CLOSED
これまでのエントリーはすべて「中学カテゴリー」にまとめました。
明日から新年度が始まりますので、エントリーは新しいカテゴリーに分類します。投稿者も増え、パワーアップする55期生通信にご期待ください。
これまでのエントリーはすべて「中学カテゴリー」にまとめました。
明日から新年度が始まりますので、エントリーは新しいカテゴリーに分類します。投稿者も増え、パワーアップする55期生通信にご期待ください。
新入生は入学式の前に教科書を受け取ります。名前は書きましたか。入学式にクラスと番号が分かってからでも遅くはないので、必ず記名してください。これから渡される問題集や資料集などの教材,ノートなどについても同じです。教材の貸し借りは原則として認めていない教科がほとんどです。
ところで、教科書に記名するのは当たり前のことではないということを知っていましたか。日本では、新学年になれば新しい教科書が渡されます。義務教育の間は無償で支給されますが、高校1年生の今年からは教科書代を保護者の方に出していただきました。でも、国によってはフィンランドのように貸し出し制を取っているところもあります。同じ教科書を何年にも渡って使うということは、記名はおろか教科書への書き込みもできないということです。どちらの制度が良いかということについては意見が分かれるところですが、教科書を有効に使うという点では共通しているのではないでしょうか。
用品渡しを食堂で、9時から10時30分におこないます。教科書と体操服,武道具をお渡しします。教科書を入れるためにある程度の大きさのカバンを用意してください。引換証を忘れると、お渡しできませんので注意してください。また、この後に中学生の用品購入がありますから、10時までには食堂に来るようにしてください。
当然のことですが、中入生については制服での登校となります。服装・頭髪に問題があれば指導対象とするのは、普段と同じです。
午前中に中入生,午後から併願者を対象にした新入生ガイダンスをおこないました。時間は約1時間程度と長くはありませんでしたが、さまざまな立場の教員の話を聴いていただきました。特に意識して欲しいのは、教頭が話した「バックキャスティング的思考」です。バックキャスティングとは、言葉通りに取れば「うしろに向かって放る」ということになるでしょうか。数年前にスウェーデンの環境NGO「ナチュラル・ステップ」の創始者であるカール・ヘンリク・ロベールが提唱した言葉です。将来時点をスタートポイントとし、現在を終点としてそこに向かって思考を逆に辿るという意味で使いました。そのためには、まず長期の目標を定め、その目標達成のために今から必要なアクションを具体化していくという、極めて実践的かつ政策指向の強いアプローチだといえるでしょう。
10年後の自分を明確にイメージし、そのために今の自分が何をすべきかを考え、そしてすぐに実行してください。入学式からスタートしたのでは遅いのです。あなたの将来のために今すべきことは何ですか。入学直後に聴くことにしています。全員答を用意しておいてください。どんな夢とともに語ってくれるのか、楽しみにしています。
2月の図書室の貸出冊数を集計しました。先月はちょうど900冊(課題図書との重複を除く)でした。今年度の累計は6164冊となり、6000冊を超える読書量となりました。一人平均すると37冊強ですので、50冊という目標に対しては7割の達成ということになりました。また、3年間の累計は16187冊となり、一人約100冊となりました。
図書室にはたくさんの本が置いてあります。あまり広くはありませんが、新刊でもすぐに購入して書架に並べているのが、雲雀丘学園の図書室の特徴だと思います。そんな図書室で最近見かけた本を1冊紹介します。幻冬舎から出版されている「15歳のためのグローバリゼーション 新しい地図を持って歩きだそう マップセレクション」という本です。この本のコンセプトは、「できるだけ正確に地球の姿を提供し、変化の激しい世界にどのように向き合ったらよいかを考える手がかりを示す」ことのようです。「知る→わかる→つくる」の知のサイクルの繰り返しから創造性は生まれます。自分の進路を考える材料を手に入れるために図書室へ出かけませんか。 ISBN 978-4-344-01728-3 C0095
3年前の4月から今日まで1300件強のエントリーをアップしてきました。アクセス数も18万6000件に達し、改めて支えて下さった方々の多さに驚いています。55期生は中学3年間を終えましたが、高校から入学してくる新しい仲間を迎え、よりパワーアップして、後半の3年間をリスタートさせる予定です。高校生として意識しておくこと、大学進学あるいはその先の進路に向けて考えておくことなど、これから必要となる情報をアップしていく予定ですので、入学以前であっても時々はアクセスしてみてください。
3年間の中学校生活も最後の週となりました。昨日は卒業研究発表のリハーサルと最終チェックをおこないました。昨日学園講堂でおこなわれた中学1・2年の「探求研究発表会」と同様に、自分たちから発信する能力を身につけることができればと考えての企画です。拙いところも散見しますが、ご覧になっていただければ励みになるかと思いますので、よろしければ足を運んでいただければありがたいです。
中学3年(55期)生 卒業研究発表会
日時 3月17日(水) 11時頃から (1時間程度を予定しています)
場所 学園講堂
主題 沖縄・伊江島
形式 PPによるプレゼンテーション
模造紙によるポスターセッション
クレイモデルによるジオラマ
三線ライブ
「いめんしょり 沖縄・伊江島」限定配布
なお、それ以外の予定は次の通りです。
15日(月) 卒業判定会議ですので、生徒は自宅学習です。
16日(火) 宝塚歌劇観劇です。
10時30分に大劇場前集合完了と連絡しています。
17日(水) 卒業式リハーサルです。定時に登校します。
リハーサル終了後に卒業研究発表をおこないます。
18日(木) 自宅学習日です。
19日(金) 卒業式です。生徒は定時に登校します。式は10時からです。
後期期末考査の途中でしたが、教室で学級懇談会を、食堂で学年懇親会をおこないました。お忙しい中、お越しいただき、ありがとうございました。
懇談会では、この3年間の総括をお伝えし、今後の課題についてお話しさせていただきました。中高6年間の折り返しとは言え、大きな節目にさしかかってきます。卒業式まで残すところ、2週間ほどにはなりましたが、高校生活をスムースにスタートできるように準備をさせていきたいと考えています。これまで通り、ご理解・ご協力をお願いします。
懇親会では、和やかな雰囲気の中、いろいろなお話しをお聴きすることができました。この3年間、あっという間だったけれども、お子さまの心身共の成長を感じることができたと伺えただけでも、大きな収穫でした。
今日のLHRは3年間の学習を振り返ってもらいました。高校進学を直前に控えて、中学生と高校生の違いについて考えてもらいました。自分自身の課題やこれからどう取り組むのかについて、ちょっと厳しい現実を突きつけたかもしれません。でも、3年後のこの時期に自信を持って次へ進んでもらうには、必要なステップと考えています。これから、担任と生徒で面談を始めます。期末考査の結果とあわせて、考査後に補習や課題も予定しています。
また、27日(土)の点呼についての説明をしました。当日は教科書予約や用品購入などもありますので、準備をお願いします。明日から、武道選択や芸術選択の用紙を提出してもらいます。入学へ向けての連絡や提出が多くなりますが、3年前とは違って、全てを生徒自身にしてもらうように指導しています。何かありましたら、担任までご相談ください。
1月の図書室の貸出冊数を集計しました。先月は627冊(課題図書との重複を除く)でした。
今年度の累計は5264冊となり、昨年度に引き続いて5000冊を超える読書量となりました。一人平均すると32冊弱ですので、50冊という目標に対しては、まだ64%の達成ということになります。
また、3年間の累計は15287冊となりました。卒業まで残り一月となりましたが、もう少し啓蒙活動を継続したいと考えています。
卒業研究を進めています。それぞれが手分けをして、自分のできることを考えながら、学年共同のテーマに合わせて、いろいろな形式での発表を予定しています。仕上がりが楽しみです。
模造紙に調べたことをまとめたり、ポスターやフリップを描いたりしています。
クレイモデルはよく進んでいます。
左はマングローブの気根、右は伊江島タッチューだそうです。
今朝は英単語テストをおこないました。しっかりと準備してきた生徒が多かったようで、出来は良かったようです。返却後に追試があることもこれまで通りです。16日には高校進学に向けての試験を行いますので、しばらくは気が抜けないですね。
左は朝礼前の教室の様子。英単語のテキストを手に最後の確認をしていました。
右は試験中。30分間ですから充分にゆとりはあるはずですが、開始と同時に鉛筆を走らせています。
今日は高校入試です。朝からたくさんの中学3年生が希望とちょっぴりの不安を抱えて、受験会場に向かうところに出会いました。本校にも数多くの受験生が訪れています。お子さまたちは自宅で12日の英単語テストの準備をしている頃でしょうか。いずれ机を並べる将来のクラスメイトに気持ちの上で負けないように今日一日を過ごして欲しいと思います。
技術の授業風景です。キーホルダーを作っています。
木の土台を作り(木工),金属のプレートをつけているところです(金工)。
朝から粉雪のちらつく寒い日でしたが、生徒は元気ですね。今日の体育の授業風景です。
雪の舞い散る中、元気にブラジル体操
今日はサッカー大会。ゴール前に雪が残っています。
今日は節分でした。1限のLHRを10分だけ使って,4クラスそれぞれで豆まきをして,厄を払いました。早いもので,中学3年間も残りあと僅かとなりました。楽しそうに豆をまいている表情に,少しだけ寂しさを感じたような気がします。
卒業研究はゆっくりと,でも着実に進んでいます。クレイモデルを作る者,調べた内容を模造紙に書き始める者,冊子の原稿の内容を相談する者…それぞれが自分のできることに取り組んでいました。
今日、図書だよりを配布しました。たくさんの本が紹介されていて,その多くが図書室に購入されているのに,利用しないのはもったいないことです。今年は国民読書年です。生徒だけでなく,周囲の大人も一緒に,読書習慣を共有できればと思います。
冬休みの課題図書と12月の貸出冊数を集計したところ,学年全体で932冊となりました(重複は除いています)。秋の読書週間に課題図書を出さなかったので,少しペースが落ちていますが,年間の累計は4637冊で,5000冊の大台はまもなくクリアしそうです。3年間で15000冊ぐらいになりそうですから,一人平均はおおよそ100冊。活字文化に親しむという目的は達したかなと考えています。中学卒業までにもう少し啓蒙活動を続ける予定です。
昨日,今日の放課後を使って内部進学する生徒の出願をおこないました。願書と課題を携え、受付で一人一人手続きをしてもらいました。教室で担任が預かるのとは勝手が違ったのか、緊張した面持ちで、書類の提出をしていました。結果については、高校入試A日程が終了した後に速達で送付する予定です。高校へ進学する区切りの儀式のようなものと考えています。
受験番号確認のため、受験票は担任に一度預けていただくことにしています。また、明日のLHRでは高校進学へ向けて、特に学習面での話をします。先日実施した実力考査の個人成績票をお渡しし、これからの数ヶ月の過ごし方について考えてもらう機会を用意しています。どんな内容なのかはお子さまから聞いていただければと思います。
昨日は、英検を受けてもらいました。入試期間中の自宅学習日を有効に使った生徒はゆとりを持って受けることができたようです。授業とは別に自学自習ができるかどうかが、高校生になったときに差となって現れてきます。
明日・明後日の放課後に内部進学のための出願をおこないます。願書などの必要書類については担任が預かっています。服装を整えて、窓口に提出するだけのことですが、生徒各自に自分の手で届けてもらいます。「進級ではなく進学するんだ」という気持ちを持って欲しいと考えています。入試を受けて点数で合否が決まることに比べれば、ずいぶん軽いかもしれませんが、緊張感は持たせたいと思います。頭髪や服装はもちろん、言葉遣いや所作についても細かく指導する予定です。
今日は神戸の地震から15年目の節目でした。テレビでも朝から追悼の様子が映し出されていたので、改めてそのときのことを思い出されたのではないでしょうか。今の中学3年生は15歳。震災の前後に産まれた子供達でした。震災の避難訓練は先日簡単に済ませましたが、彼らの中では今日という日に特別な思いを持ってくれているようです。あのような出来事を考えると、「生きている」ことの有り難さに気づかされます。
中学では後期実力考査を5教科でおこないました。週末に2日間に分けておこなわれるセンター試験に比べるとましとはいえ、ずいぶんと疲れたようすでした。
冬休みの過ごし方を反映している試験であることを意識して欲しいと思います。何点を取ったかも関心事ではありますが、それ以上に自分が高校進学までに何をするべきなのかを示す指標のようなものと考えてください。試験が終わって疲れているかもしれませんが、できるだけ早い時期に復習をしてきたかどうかが、現在の力の差に反映しているように思います。返却を待って×のついているところを直すよりも、自分で気になったところに自主的に取り組むことが大切ではないでしょうか。
久々の登校でしたので、お子さまたちが楽しそうに教室で話しているのを見かけました。学校長の講話を聴いたあとは、短縮6限の授業でした。個人写真の撮影などもあって、ちょっと忙しそうでしたね。
・作文,読書記録,課題などを提出してもらいました。
提出していない者については厳しく指導する予定です。
・実力考査時間割を発表しました。
数学・社会・理科・英語・国語
連休明けの12日(火)に実施します。
2010年が始まって数日が経ちました。普段の生活に戻ってきたでしょうか。
今週末の8日(金)は授業始めです。式や頭髪検査だけではなく、平常の授業も始まります。この冬は、宿題もしっかりと出しておきましたので、高校から入学してくる仲間と同じように高校生になる自覚を持って、勉強に取り組んでもらえたと期待しています。
一週間後の12日(火)には実力考査もおこないます。コース分けの資料となるだけではなく、中学3年間をどう過ごしたかを示す指標となります。内部進学には入試がありませんが、しっかりと取り組んだという自負を持って欲しいものです。
まもなく年が改まります。55期生にとっては、中学生生活も残すところ3ヶ月となりました。
冬休みの課題の一つとして「志学」をテーマとした読書があったと思います。「志学」とは論語の「子曰、吾十有五而志於学。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而従心所欲、不踰矩」から15歳を意味します。義務教育年限が終わり、古来では元服の年齢であった15歳という節目を意識して欲しくて、設定しました。どのような作品を選ぶのかは各自の自由と考えていますが、何かしら心に残る作品に出会えればと願っています。
お子さまたちはいかがお過ごしでしょうか。今年一年を振り返りながら、年末年始の準備を手伝っているかもしれませんし、中学3年間での学習に不安があって机に向かっているかもしれませんね。個人懇談や授業納めでお話ししたことがお子さまたちに伝わっているといいのですが、それは分かりません。この1週間の過ごし方を見ていただいた上で、高校生になるためには自覚を持つことが大切だと、お正月にお話しいただければと思います。
時間が経てば15歳にはなりますが、意識せずに高校生にはなりません。また一歩大人へ近づいたことを感じながら、生活面・学習面で成長してくれることを期待しています。授業納めの日に学校長がユークリッドの「学問に王道なし」という言葉を取り上げました。高い志を胸に目標に向かって、こつこつと努力することが、夢を叶える手段ではないでしょうか。
冬至でした。カボチャを食べたり,ゆず湯に入ったりして、季節を感じてもらえたかな。
授業納めでしたので、学校長の講話,頭髪服装検査,大掃除のあと、クラス毎に話をしました。進学のための「作文」については、担任から簡単なコメントを添えて返却しました。冬休みにもう一度取り組んでもらいます。
のんびりと過ごすことも必要ですが、この時期は高校進学へ向けての意識づくりが大切です。義務教育である中学と同じ感覚では充実した高校生活は送れません。生活面、学習面ともにこの3年間を振り返り、原点に立ち返って3年間の高校生活やその先を考える時期にして欲しいと考えています。1月8日の授業始めの日にはキリッと引き締まった表情で登校してくることを期待しています。
今日から3日間、保護者の皆さまと個人懇談をおこないます。年末のお忙しい時期ですが、よろしくお願いします。お子さまたちは今日からしばらくは自宅学習です。部活動があったり、補習を受けに来るので、かなりの人数が登校するようです。22日(月)の授業納めが終われば、冬休みに入ります。
昨日の大掃除のようすをアップしました。かなり力を入れて教室を美しくしてくれました。
内部進学向けの願書を担任の方でお預かりし、確認作業中です。概ね問題ないようですが、ミスがあってはならない書類ですので、入念に見させていただきます。同時に、書類を出したら終わりではありませんので、先週水曜日のLHRでお話しさせていただいたことを実行するように指導中です。ご家庭でも高校進学へ向けての意識付けをお願いします。
今週水曜日には内部推薦書類の一つである「作文」の下書きの提出を予定しています。量はそれほど多くありませんが、適当に書けるような内容ではありません。今日ぐらいにはある程度進めておく必要があると思いますので、あわせてお話しください。週末から始める個人懇談では、この作文の内容を踏まえて進学の話をさせていただく予定です。
今月初めには高校から進学されてくる方たちへの説明会もおこなわれました。来春に入学してくる生徒と同様に、しっかりとした目標と目的意識を持って、高校進学をさせたいと考えています。
1限のLHRは「高校進学へ向けて」,各教室で担任から話をしました。高等学校は義務教育ではありませんから、目的意識を持って進学することが大切です。校訓や校是を含めて、現状を分析してもらいましたので、今日お帰りになったらお話しください。また、出願についての説明も行いました。配布した資料は次の通りです。
・生徒募集要項(内部進学用)
中に入学願書(A4)を挟んでいます。
・記入上の注意
願書を記入する際の注意事項を記載しています。
・作文用紙(A4を2枚)
2つのテーマについて作成することになっています。
書き方の手引きと下書き用の原稿用紙もお渡ししました。
・内部進学での出願について(B5両面)
提出期限などについてはお子さまに説明しています。基本的には出願までの手続きを自分ですることになっています。親御さんにも色々とお願いをすることと思います。サポートをお願いします。
後期中間考査の終わった週末は、少し疲れが出ているようでした。でも試験はチェックポイントであって、ゴールではありません。来週からの授業へ向け、しっかりと取り組んでほしいと思います。試験前の男子の体育のようすをアップしておきます。
ベリーロールで記録に挑戦
いつも控えめな子がとても上手に美しいフォームで跳んでいました。今日の最高記録はY.F.くんの150cmでした。男子の67名中、目標記録*を達成したのは13名。あと少しという人も大勢いました。
*目標記録=(身長×0.5)-(50M走タイム×10)+125 (cm)で設定
今日,明日で後期中間考査が終了します。高校進学が近づいてきましたので,どのような進路を考えているにしても,それぞれの課題に取り組んで欲しいと思っています。
・進路希望調査
明日4日(金)が提出の期限です。
提出が遅れたり、内容に不備のないようにお願いします。
これを元にして面談をおこないます。
・個人懇談の希望
明日4日(金)が提出の期限です。
すでに日程を配布したクラスもあります。
後期中間考査が近づきましたので、時間割を発表しました。
体調を整えて、しっかりと取り組むように話しています。
11月30日(月) 英語演習 完成社会
12月 1日(火) 国語甲 代 数
12月 2日(水) 国語乙 幾 何
12月 3日(木) 英語1 理科2
12月 4日(金) 理科1 公 民
先日ご案内したように、明日3・4限は中学授業参観です。と言っても中学3年生の場合は、懇談会などで土曜日に学校へ来ていただくことが多いので、下の学年ほど「見に行こうか」と思ってはいただけないかもしれません。そこで、ちょっとだけ「お楽しみ」を用意しました。
沖縄研修旅行のスナップ写真を、生徒には来週見せる予定にしています。それを明日の3限、11:00~11:30の30分間だけ、フロア(仮校舎1F)のどこかで保護者の方だけに見ていただけるようにしたいと思います。生き生きとした表情を見ていただければ、いかに4日間が充実していたかを感じていただけるのではないでしょうか。お時間の都合がつく方はどうぞおいで下さい。
漢字検定を今週金曜日に実施します。国語科の方で朝早くから学習会をおこなっています。今朝も十数人が問題に取り組んでいました。
27日から第63回読書週間が始まりました。文化の日を中心とした2週間です。読書週間が始まる10月27日は「文字・活字文化の日」にも制定されています。電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、かたちづくるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりありません。暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚での「本とのつきあい方」をとりいれて欲しいと思っています。
懇談会のあった土曜日の授業風景です。何の変哲もない授業風景のように見えますが…。この日は技術の担当者が出張したため、男子が家庭科の授業で取り組んでいる浴衣作りを体験しているところです。女子に教えてもらいながらの作業でしたが、思った以上に丁寧な運針だったそうです。
今日の午後は中学体験授業にたくさんの小学生が訪れました。理科はオオカナダモを使って、呼吸と光合成を調べる実験をしてもらいましたが、参加者が多いので中学3年生7名に補助をしてもらいました。おかげで45分間の短い時間の中で2つの実験をすることができました。
オオカナダモの葉を顕微鏡で観察しています。
BTB液の色の変化を見て、なぜそうなったのかを考えています。
息を吹き込むと二酸化炭素によって酸性になり、BTB液が黄色く変化しました。
8日にB組・D組共同で学級懇親会をおこないました。台風に伴う警報によって授業はなくなりましたが、5月にインフルエンザの休校措置で延期になっていたまま、延び延びになっていた会でしたので、様子をみておこなうこととしました。午後からは台風一過、さわやかに晴れましたので、1時間程度でしたが、保護者のみなさまと歓談することができ、楽しい時間を過ごすことができました。13日にはA・C組が同じ告天舎で学級懇親会をおこなう予定です。
インフルエンザの感染を防止するために、学校長からの話は放送となりました。頭髪・服装検査,LHR,掃除など1時間程度で終わりましたので、比較的早く下校したのではないでしょうか。
連絡したこと
・明日警報が出た場合の対応は生徒手帳p10に記載しています。
B組・D組の懇親会については電話連絡網でお伝えしている通りです。
配布したもの
・第2回環境フォーラム開催のご案内(A4プリント)
・2009ワールドチルドレンサミットちらし(A4プリント)
・平成22年度高校予約奨学金(貸与)募集について(B5プリント)
今日から前期期末考査が始まりました。インフルエンザの流行も一段落し、落ち着いた状況での受験となりそうです。学習記録を見る限りでは、先週一週間でしっかりと準備してきた生徒も多いようで、その成果が楽しみです。もっとも生徒は初日の英語と理科の試験ですでに悲鳴を上げているようですが…
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、此岸も朝夕は涼しく過ごしやすくなりました。4連休でインフルエンザの流行も落ち着いてくれることを願っています。毎日、検温する習慣は身についたでしょうか。体温は24時間周期で変動しますから、同じ時刻に測ることが大切です。
朝食をとることが学力に影響していることはたびたび取り上げていますが、体温との関係はご存じですか。朝食をしっかり取ることと合わせて、起床後に軽い運動をして体温を上げることで、脳が朝から活発に活動するようになると、大阪大学の中川八郎名誉教授が報告しています。来週からの期末考査に効果があるかどうかは分かりませんが、これから先の学校生活には参考になるのではないでしょうか。
一時期騒がれた東大合格請負漫画「ドラゴン桜」からスピンオフによって編集された「16歳の教科書」の第2弾「16歳の教科書2 「勉強」と「仕事」はどこでつながるのか」が出版されました。漫画の世界と現実が同じだとは思いませんので、漫画を薦めるつもりはありません。しかし、新書の方は、ジャズシンガーの綾戸智恵さんや渋滞学の西成活裕さん、日産GT-R開発者の水野和敏さん、サイゼリアの正垣泰彦さんなどが16歳に向けて、学校の勉強が社会で役立つのかどうかをレクチャーしています。前作ほど教科色も強くないし、一読の価値はあると思います。A.M.
月曜日から4クラスで再開です。学年としては収束に向かっていると考えています。ただ、中高全体ではまだまだ欠席者が数多くいますので、これまで同様に毎朝の健康チェックをおこない、換気・手洗いなど感染防止に努めてほしいと思います。詳しくは保健室だよりをごらんください。
そろそろ期末考査が近づいてきました。早い段階から計画的に準備して、受験して欲しいと思います。そのためにも直前の授業をしっかり受けることが大切です。明日は授業担当者が集まって、授業アンケートを元に話し合うことにしています。話し合った結果は授業にフィードバックするとともに、いずれ保護者の皆さまに報告する予定です。
緊急連絡網でもお伝えしたように、少しバタバタとしていますが、「前期実力考査3 個人成績表」をお子さまにお渡ししました。夏をどのように過ごしたかが反映されているのではないでしょうか。与えられた宿題をこなすことも無意味ではありませんが、それ以上に自分自身で何が必要なのかを考えて取り組めるようになって欲しいと考えています。試験は現状を把握するためのツールですから、点数や席次ではなく、これからどのように取り組むことが必要なのかを話す機会として利用して欲しいと思います。
明日のLHRでは沖縄研修旅行の説明を予定していますが、朝の登校状況によっては先に延ばすかもしれません。体調の管理と感染の予防を今一度お子さまにお話しくださいますように。
明日は午前中4限の授業後、午後に文化祭準備をおこないます。講堂での位置確認と短時間の練習だけを予定していますので、学年としては14時過ぎまでとなります。(文化部と係生徒は下校時刻まで残っています。)前日・当日の動きはプリントにまとめて、今日の終礼で配布しました。
練習も最終段階。限られた時間の中でできることを考えながら、クラス全員で協力して作り上げることを意識しながら、あと2日間取り組んでもらいます。安易に現状で妥協せずに少しでもより高みを目指させるように指導しているつもりですが、どうなりますやら…。
明日から9月、授業も短縮4時間から平常6時間に戻ります。実力考査の返却もほぼ終わり、文化祭の準備と学習の両立が求められるようになります。明日の放課後に舞台発表のリハーサルをおこないますが、一週間の間にずいぶん練習したようでどれだけ仕上げてきているかが楽しみです。当日は第1日目の11時から講堂で、D組・C組・B組・A組の順に15分ずつの発表をおこないます。午後からの合唱コンクールと併せてご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。
明日・明後日は高3の模擬店の食券販売を予定しています。今年は高2の研修旅行の関係で、北海道物産展も併せておこないますので、よろしければそちらもご利用下さい。
同じく夏休み中に関西大学からインターンシップ研修生として来ていた小川さんの感想を紹介します。
7月のA日程の一部の自学自習と8月のC日程数学補習と自学自習を見ていました。とても貴重で考えさせられる経験を得ることができました。学ぶことも多くありました。夏休みという日程上、学年全員とは接することはできませんでしたが、出会えた生徒は素直でいい子たちばかりでした。一部には手を焼いた生徒もいました。今ではいい思い出です。雲雀丘学園の55期生の皆さんに対して少しでも力になれたのなら、これ以上嬉しいことはありません。インターンシップで来たかいがあったというものです。
最後になりますが、校長先生や学年の先生方など関係の先生方には期間中本当にお世話になりました。ありがとうございました。
関西大学からインターンシップ研修生として夏休み中に来ていた谷さん(写真奥)から感想が届きましたので、紹介します。彼女には夏季講習のお手伝いをお願いしていましたが、それ以外にも文化祭の練習を見たり、進路指導室の資料整理をしてもらいました。生徒との交流が互いに良い経験になったかなと思っています。
夏休みの講習の補助として、関西大学からインターンシップ生として来させて頂きました。英語補習のクラスと自習教室での指導補助をさせて頂きました。夏休みといっても、学校という場なので、チャイムが鳴り、メリハリがあります。区切られた、限りある時間を無駄にせず、有効に活用しようという意識が芽生えてきたと感じました。この意識は文化祭の練習時においても活きてくると思います。学習補助に加えて、文化祭の練習も見学さして頂きました。文化祭に向けて舞台発表と合唱コンクールの2つの練習、それに加え、クラブ、そして、もちろん勉強も手を抜けないと、ハードなスケジュールだと思います。しかし、これまでに加えて夏休みにも学んだであろう時間を有効活用しようという意識さえあれば、全てをやりきる力のある子ばかりだと信じています。期待しています。本当にありがとうございました。
アップル動物病院で獣医として働いてる方にインタビューをさせていただいた5名の生徒からの報告です。
獣医という仕事についてだけでなく、今私たちが将来のためにすべきことなどのすべての質問に本当にていねいに答えてくださいました。今回のインタビューを通じて、仕事をする上での責任の重大さを学びました。また、話を聞いていて自分の仕事に誇りを持ってるということがすごく伝わってきました。私も将来自分の仕事に誇りを持って働けたらいいなぁと思いました。今回、将来のことを少し考えるいいきっかけになりました。職業人インタビュー、緊張したけどすごくいい経験になりました!Y.I. M.A. A.K. Y.K. A.N.
今日から再び学校での活動が始まりました。最初に実力考査がおこなわれたこともあって、欠席者はほとんど見られませんでした。マスコミでは、新型インフルエンザの影響で新学期早々に休校や学級閉鎖などを実施している学校が報じられていましたので、心配していましたが、いまのところ大丈夫なようです。
5教科の実力考査のあと、夏の課題などを回収して、今日は終わるはずでしたが、お子さまたちは明日以降の準備に追われていました。明日は講堂での通し稽古が予定されていますが、舞台の準備ができている状態にはほど遠い状況のようです。今年も文化祭までの2週間は下校時間ぎりぎりまで残って練習することになるのかもしれません。
大阪国際空港でパイロットの赤松機長にインタビューした6人の生徒の報告です。
訪問したときはちょっと心配していましたが、うまくインタビューが進んでよかったと思いました。質問していたときも、とても分かりやすく答えていただいたので、よかったです。質問が終わった後も雑談などをして盛り上がりました。
機長の仕事はとても大変そうに見えました。機長と副機長では国家試験の取得も違うのに驚きました。二人で操縦すると思っていたけど実際には一人で操縦してもう一人は管制塔の連絡や指示係と、自分が思っていたとは全然違いました。このように知らないことがたくさんあったので、びっくりしました。
またこの機会があったら訪問したいと思いました。N.W. K.O. M.K. H.M. N.T. K.H.
来週24日(月)は授業始めです。すでに夏季講習C日程や文化祭練習,部活動などで多数登校していますが、来週からは全員登校となります。
中学は初日に実力考査(5教科)を実施します。午後からも学校がありますから、昼食の用意が必要です。また、宿題をしていれば気づいていると思いますが、数学や理科の試験では定規が必要です。時間割は国語・英語・数学・社会・理科です。質問などがあれば、今週午前中は講習で来ている先生も多いので、対応してもらえると思います。まさか、中学3年生にもなって宿題に追われている…のではないでしょうね。
各クラスとも今週の午後に、文化祭の練習をしているようですが、22日(土)は高校オープンスクールがあるので、教室は使用できません。21日(金)午後は教室整備をお願いします。
太田・柴田・林法律事務所を訪ねた4名の生徒の報告です。
色々な話をきけてとても参考になりました。先生がとても丁寧に且つ楽しく答えてくださったので、わかりやすく、和気藹々とした時間を過ごせました。将来のために今すべきことが分かり、とりあえずどの職に就くにしても英語が必要だと言われたので、全員英語を頑張ろうと思いましたが、夏期講習で泣きそうになっております。
全然分野が違うけど、弁護士もいいかもと思いました。M.I.
