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2008年06月30日

野球部1回戦で惜敗

  6月28日(金)から夏の全国高等学校野球選手権大会兵庫大会が開催されていますが、本校は30日(月)9:00から尼崎市営球場で須磨東高校と対戦しました。互いにチャンスをものに出来ずに、迎えた4回表に2点を先取され劣勢に立たされましたが、見事6回裏に同点に追いつきました。しかし試合が振り出しに戻ったと思った7回表に守備の乱れで再び1点をリードされる展開になりました。回も押し迫り、敗色濃厚となりましたが、驚異の粘りで9回裏2アウトから追いつき、3-3のまま延長戦に突入。
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  10回11回と押し気味に試合を進め一打サヨナラのチャンスを迎えましたが、ともに無得点。11回終了時には両チームの得点・ヒット数・失策数が全く同じという互角の戦いとなりました。そして、迎えた12回についに力尽き3-4で惜敗しましたが、全員が最後まであきらめずに粘りを見せ、立派に戦ったと思います。
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試合終了後、選手たちは泣き崩れていましたが、随所に良いプレイが見られ、普段の練習の成果が表れていたように感じました。試合に負けたのは大変残念ですが、これまで積み上げてきた努力を今後の学校生活に大いに生かしていって欲しいと思っています。
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2008年06月29日

慶應義塾大学 第二回「連携講座」②

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  続いて行なわれた中村修教授の講義のテーマは「インターネットコミュニケーション」です。
  この20年間で、日本におけるインターネットは驚異的な速さで進展し、インフラとしてすっかり定着してきた感がありますが、同氏は日本のインターネットの創成に関わり、その後もこの世界をリードされてきました。また、地域をデザインする環境経済や農業経済学、科学史等にも造詣が深く幅広い分野で活躍されています。
  今回の講義では、まずビットやバイト、キロバイト、メガバイトという情報の単位やデジタル画像の構成単位であるピクセル、情報の圧縮、動画の伝送等の説明がありました。また、一秒間で地球を7まわり半する光のスピードでも情報の伝達遅延が起きるということを2005年の愛地球博におけるオランダのアムステルダムとの間での同時演奏実験のビデオを通じて解りやすく説明いただきました。その後、二台のパソコンを使って実際に画像伝達を行ない、情報の遅延が生じることを自らの目で確認しました。
  最後に中村教授からは〝SFCでは学生に何かを教えようとしているのではない。何かやりたい時にどうしてだろうと考える。やってみようということで実際に行動する。何か面白そうだなあと感じ、自分もやってみたいという学生を求めている。〟という話がありました。
  世界の情報量は毎年50%くらい増加しているようですが、最近は日本でもコンピューター、携帯、PDA、カメラ等すべてが繋がるようになってきています。また、2011年にはいよいよTVのアナログ放送が廃止されます。これによって、情報化は更に新たな局面を迎えるのは間違いありません。このように、これから新しい仕事はどんどん生まれてきますので、問題意識を持って大いにチャレンジして欲しいものです。

2008年06月28日

慶應義塾大学 第二回「連携講座」①

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  6月28日(土)午後、総合政策学部の村林裕教授と環境情報学部の中村修教授にお越しいただき本年2回目となる慶應義塾大学との連携講座を実施しました。
  最初は村林教授による「スポーツで世の中がよくなるっていうけれど、どういうことなのか考えてみよう」というテーマの講義です。同氏は現在、サッカー一部リーグJ1のFC東京の代表取締役社長です。これまで東京ガスサッカー部からFC東京への移行に際しフロントとしてFCの強固な基盤づくりに尽力され、クラブ設立10年にあたる本年2月に社長に昇格されました。また,東京のスポーツを盛り上げるために、プロ野球の東京ヤクルトスワローズとのタイアップや共同PRを推進されるなど幅広い活躍をされています。
  今回の講義では、生徒に対して「スポーツとは何か」「どういう人を思い浮かべるか」「スポーツの果たす役割は何か」等の質問をまじえながら、解りやすくお話いただきました。スポーツは相手がいて初めて成り立つものだから、ルールがあり、相手に対する敬意を持っていなければならない。スポーツを盛り上げるには、選手、ファン、施設の維持管理者、コーチ、トレーナー、指導者、観客、スポンサー、マスコミ関係者等多くの人の力が結集されることが大切である。スポーツは国境の壁を超える世界共通のコミュニケーションツールである。
スポーツビジネスのキイワードは「楽しむ」事であり、スポーツをやる楽しみ、観る楽しみ、応援する楽しみ、それらがマーケットとして広がりスポーツを生業とする人が増えていくことが望まれる。

  最近、サッカーやプロ野球においても一部地域を巻き込んだ動きが出てきていますが、まだまだ日本ではスポーツを通じての文化は育っていないようです。
FC東京も30年後のビジョンを持っておられるようですが、将来のデザインを描き、そのビジョンに向けて色々な仕掛けづくりを行なっていくことが大切ではないかと感じました。

2008年06月27日

間違った子育て指針

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 昨日、幼稚園の保護者の皆さんにお話した内容の中で、特に大切だと思われる〝間違った二つの子育て指針〟について触れておきたいと思います。
  その一つ目は、『子どもの目線で対処する』というものです。この考え方の前提にあるのは、子どもの立場に立って子育てを行なうというということですが、ともすると「大人の論理を押し付けない」「子どもの望むようにしてあげる」「嫌がることはさせなくても良い」ということになります。このように子どもを甘やかせてしまうと、なんでも自分の思いどおりになるというわがままな子どもに育ってしまいます。また、最近は一人っ子が増えてきているため、極端な場合にはお父さんとお母さん、それぞれのお祖父さんとお祖母さんの6人が一人の子どもに関わり合うことになります。この結果、子どもは家の中では王子様、王女様になってしまい、最も居心地が良い場所ということになってしまいます。ところが、家庭の外に出ると、当然のことながら集団生活が待っており、多数の中の一人になります。家庭でのように特別扱いされることはありません。これが子どもにとっては我慢できないという状態になってしまい、ひいては不登校や問題行動に結びつくことになります。
  二つ目は、『大人と子どもは対等の立場にある』というものです。最近の親子の関係を見ていると、あたかも友達であるというようなケースも目に付きます。大人と子どもが対等なら、先生と子どもも対等、つまり友達先生ということになってしまいます。友達先生は最初のうちは子どもにとって人気があるかも知れませんが長続きはしません。教育にとって大切なことは、良いことと悪いことをしっかりと指摘することであり、好きなようにやらせるということではありません。
  この二つは、一見正しいように見えますが、間違った子育て指針なのです。年齢に応じて「して良いこと」と「してはいけないこと」の線引きを明確にすることが大切だと思います。

