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2013年01月31日

アンソニー・トゥ先生講演会

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 きょうはアンソニー・トゥ コロラド州立大学名誉教授をお招きして、高校1・2年生対象に講演会を行いました。先生は毒性学および生物兵器・化学兵器の世界的権威として有名な方です。演題は「日本で起きた化学テロ事件」です。1994年、95年に起きた松本サリン事件や東京地下鉄サリン事件に焦点をあてたお話でした。日本に存在しないはずの戦争で使用する神経ガス・サリンを長野衛生公害研究所が特定したことに、驚きと研究レベルの高さに敬意を払われていました。トゥ先生の「サリンは地中から検出できる」との指摘から、捜査の進展や製造場所の特定に至ったそうです。
 18年前は1月に阪神淡路大震災、そして3月に地下鉄サリン事件と日本中が騒然とした年でした。もちろん、きょうの講演を聴いた生徒たちが生まれる前の出来事です。この事件は、化学的知識や優秀な技能を多くの人を死に至らしめたり、苦しめる毒ガスを製作することに使用するのか、人々の幸せや世界の平和のために生かすのかが問われる典型的な事例です。「人間力の伴わない学力」は本当の学力ではないことを示す良い例です。きょうの講演を通して、生徒たちには、「何のために学び」、「誰のために学ぶのか」、そして、どういった分野で社会貢献できる人間になるのかを考え、大学での学びへと繋げるようにして欲しいと思っています。
 1時間30分にもおよぶ、82歳というご高齢を感じさせない講演会でした。ご講演いただいたトゥ先生と、この講演会の労を執っていただいた徳島大学の中川教授に厚くお礼を申し上げます。

2013年01月30日

全校朝礼

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 きょうは七十二候の72番目「鷄始乳(にわとりはじめてとやにつく)」です。春の到来を感じた鶏が、卵を産み始める時期とされています。二十四節気の24番目「大寒」の末候にあたります。いよいよ春近しです。
 久しぶりの全校朝礼です。高3生がいないのでいつもと少し様子が違います。「映るとも月も思はず 映すとも水も思はぬ 広沢の池」という歌を紹介しました。剣豪塚原卜伝が詠んだ歌だと言われていますが定かではありません。その意味は、月は水に映ろうとも思わないし、水もまた月を映そうとは思わないが綺麗に池の水面に映っているというものです。剣の真髄を訓えたものでこの無心の境地を「水月の位」と言います。剣の極意を説きたいのではありません。人間一人ひとりが月であり水であるということを言いたかったのです。他人(ひと)に自分という人間をこう思って欲しいとか、また逆に、どうも思われていないと思っていても、その人の存在そのものが他人の心(水)に映っているのです。影響を与えているのです。作った姿を映そうと思うと本当の姿が映りませんし、風で波が立っている水面や、濁った水だと月は正しく映りません。ここにいる皆が三日月、上弦、下弦や満月とそれぞれ違った月であり、池なのです。各自がどのような姿を映し、映される月や水になるのかを考えて欲しいという話をしました。最後に、ご近所の方から、中学生がよく挨拶をしてくれて気持ちがいいという電話が入っていることを紹介しました。進んで挨拶をする、すがすがしい素晴らしい月があるのです。

2013年01月29日

国公立大学出願始まる

 昨日から全国の国公立大学で、二次試験の願書受付が始まりました。国立82大学381学部、公立81大学174学部で、計12万4626人を募集します。出願期間は2月6日までになります。二次試験は前期日程が2月25日から、後期日程は3月12日からになります。一部公立大学は8日から中期試験を行います。
 今年のセンター試験は国語と数学が難しかったようです。厳しかったセンター試験の状況を受けて、国公立大の出願を躊躇している受験生も増加しているのではないかとも考えられています。近年、「文低理高」「資格志向」といった傾向が見られましたが、センター試験の平均点がダウンしたことにより、同じ系統の学部でもボーダーラインの低いところへ志望者流入が起こるのではないかとの見方もあります。また、後期日程は、大阪大(理、基礎工)、神戸大(経済)をはじめ、後期日程を廃止・縮小する大学の影響で出願予定者減少の傾向がでるのではないか、との予想もあります。
 何事もそうですが、例年とは違う状況や要素が加わった時には不安や動揺が起こるものです。そして、その状況を回避しようとしてみんなが動くことにより、かえって競争率が上がったり難易度が増すことがあります。このような時こそ、緻密な分析と冷静な判断が必要になります。自分は何をしたいのか、目指す方向は何なのかをシッカリ見つめながら、自分の力を客観的に見つめ、正しい状況判断をしなければなりません。困難な時こそ最後まで諦めずに頑張った者が栄冠を手にします。後期まで気持ちを切らずに頑張り抜きましょう。

2013年01月28日

「急須?・・・」

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 冬型の気圧配置が強まったきょう、校庭もうっすら雪化粧しました。珍しい雪景色に生徒たちも大はしゃぎでした。年に一・二度あるかないかの珍しい光景ですから、気持ちは良く分かります。
 こちらも珍しいというか、驚きの内容がけさの新聞に掲載されていました。「ある人が幼稚園で講演したとき、若い母親に『お茶って自分の家で作れるんですか』と聞かれた。『はい』と答えると、彼女はこう言ったそうだ▼『私のお母さんがお茶を作っているところ、見たことがない。いつもペットボトルのお茶を飲んできた』。・・・料理教室の先生に、急須を『これは何ですか』と聞く受講生がいたという・・・福岡県立高校の家庭科教諭が生徒にアンケートしたら、冬に家で飲むお茶を『急須でいれる』と答えたのは2割しかなかった。授業では急須を直接火にかけようとする生徒もいたという」。(1月28日朝日新聞天声人語)
 これを読んで、早速本校の家庭科の教員に聞いたところ、急須を知らない、勿論使い方も知らない生徒が中学1・2年生で見受けられるそうです。その現実をふまえて、家庭科の授業では、急須を使う場面を取り入れるように工夫しているとのことです。食生活にも変化が現れているようです。「骨があるから魚を食べない子どもがいる」という話も聞いたことがあります。好き嫌いで食べないのではありません。綺麗に小骨まで取った魚の食材が売られており、いつもそれを食べているからだそうです。
 「コンビニエンス(便利)と引き換えに大事なものをこぼして歩いているようで、立ち止まりたい時がある」。天声人語の結びの文章です。