とりあえず英単語を頑張ろうと思いました。Y.H.
英語の今までの復習をしようと思いました。K.H.
弁護士の仕事内容がよく分かり、興味が湧きました。Y.H.
今日8月15日は「終戦の日」の日です。1945(昭和20)年の今日、昭和天皇による玉音放送がおこなわれ、実質の戦闘は終結したから、この日を「終戦の日」と定めたようです。日本政府が東京湾の戦艦ミズーリの上で降伏文書に調印したのは、半月以上先の9月2日ですし、南西諸島の日本軍が降伏したのはその5日後です。
あまりに時間が経ち過ぎて実感が伴わないのは、伝えるべき私たち大人も同じなのですが、せめて今日一日は「太平洋戦争」という忌まわしい過去を振り返る必要があるように思います。この秋に研修旅行で訪れる沖縄では県民を巻き込んで地上戦がおこなわれました。数ヶ月の戦闘で亡くなった日本兵と一般住民を合わせると20万人以上と言われています。「沖縄戦の概要」については、国立公文書館アジア歴史資料センターでまとめられています。一度、ご覧になってください。
陸上自衛隊千僧駐屯地を訪問した4名の生徒の報告です。
司令業務、吉永さんをはじめ3名の方にお話を聞きました。事前に用意していた10項目の質問をすべて聞くことができました。災害派遣、編成隊のほか高卒で職業に悩んでいて1,2、年世話になろうとしたのが入隊したきっかけや、新婚者は海外派遣で家族と離れることが心配なことなど心情的なことも聞きました。詳しくは冊子にまとめましたが、今回のインタビューで学んだことの中に「責任感」「社会人として人の役に立ち迷惑をかけない」「無理をせずプラス思考で健康管理に気をつけ行動する」ことなどの強い精神力がなければ、この仕事は「なりたい」だけでは無理だということも強く感じました。とてもいい経験になりました、ありがとうございました。R.S. R.T. K.N. K.H.
雲雀丘学園幼稚園を訪ねた5名の生徒の報告です。
初めはあまり幼稚園の先生に興味がなかったけど、金野先生の話を聞いて幼稚園の先生もいいなと思いました。Y.N.
幼稚園教師という仕事には全く興味がなかったけれど色々話を聞いているうちに、興味がわいてきたし、自分の仕事に「好き」と言える金野さんがすごいと思いました。M.U.
真剣に質問に答えて下さってすごく為になりました。楽しかったです。M.S.
前から少し興味を持っていたけれど、話を聞いてもっと興味を持てました。S.Y.
金野さんが自分の仕事を「好き」と言ったのを聞いて、私も将来こんな仕事に就いてよかったと思えるような仕事に就きたいと思いました。Y.N.
1級建築士の今枝詔次さんの建築設計室を訪ねた生徒の報告です。
インタビューでは、1つの質問に対して多くのことを話して下さったので、とてもインタビューしやすかったです。話を聞いているうちに、設計士という仕事は楽しそうで、とても興味を持ちました。事務所には、自らが設計した住宅の模型などがありました。模型にあった家はどれもデザインが良く、住み心地が良さそうなものばかりでした。とても勉強になりました。K.T. Y.T. M.M. K.Y.
今日までに以下のグループから職業人インタビューの報告が届いています。
1, 4, 5, 8, 9, 10, 13, 14, 17, 18, 21, 22, 24, 31
文章や写真を追加してもかまいません。未提出のグループはメールで報告をしてください。
B日程は夏季講習はありませんが、文化祭の準備に励んでいます。
今日8月7日は立秋、暦の上では秋になります。
正岡子規の「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如し」は空の変化をよく見た言葉だと思います。空が少しづつ高く感ずるようになり、もくもくと沸き上がる夏の入道雲の上には、砂をすっと、刷毛で掃いたような秋の筋雲が隠れるように見えるようになりました。つい先日、梅雨が明けたばかりなのに…。
昨日は64回目の「原爆の日」でした。広島では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)がおこなわれたようです。明後日は長崎でも同じように過去を振り返る機会が用意されています。年々遠くなる戦争の記憶を前に、沖縄研修旅行での平和学習をどうするか、思案の日が続きます。A.M.
ケーキハウス「ツマガリ」でインタビューさせてもらった4名の報告です。
40分ほどインタビューさせてもらいました。どんな質問でも真剣に答えてくれました。本当にお菓子作り、接客が好き!と言う気持ちが伝わりました。良い体験でした。インタビューが出来て良かったです。
帰りにシュークリームを頂きました!N.M. H.F. A.O. M.T.
夏休み中におこなっている職業人インタビューの報告が届き始めています。ブログ上でもいくつかを紹介したいと考えています。最初は「宝塚第一病院」で副院長・看護部長の春江さまにお話しを聞いてきた3名の報告です。
看護士という仕事は、まず人を好きにならないとできない仕事だということが分かりました。一人一人顔が違うように、患者さん1人1人体調、考え方や物のとらえ方がちがうので、その一人一人にあった対応の仕方で患者さんが少しでも快適に病院で過ごしてくれるように看護士さんたちは日々努力をしているそうです。このことを知って看護士はただ医者の補助をしているだけではなく患者に快適に暮らしてもらうための病院内のフインキ作りまで、してるなんてすごいなぁ。と思いました。 M.T. N.M. M.M.
今年の文化祭では中学3年生はクラス毎の講堂発表をすることになっています。先週末に関大インターンシップの研修生4名の前で、発表内容のプレゼンテーションをしてもらいました。練習計画のあいまいさやテーマに対する詰めの甘さ、クラスの違いをどう出すのかなど、修正点を指摘してもらいました。今後の活動の中で、考えてもらえばと思います。今週B日程は少人数での活動がほとんどで、クラス全体としてはC日程以降となるようです。彼らが自分たちだけで作り上げることの大変さを感じつつ、どれだけ質の高い発表に仕上げてくれるかを楽しみにしています。
8月8日(土)午後13時から、京都大学百周年時計台記念ホールで、京都大学情報学研究科公開講座「いきものと情報学」が開かれます。対象は中学上級・高校生以上一般です。申し込みは必要ありません。入場先着順500名とのことです。開場が12時ですので、少し早めに行かれれば大丈夫だと思います。詳細はこちらを参考にしてください。お子さまとお出かけになりませんか。
今年は学年の4教室すべてを使用して、「基礎講座」「応用講座」「自学自習」に分かれての夏期講習を実施します。受講者が数多くいますので、その後に文化祭の準備や合唱の練習を予定しているクラスもあるようです。休暇中も生活リズムを崩すことなく、規則正しく過ごすことが目的の一つです。生徒諸君がそれぞれの課題を自覚し、有意義な時間を過ごしてくれればと思います。欠席連絡などは普段の授業と同じですので、よろしくお願いします。
厚生労働省やWHOの報告を見ると、気温が高くなっているにも関わらず、感染は拡大の一途のようです。先日、日本国内の感染者が5000人を超えたとの報道がありました。7月に入って、患者の報告数が毎日100件近いことをみると、再び流行が拡大し始めているのかもしれません。
授業納めの日に「新型インフルエンザ」についてのプリントをお渡ししましたが、換気やうがい,手洗いなどの初歩的な予防策を励行していただくと同時に、何かありましたら担任を通じて学校へも連絡をしていただきますようにお願いします。特に来週からは夏期講習で生徒が数多く集まります。毒性は弱いようですが、感染力は強いようですから、「慌てず、侮らず」の姿勢で対応していきたいと考えています。
高校選抜特進と3年生はそれぞれ今週初めから勉強合宿、中学2年生は今日から大山へ林間学舎と、校内は寂しい状況です。今日は昨日の曇天が嘘のように晴れ上がり、ご足労いただくのが申し訳ない気持ちになるような暑い一日となりました。内部進学とは言え、お子さまの大切な高校生活のことですから、いろいろとご心配も数多くお聴きしています。ご家庭と学年で連携しながら、よりよい道を選択できるようにご相談させていただきますので、明日の懇談期間以降も、何かありましたら担任に声をお掛けくださいますようにお願いいたします。
今日は「授業納め」でした。と言っても、休校措置の影響で短縮4限の授業のあと、式をおこないましたので、簡単なものになりました。来週から個人懇談ですので、一旦授業は休止ですが、その次の週からは夏期講習A日程が始まります。今年はあまり夏休みという感覚にはなれないかもしれません。
宿題と実力考査範囲を一覧にして、昨日配布しました。授業のない長期休暇をどのように過ごすのかが、夏までに学習したことを身につけられるかどうかと深く結びついていることは申し上げるまでもないでしょう。A日程とC日程で講習を受ける生徒にしても、講習と講習の間の2週間をどのように過ごすのかで効果は違ってきます。個人懇談の資料の中に「宿題と実力考査範囲の一覧表」を入れておきます。成績表という「結果」だけではなく、どのように過ごすのか、「計画」も考える機会としてあげてください。
先日から、昼休みや放課後を使って、「職業人インタビュー」のために相手先へ電話をし、appointmentをとっています。使い慣れない敬語、見知らぬ相手への緊張感、想定外の質問に対する返事…協力してくださっているインタビュー先の方々のご厚意に助けられながら、なんとか約束を取り付けているようです。会って話を聴くまでには、まだまだ一山も二山も越えなければならないみたいで、ハラハラしながら見ています。
高大連携の一環として、インターンシップ制度を利用して、関大から4名の学生さんが来られました。今年は夏期講習での補助と、文化祭企画・運営の助言をお願いしています。今日はC組の授業を見学した以外は、生徒と接する機会はありませんでした。A日程以降、顔を合わせることも多くなると思います。年齢の近いお兄さん・お姉さんのような存在ですから、学習や行事のことだけではなく、進路の悩みなども相談にのってもらえるといいですね。互いに良い影響を与えあってくれるものと期待しています。
生徒は試験も終わって、勉強はちょっと一息。合唱や文化祭など、学校行事の準備を進めています。今年は自主的に活動しようとする意識が見えていて、頼もしい限りです。成長×2…
我々担任は個人懇談の準備を進めています。今年は特に進路へ大きく影響する時期ですので、一人一人の成績や生活状況を確認しながら検討しています。内部進学が原則ですが、その先のことも考えて準備していかねばなりませんので、この夏の過ごし方も含めた原案を作って提案する予定です。165名のそれぞれの生徒について個別に準備していますので、作成には非常に時間がかかっています。懇談自体はわずか15分、20分の短い時間で申し訳ないですが、中身はギュッと濃縮して用意していますので、よろしくお願いします。
明日は校内一斉「英単語テスト」です。中学に入って3年目ですし、先日「漢字テスト」もありましたので、何をしなければならないかは自覚しているものと信じて、特に意識的には終礼で話をしていません。「文化祭」「合唱コンクール」「キャンドルナイト」「グリーンカーテン」「研修旅行」…そろそろ動き始めなければならない問題は山積していて気が気ではないことはたくさんありますが、これらについても同じです。大人から言われなければできない、気がつかないというのでは、いつまで経っても自立できません。高い志を持つ、自分の人生を自分で切り開く、その実現のために努力するというのが、建学の精神ですので、中学3年の今は敢えて言わないように担任は心掛けているのですが、明日の結果から…やはり心配してしまいます。A.M.
実力考査が終わった昨日から合唱の練習、文化祭の準備が始まりました。中学3年は講堂での舞台発表ですので、去年までの展示発表とは勝手が違うのですが、それぞれのクラスが自立的に活動を始めたことが成長だと感じています。
日本で唯一住民が地上戦に巻き込まれた沖縄県では、1945年6月23日を沖縄戦終結の日とし「慰霊の日」と定めています。先日、糸満市摩文仁の「平和の礎」に沖縄戦犠牲者123人の名前を新たに刻銘したそうです。刻銘された人の数はこれで24万856人となりました。その数の多さにも驚きますが、60年以上経った今なお沖縄戦の犠牲者が書き加えられることに驚きを隠せません。
11月に研修旅行で訪れる沖縄では学ぶことがたくさんあります。その一つが平和学習であることを思い起こさせてくれる一日でした。
今日の試験は国語乙と完成社会。朝の教室では文法書と問題集を前に最後の確認をしている姿をあちらこちらで見かけました。昨日におこなってもらった国語乙学習会の効果はどうだったのでしょうか。
昨日の試験科目は理科2と公民でした。授業で取り扱っている内容が、お子さまたちにとって実生活と結びついているのかどうかが気になる科目でした。
ニュースを見ていると、「内閣支持率が低迷している」とか「国連安保理で北朝鮮制裁決議を採択した」など、政治・経済・国際の話題が次々と流されていきます。それが自分や家族の生活とどのように関わっているのかということに目を向けるようにならなければ、社会にも意識は向きません。今年、公民を担当している方はそのあたりをよく心得ているベテランですから、期待しています。
同じことは理科でも言えます。ちょうど天文の単元を扱っていますが、なぜ宇宙に目を向けてほしいのかを意識してもらえるように授業をしているつもりです。「国家がロマンだけで宇宙開発に巨額の投資をするわけがない、アメリカや中国などの大国がロケットを飛ばすには理由があるはずだ」と考える力をつけて欲しいと思っています。A.M.
定期考査の初日は無事終わったようです。理科2と公民という組み合わせでしたが、前の日が休みで助かった…との声も聞かれました。そんな付け焼き刃的な姿勢でいつまで持つのか心配です。学習記録表を見ると、昨日1日の学習時間は8時間とか10時間はざらで、中には15時間近い生徒もいました。学年が上がって、体力もついてきたのでしょうね。明日は英語演習と幾何です。A.M.
中学校に入学して9回目の定期考査ですから、何をしたらいいのか分からないということはないでしょう。去年までと違うのは、「応用クラス」と「標準クラス」で授業の内容に違いがありますから、試験が異なることでしょうか。同じ教材を持っていても、授業内容に差があるのですから、毎回の授業をしっかりと受けなければならないということを意味しています。単純に「標準のテストは易しい」「応用のテストは難しい」と思いがちですが、それは誤解です。
「標準クラス」では、授業中に基本的なことを徹底して身につけるように指導しています。授業に集中できているお子さまは土台の強化ができて、学力が安定するはずです。基本的なことを着実に定着させることが求められますから、必ずしも易しい試験になるわけではありません。授業中に分かったから大丈夫なんて思い込まず、試験前に確認作業をさせてください。
一方の「応用クラス」では授業中に発展的な内容を多く取り扱います。でも、学習に対する基本的な姿勢は昨年度と同じなのです。予習をして授業に臨む,授業をしっかりと受ける,復習して内容を定着させるという、今までと同じことを要求しているだけなのです。不安になっているお子さまには「今まで通りで大丈夫だよ」とお話しください。今回大丈夫かなと心配なのは、テスト前にだけ取り組んで点数を帳尻合わせしてきたタイプのお子さまだけです。
くれぐれも無茶な生活だけはさせないようにお願いします。徹夜なんてその場しのぎにしかなりません。食事や睡眠時間が安定してこそ、生きていく力が身につくのだと信じて、お子さまたちを見守っていただきたいと考えています。A.M.
今朝は朝礼テストをおこなわず、国語乙の課題を配布しました。
8時過ぎのA組。登校した生徒は課題に取り組んでいました。
D組は1限の授業で使う課題なので、教えあったり、ノートに貼ったり…
窓からゴーヤーの葉が見えるくらいに伸びてきました。
6月10日は、「時の記念日」です。『日本書紀』天智天皇十年四月辛卯条(西暦671年6月10日(旧暦4月25日))に、「置漏尅於新臺。始打候時動鍾鼓。始用漏尅。此漏尅者天皇爲皇太子時始親所製造也。」とあり、日本で最初に時計が鐘を打った日であることは有名です。1920年に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられたようです。
生まれてから何時間たっているのかを教えてくれるサイトがありますので紹介します。「life meter 私の時間、めぐる世界」では、生年月日を入力すると生きてきた時間を、「呼吸した回数」「摂取したエネルギー」「月が遠ざかった距離」「太陽から届いたエネルギー」など8項目とともに表示してくれます。40万時間以上経過していたことも驚きましたが、ハワイが275cm近づいていることに興味を持てました。A.M.
再来週15日(月)から5日間、今年度最初の定期考査である前期中間考査を実施します。すでに試験範囲を指示している科目もあるようですし、時間割もこの週末あたりには発表できるかと思います。中学3年生ですから、「試験前の準備の大切さ」なんて今更でしょう。標準クラスでは「考査計画表」も配布していますから、この試験はそれほど心配していません。
お子さまたちにとって未経験なのは、次の週の水曜日、24日に第2回の実力考査が来ることです。大きな試験が連続して実施されることはこれまでなかったので、気になります。試験範囲も異なりますから、早めの準備と計画的な学習が大切になります。「実力考査だから実力で受ける」と何の準備もせずに受けるようなことのないようにさせたいと思います。学年共通の大切な試験であることを、ご家庭でもお話しくださいますようにお願いします。
今日は久しぶりに学園講堂で「中学朝礼」でした。柔道部やソフトテニス部,硬式テニス部の生徒が壇上で表彰を受けました。学校長の話は「第一印象が大切」という内容でした。
LHRは前回に引き続き、文化祭のことを話し合っていました。なかなか「学年テーマ」が決まらずに苦労していたようです。次回は「職業人インタビュー」のガイダンスをおこないますので、文化祭のことはしばらくお休みです。
先週と今週は公開授業旬間に設定しています。教員がお互いの授業を見ることで授業力を高めるのが大きな目的ですが、学年の授業にお邪魔できるので、カメラを持ってウロウロとしています。写真は家庭科で伝統的におこなっている「浴衣づくり」のようすです。先週は柄を合わせるところでした。裁縫よりはレベルの高い内容ですが、お子さまたちの表情は柔らかです。A.M.
今日は水曜日の時間割でしたので、1限のLHRでは文化祭のことを話し合ってもらいました。文化祭実行委員の決定,学年テーマの決定,クラスの発表内容の決定など、たくさんの決めごとがあって、大変だったようです。中学3年生は講堂での舞台発表が中心になります。リーダーたちは今日も放課後残って話し合いになりそうです。
1限に30分間、漢字テストを実施しました。終了と同時に正解を配布しましたので、すぐに自己採点に入っていました。課題や追試の可能性があるお子さまは早めに準備をしておいてもらいたいと思います。
朝の教室のようす。どの生徒も最後の追い込みに必死です。
結構難しい問題が並んでいますが、着実に答案を埋めているようです。
明日は漢字テストです。最後の追い込みとばかりに、夜遅くまでテキストと取り組んでいるのかもしれませんね。毎日こつこつと取り組めば、それほど大変じゃないのに…分かっていても、なかなかできないところがまだまだ中学生なのかもしれません。
何かと話題の漢検協会が出している機関誌「樫の木」2009年4月号に合格体験記が掲載されています。本校の高校生が載っていましたので、興味深く読みました。ポイントは「わずかな時間を活用して、地道に努力を積み重ねること」のようです。学問に王道なしといったところでしょうか。A.M.
カラオケボックスから追い返されたり、繁華街で補導されたりと、中高生の行動がニュースになっていますね。テレビなどのマスコミやネットを通じて、リアルタイムに情報を手にすることができる世代なのに、その情報を正しく判断できない幼さを危惧してしまいます。本校の中学3年生のお子さまたちは大丈夫だと信じていますが…。
各地に広がっている新型インフルエンザですが、これまでの情報を整理すると以下のようになります。
・誰も免疫を持たないので、感染力は非常に強い。
発症しているのは中高生を中心とした若年層に限定されている。
・発症しても季節性インフルエンザと症状は変わらない。
タミフルやリレンザなど治療薬も有効なので、冷静に対応することが大切です。
・爆発的に広がると、変異する危険性を秘めているので、感染予防は必要です。
咳エチケットとしてマスクを着用する意味もあるが、過度に信用はできません。
感染源に近寄らないこと、うがい・手洗いの励行のほうが効果があります。
来週以降の学校再開を前にして、今から感染・発症するようなことのないように注意して、過ごしてほしいと思います。
休校措置の間もゴーヤーは伸びていきます。世話ができなくて気にしているお子さまがいるかもしれないということで、近況報告です。
少しずつ…でも着実に伸びています。登校している先生方にゆるんでいたネットを張り直してもらいました。
4月末に鉢植えしたゴーヤーは生徒たちの世話の甲斐もあって、少しずつ伸びてきました。ようやくつるがネットに届き始めたあたりです。沖縄ではゴーヤーの日(5月8日)から裏ゴーヤーの日(8月5日)までがゴーヤーの美味しい旬の季節なのだそうですが、収穫できるようになるまでにはもうしばらくかかりそうです。
ちなみに今日5月15日は「沖縄本土復帰記念日」です。1972(昭和47)年5月15日に「沖縄返還協定」が発効し、沖縄の施政権がアメリカから日本に返還されました。
体育大会も終わって、授業を受ける雰囲気にも落ち着きが出てきました。そろそろお腹が空いてくる4限目の授業風景です。たまたまどの教室でも演習の授業を行っていました。
A・B組は理科社会科選択と隔週で実施している「数学演習」でした。
担当者が解説をしているところをお邪魔しました。
C・D組は英語演習でした。問題演習なので、黙々と解いています。
英語の授業にしてはとても静かでした。
これまで担任の手で「学年通信」を発行してきました。今年度からは生徒の自主性を育てる目的で、「学級通信」を企画・編集・発行することになりました。体育大会の直前に各クラスの編集委員が記事を集め、原稿を作成してきました。クラスメイトの誕生日を祝ったり、アンケートを取ったりと、学年通信にはない角度で、情報を発信しています。
A組 One for forty All for one!!
B組 3B NEWS!
C組 J3Cツウシン
D組 それゆけ!あっくん
予行を無事に終了しました。特に大きな問題もありませんでしたので、このまま明日も過ごせればと思います。気温が高いので、水分補給のための水筒は必ず持たせてください。また、テントがあるとはいえ、日差しも強いようですので、帽子やジャージ(上下)もある方がよいと思います。明日、親御さんの前で頑張ってくれると思いますので、応援よろしくお願いします。
今日は13時30分に教室を出しました。それほど遅くならずに帰宅するとは思いますが、ゆっくりと休ませて、明日に備えさせてください。
中学3年生がスタートして2週間が経過しました。クラスや授業にも慣れてくるころだろうと思います。今年度は高校校舎建築にともなって、特別教室や演習教室の位置が変わり戸惑うこともあるようですが、今のところ大きな問題はないように見受けられます。
今年度の目標の一つは「基礎学力の充実」です。20日から週5回の朝礼・終礼テストを開始しました。結果が芳しくなければ、補習・追試・課題などがあるのはこれまでと同じです。応用クラスでは慢心していたのか英単語テストの結果が良くなかったので、24日に居残り補習第一号となりました。(下)
また、学習記録表のスタイルを変更し、毎日着実に記入することができるように指導をしています。明日月曜日の朝礼時に提出することは同じです。週末にはご家庭で見せることになっていますので、昨年度と同様にアドバイスと確認をお願いします。学年では標準クラス・応用クラスともに記入状況や提出状況が向上していると感じています。A.M.
今月23日は「子ども読書の日」です。今日から3週間は「こどもの読書週間」とされています。今年の標語は「笑顔のヒミツは本の中」。2357点の応募作品の中から選ばれました。これからも本の中にいろいろな発見があるといいですね。A.M.
こどもたちにもっと本を、こどもたちにもっと本を読む場所をとの願いから、「こどもの読書週間」は1959年(昭和34年)に誕生しました。もともとは、5月5日の「こどもの日」を中心とした2週間(5月1日~14日)でしたが、子どもの読書への関心の高まりを受けて、「子ども読書年」である2000年より現在の4月23日(世界本の日・子ども読書の日)~5月12日に期間を延長しました。開始当時より、図書館・書店・学校を中心に、こどもたちに本を手渡す様々な行事が行われてきました。
幼少の時から書物に親しみ、読書の喜びや楽しみを知り、物ごとを正しく判断する力をつけておくことが、こどもたちにとってどんなに大切なことか…。こどもに読書を勧めるだけでなく、大人にとってもこどもの読書の大切さを考えるとき、それが「こどもの読書週間」です。
今日は二十四節気の一つ「穀雨」です。田畑の準備が整い、それに合わせて穀物の成長を助ける春の雨の降るころという意味のようです。身近に農作業が見られなくなりつつある現在では、四季を感じる以上に遠い言葉かもしれません。食べ物がどこでどのように作られて、自分たちの食卓へ運ばれてくるのかを知らないことは食料問題にもつながってくるのでしょうか。A.M.
今日は男子硬式テニス部や女子ソフトテニス部のお子さまが公欠で試合に出かけています。学年の1/8くらいの人数になりますので、教室の中は少し寂しい感じになりました。これから、どの部活動も本格的に活動します。昨日、クラブ紹介をおこなって先輩になる自覚も出てきているようですし、中学最上級学年として充実した部活動を送って欲しいと思います。それぞれの部活動の活躍の様子はブログにもアップされていますので、あわせてご覧になってください。→各クラブからのお知らせ
久しぶりの雨で残っていた桜の花は失われてしまいました。ここしばらくは初夏に近かった気温は、少し落ち着きました。中学1年生が自然学舎に、高校1年生がオリエンテーション合宿に、出かけてしまいましたので、校内は少しだけ静かな雰囲気です。
先週の土曜日から授業が始まっています。教材の配布や確認、授業の受け方、家庭学習の仕方など、この時期はどうやって勉強に取り組むかを再確認するのにはちょうどいい内容になっています。お子さまたちは新しいクラス(環境)に適応することに気が行きがちですが、授業中は自分自身の学習を振り返って、より高い目標を実現するための時間にして欲しいと思います。A.M.
今日から授業が始まりました。来年度の高校進学を意識してか、勉強に対する意欲が強くなっているお子さまが多くなっているように思います。そんなお子さまたちの気持ちを大切にしてあげながら、彼らと接していきたいと考えています。
さて、今日は勉強法で悩むお子さまに読んで欲しい本を紹介します。西林克彦さんの書かれた「あなたの勉強法はどこがいけないのか?」です。ずいぶんストレートなタイトルですが、認知心理学を元に書いておられるので、参考になることが多いのではないでしょうか。
「認知心理学」とは、「ある人が何かに気づいたり記憶したり考えたりする時に、その人が持っている知識がどのように影響するか」を研究する学問です。その学問を土台にして、「知識を有効な道具にして、自然や社会を理解する」方法を説明しています。「受験のための勉強と人生のための勉強は別だ」と思いながら毎日を過ごすことの弊害も書いていますので、進路を考え始めた中学3年生には読んで欲しいところです。何を考えながら授業を受けるのかのヒントが書いてありますよ。A.M.
新学期が始まりました。この2日間は我々担任も、お子さまたちも忙しい時間を過ごしました。お子さまたちの様子はいかがでしょうか。
9日(木)は体育館に6学年がすべて集まって、新入生との対面式、新しく赴任した教員の着任式、学校長の講話など、始業式をおこないました。その後、教科書配布(5冊)と学級写真・個人写真撮影、大掃除を済ませ、学級では提出物の回収,生徒手帳・組章・家庭調書・保健調査などの配布,委員・係決めなどをこなしましたので、終了は11時30分~昼前になりました。
10日(金)は学力推移調査(国・数・英),実力考査(理・社)をおこないました。6限には生活実態調査ののち、自己採点,提出物の回収などをしました。明日からはいよいよ授業が始まります。最初が肝心だと考えておりますので、ご家庭でも様子をみていただければと考えています。来週からは面談を始めることにしています。
昨日、今日と新中学3年生の有志が登校し、入学式で「在校生によるお祝い」の準備をしてくれました。舞台発表に詳しい先生方の指導の下、講堂で通し稽古をしていました。(詳しい内容は内緒です。)明日の入学式がお披露目になります。新入生の皆さんは楽しみにしていてください。
-新入生歓迎イベントの練習風景-
今日は一通りの内容を通して練習しました。演劇部の顧問の先生から『口を大きく開けて発音する』、『「です」を「で~す」と言わない』といった指導を受けました。指導のおかげで、内容もだんだんよくなってきています。本番まであと数日。追い込みます。
先日紹介した「アースリウム」に新作「世界の言語」が追加されました。
グローバル経済は何百万もの人々に豊かさと繁栄をもたらしました。世界中を人と物が行き交うようになったからこそ、現在の生活があるのだと思います。日本も例外ではありません。多くの人々が深く異文化に接するようになると、あらゆる面でグローバリゼーション:融合が起こり、文化や言語の伝統は失われていきます。日本語を母語とする人数が世界の中でも多い方(第9位)なのであまり意識をしていませんが、今世紀末には7000ある言語の半数が失われるという予想もあるようです。言語を失うということは、それが話されてきた地域独自の知識・知恵・文化を失うことにもつながるのですが…。A.M.
今日はアースリウムEarthriumを紹介します。簡単にいうとネット上に置かれた地球儀です。地球という星をいろいろな視点で塗り分けてみようというコンテンツのようです。現在、次の12項目がアップされています。ご覧になってはいかがでしょうか? いろいろなものが見つかるような気がします。A.M.
01 地球温暖化 02 雲の動き 03 大航海時代 04 世界の地震
05 森林喪失 06 飢餓と難民 07 6億年の大陸移動 08 世界のクレーター
09 覇権の歴史 10 渡り鳥の道 11 21世紀の日食 12 エコロジカル・フットプリント
今回紹介している書籍はThink the Earthプロジェクトが昨年夏に配布していたThink the Earth Paper vol.2から引用しています。ちなみにvol.1は「地球検定50問」、vol.3は「世界が変わる日 55人の言葉」でした。
Think the Earthプロジェクトは「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに2001年に発足したNPO(非営利団体)です。「環境や社会問題への無関心やあきらめの心こそが最大の課題」と考えて、情報発信をおこなっているそうです。昨年、教室に置いておいた「みずものがたり」という本を編集したのもThink the Earthプロジェクトでした。今回の指定図書には生物多様性をテーマにした「いきものがたり」を入れておきました。ぜひ読んでくださいね。A.M.
10冊目は福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」を紹介します。中学2年生の理科第2分野では生命科学の基本的な話をしましたから、もう少し知りたいというお子さまにはいいかもしれません。「生命とは何か」という生命科学最大の問いに分子生物学はどう答えるのかを、ミステリーのようなタッチで描いています。内容はけっして平易ではありませんが、読めてしまうところが福岡伸一さんの凄さでしょうか。性染色体や性決定に触れた「できそこないの男たち」も併せてお読みになってはいかがでしょうか。SRY遺伝子の発見を巡る研究者の競争を織り込みながら、「女と男の本当の関係」を解き明かしてくれます。A.M.
