兵庫県私立小・中・高等学校人権研修会
きょうの午後、兵庫県私立小・中・高等学校人権教育研修会が神戸のラッセホールで行われました。(株)JTBデータサービス総務部定着支援課障害者求人事務局長の笠原桂子氏を講師として「挑戦という名の旅に出よう」という演題での講演会でした。この研修会は、県内の私立学校における人権教育や心の教育等について研修を深めるために毎年行われているものです。本校は県の世話役校になっており、私は県私立学校人権教育協議会会長としてこの研究会に参加しました。
講演の冒頭、「今日のゴールは、この娘たいしたことのない普通の娘だなと思っていただければ」との話から始まりました。友達とうまくいっていなかった公立小学校から、逃避的に国立中学校へと進学、そこで「学力面」での挫折を経験し、卒業後定時制高校へ。定時制高校の中で様々な経験をし大学進学を目指すようになり和光大学へ進学、手話と出会う。「私は頑張って勉強すれば手話で話せるようになるが、聾者は頑張っても聞こえるようにはなれない」と気づき真剣に勉強するように。専門学校を経て手話通訳士となり、現在の仕事につく。仕事をしながらも、さらに深い学びを求め筑波大学社会人大学院へと進み研究者としても活動することに。表情豊かな気持ちのこもった素晴らしい講演でした。
進路や人生の転機、その時々に先生との出会いがあり自分の進むべき道を後押ししてもらったとの話、また、今の自分は教育現場、学校で養われてきたものとの話は学校関係者にとっては身の引き締まる思いでした。講演を聴き終えて、冒頭のゴールの話は、「目立つような子でない、ごく普通の子も様々な悩みや思いを抱え葛藤している生き方をしているということを先生方に知っていただきたい」との指摘だと、私は受け止めました。