2013年01月27日

高校を受験するみなさんへ

 高校入試の出願が始まっています。受付初日から次の日の2日間で見ますと、過去最高の志願者を記録した昨年を上回るペースできています。曜日の関係や中学側の出願準備等の関係もありますので、単純な比較は出来ませんが、ほぼ昨年並みの志願者になるのではないかと予測しています。今年はコースの募集人員が、選抜特進コースは80名と昨年より35名増やし、特進コースは35名と昨年の70名の半分になっています。これが、入試全体にどう影響するかは、志願者全体の様子を見ないと分かりませんが少し難化するのではないかと考えています。 
 倍率が高くなったといっても、公立高校と違って定員通りの数しか合格を出さないというものではありません。実質の倍率は見かけより少なくなります。受験生の皆さんは、倍率に不安を抱くことなく持てる力を十分発揮できるように頑張って下さい。私立高校の受験は各学校毎に入試問題を作成しますので、自ずとその傾向が表れてきます。いわゆる傾向と対策が必要になってきます。ただ、あまりそれに拘った、いわゆる「山をかける」ような受験勉強をするというのは、幅を狭めることになってしまいます。やはり、中学で学習した内容を全て総復習して臨むことが基本になります。また、その努力が高校へ入学してから必ず生きてきます。
 受験まで後2週間足らずになりました。体調管理は勿論のことですが、緊張しながら5科目の試験を受けるということは集中力と体力も必要になってきます。試験時間に合わせたメリハリのある学習をするなど、うまく調整をして下さい。健闘を期待しています。

2013年01月26日

勉強するには食前が良い

 東京都医学総合研究所の平野恭敬主任研究員や齊藤実参事研究員、首都大学東京などの研究グループは、空腹状態になると記憶力がアップする仕組みを、ヒトの記憶メカニズムと共通性をもつショウジョウバエを使った実験で明らかにし、25日の米科学誌「サイエンス」に発表しました。長期記憶のメカニズムはショウジョウバエから哺乳類まで共通しているとのことですから、「勉強するには食前がよい」と言われていることには科学的根拠があるということになります。
 家庭学習が大切なことは当然のことですが、この研究結果は夕食前の時間の過ごし方にヒントを与えてくれていると思います。毎日クラブ活動を終えて帰宅するとすぐに夕食になると思いますが、その前の1時間、それが無理ならせめて30分でも学習にあてる工夫をしてみてはどうかということです。もちろんそれだけで良いとはいえません。食後、少し休憩したあと学習を再開する必要はあります。このスタイルが定着すれば、時間の有効活用と学習の効率化をはかることができます。ただ、過度の空腹で飢餓状態に陥ると、食べ物の「報酬記憶」だけが長期記憶になり、他の記憶は長期記憶にならないので、「空腹で記憶力をあげる時には注意が必要だ」とも指摘しています。しかし、飢餓状態になるまで食前に学習することはないと思いますので、トライしてみる価値はあると思います。
 学習習慣の確立と生活のリズムをうまくミックスさせる工夫など、生活を意図的、能動的にコントロール出来る人が学習の成果も上げるということになります。

2013年01月25日

水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

 きょうは「大寒」の次候、七十一候にあたる「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」です。「沢の水に厚く氷が張っている、そんな風景は、日本人に一年のうちでいちばん寒い季節にいることを思い起こさせてくれます」。(くらしのこよみ)
 つい先日、暦にあるように神戸市の六甲山にある「七曲滝(ななまがりたき)」が凍結し、無数のつららや氷の膜で約30メートルの滝が覆われる「氷瀑(ひょうばく)」が出現したようです。きょうから寒い日が続くとの予報もあります。寒さが一番厳しいということは、暖かい春が近づいてきていることになります。日の出も少しずつ早くなり、日の入りも少しずつ遅くなってきています。季節は晩冬、もうすぐ節分、「立春」です。
 自然の営みの中には、表面に見える現象面とそれを変化させようとする動き、「相反するもの」が共存しています。暑さ、寒さが一番厳しいときは、それを和らげる動きも大きくなってきています。これが自然のダイナミックなところだと思います。人間の心の変化や成長の過程も自然界の動きに通じるものがあります。困難に直面したり、問題が大きくなってきたときには、必ずそれを解決する動きや打つべき対策の芽が出てきているはずです。そこに目を向けるような思考方法を採っていきたい、と私は考えています。
 高校受験、大学受験と受験シーズン真っ只中です。きょうもセンター試験の結果を受けて、進路や高3の先生は朝から一人ひとりの生徒の進路検討を行っています。かなりの長丁場になりそうです。「厚く張り付いた氷」を解かす働きや芽はどこにあるのかシッカリ検討し、生徒たちに春を迎えさせたいと考えています。

2013年01月24日

高校入試出願始まる

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 中学入試が終わり、授業再開です。廊下を行き交う生徒の姿、校庭での遊び声が聞こえる普段通りの学校生活に戻りました。とは言え、高2はきょうと明日は模擬テスト、高1も明日は模擬テストですし、中学は実力テストと今度は在校生のテストの番です。
 例年のことですが、中学入試が終われば次は高校入試です。きょうから出願の受付が始まりました。朝から出願にくる生徒の姿が見られましたが、午後は長蛇の列ができるほど多くの生徒が来校しました。きょう一日でA日程の出願者が438名(募集人員は約110名)ありました。今年は大阪府の入試制度の変更で、普通科が前期・後期の2回受験できるようになりました。新聞報道にもありましたが、7倍を超える希望者がある学校もあれば、募集定員に満たない学校があるなど大きな偏りがでています。私立高校入試の直後に公立高校の前期入試が行われますので、私立高校も影響を受け従来と少し違った様相になると考えています。受験機会が増えることになりますが、自分の行きたい学校はどこなのかを良く考えて受験校を選択してほしいと思います。
 受験まで2週間余となりました。最後の追い込みに入っていると思います。倍率が気になったり、不安になったりすると思います。これは受験生みんなの共通する気持ちです。ただ、これに気を取られて、やるべきことに力が入らないようではいけません。不安な気持ちは、今やるべきことに集中することで払拭しましょう。この壁を乗り越えたら、一段と成長した自分に出会えるのですから。

