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いよいよ本年度も残り少なくなってきました。来年度の学校経営計画づくりのステップについては既に紹介したとおりですが、先日の職員会議で各分掌・学年・教科等の体制を発表しました。その後、各部署においてそれぞれの役割分担を決める等、来年度の経営計画の細部の検討を行なっていますが、経営計画を策定する際に留意しておかなければならない3つの重要なことがあります。
1つ目は『本年度の取り組みの反省をきっちりと行なう』ということです。年度初めには、それぞれの部署において色々な計画を立てていたと思いますが、現時点での達成状況を見ると、計画を大きく上回ったものやほぼ計画通りに出来たものがある反面、計画通りにいかなかったものも散見されます。一年近くかけて取り組んできたにもかかわらず、当初の計画が大幅に達成できていないというものに対しては、その原因を徹底的に究明しておかなければなりません。この作業をいい加減にしておくと、往々にして同じ失敗を繰り返すということになります。このため各部署において本年度の取り組みについての振り返りをお願いし、ヒアリングを行ないました。
2つ目は来年度の計画づくりにあたって『推進責任者を明確にし、具体策を決め、期限を設ける』ということです。教職員の皆さんには〝一人ひとりの役割と責任を明確にする〟ということをお願いしましたが、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」ということを決めておかないと仕事の完成度は高まりません。私のこれまでの経験を振り返ってみても〝全員で〟〝できるだけ早く〟〝全力で〟〝可能な限り多く〟といったやり方はかけ声倒れになることが多いのです。
3つ目は『中期の視点に立つ』ということです。あまり先(長期)のことを考えると環境が変化するため、計画が大きく乖離(かいり)するということがありますが、単年度のことだけを考えていると〝とりあえずこうしよう〟ということになりがちです。3年~5年先のあるべき姿を描いた上で『中期経営計画』、次いで『当該年度計画』をつくるということが大切です。
また、緻密な計画をつくろうとすると「計画に時間をかけるくらいならすぐにやった方が良い」というような意見が出ることがありますが、杜撰(ずさん)な計画でスタートすると、途中でやり直しの仕事が出てきたり、手順前後したりといったことが出てくるものです。仕事の基本はPLAN-DO-CHECK-ACTというサイクルを回していくことです。年度末であるこの時期にそれぞれの部署において、来年度の計画のつめをしっかりと行なっていきたいと思っています。
円滑な学校経営を進めていくためには学校としてのビジョンを示し、戦略を構築し、学校の経営計画をつくる、更に実行スケジュールに落とし込んでいくというステップが必要です。ビジョンや戦略の明示はトップダウンで行なわなければなりませんが、経営計画もすべてトップダウンで作成すれば現場と遊離したものになってしまいますので、分掌や学年に経営計画のたたき案と具体的な実行スケジュールへの落とし込みを指示し、これらを集めて学校全体の大まかな経営計画を作った上で、各分掌や各学年間の調整を実施し、分掌や学年に持ち帰って再検討するというステップが必要です。そして、実効を高めるためには、まず「どういう組織で」,「誰を責任者にして」、「どういうメンバーで」やるとか「誰に」やってもらうのかを明確になっていなければなりません。
本校では、本年2月以降『平成23年度の学校経営方針』の策定について、次のステップで進めてきています。
①平成22年度の振り返り(反省)と中期計画の進捗状況の確認
②平成23年度の課題の抽出と中期課題の再確認
③中期計画と平成23年度の学校経営方針の策定
④理事会での報告と承認(3/15)
⑤職員会議での報告と校内掲示板(パソコン)への掲示
⑥主要人事(分掌長・学年主任・教科主任等)の発表
⑦分掌長・学年主任からの経営計画ヒアリング
⑧職員会議での個別人事(担任・分掌メンバー等)の発表
⑨各分掌・各学年の役割分担の決定
⑩『一人一役の担当』と『部活動顧問』の発表
⑪『平成23年度の学校経営方針』の発表(4/1)
現在、各分掌や各学年において役割分担を検討していますが、この中には新しい教職員も含まれています。これから新年度に向けてしっかりと細部の計画を固め、一人ひとりの教職員のやるべき課題を明確にし、新年度のスタートである4月1日には全教職員に対して経営方針を発表していく予定です。
3月末はさまざまな行事や新年度に向けての業務が錯綜しており、私自身も通勤の時間をフル活用する等,過密スケジュールをこなしています。そのためその日の出来事をタイムリーにお知らせできませんが、ポイントとなる内容については掲載していきたいと考えています。
先日、全校朝礼に続いて、3学期の修了式を行ない、次のような話をしました。
〝先程、皆さんの先輩であるIさんから生々しい震災の話をお聞きしましたが、皆さんはどのように感じましたか? 今回の大震災は地震の大きさを表すマグニチュードが9.0、この100年間では4番目の大きさであり、阪神淡路大震災の実に1500倍のエネルギーが放出されたと言われています。そして、多数の死者・行方不明者を出し、今私達がこうしている時にも、避難所生活を送っておられる方もたくさんあります。
しかし、外国の人々から日本人は素晴らしいと賞賛されています。このような状況の下でも、避難所では、人々がお年寄りや子どもや病人に優しくいたわりの心を持って接している。そして、このような災害の後に多くの国で必ずと言ってよいほど起きる略奪や暴動といったこともない。悲しみをじっとこらえ、互いに助け合って、懸命に生きようとしています。これは長い間に日本人が培ってきた“伝統の精神”ではないかと思います。
今日本は大きな危機に直面していますが、こういう時にこそ、苦しみや悲しみを皆で分かち合い、力を合わせて、この国を復興させていかなければなりません。追い込まれた時、困難に陥った時にこそ、人の真価が発揮されるのです。今回の震災にあたって私達ができることから、行動に移していきましょう。
今日で3学期も終了し、皆さんはそれぞれ上の学年に進むことになります。これからの半月間は、新しい学年を迎えるための準備期間です。やり残したことは、必ずやりとげるようにしておいて下さい。早寝・早起き・朝ごはん、整理整頓といった生活習慣や学習習慣を守って下さい。そして、この期間にしっかりとした節づくりを行なって欲しいと思っています。
4月9日に元気な姿で登校してくれることを、心より願っています。〟
春休みに入って4日目に入りましたが、これまで何度も言っているように〝規則正しい生活を送る〟ことが基本です。現在、被災されて避難所で不自由な生活を送っておられる方も数多くおられます。「1日くらいはいいだろう」とか「明日からやろう」という考え方では、良い習慣づくりには繋がりません。「例外をつくらない」「すぐに行動に移す」という姿勢を貫いてください。