2008年06月26日

雲雀丘幼稚園での講演

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  6月26日(木)、雲雀丘学園幼稚園の保護者の皆さんを対象に「幼児期にすべきこと」というテーマで,約1時間にわたってお話をしました。開始時間の10時30分には100名を越える保護者が講堂に参集されましたが、なかにはお父さんやおばあさんの姿も見られました。
  最初に簡単な自己紹介の後、子育てについてどのように感じておられるのかという質問をしてみました。心強かったのは〝子育てが楽しい〟という方が多くおられことです。若いお母さん方が中心ですので一方的な話ではなく、極力質問なども挟みながら36枚のパワーポイントを使って話を進めました。
  講演の内容は「将来社会で活躍するために必要な力」「現在の教育をめぐる課題、」「生徒達の気になる行動」「家庭の役割」「正しい生活習慣」「食育の大切さ」「“つ”のつく教育(一つから九つ)」「間違った子育て指針」「子どもは親の鏡」「子どもの心の病気」「狼に育てられた少女」の実話等についてです。
今社会では「企業へ入社後3年間での高い退職率」「ニートやフリーターの増加」「自ら行動を起こさない指示待ち人間」「出社拒否症」等の問題、また学校では「大学入学後の燃え尽き症候群」「大学全入による学力低下」「不登校」「学級崩壊」等の問題が頻発していますが、これらのベースは幼児期に作られると言ってもよいと思います。
  現在の幼稚園児も20年後には確実に社会人になっていると思われますが、その時には世界や日本が大きく変わっているのは間違いありません。これからも本学園としては、家庭と学校・幼稚園が連携して子どもを育てるという〝共育〟と保護者・先生・子どもが共に学ぶという“共学”を柱に教育活動を進めていきたいと思っています。

2008年06月25日

第2回環境講座「水」の開催

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  6月25日(水)、サントリー水科学研究所の日置真由美氏にお越しいただき、中学2年生を対象に水についてのお話をしていただきました。
〝最初に「家庭で1人が1日に使う水の量はどのくらいか」「お米一キログラムをつくるのにどのくらい水をつかうのか」といった質問があり、地球上にある水のうち、我々が使えるのは、ごくわずかしかない。そして、海や地表、湖や河川の水は蒸発して雲を作り、雨という形で降り注ぐという自然循環が形成されており、この通り道の一つである森が大切な働きを担っている。次に水1リットル中に含まれるミネラル分(カルシウムとマグネシウム)の総量を示す硬度についての説明や軟水と硬水の違い、日本は火山が多いため花崗岩や玄武岩の地質が多くミネラル分の少ない土壌となるのに対して、ヨーロッパなど海底の隆起した石灰岩の地質では、ミネラル分の豊富な土壌になっている。身体にとっての水の役割は酸素や栄養分を隅々まで運び、二酸化炭素や老廃物を対外に排出し、体温を調節している。1日に必要な水の量は2リットルであり、食事から700ミリリットル、飲み物からはコップ8杯分相当の1300ミリリットルを摂取しており、反対に汗や呼吸で800ミリリットル、排泄で1200ミリリットルが失われている。また体内の水分が1~2%減ると喉の渇き、2~3%で強い喉の渇き、4~6%で頭痛や集中力の低下、6~8%で体の疲れや衰弱が見られるようになる。Ca 、Na、Mg、K といったミネラルは体内でさまざまな役割を果たしている。〟等を丁寧にわかりやすく説明していただきました。最後に全生徒が硬度20ミリグラムの「サントリー天然水(奥大山)」と硬度1468ミリグラムの「超硬水コントレックス(フランス)」のテイスティングを行ない、自らの舌で二つの水の違いを確認しました。
  環境教育は単に知識を得るだけではなく、自ら調べ考え行動することが何よりも大切です。学校でも家庭でも身近なことから実践していって欲しいものです。

2008年06月24日

自らの授業を磨く

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 6月23日(月)数学科の研究授業を見学しました。本校においては年間何度か各教科の教員による研究授業を行ない、終了後には教科指導力の向上をはかるため教科における反省会を開催することになっています。
  授業はSin・Cos・Tanの三角関数に関する内容です。北海道の修学旅行直後の高校2年生対象であったため集中力が続くかどうか心配していましたが、生徒達は熱心に先生の話に耳を傾けていました。丁度教育実習期間中のため実習生も含め10名を越す先生方がこの授業を参観しました。
  私学の場合は転勤がないため人が固定化する結果、ともすると色々な面で活性化が進まないといったことが起こりがちですが、これを防ぐには常に新しい刺激が必要です。そのために自らの授業を公開したり、他の人の授業を見学するということは大きな効果があります。また、この2年間、新たな先生の採用も行なってきたため、相互授業参観を充実させることにより、活性化が進むのは間違いないと思われます。
  現状では、研究授業の開催計画や反省会は各教科の自主性に任されていますが、将来的には他教科の授業を見学する、また校外の方にも授業を公開し忌憚のない意見をいただく、といったレベルにまで引き上げることが大切です。
  一人ひとりの教員が自らの授業を磨くという思いを持つ、そして、受身ではなく自ら進んで授業を公開し指摘された意見を素直にとり入れていくという姿勢があれば教科の指導力は飛躍的に向上していくのではないかと思っています。