9冊目はリストに載っていません。Think the Earthプロジェクトが編集した「百年の愚行(普及版) ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY」を紹介します。20世紀に人類が地球環境と自分自身に対して犯した愚行を100点の写真で振り返ります。池澤夏樹(小説家)、アッバス・キアロスタミ(映画監督)、フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者)、鄭義(小説家)、クロード・レヴィ=ストロース(文化人類学者)によるエッセイが写真に重みを添えます。出版されて7年近くになりますが、眺める価値は十分にある写真集です。A.M.
8冊目は「気候変動+2℃」。フリップブック形式の本です。パラパラ漫画みたいな感じと思ってもらえればいいでしょうか。以前紹介した「1秒の世界」と同じThink the Earthプロジェクトが編集しています。この150年の間に地球が温暖化している様子がよくわかります。では、どうすればいいか。掲載されている14の「未来を変える取り組み」の中にそのヒントがあるように思います。
地球温暖化についての解説映像は「チームマイナス6% 地球温暖化シミュレーション」でみることができます。どのような影響があると予想されているのかを知るにはよい資料かもしれません。A.M.
7冊目はカール・セーガン Carl Saganさんの「百億の星と千億の生命」です。セーガンさんは1980年代に発表した「コスモス」が有名な宇宙科学の研究者です。原題 Billions & Billionsは、1996年に亡くなられた大科学者が21世紀の人々に残したメッセージのような作品になっています。巨大な数はどう数えたらよいのか?ユーモアたっぷりに科学の基本から説き起こし、やがて現代が直面する重要問題へ―石油資源をめぐる闘争、温暖化の危機とその解決策を早い時期から提言していたことには驚かされます。
「妊娠中絶」についても触れていますが、この部分は夫人であるアン・ドルーヤン博士との共著です。生命というものの本質に迫る内容で、女性の幸福について現実的に考え抜いた上での提言となっています。この部分も読んで欲しいところです。A.M.
6冊目は「エコトバ ecotoba」です。心が落ち着く中乃波木さんの写真に電通の洒脱なコピーがつけられています。長い文章を読むよりも、詩集を読むような感じでしょうか。人口200万人の都市・江戸はリサイクル度は100%に近く、世界に誇れる環境大国でした。そうした歴史のなかで、さまざまな形で生まれた環境に関する言葉を44集めた作品です。 「あさめしまえ」「のんき」「おすそわけ」「もちつもたれつ」「もったいない」「いただきます」など、言葉の持っていた意味を見つめ直してみませんか。A.M.
仕事体験をしてきたお子さまたちに紹介する5冊目は、ボーンステイン Bornsteinさんの「世界を変える人たち 社会起業家たちの勇気とアイデアの力」です。
第一部では10人の社会起業家のエピソードが紹介されています。子どもを守る二四時間の電話〔インド〕,社会起業家のさきがけ ナイチンゲール〔イギリス〕,世界の環境政策を変えた男〔アメリカ〕,貧しい村に電気を〔ブラジル〕,社会主義国に誕生した障害者の「夢の家」〔ハンガリー〕,スラム街の子を病気から守る〔ブラジル〕,低所得者の大学進学支援〔アメリカ〕,差別の国でエイズ患者を救う〔南アフリカ〕,車イスから世界を変える〔インド〕,二五〇〇万人の幼い命を救ったユニセフ事務局長〔アメリカ〕…行動しないと自分の周囲は何も変わらない。世の中を変えるために必要なのは熱意と努力なんだよということを伝えようとしているのではないでしょうか。原題のHow to change the world social enterpreneurs and power of new ideas の方が文意に近いかもしれません。A.M.
4冊目はリストに載っていません。本川達雄さんの「おまけの人生」を紹介します。本川達雄さんは「ゾウの時間ネズミの時間」を書いた生物学者です。著者の理論では、人間の生物としての寿命はせいぜい40年で、その後の人生は医療技術の進歩がくれた「おまけの人生」なのだとか。その人生をどう生きるのかを、道元禅師の正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)を紐解きながら考えていきます。スピード至上主義の始原をニュートンに遡り、現代人は時間の奴隷との指摘に反省する点もあるかもしれません。A.M.
2007年4月からアップし始めた「55期生通信」のエントリー件数が1000件に達しました。その間にお子さまたちはちょうど低学年の2年間を終わろうとしています。彼らの成長を追っかけながら、記事を書いていきますので、これからもよろしくお願いします。A.M.
昨日配布した「図書だより」では、中学2年(55期)生の貸出冊数の多さが際立っていました。喜ばしいことです。これからも大いに利用してほしいと思います。
さて、3冊目の紹介は、関根秀樹さんの「縄文式生活技術教本 縄文人になる!」です。縄文人というと、原始人のような印象があるかもしれませんが、そのイメージは誤った知識の上に成り立っていることがわかります。私たちはテレビやパソコンのある豊かな文明の上で生活していますが、縄文人がもっていた知恵や技術を持っているわけではありません。電気やガス,ガソリンなどエネルギー資源が底をついたら、あるいは食料品や日用品の供給が止まったら、明日からの生活にも支障をきたすことでしょう。豊かな文明の中で生活することと、高い文化を持つことはイコールではないと気づくだけでも読む価値があるのではないでしょうか。あなたは糸をつくったり、布を編んだりできますか? A.M.
2冊目はピーター・メンツェルPeter Menzel さんとフェイス・ダルージオFaith Daluisio さんが世界24か国、30家族の1週間分の食材を写真にした「地球の食卓 世界24か国の家族のごはん」です。家族と1週間分の食品のポートレイト、食事風景を中心とした一家のルポルタージュ、1週間分の食品リスト、各家庭のご自慢のレシピ、食の問題を提起する6つのエッセイを収録しています。ひとつの鍋の粥を分け合うスーダンの難民キャンプ、内戦の傷跡を残すサラエボ、雨季のわずかな水に頼るチャド、氷上の狩で生活を支えるグリーンランド、不安定な政権に揺れるキューバ、「腹八分目」で長寿を誇る日本、ファストフードの溢れるアメリカなど…。それぞれの国の「家族のごはん」という身近な話題から現在の世界の状況が見えてくるのではないでしょうか。A.M.
先日、13歳の少年が気象予報士の資格を取って話題になっていました。資格を取ったからといって必ずしもその進路に決まるわけではないでしょうが、自分の興味・関心のあることに対して努力できることはすばらしいことだと思います。
13歳から14歳になったお子さまたちにもさまざまな夢があります。進路を考えることは人生の将来設計であって、職業を決めることではありませんが、社会にどのように貢献するのかを考えるときには職業も重要な要素の一つになります。今、お子さまたちに調べてもらった職業を教室に掲示しています。12日には「私のしごと館」で模擬体験もしてもらいながら、将来について考えていく予定にしています。
教室掲示のようすは進路の部屋にアップしています。
この春の指定図書は「地球の魅力を再発見し、世界を広げてくれる本」を選んでみました。知らないことや知りたいこと、いろいろな視点からこの星のことを考えてもらえればと思います。
1冊目は鳴沢真也さんの「137億光年のヒトミ」です。鳴沢さんは兵庫県西はりま天文台の研究者です。ここには口径2mの国内最大の「なゆた望遠鏡」が設置されています。この望遠鏡は一般の人が見学したり、星を観測することができる世界最大の望遠鏡です。137億光年先まで見えるこの望遠鏡を使って、地球外生命体を探す研究者の奮闘を描いています。夢を追っかけるための情熱が伝わるといいなという作品です。A.M.
明日で5日間の期末考査が終わります。お子さまたちはホッと一息というところでしょうか。授業はありませんので、答案返却は10日(火)の球技大会や11日(水)の人権映画会に登校してきたときになります。お子さまたちには週末の間にしっかりと心身ともにリフレッシュして欲しいと思います。そのためにも、家でゴロゴロして過ごすのではなく、外で活動させるようにお願いします。
大阪・高島屋7Fには細見美術館収蔵の琳派や伊藤若冲の作品90点が来ています。会期が9日(月)までしかありませんが、いかがですか。中学生以下の入場料は無料です。A.M.
昨日は風が強かったですね。「春一番」が西日本を中心に吹き荒れたようです。「春一番」という言葉を知ったのは某アイドルグループの歌のタイトルでしたので、当時はほのぼのとした印象を持っていました。実際には、長崎県の漁師の間で使われた「船が転覆するくらいの強い風」を指していたようですね。実際に船が転覆する事故も起こっているようです。長崎にはその慰霊碑が建っています。
今日は「立春」です。昨日はその前日で、冬と春を分ける「節分」でした。豆まきやまるかぶりなどをされたご家庭も多かったのではないでしょうか。
さて、表題の「立春式」ですが、「中学2年生(14歳)に、社会の一員としての自覚を持ち、自己の向上を目指すことを目的とした行事」のことです。立春におこなわれることから、立春式とよばれています。14歳に設定しているのは、高校受験の15歳を避けているのもありますが、刑法41条を意識したもののようです。つまり、「満14歳に達した者が犯罪をおこせば未成年者であっても犯罪者として成人同様に刑罰責任を負わなければならない」のだから、精神的に大人になることを自覚させる必要があるということです。以前にも書きましたが、「元服」や「裳着」のような意味合いの行事なのですね。近畿地方ではあまり見られないようですが、全国的には「立春式」「立志式」という名称で広くおこなわれています。
お子さまたちにも「大人になるという自覚」と「人生の目標」を持ってもらい、しっかりと前に進んでもらいたいと考えています。A.M.
写真は活動中の神経細胞です。池谷裕二さんのサイトから引用しました。
今朝のShortPowerupTimeは英単語朝礼テストの準備をしてもらいました。この内容は、2月16日(月)に実施を予定している「校内一斉英単語テスト」の範囲に含まれています。朝に10分程度取り組んだだけでは合格するはずもないですが、直前の10分間にどれだけ集中して復習するかが結果に影響しているようです。
明日の朝礼テストは百人一首です。学校から帰宅して寝る直前に準備をすること、明日登校してからテストまでの間にもう一度復習することさえすれば、ずいぶん結果が違ってきます。たかが小テストから実力に大きな差があるわけではないでしょうが、結果が良いのと悪いのとでは気持ちに違いが出てきます。気持ちの差は少しずつ実力の差につながってきます。
小テストと馬鹿にせずに、着実に取り組むことで、自信と実力をつけて欲しいと思います。A.M.
陰山英男さん*1が「百ます計算の真実」という本を出されました。陰山さんはさまざまな教材と手法で小学生の学力向上を進めて話題になった方で、現在は立命館小学校の副校長をされています。先日、大阪府教育委員会の教育委員にも着任されたので、今後の大阪の教育にも大きな影響力がありそうです。帯に書かれた「教育の常識の8割は間違っている!」というコピーが気になって、さっそく読んでみました。
書かれていることは、これまでに著書やウェブページで主張されてきたことと同じです。百ます計算だけが注目されがちですが、陰山さんのメッセージは多岐にわたっています。その中でも第4章「今、家庭とは」で取り上げている「体育の大切さ」「読解力とは」「生活習慣の改善」などは、ご家庭での教育を考える上で参考になるのではないでしょうか。A.M.
*1 ご自分のサイトでも書かれていますが,「陰」の字は正確にはです。
PCでは表示できませんので、異体字で示しています。
今朝のShortPowerupTimeは「更級日記」の第17段「后の位も何にかはせむ」を読んでもらいました。菅原孝標女によって平安時代中頃に書かれたこの作品は13歳から52歳までの約40年間の回想録ですから、「源氏物語を読みふけり、物語世界への憧憬に過ごした少女時代」を描いた冒頭の部分はお子さまたちと同じ年齢に当たります。后の位よりも、法華経よりも「源氏物語を読みふける」ことを最優先にしたいくらいの、何かにのめり込む気持ちは15歳前後のお子さまたちには経験があるのではないでしょうか。そしてそれが人生の中で大きな意味を持つことになるかもしれませんね。A.M.
学級閉鎖が効果的だったようです。今日はどのクラスも欠席者がずいぶん少なくなりました。朝方の気温が低かったので心配したのですが、大丈夫なようです。欠席者も快復に向かっているようで、喜んでいます。
先日延期した英語Ⅰの「キーセンテンス」の試験は明日の授業中に実施します。教室に掲示しましたが、詳細は先週中に連絡済ですので、しっかりと取り組むようにお話しください。今朝実施した朝礼漢字テストは、終礼時に返却しました。休み中に取り組んだかどうかは結果に出ていますので、ご覧になっていただきたいと思います。
月曜日ですので、第40週・41週の学習記録表を回収しました。提出できているかどうかは、ご家庭でも把握できていると思います。目標を立てる,毎日記録をつける,週末に振り返る、3つのことを周期的に実行する習慣ができるかどうかが、学習習慣の定着につながります。今週配布した学習記録表からでも、しっかりと取り組ませたいものです。
「パンデミック」とはご存じのように、伝染病や感染症が世界的に流行することです。歴史的なパンデミックとしては、14世紀にヨーロッパで流行した黒死病(ペスト)、19世紀から20世紀にかけて地域を変えながら7回の大流行を起こしたコレラ、1918年から1919年にかけて全世界で2500万人(4000~5000万人という説もあり)が死亡したスペインかぜ(インフルエンザ)などがあります。どれも世界の歴史を変えるほどの大きな出来事でした。
昨日配布した「保健だより」の裏面にも解説が載っていましたので、読んでいただいたとは思いますが、今回の新型インフルエンザの警戒レベルはフェーズ3(流行危険期)に該当します。新しいウイルスの人への感染は確認されていますが、人から人への感染は見られない状況です。拡大を防ぐポイントは「封じ込め」がうまくいくかどうかだそうです。
さて、新型ではない「インフルエンザ」の方は、兵庫県・大阪府ともに警戒レベルを超えています。検出されているウイルスはAH1(Aソ連)型296件,AH3(A香港)型324件,B型128件で、一部はタミフルも効かないとか。「バランスのとれた食事と充分な睡眠」「手洗い・うがい」「人混みを避ける」など、予防策が大切です。この3日間、不必要な外出は控えるようにお子さまにお話しください。
風邪など体調を崩して欠席しているお子さまが多くなりました。(特にB組・C組)
1限のLHRの活動にもいくつかのグループは支障が出るような状況でした。寒い時期ですから無理はさせないようにしていただくとともに、調子が悪ければ必ず医師の診断を仰ぐようにしていただきたいと思います。何名かはインフルエンザによる欠席(出席停止)です。感染の拡大を防止するためにも、よろしくお願いします。担任からは「うがい,手洗い,換気の徹底」を指示しましたが、ご家庭でもお話しください。
インフルエンザで欠席した場合は、保健室だよりにもありますように、お医者さまに「登校許可証明書」を書いてもらってください。用紙は「保健室だより」からダウンロードできます。リンクを貼っておきます。
登校許可証明書
今日は二十四節気のひとつ「大寒」です。寒の内のちょうど真ん中で、もっとも寒い時期となります。最低気温を記録するのもこの時期ですね。これを過ぎると「立春」ですから、冬も残りわずかと言えるかもしれません。春にはお子さまたちも中学最上級生になります。
明日は、実力考査の得点確認をおこないます。全科目の答案・正解を持ってくるように指示しています。朝礼テストは「百人一首」,1限のLHRは「プレゼンテーション」の準備をおこないます。「模造紙」を完成することと,「発表原稿」を提出することが必要です。A.M.
もう一つのポイントは試験科目と出題範囲です。6教科29科目と非常に多くの試験科目が設定されていますが、時程が決まっていますから最大9科目受験します。国語と英語は80分,残りは60分ですから、2日間で10時間近い試験を受けることになります。前回「基礎体力」が大切だと書いたのは、試験時間を考えてのことです。
また、数学や理科の科目に「Ⅰ」や「A」がついていることからも分かるように、高校1年生で履修する科目からも出題されます。問題は昨日・今日の新聞に掲載されているので、お子さまと一緒にご覧になってほしいのですが、どの科目も基本的な事項を中心に出題されています。特別な勉強をする必要はありませんが、授業をしっかりと受けたり、課題に取り組んだりする姿勢が大切です。それは中学2年生である今のお子さまたちにもできることですよね。A.M.
昨日、念入りに中学入試の会場準備をしてもらいました。
今日は中学入試当日です。弟さん,妹さんにも多数受験していただいているようですね。朝のうちはまだ寒さが残っていますが、昼からは気温も上がるようです。
しっかりと実力を発揮してもらいたいと思います。
さて、センター試験も今日の9時30分から始まります。国公立大学志望者だけではなく、私立大学志望者も多数受験するセンター試験のポイントの一つは「体力」です。朝から夜まで長時間の試験が2日間続きますから、それに耐えうる基礎体力が求められます。中学や高校の時期に運動部で頑張ることは、受験勉強でもその先の人生でも活きてきます。日々の教材を詰めたちょっと重めのカバンで毎日登校することも、長い目で見ると無駄ではないのです。
もう一つのポイントは…次回に書こうと思います。A.M.
今朝のShortPowerupTimeは「朝読書」、今年の最初は冬休みの課題でもあった「古典作品」を読んでもらおうということで、「枕草子」を取り上げました。第92段「かたはらいたきもの」と第27段「過ぎにし方恋しきもの」です。第1段の「春はあけぼの」は超有名ですが、今回はあえて中学生の心情に沿いやすいものを選んでもらいましたが、どうだったのでしょうか。「過ぎ去った昔」を振り返る年齢には少し早かったかも知れませんね。A.M.
今週末 17日(土),18日(日)は中学入試をおこないますので、お子さまたちは21日(火)まで4連休になります。少し休みが続くと、各教科から課題が出ますから、あまり嬉しそうではないかも知れませんが…。22日(水)には国語乙の朝礼テストも予定しています。毎日こつこつと取り組むことが大切です。
さて、学内は中学入試ですが、世の中は「大学入試センター試験」がおこなわれます。全国で54万人以上が受験しますし、マスコミでも年中行事のように取り上げますから、耳にされたことがあるでしょう。十数年前に200万人いた18歳人口が現在120万人にまで減少していることを考えると、45%の生徒が受験する試験の重さがわかると思います。少し先のことに思われる「センター試験」、お子さまたちにはどのように関係するのか…次回はそこから説明しようと思います。A.M.
今日は「成人の日」です。国民の祝日に関する法律によると、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日なのだそうですが、世の中には自覚のない新成人が後を絶ちません。この日を境に急に変化を求めるのは酷なのかもしれませんね。
さて、お子さまたちが20歳になるのはもう数年先…と言っても、それほど遠い将来ではありません。残り1年で義務教育年限を終えることを考えると、子どもから大人へと切り替えを求めてもよいのではないでしょうか。古来、男の子が氏神の社前で大人の服に改め、総角と呼ばれる子供の髪型を改めて大人の髻を結い、冠親により冠をつける「元服」の儀式をしてきたのは、12~16歳だったといいます。寿命が延びたとは言え、精神年齢の発達の程度を考えると、いつまでも子ども扱いをすることが自立を妨げるのかもしれません。
「13歳のハローワーク」サイトに「明日のための予習 13歳が20歳になるころには」という記事がアップされています。「環境-21世紀のビッグビジネス」「IT Information Technology」という2大キーワードと、社会で問題視されている「いろいろな働き方の選択」が取り上げられています。お子さまとお読みになってください。いずれ役に立つこともあろうかと思います。A.M.
昨日、実力考査を実施しました。5時間試験を受け続けるのは、精神的にも肉体的にも大変ですから、お子さまたちも最後は疲れ切った表情をしていました。帰宅してすぐにテストの直しを始めるのは難しかったかもしれませんね。この連休にできなかったところを見直すようにさせてください。毎日一定量(少なくとも3時間)の家庭学習に取り組む習慣を崩さないようにお願いします。
先週末に紹介しましたが、TBS系で「地球生命ミステリー 1秒間の世界Ⅳ」が今夜19時に放送されます。A.M.
冬の寒さが一番厳しい「寒」の入りとなりました。昨日・今日は少し寒気も緩んだようですが、これからまた寒さも戻ってくるのではないでしょうか。お子さまたちには季節感やそれにまつわる言葉を大切にしてほしいと思っていますが、こんなサイトを見つけましたので紹介したいと思います。
日本人の暮らし二十四節気めぐり 言の葉草
二十四節気とそれに関連する言葉がクリックすると出てきます。
2008年度版なので日はずれていますが、内容は興味深いと思います。A.M.
正月三が日も終わりました。今年は1月4日が日曜日と重なりましたので、明日が官公庁の御用始めですね。お子さまは今週金曜日におこなわれる実力考査の準備を始めたでしょうか。「非日常であるハレ(晴れ)と日常であるケ(褻)を区別し、衣食住や振る舞い,言葉遣いまで変えるのが、日本人の伝統的な世界観である」と説いたのは、民俗学者の柳田國男でした。
遊ぶ時は遊ぶ、学ぶ時は学ぶ。気持ちの切り替えを上手にできることが大切なのは、今も昔も変わらないように思います。年末年始に生活リズムが崩れてしまった場合も、明日からは普段通りの生活に戻してください。残り数日ですが、冬休みすべてを正月気分で過ごすようなことだけは避けてほしいと思います。A.M.
ダイヤモンド社から「1秒の世界」という本が出ています。5年くらい前に出版された本ですから、ご存じの方もおられるでしょう。刻々と変化する世界を1秒で切り取って、60項目紹介したものです。一時期流行ったトリビア本のようなものではなく、世界の変化を身近に感じ取ってほしいという目的で編集されているように思います。たとえば、地球の人口については「1秒間に4.2人が生まれ、1.8人がこの世を去っている。この数を差し引くと、世界の人口は1秒間に2.4人ずつ増えていることになる。2.4人という数を少なく感じるかもしれないが、1時間で8,705人、1日で20万人都市がひとつ増えていく計算になる。」と説明がしています。そのページの下に添えられている山本良一さん(編集責任者)の「地球はいま生きている人類だけのものではない」という言葉にも重みがあります。
先日、続刊 「1秒の世界2」が出版されました。こちらにも「コーヒーの生産量」や「日本の医療費」など60項目の変化が書かれていて、興味深い内容になっています。1週間後の1月10日19時からTBS系で「地球生命ミステリー 1秒間の世界Ⅳ」という2時間番組が放送されます。映像で体感するとより「1秒の世界」を理解しやすいかもしれませんね。A.M.
明けましておめでとうございます。
大阪での初日の出は7時5分でした。あいにくの曇り空で、私は見ることができませんでした、日本でもっとも早く日が昇る南鳥島での日の出は5時27分だそうです。90分近くも違うなんて、日頃の感覚では予想できません。「日本の国土は狭い」という知識が感覚をずらしてしまうのでしょうか。改めて、お子さまたちに「知識」を身につけることだけを求めないように気をつけたいと思いました。
さて、55期生にとって今年は目標を考える年にして欲しいと考えています。一年間の目標はその年々に立てていると思いますが、考えて欲しいのは「どのような人間になるか」「どのような人生を送るか」といった「志」のようなものです。まもなく迎える15歳という年齢は子どもから大人への転換期という意味でも、人生において大切な一年になると思います。折りを見て、そんなお話しをしていただければと思います。
今年もよろしくお願いいたします。A.M.
個人懇談のときにB組で見かけました。
マインドマップ(Mind Map)はトニー・ブザンが提唱した図解表現技法の一つです。表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを図の中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを繋げていくことで、発想を延ばしていきます。この方法によって複雑な概念もコンパクトに表現でき、非常に早く理解できるという人もいます。人間の脳の意味ネットワークと呼ばれる意味記憶の構造によく適合しているので、理解や記憶がしやすいというのがその根拠のようです。
2年くらい前に「マインドマップ for kids 勉強が楽しくなるノート術」を書店で見かけました。先日、小学館からも「できる子はノートがちがう!―親子ではじめるマインドマップ」が出版されました。誰でもうまくいく方法とは思いませんが、暗記物にコンプレックスを持っているのなら、試してみてもいいかも知れません。A.M.
トールキン John Ronald Reuel Tolkien は「指輪物語 The Lord of the Rings」の作者として有名ですね。 映画をご覧になった方も多いでしょう。第1部「旅の仲間」,第2部「二つの塔」,第3部「王の帰還」とかなり長いファンタジー小説ですが、ヨーロッパの神話を研究して書かれているので、奥深さを感じることができ、読んでいても飽きさせません。
また、「ファーザー・クリスマス-サンタ・クロースからの手紙」も彼の作品です。こちらはトールキンが、サンタになりかわってわが子たちに書き送った手紙をもとにした書簡集です。サンタのふるえ文字や助手の北極グマの折れくぎ文字など本当に手紙が届いたかのような内容で、大人でも十分に楽しめます。クリスマスにいかがでしょうか。A.M.
「クリスマス・キャロル」(原題 A Christmas Carol)は1843年に出版された、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの中編小説です。何度となく映画化されていますし、ディズニーが制作したアニメ映画「ミッキーのクリスマス・キャロル」はご覧になった方も多いでしょう。キリスト教的博愛と美徳を説くヴィクトリア朝イギリスの典型的な「道徳訓話」と言ってしまえばそれまでですが、最後まで読者を惹きつける展開になるのはディケンズだからでしょう。講談社青い鳥文庫や光文社古典新訳文庫から出ていますから、この時期にぜひ読んでほしい作品の一つです。
ディケンズの作品では「二都物語」(原題 A Tale of Two Cities)も有名です。フランス革命を背景にした長編小説で、岩波書店や新潮社から文庫本が出ています。こちらは中学生が取り組むにはちょっと長いかな。私自身も宝塚歌劇の舞台(1985年月組)で存在を知った気がします。A.M.
個人懇談はおかげ様で無事に終了しました。伺いましたご意見・ご要望につきましては、学年で検討させていただき、今後の教育に生かしたいと考えています。これからもよろしくお願いいたします。
・明日20日(土)は判定会議がありますので、午前中登校禁止です。
・授業納めは22日(月)です。登校時間は平常通りです。
・学力推移調査「振り返りシート」は授業納めのときに担任へ提出させてください。
「答案」は授業で使いますので、保管しておくようにお子さまにお伝えください。
3冊目は「14歳の世渡り術」というシリーズからです。ブログでもたびたび取り上げている池上彰さんの「あした選挙へ行く前に」はどうでしょうか。政治や選挙のしくみをわかりやすく解説した上で、選挙へ行く前の心構えを説いています。14歳のお子さまたちには選挙権はありませんが、政治に対して関心を持ってもらう必要があると思います。来年にはアメリカで新しい大統領が就任しますし、おそらく衆議院の総選挙も行われるでしょう。そのときに親子で政治の話ができればと思います。
池上彰さんの書かれた本では少し前に「14歳からのお金の話」を紹介しました。これは経済を扱っていました。政治や経済など社会のしくみについては中学3年生で「公民」の授業を受けますが、それまでに学校や家庭で少しずつでも話ができれば社会を見る目も養われていくのではないでしょうか。A.M.
2冊目は福田淳さんの「天才バカボン公認副読本 これでいいのだ14歳。 バカボンパパに学ぶ14歳からの生き方哲学100」です。書店で見かけたときにはふざけた表紙とタイトルに躊躇しましたが、手に取ってみると案外しっかりとした内容だと思えました。ソニー・デジタルエンタテインメント・サービス社長という肩書きをもつ福田淳さんのほか、フジオ・プロダクション社長の赤塚りえ子,マーケティング会社社長の横山雅子,デジタルメディア研究所所長の橘川幸夫など、世の中をたくましく生きている人たちからのメッセージが含まれているように思います。お子さまがちょっと悩んで行き詰まったときに読むと肩の力が抜けていいかなと思う本です。A.M.
ここしばらく、14歳をタイトルにつけた本が多く出版されているように思います。多感な中学生へ向けてのメッセージというスタンスで書かれているので読みやすいのですが、内容は大人でも十分に耐えられるものが多いように思います。図書室にも入っていますし、冬休みにお子さまと一緒に読まれてはいかがでしょうか。
1冊目は宮台真司さんの「14歳からの社会学―これからの社会を生きる君に」です。どうしてこの社会に「ルール」があるのか,「恋愛」と「性」について,将来就く「仕事」と「生活」について,「生」と「死」について―など、身近な話題を入り口に、わかりやすい語り口で、深いテーマを語っています。宮台真司さんは首都大学東京で教鞭をとられている社会学者です。藤原和博さんと一緒に書かれた「人生の教科書 よのなかのルール」とともに、手にとってほしいと思える内容だと思います。A.M.
今週から授業が再開されました。後期中間考査を返却した科目も多かったようです。頑張ったことが点数に結びついて小さくガッツポーズを取る子,思ったよりも点数が良くて小躍りして喜ぶ子,一生懸命にやったのにあまり結果が出なくて涙目の子…この瞬間は悲喜こもごもです。
学力をつけることはとても重要なことです。お子さまたちもそれは十分に分かっています。だから、テストの点数には関心が高くなります。でも、テストは学力の一面を測定したに過ぎません。テストで点数を取ることが勉強のすべてではないのです。「点数が良いから褒める」のではなく、「一生懸命に取り組んでいたから褒める」ようにしないと、中学生の多くは錯覚します。
一生懸命に取り組んでいるのに結果が出ないのは、方法に問題があるのかもしれません。叱るのではなく、改善すれば良いのです。結果が出るまで時間がかかるのかもしれません。待ってあげてください。点数だけに注目していると、試験が終わったとたんに勉強をやめてしまいます。勉強の姿勢ができているのなら、この一週間に多くのことを学んでくれるでしょう。この一週間をどう過ごすのかに注目しておいて欲しいですね。A.M.
今週から後期中間考査が始まります。お子さまたちの普段にもまして勉強に熱が入る姿を見ていると、「頑張れ」と声を掛けたくなります。教室や職員室でも質問に来るお子さまをよく見かけます。でも残念なことに全員が質問に来るわけではありません。来ているのは、日頃からコツコツと学習に取り組んでいるタイプのお子さまなのです。
テストはそのときの学力を測るものです。もちろんすべての学力ではなく、一部にすぎないでしょうが、それでも高い方が望ましいでしょう。ただし、試験は手段であって、目的ではありません。良い点数を取ることが大切なのではなく、自分がどこまで理解していて課題は何なのかを確認するためのものです。日頃から勉強しているお子さまは問題集に取り組む中で、どこが理解できていないかを確認できるから質問に来ることができるのです。
以前より紹介している「基礎学力を考える」サイトで、名古屋大学の平野眞一総長も「学力は累積。大学で「学問のなりわい」を知ってほしい。」の中で、「大学で養うべき学術基礎力や総合力のベースとなるのは、小学校から高校まで連綿と積み重ねてきた基礎学力と、学ぼうとする意欲に他ならない。」と書かれています。毎日机に向かう習慣のないお子さまを試験前だけ叱咤激励するのは、お子さまに「勉強した」と錯覚させるのではないでしょうか。A.M.