3月26日(土)、4月から新たに本校にお迎えする先生方に対する事前ガイダンスを行ないました。年度末で既に予定の入っている方もあり、対象者全員にお越しいただくことはできませんでしたが、本日の参加者は全員が20歳代、30歳代で、まだ教職の経験は浅く、これからますます研鑽を積むことにより、成長が期待できる方々です。
最初に私から「雲雀丘学園で勤務される皆さんへ」というレジュメを使って、本校での勤務にあたっての心構えをお話しました。続いて、現在取り組んでいる教育の内容を中心に本校の概要についてについて、パワーポイントによる説明を行ないました。約30分間という短い時間でしたが、全員がメモをとりながら真剣な表情で耳を傾けていました。その後、各教科の先生から担当する授業や勤務に対する詳細の説明と校舎案内を行ないましたが、若いということもあって、挨拶や身のこなしもきびきびしており、頼もしく感じました。
本校では本年度末で、教職経験の豊かなベテランの先生方が退職されることになります。この結果、これらの先生方が担当されていた教科指導・生活指導・進路指導・部活動指導等を現職の先生と新しい先生で分担していかなければなりません。簡単にカバーできるとは思いませんが、前向きに受け止めれば、一人ひとりが成長できる絶好のチャンスであるのは間違いありません。
雲雀丘学園のビジョンは『人間教育の充実と学力の向上の両立をはかり、関西を代表する学園を目指す』というものです。そのためには教職員が一流でなければなりません。これから学園が生成発展する鍵は各人が自らを磨くという姿勢で、資質向上をはかっていくことではないかと思っています。
3月24日、全校朝礼、修了式に続いて、この3月末で退職される先生方に対する離任式を行ないました。今回、退職されるのは専任、常勤講師、非常勤講師、事務員の16名です。
私からご退職される先生方を紹介し、つぎのような話をしました。
〝この度、ご退職される先生の中には、皆さんが生まれる前から、この学園で勤務されていた方もおられます。また皆さんのお父さんやお母さんを教えた先生もおられると思います。雲雀丘学園は、昨年創立60周年を迎えた長い歴史を持つ学園ですが、現在、この雲雀丘学園があるのは、今回退職される先生方をはじめ、多くの先輩の皆さんのお蔭なのです。
先程、日本人の持つ伝統の精神という話をしましたが、雲雀丘学園にも素晴らしい伝統があります。これからも、この伝統を引き継いでいくことが大切です。そして、この伝統を引き継いでいくのは、後に残された皆さん一人ひとりであり、先生です。全員で雲雀丘学園を発展させていきたいものです。最後に先生方の今後益々のご健勝とご多幸を心よりお祈りしたいと思います。本当に長い間ありがとうございました。〟
続いて、一人ひとりの先生からご挨拶をいただき、生徒会代表から花束を贈呈させていただきました。生徒達は、先生方の話を最後の授業として受け止めてくれたのではないかと思います。先生方はこれからそれぞれの道を歩まれることになりますが、是非充実した新たな人生を送っていただくことを心より願っています。
また、4月からは新たな先生をお迎えして新年度がスタートすることになります。力を合わせて、学校づくりに取り組んでいきたいものです。
〝一瞬の地震で、今まで当たり前であったいろんなものがなくなって不安で仕方なかった時に、家族や友達からメールや電話が届いて、たった一言しかなくても、その一言に私は何度も救われました。自分からしたらこれっぽっちって思うかも知れないし、自分ひとりの力なんてって思うかもしれないけど、それでも何かを考えて振り絞ったその力は確実に誰かにとって大きな力になると思います。
今、テレビで原発のことや津波の被害状況など連日報道されていますが、あまりにも被害が大きいし、遠いところのような気がしますが、すべて同じ日本の中で起こっていることなのです。外国からもたくさんの応援が駆けつけていて、世界中が日本のために頑張っている中、まず日本の元気な私達が動かないといけないと思います。
私自身、大きな地震を経験して、その被害を自分の目で見たけれど、幸運にも被害が軽く元気でいることができました。だからこそ、この震災のことをほかの人達に伝え、できる限りのことをするべきだと思っています。皆さんは、大きな地震を経験したことがないかも知れないから実感がわかないかも知れませんが、実際に今日私の話を聞いて一人でも多くの人が心の底から、自分にできることをしたいと思ってくれることを望んでいます。
被災地の人達は大変そうだから、かわいそうだからということではなくて、この国のために、これからここで生きていく自分達のために、みんなのために自分のできる精一杯を探して、それを行動に移して欲しいです。何をすればいいか分からなかったら相談してください。
雲雀の義援金箱に募金することも、勿論元気に生活することも、この震災のことを忘れないことも、私の話をご家族をはじめ、出来るだけ多くの人に伝えることも大切なことだと思います。
今日のこの話を聞いて、一人でも多くの方が、私と同じ気持ちになってくれればいいなと思っています。自分一人だけでは無力に感じるかも知れませんが、一人で頑張るわけではありません。また、これから復興には長い時間がかかると思うので、今すぐできることはなくても良いから、焦らずに自分にできることを探してみてください。〟
この内容は神戸新聞に大きく報道されました。
3月24日(木)、本年度最後の合同全校朝礼と修了式、続いて離任式を実施しました。定刻9時の5分前には既に卒業した中学3年生、高校3年生を除いた中学1・2年生と高校1・2年生が体育館に集合しました。最初に全校朝礼において、今回の大震災で被災した東北大学2年生のIさんから当時の様子についての生々しい体験談をしていただき、その後全員で黙祷を行ないました。生徒達はIさんの話に聞き入っていましたが、この中で印象的な内容を次に紹介したいと思います。
〝今回の地震より前にも二度、少し大きめの地震が来ていましたが、11日の地震はそれらとは比べものにならないほど大きくて、長くて、とても怖い地震でした。一瞬で家の中はぐちゃぐちゃになり、電気もガスも止まってしまい、その日から一週間の避難生活を余儀なくされました。・・・
私は仙台の中心部に住んでいたので、津波の被害もなく、本当に最小限の被害を受けただけでしたが、自転車で15分ほど行ったところまで、津波が来ていたり、大学もこわれてしまったり・・・と恐ろしい状況でした。一週間避難していたうち、最初の2日間は心細い状況の中で、毛布に包まって過ごすか、炊き出しをもらいに行くか、外に出てやっているお店がないか探し回るという生活でした。その後、大学の部活の人たちが集まっている他の避難所に移動し、市内の一部の電気と水道が復活したためその地域に住んでいる子の家に泊まらせてもらうことになりました。