2013年01月23日

中学後期入試

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 きょうは中学後期入試です。統一入試日である19日から始まった平成25年度入試も、本校はきょうが最後になります。後期入試ともなれば、前期入試など今までに行われた入試で合格された方もありますので欠席者もありますが、昨年度の後期入試とほぼ同数の受験者で行われました。点呼・諸注意の後、国語、算数の試験と面接が行われ、午前中に無事入試を終えることが出来ました。
 中学入試といえば、兵庫県や大阪府などの入試がスタートする前に「試し受験」といわれ岡山県や四国にある学校を受験し、その後、「本命の学校」を始め「おさえの学校」、「挑戦する学校」など5校も6校も受験するということが珍しくない頃がありました。最近は少し傾向が変わってきたというものの、午後入試などが増えたので、短期間で多くの学校を受験される方もあったようです。中学受験は「親の受験」ともいわれます。保護者の皆さんも、大変気遣いや気苦労をされた期間だったのではないでしょうか。明日以降入試を行われる学校もありますが、数は少なくなりピークは過ぎたと思われます。
 本校も後は発表を残すのみとなりました。一方、入学手続きも順調に進んでいますが、前期A・B、後期と3回の入試を終えて課題も明確になってきています。また、第3ステージへ向けての展望を切り拓くことが出来たとも考えています。今年度の中学入試を総括し、来年度に向けた取り組みの検討に着手していく所存です。

2013年01月22日

明日は中学後期日程入学試験

 明日は、平成25年度中学入試の最後になる後期日程試験です。きょう4時に出願を閉め切り、出願者数が確定しました。一貫選抜コース111名(106名)、発展コース19名(18名)の計130名(124名)になりました。昨年の後期志願者が( )内の数字ですので、若干昨年を上回ったことになります。
 明日で25年度の全ての中学入試を終えることになりますが、前期B日程のみが昨年を下回りましたが、他の日程、前期A日程・後期日程と昨年を上回る結果になりました。少子化とこの経済不況という社会情勢の中で、多くの方が受験校に選んででいただいたことに感謝申し上げるとともに、期待に応えるべき責任を痛感しています。
 後期日程は他の日程と試験科目が違います。国語・算数の2科目になっています。当然のことですが、科目数が少ないということは一つのミスや失敗があれば、取り返すことが困難になります。大きなミスをしないということが大切になります。焦らず、早とちりをしないで落ち着いて取り組んで下さい。また、今まで複数回受験されてきたと思いますが、今までのことを引きずらず、新しい気持ちで臨むことも大切だと思います。
 第一希望が叶えられ、その道を進むことがいいように思われますが、必ずしもそうとはいえません。失敗や挫折を経験して、当初思いもつかなかったところで自分に合った道を見つけたりするものです。失敗や挫折を乗り越える経験が人間には必要なのかもしれません。結果がどうあれ、全力で真っ正面からぶつかれば、中学受験を経験したことが後々必ず生かされてきます。健闘を期待しています。

2013年01月21日

前期入試合格発表

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 二十四節気の第24番「大寒」は昨日でした。そして、その初候、第70候「款冬華(ふきのはな さく)」に入っています。一年の中で、一番寒いとされる「大寒」の時期です。待ち焦がれた春の訪れの象徴である「 蕗の薹(ふきのとう)」が、雪がまだ残る地面からぽつりと顔を出す風景がイメージされます。
 きょうは前期A・B日程入試の合格発表です。ここ数年、入試日程の短期集中に合わせ前期の合格発表を校内掲示で行っています。午後2時、受験番号を書いた紙を張り出すと、一斉に視線がその紙に集中しました。辛いことですが、合否の事実を知らせることになります。A日程は実質2倍、B日程はそれ以上の厳しい競争率になりました。わずか一日の入試でその人の「学力」は到底測れるものではありません。しかし、その一日の入試で合否を決めなければならないのも現実です。「捲土重来(けんどちょうらい)」のたとえもあります。この現実を真っ正面から受け止め、今後の糧にしていただきたいと考えています。平成25年度中学入試は、23日に実施される後期日程で終了することになります。
 きょうはまた、前期日程と同じ2日間で実施されたセンター試験の自己採点に高3生が登校して来る日でもあります。本校では、全員がセンター試験を受験します。こちらも厳しい現実を直視しなければなりませんが、全員の集計も無事終わりました。
 「悲喜交々」の一日でしたが、本当の喜びは今後の努力にかかっています。春の訪れはまだ少し先のようです。

2013年01月20日

中学前期B日程入学試験

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 昨日に続いて、きょうは前期B日程入試です。19日・20日と2日連続で入試を行うところもあれば、本校のように同じ2日間でも、違う種類の入試を行なうところもあります。なかには、この2日間で3回の入試を行なう学校もあります。年々中学入試が短期集中型、前半勝負という傾向になりつつあります。今年は午後入試を行なう学校が増え、更に拍車をかける結果になっています。その結果、19日〜21日までの3日間で6回受験できるようになっています。学校間で受験生の取り合いや競合を避けるために考えだされた入試日程です。多くの学校を受験する機会が増え受験生には良い様に思われますが、決してそうとばかりはいえません。小学校6年生に一日のうちに二つの学校での受験を経験させるということは、過度の競争を強いることになるように思えてなりません。
 とはいえ、きょうは中学入試二日目になります。昨日見かけた顔も見受けます。A・B日程を連続して受験してくれているのです。ありがたいことです。全力を出し切って、「目標」を実現してほしいと思っています。しかし、入学試験というのは、理解の度合いを測るというよりは相対的な位置を測る意味合いが強くなります。ですから、「力」があっても不合格や思うような結果にならない時があります。また、逆の場合もあります。合格したからといってその後の努力を怠ってもいけませんし、良い結果がでなかったからといって投げ遣りになってもいけません。結果はあくまで通過点です。その結果を受けてどうするかが大切です。明日の合格発表を、そのような観点で受け止めて欲しいと思います。