2008年06月23日

環境教育第二弾

  本学園は、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が初代理事長であった関係で、同社からはこれまでも数多くのご支援をいただいています。今回の環境教育のスタートにあたっても、一年以上も前からドリーム・キッズプロジェクト推進部の坪松部長をはじめスタッフの皆さんに多大のアドバイスをいただき準備を進めてきました。先月29日に、環境ジャーナリストの枝廣淳子氏に講演いただいてから間もなく一か月になりますが、今週水曜日には、サントリー株式会社水科学研究所の日置真由美氏に来校いただき、お話をうかがう予定です。
  同社は『水と生きる』という言葉がコーポレート・スローガンの中に取り入れられており、2003年に水科学研究所を設立されました。また、本年度からは東京大学と水に関する研究を進めるために、「水の知」寄附講座を設立し、水問題の解決と豊かな水環境の創成を推進するほか、研究者の育成をはかる計画を推進されています。
  今回の話の詳細は、まだうかがっていませんが、太陽系の惑星の中で、液体の水が豊富にあるのは地球のみですし、人類をはじめ生き物は水なしでは生きていけません。また、地球上の水の総量は太古からほぼ変わることなく、地球上を循環して全ての生物の生命を支えてきています。しかし、地球上の全水量のうちの97%は海水で、淡水はわずか3%です。そして生活に使える水はわずか0.8%しかなく、今後全世界で深刻な水不足が起きる可能性があるのです。
  森や棚田との関係、水質、水の汚染、食糧輸入に伴うバーチャル・ウォーター等の問題について学習して欲しいと思っています。

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2008年06月22日

一石二鳥のエコライフ

  日本は洞爺湖で開かれる主要国首脳会議(G8)において、温暖化ガス排出削減を産業別に積み上げ、国としての削減目標を決める「セクター別アプローチ」を提唱していますが、国別の削減目標を優先すべきであるというEU(欧州連合)とは大きな開きがあります。このようなやり取りを見ていると、温暖化対策は産業界が主体のように思われがちですが、各家庭の果たす役割も非常に大きいものがあります。
  最近のガソリン急騰で、できるだけ車に乗らないようにしている人や思い切って車を手放した人も増えてきたようです。1人の人間を1キロ運ぶのにどれだけのCO2が排出されるのかを見ると、自動車173g、飛行機111g、電車19gになり、圧倒的に自動車の排出量が大きいことがわかります。
  また、案外知られていないのが、家庭のCO2排出量の約三分の一をマイカーが占めているということです。このように、車を例に取り上げてみても各家庭において温暖化ガスの排出を削減することができるのです。車社会になって、我々の生活は一変し、どこに行くにも車を使うようになってきましたが、反面無駄なことも増えてきたようです。車の利用を見直すと、家計の支出は減りますし、歩くことによって運動不足も解消され、肥満防止にも繋がることになります。車の他にも生活を見直すことで、環境面だけでなく色々な面でメリットを得ることができるのです。
  まさに〝一石二鳥のエコライフ〟です。大いにエコライフを楽しむという気持ちで、生活習慣の見直しをしていきたいものです。

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2008年06月21日

幼児期にすべきこと

  本学園には、雲雀丘と中山台という二つの幼稚園とがあります。通常は幼稚園と小学校、小学校と中・高等学校との連携はあっても、幼稚園と中高等学校の連携はほとんどありません。しかし、最近は学園全体としての取り組みも徐々に増えてきています。本校においても環境教育と共に〝食育〟にも注力しはじめていますが、7月には本校の家庭科の先生が中山台幼稚園において保護者の皆さんに、食育についての講演を行なう予定になっています。
  また、来週26日(木)には、私が雲雀丘幼稚園の保護者対象に『幼児期にすべきこと』というテーマでお話しますが、一口に言えば中学・高校の校長からの子育てについてのアドバイスということになると思います。
  残念ながら、自分の子ども以外に幼稚園児を育てた経験はありませんが、人間としての基礎は幼児期につくられるのは間違いないように感じます。幸い今日は休日のため、講演に備えてパワーポイントによるレジュメを作成しました。
 
  すべての動物の中で、幼稚園や学校があるのは人間だけであり、人間以外の動物は親が子に教えています。〝つのつく教育〟(一つから九つまで)の重要性を聞かれた方もおられると思いますが、この時期には右脳が大きく成長することが解っています。そして、間違った子育てをしてしまうと後で取り返しのないことになってしまいます。
  保護者の皆さんは幼児期における家庭教育の重要性を認識し、しっかりと子育てして欲しいものです。

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2008年06月20日

大切な振り返り

  6月20日(金)、高校2年生は修学旅行の代休、その他の学年は定期考査の最終日ということになりました。本日は生徒に対する早朝指導を阪急電鉄の雲雀丘花屋敷駅構内で行ないましたが、それぞれ参考書やノートを手にしながら登校してくる生徒の姿が目に付きました。午前中で試験が終了した後、何人かの生徒に「結果はどうだった?」と尋ねてみましたが「自信があります」「大丈夫です」という答えは少数で「難しかったです」「できませんでした」「微妙です」といった答えが数多く返ってきました。
  大切なのはこれからの対処の仕方です。「済んだものは仕方がない」ということでそのまま放置しておくと、決して自分のものにはなりません。できなかったところを今一度調べてみる、またテストが返却された後間違っていたところは必ずできるようにしておくということです。この振り返りをしっかりやっておかないと、将来全く同じ問題が出されても正答を示すことができないということになってしまいます。
  確かな学力が身につくかどうかは「試験が終わった後の取り組みにある」と言っても過言ではありません。そして、このことは単に試験だけでなく、すべてのことに当てはまるものです。是非、しっかりと振り返りを行なって欲しいものです。

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2008年06月19日

他に学ぶ

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  6月19日(木)、常務理事、事務局長、小学校校長と共に近畿大学附属小学校と幼稚園を訪問させていただきました。近畿大学学園は、幼稚園より小学校、中・高等学校、大学・大学院を持つ総合学園であり、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」という教育理念を軸に教育活動が行なわれています。
  本日は、最初に附属小学校の数学の授業を見学させていただきました。同校では、近年、習熟度別やチーム・ティーチングによる授業、優秀な教員の採用等、さまざまな工夫を加えながら算数の学力アップに取り組んでおられるようです。授業は5年生が対象で、多角形の対角線の本数を求めるテーマでしたが、教え込むというよりは、考えさせることを主眼においた内容であり、生徒達は活発に手を上げて答えていました。また、同校からは附属中学校への内部推薦制度がありますが、過去の入試問題をすべて洗い出して、一つ一つをマスター・カードに落とし込み、何回も繰り返して学習できるようにすると共に〝力だめしテスト〟を実施し、結果についてコメントを書くことにより、子ども達が算数への興味を持つようにしておられます。更に、研究授業をオープン化することにより、教員の授業力アップに繋げておられます。続いて、幼稚園の授業も見学させていただきましたが、子ども達の集中力を高める〝モジュール授業〟は非常に参考になりました。
  その後、近畿大学の河内参与、附属小学校の木原校長、金山副校長、宮地事務長、附属幼稚園の新田園長代理と懇談させていただきましたが、色々な取り組みや課題についての認識を深めることができ、勉強になったと思っています。
  本学園をめぐる環境は大きく変わりつつありますが、これからも他のよいところを学ぶという姿勢を貫いていきたいものです。