避難生活は毎朝6時半に起きて、とりあえずその日食べるものを確保するため、お店に並ぶというところからスタートしました。10時の開店でも7時半には長蛇の列ができていて、買い物するのも半日がかりでした。それでも我慢して並べば食べ物が手に入るだけ恵まれていたと思います。本当に生きるのに最低限必要なものを手に入れるのが、困難な状況でした。買い物が終わってお昼を食べて、夜怖くて寝られない分昼寝をすると、もう夜で晩ごはんを食べたら一日が終わるという生活でした。毎日生きるために何かをして、生きることだけで精一杯の日々でした。〟
・・・・・ 《続く》
〝二つ目は〝困難に打ち勝つ〟ということです。
先週末に、東北地方を中心に日本の観測史上最大と言われるマグニチュード9.0という巨大地震が発生しました。これはこの100年間に世界で起こった地震の中で四番目の大きさで、阪神淡路大震災の実に約1500倍の膨大なエネルギーだと言われています。
現在、被災された皆さんは、数々の大切なものを失いながらも懸命に生き抜こうとされています。後ろを振り返っている余裕はありません。悲しみを乗り越え、一からスタートされようとしているのです。
そして、外国の人々から賞賛されているのは、このような極限の状況におかれていても節度を保っている日本人の姿です。多くの避難所では怒りの声もなく、けんかも起きていない。お年寄りや子どもをいたわり、進んで食べ物を分け合っている。大きな災害の後に多くの国で必ず起きる商品の値上げや略奪もないといった姿です。このような日本人の忍耐力や結束力、他人に対する思いやりの心は他の国では考えられないことです。
人間の一生にはさまざまな困難が待ち受けていますが、これを避けていては消極的で実に味気ない人生になってしまいます。昔から〝艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす〟という言葉がありますが、この意味は〝苦労を乗り越えていくことで、玉が磨かれるように人格が練磨され、立派な人間になる〟ということです。皆さんは、どのような時にも日本人としての素晴らしい精神力を持って困難に立ち向かい、これを乗り越えることによって逞しく成長していって欲しいと思います。〟
中学校の卒業式では、卒業生に2つのことを話しましたので、以下紹介します。
〝一つ目は『中学卒業を機に意識を変える』ということです。これから皆さんが進む高校は中学とは異なり、義務教育ではありません。気持ちを切り替えないと、中学四年生ということになってしまいます。これまで皆さんは親や先生から生活面や学習面での色々な指導や助言を受けてきました。そして、どちらかと言えば自ら行動するというのではなく、受身の姿勢が強かったのではないかと思います。皆さんは三年後には大学に進学し、やがて社会に出ることになります。社会に出て活躍するためには 〝人から言われなくても自主的にやる。〟という姿勢が何よりも大切です。
先日私は、皆さんが高校進学にあたって自分なりの思いを込めて書いた作文に目を通しました。この中で皆さん一人ひとりが、真剣に自分の将来について考えているということがわかり、心強く思いました。しかし、この夢や思いを実現するのは、皆さん自身です。お父さんやお母さんや先生ではありません。
意識が変われば自ずと行動が変わります。行動が変われば習慣が変わります。これから高校入学までの二十日間は、皆さんが力強く高校生活をスタートするための助走期間です。そのためには規則正しい生活を送り、しっかりと学習する習慣をつけておくことが大切です。中学時代にできていなかったことはそのままにせず、必ず、この期間にやりあげるようにしておいてください。そして、中学時代のツケを高校まで持ち越さないという強い決意で臨んでください。〟
頂上を目指す(大山登山)
3月20日(日)、国公立大学の中期・後期の合格発表があり、7名が合格したという嬉しい報告を受けました。今回合格したのは第一志望の国公立大学の前期試験で残念な結果に終わった生徒達です。自分の希望が叶わなかったということで、大きなショックを受けたのは間違いないと思います。しかし、気持を切り替えて、中期・後期の試験に再チャレンジして合格したのです。
この大学入試の経験は、将来社会人になった時に大きな自信に繋がるのは間違いありません。「目標を下げない」「目標に向って努力する」「たとえ失敗しても諦めずに再チャレンジする」といった姿勢が何よりも大切なのです。私は大学入試というのは人間としての節づくりの一つであり、これを乗り越えることによって人間的に大きく成長すると思っています。
以前、本校の生徒や保護者の大学受験に対する姿勢は、どちらかと言えば有名私立大学の指定校推薦に目が向いていたようです。しかし、高校のコース制を導入後に入学してきた生徒達の意識は〝難関大学を目指す〟というように変わってきました。また、先生方も個々の受験校対策に注力してきました。こういった姿勢が、国公立大学や難関私立大学への合格者増に繋がってきました。
まだすべての発表が行なわれていないため、最終結果は出ていませんが、旧帝国大学と神戸大学、国立大学の医学部合格者は現時点で20名を超えました。また、関西の難関私学と言われている関関同立の合格者も、一昨年111名、昨年161名、今年は現時点で既に240名を超えています。明日からも中期・後期の発表が続くため、もう少し合格者数が増えるのではないかと思っています。
円滑な経営を推進していくためにはPLAN(計画)-DO(実行)-CHECK(評価)-ACT(改善)という『PDCAサイクル』を回していくことが大切ですが、9年前に初めて公立高校の校長に就任して感じたのは、経営という視点が欠落しているということでした。
良い経営を進めていくためには、まずやるべき課題があって、これを解決するために〝どれだけのヒトやモノやカネが必要であり、どういう組織体制で推進するのか。そして、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうするのか」〟を明確にすることが必要です。経営というのは企業のことだと思っている人がいますが、計画を立てて実行していくのはすべて経営なのです。このように考えると国も都道府県も市町村も病院も学校も経営であるということができます。現在、国や地方公共団体については膨大な債務超過に陥っていますが、企業であれば倒産は避けられないということになります。今、世の中で優良企業と言われているところは、この仕組みが確立しており、反対にうまくいっていないところは、この仕組みが機能していないのです。
これまで、学校については大きな問題がない限り、前年と同じことを繰り返してきたことが多かったようです。この最大の理由は「やるべき課題とヒト・モノ・カネが連動していない」ということです。特に公立の場合は、予算や人の裏づけがないまま新年度がスタートする、言い換えるとしっかりとしたPLAN(計画)がないままにDO(実行)が行なわれています。そして、十分なCHECK(評価)もなされていません。これでは、いつまで経っても学校の改革は進みません。