2013年01月19日

中学前期A日程入学試験

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 きょうは中学入試の初日、本校は前期A日程入試の日です。兵庫県の私学は、この日に一斉に入試が行われますので、ほとんどの受験生は第一希望のところを受験していると考えられます。大阪の私学はこの日に入試を行わないところがあります。あえて他校と競合しないように、今日の午後に入試を行ったり、あすに行うなど日程をずらせているところもあります。ですから、新聞などで志願者の状況が報道されていますが、必ずしも実態にあった倍率とは違うところもあります。発表されている志願者の数から考えてみますと、兵庫県では昨年より志願者が約6%減少しているようです。昨年の6年生より児童数が少ないということもありますが、経済情勢なども影響していると考えられます。各学校によって違いますが、全体で見ますと受験生にとっては昨年より広き門になっています。
 早朝より保護者の方と一緒に大勢の受験生が来校されました。受付を済ませ、いざ試験場へ。緊張感が伝わってきます。点呼とともに受験上の注意の後、1時間目の国語、2時間目の理科、3時間目の算数、そして昼食後に18会場に分かれて面接を行い、無事初日を終えることが出来ました。受験生の皆さんは結果が気になるところでしょうが、多くの人は、明日も本校を含めいろんな学校へ受験に行かれると思います。過ぎ去ったことに引きずられることなく、気持ちを切り替えて明日以降の受験に備えて下さい。受験で大切なことは気持ちの切り替えです。
 センター試験に臨んでいる高3生にも同じことが言えます。明日も全力を発揮して頑張ってくれものと期待しています。

2013年01月18日

入試前日

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 日の出前のほの暗い校庭に、ちらほら白いものが舞っていました。寒稽古の最終日に相応しく、冷え込んだ朝でした。中学から入学した生徒は5回目、高校から入学した生徒で2回目となる高校2年生にとって高校生活最後の寒稽古になります。高校生は稽古着・袴に防具をつけて行いますので、一段と凛々しい姿になります。切り返し、互角稽古とその様子を見ていますと、剣道で初心者の一つの壁になる「踏み込み足で打突を行う」ということが見事にクリアされています。なかなか立派なものでした。普段の学校生活と違った姿が見られて、担任の先生もさぞ満足したことだろうと思います。これで、柔道・剣道ともけが人もなく、無事4日間の寒稽古を終えることができました。
 その後、普段と変わりなく授業を終えて、あすからの中学入試に向けての準備、高3の先生はセンター試験の激励の準備と忙しい一日になりました。会場準備や校舎内の清掃など、後輩を迎え入れるための準備を生徒たちも一生懸命手伝ってくれました。受験生の力が十分発揮できるように万全の準備ができたと思います。
 毎年のことですが、センター試験と中学入試が同じ日程で行われますので、高3生の健闘を祈りながら、中学入試を行うことになります。前日ともなれば、誰しも不安な気持ちや緊張感も高まってきます。それが普通なのです。気力が充実してきている証なのです。どちらの受験生も気負い過ぎず、焦ることなく、持てる力を出し切ってほしいと思っています。そうすれば、自ずと結果はついてきます。

2013年01月17日

壮行会

 壮行会とは、「スポーツ選手やチームなどを、実際の大会の前などに励まし応援する会のこと。『壮行』は遠征に行く人を激励することを意味する語。大会の開催地に行く選手を鼓舞する意味合いで行われることが多い」、とあります。
 学年の先生方のアイデアで、学年のスタートからセンター試験を意識して、学年の廊下の掲示板にカウントダウンを設置し、「意気込み」を募集し掲示するということを行ってきました。初回は「日々挑戦!」でした。これは私の書いたものでした。2回目からは生徒たちの応募したものの中から採用されたものが掲示されてきました。2回目はN君の「夢の舞台へかけ上げれ!」でした。このカウントダウンもいよいよ「あと2日」を表示した今日、壮行会を行いました。センター試験に向けた諸注意、進路指導部長や私の激励、最後にみんなで気持ちを一つにした「一本締め」で終わりました。高校改革後に入学して来た学年、言い換えると第一ステージの最後を締めくくる学年になります。人数こそ6クラスと昨年より1クラス少ないですが、何事にもまじめに取り組むいい学年です。生物学オリンピックの本選出場に代表されるように、今までにない取り組みに挑戦し成果をあげて来た学年でもあります。今までの努力をセンター試験においても結実させてくれると期待しています。
 同じ日に中学入試もスタートします。センター試験に臨む高3生の代わりに入学してくる生徒を募集する試験です。新聞で、出願状況が発表されています。全体的には昨年より僅かに少ない状況だと思いますが、本校のA日程は昨年より多い志願者になっています。倍率に萎縮することなく、今まで努力して来た成果を十分発揮されることを祈っています。