2008年06月18日

生徒に夢を与える

  現在、将来教師を目指す教育実習生に対して日々私の思いを伝えていますが、資源や広大な国土もなくエネルギーや食糧のほとんどを海外に依存しているわが国が国際社会で認められていくためには、グローバルな視点に立って考え行動できる人財(材)の育成が極めて重要です。
  しかし、残念なことに今日本の多くの子ども達は自分の将来に対して夢や希望を持っていないのです。どうしてこのようになっているのでしょうか。
  それは、大人が子ども達に夢や希望を与えていないからだと思います。それではこの役割は誰が担うのでしょうか。私が危惧するのは、保護者は学校まかせになっており学校は家庭教育に問題があるからとお互いに責任を転嫁しているのではないかということです。少なくとも我々教育界にいる人間にとっては、他責にするのではなく“生徒に夢や希望を与える”ということが最大の責務であると考えなければなりません。
  今、強く感じるのは“勉強の意義を感じていない”言い換えると“この勉強をしても将来何の役にも立たない”と思っている生徒が多いのではないかということです。何のために学力をつけるのか、それは単に大学に合格することではありません。目的と手段を混同しては駄目です。そのためには教師が“世の中がこれからどのように変わっていくのか”“その時に社会で活躍するにはどのような能力が必要になるのか”ということを認識し、一人ひとりの生徒を指導していくことが大切であると思っています。

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2008年06月17日

実習生に送る

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  現在、本校には3週間の予定で25名の教育実習生を受け入れており、この中の多くの学生は教職に就くことを希望しているようです。しかし、〝人を教えることを生涯の仕事にする〟という覚悟ができているかどうかは疑問です。「できれば教師になりたい」と思うのと、「何としても教師になるのだ」というのでは、心の持ち方という点では雲泥の差があると思います。
  既に紹介しましたが、本校では教育実習のスタートにあたって、学生気分を切り替えてもらうということもあって、簡単な常識テストをしてもらいましたが、とても教師として胸を張って教壇に立てるというレベルには達していないように感じました。教育実習の大きな狙いの一つは、意識を切り替えることではないかと思います。そこで、この期間に実習生に校長としての考えを毎日A4一枚にまとめて、伝えていくことにしました。これまでの内容は「実習についての心構え」「ゆるぎない志を持つ」「高志・自律・努力の実践」「反省なきところ進歩なし」「われ以外、みなわが師」「成功と失敗四つのパターン」「社会人基礎力を育てる」「OECDの学力調査を受けて」です。
  実習終了までの実勤務日は10日ありますが、ポイントを絞って思いを伝えていきたいと思っています。この中の何人かが、意識を切り替え、行動を変えることによって素晴らしい教師になってくれることを期待しています。

2008年06月16日

定期考査始まる

  本日、6月16日(月)より修学旅行中の高校2年生を除く全生徒を対象とした定期考査が始まりました。これまでも漢字や英単語を中心に何回か小テストを実施してきましたが、中学1年生や高校1年生にとっては入学後初めての本格的な考査ということになります。小学時代や中学時代と異なり、試験の範囲も広く、一夜漬けでは対応できないと感じている生徒も多いはずです。
  既に入学して2ヶ月半、この間に毎日2時間ずつ勉強してきた人は150時間、1時間ずつでは75時間になります。ほとんど勉強らしい勉強をしてなかった人が前日に徹夜で勉強したとしても、日々努力してきた人には到底及びません。むやみに時間をかければ良いという訳ではありませんが、絶対量が不足していれば、良い成果は得られません。
  スポーツや音楽・絵画等の芸術について見ても、練習量の差は技量の差となって表われてきています。どの分野においても練習熱心な人がそれなりの成果をあげているというケースは多いのです。勉強についても全く同じことで日々の積み重ねが大切です。これまで、あまり努力せず何とか要領でこなせてきた人も、これからは通用しなってきます。
  まだまだ新しい学校生活が始まったばかりですので、今回の試験を通じて中学・高校における勉強の仕方をしっかりと培って欲しいものです。

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2008年06月15日

高校二年生が修学旅行に出発

  本日(6月15日)から19日まで、高校二年生が北海道への修学旅行に出発しました。今回は教頭が引率責任者で同行していますが、修学旅行の状況は都度ホームページに掲載されることになっています。私も早朝より自宅のパソコンでホームページを確認していますが、無事に新千歳空港に着き、最初の訪問先であるノーザン・ホース・パークでサイクリングやテニス、ランドカー、パワーゴルフ、バルーンアーチェリー等を楽しんでいるようです。
  修学旅行のメインは〝ひばりスペシャル大地の学校〟でのファームステイです。雄大な北海道の自然の中で、さまざまな野菜の植え付けやトマトの芽かき、イチゴの収穫等、普段学校の授業では経験することのできない農作業をすることになっています。また、農家の人達と生活を共にすることで、色々な農業に対する課題や食の大切さについての認識も深めることができると思います。
  更に、農家の人達との心の交流がはかれるというのもファームステイの大きな特色です。修学旅行では、毎年このファームステイを行なっていますが、修学旅行が終わってからも農家の皆さんとの交流が続き、数ヵ月後に収穫された野菜を送っていただいているようなケースもあるようです。
  修学旅行は高校時代の最大の行事であり、一人ひとりの生徒達にとっても忘れえぬ思い出となるのは間違いありません。
  5日間という短い期間ですが、北海道の大自然の中で、素晴らしい体験をし大きく成長して欲しいと思っています。

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  仲間とともに様々な体験ができる修学旅行は、間違いなく一生の思い出となる