これに比べて、私学の場合は一般企業と同じように、比較的PLAN-DO-CHECK-ACTのサイクルをまわしていくという学校経営が可能です。つまり、智恵を絞り出すことにより〝独自の特色ある学校経営〟ができるということです。しかし、昨今教育界を取り巻く環境が激変しているため、この変化に迅速かつ柔軟に対応していかなければ、遅れてしまうことになります。
まさに、今はそれぞれの私学にとっての正念場であり、学校経営の真価が問われるようになってきているように感じています。
3月19日(土)、昨日までの寒さも急速に和らぎ、暖かな天候の下、56回目となる中学校の卒業式を行ない、153名の生徒一人ひとりに私から卒業証書をお渡しし、次いで3年間欠席・遅刻・早退しなかった15人の生徒に対して皆勤賞の授与を行ないました。続いて、県大会3位以上の成績を上げた団体・個人に対して特別表彰を行ないました。今年の受賞は「放送部」「女子硬式テニス部」「ギター・マンドリン部」「囲碁部」です。
引き続いて、校長式辞式辞、理事長挨拶、祝電披露、「卒業生の言葉」、最後に卒業生全員による「卒業の歌、旅立ちの日に」、全員による「学園歌」で卒業式は感動のうちに終了しました。
式が終了した後、卒業生達はこれまでお世話になった担任の先生方に「有難うございました。」というお礼の言葉に添えて、壇上で花束を手渡しました。
今年の卒業生はコース制を導入した最初の年に入学した生徒達です。この3年間の中学生活において、生徒達は学業や部活動はもとより、クラス一丸となって、体育大会や文化祭に取り組みました。
また、「環境フォーラム」や「林間学舎での植樹」「沖縄への研修旅行での珊瑚の植え付け」「校庭の芝生の張り付け」等のさまざまな環境活動を通じて「学び 考え 行動する」という姿勢を身につけたのではないかと思います。本校ではこれらの環境活動を人間教育の一環として位置づけており、人間力の涵養にもつながったのではないかと思います。そして、生徒達は学力だけではなく、体も心も大きく成長しました。
私は式辞の中で二つのテーマを取り上げました。一つ目は中学卒業を機に「意識を切り替える」ということです。ほとんどの生徒達がそのまま雲雀丘学園の高校に卒業することになっていますが、意識を切り替えないと、中学4年生ということになってしまいます。二つ目は「困難に打ち勝つ」ということです。人生には数々の困難が待ち受けています。これに打ち勝つために、今回の巨大地震に遭遇して懸命に生き抜こうとしている人達の例をとりあげました。
そして、最後に皆さんが今日このように卒業式を迎えられるのは、お父さん、お母さんをはじめ多くの人達のお陰であり、感謝の心を持ち続けて欲しいということをお願いしました。
生徒達が新しい生活に向けて力強くスタートしてくれることを祈っています。
3月18日(金)午後、一昨年東北大学に進学した I さんが学校を訪ねてくれました。
彼女は学年やクラスの中でも常にリーダー的な存在であっただけではなく、中高を通じてギターマンドリン部に所属し、連続して全国大会への出場を果たす等、部活動での活躍も目を見張るものがありました。先週の地震が起こった時、多くの先生が真っ先に安否を気遣ったのは Iさんのことでした。幸い、すぐに連絡がとれて無事であることが分かり、ホッとしましたが、今日 彼女の元気な姿を見て本当に安心しました。
彼女は幼少の頃、阪神大震災も経験したようですが、今回の地震ではそれ以上の物凄い揺れを感じたそうです。そして、あと少し津波が高かったら間違いなく危険な状態になっていたとのことです。また、東北大学では今年の大学受験の合格者に対する祝賀会を予定していたため、全国から生徒が集まってきており、自宅に帰れなくなって困ったこと。彼女自身もバスで一旦新潟に出て兵庫まで帰ってきたこと。4月の末まで大学の授業が休校になっているので、被災された方に対して自分でできることは何でもやりたいといったことを話してくれました。
現在、本校では被災された方に対するさまざまな支援を検討していますが、来週24日に行なう修了式で、I さんにに生徒達の前で今回の地震の生々しい体験を語ってもらうことにしました。そして、我々と現地とのパイプ役を果たしてくれるようにお願いしました。未曾有の大惨事に対して、日本国民が心を合わせて復興に向けて取り組んでいきたいものです。
東日本大震災が発生して間もなく一週間が経過しますが、マスコミの報道を見ていても支援活動は十分できていないようです。被災地にいる私の知人も20数名いますが連絡が取れた人はたったの2人で、ほとんどの人は未だに消息が判りません。今日、福島県にいる知人から連絡が入りましたが〝水道も止まり、食料の配給を受けている、また原発事故のため多くの人達が避難してきている〟とのことです。しかし、連絡の取れていない所では水も食料も灯油もない状態が続いていると思うと、居ても立ってもいられない気持ちです。本校でも生徒会を中心に色々な支援策を検討していましたが、物資を送るということは難しいということもあって、義援金の募集を開始しました。
今、三学期の授業はほとんど終了し、各学年はさまざまな行事や補習を行なっているため、義援箱は職員室に置かれています。このため、現在は先生や一部の生徒から募金を受け付けているだけですが、これから終業式までには多くの人達の支援をいただく予定です。本校では今週土曜日に中学校の卒業式が行なわれますので、生徒会では保護者の皆さんにも協力を呼びかけたいと考えているようです。
また、今春高校を卒業した生徒や先輩からも問い合わせがありますので、生徒と教職員が力を合わせてこの支援の輪を広げていくと共に学園としての取り組みにも繋げていきたいと思っています。
現在、被災地の教育の状況がどのようになっているのかは把握できていませんが、被災地の学校に対して支援できることがないかどうかも模索していく予定です。
生徒作成の旗 職員室の募金箱
3月16日(火)、中学2年生の生徒全員と学年の担任団、進路部長の他、保護者の皆さんが参加し、『57期生研究発表会』が開催されました。
今回のプログラムは生徒の代表者による「探求のテーマ発表」と「職業人インタビュー報告」です。一貫選抜コースの生徒達は、この一年間各人毎にテーマを決めて〝調べ研究〟をしてきており、今回はこれらの研究の集大成ということになります。代表の生徒達は多岐の分野にわたる8テーマについて、それぞれ自ら作成したパワーポイントを使って発表を行ないました。また、発展コースの生徒達による職業人インタビュー報告ではパワーポイントを使って、通訳士、骨董屋、保育士の3人の職業人に対する訪問インタビュー結果の報告が行なわれました。
私はすべての発表後の講評で次のような話をしました。
