してきています。このままでは技術立国としての地位は揺らぐことになり、さまざまな産業においての空洞化が進むことになります。
  広大な国土にも、豊かな資源にも恵まれない日本が今後世界から認められていくためには〝世界に通用する骨太の人財(材)の育成〟をはかり、技術立国を目指していかなければなりません。このように考えると、二十一世紀における日本の最大の課題は『教育』ではないかと思います。私も微力ながら高い志を持って〝将来の日本を背負って立つ人材〟を育成していきたいと決意していますので、今後ともご指導、ご鞭撻賜わりますようお願いします。