2013年01月16日

避難訓練

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 「平成7年1月17日5時46分、淡路島北部の北緯34度36分、東経135度02分、深さ16kmを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。この災害による人的被害は、死者6,434名、行方不明者3名、負傷者43,792名という戦後最悪の極めて深刻な被害をもたらした(消防庁調べ、平成17年12月22日現在)。施設関係等被害の概要について、住家については、全壊が約10万5,000棟、半壊が約14万4,000棟にものぼった」。内閣府の防災白書より引用した阪神淡路大震災の記述です。
 早いもので、あすで18年を迎えます。本校ではこの大震災を風化させることのないように、毎年この時期に避難訓練を実施しています。きょうも、「地震が発生した」との想定で行いました。中学生は昨年より早いタイムで避難・点呼を完了しましたが、高校生の方は点呼に時間がかかりました。各自が避難したとしても、みんなの無事を確認できて初めて避難できたことになりますので、この点の課題が明らかになりました。
 東北地方で、「つなみてんでんこ」という言い伝えがあります。津波がくると分かったら、各自が一目散に高いところに逃げなさいということです。決して勝手な行動をしなさいという意味ではありません。「避難しなさい」という指示に従って行動するだけではだめなのです。指示を聞かないということは論外ですが、異変の内容は何なのか、それに対してどう対処する必用があるのかを理解した上で指示に従い、整然と行動することが求められるのです。
 自分の身の回りに起こる異変にどう対応するか、これは日常の生活の中で問題意識を持って生活しているかどうかということが問われることになります。

2013年01月15日

寒稽古

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 きょう一月十五日は、小寒の末候「雉始雊(きじ はじめて なく)」にあたります。七十二候の第六十九候になります。雉の雄が求愛のため鳴き声を上げ始めるのが、春へ向かうこの時期からとされているところからきています。小寒の次が大寒ですが、「小寒の氷、大寒に解く」といわれるよう、この時期、小寒の方が寒さは厳しいとされています。
 寒さが一番厳しいときに行われるのが、寒稽古です。寒稽古とは、寒の時期に武道や芸事の修練を行うことをいいます。寒さに負けずに心身の錬磨のために行うものです。本校では武道の授業の一環として、毎年この時期に寒稽古を行っています。暖かい布団からなかなか出にくい時期ですが、それに打ち勝ち、朝の暗いうちから家を出て学校の道場へ向かう、それだけでも値打ちがあります。朝7時から約1時間の稽古を終えて授業に向かうことになります。
 きょうは中学三年生男子の日です。中学に入って初めて、柔道や剣道を始めた生徒たちもいますが、3年間続けるとなかなか様になって来ています。担任の先生方が見守る中、気持ちのいい汗を流したことと思います。明日は中学1・2年生、明後日は高校1年生、そして最終日は高校二年生と続きます。もちろん柔道部や剣道部の生徒はフル参加します。ただ、今年度から中学校での武道必修化に伴い、女子も柔道か剣道のいずれかを選択して履修していますが、寒稽古については今後の課題として検討中ですので見送っています。
 厳しい環境のもとに自ら身を置き心身を鍛える、この経験は必ず生きて来るものと確信しています。

2013年01月14日

「成人の日」に思う

 きょうは成人の日です。昨夜から雨が降り、全国的に荒れた天気になっています。東京は高校サッカーの決勝戦が延期になるほどの雪が降りました。
 総務省統計局の発表によると、巳年生まれの新成人は122万人と昨年とほぼ同数で、統計データが残っている1968年以降の最少値を更新中です。ちなみに、最多人数は1970年の246万人で、その半数にも満たない数です。昨年に続き3年連続で総人口に占める割合が1%を割り込むことが確認されているそうです。少子高齢化を表す厳しいデータです。
 一方、センター試験の志願者は平成15年度の60万2千人超を最高に減少傾向が続いてきましたが、平成25年度は57万3千人と、平成16年度の58万7千人に次ぐ多さになっています。反面、同日に実施される近畿の私立中学受験は、現在出願受付中のところが多数ありますが、ここ数年不況と少子化の影響で受験率が低下して来ています。今年度もそれに歯止めがかけられない様子になると予想されます。ここでは、経済情勢の影響が大きく働いているように思われます。
 これからの日本を支えていく若者ですが、インターネット調査によると新成人の半数が日本の未来を「暗いと思う」と答え、政権交代にも8割近くが「期待できない」と答えているようです。確かに厳しい社会情勢や経済情勢を反映しての結果だとは思いますが、このような時こそ、「世のため、人のため」に働く「社会で活躍するリーダー」が多く出て来てほしいし、出てくるに違いないと期待するとともに、教育や学校が果たす役割と責任も感じています。

2013年01月13日

「ピーキング」

 練習ではあまり力が出ないのに、試合になると力を出す人、また逆に練習の時には非常に調子が良いのに本番になると力が出せない人があったりします。こういったことは何故起こるのでしょうか。持って生まれた性格や運が関係するのでしょうか。このような側面がないとは言えませんが、多くの場合は調整のしかたによる違いだと思います。
 試合で最高のパフォーマンスを発揮させるための調整を「ピーキング」といいます。昔のようにそれぞれの選手の経験や勘に頼るだけでなく、科学的な研究が進んでいます。練習時、それもパワーをつけるためのものや俊敏さをつけるためのものなどトレーニングの方法も研究されています。試合前の食事は「ビフテキ」に「トンカツ」で、「テキにカツ」ではありませんが、炭水化物系で消化吸収の良いものを摂るのがよいとされています。いろいろありますが、要は睡眠や休息を含め、「心身ともに疲れを残さない」ことです。
 試合前の練習でよく陥るのが、あれも出来ない、これも出来ないといって、それを習得するための練習に力を入れ過ぎ、普段よりハードになり疲れがたまって試合に悪影響を及ぼしてしまうことです。この時期は習得したものをうまく引き出す「量より質」の高い練習です。出来るというプラスイメージを持つことが大切です。
 入学試験においても「ピーキング」は大切だと思います。今まで積み上げて来たものをうまく引き出す、最大のパフォーマンスを発揮することは試合も試験も同じことだと思います。「ピーキング」をうまくして、「平常心」で臨んで下さい。