〝本日の皆さんの発表はパワーポイントもしっかりと作成され、態度も堂々としており素晴らしかったと思います。皆さんも間もなく中学3年生になりますが、4年経つと大学生に、更に4年経つと社会人になります。社会で役立つ仕事をするためには、人間力と学力の2つが必要です。人を木に例えると学力は葉っぱであり、人間力は根っ子に当たります。根が腐ると木は枯れてしまうことになるため、しっかりと根を伸ばさなければなりません。この根っ子を育てるのは凡事徹底しかありません。また、社会では単なる知識はほとんど役に立ちません。学校では通常、問題が出され、正しい答えを出すことが求められます。一方社会では、何が問題なのかを自分自身で探し出さなければなりません。そして、智恵を絞り出して解決していかなければなりません。つまり、社会では「課題発見能力」と「課題解決能力」が必要になるのです。皆さんはこれまで環境活動の中でも取り組んできた「自ら学び 調べ 考え 行動する」ということを心がけてください。そうすれば間違いなく社会で役立つ力を身につけることができると思います。頑張ってください。〟
3月15日(火)10時より、平成23年3月度の雲雀丘学園理事会が開催されました。本学園では、企業の経営者や地域の著名な方、学識経験者に理事に就任いただき、定期的に理事会を開催し、学園に対するご意見やアドバイスをいただくと共に重要案件の報告や審議を行なっています。
冒頭鳥井理事長からご挨拶があり、平成22年度の事業報告・決算見込みの報告、平成23年度事業計画・予算案の承認決議が行なわれました。次いで平成23年度における学園の教育並びに経営方針と中・高、小学校、両幼稚園からそれぞれの教育計画の説明を行ないました。
私はまず平成25年度における「中期目標」と「あるべき姿」を示し、中学・高校の入試状況(入口)、生徒の育成の取り組み(校内)、大学への進路状況(出口)について説明しました。次いで平成23年度の教育方針・経営方針を発表しました。出席メンバーからは、学園のビジョン、人間教育、生徒の確保、幼稚園・小学校・中高の連携等についての活発な意見が出されました。
本学園を取り巻く環境は少子化の進展に加えて、公立高校の無償化や大阪府の私立高校入学者に対する助成制度の導入等激変しています。現在の日本はどの業界や分野においても従来の延長線上の考え方から脱却していくことが求められています。更に、今回の東北・関東震災の影響で、経済状況が大きく変わり、国民の生活そのものも見直さなければならないことになると思います。この難局を乗り切るためには改革に次ぐ改革が必要になってくるのは間違いありません。そして、立ち止まっているところは確実に取り残されるということになります。言い換えると、二極化が進み優勝劣敗がはっきりしてくるということです。
これは教育界も例外ではありません。本学園においても今起こっている変化をしっかりと受け止め〝すべての校種が危機感を共有して新たな施策を打ち出していかなければならないと思っています。
3月14日(月)、高校2年生を対象に進路講演会を開催しました。今回はこれまでのように学年全体ではなく、進路希望に添った形で3回に分けて実施しました。生徒達はあと1ヵ月足らずで高校3年生になります。これまでまだ時間があるとのんびり構えていた生徒達もいよいよ大学受験が現実的になってきました。本格的な大学受験までの日数はセンター入試までは300日、私立大学のAO入試就職等では200日弱しかありません。
講演は別々の講師の方にお願いしましたが、その前の挨拶で私は次のような話をしました。
①人生一回 命一個=充実した人生を送る。人生は一回限りで後戻りはできない。人生において一番立派なことは一生涯を貫く仕事があること。是非社会で役立つ仕事をして欲しい。
②社会で活躍するためには「点数ではかれる能力」と「点数ではかれない能力」が必要である。企業が求める人材の条件は「単なる学歴」ではなく「何をしてきたのか」「何ができるのか」であり、急速に進展しているグローバル化に対応できる人材である。
③大学進学の意義は将来(上)から物事を見ることである。将来どういう分野に進みたいか、そのためにどの学部を選ぶのか、その学部であればどの大学を選ぶのかというステップが大切である。また、大学受験は人生における節づくりととらえること。目標を決め、日々努力し、達成すること。そして、逃げないこと、目標を下げないこと。
④受験は団体戦である。「寝る時間」「起きる時間」「勉強を始める時間」の3点管理を徹底すること。更にはやくスタートする、例外をつくらない、細切れ時間を活用する、継続することが大切である。
生徒達が、今回の講演を参考にして更に意識を高め、直ちに行動に移して欲しいと思っています。
今回の巨大地震が起きてから2日が経過しましたが、現時点でもまだ被害の状況は把握できていません。本日は早朝からすべてのテレビ局が地震関係のニュースを報道していましたが、被災地では想像を絶する事態が起きているようです。とりわけ地震後には岩手県から宮城県にかけての沿岸部に大津波が押し寄せ、仙台空港が水没、宮城県の名取川河口周辺から上流に向け数キロメートルにわたり水没する等、東北地方を中心に多くの人の生命を奪い、北海道から四国にわたって甚大な被害をもたらしました。
その中でも特に深刻なのは火災・原子力発電所の損傷等の大きな被害が出ていることです。東京電力の福島原子力発電所においては、炉心融合と思われる事故が起こってしまいました。これは過去にアメリカのスリーマイル島や旧ソ連のチェルノブイリ原発で起こったもので、放射性物質が発電所以外に大量に放出されることになると、取り返しのつかない事態を招くことになります。現在、海水を注入して温度を下げているとのことですが、無事に収束することを祈るばかりです。しかし、仮にこれが収束したとしても電力の供給に支障が出るのは確実です。
東京電力からは地域毎の計画停電を行なうとの報道がなされましたが、原子力発電に対する信頼性の低下はわが国のエネルギー政策にとっては大きな痛手になります。日本は先進国のうちでも、電子力を除くと4%という極端に低いエネルギー自給率しかありません。これからは石油や石炭の国際価格が高騰する中でどのようにエネルギーを確保していくのか、一方でいかに省エネを進めていくかが大きな課題です。
今、すぐにできることは各人が自らの生活を見直し、エネルギーの消費を押さえることではないかと思っています。
3月11日に発生した東日本巨大地震については、時間の経過と共に被害状況が確認されつつありますが、その大きさに驚愕しています。
気象庁発表によるとM8.8は、地震の規模としては1923年の関東大震災のM7.9を上回る日本国内観測史上最大であり、1900年以降発生した地震では、世界でも5番目の規模にあたるとのことです。地震による被害の他、大津波や火災・原子力発電所の損傷、コンビナート火災等も伝えられており、東北地方だけではなく関東やその他の地方でも大きな被害が出ています。マスコミによると現時点では死者、行方不明者を含めると1300名を超すと報道されていますが、連絡が取れない地区も多く今後被害状況が拡大すると思われます。