昨日、武庫川渓谷を生瀬から武田尾まで歩いてきました。紅葉を期待していたのですが、すでに落葉に入っていました。考えてみれば、二十四節気の立冬も小雪も過ぎているのですから当然ですね。
亦楽山荘のある桜の園ではまだ紅葉が残っていました。
この国では4つの季節をさらに細かく分けて、時の移り変わりを示してきました。この細やかな感覚はお子さまたちの世代にも引き継いでいきたいと思います。A.M.
京都大学名誉教授の森毅さんが書かれた「まちがったっていいじゃないか」を紹介します。
人生論に触れた本ですが、説教臭さは感じさせませんので、ちょっと反抗期のお子さまたちにもあまり抵抗なく読み進めるのではないでしょうか。1981年に出された本ですが、30年近く前には大人が中学生に対してもっと寛容だったのかもしれません。今は中学生に対して、失敗を許さない風潮があるように思います。中学生なんだから、失敗してもやり直せばいいのですよね。そんなことを大人の私たちにも考えさせてくれる作品です。
「人間、ドジだってかまわない。ニブイのも才能だ。誤りを恐れず、お互いに迷惑をかけあいながら、ジグザグ進んで行こう。まちがったら、やり直せばよいのだ。そもそも世の中には、正しいか誤っているか、結論のくだせないことの方が多いのだから」という文章にホッとするお子さまもいるのではないでしょうか。
秋の読書記録提出は12月2日(火),中間考査初日の朝礼時です。課題は出ているし、試験の準備もあるし、計画性なくここまで過ごしてきたお子さまには大変忙しい週末となりましたね。A.M.
昨日は朝礼テストとして、英単語をおこないました。学年が上がってきて、テスト前の10分程度で詰め込むだけでは合格点に達しなくなってきています。不合格者は今日の放課後に居残り・追試を実施します。今朝は文語文法の朝礼テストを実施しました。結果はすぐには返ってきませんが、全員が合格というわけにはいかないようです。(今日の終礼で返却しました。)このほか、元素記号や百人一首など、お子さまたちは覚えることに追われているように見えます。
基礎を固めるという意味では、ある程度、知識を詰め込んだり、機械的に訓練したりする期間も必要です。若い頭脳を持つうちに基本を叩き込むことには意味があります。大人になるまでの頭が柔らかく、なんでも吸収できる今の時期には丸暗記でも構いません。基礎を着実にと、できるだけ幅広い範囲で固めておくことが大切です。
以前より紹介している「基礎学力を考える」サイトで、東北大学の井上明久総長も「知の融合のために~幅広く基礎学力を養え~」という文章の中で、やはり同様のことを書かれています。ある程度の知識を準備しないと、その上に理論は構築できません。小さい時に九九を身につけたように、繰り返し根気よく取り組むことしかないと思います。A.M.
学力推移調査の後に「秋の課題図書」を指定し、お子さまたちに連絡しました。あれから数日が経ちましたが、図書室に出入りするお子さまたちの数が少しずつ増えているようですね。今回の提出期限は後期中間考査初日の12月2日(火)です。残り2週間ですから、そろそろ図書室へ借りに行かないと読み切れないのではと心配です。
今回の課題図書は「進路」・「文化」・「環境」の3分野について、書名は特に指定せずに、図書室で本を見つけて読むようにしてみました。普段あまり図書室を利用しないお子さまにとっては、何を読んでいいのか分からないかもしれません。そのときに的確なアドバイスをしてくれるのが司書教諭です。貸し出しの手続きをするだけが仕事ではありません。こんな本が読みたいとカウンターで話しかければ、適切な場所へ案内してくれますよ。図書室が情報の宝庫に見えてくるきっかけになるといいなと思います。A.M.
11月も後半となりました。今朝はお出かけの気をそぐような天候となってしまいましたね。雨に濡れた紅葉はより色が映えるのですが、いかがですか。
さて、お子さまたちは学力推移調査のやり直しに取り組みましたか。国数英3科目すべてに週末課題が出ています。自分の現状を分析し、何をするべきかを考えて実行してくれるならば、もっと効果が上がるのですが、せめて教科から出ている最低限度の課題には取り組んでもらいたいと思います。
明日の朝礼時にはいつもの通り、国語朝礼テストを実施しますし、明後日は後期中間考査2週間前になりますので、計画記録表をお渡しする予定にしています。「伸び伸びと過ごす」とは「勉強から逃げ出して好きなことだけする」という意味ではありませんし、一定時間の学習を確保したからといって、やりたいことができなくなるわけでもありません。年齢が上がってきて、大人が強要するのは難しくなってきているとは思いますが、将来の可能性の芽を摘むような行動を見過ごさないようにしたいですね。A.M.
昨日のLHRは2回目の進路学習でした。前回書いてもらったことにつながる職業を連想することから始めました。一つのキーワードから思い浮かぶ職業の少なさに戸惑い、職業についても知っている範囲の狭いことに気付いたお子さまが多かったようです。そこで次のステップは、教室に置いてある本やマップ,図書室の資料やネットでの検索などを通じて、社会には数多くの職業が存在することを学んでもらおうと思っています。その課題は12月に出す予定にしています。
さて、こんな本を図書室で見つけました。吉岡忍さんが書かれた「ニッポンの心意気 現代仕事カタログ」です。進路指導で使った「13歳のハローワーク」とは違って、職業紹介の本ではありません。仕事のテーマや方法を自ら切り開いた人たちを、「街」「もの作り」「自然」「地域」「文化」という5つのジャンルに分類して、レポートしたものです。「こんな生き方もありなんだ」と思ってもらえるなら、読む価値ありだと思います。A.M.
「関西文化の日」をご存じでしょうか。関西2府7県内の美術館・博物館等文化施設(原則として常設展)の入場料を無料とするイベントで、今年度は357施設が参加するそうです。昨年度は327施設で実施しており、約31万人の方々が訪れたとのこと。15日,16日に実施する美術館・博物館をいくつか並べておきます。お子さまと一緒に足を運んでみてはいかがでしょうか。A.M.
国立国際美術館 特別展「アジアとヨーロッパの肖像 Self and Other」
国立民族学博物館 特別展「アジアとヨーロッパの肖像 Self and Other」
大阪歴史博物館 特別展「江戸と明治の華-皇室侍医ベルツ博士の眼-」
大阪市立東洋陶磁美術館 企画展「酒器に酔う-東アジアの酒文化」
大阪市立科学館 常設展
住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」
大阪市立自然史博物館 常設展
兵庫県立人と自然の博物館 400円で全館入場
神戸市立青少年科学館 展示室
神戸ファッション美術館 特別展示「いのちのいろどり」
西宮市貝類館 特別展「山・川・海 豊かな自然を感じてみよう!!」
神戸らんぷミュージアム 全展示
竹中大工道具館 常設展示・企画展示
滴翠美術館 秋季展
白鹿記念酒造博物館 秋季特別展
鉄斉美術館 鉄斎-印癖を娯しむⅣ-
大阪青山歴史文学博物館 秋季特別展「源氏物語 千年の雅」展
奈良国立博物館 平常展「仏教美術の名品」
昨日の午後は少し時間が空きましたので、学年の授業のようすを見て回りました。
A組は地理。「かつてレニングラードと呼ばれていた街の名」分かりますか。改名されたのはソ連が崩壊した1991年ですから、ずいぶん昔のことになるんですね。
B組は理科。33個の元素記号と格闘中。ブツブツつぶやいたり、ノートに書いたり、覚えるのに苦労していたけど、全問正解(合格)した人が続出したのは立派。
C組は代数。数直線を描いて、定義域だの、変域だの作図中。人数が半分しかいないのは、二分割の展開授業のため。
D組は歴史。「生糸を作る蚕って知っているかな。モスラだよ。」 頷いていたけれど、なんで1961年の映画に出てくる怪獣をみんな知っているんだろう…。
放課後に行われていた英語の希望者補習のようすです。長文問題を解くこつを伝授しているところ…だそうです。
今日のLHRは進路学習の一環として、「13歳のハローワークプロジェクト第一弾 自分自身を見つめよう」をおこないました。体育館で中学朝礼をおこなったあと、教室に戻り、ワークシートを配布するところから始めました。
今日のポイントは2つです。
①年齢が上がってきて、自分の人生を主体的に考えたり、決めたりできるようになってきた。いつまでも大人に依存するのではなく、自主的に生きていく術を身につけていく必要がある。
②進路を考えることは、大学進学や就職を決めることであると短絡的に考えさせない。まず、どのような大人になりたいかを思い描いて、人生設計をするようにさせたい。
その上で、次週のLHRでは「仕事について」考えてもらう予定にしています。
大人になれば、社会の中でなんらかの役割を担う義務が生じます。いろいろな人が、いろいろな場面でいろいろな役割を果たすことで社会は成り立っています。どんな活動が「仕事」として社会に役立つのかを知ることで、お子さまたちの進路の幅が広がることを期待しています。A.M.
今朝は宮沢賢治の「水仙月の四日」を読んでもらいました。童話「注文の多い料理店」に収録されている作品ですが、私は伊勢英子さんの絵本で、子どもに読んだ記憶があります。
この作品を宮沢賢治自身は『赤い毛布を被ぎ「カリメラ」の銅鍋や青い焔を考へながら雪の高原を歩いてゐたこどもと「雪婆ンゴ」や雪狼、雪童子とのものがたり』と紹介しています。〈こども〉は人間の,〈雪婆んご〉〈雪狼〉〈雪童子〉は厳しい東北地方の自然の象徴でしょう。ただ、厳しいだけではない自然の優しさを、『雪童子が「美しい黄金いろのやどりぎ」を子供に投げ与えることによって子供が凍死を免れる』という結末が表現しているのかもしれません。美しい言葉とイメージで進行する、宮沢賢治らしい作品の一つではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
「水仙月の四日」は「青空文庫」に収録されています。青空文庫は、著作権の消滅した作品などを収録した電子図書館です。あらためてお読みになりたい方はリンクを貼っておきますので、ご利用下さい。A.M.
以前にも紹介しました「基礎学力を考える」サイトに、筑波大学学長である岩崎洋一先生のインタビューが掲載されています。岩崎洋一先生は、日本のスーパーコンピューター開発に大きく関わってきた方です。インタビューの中で力強く生きていくためには、学力だけではなく、人格も含めた「人間力」を身につける必要があると答えています。この人間力は、確かな基礎力,高い専門性,幅広い興味・関心,行動力,コミュニケーション能力によって構成するとのことでした。ここでいう「基礎力」とは、論理的に筋道立って考える力,科学的に考える力,問題の核心を見抜く力などです。この「基礎力」と高い専門性を大学のような高等教育機関で身につけるのだそうです。中学や高校では「基礎力」の裏付けとなる「基礎学力」を身につける場であり、あまり早い時期から「理系・文系」の枠組みにこだわるのは将来の進路を狭めてしまうことから避けたほうがよいと考えておられるようです。進路を考えるとき、職業などの目標を絞り込むことだと勘違いしがちになりますから、注意しておきたいポイントだと思います。→詳しくは「人間力」を養う~学ぶ楽しさ、知る楽しさこそ原点~
さて、1日~7日は文部科学省が提唱する第50回「教育・文化週間」です。今日11月3日の文化の日を中心とする一週間がこれにあたります。ただ、関西では15日,16日を中心に美術館や博物館が無料開放される「関西文化の日」がありますので、来週に美術館や博物館の紹介をしていく予定にしています。A.M.
この連休は秋らしい爽やかな晴天が広がっています。どこかへ遠出をされるのも悪くはありませんよ。先日、校外学習で京都のお寺や神社を巡ってもらい、お子さまたちには「伝統文化」に興味を持ってもらう機会になったように思います。今度は家族でお出かけになり、親御さんのレクチャーを聴きながら、京の街を歩くのはいかがでしょうか。お子さまが道案内をしてくれるかもしれませんよ。
洛東では、永観堂で今月8日から「秋の特別拝観」がおこなわれます。16時までは寺宝展をやっていますが、17時30分からのライトアップがお薦めです。阿弥陀堂、御影堂、多宝塔などの建物、参道や池の周辺が真っ赤な約3000本のモミジの中に浮かびあがります。ご本尊の「見返り阿弥陀如来像」がほのかな灯りに照らし出されて、お昼にみるお姿とはずいぶん印象も変わるのではないでしょうか。
建仁寺の「秋の特別拝観」は9日までです。日本最古の禅宗寺院で、800年以上前に栄西によって建立された建仁寺は国宝の俵屋宗達筆の「風神雷神図」や法堂天井にある小泉淳作筆の「大双龍図」が有名ですね。有名な割には訪れたことのないお寺ではないでしょうか。近くの高台寺や圓徳院では「源氏物語 五十四帖展」が開かれています。
明日3日から方丈庭園が公開されるのが、くろ谷さんで有名な金戒光明寺です。紅葉でも有名なのですが、お薦めは1854年に建てられた高さ23メートル、幅38メートルもある山門です。その二層の中央に宝冠釈迦如来像とその両脇に普賢菩薩と文殊菩薩、そして十六羅漢像が安置され、天井には巨大な「蟠龍図」が描かれています。
A.M.
今日は学年通信11月号を配布しました。そこにも掲載しましたが、来週5日とその次の週12日のLHRは進路学習を始めます。昨年は「生い立ちの記」で自分自身の過去を振り返ってもらいましたが、来週は「現在の自分」を再確認し、「将来の自分」を想像してもらう予定です。学年懇談会でも取り上げたワークシートを使います。
また、学年フロアの掲示板に「13歳のハローワークマップ」を掲示しました。来週以降、各教室にも一枚ずつ貼る予定にしています。書籍(13歳のハローワーク)も1冊ずつですが、各クラスに置いてあります。これらを使って、社会にはいろいろな職業があることを知り、自分自身が社会とどのように関わるかを考えてもらおうと思います。それが本校の目的である「社会で役立つ人間を育てること」につながるのではないでしょうか。A.M.
読書週間なので、読む力をつける参考になるような本を紹介していきます。今月初めに「14歳からのお金の話」を紹介した池上彰さんの本はいかがでしょうか。ジャーナリストとして「情報を伝える」ことの大切さやそこに潜む問題点などを意識した文章を書いておられるので、お子さまたちのような中高生にも関心が持ちやすいのではないでしょうか。図書室では「メディア・リテラシー入門」を見かけました。マスメディアは情報をわかりやすく伝えるように工夫をしているが、編集にはある意志が加わっていること。だからその内容をそのまま受け止めるだけでは不十分で、自分で判断する力(メディア・リテラシー)が必要になると説いています。類書に後藤武士さんの「小中学生のための世界一わかりやすいメディアリテラシー」もありますが、インターネットだけではなく新聞やテレビ・ラジオなど既存のマスメディアにまで言及している点で、「メディア・リテラシー入門」のほうをお薦めします。A.M.
今日10月27日(月)から11月9日(日)まで、文化の日を中心とした2週間は「読書週間」に定められています。終戦間もない昭和22年に始まった読書週間は今年で62回となりました。日本が世界有数の「本を読む国民の国」になった背景には「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という出版業界の努力があったようです。電子メディアが発達した現代においても、読書の有用性は変わりません。この機会にあらためて読書へ目を向けて欲しいと思います。A.M.
前後期の秋休みに出した課題を覚えておられますか。「身近な職業人インタビュー」です。まだ職業について漠然としたイメージしか持たない中学2年生相手にいろいろと問いかけられて、返事に苦労されたことだろうと思います。「仕事は何?」と聞かれたときに、野球選手とかアナウンサーのように比較的答えやすい職種の場合もありますが、職種で単純に分類されない仕事も少なくありません。
13歳のハローワークを教材に使って500以上取り上げている職種を知ってもらうつもりですが、気をつけなければならないのは、「世の中の仕事のすべてが職種で分類できるものではない」ということでしょうね。ファミレスでメニューを選ぶような感覚で仕事さがしをしようとすると自分に合った仕事が見つからない可能性が出てきます。今存在しない10年後、20年後に出てくる職種を含めて、たくさんの選択肢があるのに、その幅を狭めてしまうとしたらもったいない話です。
図書室で、「国語算数理科しごと 子どもと話そう働くことの意味と価値」という本をみつけました。岩谷誠治さんという公認会計士の方が書かれたものです。昨年秋に出され、日経新聞やプレジデント誌で取り上げられていたので、ご存じの方もおられると思いますが、けっして小学生向けではありません。中高生や若いビジネスパーソンでも十分読み応えのある内容だと思います。お給料もらうだけのために仕事をしているわけじゃないですし、好きなことだけをしているわけでもないですよね。A.M.
木幡寛さんが講談社現代新書の中で「カレーを作れる子は算数もできる」と書かれていたので、上のタイトルをつけてみました。レシピを見ながら料理をつくる能力とはすなわち、ものごとの後先を考え行動する力であり、これが算数・数学でいうところの「論理的思考能力」です。
数学者の秋山仁さんは、数学を理解する能力とした次の4点を挙げています。
1 靴箱に靴を揃えて入れることができる。
2 料理の本を見て、作ったことのない料理を作ることができる。
3 知らない単語を辞書で引くことができる。
4 家から学校までの地図を描くことができる。
この本ではそれを下敷きに、算数の基礎を学ぶ・筋道を立てて考える・物の仕組みを知る・具体物を抽象化するという4つの練習に分けて説明したものです。「How to=やり方」を身につけるだけでは不充分で、「Why=なぜ」すなわち物事を追究していく力を身につけるためには…の参考になる本ではないでしょうか。A.M.
国語甲の授業のようすです。班対抗でのディベートをおこなっています。白熱した議論が交わされるほどの技術も、それを裏打ちする知識もまだまだ充分ではありませんが、「夏休みは8月31日までにすべきかどうか」というテーマに沿って、意見を出し合っていました。当事者以外のお子さまはそれを聞きながら、決められた項目について5段階で判定をし、用紙に記入しているところです。
来週24日(金)は京都へ校外学習へ出かけます。世界文化遺産に指定されるような国宝級の建築物を実際に自分の目で見て欲しいと考えています。また、今年は源氏物語千年紀に当たりますので、縁の深い場所を散策するのもいいでしょう。
烏丸御池にある京都文化博物館は河原町から二条城へ向かう途中にある博物館です。現在は3F常設展として「雅の継承 源氏物語絵巻に挑む」が開かれています。(24日が最終日) 歴史展示室でも、京都という都市の歴史的な変遷を背景に、そこに生きてきた人々の生活を中心として、京の町の移ろいを復元模型や映像を積極的に利用し、わかりやすく紹介しています。また、別館は旧日本銀行京都支店で、煉瓦造りのこの建物をみるだけでも価値があると思います。
なにより開館20周年記念で今月から高校生以下は常設展の入場が無料になりました。京都ではお勧めの場所の一つです。A.M.
ずいぶんと過ごしやすい気候となりました。こんな時期に家へ閉じこもって過ごすのはもったいないと思います。昼間はどんどん外で活動させてください。読書の秋は秋の夜長にできることです。夜は文章にどぷりと浸かる生活の中で思索にふけってほしいと思います。
文章を読むことの大切さに異を唱える方はおられないでしょう。本や新聞などの活字メディアを読むことが基本的な学力を伸ばすことにつながります。国語の成績というだけではなく、日本語を使って考える以上は思考そのものにつながることです。読解力がなければ知識を吸収することは難しいですし、表現力がなければ自分の考えを発信することはできません。
先日紹介した「基礎学力を考える」サイトの中で、京都大学の尾池和夫総長は、基礎学力とりわけ国語力が身についた上で自ら進んで学ぶ意欲を持ち続けることができれば、伝統の自由の学風を肌で感じると書かれています。→心ときめく知と出会うために
読書の目的は文学作品を鑑賞することにとどまりません。ご家族全員で夜30分間でも「読書の時間」を設定していただけると、効果は大きいと思います。A.M.
昨日は十三夜でしたね。ご覧になりましたか?
さて、今年度前半は「環境」を意識した学年・学級活動に多く取り組んでもらいました。前期に2回おこなった「環境講座」,林間学舎での「森のプログラム」や「工場見学・記念植樹」,文化祭の「教室展示発表」と、少々露出オーバーなくらい「環境」を前面に出しました。
学校全体で「エコスクール化」を取り上げているからもありますが、学年としては今年度後半に本格化させる「進路学習」のことを意識してでもあるのです。お子さまたちも14歳。そろそろ、自分自身の進路のことを考えていく必要が出てきます。ここでいう「進路」とは、高校や大学への進学や就職のことだけではなく、人生設計のことだと考えてください。そのときに5年・10年先の予習が必要じゃないかなと思いました。そこでキーワードになるのが、「環境」「IT化」「グローバル化」ではないかと。
洞爺湖サミットが開かれたこともあって、企業が「環境」に対してすごく意識し始めています。CMでも「環境に配慮した」がたくさん出てくるようになりました。これからは環境を配慮したビジネスでないと成り立たないのかもしれませんし、それ以前に人間活動が成り立たないからでしょう。そのことをお子さまたち自身にも感じてほしいと思っています。「13歳のハローワーク」公式サイトに「明日のための予習」という記事があります。ご覧になると参考になると思います。A.M.
明日は中学校の説明会がありますので、2限に授業参観していただけます。
A組 ダンス(体育館フロア) 武道(柔剣道場)
B組 ダンス(体育館フロア) 武道(柔剣道場)
C組 英語Ⅰ(教室)
D組 英語Ⅰ(教室)
廊下に例の作品も展示しておきます。
18日の学年懇談会と連続しますが、よろしければ足を運んでくださいます
ようにお願いします。A.M.
世の中は日本人のノーベル賞受賞に沸いています。しばらくは理論物理学などの基礎科学が流行って、理系がもてはやされるのでしょうか。評価された研究自体はとても古いもののようですよ。
さて、お子さまたちに将来を考えてもらうときには「社会のしくみ」を理解する必要があります。社会で役立つ人間になるためには、自分自身が社会で何を担うのかを考えていかねばなりません。そろそろ政治や経済など「世の中」に目を向けることも大切ではないでしょうか。
今日、図書室で「14歳からのお金の話」という本を見つけました。週刊こどもニュースでニュースを分かりやすく解説していた池上彰さんが書いています。「お金とは何か?」「分業で人間は豊かになった」「みんなが豊かになるには」など読みやすい本です。中学生でも経済のことが分かると世の中のことにより関心をもつことができるのではないでしょうか。本の最後に書かれている「何のためにはたらくのか」だけでも読んで欲しいと思います。A.M.
・後期始業式
いつもと違うのは仮校舎建設のために校庭が使えなくなったことです。
(詳細は今日配布したプリントをお読みください)
中学・高校で時間をずらして体育館で始業式をおこないました。
学校長から「学園創立の経緯」の話がありました。
・校外学習の説明をし、班を分けました。
校外学習で取材した内容を造形で表現してもらいます。
担任6名の秋休みの課題は参考になったかな?
授業参観(11日)にも廊下に出しておきますので、ご笑覧ください。
・進路課題の提出でした。
インタビューの内容を担任で読ませていただきました。
仕事に対する情熱やこだわりが伝わってくるレポートが多かったように思います。
身近にいる大人と素敵な時間を過ごしてもらえたようです。
・漢字課題も提出でした。
お約束通り、未提出者は残って課題を仕上げてもらいました。
体調を崩して休職していた国語担当の復帰後の初仕事になってしまいました。
T先生ごめんなさい。
今月の末に漢検(日本漢字能力検定)を受検してもらうことになっています。自宅学習日の課題が出ていますが、今日になって慌てて始めているというお子さまはいないでしょうか。英単語や漢字など基本的な知識は一度にまとめて頭に入るものではありません。先日の定期考査でも実感しているはずなので、そろそろ修正して欲しいと思っています。提出できればいいという姿勢では力はつきません。
その漢検のサイトから「基礎学力を考える」というページにリンクが貼ってありました。社会で活躍するために必要な力や自ら学ぶために必要な力とは何か、企業や大学のトップにインタビューした記事が並んでいて、参考になるのではないでしょうか。「子どもの基礎学力を育むために、今、保護者ができること」では陰山英男,藤原和博両氏の講演が掲載されていて、興味深く読むことができました。規則正しい生活習慣の確立のためにテレビ,ネット,ケイタイをコントロールするか、いかに情報処理力と情報編集力をつけさせるかがポイントのようです。
さて、漢字の読み書きはその情報処理力に直結する重要な能力です。しっかりと身につけさせることが大切ではありませんか。A.M.
お子さまたちの表情には「試験が終わった」という安堵の気持ちと、「できているかな」という不安な気持ちが浮かんでいました。ごく自然な感情だと思います。疲れた顔をして帰宅したお子さまにすぐ「復習しなさい」とは言いづらいでしょう。今日一日はゆっくりと過ごさせても仕方ないと思います。
問題は明日以降の過ごし方です。前後期の間に設定されている自宅学習日にいくつかおこさまに取り組ませてほしいことがあります。その一つは中学2年生前半の自己評価です。何がどのように良かったのか、あるいはどこを修正しなければならないのかを自分自身で振り返る時間を持たせてください。毎日を忙しく過ごしているお子さまにはなかなか自分自身を見つめる機会がありません。テストの結果や成績だけではなく、生活全般を見直した上で、これからの半年をどのようにしたいのかを聞いていただきたいと思います。
もう一つはこの時期に崩れやすい生活習慣や学習習慣の維持です。授業がないのは短期間ですから、就寝時刻や起床時刻,食事の時間が大きく変動することのないようにお願いします。いつもよりちょっとゆっくり…という程度なら結構ですが、起きてくるのが昼前では生活のリズムは崩れてしまいます。テレビやゲーム,ケイタイなどで夜更かしをして睡眠時間を削るのも心配です。午前中の3時間程度は少なくとも学習時間にあてるようにしていただきたいと思います。A.M.
夏休みや文化祭も終わって、ようやく落ち着いた日々を過ごせる季節になりました。少し気持ちが緩みがちになっているようですから、今一度引き締めをはからなければ…と考えているところです。毎日こつこつと積み上げなければ、本当の学力は身につきません。考査前の付け焼き刃で点数を取っても、それは学力を身につけたことにはなりません。部活動に汗を流す、クラス活動で社会性を身につける、新聞を読んで社会の動向を知る、本を読んで視野を広げる、芸術作品や自然など本物を見に出かける…毎日毎日の過ごし方がお子さまの成長に大きな影響をもつのです。
中学生といえどもまだまだ未熟で未完成なところはたくさんあります。先日提出していただいた「職業体験希望調査」を読んでいても、まだまだ幼さが目につきました。こんな状態で放っておいても健やかには育ちません。周囲の大人のアドバイス(説教じゃないですよ)が効果的にはたらく必要があると思います。何をしていいかわからないから暇つぶしにケイタイやゲーム機をいじっているとしたら、それを黙認することだけは出来ません。反抗期で言う事を聞かないかもしれませんが、それでも言ってみる価値はあると思います。根は素直なお子さまが多いですから。
夏休みを終えて10日ほどが過ぎました。お子さまたちはようやく本来の生活リズムに戻りつつあるような状況です。月曜日からは50分授業×6時限+文化祭準備・合唱練習で少しハードな生活になりますが、最後まで投げ出さないで取り組んで欲しいと思います。
世間では全国学力調査のことが話題になっていますね。関西では大阪府の結果が2年続けて芳しくないので、橋下知事が府教委を批判しているとか。兵庫県は全国平均くらいでした。得点だけを見ると「学力低下」とか「ゆとり教育の問題」の話になってしまいそうですが、結果はそんなことを単純に示しているわけではありません。
全国学力調査はOECDのPISA(Programme for International Student Assessment)をモデルにしています。これは単純に知識だけではなく、それを読解力や問題解決能力など知識を活用する能力もあわせて測るものです。全国学力調査がどのようなものかは、国立教育政策研究所に問題と結果が公開されていますから、ご覧になってください。
問題 http://www.nier.go.jp/08tyousa/08tyousa.htm
結果 http://www.nier.go.jp/08chousakekka/index.htm
ここで求められているのは、読解力や表現力,問題解決能力といった「生きる力」です。知識だけが多くても活用できなければダメだという反省の下に「ゆとり教育」が生まれたのであって、知識を少なくしても解決しなかっただけのことです。得た知識を活用する意識を持たせないと「生きる力」は育まれないのです。文化祭までの1週間はその意味で大きな成長の場になると期待しています。
先週末に応募を締め切りました。(応募総数54)
答え合わせをしますので、結果の発表はしばらくお待ち下さい。
正解は以下の通りです。
1 方丈記 鴨長明
2 源氏物語 紫式部
3 舞姫 森鷗外(森鴎外でも○)
4 草枕 夏目漱石
5 蜘蛛の糸 芥川龍之介
6 サーカス 中原中也
7 初戀(初恋でも○) 島崎藤村
8 道程 高村光太郎
9 枕草子 清少納言
10 奥の細道 松尾芭蕉
学年のフロアの掲示板にも貼っています。
北京オリンピックは大会16日目。夜に閉会式を残すのみとなりました。高校野球もそうですが、真剣な眼差しで競技に取り組んでいるアスリートの姿を見ていると、心が動かされますね。勝負事ですから、結果はついてしまいますが、それまで一生懸命に取り組んできたことが消えるわけではありません。
今週もテニス部や水泳部などたくさんのお子さまが公式戦に出ます。2年生ですから、この夏は部活動にたくさんの汗を流したことでしょう。その努力によって得られた力は人生の中で必ず役に立つときが来ます。すぐに思い通りの結果が出なくても、長い目で応援して欲しいと思います。
さて、先日もアナウンスしましたが、今日の深夜、「水と食糧危機」について取り上げたテレビ番組が放送されます。オリンピック閉会式の後になりますが、よかったらお子さまとご覧下さい。
番組予告 http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2008/20080824/earth_259_300.asx
毎週日曜日23:00から30分間、「素敵な宇宙船 地球号」という番組がテレビ朝日系列で放送されています。(今週17日は北京オリンピックで放送がありませんでした。)
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/index.html
前回(536回)は、ヒートアイランド都市・東京で川周辺を整備し、緑豊かな水辺空間に変える取り組みが紹介されていました。「水の道」が「風の道」となり東京を冷やすというものです。今年、オリンピックがおこなわれている北京でも、44年前にオリンピックがおこなわれ、再び開催を目指している東京でも、「環境問題」は無視できないようです。
さて、次回(8月24日)なのですが、「シリーズ日本の食2008 Vol.7 牛丼が食べられなくなる!?~水不足が招く世界の食糧危機~」が放送されます。食糧自給率が39%と低い日本では、食の安全も取りざたされています。さらに地球規模の人口増加と温暖化によって水不足が深刻化を増しているのです。環境問題の切り口として「水」のことを学んだ55期生にはぜひ見て欲しい番組ですので、紹介しておきたいと思います。
いよいよ最終回です。どれだけの人が授業始めに答えてくれるのか、不安なのですが…。さて、問題です。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。 舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅をすみかとす。 古人も多く旅に死せるあり。 予も、いづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋に蜘蛛の古巣を払ひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に、白河の関越えんと、そぞろ神の物につきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて、取るもの手につかず、ももひきの破れをつづり、笠の緒付けかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲り、杉風が別墅に移るに、 草の戸も住み替はる代ぞ雛の家 表八句を庵の柱に掛け置く。 |
授業始めの日に読書記録用紙と一緒に解答用紙を配布します。賞品付きですよ !