2013年01月12日

「平常心」

 センター試験や中学入試が一週間後に迫りました。今年の冬は例年になく寒い日が続いています。インフルエンザも流行の兆しを見せています。受験生にとっては気が許せない時期です。今まで取り組んで来た成果を十分発揮できるように、体調管理も含め気配りをしてほしいと考えています。
 試験に臨む姿勢として、「平常心」という言葉がよく使われます。「平常心」とは、何事にも動じない、揺れ動かない心の持ちようのように考えられていると思います。しかし、私は、そのようには考えていません。明らかに、今までと違う場所で、周りには初めて会う人がほとんどという状況で、誰も心が動かず、普段通りにできる人はいないと思います。もし、そのような状態でも心が動かないということは、自分のおかれている普段とは違う状態を正しく受け止められていない、現状を正しく理解できていないということにほかならないと思います。緊張するのは当たり前です。緊張している自分を感じ、どうしようと焦る気持ちが出てくるのも当然のことです。普段とは違う状況が、自分の周りにはあるのです。その状態を正しく受け止められているからドキドキもし、その現状にどのように対応するかを考えるから緊張もするのです。むしろ、このままじゃいけない、何とか落ち着こうと焦る気持ちが、かえって不自然な心の働きを起こし、よけいに緊張したり不安になったりするものです。
 「平常心」とは、自分のおかれている状態をありのままに受け入れ、その状態を打開する道を考えようとする心の持ち方だ、と私は考えています。健闘を期待しています。

2013年01月11日

「水泉動」(しみず あたたかを ふくむ)

 きょう11日は鏡開きです。二十四節気の「小寒」も過ぎ、一番寒いとされる「大寒」ももうすぐです。言わば、一年の中で一番厳しい季節を迎えています。学校も三学期です。一年の総まとめの時期であり、最後の追い込みの時期でもあります。また、この時期に中学・高校・大学の入学試験もあります。いよいよ来週は大学入試のセンター試験と中学入試が行われます。
 よく言われることですが、夜明け前が一番暗く、春を迎える「立春」の前が気温も低く寒さが厳しいと。しかしその後は、明るい日差しや春がやって来ます。同じように、どんなに難しい課題でも、その問題点が顕在化してきた時は解決の糸口や方向性がその中に内包されているといわれます。現象としてあらわれて来る前にその前兆となる動きがあるということです。そういう意味でも、この時期に既に来年度の方向性がどうなるかが決定づけられるような前兆や動きが出てくることになります。
 今の時期は、七十二候の「水泉動」にあたります。この候にいう「水泉」とは、湧きいでる泉のことをいいます。寒さの厳しい「小寒」ですが、季節は動いていて、地中では凍った泉が融けて動き始めているといわれています。七十二候のおもしろさは、あたり一面、冬枯れの凍った土にあって、生命の躍動を感じさせるものが何もなくても、その土の下では春が用意されているという、その先読みにあります。自然も、私たちの目に見えないところで深く、大きく、しかし確かな兆しを示しながら、ゆっくりと動いているのです。

2013年01月10日

中学前期入試出願終わる

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               前期A日程3ヵ年比較
 中学入試前期A・B日程の出願が終わりました。A日程は一貫選抜228名(174名)、発展60名(93名)の計288名(267名)、B日程は一貫選抜314名(320名)、発展37名(81名)の計351名(401名)の出願者数になりました。( )内は昨年度の数です。A日程で昨年より21名増、B日程で50名減となり、前期日程全体では29名減になりました。
 長引く不況や少子化の中で、中学入試が非常に厳しくなってきています。詳しい分析はこれからになりますが、このような情勢の中で前期A日程で出願者数を昨年より増やすことが出来た意義は大きいと考えています。前期A日程といえば統一入試の初日に実施する入試です。言い換えれば、第一希望の学校を受験する日になります。その入試に於いて、厳しい情勢のなか出願者を増やすことが出来たということになります。一方残念ながら、B日程では出願者が減少しましたが、入試の形態が昨年までと大きく変わっていることを考慮すれば善戦していると考えています。といいますのも、午後入試を実施する学校が増えてきたということがあります。極端な例を挙げれば、3日間で6校も受験することが出来るという状態になっています。第二希望の選択肢が増えている点が昨年とは違います。
 入試は究極の外部評価、と私は考えています。日々の教育実践をはじめ、学校のビジョンや教育理念がどのように見られているかが問われるものだと捉えているからです。ともあれ、前期入試の出願者数が確定しました。受験者の皆さんが、今まで取り組んでこられた成果を十分発揮されることと期待しています。

2013年01月09日

粛々と3学期がスタート

 冬至が過ぎてからだいぶ日が経ちます。昼の長さも少しずつ長くなってきました。しかし、きょうは日の出が一番遅い日でした。この辺りでは、日の出の時間が7時7分ですから、日の出前に家を出て登校してくる人もたくさんいると思います。これから少しずつ日の出が早くなっていきます。季節は一日一日春へと向かっていきます。
 さすがに、コートにマフラー姿が目立つ登校風景です。ほとんどの生徒が手に同じ科目の本を持っています。いつもなら、手に持つ本の科目によって学年が分かるはずなのですが、きょうは違います。そうです。きょうは英単大テストの日です。三学期の授業のスタートに先立ってのテストです。もちろん、高3は入試直前講習の再開ですので他学年とは違うスケジュールです。センター試験まであと10日になりました。今までやってきたことをうまく結実させるように、最後の詰めをシッカリしてほしいと考えています。毎年、この時期にはインフルエンザなどの流行があります。それに加え今年は、ノロウイルスも各地で猛威を振るっているようです。体調管理をシッカリしながら乗り切ってほしいと願っています。
 授業再開と同時に、高校受験の教育相談に多くの学校から先生方が来校されています。今年は大阪府の公立高校が前期・後期と2回受験できるようになったことから各中学校での進路指導も大変なようです。従来と少し違った高校入試になりそうです。また、中学受験の出願に来校される方もあります。前期の出願期間はいよいよ明日一日を残すのみとなりました。もし、まだ迷われている方がおありでしたら悔いを残さないよう、納得できる対応をされることが一番だと思います。粛々と3学期がスタートしました。