本日は国公立大学の後期試験が予定されているため、受験生に確認をとりました。また、午後から本校の生徒達は先日起きたニュージーランド地震の義援金の募集活動をJRの大阪駅で行なうことにしていましたが、急遽中止を決定しました。そして、今回の巨大地震に対して生徒会の役員を中心にどのような支援ができるのかを検討し始めています。
犠牲者に心から哀悼の意を示すと共に被災された皆さんに対し、できる限りの支援をしていきたいと思っています。
映画監督 西澤昭男氏
3月11日(金)、午前中は中学生、午後からは高校生を対象に人権映画会を開催しました。この催しは毎年、この時期に実施している恒例の行事で、本年度の作品は2009年に製作された日本映画「8月のシンフォニー」です。
この作品はシンガーソングライターの〝川嶋あいさん〟が、高校生の時に東京へ出て路上ライブをし、さまざまな困難を乗り越えながら認められていくというアニメーション映画です。実話に基づいているため、母親の死やくじけそうになる気持ちや周囲の人達からの暖かい支援の様子が随所に見られ、実に感動深いものがありました。また、随所に〝川嶋あいさん〟の歌声が流れ、上映時間の2時間はあっという間に過ぎ去りましたが、生徒達の中には涙をこらえ切れない人も数多くいたようです。
本日は、この映画の脚本執筆・製作監督をされた西澤昭男さんにお越しいただきました。西澤さんは京都大学文学部を卒業された後、〝今の日本を変えるには教育を変えなければいけない〟との思いで学習塾を立ち上げられ、全国ネットの塾に育て上げられました。その後、2000年から永年の夢であったアニメーション製作会社を設立され、自ら脚本を執筆されると共に映画監督として製作を手がけておられます。西澤さんが目指しておられるのは親子で楽しむことができ心を豊かにするような作品を作ることです。
西澤さんからは、この映画を製作するにいたった経緯や川嶋あいさんとの出会いのエピソード、シナリオ製作から完成までには実に2年半の歳月と約3億円のコストがかかっていること、シナリオを書く時に気をつけているのは「出だし」と「最後のシーン」であること等を生徒達に話していただきました。更に夢を大切にすること、努力すれば最終的に達成できなくても夢に近づくことができること、そのために前向きにチャレンジしていくことが大切である等を語りかけていただきました。
生徒達にとっても心に残る映画会であったと思います。年度末でご多用中にもかかわらず来校していただきました西澤さんに心よりお礼を申し上げます。
鳥井信治郎氏(初代理事長)
先日、学校経営の視点に立つというテーマを取り上げましたが、これから何回かに分けて本校における学校経営の考え方について紹介します。
本校においては、平成18年に新しい学校づくりに向けての検討を開始し、〝本校をどのような学校にすれば良いのか〟ということで、外部の多くの方から意見をお聴きすると共に校内でも論議を重ねました。そして、平成19年に高校改革をスタートさせました。この改革の柱は従来の国際科を発展的に解消し、新たに「選抜特進」「特進Ⅱ」「特進Ⅰ」という三つのコース制の普通科に再編する、併せて毎週土曜日や長期休業の短縮等により授業時間数の増大をはかるというものです。次いで平成20年に中学改革を行ない、一貫選抜と発展の二つのコース制を導入しました。
この改革にあたって最も重視したのは〝創立の精神の体現〟言い換えると本校は何を狙いとして創設されたのかという〝創立の原点に立ち戻る〟ことです。これまで本校の歴史や創立の精神については幾度も紹介してきていますが、本学園は昭和25年(1950年)サントリー(株)の創業者である鳥井信治郎氏を中心とした地域の方々の強い思いで創設されました。しかし、本学園創設時のことを語りつげる人は今ではほとんどいなくなり、当時のことを知るには20周年・30周年記念誌や板倉操平初代校長、土井信男学園長の著書を紐解いてみなければなりません。
私も何回かこれらを読み返してみましたが、創立の精神の中のキイワードは親孝行のできる人は人間としても立派になれるという「孝道」や「社会に尽くす」等です。また、本校の校是は「高志」「自律」「努力」ですが、これらは社会で活躍している人の共通点なのです。
世の中の優良企業には、例外なく存立するための理念がありますが、これは学校においても同様です。本校における学校改革の基本の考え方は〝将来社会で役立つ人間を育てる〟ということなのです。
経営ということを考える際には、優れた経営者の思想を学ぶことが大切です。私も毎年の経営計画を立てるこの時期には、これらの人の考え方を読み直すことにしています。本日は京都セラミック・第二電電の創業者であり、現在日本航空の会長として会社の再建に取り組まれている稲盛和夫氏の経営思想を紹介します。稲盛氏は「盛和塾」の塾長として人材育成に注力されると共に多くの著書を出されていますが、この中に掲載されている内容は学校経営にも大いに役立つと思っています。
1.事業の目的、意義を明確にする ⇒公明正大で大義名分の高い目的を立てる
2.目標を明確に立てる ⇒立てた目標は常に社員と共有する
3.強烈な願望を心に抱く ⇒目標の達成のためには、潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと
4.誰にも負けない努力をする ⇒地道な仕事を一歩一歩、堅実にたゆまぬ努力を
5.売り上げを最大限に、経費を最小限に
6.値決めは経営なり ⇒値決めはトップの仕事、お客も喜び自分も儲かるポイントは一点である
7.経営は意志で決まる ⇒経営には岩をも穿つ強い意志が必要
8.激しい闘魂をもつ ⇒経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要
9.真の勇気を持つ ⇒卑怯な振る舞いがあってはならない
10.常に創造的な仕事を行う ⇒今日より明日、明日より明後日と常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で
また、次の言葉も大いに参考になります。
◇世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめた時が失敗である。
◇バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。賢い奴は複雑なことを単純に考える。
◇一日一日を懸命に生きれば未来が開かれていく。
将来を見通すということは、今日を努力して生きることの延長線上にしかない。
◇経営とは、人として正しい生き方を貫くことだ。
◇自分自身が考えていることの、その動機は善なりや、私心なかりしか。
◇今日の成果は、過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まる。