2008年06月14日

環境教育について~⑧危機は危険でありチャンス

  近年、食糧、石油や石炭、鉄や銅、レアメタル等の原材料が想像を絶する勢いで高騰してきています。また、サブプライムローン問題に端を発した経済の混乱によって、アメリカでは個人消費が低迷し、ドル安、株安に陥っています。これらの影響で日本の輸出企業の経営は今後ますます厳しさを増すのではないかと危惧されています。更に国境を超えた地球規模の課題である二酸化炭素の削減については避けて通れない状況であり、この取り組みは企業経営にとって負担増になるのは間違いありません。この結果、企業の国際競争力が低下するのではないかと言われています。
  しかし、日本企業の製品が世界各国から受け入れられているのは、高い品質やエネルギー効率なのです。その代表が自動車産業であり、現在日本車は高い評価を受けています。日本企業は二度のオイルショックを経て随分と逞しくなりました。〝必要は発明の母〟という言葉があるように、これまで産業界のさまざまな分野で、世界最先端の省エネ技術を駆使してものづくりの革新を行なってきました。
  シリコンを使わない太陽電池、炭素繊維等、環境技術の面でも世界に誇れるものが数多くあり、これらを磨き上げることによって実用化が加速されることになります。また、日本は周りを海に囲まれており、世界第六位という広大な領海を有していますが、ここには手付かずの資源がまだ多く残っています。沖縄海域や伊豆諸島海域では、海底の熱水鉱床に含まれる銅・鉛・マンガン・コバルトなどが湧出していますし、南海トラフには二酸化炭素排出量が石油の半分と言われる新エネルギー、メタンハイドレートが大量に眠っています。石油や天然ガスの存在が見込まれる地層もありますが、深海ということもあって手付かずの状態になっています。
  今、日本は多くの面で危機的な状況になっていますが、「危」は危険という意味であるのに対し、「機」は機会すなわちチャンスです。環境問題は日本にとって世界をリードするチャンスと受け止めて、積極的に取り組んでいきたいものです。

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2008年06月13日

環境教育について~⑦「共育」と「共学」をベースに

  昨今、何故そんなことが起きるのか、全く理解できないような出来事を目の当たりにすることがあまりにも多くなってきました。高い学歴を有し、それなりの経験をしてきた人の中にも、材料や産地、賞味期限を偽るという食品偽装、耐震偽装に関与しているといったケースが散見されます。かつての日本人の美徳が急速に失われてきているのではないかと感じています。
  相手のことを考えず、自己の利益だけを追求するあまり、「すべきこと」と「してはならないこと」の区別がつかなくなっているのです。突き詰めていくと〝社会に対していかに貢献していくのか〟という志の部分が欠落している。言い換えると人間としていかに生きるかという人生観や人間としての根っ子の部分が育っていないということになります。
  そして、この根っ子の部分は大きくなってから一朝一夕に育つものではなく、小さい頃から時間をかけて育てていかなければなりません。今、子ども達と接していて気になるのは、この根っ子の部分が弱いということです。そして、しっかりした根っ子を育てるには家庭における教育が極めて大切になってきます。
  本校ではこれまで学校と家庭が連携して子ども達を育てる〝共育〟を大きな教育方針の柱に掲げてきましたが、本年からは、保護者の皆さんにこの共育に加えて〝共学〟をお願いしていきたいと思っています。何故なら、普段子ども達には勉強の大切さを訴えていながら、まわりの大人があまり勉強していないことが多いからです。環境問題は人間問題であるということをお話しましたが、環境教育はまさに人間の心を育てることに繋がります。大人が現状をしっかりと把握し、どのようにして課題を解決すべきかを子どもと共に考え、率先して行動に移していくことが大切であると思っています。

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2008年06月12日

環境教育について~⑥コミュニケーション能力を高める

  環境教育のポイントは、単に知識を得ればそれで良いということではなく、課題に対してどうすれば良いのかを考え実践することです。
  しかし行動を起こすにあたっては、全員の気持ちが一つになっていないとなかなか成果には結びつきません。例えば、学校でのゴミ問題について取り組もうとした時、ゴミを減らすためには“不用なものは持ち込まない”“残った食べ物はキッチリ処理する”“資源になるものとそうでないものを分別する”というルールを決め、ゴミ箱を設置し回収する、といった具体策まで落とし込まないと上手くいきません。また、折角ルールを決めても、ルールを守る人と守らない人がいるという状態では駄目なのです。
節水や節電といった取り組みについても全く同じことが言えますし、大切なことはさまざまな取り組みを行なう際にお互いに話し合う、言い換えるとしっかりとコミュニケーションをはかることなのです。
今あらゆるところでコミュニケーションの大切さが指摘されていますが、裏を返すとコミュニケーションのできない人が多いということです。折角学校を卒業し社会に出ても職場に適応できない人が増えてきていますが、そのほとんどの原因はコミュニケーション不足であると言われています。
  家庭や学校での環境教育を通じて、子ども達に社会で役立つコミュニケーション能力を身につけさせていきたいものです。

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2008年06月11日

環境教育について~⑤世界の中での日本を知る

  世界の中で抜きん出た経済力を誇っていた日本経済は、バブル崩壊と急速なグローバル化の波に乗り遅れた結果、国際社会における地位の低下は座視できない状況になってきています。そして、現在では、好むと好まざるにかかわらず、グローバルという視点なしに、すべての物事を考えることはできなくなってきました。間もなく先進8ヵ国の首脳によるG8〝洞爺湖サミット〟が開催されることになっていますが、環境問題もそれぞれの国が独自で解決できるということではなく、地球規模で取り組まなければならない状況にあります。
  この環境問題については色々な切り口がありますが、とりわけ食糧、エネルギー、水の三つは重要なポイントになります。まず、これらの現状がどうなっているのかを正確に把握しなければなりませんが、残念なことに、多くの人がこれらの問題に関しては知りませんし、無頓着なのです。
  先進諸国の中で食糧やエネルギーの海外依存度が極端に高いのは日本だけです。そして、今この二つが世界的にも急騰してきています。しかし、〝食糧やエネルギーの自給率はいくらか〟という問いに対しても正確に答えられる人が果たしてどれ位いるかは疑問です。
  どのような食材をどの国からどれ位輸入しているのか、その時の輸送にどれ位の燃料代が使われているのか、日本向けの食糧のためにどれ位の水や肥料が使われているのか、どれ位の森林が失われているのか、廃棄している食糧はどれくらいか、どれ位の石油、石炭、天然ガスを輸入しているのか、鉄鉱石を初めとする原材料はどうなっているのか、それぞれの分野でどれ位の二酸化炭素を発生させているのか、こういったことをグローバルな視点でとらまえていくことが大切なのです。
  生徒達に環境問題を通じて、世界の中での日本の位置づけを認識させ、ますます進展するグローバル化の中で、どのようなことに取り組んでいくべきかを考えさせていきたいと思っています。