すでに夏休みの宿題の追い込みで忙しいかもしれませんね。夏休み最後の日曜日なのに…
ちょっと気持ちの疲れたあなたにお薦めしたいのが、河合隼雄の「こころの処方箋」です。新潮文庫の100冊にも入っていますよ。河合隼雄さんは一昨年に亡くなられた臨床心理学者です。普段私たちがこころのどこかでは納得しているもののなかなか言葉にできないような常識をエッセイとしてまとめたもので、中学生でも読みやすい内容だと思います。「うそは常備薬、真実は劇薬」という言葉、なかなか奥が深いと思いませんか。
(読んでも宿題は解消できません。残念!)
前回の作者の奥さんは「智恵子」です。良いヒントになったでしょう。
再び、古典作品からの問題です。
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。 夏は、夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。 秋は、夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。 冬は、つとめて。雪の降りたるは、いふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。 |
超有名ですね。
去年の今日、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で観測史上日本最高気温40.9℃が観測されました。
多治見は高気圧の中心付近が上空にあったため、熊谷は秩父山系を越える北西の風によるフェーン現象のためとされています。 それまでの最高気温は1933年に山形で記録された40.8℃ですが、これもフェーン現象が原因とされています。理科の授業でも出てきましたから、復習しておいてくださいね。
http://www.osaka-jma.go.jp/matue/column/phenomena/foehn.html
前回の詩と同じタイトルの小説をイワン・ツルゲーネフが書いていますね。宮崎あおいが主演していた映画の原作は中原みすずの作品。また別物ですよ。では、今日の問題です。
僕の前に 道はない 僕の後ろに 道は出来る ああ 僕を |
聞いたことはあるでしょう。暗誦してもいいなぁと思う作品です。
マスコミでも取り上げているように63回目の「終戦の日」です。
甲子園での高校野球も北京オリンピックも少し横へ置いて、「戦争」や「平和」について考える時間をとる日だろうと思います。ずいぶんと長い時間が経ってしまって、戦争の実体験をもつ人があまりそばにおられないかもしれません。でも、この日だけはいろいろなメディアでも取り上げるので、考えるきっかけはあるだろうと思います。
8月15日に「全国戦没者追悼式」がおこなわれていることもあって、8月15日が「終戦の日」として定着していますが、1945(昭和20)年のこの日は「玉音放送」があった日です。前日8月14日に「終戦の詔勅」が発せられ、連合国に対して「ポツダム宣言」受諾の通告がなされました。軍への正式な停戦命令が行われたのは翌日8月16日です。日本国が連合国に対して正式に降伏を行ったのはポツダム宣言受諾の降伏文書に調印した1945年9月2日ですから、アメリカでは「対日戦勝記念日 (V-J Day)」は9月2日です。国際法上の正式な戦争終結は「サンフランシスコ講和条約」が発効した1952(昭和27)年4月28日となります。
あなたたちが研修旅行に行く沖縄では少し事情が違うことも知っておいてほしいと思います。地上戦が行われた沖縄では、6月23日に組織的な日本軍の抵抗が終結しました。このため、現在、沖縄県では6月23日を「慰霊の日」としています。しかし、その後も、日本軍による抵抗は続き、9月7日になって南西諸島守備軍が降伏調印して、沖縄戦は公式に終結しました。このため、沖縄県の公式慰霊施設である「平和の礎」では「沖縄戦終結の日」を9月7日としています。
数千万人の死者を出した第二次世界大戦や、アジア・太平洋方面でおこなわれた太平洋戦争という大きな戦争が一瞬で終結することなど不可能です。関わった人々の気持ちも考えると、60年以上の時間が経ってもまだ終わっていないと言えるかもしれませんね。
前回の作品は「汚れちまった悲しみに」と同じ詩集に収録されています。明治時代の作品ですが、古くささを感じさせないと思います。さて、今日の問題です。
まだあげ初めし前髮の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり やさしく白き手をのべて |
言葉は古いけど、気持ちは今の君たちには通じやすいと思いますが…
後半は趣を変えて、詩から始めてみましょうか。
幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 幾時代かがありまして |
「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という表現が印象的な作品ですね。
考えてみれば、明治時代って遠いんですね。前回の作品は100年ほど前に書かれました。さて、今日の問題です。
ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。 やがて御釈迦様はその池のふちに御佇みになって、水の面を蔽っている蓮の葉の間から、ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗き眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。 |
書いたのは前回の作者のお弟子さんです。ヒントになっていない?
前回の作品は20年くらい前に映画化されました。親御さんに聞いてみてください。郷ひろみが主人公を演じたと言えば、覚えておられるかもしれません。さて、今日の問題です。
山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。 |
同じ明治時代の作品です。「猫」も有名ですが…
前回の作品は平安時代の長編小説です。古典作品なので、言葉に難しさを感じたかもしれませんが、知らない作品ではないと思います。では、今日の問題です。
石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと靜にて、熾熱燈(しねつとう)の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ來る骨牌(かるた)仲間も「ホテル」に宿りて、舟に殘れるは余一人のみなれば。 五年前の事なりしが、平生(ひごろ)の望足りて、洋行の官命を蒙り、このセイゴンの港まで來し頃は、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして新ならぬはなく、筆に任せて書き記しつる紀行文日ごとに幾千言をかなしけむ、當時の新聞に載せられて、世の人にもてはやされしかど、今日になりておもへば、穉(をさな)き思想、身の程知らぬ放言、さらぬも尋常(よのつね)の動植金石、さては風俗などをさへ珍しげにしるしゝを、心ある人はいかにか見けむ。こたびは途に上りしとき、日記(にき)ものせむとて買ひし册子もまだ白紙のまゝなるは、獨逸にて物學びせし間に、一種の「ニル、アドミラリイ」の氣象をや養ひ得たりけむ、あらず、これには別に故あり。 |
時代はかなり新しくなりました。と、言っても明治時代ですが…
前回の作品は第一回なので易しくしておきました。中世文学の代表的な随筆ですね。では、今回の問題です。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。 はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。 |
今年はmillenium(千年紀)ですから…
有名な文学作品の冒頭部分を書いておきます。作品名と作者がわかりますか?
どれも知っていてほしい作品なのですが、家族みんなで相談してもよしとします。一日一題ずつこれから10日間出題します。10回分の答を書いて、授業始めの日に応募してください。全問正解者の中から抽選で豪華???景品を差し上げます。
では、問題です。
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れ(やけイ)てことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。 |
応募資格は本校55期生です。(ごめんなさい)
応募用紙は授業始めに配布します。10回分の答をメモして持ってきてください。
暦の上では秋になりました。
今日からは「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」を出すことになります。
秋立つ日、よめる
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(古今169)
藤原敏行
私が中学生のときに読んだ記憶がありますから、今から40年近く前の作品です。当時はミリオンセラーとなった話題作でしたから、君たちの親御さんの中にも読んだ人は多いのではないでしょうか。リチャード・バックの「かもめのジョナサン Jonathan Livingston Seagull」という作品を紹介します。
「たいていのカモメにとって、大切なのは飛ぶことではなく、食べることだ。しかし、ジョナサン・リヴィングストンにとっては、食べることではなく、飛ぶこと自体が重要だった。」 この寓話に込められているのは、たとえ、群れや仲間あるいは隣人から自分の野心は危険だと思われても、より高尚な人生の目的を探求することは大切だ、ということでしょう。群れから追放された変わり者のかもめは、強い意志と静かな勇気をもって、飛ぶことを究めようとします。訳者の五木寛之さんが書いているように、物語の後半にはちょっと違和感があるかもしれませんが、高みを目指して生きていこうとするジョナサンの姿には学ぶこともあるはずです。
昨日・一昨日に紹介してきた「4TEEN」,「西の魔女が死んだ」、いずれも映像化された作品です。今日紹介する重松清さんの「きみの友だち」も映画が公開されているのですね。
http://www.cinemacafe.net/official/kimi-tomo/
この作品の全体を通じての主人公は恵美です。交通事故の後遺症がきっかけで周囲に壁をつくってしまった彼女が、幼いときから体が弱くて学校を休みがちな由香をただ一人の「友だち」としてつきあっている。「友だち」とは「うっとうしくて、面倒くさくて、ややこしくて、だから大切な他人」なのだと、著者は語りかけているようです。「たとえいなくなったとしても、一生忘れない友だちが、一人、いればいい」というのは極端かもしれませんが、群れることで友だちがいると勘違いしている人には読んでもらいたい作品の一つです。
昨日の「4TEEN」は夏休みの推薦図書には入っていませんでしたね。でも中学2年生・14歳という時期は特別な気がしますから、読んで欲しいと思います。中学生活に慣れるのに精一杯の中学1年生と、高校受験を意識してしまう中学3年生の間にあって、良くも悪くも自由な空気の中でいろいろなことが経験できる、印象にも残りやすいのが14歳という時期なのだと思います。その意味では推薦図書にある山田詠美さんの「ぼくは勉強ができない」や恩田陸さんの「夜のピクニック」は高校生を主人公にしていることもあって、背伸びをした人向けの作品かもしれません。
今日、紹介するのは梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」です。話題作ですから読んだ人も多いでしょうし、映画を見た人もいるでしょう。
http://nishimajo.com/i_index.html
主人公の中学生まいは学校へ行けなくなり、「西の魔女」とよんでいるおばあちゃんの元に預けられます。そこでおばあちゃんのような魔女になりたいと考えたまいは魔女修行を始めます。それは、早寝早起きをし,食事をしっかりととり,よく運動するという規則正しい生活、それと「自分のことは自分で決める」ということでした…。周囲と合わせることだけに身も心も疲れてしまって、毎日が楽しくなくなってしまった経験は、頑張り屋さんとよばれている人にはありそうですね。そんな人にとって、魔女の「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。」という一言にはホッとできるかもしれません。
去年の夏休みにも20冊ほどを紹介しました。中高生の多感な時期にどれだけの経験をするかは、その後の人生に影響すると思います。だから、学校行事や部活動を含め、積極的にさまざまな経験を積むことは夏休みにかぎらず、大切なことなのです。でも、実際には存在する全部の経験をすることはできません。それを自分への投影で補うのが、読書、映画やドラマ、舞台なのです。特に読書は文字媒体だけで映像や音声を伴わないので、想像を広げる能力を鍛えることができます。
さて、今日紹介するのは新潮文庫の100冊から「4TEEN(フォーティーン)」です。2003年の直木賞受賞作品ですね。著者の石田衣良さんは「東京DOOL」や「アキハバラ@DEEP」など出身地の東京を舞台に作品を書いています。今回紹介する「4TEEN」ももんじゃ焼きで有名な東京・月島が舞台です。
出てくるのは主人公のテツローを始め、ナオト,ダイ,ジュンなど君たちと同じ14歳の少年達です。作品の中には、援助交際・摂食障害・不登校・ドメスティックバイオレンス(DV)なども出てきますが、それがスパイスとしてのはたらきはあっても、読んでいてつらくはならないと思います。あまりにストレートに描写されているので、読んでいて気恥ずかしくなるかもしれません。
いよいよ最終回です。オンラインなだけに受講者の人数も表情も伺えないのでとても不安なのですが、読書感想文を書く恐怖心が少しでも薄れるといいなと思います。今日は、昨日書いた終盤の感想に付け加える形で、さらに原稿用紙1枚分(400字)の感想を書き加えたいと思います。
これまで書いた感想との違いは「一般化」です。個人の立場で書いていた感想を広げて、より高い視点で書くようにしてみましょう。「世の中では~」,「世界では~」,「地球にとって~」と書き始めると、視点は広がります。そのためには社会のことを知らないといけませんね。新聞を読むなどしてしっかりと勉強してください。今回は間に合わないので、身近な大人=親御さんに聞いてみましょう。「これから私は~」と自分自身のことと結びつけることで、より具体的な内容になると思います。
最後に、これまで書いたすべての文章をつないで読み返し、手直しをします。(ここまでは下書きですよ。)ポイントは結びで書いた感想に書き出しを合わせることです。書き出しと結びがつながることで統一感が出てきます。誤字・脱字はないか、文末は常体・敬体が統一されているか、文がねじれて(主語と述語がずれて)いないかなどをチェックして、清書したら完成です。
序盤,中盤と書き進めました。今日は終盤について、原稿用紙1枚分書いていきましょう。そのとき、最後の感想は作品の主題に関係するものにするのがポイントです。本を読んで自分の考え方が変化したのであれば、それを取り上げるとよいでしょう。
文章におもしろみがない場合、どうすれば個性的な文章になるでしょうか。一つの方法が「比喩」を使うことです。「まるで~のような」という言葉を入れると、自然と比喩表現が出てきます。その例えがほかの人と違うならば、オリジナリティのある文章ということができるのではないでしょうか。
また、周囲の人に取材した場合は会話をそのまま「 」で引用することもできます。ほかの地方に住む人やお年寄りの場合は日頃使う言葉とは異なる耳慣れない、それでいて味のある言葉をお聴きすることができます。そのような場合、素材はそのまま生かしたほうが価値があると思います。
さて、原稿用紙3枚の下書きができたはずです。明日はいよいよ仕上げです。
今日から8月です。
今日、8月1日は「水の日」です。この日から8月7日までの1週間を「水の週間」として、水資源の有限性を再認識する機会としています。55期生のみなさんは先日、水源地と森林の関係について学んできたところですから、ブナ林のような「緑のダム」のはたらきについては理解していると思います。
ところで「水源税」という言葉を知っていますか。森林の水源涵養機能に着目し、その機能の回復・維持等のために、森林を管理する費用の一部を受益者が負担する目的で導入されている税金のことです。2003年に高知県で「森林環境税」が導入されたのを皮切りに、現在は23自治体が導入しています。
http://eco.goo.ne.jp/word/ecoword/E00459.html
昨日は序盤について、100字程度で本文を引用し、200字程度で自分の経験や周囲の人に取材したことを書き、最後に100字程度で感想を書きましたね。これで原稿用紙1枚分書けているはずです。今日は物語の中盤について、同じように原稿用紙1枚分書いていきましょう。
ところで感想はうまく書けましたか。思いつかない人は「たぶん」から書き始めてみましょう。最後は「~だろう」と人の気持ちや状況に対する推測で締めくくることになります。また、「面白かった」とか「悲しかった」というように一つの文しか書けない人は、その次に「なぜかというと~」とか「もしわたしだったら~」と続けてみてはどうでしょうか。感想は自分自身の気持ちですから、何が正解と決まっているわけではありません。ただ、感想を読む人に自分の気持ちを伝えるためには補足する説明が必要になるだけです。読み手に対する親切心や配慮があると読みやすい文章になるのは感想文に限ったことではありません。
今日はここまでです。明日は終盤をまとめながら、個性的な文章にするための工夫を扱います。
林間学舎、お疲れさまでした。ブナ林や大山山頂からの眺めなどを体験した2泊3日はいかがでしたか。経験の積み重ねこそがその人を成長させます。「行った」、「した」だけで終わるのではなく、それが自分にとってどうだったのかを「振り返る」ことが大切です。8月の間にした経験でさらに一回り大きくなった君たちに会えることを期待しています。
さて、読書感想文の書き方の3回目は「何を書くか」です。林間学舎の課題に取り組んでいる人には、しおりのp25の進路worksheetとも共通する部分ですから、参考になるかもしれません。よくする勘違いは「感想を書く」と思っていることではないでしょうか。それだけだと、「おもしろいかどうか」で終わってしまいます。原稿用紙に何枚も書くのは難しいですよね。そこでやってしまうのが、「あらすじ」をたくさん書き写す作業です。あらすじだけを書いても「感想文」にはなりません。感想文を書くには「材料が必要」だということがわかってもらえたでしょうか。「感想」以外に書いてもいいことを知らないから書きにくいのです。
まず、「自分の体験」から「似た話」をさがして膨らますことです。自分自身に似た経験がなければ、周囲の人に取材してください。そのときのようすを「たとえ」や「会話」も交えて表現すれば、ある程度の量になります。本を読む時に、序盤・中盤・終盤に分けて、印象に残る場面に付箋を貼っていますね。序盤の場面を100字程度で引用したあと、似た話を200字程度で膨らませます。字数は目安です。多少長くなってもかまいません。それに対する感想を100字程度で書くと、原稿用紙1枚分が完成です。どうですか、書けましたか。今日はこれでおしまいです。感想文を一気に書くのは大変ですからね。
読む本を決めることができましたか。今日は読むときに気をつけることを取り上げます。
一気に読んでしまうタイプの人はあらすじだけを追いかけているだけになりがちです。状況や主人公の心情をどのように表現しているのかに気をつけながら読んでください。主人公の心情の変化したところや状況が大きく変わるきっかけとなった部分に付箋を貼りながら読み進めるといいですね。
逆に読むのに時間がかかるタイプの人はストーリーのつながりを見失いがちです。毎日少しずつではなく、まとまった量を一気に読むようにするほうが楽になります。前もってあらすじに目を通しておくと、本筋以外の記述に惑わされなくて済みますよ。
どちらのタイプの人も、序盤・中盤・終盤にストーリーを分けて、それぞれについて印象に残ったところを1ヶ所は見つけるようにしてください。そのページをすぐに開くことができるように、付箋を貼っておくとよいと思います。自分の本ならば、マーカーを引いたり、ページを折ったりしても良いんですけどね。この部分をあとで読書感想文を書くのに使います。
では、次回は作品を読み終わる頃、林間学舎から帰ってきた頃にアップします。
読書感想文は夏休みの宿題の定番です。小学校低学年くらいから出るのですが、ある程度の量の文章を書くことは学年が上がらないと難しいように思います。「感じたままに自由に書いたらいいよ」と言われても、書き方がわからなければどうしていいのかわからないですよね。毎年苦労しているうちに、書くことに対して苦手意識をもってしまってはいませんか。そんなあなたに対する処方箋を用意してみたいと思います。
まず、最初は本を選ぶことから始めましょう。中学2年生では感想文コンクールへ応募するために、光文社古典新訳文庫から6冊の本が指定されています。
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/books.html
このときに基準となるのは、「感想文の書きやすさ」です。主人公に共感できること、具体的にいうと、主人公がする体験や出てくるエピソードに近い体験を自分自身が持っているかどうかが基準になります。その体験を感想の中に「実例」として織り込むことができるので、幅を広げることができるからです。6冊とも読んでから選ぶのが確実ですが、時間がなければ「あらすじ」だけでもなぞってみましょう。主人公の心情や行動が理解できるかどうかで本を選んでください。
車輪の下で ヘッセ
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_01.html
宝島 スチーヴンスン
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_02.html
ちいさな王子 サン=テグジュペリ
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_03.html
飛ぶ教室 ケストナー
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_04.html
秘密の花園 バーネット
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_05.html
プークが丘の妖精パック キプリング
http://www.kotensinyaku.jp/konku-ru2008/sub_06.html
暑い中、本校に足を運んでいただき、ありがとうございます。
3日間の予定でおこなっております保護者個人懇談も今日が最終日となりました。親御さんと直接お話しをさせていただく中で、頂戴しましたご意見はとても参考になりますし、この3ヶ月の取り組みを評価していただきましたことは担任にとっても励みになります。
まもなく林間学舎を迎えますが、今後ともご協力いただきますようによろしくお願い申し上げます。
今年の夏至は6月21日でした。この日から7月7日の七夕まで、「100万人のキャンドルナイト」というキャンペーンが始まっていますが、ご存じでしょうか。夜8時から10時までの2時間、電気を消してスローな夜を過ごしませんかという試みです。よろしかったら参加されてはいかがでしょうか。
http://www.candle-night.org/jp/
私たち学年では大山林間学舎でスローな夜を体験してもらおうと企画しています。
木曜日の技術の様子をご紹介します。現在技術では木材加工に取り組んでおり、「折り畳み腰掛け」を製作中です。今日は角材ののこぎりびきを行いました。当初は初めてのこぎりを使った人も多かったのですが、練習を重ね、今では手慣れたものです。安全には十分考慮しながら、各クラスともスムーズに作業ができました。
A組の様子です。それぞれが切りやすい方法でのこぎりびきを行っていました。
B組の様子です。左の写真では、万力(まんりき)を使用して材料を固定し、切断しています。右の写真は、切りはじめのひき溝を慎重につくっている様子です。
C組の様子です。左の写真では、力強いのこぎりびきを見せてくれました。また右の写真は、加工実習教室全体の様子です。
D組の様子です。左の写真は、作業台を使ってどちらが速く切れるか競争しているもようです。右の写真では、班員と協力して材料を固定しながら作業しています。
みんな汗を流しながらも、一生懸命作業できていたと思います。
水曜日の授業のようす、後半の2クラスの紹介です。
C組は代数をクラスを2つに分けた展開授業で受けていました。こちらはホームルーム教室で受けている前半グループ。
後半グループは3階選択教室(D組の奥)で授業を受けていました。一次関数のグラフを習っているようです。
この後、家庭学習のための課題が出されるので、授業中は説明をメモするのに一生懸命です。
D組も英語なのですが…。まぁるく輪になって授業を受けたいと担当者に提案したとのことでした。
机が無くてメモを採るのに苦労した反面、互いの顔を見ながらリラックスして和気藹々と授業を受けることができたようです。
今週水曜日2限に中学2年生の教室を巡回してきました。「公開授業旬間」期間中は教員が研鑽のために授業をオープンにしていますので、学年のようすを見学しやすくなっています。
A組は国語乙の授業を受けていました。文語文法の問題演習のようです。
静まりかえった教室で、担当者が説明した文法事項を黙々とメモしています。
B組は英語の授業でした。こちらも問題演習のようですが、隣の教室とはようすが違いますよ。
どうやら解答を板書する速度をチーム毎に競い合っているようです。問題を解いている間、とても盛り上がっていました。この後、僅差でTeam Yellowの勝利!! となりました。
同じ日のA組,B組のようすです。
A組の授業は幾何でした。
この後、担当者に「和が180°? それこそ『錯角』じゃなくて『錯覚』だろう…」と指摘され、ようやく表情がやわらかくなりました。
一方、B組の授業は理科第一分野でした。去年の復習をしているところです。
理数系科目の授業ではゆとりがないのでしょうか。どの生徒もノートをとるのに必死です。
先週の授業風景です。金曜日はA組,C組の保護者懇親会がございましたので、授業を参観していただけたようです。今週も6日(金)にB組,D組の保護者懇親会がございます。ちょっと学年のフロアまで足を伸ばしていただいて、お子さまのようすを見ていただけたらと思います。
C組は英会話の授業でした。ペアワークの様子です。
ネイティブの担当者とチームティーチングで授業を進めています。
D組は地理の授業でした。まずは復習のための確認テスト。
質問に応えています。担当者は「ふだん挙げないのに...やらせみたいだ」と苦笑していました。
普段はなかなか見ていただけない朝礼のようすです。10分程の短い時間ですが、さまざまな活動をしています。同じ日に4クラス回ったのですが、時間差で内容がすべて違ってしまいました。
C組 ブラインドホルダを集めているところです
B組 連絡事項を板書しています
A組 テストを返却しているところです
D組 朝こらむの内容を解説しているところです
昨日、大阪松竹座でスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」の幕が開きました。運良く初日のチケットが手に入りましたので、見に行ってきました。
哲学者・梅原猛作の初戯曲となった「ヤマトタケル」は日本古代史の悲劇の英雄の生涯を描いた歴史スペクタクルです。「大和は国のまほろば、たたなづく青垣、山ごもれる大和しうるわし」と謳われた大和の国の皇子として生まれながら、父である天皇との軋轢に苦悩する小碓命(後のヤマトタケル)の苦難の旅を描いたものです。1986年2月、歌舞伎俳優・市川猿之助によって初演された「ヤマトタケル」は、早替りや立ち廻りをはじめ、斬新な衣裳と音楽、宙乗り等が観る者を圧倒しました。スーパー歌舞伎の原点といってもよいでしょう。
ただ、客席は年配の方が多く、中高生の姿はあまり見られませんでした。約束事が多く、芝居の筋を知っていないと楽しめない歌舞伎は敷居が高いのかなぁと思いました。記紀を読んだことがなければ、日本武尊のことも知らないのかもしれません。日本文化の代表として、海外では評価の高い歌舞伎を日本人自身が知らないというのもどうかなと気にはなります。文楽,能,狂言,歌舞伎…この国が培ってきた伝統的な演劇に親しめる機会をつくっていく必要があるのでしょうね。A.M.
畑村洋太郎さんの「みる わかる 伝える」から、「わかる」の二回目です。授業をしていると生徒から「わからない」というメッセージが言葉で、あるいは目線のような言葉以外の方法で伝えられることがよくあります。また、授業中はわかったように振る舞っているのに、実はわかっていないということもよく見受けられます。「わかる」ということを「知っている」と誤解するために起こることのようです。
外部から受け取った知識と結果を参照して一致点を見るだけのパッシブ型学習では、たくさんの知識を持っていて対応する結果を引き出せる人:「物知り」が頭の良さを表していました。だから、勉強という活動はたくさんの知識を取り込むかだと勘違いしてしまうことにつながっているのだと思います。覚えられない=勉強ができない、と単純に判断してしまっているお子さまもいます。
しかし世の中が求めているのは、アクティブ学習ができる人です。まず行動が先にあって、失敗を含めたたくさんの経験の中でどの知識が不足していたのかを実感してから、知識の吸収をおこなうことができるかどうかが求められています。学習とは、自分の中にモデルを作り、トライアンドエラーの中でその知識に対する思考回路をつくりだす作業のことなのです。
では知識は必要ないのか。それは間違いだと思います。自分の中に知識がまったくない状態ではモデルをつくることはできません。ただ覚えるだけで脳の中に死蔵させてしまっているのは、意味のないことですし、それでは意欲的に取り込もうとはしないということです。「勉強は大変」「大人になったらしなくていい」といった印象だけをお子さまに持たせてしまうと、積極的に学習することは難しくなってしまいます。私たち大人自身が日々学習している姿勢をお子さまたちに見せていく必要があるのではないでしょうか。A.M.
前回と同様に畑村洋太郎さんの「みる わかる 伝える」を使って、今回は「わかる」について書こうと思います。理解力とは何か、どのようにして身につけるのか、ですね。
「わかる」とはどのようなことか、畑村さんは次のように説明しています。『目の前のものや事象を見たときや人の話を聞いたときに「自分の頭の中に持っている要素や構造」(=テンプレート)と合致するかどうかで「わかる」かどうかを判断している。』のであると。その前提として、世の中のすべてのものや事象は、いくつかの「要素」が絡み合う形で必ずある「構造」をつくりだしているとしています。「理解」とは、頭の中に要素や構造を作り上げること、そしてその要素や構造をテンプレートとして比較することであるということです。また、「学習」とは「新たなテンプレートの構築」という作業であるとも書かれています。
小学生での勉強は「要素=知識の取り込み」が重要視されていました。それを構造化するのが中学生以降の学習ではないでしょうか。もっている要素を構造化して、頭の中にたくさんのテンプレートをつくりあげていく作業をしていくことで、新しい事象にも対応していくことができるのだと思います。
畑村さんも触れていますが、山鳥重さんの『「わかる」とはどういうことか』(ちくま新書)が参考になるかもしれません。こちらは大脳生理学からのアプローチになりますが、読みやすく書かれていますのでお薦めです。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480059390/
A.M.
55期生のブログは原則として「保護者向け」に発信しています。長期休暇でお子様が見る機会が多い時期には「生徒向け」の内容に切り替えます。年度が新しくなりましたのでもう一度、編集方針をお伝えしてしておきます。もちろんどなたがご覧になっても結構なのですが…。
今日は畑村洋太郎さんの著書「みる わかる 伝える」を紹介したいと思います。東京大学で「失敗学」を教えておられた方ですね。どのようなことに注意すれば理想の学習法がおこなえ、「観察力」「理解力」「伝達力」が身につくのかをまとめたのが本書です。お子さまに「生きる力」をつけさせるためにまわりの大人ができることをいくつか紹介していきたいと思います。
まずは「みる」ことからですね。畑村さんは「みる=見る」ではないと書かれています。「みるとは視覚だけではなく五感をフルに使って、目的意識をもってみる」ことだそうです。そのための基本は「現地に足を運び、現物を直接見て触れて、現場の人に話を聴くこと=3現」だそうです。常に目的意識を持って行動し、実際の体験の中で、自分自身で何かを感じたり自分の頭で主体的に考えないと本当の知識は体得できないのです。
お子さまたちは今は中学生ですから、学校で授業を受けてそれを消化するというパッシブな学習を当たり前のように感じています。もちろんそれは分かるための下地である知識の取得という意味では絶対に必要です。ただ、実際には学校生活のすべてのシチュエーションの中でアクティブな学習もおこなわれる必要があります。経験してみて初めて分かることはたくさんあります。いかに生活の中にそれを織り込んでいくか、それが私たち教師も含めて周りの大人の意識しておくことではないでしょうか。
次回は「わかる」について紹介していきます。A.M.