◇人生の結果 = 「考え方」 × 「熱意」 × 「能力」
本年度も残すところ一月足らずになりました。毎年この時期には来年度の学校経営計画を策定することにしていますが、この際に留意しなければならないことは、まず目標を設定し、あるべき姿を設定した上で、中期の視点に立って学校の経営計画を作り、この計画を達成するために「いつまでに」「どうするか」を検討することです。その上で、来年度の経営計画のつめを行なうことが大切です。そうしないと、到達目標が決まらないまま、単年度で学校経営をすることになってしまいます。
現在、学校を取り巻く環境は大きく変化しており、従来以上に経営計画の精度を高めていくことが重要になってきています。そのため、先日、課題を明確にした上で中期の学校経営計画と来年度(平成23年)の学校経営計画を策定し、大筋でトップの了承を受けました。続いて、この課題解決のための推進体制を決定し、本日の職員会議において、全教職員に来年度の組織・人事に関する基本の考え方と個別の配置についての説明を行ないました。教職員の構成も退職者と新規採用者が入れ替わることによって、大きく変わることになります。これから各分掌や学年・教科において新たな体制下での具体的な計画づくりに入ることになります。そして、それぞれの部署の計画について校長・教頭がヒアリングしていくことにしています。更に、これらを個人別の計画にまで落とし込んでいくことになります。
なお、経営計画については来週開催される理事会に報告し、4月1日に教職員に対して「平成23年度の学校経営方針」として発表していく予定です。
ニュージーランド研修説明会
本校とニュージーランドとは留学や語学研修を通じて、以前より深い繋がりがあります。現在、ニュージーランドには本校の高校1年生の3名が一年留学をしていますが、今回震源地となった南島のクライストチャーチから離れた場所に滞在していたため無事が確認され一安心してています。また、毎年夏休みには高校生対象のニュージーランド研修を北島の北部タウランガで実施しています。
本校の生徒会では、これまでもハイチやチリにおける震災に対しては募金活動を行なってきましたが、今回の大震災に対しても本格的な活動をスタートさせることになりました。
現在は定期考査のため中断していますが、既に生徒会の役員が登校時に募金箱を持って校舎前に立って募金を呼びかける活動を行なっています。更に生徒会では3月12日(土)13時より大阪駅前で街頭募金を行なう計画をしており、次の要領でこの活動に参加してくれる生徒を募集しています。
〝今から16年前、神戸淡路大地震の時、被災して家を失った方が、クライストチャーチ市の招きで、一般家庭にホームステイ先として無料で受け入れていただいたことがあります。中には小学校のクラスに通った方もおられたそうです。この時にはニュージーランド大阪総領事やニュージーランド航空にご協力いただき、69名の被災者がクライストチャーチ市の皆様にお世話になりました。この人間としてのいたわりの気持ち『ヒューマンホスピタリティー』を忘れず受け継いでいかなければなりません。
私たちも、何かできることはないか、何か役に立ちたいという思いで募金活動に参加しようと思います。集めた募金は、日本ニュージーランド協会を通じて、直接クライストチャーチ市の銀行口座へ『1995年阪神淡路大震災の時の友情を感謝して』と題して送金されます。みなさんのご協力をお願いします。12日(土)13時からの街頭募金に参加してくださる方、興味のある方は、生徒会役員か、生徒指導部の先生に申し出てください。この街頭募金活動は、日本ニュージーランド協会関西が主催するものです。日本ニュージーランド協会で本校の語学研修をコーディネートしてくださっている松本様より依頼があり、三宮で「神戸国際高校」が募金活動を行いますので、本校は大阪駅前で行ないます。〟
今回の震災でニュージーランドは大きな被害を受け、被災者はもとより国の経済への影響も非常に大きいものがあります。一日も早い復興を願い、生徒達の自主的な募金活動を支援していきたいと思っています。
3月6日(日)は二十四節気(にじゅうしせっき)のうちの啓蟄と呼ばれる日にあたっています。日本の暦の素晴らしいのは、一年を二十四に分けてそれぞれ名前をつけ季節の移り変わりを表していることです。
これらの等分点は立春・雨水・『啓蟄』・春分・清明・穀雨・ 立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒と名付けられています。これらを見ると立春や春分、立秋、大寒というものも二十四節気のうちの一つであるということが理解できるのではないかと思います。
この啓蟄というのはあまり馴染みがないと思いますが、“啓”は『ひらく、開放する、(夜が)明ける』、“蟄”は『土中で冬ごもりしている虫』の意味で、 文字通り地中で冬ごもりしていた虫が春の暖かさを感じ、地上へ這い出してくるという意味です。
生徒達が新入生を迎えるために毎年植えてくれているチューリップも芽が出はじめています。家の庭もよく見るとふきのとうの花も咲き出し、木々やバラの新芽も吹き出し始めました。これから一雨ごとに気温が上がり、桜前線が北上し本格的な春が訪れてきます。
春は多くの人が卒業や入学、就職、転勤等新しい生活をスタートさせる時期です。新たな気持ちで前向きに取り組んでいきたいものです。
本日、大阪府の公立高校の後期入試についての希望調査結果が公表されました。これによると私学助成の影響が強く反映され、私学へのシフトが鮮明になってきています。具体的には競争率が2倍を超える学校がある一方で、実に49校で定員割れ、中には志願者が定員の半数という学校もあり、二極化が顕著になってきています。このような状況は私学の専願者が増加したため、ある程度は予想されたことですが、極めて衝撃的な結果になりました。
これまで、公立高校では定員を決め受験者を待つという受身の姿勢が強かったように思います。言い換えると広報活動という点では十分でなかったということになります。私学の場合には定員をしっかり確保しなければ学校経営は成り立ちません。そして、生徒や保護者に満足していただけるような教育活動を行なっていかなければ、すぐに志願者が減るということに繋がります。そして、定員が充足できないと教職員の雇用も給与も維持できなくなりますし、設備の更新もできなくなり、生徒に対する質の高い教育もできないということになります。
よく「学校は企業とは違う」と言われますが、経営という点では同じです。そのためには、何のために存在しているのかという『理念や経営方針』が明確になっており、その上で最小の経営資源を使って最大の成果をあげることが大切です。このように考えると、国家も地方自治体も企業、病院、学校もすべて経営ということになります。
今一度、公立、私立も含めて学校経営という視点に立って考え直さなければならないのではないかと思っています。