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 間もなく開催される洞爺湖サミット

2008年06月10日

環境教育について~④凡事徹底を体得させる

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     登校時のあいさつの様子

  これまで、〝人間教育にあたっての特効薬はない。簡単なこと、あたり前のことをあたり前にする凡事徹底が何よりも大切である。〟ということを何回もお話してきました。本校では、わかりやすい例として「爽やかな挨拶」「きっちりとした服装」「ルール・マナーの遵守」の三つに注力してきました。まだまだ十分とは言えませんが、日々の指導により着実に良くなってきているように思います。この度、人間教育の大きな柱にするという方針のもと環境教育をスタートさせましたが、身近な簡単なことを着実にやるという凡事徹底については更に継続していきたいと考えています。
  学校全体の取り組みとしては、照明や冷暖房等の不必要な電気を減らす、ゴミになりそうなものは学校に持ち込まない、また発生したゴミはキッチリと分別する、水道水を無駄にしないといったことを行なっていますが、この他にも環境に配慮した取り組みは数多くあります。
  また、家庭や地域でやれることも、みんなで協力し合えば、いくらでもあるのではないでしょうか。最近、生徒達の中にも、家族と話し合ってマイ・バッグやマイ箸を持参したり、待機電力削減のための工夫をしている人が多くなっているようです。
  私もこれまで社会で活躍している人を何人も見てきましたが、この人達は例外なく凡事徹底を実践されていると言っても良いと思います。簡単なことができない人に難しいことは絶対にできません。
生徒達が、凡事徹底を体得することによって、人間力の練磨をはかっていって欲しいと思っています。

2008年06月09日

教育実習のスタート

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 6月9日(月)、教育実習のスタートにあたり、25名の実習生に対して次のような話をしました。

  〝皆さんはこの度母校で教育実習されることになりましたが、実習にあたって次のことを心がけて欲しいと思います。
  ①学校の役割は〝生徒を育てる〟ということです。生徒が主体であり、実習生である皆さんではありません。実習中にはこのことをしっかりと認識しておくこと。
  ②生徒にとって、教壇に立つ人は〝すべて先生〟です。この期間中は、皆さんは一人の先生であるということを自覚し行動すること。
  ③生徒達はあまり年の離れていない先輩の姿を大いなる関心を持って見つめています。本学園の創立の精神(孝道)や本校の校是(高志・自律・努力)、人間教育の持つ意味を今一度思い浮かべ、実践すること。
  ④〝教えることは学ぶこと〟です。教えるためには、何倍も勉強しなければなりません。教員はともすると視野が狭くなり、人間的な幅も広がりません。社会の動きにも疎くなりがちです。〝学校の常識は社会の非常識〟〝社会の常識は学校の非常識〟ということにならないようにしなければなりません。これを機に、必死になって勉強すること。
  ⑤雲雀丘学園中学・高校が日本の一般的な学校と思っては間違います。このことを知っておかないと将来教師はつとまりません。どのような学校でも教員として立派にやれるよう心しておくこと。〟
同時にG8、バイオ燃料、アメリカの大統領選等、最近話題になっている事柄や常識的な漢字の問題に答えてもらいましたが、この結果は決して満足できるレベルではありませんでした。
  現在、日本は子ども達の学力低下が叫ばれており、家庭・学校・地域のすべてに問題があるのは間違いありませんが、何と言っても教員の資質向上が最大のポイントです。あらゆる分野で団塊世代の退職に伴い、ノウハウやスキルの伝承が重要な課題になってきていますが、教育界も例外ではありません。
  教員を目指す人達がしっかりと自己研鑽を積むことが基本ですが、先輩が後輩を育てるという強い気持で厳しく指導していくことも大切です。
  3週間という短い実習期間ですが、しっかりと指導していきたいと思っています。                      

2008年06月08日

環境教育について~③学び考え行動する

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  本校の創立の精神は「社会で役立つ人材の育成」ですが、社会で役立つ力は、単なる知識だけではありません。私は今でも企業の幹部や人事担当の方と時々懇談していますが、〝最近の若者の中には指示されたことはできるが、自ら問題意識を持って行動するということができない人が多い〟ということをよく聞きます。このような人が増えれば、新しいことにチャレンジするという気風はなくなり、これまでどおりの無難なやり方を踏襲することになってしまいます。この結果、組織の活力は失われ衰退の道を歩むことになります。今社会で求められているのは、自ら課題を見つけ出し、その課題解決に向かって行動する人材なのです。
  現在、わが国の学校においては、子ども達に知識を教え、テストという形で問題を出すことによって知識が修得できたかどうかを把握するようになっています。つまり、「与えられた問題を解く」という知識偏重型の教育が中心になっています。このことが社会に出た時に応用が効かない人間を作り出している大きな原因なのではないかと思います。
  社会においては、学校とは異なり正しい答えは一つではありませんし、与えられた問題を着実にこなすというだけでは不十分なのです。何が課題なのかを見つけて解決していく、言い換えると問題を作り出す力が必要になります。学校は「社会で役立つ力を育てるトレーニングの場である」と考えるなら、〝自ら学び考え行動する〟という教育が何としても大切なのは言うまでもありません。
  環境教育は〝単に知識を学べばこれでお終い〟というものではありません。これからは生徒自らが「学び、考え、身近かなことから行動していって欲しいと思っています。