指定図書から「地球のなおし方」を紹介します。
著者のデニス・メドウズ Dennis L. Meadowsは1972年に「成長の限界 The Limits to Growth」を書いて話題になった人ですね。近年、地球環境問題を扱った本は数多くなりましたが、地球の状態を30年以上にわたって見つめ続け、10年毎に緻密な分析に基づいた地球再生への提案をし続けている著者の提言には説得力と重みがあります。悲観的な憶測だけを書いた本が多いなかで、システム・ダイナミクス理論とコンピュータによるモデリングを用いて、世界の人口と物質経済の成長の長期的な原因と結果を分析し、読者に「個人としてどのようなスタンスや方法を使えばよいのか」を考えさせてくれます。
著者は「21世紀に実際に何が起こるかという予測をするために本書を書いたのではない。21世紀がどのように展開しうるか、10通りの絵を示しているのだ。そうすることで、読者が学び、振り返り、自分自身の選択をしてほしいと願っている」と述べています。中学生でも十分に読める内容だと思います。
http://book.diamond.co.jp/_itemcontents/0201_biz/87107-8.html
今年は桜の開花が早いですね。校内の枝垂れ桜の枝先にはすでに若葉が芽吹いています。今がちょうど花盛りでしょうか。雲雀丘花屋敷の駅から正門までの道筋や、門から講堂の横を通って中高の下足室へ向かうまでの間は淡いピンク色の花びらが舞っていて、春らしい光景になっています。4日後の入学式まで続くといいなと思います。
兵庫・西宮、大阪・天満と花見の場所を紹介してきました。花見はおとなだけの楽しみではありませんし、宴会をする口実でもありません。四季豊かなこの国で育まれた文化や伝統を理解するための感性をお子さまたちにも身につけてほしいと思っています。ですから、満開の桜の花を見るだけでも十分ですし、場所にしても近所の公園や校内でも構わないと思います。ただ、その感動をご家族で共有していただければもっと意義深いものになるのではないかと思っています。
最後は武庫川渓谷にある「桜の園」を紹介します。私は西宮名塩から旧福知山線の廃線跡を2~3時間歩くルートを選びましたが、JR武田尾駅からの方が距離は近いです。「桜の園」(亦楽山荘)は笹部新太郎博士の桜の演習林で、最盛期にはヤマザクラ、サトザクラが400haの敷地に30種5000本も植えられていたといいます。笹部さんは水上勉の「櫻守」のモデルになった方ですね。
現在は宝塚市の里山公園となっています。桜の季節は左廻り(時計と反対)に周回するのがお勧めです。もみじの道を登り、ロックガーデンから育樹の丘、さくらの道を下ると、上から桜を見下ろすように観賞できて綺麗です。ソメイヨシノではありませんから、例年の見頃は4月中旬となります。A.M.
http://www.sakuramori.net/ekiraku2.html
http://www.shinchosha.co.jp/book/114109/
書くことは話すことよりも文の密度が要求されるので、レベルが高くなります。親しい友人に気楽なメールを打ったり、思いついたことをただ書き連ねることは、日頃の生活の中でもありますが、ここでいう「書く」行為は誰かに読まれることを前提としている文章を書くことです。そんな内容の濃い文章を書くためには、普段からいい文章を「読む」という鍛錬が必要となります。「読み」と「書き」は直接連動した行為だからです。
学年が上がってくると「小論文」を書くことが必要になってきます。しかし、実際に書いてもらうと、高校生はなかなか文章が進みません。たくさんの文章を読む経験を持たないからです。テーマに対する答の一つを思いついても、それを肉付けして膨らませることができません。ゴールは見つけられるのに、そこへボールを運んで蹴りこむことができないのです。
中学生のお子さまたちにとって、今必要なことは論理的な文章を読むという経験です。物語や小説のような情緒的な文章を読むことは無駄ではありませんが、ここで言う「読み」「書き」の鍛錬にはなりません。この春休みの指定図書や新聞の社説のような説明文を読むことから始めて、その要点を自分でまとめることの積み重ねが「書く」力をつけるためには必要になってくると思います。A.M.
朝夕はまだ冷えますが、日中は暖かくなりました。チューリップは冬の低温で休眠を打破されたのち、春の気温の上昇にともなってノーズ(幼芽)が伸びて、開花するようです。入学式には中央棟玄関前をチューリップとパンジーの花でいっぱいにできると思います。
55期生のみなさん、素敵な新学期を迎えるために、もうしばらく花の世話をお願いします。
春休みの課題は進んでいますか。明日で3月も終わりです。5冊以上の本を読むという課題も半分は済ませてほしいところです。特に今回は小説ではない本を指定しましたから、慣れていない人には大変かもしれませんね。情緒的に読み進めるものではありませんから。
さて、指定図書から「不都合な真実 AN INCONVENIENT TRUTH」を紹介します。昨年のノーベル平和賞をICPPのメンバーとともに受賞したアル・ゴアAl Goreが書いたものです。映画にもなりましたし、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。地球温暖化による生活環境の破壊が深刻化しています。温暖化問題の解決を図るためには、「知ること」「行動すること」「伝えて広げること」の3つが必要であると著者は語っています。まずは地球温暖化の状況を「知る」ために読んでみませんか。
http://www.randomhouse-kodansha.co.jp/futsugo/index.html
なお、学校全体でも環境教育について取り組んでいくことになりました。5月29日には「不都合な真実」の訳者でもある環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの講演を聴くことになっています。
/weblog00/archives/2008/03/post_597.html
日中はずいぶんと暖かくなり、校内で最初に花をつける校庭横の枝垂れ桜も五分咲きになりました。入学式の頃には校内の桜も満開になることでしょうね。
校庭横の枝垂れ桜(上)
学園講堂横の桜(下) いずれも3/28
前回は西宮・夙川でしたので、今回は大阪で桜を見る場所を紹介します。毛馬から桜之宮公園、OAP、泉布観から造幣局のあたりがおすすめですね。毛馬から桜之宮までの大川西岸は今から四月の初めまでソメイヨシノやヤマザクラが見頃になります。有名な造幣局の通り抜けは少し遅くて、今年は4月16日から22日ですね。この近辺には藤田美術館や造幣博物館などもあって、桜見物以外にも見どころはあります。JR大阪城北詰駅から天満橋まで歩いても2kmほどの距離です。
大阪まちあるき 桜で楽しむ 大川のきらめきと水辺を楽しむ春の風物詩 (2007)
http://www.osaka-info.jp/machiaruki/2007spring/sakura.html
藤田美術館
http://www.city.okayama.okayama.jp/museum/fujita/
造幣局 / 造幣博物館
http://www.mint.go.jp/sakura/torinuke/info.html
http://www.mint.go.jp/plant/museum.html
前回は「新聞の見出しを読む」、「コラムを短くまとめる」ということを紹介しました。なかなか本文を読むまでいけそうにないように思ったかもしれません。見出しや短い文章なら読めそうだが、難しい言葉が並んでいる評論文はとても読めない。いっぺんにたくさんの量を読むのは大変。春休みの課題なんてどうしよう…そう感じているお子さまも居るようです。
そのような場合には「キーワード」を見つけるようにするといいでしょう。キーワードは本の帯やカバーに注目すると見つかりやすいでしょう。著者や編集者の「この本はこういうふうに読んで欲しい」という思いの込められた部分ですから、キーワードが書かれていることが多いです。「前書き」や「後書き」のような全体を見わたす文章の中にもキーワードは見つかります。キーワードは文中に出てくる頻度が高いので、本文を読みながら、キーワードを見つけて印をつけていくようにすると、たくさんの文章が苦もなく読めるようになっていきます。
少し前に齋藤孝さんの「話し上手 聞き上手」を下敷きにしていると書きました。今書いている内容は、同じ著者の「読み上手 書き上手」を元にしています。言葉、特に母国語を使いこなす能力は、学力をつけていく上では重要なポイントになります。国語という教科は力がついているのかどうかが分かりにくいので、後回しにされやすい傾向にあります。それだけに意識的に取り組ませていただきたいと思います。A.M.
お子さまたちが熱心に世話をしてくれることもあって、今日はチューリップが咲きました。品種によって差はありますが、赤色の花だけではなく、黄色の花ももうすぐ開きそうです。
そろそろ桜の便りが聞かれるころとなりました。兵庫県では「夙川公園」が有名ですね。JR神戸線に新駅「さくら夙川」駅ができたことでも話題となりました。大阪府では去年の校外学習で行った「万博記念公園」や「造幣局の通り抜け」「毛馬桜之宮公園」などが有名です。季節を体全体で感じることはとても大切なことです。映像や言葉だけでは伝わらないものがあります。桜の季節は短いですが、この機会にお出かけになって、感じたことを親子で伝え合ってみるのはいかがでしょうか。
学校の枝垂れ桜はもう開き始めています。3/24現在
第42回西宮さくら祭
http://www.nishi.or.jp/homepage/kanko/sakuramatsuri2008/event/index.html
白鹿記念酒造博物館 春季特別展 笹部さくらコレクション 櫻男行状
http://www.nishi.or.jp/homepage/kanko/event/eventinfo.htm#hakusika
何をどれだけ読むかでしたね。まず、新聞を購読しているおうちでしたら、新聞に目を通す習慣づけから始めてはいかがでしょうか。端から端まで全部読み切るのは大変でしょうから、最初は見出しだけを拾いながら読んでいき、面白そうな記事だけ全文を読むようにしてもいいと思います。社会面も経済面も国際面も見出しだけは全部目を通すことが大切です。毎日眺めていると、話題になっている言葉が自然と脳に入ってくるようになります。
テレビのようなメディアでは映像に依存しているために、活字があまり使われません。情報源としては利用価値が高くても、読む力をつけるという目的には適さないと思います。携帯やインターネットのニュースサイトではどうでしょうか。実は新聞という活字メディアは目に入ってくる活字の量が非常に多いのです。インターネットで配信されているニュースは本文であってもそれほど長くありません。リアルタイムにニュースが更新されますから、新鮮な情報を手に入れるには効果的ですが、読む力をつけるという目的にはやはり適さないのです。
新聞に慣れてきたら、コラム(天声人語や青鉛筆など)を読むようにします。読んだら、筆者が一番伝えたかったことをできるだけ短くまとめます。もともとコンパクトにまとめられているコラムですが、これをさらに短くまとめることで、理解度がアップします。読めていなければ、趣旨がつかめていませんから、文章にはできません。コラムをまとめることができるようになれば、社説でも同じようにまとめる練習をしてみてください。3ヶ月程度でも毎日続けると、ずいぶんと読む力がつきます。 A.M.
今日は中学の卒業式でした。同じ三年間でも、中学生の時期ほど急激な変化を見せる時期はありません。今日卒業していった53期生の後ろ姿は、来月入学してくる56期生からは想像もできないくらい大人びています。しかし、三年前には彼らも56期生と同じ新入生だったのですね。さて、55期生も入学して一年が過ぎようとしています。毎日見ていると気づきにくいですが、ずいぶんと大きく心も体も成長しましたよ。
前回は「聴く力」・「話す力」について書きました。齋藤孝さんの「話し上手 聞き上手」を下敷きにしています。興味があれば、一度読まれることをお薦めします。ちくまプリマー新書ですので、読みやすいと思います。三分間スピーチや偏愛マップ,段取りシートなど、話をしたり聴いたりする能力をアップさせるアイデアがたくさん載っています。来年度以降のホームルームにも取り込みたいと考えています。
今回は「読む力」や「書く力」についてです。「話すこと」以上に「書くこと」は大変です。なぜなら文章は話し言葉よりも豊富な語彙が必要だからです。日常会話に出てくる語彙だけでは文章を書くことが難しいのです。話し言葉のように書かれている文章もありますが、実際に話をしているように感じさせているだけで、書く技術に工夫が凝らされています。その意味で、最近流行の携帯小説は使われている語彙が多いとは言えず、文章に深みを感じさせる作品が少ないように思います。
語彙を増やすには、まず文章を読むことです。毎日の生活の中で、活字に向かう絶対的な量が少ないと思います。本を読みなさいとお子さまたちに勧めているのは、語彙力を強めるために他なりません。持っている言葉の数が少なければ、理解できる範囲も狭く浅くなります。知識が乏しいという以前に、語彙が乏しいことが、学力向上の妨げになっているのではないでしょうか。では、何をどれだけ読ませるか。それは次回に書くことにします。 A.M.
前回は人の話を聴く力は大切だと書きました。聞いているつもりでも、聴けていない。聞き流しているということは大人の私たちにもないとはいえません。一生懸命に伝えようとしているときにそれを受け止めてもらえないと、伝える能力は育ちません。聴く力を育てるのは自分自身の意識と努力でできますが、話す力を育てるには周囲の協力が必要なのです。
話をできるようになるためには、途中で話を遮ったり、否定したりしない、安心して話せる相手がまず必要です。でも、実際のところ、繰り返しが多かったり、何を言いたいのか分からないのでは、聞いていても苦痛ですね。幼稚園児や小学校の低学年の子どもたちを相手にしたときに経験があるのではないでしょうか。それでも聴いてあげられるのは、親密な間柄だからですね。つまり、ご家庭での親御さんがそれに該当するのです。
もちろん、私たち教員も必要に応じて、ノンディレクティブなカウンセリング手法を取ることはあります。指示を与えるのではなく、クライアントから話を引き出していくことで、クライアント自身が課題に気付き、問題の解決をするように導くことは珍しいことではありません。いろいろな問題に直面し、悩むことの多い中学生ですが、話を聴いてあげるだけで気持ちが軽くなることも多いようです。
授業がない今の時期、お子さまたちの話を意識的に聴いてあげて欲しいと思います。別に話すことなんてないという態度を取っているかもしれませんが、話すことがないのではなくて、話し方が分からない,話すきっかけが作れないだけのことが多いのです。今、「話す」という表現力を身につけることが、生きる上でも大きな意味を持つと思います。A.M.
人間関係を構築するときに「話をするのがうまいかどうか」「話を聴くのが上手かどうか」ということは大切な要因になります。携帯やパソコンなどのツールが発達すればするほど、生のコミュニケーション能力の重要性は高くなってくるでしょう。お子さまたちは中学生ですから、話すことも聞くことも一通りのことができます。だから別に問題ないんだと勘違いしている可能性が大いにあります。
しっかりと話を聴くのは結構難しいです。1時間の説明をすべて漏らさずに聞き取るためには工夫が必要です。少なくともメモを取り、不明な部分を確認して補足しておく。大人だったらそうするのではないでしょうか。それでもその内容を2~3分で簡単にまとめて話すとなると、できるかどうか自信が持てないかもしれませんね。そんな大変なことをお子さまたちは日に6回、「授業」という時間に体験しているのです。毎日の授業の内容をしっかりと聴くことができているかどうか、お子さまによって差はあります。それが日々積み重ねられていくのですから、中高6年間のうちには大きな差となって表れてきます。だからこそ「聴く力」を身につけることは大切なのです。
お子さまがどの程度話を聞き取っているのかは、それを再生できるかどうかで確かめることができます。たとえば全校朝礼で学校長が5分程度の講話をおこなっています。「どんな内容だったか」を聞いたときに「なんだっけ」と首をひねっているようだったら、聞いているようで聞けてはいません。メモを取ることはできない状況であるとは言え、それほど多くを語る時間もありませんから、内容を簡単にまとめることはたやすいことであるはずです。それができていなければ、その10倍の長さ(50分間)受けている授業がどうなのか心配になりますね。明日のブログ講習会に参加されて、お子さまと同じ話を聞かれた上で、どんな内容だったかを話させてみてはいかがでしょうか。A.M.
春らしい良いお天気になりました。こんな日は外へ出て、のびのびと過ごして欲しいですね。増え始めたスギ花粉や強くなってきた紫外線の対策は必要ですが…
この一年間、学力を向上させるにはどうすればよいか。あるいは、中学生には何を読ませるべきかなど親御さんに提示してきました。もちろん、これだけで大丈夫という正解があるわけではなく、個々のお子さまの状況に応じて取捨選択は必要ですが、学校や学年で考えていることを軸にblogに書いてきたつもりです。私たち自身も指導力アップにつながる良い勉強をさせていただいたと考えています。
中高低学年(2年間)で身につけていただきたいことの一つが、「聴く」「話す」「読む」「書く」といったコミュニケーション能力です。お子さまたちも生まれてから十数年この国で生活していますから、日常生活で困ることはないと思います。しかし、それだけでは言葉に対する繊細さを身につけたことにはなりません。これからの時代を生き抜くためには何をどう鍛えていく必要があるのかを、しばらく掲載していこうと考えています。A.M.
昨日、第138回芥川賞・直木賞が発表されましたね。芥川賞には大阪出身の女流作家、川上未映子さんの「乳と卵」が選ばれていました。今日は冬休みもっとも多く読まれた指定図書「にごりえ・たけくらべ」の作者、樋口一葉について書こうと思いますが、川上さんが受賞作品を書くときに強く影響を受けたのが、樋口一葉の「たけくらべ」だったそうです。主人公の名前も「たけくらべ」から着想したようです。
生活に苦しみながら、「たけくらべ」「十三夜」「にごりえ」といった作品を 1年半で発表した樋口一葉は25歳で亡くなったため、多くの作品を残しているわけではありません。しかし、彼女の作家としての評価は非常に高く、5千円札の肖像画にも採用される結果となりました。
「たけくらべ」は、将来は遊女になる勝気な少女・美登利と龍華寺僧侶の息子で内向的な信如という幼なじみが、話しかけられないままにお互いを意識しながらそれぞれの道へ別れていくという内容です。下駄の鼻緒を切ってしまった信如に何も言わず端切れを投げた美登利。寂しい思いをしている美登利の家の窓に水仙を差し込んで僧侶の学校に入ってしまう信如。どちらも自分に素直になれないために、相手に思いが伝わらない歯がゆさを感じることと思います。ちょうど思春期にさしかかる中学生には心情がわかりやすいのではないでしょうか。A.M.
今日は灰谷健次郎について書きます。1934年神戸に生まれた彼は、大阪学芸大学(現・大阪教育大学)を卒業後、小学校で17年間教職に勤めます。その後、「兎の眼」で児童文学者としてデビューし、指定図書「太陽の子」のほか、「天の瞳」を発表しました。
指定図書の「太陽の子(てだのふぁ)」ですが、タイトルからもわかるように沖縄に関わる小説で、第1回路傍の石文学賞受賞作品です。2年後の研修旅行先でもある沖縄は南国のリゾート地というだけではありません。60年以上経った今なお戦争の傷跡が人々の心の中に残っていて、それがふとしたきっかけで表に出てくるのです。主人公のふうちゃんのお父さんも神戸の下町で琉球料理の店を営んでいましたが、心の中で戦争が続いているために心の病気になってしまいます。関西の言葉でテンポ良く書かれていてジメジメしていないので、読み進めやすいとは思いますが、読み終わった後に何か残るのではないかなと思います。研修旅行に行く前には読んでおいて欲しい作品の1つです。A.M.
今日はスタインベック John Ernst Steinbeck について書きます。1962年にノーベル文学賞を受けたスタインベックの代表作は「怒りの葡萄 The Grapes of Wrath」でしょうね。大干ばつと耕作機械によって土地を奪われた農民たちのカリフォルニアへの旅を描いた壮大な作品で、ヘンリー・フォンダが主演して映画化されました。指定図書の「二十日鼠と人間 Of Mice and Men」はその少し前に書かれた作品です。世界大恐慌時のカリフォルニア州が舞台で、2人の出稼ぎ労働者ジョージとレニーの悲劇の物語です。「怒りの葡萄」「二十日鼠と人間」ともに、1930年代の世界大恐慌という第二次世界大戦にもつながる事件が背景にあります。今の日本に生活する中学生にはすぐには想像しきれない状況かもしれませんね。
ジェームズ・ディーンが主演して有名になった「エデンの東 East of Eden」もスタインベックの作品です。聖書の物語と南北戦争から第一次大戦までの時代を背景に、カリフォルニアの一家族の歴史を描いた大作で、古い作品ではありますが一読の価値はあります。A.M.
今日は20名以上が読んでいたロマン・ロラン Romain Rolland について書きます。指定図書は「ベートーベンの生涯 Vie de Beethoven」でしたが、代表作はノーベル文学賞の対象作品でもある大河小説「ジャン・クリストフ Jean-Christophe」でしょう。ベートーベンをモデルにしたこの作品は非常に長いのですが、それだけに読後感は深いものがあります。
「ベートーベンの生涯」「ミケランジェロの生涯」「トルストイの生涯」と伝記を書いていたロマン・ロランが当時の西欧社会を描き出そうとした作品で、ドイツ・ライン川中流の小都会に生まれた音楽家クリストフを主人公に、3代にわたる100人を超える人物が登場します。岩波文庫から全4冊で出ています。本を読むことに慣れてきて、読む時間がふんだんにある中高生の時期に読んで欲しいですね。A.M.
週末までに提出された読書カードから、冬休み中の読書について状況を分析してみました。冬休みの課題は「指定図書リストに載っている作品を含め、3冊以上読もう」でした。提出された読書カードは586枚ですから、一人平均3.5冊読んでいる計算になります。思った以上に本を読むことに抵抗のない学年なので、感心させられます。
指定図書でよく読まれていたのは、次の4作品です。ロマン・ロラン Romain Rolland はフランス人,スタインベック John Ernst Steinbeck はドイツ系アメリカ人で二人ともノーベル文学賞作家ですが、かなり昔の人ですね。5千円紙幣で有名になった樋口一葉は明治時代の女流作家,灰谷健次郎は一昨年に亡くなられた児童文学作家です。思った以上にいろいろな作品へ関心を持ってもらえたように思います。
樋口一葉 | 「にごりえ/たけくらべ」 | 24名 |
ロマン・ロラン | 「ベートーベンの生涯」 | 21名 |
灰谷健次郎 | 「太陽の子」 | 20名 |
スタインベック | 「ハツカネズミと人間」 | 17名 |
今日は「七草」です。
古来中国では五節句の一つである「人日の節句」に7種類の野菜(七草)を入れた羹(あつもの)を食べる習慣があり、これが日本に伝わって「七草粥」となりました。日本では平安時代から始められ、江戸時代より一般に定着したと言われています。七種の行事は「子(ね)の日の遊び」とも呼ばれ、正月最初の子の日に野原に出て若菜を摘む風習がありました。
さて、春の七草を全部知っているでしょうか。芹(せり),薺(なずな),御形(ごぎょう),繁縷(はこべら),仏の座(ほとけのざ),菘(すずな),蘿蔔(すずしろ)の7つです。ほとんどが普段口にしない野草なので、あまり見慣れないかもしれませんね。芹はセリ,薺はぺんぺん草とも言われるナズナ,御形はハハコグサ,繁縷はハコベ,仏の座はコオニタビラコ,菘はカブ,蘿蔔はダイコンのことです。どんな植物かは図鑑をみてください。
邪気を払い万病を除くといった呪術的な意味ばかりでなく、御節料理で疲れた胃を休め、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補うという効能もあるとされています。今でこそ野菜が年中出回るようになっていますが、寒い季節に野草の新芽を摘みながら近づいてくる春の訪れを待ちわびている人々の心情を想像しながら、「七草粥」をいただいてみませんか。A.M.
名探偵シャーロック・ホームズとワトソン医師
1887年の今日、名探偵シャーロック・ホームズ Sherlock Holmes が初めて登場しました。
シャーロック・ホームズは小説家コナン・ドイル Arthur Conan Doyle が19世紀から20世紀にかけて発表した推理小説「シャーロック・ホームズシリーズ」の主人公です。天才的な観察眼と推理力を持つ私立・諮問探偵である彼はもちろん架空の人物です。ロンドンのベーカー街221Bにあるハドスン夫人所有のアパートで、相棒のジョン・H・ワトスン医師と共同生活をしていたことになっています。
コナン・ドイルは、史上初の推理小説「モルグ街の殺人」を書いたポー Edgar Allan Poe や、怪盗アルセーヌ・ルパンで知られるモーリス・ルブラン Maurice Leblanc とともに推理小説の代表的な作家ですから、名前を聞いたことはあると思います。最近はアニメ「名探偵コナン」のほうが知られているかも知れませんが…。作品を挙げておきますから、一度読んでみてはいかがでしょうか。「赤毛組合」や「まだらの紐」など短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に含まれる作品から読み始めると、比較的読み切りやすいと思います。A.M.
長編
緋色の研究
四つの署名
バスカヴィル家の犬
恐怖の谷
短編集
シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズの回想
シャーロック・ホームズの帰還
シャーロック・ホームズ最後の挨拶
シャーロック・ホームズの事件簿
「天平の甍」は鑒真来朝という天平時代の史実を元にして、極限に挑み木の葉のように翻弄される若き留学僧たちの運命を描いた歴史小説です。故国の便りもなく、無事な生還も期しがたい状況の中で在唐二十年の放浪の果てに、高僧「鑒真」を伴って故国の土を踏むことができたのは主人公の「普照」ただ一人でした。しかし彼は、東の果ての島国に仏法を伝えるために不帰の覚悟で海を渡った「鑒真」,「鑒真」招来のために命を賭けた「栄叡」,人生の全てを日本に送るための経典の書写に捧げた「業行」など多くの人々の理想や意志を受け継いでいたのです。 |
自動車「ヴォワチュレット」を運転するルノー Louis Renault
1899年の今日、"automobile"(自動車)という単語が、ニューヨークタイムズ紙の広告で初めて使用されました。これだけ普及していても自動車の歴史はまだわずか百年しかないのです。
最初の自動車とされているのは、フランス陸軍の技術大尉キュニョーが1769年に製作した蒸気自動車でしょう。時速約3キロしか出なかったにもかかわらず、パリ市内を試運転中に塀に衝突して大破してしまいました。蒸気機関で動いた最初の乗り物は、蒸気機関車や蒸気船ではなく、蒸気自動車でした。
キュニョーの失敗にも関わらず、イギリスでは1827年ごろから定期バスとして都市部や都市間で広く用いられるようになりました。1900年ごろにはアメリカ合衆国で、石炭の代わりに石油を使った蒸気自動車が作られ、普及していきました。この頃は街では電気自動車が静かで性能もよく最も用いられており、次いで蒸気自動車でした。ガソリン自動車はうるさく、また運転が困難だったようです。アメリカ合衆国では、1920年代後半まで蒸気自動車が販売されていました。
1876年にドイツのオットーがガソリンエンジンを発明しました。ダイムラーはこれを改良して、二輪車や馬車に取り付け、走行試験をおこないました。また、1885年にドイツのベンツは、ダイムラーとは別にエンジンを改良して、車体から設計した3輪自動車をつくりました。ガソリン式自動車の発明者はダイムラーとベンツの二人であると考えられています。
初期の自動車は手作りであるため非常に高価なものであり、貴族や大金持ちだけが所有できるものでした。1907年に、フォードが「フォード・T型」を発売しました。フォードは、流れ作業による大量生産方式を採用し、自動車の価格を引き下げることに成功しました。これによって裕福層の所有物であった自動車を、大衆が所有することが可能となりました。自動車が大衆に広く普及し、生活必需品化することを「モータリゼーション」といいます。日本では1964年の東京オリンピックの直後からモータリゼーションが進んでいきました。
自動車の普及と同時に交通事故による死亡者数は増加し、年間1万人以上が死亡する事態となりました。当時、戦争でもないのに膨大な人数が犠牲となることを「交通戦争」と表現していました。特に1970年は年間に1万6765人が死亡する史上最悪の年となりました。当時の犠牲者の多くは歩行者であり、特に幼児が半数以上を占めていました。昨年は5743人と減少しましたが、お年寄りが犠牲となるケースが多くなっています。また、負傷者に至っては年間100万人を超えていることを考えると、まだまだ改善の余地がある道具であると言えそうです。A.M.
諸説ありますが、一般的に今夜見る夢を「初夢」といいます。室町時代ごろから、吉夢(良い夢)を見るには、七福神の乗った宝船の絵に「永き世の遠の眠りの皆目覚め 波乗り船の音の良きかな」という回文の歌を書いたものを枕の下に入れて眠ると良いとされています。これでも悪い夢を見た時は、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しをします。初夢に見ると縁起が良いものを表すことわざが「一富士、二鷹、三茄子」なのは有名ですね。「四扇、五多波姑、六座頭」と続くそうです。
ところで、「七福神」とはどんな神さまが知っていますか。福をもたらすとされる「恵比寿」「大黒天」「毘沙門天」「弁才天」「福禄寿」「寿老人」「布袋」の七柱の神さまを指すのが一般的です。ただし、この組合せになったのは近年のことで、「吉祥天」や「猩猩」,「稲荷神」,「福助」などが含まれた時代もあるようです。
「恵比寿」は異邦より村に時たま訪れる外来の神「夷」であり、海の向こうからやってくる水の神だったものが蛭子命や事代主神と混同され、釣竿を持って鯛を釣っている姿で表されるようになったものです。「大黒天」は仏教の守護神の一人で、元々はヒンドゥー教のシヴァの憤怒の化身だったものが、大国主と混同され、米俵に乗り福袋と打出の小槌を持った微笑の長者形で表されるようになったといわれます。「弁才天」も仏教の守護神の一人で、元々はヒンドゥー教の女神サラスヴァティーです。「毘沙門天」は持国天・増長天・広目天と共に四天王の一尊に数えられる仏教の武神ですね。「福禄寿」は道教で強く希求される3種の願い(幸福・封禄・長寿)の三徳を具現化したもので、福星・禄星・寿星の三星をそれぞれ神格化した、三体一組の神だそうです。このうち、寿星は南極老人星(カノープス)とされ、禿げた長大な頭に白ひげをたくわえた老人で表されます。この寿星が単独で日本に伝わったのが「寿老人」です。「布袋」は中国唐末の明州(浙江省)に実在したとされる異形の僧「釈契此」に由来し、大きな袋を背負った太鼓腹の僧侶の姿で描かれます。
「七福神」は神仏習合からなる、いかにも日本的な信仰対象であるといえるでしょう。年末にも書きましたが、由来にこだわらずに外から来たものを取り込んで融合することが、この国の特徴です。「七福神」の中で日本古来の神は「恵比寿」だけ。しかも、異邦からの客神(まろうどがみ)なのです。閉鎖的と言われグローバリズムが叫ばれて久しいですが、そうでもないのではないでしょうか。
今夜「こばと」のように世界にはばたくような素敵な初夢を見てください。
明けましておめでとうございます。
一年の最初ですので、「暦」の話から始めたいと思います。
古代中国では、過去に関する記録を「歴」,現在から未来に関する記録を「暦」といい、これをともに扱う役職を「史官」といいました。今で言う歴史学者と天文学者を兼ねたような仕事です。また「暦」は未来を扱うものですから、予言的な性格を持ち、占星術と大きく関わっていました。
現在私たちが使っている「グレゴリオ暦」は1582年にローマ教皇グレゴリウス13世によって制定されたものです。日本では1872(明治5)年に採用され、同年12月3日を1873(明治6)年1月1日としました。
従来用いられた「ユリウス暦」では、通常の年(平年)は1年を365日とし、4年ごとに閏年をおいて366日として、平均年を365.25日としていました。しかし、実際の平均回帰年(太陽年)は約365.2422日であるため、ユリウス暦の方式では1000年ごとに約7.8日の誤差が生じてしまいます。そのため、比較的頻繁に補正する必要がありました。
これに対して、新たに定められたグレゴリオ暦では、平年は1年を365日とし、4年ごとに閏年をおいて366日とするところまではユリウス暦と同じですが、さらに調整を加えて平均年を365.2425日としました。この調整とは「西暦紀元(西暦)の年数が100で割り切れて、かつ400では割り切れない年は閏年としない。」というものでした。これによって、3000年に約1日の誤差となりました。3000年の間には地球の軌道や自転などの変化から異なる補正が必要となるので、十分な精度があると言うことができます。
今日は一年の最初です。新しいカレンダーをながめながら、今年やろうと思うことをいろいろと考えてみて欲しいと思います。夢をたくさん見ることは悪いことではありません。それを1つでも、2つでも現実に近づける努力をすることこそが成長につながるのです。55期生の皆さん、頑張りましょう。A.M.