2013年01月08日

三学期始業式

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 きょうから三学期の始まりです。この学期は一年の締め括りの学期です。各自によって、一・二学期の過ごし方は違ったと思いますが、不十分だったところを補うとともに成果のあったところは更に伸ばして、新年度を迎えてほしいのです。
 また、この学期に中学受験や高校受験がありますので、臨時休校もあります。他の学期に比べ、授業日数が少なくなります。言い換えると、各自の自由裁量の時間が多い学期になるということです。自分で時間を有効に使うということになれば、益々各自の時間の使い方や、目的意識によって状況が大きく変わってくることになります。何をしなければならないのか、何をする必用があるのか、シッカリ各自が目標を持って過ごしてほしい学期になります。
 学習面は勿論のことですが、クラブ活動や各自の課題を追求するとともに、人間的に更に大きくなるという人間形成の面でも成果をあげてほしい学期です。たくさん本を読み、いろいろな人の生き方を参考にしながら自分の生き方を模索することが必要だと思います。そこで考えてほしいことですが、他人からの働きかけを期待する生き方から、自らが進んで他人に働きかける人間になってほしいということです。みんなが他者からの働きかけを期待している集団ではなく、みんなが他者に働きかけることを考えている集団になるということです。してもらうことを待つ人間ではなく、先に働きかける人間です。例えば、相手から先に挨拶をされてから返事をするのではなく、先に挨拶をする人間です。みんなが他者のことを考え、自分は何が出来るかを考えている生徒集団こそ、みんなが生き生きと活動できる学校だと思います。

2013年01月07日

「芹乃栄」(せり すなわち さかう)

 「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ」、春の七草です。きょう1月7日は、七草粥の日です。春の七草を入れてお粥を作り、正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休め、一年間の無病息災を願って食べる日本の行事食です。ここに出てくる「芹」(せり)にまつわる話として、「芹乃栄」(せり すなわち さかう)があります。芹が良く生育するという意味です。
 気候を辞書でひけば「〔『候』は五日、『気』は三候すなわち十五日の意〕ある土地の、長期間にわたる気温・晴雨などの状態」とあります。「気」は、二十四節気の「気」です。また、節気をさらに、3つに分けた約5日を、「初候・次候・末候」という「候」で表します。ですから、節気は三候すなわち十五日になるのです。二十四節気の各節気に三候ありますから、「七十二候」になるわけです。そのなかに「小寒」という節気の初候、「芹乃栄」があります。1月5日から9日頃までの時期をいいますので、セリは旬の食材ということになります。
 「春苦味 夏は酢の物 秋辛味 冬は油と合点して食え」などという言葉もあります。冬の間、土中で眠っていた種が次々と芽を出す春には「にがみを盛れ」と言われてきました。これは、芽吹く時期には、にがみのあるものを食べ、冬の間に体内にたまった老廃物を出して、ビタミンやミネラルを摂り入れようという知恵なのです。「七十二候」という旧暦で季節の変化を示すあまり馴染みのない言葉も、最近スマートフォン向けアプリによって若者の間にも関心が広がっているようです。忘れられかけている先人の知恵、なんとかして受け継いでいきたいものです。

2013年01月06日

いよいよ3学期

 いよいよ新しい学期が始動します。冬期講習も明日を残すのみとなりました。8日は始業式で、3学期のスタートになります。いうまでもなく3学期は24年度の総仕上げの学期になります。1・2学期を振り返ってみて不十分だったところや、やり残した課題をやり終え新しい年度を迎える準備をする期間になります。また、大学受験もセンター試験を始め私学の一般入試、国公立の2次試験など正念場を迎えます。中学・高校入試も然りです。中学入試の出願は、年末から年始にかけての特別休暇のあいだ中断されていましたが明日から再開されます。前期入試の出願は10日までの、残り四日間になりました。高校入試の教育相談も明日から本格的に行われるようになります。
 3学期は、3つの学期の中で期間は一番短いですが、入試関係の行事が目白押しで、一番忙しい時期でもあります。そのような中で、新年度に向けての準備も行わなければならない大切な学期です。「終わり良ければ全て良し」ということわざではありませんが、どのような終わり方をするかは重要なポイントです。
 学習面で思うような成果を出せずに3学期を迎えようとしている人もいると思います。稽古事やスポーツでもそうですが、練習を続けていくとそれに比例して成果が現れるというものではありません。なかなか芳しい成果が出ないときがあります。そこで、諦めてしまっては終しまいです。諦めず継続していると、ある日突然目の前が拓けるというか、今まで出来なかったことが出来るようになることがあります。学習も同じです。継続は力なり、努力が報われる3学期になると確信しています。

2013年01月05日

寒の入り

 きょうは二十四節気の23番目にあたる「小寒」です。「小寒」の日をもって「寒の入り」とし寒中見舞いが出されます。この日から節分(立春の前日)までが「寒の内」、「寒中」で、30日間厳しい寒さが続きます。今年は2月2日節分をもって「寒の明け」になります。寒さが最も厳しい「寒の内」に、心身の鍛錬のために行われるのが寒稽古です。本校でも、15日から寒稽古を行います。
 小寒から四日目を、特に「寒四郎」と呼び、寒四郎は麦作りの厄日とされています。この日の天候によって、その後の天気や収穫に重大な影響があると信じられていたからです。また、九日目は「寒九の雨」といって、この日に降る雨は農家にとって豊作の兆しであると信じられ喜ばれていました。科学的根拠のほどは分かりませんが、昔の人の体験や経験からくる言い伝えです。寒九には、「寒九の水」というものもあり、この日に汲んだ水は薬になるとされてきました。この日に水汲みの行事が行われている地域もあります。
 寒の時期には寒さと乾燥のために、雑菌の繁殖が抑えられるため、この時期に汲んだ水は質がよく腐りにくいといわれます。水の質が味の善し悪しに影響する酒造りでは、寒の水を使った酒は味がよいとされ、寒の時期は酒造りの最盛期となるそうです。また、この時期に晒した食べ物は味がよく、「寒晒し」や「寒干し」といった言葉も生まれています。
 寒は、日照時間も短く、寒さも厳しい季節です。このような時に、その季節の特性を取り入れて上手に生活する先人の知恵に敬服します。8日の始業式が「寒四郎」、13日の日曜日が「寒九」になります。さて、お天気はどうなるでしょうか。