2008年06月07日

環境教育について~②環境問題は人間問題

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  地球の温暖化防止、オゾン層の保護、大気環境の保全、水環境・土壌環境の保全、生物多様性の保護、廃棄物対策等、我々のまわりには看過できない環境問題が山積しています。
  しかし、人類の歴史という観点から見ると、環境対策が深刻な問題としてクローズアップされてきたのは、ごく最近のことです。つまり第二次世界大戦が終わり、人口が急増し、工業化が急速に進展し始めた20世紀後半からであり、少なくとも産業革命以前には、環境問題というものはあまり注目されず、話題にもならなかったのではないかと思います。このように考えると、環境問題は人間の経済活動がもたらしたものであり、「環境問題」は即ち「人間問題」であると言えます。
  人間であれば誰しも豊かな生活を送りたいという気持ちを持つのは当然ですが、それが他の人間の犠牲の上に成り立っているということは許されないことではないかと思います。しかし、現実の姿を見ると、あまりにも国によって生活の水準が違いすぎますし、「豊かなものはより豊かに」、「貧しいものは更に貧しく」という構図は改善していかなければなりません。また、後の世代の人に負の遺産を引き継ぐという考え方も絶対に避けていかなければなりません。要は〝自分さえ良ければいい〟という考え方ではなく、他の人のことを考えて行動していくことが大切なのです。
  環境に配慮することは即ち、人間に対する思いやりやまごころを育てることにつながります。本校では、「人間力」を高めることを教育方針のトップに掲げていますが、今後、環境教育を人間教育の大きな柱として取り組んでいきたいと思っています。

2008年06月06日

IT化の推進による仕事の見直し

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  本学園においては、平成12年から構内LANの導入をはかり今日に至っています。現在、中・高校、小学校の専任教職員については、一人一台のパソコンが配置されており、学園内通知という形で人事異動や行事予定をはじめ必要な情報が伝達されることになっています。また、各人のメールアドレスが登録されており、随時報告や連絡ができるようになっています。
  更に、予算や成績処理、勤怠管理、掲示板等の目的に応じてフォルダを作成し、その中にそれぞれ必要なデータを保管できるようになっており、必要に応じて各人が見ることができるため、非常に効率的な業務の進め方が可能になります。
  このような恵まれたIT環境の下では、業務の簡素化やシステム化、ペーパーレス化が進んでいるように思われますが、職員室の中の各先生の机の上には資料が山積みになっています。学校という性格上、生徒に配布したり回収する資料が多いということもありますが、このことを差し引いてもまだまだ改善の余地があるように思います。そこで、本年度から「業務改革・IT推進担当」の先生を決め、LANの更なる活用をはかることによって業務の簡素化やシステム化を推進していくことにしました。
  まだ、スタートして2カ月にしかなりませんが、徐々にデータ類の整理も含め改善が進みつつあります。
  また、今月は環境月間になっていますが、学校全体の取り組みの一つとして「紙の削減」を取り上げていきたいと考えています。しかし、生徒に配布するプリント類を減らすことは現実的ではありませんので、教職員の使うペーパーの削減が中心となります。この取り組みのスタートにあたって、全員が参加する職員会議での配布資料を減らすということにしました。具体的には、プロジェクターとスクリーンを会議室に設置し、パソコン内の資料をスクリーンに写して説明するというやり方に切り替えました。多少見にくいということもあったようですが、先日の職員会議では配布資料ゼロということになりました。同時にこれまで各人がそれぞれファイリングしていたやり方を改め、パソコンの中に「職員会議」というフォルダを作成し、必要に応じて閲覧できるようにしました。これにより、少なくともペーパーの削減とファイリング時間の手間がなくなります。また、事前に会議資料を登録しておけば、教職員は内容を確認した上で会議に臨むこともできるようになります。
  まだまだ課題は数多くありますが、これからもITを積極的に活用して、業務の見直しを行ない、少しでも時間の余裕を見出していきたいと考えています。

2008年06月05日

環境教育について~①なぜ今環境教育なのか

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  これまで何回かにわたり、地球の温暖化をはじめとする環境問題について取り上げてきました。また、昨今はマスコミにおいても、毎日のように地球の環境を守るための取り組みについて報道されてきており、環境に対する意識は急速に高まってきているように感じています。皆さんの中にも、地球規模での環境問題がこれほど深刻な状況になってきているということを知らなかった人も多かったのではないでしょうか。我々は自分達の生きている地域や時代を中心に色々なことを考えがちですが、時には大きな時間軸や空間軸で物事を考えていかなければならないこともあります。その代表的なものが、地球環境をめぐる問題ではないかと思います。時間軸ということで地球の歴史を取り上げると、地球の誕生した46億年前に遡らなければなりません。しかし、人間の一生というスパンをベースに考えると、46億年というのはあまりにも膨大すぎるため、実感が沸かないのではないかと思います。理解を深めるために地球が誕生してから現在までを1年に例えると、ホモサピエンスの誕生は12月31日の11時40分前後となり、わずか20分しか経っていません。また、農耕を始めたのは約1万年前であり、地球の1分間の動きということになります。
  更にこの100分の1である100年の間、言い換えると瞬きしている間に急速な経済発展と人口爆発が起こり、深刻な環境問題が生じてきているのです。空間軸で現在の世界の状況を見ると、豊かさを享受している人達がいる一方で、毎日の食糧や水にもこと欠く人達が数多く見られます。
  本校においては、本年度より環境教育について本格的な取り組みを開始することになりましたが、今の世の中の動きを受けて急遽始めたわけではありません。これまで、本校では人間教育の充実を教育方針のトップに掲げていますが、〝人間力を高めるための特効薬はない〟ということで、「爽やかな挨拶」「きっちりとした服装」「ルール・マナーを守る」という3つの『凡事徹底』を基本に取り組んできました。しかし、これだけではともすると受身になりがちになるため、更に自主的に行動するという取り組みを加えたいということで約1年にわたる検討を重ねた結果、サントリー株式会社の支援をいただき、この度、環境講座をスタートさせることになったのです。
  この他にも環境教育の狙いは数多くありますので、これから何回かにわたって「環境教育について」というテーマで紹介していきたいと思っています。

