高校全校朝礼~グローバル化 新興市場での商品づくり
6月30日(水)、高校の全校朝礼で次のような話をしました。
〝現在、サッカーのワールドカップが開催されており、日本は惜しくもパラグアイに敗れましたが、皆さんはこの国のことを知っていますか。パラグアイは南米の中央部に位置し面積は日本より少し大きく(407千平方キロ)、人口は623万人で北海道や兵庫県より少し多い国です。しかし、一人当たりの年間所得は約1000$ですから日本円に換算するとわずか約9万円で日本の40分の1ということになります。皆さんが持っている地図帳の後ろに世界の国々のデータがありますので、今回ワールドカップに出場している国々の状況を家庭でもよく調べるようにしてください。そうすればより理解が深まると思います。学校の授業だけが勉強ではありませんので、色々なことに興味を持って自分で調べるという習慣を身につけて欲しいと思います。
さて、最近グローバル化というテーマでお話していますが、ビジネスとして成り立つためには、できるだけ利益のとれる商品を数多く売るということが必要です。このためには採算の取れる価格に設定する必要がありますが、あまり高いと商品は売れません。そのため製造コストを下げようとして、人件費の安いところで作るようになります。このようにして、中国で多くの商品が作られるようになり、世界各国に輸出されるようになりました。そして、更に製造コストの安いベトナムやインドネシアといった国にシフトしています。一方で、大きな消費が見込まれる市場がどこかを見つけ出さなければなりません。単純な見方をすれば人口の多い国ということになりますが、購買力が伴っているかどうかがポイントとなります。このような動きの中で、今注目されているのがインドです。インドの人口は約12億ですが、このうち60%は30歳未満でこれからますます経済成長が期待されています。以前は裸で生活しガンジス川で水浴を行なっている人々の姿や牛の糞尿が垂れ流されているといった状態でした。熱い国ですから人々が冷蔵庫やエアコンが欲しいと思うのは当然です。しかし、高い物は売れません。今、インドで売れている冷蔵庫はアイスボックスに毛が生えたような数本の飲料水が入る程度の商品で1万円以下です。日本の冷蔵庫とは全く異なる物です。今後は、このような現地に合った商品づくりが必要になり、企業はどんどん新興市場に進出していきます。そして、そのための人材が必要になってきます。ほとんどの国で英語が使われていますので、しっかりと語学力を高めるようにして欲しいと思います。〟