2013年01月04日

厳しい時こそ希望を持って

 時おり小雪が舞う寒い一日でした。正月休みも終わり、学校が動き始めています。高3の冬期講習を始め、クラブ活動などで他学年も登校しています。
 年賀状に書く「初春」とはほど遠い気候ですが、正月、1月は春なのです。これは旧暦に従った風習と言われています。旧暦は月の満ち欠けで日を数えていました。そうすると、暦と季節が合わなくなります。そこで太陽の運行を24等分して旧暦に季節の節目を配置しました。これが二十四節気と呼ばれるものです。ちなみに、明日は小寒にあたります。太陽黄経が30の倍数であるもの(春分・秋分など)を中(中気)、そうでないもの(立春・立夏など)を節(節気)といいます。節気から次の節気の前日までの間を節月といい、節月では、正月節(立春)、2月節(啓蟄)、3月節(清明)、4月節(立夏)と続きます。そして、立春から立夏までが春、立夏から立秋までが夏、立秋から立冬までが秋、立冬から立春までが冬というように定められています。ここから、正月は立春(正月節)から啓蟄(2月節)の前日までのことですから、「初春」になります。日常使っている暦と現実の季節とのギャップを節気というものを使って補うという昔の人の知恵です。
 2月の一番寒い頃に「立春」、8月の一番暑い頃に「立秋」と季節を先取りするかたちで現れてきます。一番厳しい時に「希望を与えてくれる」ようになっています。厳しい時こそ、その先の明るさをみつめて頑張る。プラス思考というか、絶えず前向きというか、このような思考方法、私は大切だと思います。

2013年01月03日

正月休み返上で

 Uターンラッシュがピークを迎えています。正月も終わりです。正月とは本来1月のことをさします。正しくは正月三が日が終わるということになります。今年は曜日の関係で9連休というところも多いようですが、正月休みが終わり4日から世の中が動き出します。
 正月休み返上で頑張っている全国高校サッカーや全国高校ラグビーでは、兵庫県代表の滝川二(サッカー)、報徳(ラグビー)が残念ながら敗れ、ベスト8進出はなりませんでした。同じく全国の高校三年生もセンター試験に向け頑張っていると思います。中学受験を目指している小学生も同じだと思います。本校の高三は明日から冬期講習を再開し、ラストスパートに入ります。
 長い人生、その時々の節目に「脇目も振らず全力でことにあたる」という経験は、その後の人生に貴重な財産を残してくれます。人間を大きく成長させてくれることになります。全力でぶつかってこそ破れる壁を目標にすることが大切だと思います。壁が大きなときは跳ね返されますが、何が足らなかったかということを考えさせてくれます。たとえ跳ね返されたとしても、それが次に生かされてきます。それに反し、中途半端なそれなりの取り組みでは得るものはありません。
 これも毎年恒例の行事のようになっていますが、しぶんぎ座流星群がやってきます。8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群とともに三大流星群とも呼ばれています。3・4日がピークに出現するようです。北の空から、頑張っている人々にエールを送ってくれているのだと思います。

2013年01月02日

親が子に言って聞かせる


 近くの神社に初詣に行きました。神社の北には泉から湧き出る水が滝となっており、元々はこの滝を神体として水の神を祀っていたものと見られています。万葉集に収録されている志貴皇子の歌「いははしる たるみのおかの さわらひの もえいつるはるに なりにけるかも」は、この滝を詠んだものとされています。今から1300年以上前が起源とされている垂水神社です。
 多くの方が初詣に来られていましたので、参道で並んで待っていると、「お賽銭を入れてから鈴をならして、2回礼をするのよ。それから2回手を叩いてお願い事をして、もう一度礼をするの。いい」、という話し声が聞こえてきました。若いお母さんが、小さい我が子に言って聞かせているのでした。若いお母さんが神社参拝の作法を良く知っておられることに感心するとともに、子どもに言って聞かせている姿に感じるものがありました。
 私自身も小さい頃、仏さんにお供えをしてからご飯をいただくものだとか、貰い物をしたら先ず仏さんにお供えをしてから、お下がりをいただく、と言ったことをよく言われました。神社参拝や仏さんの話になりましたが、決して、宗教教育の必要性の話をしているのではありません。また、近所のおばちゃんやおじちゃんから「僕、おはよう」と挨拶をされたり、「そんなことをしたらダメ」とか注意もされたものでした。親が子に言って聞かせたり、近所の方々が我が子のように挨拶をしたり注意もしてくれる。今も受け継ぎたい良き風習です。このようなことが、ふと頭をよぎる光景でした。

2013年01月01日

謹賀新年

 2013年のスタートです。今年の干支(えと)は巳ですが、干支は本来「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせで表します。今年の場合、十干は「癸(みずのと)」、十二支は「巳(み)」となり、「癸巳(みずのとみ)」となるそうです。このような呼び方はいろんなところに使われています。甲子園球場の呼び名は、1924年「甲子(きのえ)」に竣工したところからきています。「壬申の乱」「戊辰戦争」などもそうです。でも、私たちには、今年の干支はといえば「巳です」という方がなじみ深いと思います。「巳」は本来、「己(い)」という字からきており、草木の成長が極限に達した状態を表すとされています。勢いを表す良い年です。
 今年は、本校にとっては、学校改革の第3ステージの土台を盤石なものにする大切な年です。第3ステージとは、学校の仕組みや制度のことだけを言っているのではありません。各自が自分の中にある未だ開花していない資質や可能性を見つけ出し、それを開花させるための努力をしていくことにほかなりません。学習面やクラブ活動など学校生活全般において、更に大きく前進させるとともに、「学びの質」を更に高いものに転化させていくことにつながります。「自ら進んで学びを追求する生徒集団」を作り上げることになります。そのための仕組みや教職員・生徒の意識改革など、多くの課題に取り組まなければならないと考えています。
 「成長が極限に達した状態を表す」巳年にふさわしく、生徒が生き生き活動している学園になるよう努力していく決意です。