2008年06月04日

平成20年度第1回理事・評議委員会の開催

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  6月4日(水)、本年度第1回の理事・評議員会が開催されました。本学園では、各分野における著名な方に、理事・評議員に就任いただき、学園経営や教育活動全般にわたるご支援やご意見をいただいています。
  本日の主な議案は、「平成19年度事業報告と決算案の承認」「学園創立60周年事業」の二つです。
少子化が進行する中にあって、前年度は学園全体として創立の精神の徹底、挨拶・服装・ルール マナーの遵守等に取り組みました。また、中高においても新コース制の導入、カリキュラム・シラバスの見直し、授業時間の増加等教育面での充実と共に教育設備の整備も順次実施してきました。
  続いて、学園60周年事業についての説明がありましたが、実施内容としては、高校校舎の新築、小学校運動場の拡張と50メートルプールの改修、雲雀丘と中山台幼稚園の庭の整備が予定されています。
  議案の審議が終了した後、私から「中学・高校の新入生の現状」と「環境教育の取り組み」について報告しました。ベネッセの学力推移調査の分析データによると、中学・高校共学力の高い生徒が入学してきていることがわかります。また、本校では人間教育の充実を教育方針のトップに掲げていますが、環境問題は人間問題であるという図式の中で、環境教育は人間教育につながるという説明を行ないました。
  理事・評議員の皆さんからは、食と環境の関係をどう考えるのか、先生方の環境に対する取り組みはどうか、LEDの照明に変えるだけで大きな節電ができる、環境に配慮したエコスクールを目指すことが大切、生徒達に具体的にどのような切り口で取り組ませようとしているのか、校舎建設にあたって資材の高騰にどう対処すべきか、人間力をつけた後に学力を高めることが必要、ビジョンをしっかりと等活発なご意見や質問が出されました。
  これらの貴重なお話を参考にしながら、新たな取り組みを展開していきたいと考えています。

2008年06月03日

食と環境について

  以前、この校長通信の中で〝家庭での食育〟というテーマで、計25回にわたり(2月7日~3月31日)紹介してきましたが、この6月は『食育月間』でもあります。食と環境というのは全く異なるジャンルの問題ではなく、非常に密接な関係にあるため、広い意味では食育も環境教育の中に含めても良いと思います。
  食育月間にあたり、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省は協力して、「食を通じたコミュニケーション」「バランスのとれた食事」「望ましい生活リズム」「食を大切にする気持ち」という切り口で、1日に何をどれだけ食べたらよいかという≪食事バランスガイド≫を示し、自治体や関係機関に働きかけています。
  昨年、農林水産省は、自分の家族の食生活を見直すという狙いで、6月16日から22日を『食事バランスガイド実践週間』とし、約9,000名を対象に食事内容の調査を行ないました。調査の方法はこの1週間のうちの任意の3日間について、食事の回数、欠食の状況、主食の種類、乳製品や果物、菓子や嗜好飲料の摂取量といった食事内容を自主申告してもらい、この結果を集計したものです。これによると、〝3日間の平均でバランスの取れた食事をしている人はわずか8パーセントであり、1日に米を食べる回数の多い人の方がバランスの取れた食事をしている。また、3食欠かさず食べている人の方がバランス的に優れている。果物は7割以上の人が摂取できていない。牛乳をはじめとする乳製品の摂取も少ない。一方で菓子や嗜好飲料については目安の200キロカロリーを上回っている人が半数以上いる。〟ということが判りました。
  60パーセントを超える食糧の輸入や食べ残しによる生ゴミの処理といったことは、環境に直結した問題です。これからは一人ひとりが食と環境について考え、行動に移していって欲しいものです。

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2008年06月02日

環境推進月間のスタート

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トイレの洗面台.jpg 廊下の手洗い場.jpg
トイレの洗面台                 廊下の手洗い場


  先週の全校朝礼や環境宣言でもお話したように、本校においては6月と7月の2ヶ月を『環境推進月間』に制定し、身近なやれることから行動に移すことにしています。個人でやること、仲間でやること、家庭でやること、地域でやることについては具体的な指針は示していませんが、学校全体としては「ゴミの分別」と「節水」の二つのテーマに絞って取り組むことにしました。
  まず、ゴミの分別については、宝塚市クリーンセンターが発行している≪宝塚市ごみの減量と資源化・分け方≫に基づいて、行なうことにしました。ゴミの分別の仕方は、それぞれの自治体によって異なりますが、宝塚市では、「燃やすごみ」「プラスチック類」「紙・布」「ペットボトル」「かん・びん」「小型不燃ごみ」の6種類に分類することになっており、ごみ袋は中身がわかるように透明または半透明のものを使用するように決められています。このうち、紙・布と小型不燃ごみについては大量に発生する時に別途処理するものとし、中学、高校別に四つの容器を準備しました。
  現在も生徒達が各教室で燃やすごみとプラスチック類を分別するようにゴミ箱を分けていますが、残念ながら徹底しておらず、技師の方の手を煩わせている状況です。今回は地球の温暖化やリサイクルの重要性を生徒達にしっかりと認識してもらった上で、分別のルールを徹底していく予定です。
  また、節水については宝塚市上下水道局から「節水シール」をいただき、トイレをはじめ水道の蛇口のあるところには貼り付けることにしました。いずれも地道な取り組みですが、まず行動に移すことから始めていきたいと思っています。


2008年06月01日

エコライフのすすめ~マイバッグを持つ

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私達はこれまでスーパーやコンビニエンス・ストアで買い物をすると渡されるレジ袋を当然のこととして受け取ってきました。皆さんは、このレジ袋がどれくらい使われているかご存知ですか。そういう私も一年前までは正確なことは知りませんでした。しかし、驚くべきことに、わが国においてこのレジ袋は年間実に305億枚使われているのです。単純計算では1人平均年間240枚ということになりますが、実際に買い物をしている人で見ると1人1日1枚のレジ袋を消費していると言えるのではないかと思います。
  このレジ袋は1枚約10gで、原料はポリエチレンから作られており、お猪口一杯分の石油が必要ですが、これだけの枚数になると膨大な量の石油が必要になります。解りやすく言えば、超大型タンカー2隻分、50mプールでは600個分ということになりますが、レジ袋の使用時間は帰宅までのわずか30分であり、ゴミとして捨てられてしまうのです。そして、ほとんどが焼却ゴミとして処理されています。このように考えるとレジ袋は無駄な石油を使うということで、地球の温暖化を促進していると言わざるを得ません。
  マイバックを持とうという運動が広がってきていますが、スーパーやコンビニもレジ袋を何とか削減したいということでさまざまな取り組みを行なっています。また、日本の伝統である風呂敷を積極的に活用しようという「まいふろしき」運動も全国各地で起こりつつあります。
  環境先進国であるドイツでは、買い物には〝買い物バッグ〟か〝買い物カゴ〟を持参することがあたり前になっています。一人ひとりがこういった運動に参加することにより、レジ袋の削減に取り組んでいきたいものです。