全面に天人・獅子・唐草文様などの繊細な浮き彫りを施した宇治平等院の梵鐘。
「音の三井寺」,「銘の神護寺」,「姿形の平等院」と謳われ、神護寺・園城寺(三井寺)の鐘とともに「天下の三名鐘」に数えられている。
いよいよ大晦日となりました。今年の終わりは「除夜の鐘」で締めくくります。
除夜の鐘とは12月31日の深夜0時を挟んで寺院で撞かれる鐘のことです。NHKの「ゆく年くる年」といった番組でも放送されているので、聞いたことはあるでしょう。ちなみに「除夜」は「旧年を除く夜」という意味で大晦日(おおみそか)の夜を指す言葉です。
除夜の鐘は108回撞かれます。この回数にはいろいろな考え方があるようですが、私が昔、ある奈良のお寺の管長さんに聴いたのは次のような内容でした。「人間の体全体のはたらきには、眼・耳・鼻・舌・身・意の六根があり、それぞれに好(気持ちが好い)・悪(気持ちが悪い)・平(どちらでもない)の三種ある。また、人身に入って本来は清らかな心を汚すものには、色・声・香・味・触・法の六塵があり、それぞれに苦(苦しい)・楽(楽しい)・捨(どちらでもない)の三受ある。これで 6×3+6×3=36類。この36類を前世・今世・来世の三世に配当して108となり、人間の煩悩の数を表すのである」と。「煩悩」とは愛着や執着など、自分にとって離しがたい、捨てがたい感情や感覚のことだそうです。108回のうち107回は旧年(12月31日)のうちに、残りの1回を新年(1月1日)に撞くのだとか。
除夜の鐘を聞きながら、ご家族の方たちと今年一年を振り返り、新しい年を迎えてみてはいかがでしょうか。A.M.
1865年の今日、イギリスの作家キップリング Joseph Rudyard Kipling が生まれました。
少年時代にインドで過ごした経験から1895年に書かれた作品が「ジャングル・ブック」です。ディズニーアニメでは知っていても、原作を読んだ人は少ないようですね。7つの短編からなり、ベーリング海のアザラシを取り上げた第4話を除き、いずれも熱帯のジャングルに棲む動物達を主人公とした物語です。そのうちの第1話が、虎シーア・カーンに追われた人間の子供モーグリが狼に救われ育てられ、熊のバルーやヒョウのバギーラとも仲良くなり、幾多の冒険を経験して再び人間世界に戻る話で、ディズニーの下敷きになっています。
これ以外にも「アルマジロがアルマジロになったわけ」「ゾウのはなはなぜ長い」「ラクダのこぶはなぜできた?」など邦訳された絵本があります。個人的にはリスベート・ツヴェルガー Lisbeth Zwerger がエキゾチックな挿絵を描いていた「ラクダのこぶはなぜできた?」が印象に残っています(科学的な内容ではありません)。また、1907年に41歳でノーベル文学賞を受賞しており、最年少受賞記録となっています。作品や業績の割には日本で知られていない作家ではないでしょうか。A.M.
昨日は「御用納め」でしたね。クリスマスの喧噪が鳴りを潜め、年の瀬を迎えました。「歳神さま」を迎えるために「正月飾り」を飾り付けたり、「鏡餅」をお供えしたおうちも多かったのではないでしょうか。
「歳神(年神)さま」は毎年正月にそれぞれの家にやってくるとされている神さまです。正月飾りは歳神を迎えるためのもので、「門松」は歳神が来訪するための依代(よりしろ),「注連(しめ)飾り」は神域と外界とを隔てる結界(けっかい),「鏡餅」は歳神への供え物でした。民俗学者「柳田國男」によると、一年を守護する神、農作を守護する田の神、家を守護する祖霊の3つを一つの神として信仰した素朴な民間神が歳神であるそうです。(正月飾りについての詳しい説明は昨日の校長通信をごらんください)
/weblog00/archives/2007/12/post_507.html
数日前まで「キリスト教」のお祭りである「クリスマス」を祝っていたのに、「神道(民間信仰)」の習わし通りに正月飾りを準備して、「歳神さま」を迎える準備をしている。大晦日には「仏教」寺院で撞かれる「除夜の鐘」を聞きながら年越しをする。この一週間は日本人の曖昧な宗教観の表れのようです。しかし、どこの神さまでも受け入れることのできてしまうこの「寛容さ」が、ギスギスした世界情勢にとっての緩衝材として有効じゃないかなとも思います。報復感情ですぐに不安定になってしまう事態が今後は少しでも平和的に解決するように願ってやみません。A.M.
ほとんどのクラブが年内最後の活動となりました。校内では元気に部活動に参加している55期生を見かけました。今年も残すところ、あと3日です。来年の4月には、早くも後輩を迎えることになります。部活動を通して、他の学年の先輩や異なるクラスの友達との友情を育んだり、つらい大変なことも乗り越えてゆく強さを身につけたりと、逞しく頼もしく成長している様子が伺えました。
校内のみならず、校外の方々との交流も多くありますので、ますます積極的に部活動に参加してほしいと考えています。剣道部では稽古納めということで、大人に教わりながら米を研ぎ、餅をつき、まるめて頂きました。この冬休みに、様々な方々との交流、経験を積んでほしいですね。
(左)バレーボール部 (右)柔道部
(左)剣道部 (右)バスケットボール部
EDVACと同時期にケンブリッジ大学で開発されたEDSAC
棚に置いてある缶のようなものは真空管です。
1903年の今日、ジョン・フォン・ノイマン John von Neumann が生まれました。
1945年にノイマンが現在のコンピュータの動作原理である「ストアードプログラム方式」を発表したので、以降「ノイマン型アーキテクチャ」とよばれるようになりました。そのときジョン・エッカートやジョン・モークリーとともに開発していたEDVAC(Electronic Discrete Variable Automatic Calculator)は約 6,000本の真空管と約 12,000個のダイオードが使われていて、7,850kgもの重さがあり、今のコンピュータとはぜんぜん様子が違います。今の中学生は「真空管」を知らないかもしれませんね。
この時期に開発されたコンピュータが航空宇宙工学,物理学,気象学,経済学などさまざまな分野の学問に大きな影響を与えました。しかし、ノイマン自身はオッペンハイマーとともにマンハッタン計画に参加するなど、核兵器開発に従事し、コンピュータ開発からは遠ざかってしまいました。A.M.
ロンドン・ケンジントン公園にある銅像
1904年の今日、ジェームス・バリー Sir James Matthew Barrie の童話劇「ピーター・パン Peter Pan」の初演がロンドンでおこなわれました。ディズニーやミュージカルで有名なこの作品も最初は戯曲の形で発表されました。「ピーター・パンとウェンディ」は、「二年間の休暇」「海底二万哩」「三銃士」などと同時期に福音館の古典童話シリーズで読んだ記憶があります。「うさこちゃん(ミッフィー)」や「くまのプーさん」と同じ石井桃子さんの訳でした。今はこのシリーズが文庫本になって、入手しやすくなりましたね。
ピーター・パンはロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちて迷子となったことから年を取らなくなり、海賊フック船長やインディアンのタイガーリリーが住む異世界ネヴァー・ネヴァー・ランドに移り住んで妖精ティンカーベルと共に冒険の日々を送る永遠の少年です。ネヴァー・ネヴァー・ランドにはピーターと同じように親とはぐれ年を取らなくなった子どもたち(ロストボーイ)がおり、ピーター・パンは彼らのリーダー的な存在でした…。
ディズニーだとピーター・パンの冒険や活躍がおもしろおかしく描かれていたように思いますが、原作ではバリーが後書きで「おとなのために書いた作品」と書いているように、けっして子ども向けの作品ではありません。純粋で一途な反面、善悪やけじめの見境がなく身勝手な子どもを象徴しているピーター・パンに対して、狡猾で頭の切れる海賊であると同時に合理的で紳士な一面も持つジェームズ・フック船長は大人を象徴しています。今まさに子どもから大人へと変化する過程にいる中学生の君たちに読んで欲しい作品です。A.M.
1606年の今日、シェイクスピア William Shakespeare の悲劇「リア王 King Lear」がロンドンのグローブ座で初上演されました。 「リア王」は、「ハムレット」,「マクベス」,「オセロ」とともにシェイクスピアの四大悲劇の一つです。
シェークスピアは「ロミオとジュリエット」,「ヴェニスの商人」,「夏の夜の夢」,「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残したことで知られ、英語圏では知っておくべき古典の一つと考えられています。シェイクスピア戯曲は今もなお世界各地で数え切れないほど上演され続けています。日本では蜷川幸雄がシェイクスピアの全作品を上演しようとしています。ちょうど「リア王」を梅田のシアター・ドラマシティーで来年2月22日から3日間上演するようです。
ブリテンの王であるリアは高齢のため退位するにあたり、国を3人の娘に分割し与えることにしました。長女ゴネリルと次女リーガンは言葉巧みに父王を喜ばせましたが、末娘コーディリアの率直な物言いに激怒したリアはコーディリアを勘当し、コーディリアをかばったケント伯も追放されてしまいます。コーディリアは勘当された身でフランス王妃となり、ケント伯は風貌を変えてリアに再び仕えます。
リアは先の約束通り、二人の娘ゴネリルとリーガンを頼りますが、両方から裏切られ荒野をさまようことになってしまいます。リアを助けるため、コーディリアはフランス軍とともにドーバーに上陸し、老父と再会します。しかし、フランス軍は敗れ、コーディリアは捕らえられ殺されてしまいます。リアはコーディリアの遺体を抱いたまま、絶叫し世を去ってしまうのでした。
ハッピーエンドに書き換えた子ども向けの本もあるようですが、中学生ですから悲劇のまま読んで、5幕からなるシェークスピアの壮大な作品に向き合って欲しいと思います。400年も前の作品ですが、今なお上演されるだけの内容を持っています。これこそ古典作品の凄みではないでしょうか。A.M. / M.N.
今日はクリスマスですね。
ゆうべサンタさんはあなたの元を訪れましたか?
1926年(昭和元年)12月25日、浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)の助教授高柳健次郎がブラウン管による電送・受像に世界で初めて成功しました。送像側に機械式のニプコー円板,受像側に電子式のブラウン管を用いて、片仮名の「イ」の文字を送受像するというものでした。ブラウン管の走査線数は40本といいますから、かなり粗いものだったようです。(今のテレビ放送の有効走査線は480本,デジタルハイビジョンが1080i/720p本です。)
1940年に開催が予定されていた東京オリンピックのテレビ中継のために研究・実験が進められていましたが、日中戦争によってオリンピック開催は返上となり、研究も一旦中断されました。結局、国産第1号の白黒テレビがシャープから発売されたのは1953年のことでした(サイズは14インチ、価格は175,000円)。この年にNHKが本放送を開始しました。1956年の経済白書によれば「もはや戦後ではない」と言われ、神武景気を代表とする本格的に日本経済が立ち直っていった時期になります。この当時、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫という3種類の家電を「三種の神器」といいました。
また、国産初のカラーテレビが東芝から発売されたのは1960年のことでした(サイズは17インチ、価格は42万円)。1960年代半ばの高度経済成長時代には、カラーテレビ(Color television) ・クーラー(Cooler) ・自家用車(Car)の3種類の耐久消費財が「新三種の神器」と呼ばれるようになりました。英語の頭文字がみなCであることから「3C」とも呼ばれたようです。
生活が豊かになることが幸せになると信じていた高度経済成長時代から40年。確かに物はあふれるようになりましたが、私たちは幸せになったのでしょうか。あなたは昨夜、サンタさんからプレゼントをもらえたことに幸せを感じましたか。A.M.
冬休みに入りましたので、今日からはお子さまにも読まれることを意識した内容にしています。
今日はクリスマス・イヴ Christmas Eve ですね。「イヴ(eve)」は「evening(夜、晩)」と同義の古語「even」の語末音が消失したものですから、正確には「今夜は…」ということになります。クリスマス・イヴにはクリスマスケーキや鶏(七面鳥)を家族で囲んで食べることになっています。また子供にとってはこの夜、サンタクロースがプレゼントを持って来てくれる嬉しい日となっています。
8歳の少女ヴァージニアが新聞社に出した「サンタクロースっているんでしょうか」という手紙に対するニューヨーク・サンの社説は有名ですね。1897年のクリスマスですからもう110年も前のことになります。分からないことがあったら新聞社のコラム Question and Answer column に手紙を出すように勧めたのはお父さんだそうです。少女の素朴な疑問に対して真剣に向き合った社説の論説委員チャーチもすばらしい人だと思います。そんな素敵な大人たちに育まれたヴァージニアはColumbia大学の大学院で修士号を取得し、1912年から教壇に立つ先生となりました。最終的には校長先生にまでなり、47年も教育者として活躍したそうです。
The most real things in the world are those that neither children nor men can see. (この世で最もたしかなことは大人にも子どもにも見えないものなのです。)という一節は、傲慢になってきている人間が一瞬でも謙虚になることの大切さを意味しているのではないでしょうか。
http://www.newseum.org/yesvirginia/
偕成社から日本語訳も出ています。東逸子さんの挿絵が素敵な絵本です。
A.M. / M.N.
中学校舎の横で燃えるような黄葉を見せていた銀杏もすっかり葉を落としてしまいました。シンボルツリーのメタセコイアも冬に備えているような風情をみせています。昨日は冬至。学校もすっかり冬景色になってしまいましたが、その中で55期生が新入生のために植えたパンジーやチューリップは静かに春の準備をしています。
手前(右)がパンジー,後ろの何も植わっていないように見えるのがチューリップです。
土の上をよく見ると、ニョキっと先の赤い芽が伸び始めていました。
降り注ぐ雨が少しずつ植物を育てているのですね。
ケストナーは「エーミールと探偵たち」「ふたりのロッテ」「点子ちゃんとアントン」などの児童文学作品を書いていますので、読んだことがあるかもしれません。「ふたりのロッテ」は劇団四季が子ども向けのミュージカルを上演していました。DVDで出ている「飛ぶ教室」はケストナーを下敷きにしていますが、かなり脚色しています。A.M. |
昨年度(2006年度)の学力推移調査全国集計結果から、「身につけたい習慣」を取り上げています。今日は、「部活動と学習の両立」についての分析です。過去3回と同様に、2006年度中学3年生秋での結果を比較しています。成績別に集計すると、偏差値60以上のA層と偏差値45以下のD層とでは次のように違います。
A層 偏差値60以上 | D層 偏差値45以下 | |
両立ができている | 46% | 17% |
学習時間が確保できない | 6% | 12% |
疲れて学習に集中できない | 16% | 29% |
部活動との両立ができているかどうかが成績に影響しています。しかし、部活動との両立ができなければやめさせればいいという意味ではありません。中高生にとってはいろいろな経験をすることが大切です。部活動は教室での学習活動とは異なる経験の場です。「学習時間が確保できないことを解決するにはどうするか」「疲れて集中できないことをどう克服するか」、いかにして両立させるかを考えさせて欲しいと思います。大人からのアドバイスを聞きながら、いろいろと試行錯誤することで、お子さまは問題解決能力が身につき成長していきます。そして自力で問題が解決できたときに達成感が得られるのです。悪戦苦闘しているお子さまをみていると、つい助け船を出してしまいたくなる親心はわかりますが、お子さまを逞しく育てるためにも、温かく見守っていただければと思います。
今週火曜日から個人懇談が始まります。そこでは55期生の現状を分析した詳細な資料をお渡しして、お話しをさせていただきます。A.M. / M.N.
昨年度(2006年度)の学力推移調査全国集計結果から、「身につけたい習慣」を取り上げています。今日は、「学習でわからないときの対応」についての分析です。過去2回と同様に、2006年度中学3年生秋での結果を比較しています。わからないことがあった時にどのように対応するか、成績別に集計すると、偏差値60以上のA層と偏差値45以下のD層とでは次のように違います。
A層 偏差値60以上 | D層 偏差値45以下 | |
教科書・参考書で調べ、自力で解く | 32% | 16% |
塾で教えてもらう | 10% | 19% |
そのままにしておく | 2% | 8% |
わからない問題があったときに「そのままにしない」という点では、成績によってそれほどの違いはないと思われます。ここでは示しませんでしたが、友達や家族に教えてもらう割合も30%でほとんど差がありませんでした。ただ、「塾で教えてもらう」割合は学力上位者では高くありません。「一度、自分で考えさせる」習慣をつけることや、定期考査後の復習も「理解できるまでさせる」ことが重要なようです。中間考査が終わりました。今日からの学習が大切なのだと思います。A.M. / M.N.
昨年度(2006年度)の学力推移調査全国集計結果から、「身につけたい習慣」を数回に分けて取り上げていきます。今日は、いつから自宅学習を始めるかについての分析です。
前回同様、2006年度中学3年生秋での結果を比較しています。帰宅後いつから学習を開始するか、成績別に集計すると、偏差値60以上のA層と偏差値45以下のD層とでは次のように違います。
A層 偏差値60以上 | D層 偏差値45以下 | |
自宅学習はしない | 5% | 15% |
寝る前 | 15% | 20% |
夕食をとってから | 48% | 30% |
A層 偏差値60以上 | D層 偏差値45以下 | |
23時~24時 | 76% | 70% |
25時~26時 | 14% | 19% |
お子さまに毎日つけてもらっている学習記録表はファイリングされて手元にあると思います。きちんと記録がされていないのは問題外ですが、一度、就寝時刻をみていただきたいと思います。机に向かっている時間は長くなったのに結果が思わしくない場合、夜遅くなってから自宅学習を始めているのではありませんか。A.M. / M.N.
昨日は午後から中之島でおこなわれた「中高一貫校指導研究会」へ担任2名で研修に行ってきました。詳細は18日からの個人懇談で、第2回学力推移調査の結果とともに資料としてお渡しする予定にしています。今日はその中から、学力を伸ばすための指標として、「学習時間」を取り上げます。
昨年度(2006年度)の学力推移調査全国集計結果では、学習時間に次のような変化が見られます。
Benesse 中高一貫校指導研究会2007年12月8日資料より
中学1年では、小学校での塾中心の学習から、中学校での授業中心の学習への転換期なのですが、その生活習慣・学習習慣のギャップに悩む時期です。それがうまくいかないと中学2年での学力・習慣の2極化につながり、中学3年から高校1年にかけて高校入試がないために学習意欲や学習時間の低下を引き起こしているというのが、一般的な中高一貫校の課題であると言われています。
中学3年生秋での結果を比較すると成績との相関は顕著に表れてきます。授業がある日の学習時間を成績別に集計すると、偏差値60以上のA層と偏差値45以下のD層とでは次のように違います。
A層 偏差値60以上 | D層 偏差値45以下 | |
ほとんどしない | 12% | 34% |
1時間30分 | 18% | 10% |
2時間 | 22% | 10% |
中学1年生では平日1時間30分~2時間、休日3時間の学習時間を確保させる習慣を確立させることが大切だといえましょう。また、今年のうちに塾中心の学習スタイルから授業中心の学習スタイルに転換させることも重要なポイントであることは言うまでもありません。A.M. / M.N.
今日紹介する本は、ダルトン・トランボ Dalton Trumbo の「ジョニーは戦場へ行った」です。第二次世界大戦が勃発した1939年に書かれたこの作品は、ベトナム戦争がおこなわれていた1971年にトランボ自身によって同名の映画にもなりました。第一次世界大戦でヨーロッパ戦線に送られたジョニーは、目や耳、両手両足を失う重傷を負い、<姓名不詳重傷兵第407号>として、前線の手術室に横たわっています。出征前の記憶が巡り、やがて自分のおかれている状況に気付いた彼は、枕に頭を打ちつけて、SOSのモールス信号を送り始めます…。 映画はあまりに生々しくて中学生のお子さまに見せるにはショッキングな映像かもしれません。文章を追うだけでも、十分に戦争の異常さが伝わるだろうと思います。戦争に対してどのような考え方を持つかは個々に違うでしょうが、バトルゲームとは全く異質な現実を知っておくことは必要ではないでしょうか。A.M. |
初々しさや若さ、青臭さが感じられる短編小説です。感化院の院長に促されて出場した長距離走で、スミス少年がわざと負けることで、権威や社会体制の欺瞞と決別しようとするという内容は、ともすると世の中に流されているだけと感じている中高生にとって、どういう生き方をすればいいのかを考えるきっかけをつくってくれるかもしれません。A.M. |
ラテン語学校に通う10歳の少年シンクレールはつまらない嘘のために不良少年フランツ・クローマーの手下にされてしまうが、その窮地を救ってくれたのが老成した年上の少年デミアンだった…主人公シンクレールは第一次世界大戦後にヘッセ自身の辿った精神的な遍歴を投影したものです。既成の価値観を受容できずに荒れ、自分の感性をたよりに理想を追い求め、他人や自分をも傷つけながらも自分の内面を見詰め直す時期にさしかかるちょっとおませな中学生たちにお薦めです。A.M. |
今年話題になった「国家の品格」の著者として知られる藤原正彦は、お茶の水女子大学理学部で教鞭をとる数学者です。その藤原正彦が1970年代にアメリカへ研究員として招かれたときの孤独や苦悩を描いた体験記が「若き数学者のアメリカ」です。この作品は第26回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した、彼のデビュー作といってもよい作品です。「遙かなるケンブリッジ-一数学者のイギリス-」とは異なり、「向上心」をもってひたむきに過ごした青春が描かれているので、中学1年生にも伝わりやすいと思います。父親の新田次郎から文章修行を励まされて独特の随筆スタイルを確立した著者の作品を1つは読んでおいて欲しいと思います。A.M. |
肺病にかかった貧しい画家は窓辺から見えるツタの葉がすべて散ると自分の命もつきると思っていたが壁に描かれた決して落ちない葉に救われるというストーリーは、「善意の嘘」をテーマにしています。子どもの時には嘘は良くないと教えられてきたお子さまたちが中学生になって、相手のことを思いやる気持ちが嘘をつかせることもあると分かってくれるでしょうか。素直さや正直さを失わないことは大切ですが、人生はそれだけで判断できなくて、少しだけ複雑だと気付いてくれるといいなと思います。 オー・ヘンリーはこれ以外にも「賢者の贈り物 The Gift of the Magi」「警官と讃美歌 The Cop and The Anthem」「よみがえった改心 A Retrieved Reformation」など秀逸な短編を数多く書いています。中学1年生では難しいかもしれませんが、英文の原作を読むことをお薦めします。A.M. |
「竽(う)」という管楽器が印象的でした。雅楽で使われている「笙」に似ているのですが、それよりも一回り大きいようです。壺は黒漆が塗られ、側面には笙を奏でる迦陵頻伽、宝相華、蝶、花、雲などが、底には花鳥文、吹管に花・蝶文が装飾されているところに華やかさを感じました。他の宝物もそうですが、当時の豪華さやきらびやかさが長い年月の間にずいぶん失われているものの、部分的には残されています。「紫檀金鈿柄香炉」や「金銀平脱皮箱」などじっくりと眺めると、天平の華やかな都の薫りが伝わってくるようじゃありませんか。A.M. 「第59回正倉院展」 奈良国立博物館 11月12日(月)まで 大人1000円,中学生400円 (平常展含む) 毎年、大変混雑します |
さて、今日は白樺派の代表作家である志賀直哉の短編小説を紹介します。森鷗外や芥川龍之介ともに今回の課題図書としてお子さまにお渡ししています。今週はB組のお子さまが読んでいます。志賀直哉の作品は無駄のない文章が特徴で、小説の文体のひとつの理想と見なされるくらいに評価が高く、彼自身が「小説の神様」と称されています。長編小説である「暗夜行路」が有名ですが、中学生に読みやすいのは、瓢箪をこよなく愛する無垢な少年と周囲の無理解なおとなたちを描いた「清兵衛と瓢箪」やお人好しの間者が国許へ帰るために夜逃げを企てて起こす騒動を描いた「赤西蠣太」などの短編小説ではないでしょうか。山手線の電車にはねられた『自分』がイモリなどの動物の死と命拾いした『自分』について考える「城の崎にて」は少し題材が重いかもしれませんね。A.M. |
さて、今回は大正期の作家「芥川龍之介」の短編集を紹介したいと思います。特に初期の作品は説話文学を元にしており、読みやすいのではないでしょうか。「羅生門」「鼻」「芋粥」は今昔物語集を題材にしていますし、「蜘蛛の糸」はポール・ケーラスの「カルマ」を邦訳した「因果の小車」、「杜子春」は中国・唐の時代の古典、「杜子春伝」を下敷きにしています。芥川は東京大学の英文科を卒業しているので、西洋や東洋の文学に精通していたようです。滑稽なくらい長い鼻をもつ僧侶・禅智内供が何とか短くしようと悪戦苦闘する「鼻」や、地獄に堕ちた男カンダタが救いの糸をつかむものの、自分だけが助かりたいというエゴイズムのためにまた地獄へ堕ちてしまう「蜘蛛の糸」、大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然の中で生きることに幸福を見つける「杜子春」などが中学生には感情移入しやすくてお薦めです。A.M. |
最初に紹介する作品は、明治から大正時代に活躍した文豪、森鷗外の短編集です。「山椒大夫」「高瀬舟」「阿部一族」「最後の一句」などはどこかで耳にしたことのある作品だと思います。短編ですから、比較的短時間で読み切りやすいです。鷗外が晩年期に書いた作品はどれも簡潔で力強い文体です。ライトノベルのように簡単にハッピーエンドにはなりません。「高瀬舟」では弟殺しの罪に処せられた男の心情を綴り安楽死の問題を投げかけてきますし、安寿と厨子王で有名な「山椒大夫」は家族愛や兄弟愛を描いた作品です。「最後の一句」で少女が投げかける「お上の事には間違いはございますまいから」という一言にはドキリとさせられることでしょう。鷗外の作品に興味が持てれば「舞姫」も井上靖の現代語訳でいいですから、ぜひ読んで欲しい作品です。A.M. |
「問題解決能力(Problem Solving Skill)」という言葉を聞いたことがありますか。筆者はアメリカでクリティカル・シンキング(批判的思考)を教えられ、マッキンゼーで体系的なトレーニングを受けることで身につけたとのことです。問題の本質を明確化し、解決案を具体的な打ち手まで落とし込み、行動を起こす能力が「問題解決能力」である。「理解できること」と「使いこなせること」の間には大きなギャップがあるので、ただ本を読んだだけでは身につかないとも書いています。 本校では「世界的な視野を持ったクリエイティブな人材の養成」を目標にしています。主体的に考え、行動する人材を育てるには、「問題解決能力」を身につけ、考え抜く経験を積み重ねることが必要ではないかと思います。そのための第一歩として、この本を親子でお読みになることをお薦めします。A.M. |
さて、今日はガラス工芸の作品展を紹介します。高島屋大阪店7Fグランドホールで藤田喬平の「雅の夢とヴェニスの華展」が開かれています。会期が22日(月)までですので、あまり日がありませんが、大阪ミナミに出る機会があれば、ぜひ見ていただきたいと思います。特に「飾筥(かざりばこ)」は江戸時代・琳派の装飾様式をガラスによって甦らせた独特の作品で、とてもガラスでできているとは思えないような作品です。「飾筥」以外にも「追う風」「虹彩」など東京国立近代美術館に収蔵されている作品を見ることができます。A.M. |
今回は池間哲郎の「あなたの夢はなんですか? 私の夢は大人になるまで生きることです」を紹介します。タイトルだけでもずいぶん衝撃的ですが、内容はさらに深刻です。物の豊かな先進国日本に住んでいる私たちにとってごく当たり前の生活が夢にしかならない地域があることを知るのですから。
著者はゴミの山「スモーキーマウンテン」でゴミを拾って生活しているフィリピンの子どもを写真やビデオに撮って日本に紹介するとともに、苛酷な状況でも逞しく生きている子どもたちを支援する活動をおこなっています。その中でボランティア活動には大切なことが3つあるといいます。1つめは「世界の現状を理解すること」、2つめは「優しい心を少しだけ分けること」、3つめは「自分自身がまず一生懸命に生きること」だと言っています。人のため、社会のために何かする前に、まず自分のためにしっかりと生きることが大切なのですね。
物が豊かな先進国に住んでいて、豊かさゆえに「命の尊さ」や「生きることの大切さ」といった心の豊かさを失っているのかもしれません。貧しさの中で一生懸命生きている子どもたちに心の豊かさを教えてもらうことと交換に自分たちができることを考えることをボランティア活動というのではないでしょうか。そんなことを考えさせられる本です。続編に「あなたの夢は何ですか? part2僕の夢は人間になることです」が出ています。A.M.
今回は学園から近いところにある美術館を紹介してみようと思います。池田にある逸翁美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。阪急池田駅から歩いて10分くらいのところにあります。阪急グループ創始者である小林一三(雅号・逸翁)の茶道,日本・東洋美術コレクションを旧邸宅「雅俗山荘」に展示・公開しているもので、開館して50年にもなります。
約5000点ものコレクションを収蔵しており、鎌倉時代の「佐竹本三十六歌仙切 藤原高光」や江戸時代の画家・呉春の「白梅図屏風」など15件の重要文化財があります。中学生だったら与謝蕪村筆「奥の細道画巻」を見て欲しいなと思います。また、建物も日本で建てられた洋風建築のような趣きで見ていて飽きません。展覧会開催中の土日にはお茶をいただける茶室もあります。(一服500円)移転計画が出ているので、来年4月に一度今の建物は閉鎖することが決まっています。それまでに一度足を運んで欲しい場所の一つです。A.M.
逸翁美術館 秋季展「開館50周年特別記念展」
http://www.itsuo-museum.com
前期は10月21日(日)まで、後期は10月27日(土)~12月9日(日)
前後期入れ替え(10月22日~26日は休館)
一般700円,中学生200円
今日は福澤諭吉の「学問のすゝめ」を紹介します。岩波文庫からも講談社学術文庫からも出ていますから入手は容易だと思います。冒頭の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」は知っているしょうが、生来平等な人間に差異をもたらす学問の意義を平易な文章で説いた本書を読み通したことがある人はそれほど多くないのではないでしょうか。明治期に書かれたのですが、今なお内容が古びていないのには驚かされます。学問の意義、国家と法、西洋思想、独立自尊、国際社会における日本など今の啓蒙書でもありそうな章立てで、慶応義塾大学の学生でなくとも読んでおく価値は十分にあります。
また、福澤諭吉は大阪に縁のある人物です。2~3年の短かい期間でしたが、大阪の適塾で学んでいました。適塾は緒方洪庵が開いた蘭学塾で、福澤諭吉だけではなく、大鳥圭介,橋本左内,大村益次郎,長与専斎,佐野常民,高松凌雲など、幕末から明治維新にかけて活躍した多くの人材を輩出しました。明治維新後は、大阪医学校(現在の大阪大学医学部)に引き継がれ、その幕を閉じました。適塾の建物は現在も大阪大学によって保存されており、一般公開されています。大阪の学問の系譜を知るために、こちらを訪れるのも悪くないかもしれませんね。
適塾 http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/tekijuku/index.html
A.M.