3月4日(金)、本日より期末考査が始まりました。生徒達にとっては学年の締めくくりとなる定期考査ということになります。いつもと同じように早朝指導をしていましたが、今日は手に手にプリントやメモを持ちながら引き締まった表情で登校してくる生徒の姿が数多く見られました。是非、現学年の総決算という気持ちで有終の美を飾って欲しいものです。
さて、この度、兵庫県社会福祉協議会発行の機関紙『ひょうごの福祉』・2月号に本校の募金活動の状況が掲載されました。記事見出しは〝「おはよう!」の声で募金も元気に! ~盛り上がる生徒会募金活動~ 雲雀丘学園中学校・高等学校〟です。
記事の内容は、共同募金にも歳末助け合い募金にも積極的に取り組んでいる学校ということで、本校の取り組みが紹介されており、クラス毎に目標額を決めて活動した結果、目標額の3倍以上の金額を達成したというものです。
これまで本校の生徒会では昨年1月のハイチ地震、2月のチリ地震の際にも募金活動を行なってきました。このような災害が起こるということは不幸なことですが、当初は募金活動を始めることに躊躇していた生徒達も自主的に行動に移せるようになってきました。そして、今週からは生徒会役員が中心になって、今回のニュージーランドのクライストチャーチ地震の義援金募集も始めています。
〝経験が人をつくる〟という言葉がありますが、生徒達が学力においても、人間力においても日々成長していってくれることを願っています。
今年は殊の外寒さが厳しく、3月に入ってからもコート姿の人が目につきますが、日毎に春の足音が近づいてきているようです。
本日、3月3日(木)は五節句のひとつである「上巳(じょうし・じょうみ)の節句」ですが、一般的には桃の花にちなんだ「桃の節句」と呼ばれています。
これまでも五節句については、この校長通信でも何度か紹介してきていますが、この上巳のほかに、5月5日(端午)、7月7日(七夕)、9月9日(重陽・ちょうよう)というように、奇数月の月と同じ数の日ということになっています。中国では奇数は陽、偶数は陰を意味しますが、奇数(陽)が重なると逆に陰になります。そして、季節や物事の節目には災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていました。この邪気を避けるための行事(邪避)として、中国では上巳節というものがあり、これが遣唐使によって日本に伝えられたのです。このため、昔から川の水に心身の穢れ(けがれ)を流して厄を祓う行事や杯を水に流して宴を催す曲水の宴等が行なわれてきたのです。
また、この日に行なわれる「雛祭り」は、女の子の成長を祈る行事ですが、もともとは平安時代に公家の子女が行なっていた「雛あそび」が起源であると言われています。〝身に降りかかる災厄を人形に肩代わりしてもらう〟という祭礼的な意味合いをこめて、やがて武家に広まり、江戸時代には庶民にまで広まることとなりました。最近は雛祭りの風習も廃れてきましたが、以前は各家において代々伝わってきたお雛様を飾り、菱餅、ひなあられ、白酒、引千切、散らし寿司、鯛や蛤などを食べていました。そして、飾ったお雛様は翌日に片付けるのがきまりになっています。
なお、五節句のうち1月だけは例外として1月7日(人日の節句)となっています。また、日本では9月9日(重陽の節句)はあまり知られていませんが、中国では最も大きい奇数である9が重なるということで、五節句のうちでも特に重要な節句になっています。
前回のペットボトルのエコキャップ運動に続いて、生徒会におけるもう一つのエコ活動である『上靴のリサイクル運動』を紹介します。靴が不要になるのは圧倒的に卒業式後や修了式後になるため、生徒会役員が卒業生に対して〝下足室に大きなビニール袋を置いて回収するので協力をお願いしたい〟旨を伝えました。
これを受けて、卒業生のうち国公立受験のために卒業式後も講習等に来る人を除く約150名が靴を寄付してくれることになりました。早速ボランティア団体に連絡し、引き取っていただくことにしましたが、来校された担当者は数の多さに驚いておられる様子でした。そして「毎年、ご協力いただきありがとうございます。」という感謝の言葉と共にビニール袋に入った靴を車に満載されてお帰りになりました。
このようにして回収された上靴は、未だ使用できるものはボランティア団体を通じて、アフリカなどの途上国に送られ再利用されます。また、古くて使えないものは、布部分と底のゴム部分にパーツを分断し、細かく粉砕されます。その後、布部分は屋内バスケットコートやバレーボールコートのクッションパッドに、ゴム部分は競技用トラックの表面やジムのタイル、もしくは、新しい靴底やボタン、ファスナーのつまみなどに生まれかわることになります。
また、最近では靴メーカーの中にも履かなくなった靴を資源として再利用するシステムを導入するところが増えてきました。靴を単に作るだけではなく、履かなくなった靴の回収システムを整備し、少しでもゴミを減らす、そして、少しでも再利用することを目指して身近な道路材やコンクリート材に生まれ変わらせているのです。 これからは多くの企業でこのような動きが出てくると思います。
生徒達がリサイクルの大切さについて考え行動していって欲しいと思っています。
生徒会では、いろいろなエコ活動の取り組みを行なっていますが、その中の一つに「エコキャップ運動」があります。既に昨年の24800個を上回る35540個が集まっていましたが、先日の全校朝礼で更に回収を呼びかけた結果、実に40000個を超える数のキャップが集まりました。これは生徒一人当たり30個超という数になります。間もなく期末考査が始まるため、考査明けに厚生委員が集まり、キャップに付いているシールはがしを行なって回収業者に引き取っていただくことになっています。そして、このキャップが植木鉢やコンクリートパネル、チリトリ、水彩画のパレット等に生まれ変わります。
この運動については『エコキャップ推進協会』が中心となって全国の学校や企業に呼びかけています。シンボルフレーズとして、ペットボトルのキャップを外して集め「再資源化する」ことで「CO2の削減をはかる」、更にユニセフ、WHOと協力してキャップの再資源化で得た売却益をもって「発展途上国の子どもたちにワクチンを贈る」という3つを掲げています。同協会によると、ワクチンさえあれば命が助かる子どもたちは、世界で一日に約6000人にも達しており、キャップ1Kg(約400個)あたり15円でリサイクル業者に売却、うち10円がワクチン購入に当てられるとのことです。また、キャップ1kgで3150gのCO2削減になるようです。
この運動に対しては、〝運送費がかさむだけでメリットはない〟〝寄付をした方が良い〟といった否定的な意見もありますが、何よりも大切なことは「世界の子どもたちを救済するという共生の心」や「地球環境を守るという気持」を生徒一人ひとりの中に育んでいくことではないかと思っています。