2回続けて比較的最近の哲学書を取り上げました。今回紹介するのはすでに著されてから四半世紀が経つ本です。岩波書店から出ている吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」を紹介します。私が読んだのは大学生の頃だったと思います。多感な中学生コペル君が主人公として登場するストーリーで問題を提起します。コペル君のことについて記した"おじさんのNOTE"ではそれを整理する形でまとめられていて、とても読みやすく仕上げられています。セピア色のような昭和初期の少年たちの日常生活ですが、今でも一読の価値はあると思います。A.M.
先日、大阪中之島にある東洋陶磁美術館に行ってきました。東洋陶磁美術館の収蔵品の中核が25年前に住友グループから大阪市に寄贈された安宅コレクションです。今回訪れた目的は、特別展 「美の求道者・安宅英一の眼 - 安宅コレクション」に出品されている「飛青磁花生」や「油滴天目茶碗」を見ることでした。中央公会堂のすぐそばに立つ東洋陶磁美術館はあまり混雑しないので静かにゆっくりと鑑賞できました。10月1日から3月末までの半年間は休館になる予定です。
さて、今日紹介するのは奈良・学園前にある松伯美術館です。ここには上村松園・松篁・淳之三代にわたる作品が展示されています。気品ある格調高い女性像を描き続けた松園、近代的造形や色彩感覚を取り入れた花鳥画を描いた松篁、東洋独自の絵画表現を模索しながら花鳥画を描き続ける淳之と描くテーマは異なりますが、美の伝統が脈々と息づいています。学園前までは近鉄難波から30分ほどの距離です。少し足を伸ばしてみてはいかがですか。A.M.
前回は「14歳の君へ」という哲学の本を紹介しました。哲学というと難しそうなイメージがあると思いますが、「知を愛する philosophy」という言葉が示すように、物事を知りたいという強い願いを果たすための学問なのです。私たちが何かを知るということは、私たちがそれまで生きていた世界の有り様が違って見えるようになるということだと思います。問題をスルーしても生きていくことができるのでしょうが、そこで立ち止まって考えることができる人間こそが、将来自分の考えで逞しく生きていくことができるのではないでしょうか。
今回は池田晶子さんと同じ慶應義塾大学文学部出身の永井均さんの作品を紹介します。私は講談社現代新書の「<子ども>のための哲学」を読んだのですが、紹介するのは中学生でも読みやすい「子どものための哲学対話―人間は遊ぶために生きている!」 です。10年くらい前に講談社から出た本ですが、今でも入手はできると思います。平凡な少年である「ぼく」が考え込んでしまった40の疑問に対して、猫の「ペネトレ」が一緒になって考えてくれる対話形式の文章は中学生にも読み進めやすいと思います。 この夏にちくま学芸文庫から出た「翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない」よりはこちらの方を勧めます。A.M.
秋分の日、お彼岸の中日です。「今年は暑さ寒さも彼岸までという言葉が当てはまらないなぁ」と思っていましたが、夕方には冷ややかな秋の気配が漂ってきました。私は今日は夕陽丘にある一心寺に仏画を見に出かけてきました。司馬遼太郎が「夕陽丘から見る夕陽は美しい。──大阪の名所をあげよといわれれば、この崖ではないか。」と書いたところです。確かに上町台地の南端からですから、西に広がる大阪湾が一望できそうです。仏教には夕陽を見て極楽浄土に想いをはせる「日想観」という修行があるそうですが、機会があれば、大阪湾に沈む夕日を見に出かけようと思いました。
さて、今日紹介するのは、この夕陽丘に近い天王寺公園にある大阪市立美術館で開かれている「上海 -近代の美術- SHANGHAI MODERN」です。19世紀後半から20世紀初頭に上海で花開いた美術作品を収蔵している台湾・故宮博物院や鴻禧美術館からの作品に、国内の所蔵品をあわせて展示しています。書や篆刻など中国の芸術は古くから日本の文化にも大きく影響を与えてきましたが、近代以降は西洋の影響が強く、お子さまたち中学生には逆に新鮮に写るかもしれません。
大阪市立美術館
一般:1000円,中学生は無料(生徒手帳を提示)
http://osaka-art.info-museum.net/special019/special_syanhai.html
明日で前期は終了しますが、26日から10月24日まで作品を入れ替えて後期が始まります。一度、天王寺に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。この春にはギメ東洋美術館所蔵の浮世絵が展示されていましたし、上海の後は「BIOMBO/屏風 日本の美」が企画されるなど、話題性が高い展覧会をおこなっています。A.M.
芸術の秋は、物思いの季節、読書の秋でもあります。試験が近づいてきてなかなか本を読む気にはなりにくいかも知れませんが、勉強に疲れたときに手にして欲しい本もあります。今回はそんな本を1冊紹介します。中学生を対象に書かれた文章ですが、中学1年生は精神年齢に幅がありますから、全員が読めるわけではありません。どちらかというと前もって親御さんに読んでいただきたいと考えています。
今回紹介する本は池田晶子さんの「14歳の君へ-どう考えどう生きるか」(毎日新聞社)です。「14歳からの哲学-考えるための教科書」の著者でもある池田晶子さんは慶應義塾大学文学部哲学科卒業。専門用語を使わずに日常の言葉を用いて「哲学するとはどういうことか」を語る気鋭の哲学者です。残念ながら、今年2月にがんで亡くなられてしまいましたが、短い人生の間に書かれたこれらの作品は中学生にとって、「自身の存在や生きていくことの意味」を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
「友愛」「個性」「性別」「意見」「勉学」「歴史」「社会」「道徳」「戦争」「自然」「宇宙」「宗教」「言葉」「お金」「幸福」「人生」の16のテーマについて、エッセイ風に読みやすく書かれています。自らが考える力に目覚めることで、不幸な時代を生き抜く意味に気づいて欲しいという著者の言葉に、考えさせられるのは子どもだけではないような気がします。A.M.
今日明日は台風の影響で天気が荒れそうですね。美術館や博物館に出かけるには、不都合な連休になってしまいました。でも雨の日の美術館も心静かに絵を見ることができて悪くはないと思います。私自身は大阪市立近代美術館心斎橋展示室に行ってきました。東急ハンズの東隣、出光ナガホリビル13Fにある小さな美術館で、池田遥邨や福田平八郎,藤島武二,岸田劉生,佐伯祐三など明治から昭和初期に活躍した画家の作品が「名画の理由」というタイトルで展示されています。私は土田麦遷の「散華」が見たくて訪れました。
さて、神戸市立小磯記念美術館では15日から 「藤島武二と小磯良平展」が始まりました。日本の近代を代表する洋画家である藤島武二と、その門下で昭和を代表する洋画家である小磯良平の作品130点を集めた展覧会です。毎日2回、11時と14時に20分間の小磯良平アトリエ解説がありますし、日曜日の14時からは学芸員による特別展解説もあります。11月18日まで会期がありますし、出かけてみてはいかがでしょうか。A.M.
開館15周年記念特別展
藤島武二と小磯良平展 ―洋画アカデミズムを担った師弟―
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/koiso_museum/tenrankai/ten_0709.html
神戸市立小磯記念美術館
JR住吉駅、阪神魚崎駅のりかえ新交通六甲ライナー「アイランド北口」駅下車 西へ徒歩すぐ
一般800円,中学生はのびのびパスポートを持っていけば無料
お子さまと博物館や美術館に出かける際に利用して欲しいのが、行政から配布されている優待カードです。中学1年生には4月に次の3種類のカードを配布しています。
・ココロンカード(兵庫県)
先日紹介した県立美術館をはじめ、県内の多数の施設で利用できます。
詳細:http://www.hyogo-c.ed.jp/~shabun-bo/kokoron.htm
中学3年間使えますから、有効に活用してほしいと思います。
・クローバーカード(阪神北)
宝塚,伊丹,川西にある博物館や美術館で利用できます。
詳細:http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/?PTN=LV3&LV2=12&LV3=62&LV4=4®id=1019
・のびのびパスポート(神戸市と周辺8市町)
神戸市周辺(兵庫県下と徳島市)の56施設で利用できます。
詳細:http://www.gurutto-kobe.jp/pass/index.shtml
また、校内でも各種の展覧会の優待券を配布しています。これらを活用して、お子さまに豊かな文化生活を過ごさせていただければと思います。
今回は西宮市大谷記念美術館で開かれている「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を紹介します。ココロンカードやのびのびパスポートを利用すれば中学生は無料です。(大人:800円)
絵本制作を目指すイラストレーターによる公募作品の入選作を集めているので、まだ名が知られていない作家であっても質は高いです。また、世界58ヶ国から応募があり、原画を通じてそれぞれの国に独特の文化を感じ取ることもできると思います。今年だけでなく、毎年この時期におこなわれていますので、折りを見て足を運んでいただきたい美術展です。A.M.
http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/exhibition/2007exhibition/2007bologna/07bologna.html
暑かった夏も過ぎ、朝夕はずいぶん過ごしやすい季節となりました。気象庁の3ヶ月予想ではラニーニャ現象の影響で秋らしくない気候のまま冬になるとのことですが、それでも8月のジリジリするような照りつけは薄れてきているような気がします。幾分か過ごしやすくなったこの季節はお子さまたちにも積極的に活動して欲しいと思います。
親子連れで賑わう夏休みと違って、この時期の美術館は少し落ち着いています。話題につられて人気の展覧会に行列するのも悪くはありませんが、ゆっくりと作品と対峙出来る時間を持っていただけることも悪くはありませんね。お子さまを誘っていただいて、作品を鑑賞されてはいかがでしょうか。首都圏ほど美術館や博物館の数が充実しているわけではありませんが、関西には長い歴史に育まれた芸術を愛でる文化があります。その文化を継承する意味でも、お休みの日にはお出かけになっていただきたいと思います。しばらくはそのときの参考になるような展覧会を紹介していきます。
「川村記念美術館所蔵 巨匠と出会う名画展」
兵庫県立美術館 7月28日(土)~10月8日(月・祝)
一般1200円,中学生500円(ココロンカード提示で無料)
一般割引券 http://www.artm.pref.hyogo.jp/news/y0707.html
千葉県にある川村記念美術館が改修で休館になったためにおこなわれています。
コレクションが17世紀オランダの巨匠レンブラント,フランス印象派のモネ,ルノワールからマティス,ピカソ、エコール・ド・パリのキスリングへと近代美術の流れをたどる名作が揃っています。また、ロシア抽象絵画のパイオニアであるマレーヴィッチやカンディンスキー、シュールレアリスムの旗手エルンストやマグリット、戦後のアメリカ現代美術を牽引したポロック,ウォーホルとモダンアートまで幅広くコレクションされているので、好みの作品を見つけやすいかもしれません。尾形光琳,長谷川等伯,横山大観などの屏風絵もあったと思います。日曜日にはボランティアによる見どころ案内も行われています。A.M.
http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/index.html
関西大学からインターンシップ制度を利用して、2名の大学生が文化祭準備の手伝いに来てくれています。プレゼンター班の生徒が彼らに取材した記事と、彼ら自身のコメントをアップします。
野木健佑さん 取材:A組 A.T.
Q:生徒と一緒にやっていてどういう気持ちですか。
A:とても楽しいけれど、緊張しています。最初は楽しいだけだと思っていたけど、
いろいろな子の性格や個性をつかまないといけないので大変です。
Q:困っていることは何ですか。
A:自分も学校に慣れていない上に生徒のこともあまりよく分からないことです。
【コメント】
こんにちは、関西大学から学校インターンシップにより来ました野木健佑です。今回の文化祭では、主にモニュメント制作のお手伝いをしています。私自身、とても緊張しており、みなさんにはいろいろと迷惑をかけていますが、雲雀丘学園の生徒さんの元気な姿にとても救われています。短期間ですが、とても良い経験ができています。ありがとうございます。
森由美恵さん 取材:A組 Y.K.
Q:先生は生徒と活動することは初めてですか。
A:初めてです。
Q:困っていることはありますか。
A:自分は補助なので手伝わないといけないのに、なかなか生徒の輪に入れないことがあります。
Q:先生にとって生徒とはどんな存在ですか。
A:家族みたいな身近な存在です。
Q:どんな先生になりたいですか。
A:楽しくていつも笑っているような明るい先生になりたいです。
Q:文化祭は楽しみですか。
A:雲雀丘の文化祭はとても立派なので、とても楽しみです。
Q:生徒に一言!
A:みんなで協力しつつ、(まだあんまり団結できていないので…)頑張ってほしいです。
【コメント】
学校インターンシップでお世話になっております、森と申します。今月の16日から3日間は補習補助、23日からは文化祭の補助として、主にジオラマ班のお手伝いをさせていただいております。この経験を通して、色々と学んだり、追求したりしていきたいと思っています。短い期間ですが、どうぞよろしくお願いします。
一昨日は日本神話や古事記を紹介しました。今日はもう少しなじみのある「昔話」を取り上げます。「一寸法師」「浦島太郎」「物ぐさ太郎」などの昔話は、親御さんに語ってもらったり、絵本を読んだり、あるいはテレビを見たりして、みんなの共通認識としてストーリーやテーマが理解されています。これらの昔話の多くは、室町時代から江戸時代の初期にかけてつくられた「御伽草子(おとぎぞうし)」とよばれる本から生まれてきました。
今日紹介する本は大岡信が現代語に訳した「おとぎ草子」です。岩波少年文庫から出ています。大岡信は「折々のうた」などで知られる現在も活躍中の詩人です。細部まで生き生きと描かれているので、中学生の君たちでも十分に楽しめると思います。また、講談社からは清水 義範やねじめ 正一が語る「おとぎ草子」が出ていて、同じ話なのに少しずつストーリーが異なっています。もちろん、語り口調はずいぶん違ったものになっていますから、比べてみるといいかもしれません。
親から子へ語り継がれる「昔話」は文化の継承の一つです。あなたたちが幼いときに、親御さんから寝物語として聞かされていた民話や昔話を、将来あなたたちが自分の子どもに伝えていかなくてはなりません。そのときに「御伽草子」を読んだ経験があれば、幼いときの記憶が曖昧でも、自分が語り手になったときに話が頭の中から湧いてくるように出てくると思いますよ。A.M.
昨日は星の伝説や神話にまつわる本を取り上げました。ここしばらくは故郷に帰省している人もいることでしょうから、自分のルーツやオリジンを考えるような本を紹介してみようと思います。といっても、難しい話ではありません。幼い頃に読んだかもしれませんが、もう一度神話を読んでみませんか。
今日紹介する本は、岩波ジュニア新書から出ている阪下圭八著「日本神話入門」です。712年に太安万侶によって書かれた「古事記」の原文を紹介しながら、日本神話を読み解いていきます。天地開闢(てんちかいびゃく)から始まり、国産み,天の岩戸,八岐大蛇(やまたのおろち)退治,因幡の白兎などの大国主命神話,国譲り,神武東征,日本武尊(ヤマトタケル)と続く日本神話を知ることは、自分が何者であるかという自己確立の上でもぜひ読んでおいて欲しいと思います。もちろん、書いてあることは歴史的には事実ではありません。しかし、私たちの祖先が持っていた知識と経験から説明しようとした世界観であり、今の私たちの考え方や思想にも少なからず影響を与えているのではないでしょうか。
倭(やまと)は国(くに)のまほろば たたなづく青垣(あおかき) 倭(やまと)し美(うるわ)し
大意:大和は素晴らしい国、山々が重なり青々とした垣のように山に囲まれた大和はなんて美しいのだろうか。
そんな故郷を大切に思う気持ちを愛国心というのでしょうか。今日は8月15日です。62年前の今日、大きな戦争が終わりました。いろいろな人が故郷を思う気持ちを持って、この国を動かしてきました。それらの活動には、様々な歴史的分析がなされていますが、自分が生まれたこの場所を愛する気持ちを持つことに間違いはないだろうと思います。今日はそれぞれの時代を一生懸命に生きてきた私たちの祖先に思いをはせる日なのかもしれません。A.M.
先日紹介したペルセウス座流星群は見ましたか? 流星群にかぎらず、少し夜空を眺めてみてください。満天の星空を時間も忘れて眺めていたら、多少嫌なことや辛いことがあっても、たいしたことじゃないように思えてきますよ。大阪では夜明るくて見にくいかもしれませんが、帰省している人にはチャンスかもしれませんね。
今日紹介する本は、野尻抱影の「星と伝説」です。抱影は「冥王星」の発案者です。冥王星は2006年に惑星から準惑星に降格したことで話題になりましたね。抱影は、冥王星だけではなく、星の和名や星座にまつわる伝説を研究していた文学者です。今から30年も前に亡くなられたので、もう作品が増えることはありませんが、各地の科学館やプラネタリウムで使われている星座の話の多くは、抱影の影響を受けているといわれています。
昴(すばる)という星の集まりを知っていますか? ハワイに設置された望遠鏡の名前にもなっているこの星はプレアデス星団M45のことです。地球から400光年の距離にあるこの星団は、約6千万~1億歳と若い年齢の青白い高温の星の集団です。清少納言が枕草子の中で、「星はすばる。ひこぼし。ゆうづつ。よばひ星、すこしおかし。尾だになからましかば、まいて(大意:星といえばすばるが一番美しい。彦星=アルタイルや宵の明星=金星も良いのだけれど。流星も趣きがある。尾を引かなければもっといいのだけれど)」と書いた昴は美しい星として日本でも昔からなじみの深い星です。日本では六連星(むつらぼし)つまり6つの星の集まりとして見られていますが、ギリシャ神話のプレアデスはオリオンに追いかけられる7人のニンフの姉妹として描かれています。星を眺めていると想像力がひろがるのでしょうか、世界各地に豊かな神話や伝説を残していることがわかりますね。
ここでは、偕成社文庫を取り上げましたが、講談社学術文庫から「星の神話・伝説」,中公文庫BIBLIOから「続 星と伝説」「星三百六十五夜」「新星座巡礼」など、いくつも抱影の著書は出ています。どれか手にとってみてはどうでしょうか。A.M.
昨日は流れ星のことを書きましたから、今日は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を紹介しましょう。新潮文庫の「きみに読んでほしい50冊」には「注文の多い料理店」とともに掲載されています。「注文の多い料理店」の序で、賢治自身が「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。(中略)これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。」と書いたように、賢治の作品には美しい言葉があちらこちらに宝石のようにちりばめられています。
「銀河鉄道の夜」の主人公は父親が漁から帰って来ないジョバンニです。ザネリらにからかわれ、いじめられる中で、カムパネルラだけはそうはしませんでした。ケンタウル祭の夜、ジョバンニはカムパネルラとともに小さな列車に乗り込み、「白鳥の停車場」「プリシオン海岸」「鷲の停車場」と巡っていき、いろいろな人々に出会っていきます。最後に「サウザンクロス」でほかの乗客がみんな降りてしまい、ジョバンニとカムパネルラだけが残されます。そして、ジョバンニが「カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ」と言った瞬間、カムパネルラも消えてしまいます。実は銀河鉄道の旅は、川に落ちたザネリを助けようとして死んだカムパネルラを天上へ送り届ける旅だったのです。
小学生のときに読んだことがあったとしても、この作品をもう一度読んでみて下さい。読むたびに新しい感動と発見があることと思います。A.M.
今日8月9日は長崎に原爆が投下された日です。広島に続いて投下された1発の核兵器によって、長崎市民14万8000人の命は失われました。被爆した医学博士・永井隆の手記「この子を残して」は有名ですね。原爆にあい、放射線を浴びて床にふす父親と、二人の幼い孤児予定者、この三人が生きてゆく正しい道はどこにあるのか。父親が考えたこと、子供たちがしたこと、子供たちに話したいことを、あとで読んでもらうために書いた父親の遺言書ともいえる手記も一度親子で読んで欲しい文章です。
今日、紹介するのは葉祥明の絵本「あの夏の日 On That Summer Day」です。絵本は幼い子供が読むものとは限りません。文章のかわりにさし絵が多くを語ってくれることもありますから。A.M.
巨大なキノコ雲が天をつき、厚い雲に大地はおおいかくされてしまいました。
A tremendous mushroom cloud climbs up into the sky and casts a dark shadow the earth.
中学3年生は毎年、研修旅行で沖縄に出かけます。関西とは異なる自然や文化を感じてもらうことも目的の一つですが、「平和」を考えてもらうことができる場所ということもあります。沖縄は終戦直前に「鉄の暴風」とよばれる激しい攻撃がおこなわれ、20万人以上の命が失われた場所です。また今なお米軍基地の存在が日常生活に強く影響している場所で、東アジアが緊張状態になると戦場に最も近い場所になっています。
今日紹介する本の舞台は太平洋戦争当時、沖縄と同じくらい激しい戦闘にさらされた硫黄島です。昨年、クリント・イーストウッド監督が手がけた映画「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」が公開され、話題になりました。1ヶ月の戦闘での死者は日本側20000人、アメリカ側7000人といわれています。この硫黄島での戦闘を題材にした作品が、城山三郎の「硫黄島に死す」です。主人公はロサンゼルスオリンピックの馬術大障碍の優勝者バロン西こと西中佐です。馬術というもっとも貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人が、「硫黄島玉砕」のニュースが流れた4日後にまだ残存者を率いて戦わなければならなかった悲哀を感じて欲しいと思います。
戦場という異常な場に置かれると、どんなに優秀な人物であっても冷静な判断はできなくなることがわかります。沖縄戦もそうですね。6月25日に作戦本部が戦闘の終了を発表したのに、それが現場には伝わらず、実際に沖縄守備軍が米軍に降伏したのは、日本がポツダム宣言を受け入れて戦争が終結した8月15日よりも、半月以上遅い9月7日でした。A.M.
8月に入ると「戦争」や「平和」が話題になりますね。昨日は広島に原子爆弾が投下されて62年目の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)がおこなわれていました。君たちには井伏鱒二の「黒い雨」を紹介しました。60年以上も前におこなわれた「太平洋戦争」という歴史を風化させないために努力している人々がいる。それはなぜなのかということを考えてほしいと思います。歴史は暗記するために学ぶのではない、先人たちの経験を生かすために学ぶのだと聞いたことがあります。
新潮文庫の「きみに読んでほしい50冊」には「戦争」をテーマとした小説もあります。大岡昇平の「野火」もその1つです。「俘虜記」「レイテ戦記」…この作者は井伏鱒二とは違って、戦争をテーマに取り上げた作品が多いです。戦争という極限状態の中で人間はどう変わっていくのか、敗北が決定的なフィリピン戦線で病に冒され、隊を追われた兵士の異常な体験を描いた作品です。それを異常と思うことが出来るのは、飽食の時代と言われる私たちの暮らしが田村一等兵の体験した極限状態からはほど遠いからでしょう。でも、その幸せを当たり前のことのように思って暮らしているのはどうなのでしょうか。
戦争は怖いこと、悪いこと、嫌なこと…でも昔の話で自分たちには関係ないと思っているとしたら、それは大きな間違いだと思います。もっと今の世の中をしっかりと見て欲しいと思います。現在でもなお戦争の傷跡は人々の心に生々しく残っていますし、世界の各地には戦争そのものが残っています。決して遠い世界の出来事ではないのです。 A.M.
8月6日です。何の日かは新聞やテレビなどのマスコミでも取り上げられているから知っていますね。広島に原子爆弾が投下された日です。もう60年以上も前のことをなぜそんなに問題にするのか、自分とどう関係するのか、少し考えてほしいと思います。「1945年8月6日広島に原爆が投下された」とか「これが最初の核兵器による都市攻撃で、一般市民十数万人が死んだ」という知識は持っているかもしれません。でもそれがどのように自分と関係するのかを考える機会を持たないと、生きていくための知恵は身につかないと思います。
新潮文庫の「きみに読んでほしい50冊」にはヒロシマをテーマとした小説があります。それは井伏鱒二の「黒い雨」です。「山椒魚」や「ジョン萬次郎漂流記」を著し、ロフティングHugh John Loftingの「ドリトル先生」シリーズを訳した人と同じとは思えないような作品です。黒い雨とは、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨で、放射性降下物(フォールアウト)の一種です。強い放射能を帯びているため、この雨に直接打たれた者は二次的な被爆が原因で、急性放射線障害を受けます。
「黒い雨」ではピカドン(原子爆弾)による肉体と精神の苦悶と悲しみが描かれています。閑間重松の被爆日記、閑間夫人の戦時中の食糧雑記、岩竹医師の被爆日記、岩竹夫人の看護日記他をもとに、悲劇の実相を日常生活の場で淡々と描いた作品です。戦争に対してどうかという評価は一切書かれていません。1945年8月6日に広島で何があったか、その後の広島で何があったかを描いているだけなのです。単に「可哀想」とか「残酷」という感情だけではすまされないものを感じとって欲しいです。 A.M.
前回はハインラインの「夏への扉」を紹介しました。今回はハインラインやアシモフとともにSF界のBig3と言われているアーサー・C・クラークSir Arthur Charles Clarkeの作品を紹介します。先の2人に比べると、豊富な科学的知識に裏打ちされた想像力を駆使しているのが特徴です。
「幼年期の終わり」や「太陽系最後の日」なども有名ですが、今回お薦めするのは「2001年宇宙の旅」です。スタンリー・キューブリックStanley Kubrickの映画でも有名ですね。小説は映画の原作ではないのですが、映画よりも論理的に描かれていますから、ストーリーが分かりやすいかもしれません。不朽の名作とされる映画の方はキューブリック監督が効果を高めるために説明を省いてしまっているので、謎めいた部分がたくさんあります。
三百万年前の地球に出現した謎の石板モノリスは原始的な道具も知らなかった猿人に動物の骨を道具・武器として使う能力を与えます。獣を倒し多くの食物を手に入れられるようになった猿人は反目する同じ猿人に対しても武器を使用して殺害するようになります。時は過ぎ、月面のティコクレーターで発掘されたモノリスは土星に強力な信号を発します。宇宙船ディスカバリー号は土星探査に向かいますが、人工知能HAL9000コンピュータが反乱を起こし、乗組員を次々と殺害していきます。唯一の生存者ボーマン船長はHAL9000の思考部を停止させたのち、モノリスや探査の真の目的を知り、土星で巨大なモノリスに出会って人類より進化した存在であるスター・チャイルドに進化します。
アメリカではHAL9000を作りたいという動機で人工知能AIの研究を始めた科学者も少なくありません。SFという想像の世界を知って、それを現実のものに変えることは、科学の発展の過程の中でもよくあることのようです。将来、理学や工学の方向への進路を考えている人たちはSFを読んで、人々がどのような夢を科学に託しているのかを知っておくことも大切ではないでしょうか。A.M.
研修3日目は東京・上野にある国立科学博物館上野本館(通称:科博)に移動しました。
科博は1877年(明治10年)に創設されて以来、130年の歴史がある理科系博物館です。ネオルネサンス調の外観を持つ日本館(旧本館)などは重厚な感じがして近寄りがたいかもしれませんが、今年大きく改装されて、展示も見やすくなりました。中でもおすすめは「愛・地球博」から移設されたTHEATER 360です。わずか8分間の映像ですが、ぜひ体験してほしい施設です。地球館(旧新館)の方は地上3Fから地下3Fまでのひろびろとしたスペースにたくさんの展示物が並べられていて、その迫力に圧倒されます。300円追加になりますが、PDAの音声ガイドを借りれば、解説を聞きながらまわることができます。東京に行く機会があれば、上野公園周辺の博物館・美術館にはぜひ立ち寄って欲しいと思います。ちなみに科博の入館料は中高生の場合無料(特別展を除く)です。
入り口にあるD51蒸気機関車です。(ここは交通博物館ではありませんよ)
フタバスズキリュウの復元骨格(左)と化石(右)です。今は丹波から出土したティタノサウルスの方が有名ですが、フタバスズキリュウは1968年に国内で最初に発見された首長竜なのです。
渋谷駅にある銅像で有名な忠犬「ハチ」(左)と南極物語で有名な「ジロ」(右)の剥製です。相方の「タロ」は北海道大学にいるそうです。
日本最初のマイコンキットTK-80です。懐かしくて思わず写真を撮りました。今の中学生は「マイコン」が分かるのかな? 私は中学生のときに買って欲しいとねだった記憶があります。ダメだったけど...
骨格の比較をしている展示です。ここにはたくさんの骨格標本が展示されています。江戸時代のミイラも展示されていました。(ミイラは撮影禁止でした)
出口にあるナガスクジラのモニュメントです。骨格標本も中に展示されています。
ここで午前中は「学校と博物館が連携して中高生の科学リテラシーを向上させる必要性」を考えてきました。学校で授業を受けるだけではなく、博物館などの社会教育施設にも目的を持って出かけることが大切だということです。午後は科博を見学して、今回の研修は終了しました。私は夕方の新幹線で大阪に戻りましたし、北海道や九州の先生方は羽田から飛行機で戻ることになります。学校の先生は夏休みに何をしているのだろうという疑問は解けましたか? 実は今日も学校の先生全員で校内研修をしています。
A.M.
2日目のレポートです。この日は一日中実験と実習です。朝から夕方まで合計5つ行いました。いくら理科が専門でもこれだけ長時間連続で実験となるとちょっとハードです。内容は専門的になるので、テーマと写真で雰囲気だけを感じてもらいましょう。
「自分の手で増やすDNA」
DNAという言葉は聞いたことがありますね。核の中にある遺伝情報物質です。それをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で増やします。サーマルサイクラーという機械で自動的に...が一般的なのですが、あえて手作業でしてみようというのが今回の実験です。ごく少量(15μl)のDNAを、95℃→58℃→72℃と異なる温度に変える作業を35回繰り返しました。単純な作業なんだけど、大変でした。
「簡易ミクロトームの作成」
ミクロトームとは顕微鏡のプレパラートをつくるときに標本を薄く切る道具のことです。かなり薄くしないと光学顕微鏡で光を透過させることができませんから、重要な道具なのですがお値段が高い!! 君たちにしてもらったタマネギの鱗葉表皮のように最初から薄いと簡単なのですけどね。そのミクロトームを身近なもので手作りしちゃおうという実習です。左側の写真の先生は北海道から来たそうです。
「粘土製作による両生類胚の発生過程の理解」
受精卵からオタマジャクシになるまでの過程を発生といいます。その変化は立体的なので、図説などではなかなか理解しにくいのです。色粘土をつかってモデルをつくることで理解しやすくなるんじゃないかということで、やってみているところです。写真の左側は予定運命図、右側は尾芽胚断面です。
「ニワトリの心臓の解剖観察」
解剖もおこないました。これだったら、材料はお肉屋さんで売っていますし、まな板の上でもできそうですよ。理科第2分野で「動物の世界」を扱うときには、君たちにもやってもらおうかな。右側の写真は心臓の心室部分です。右が大きな左心室、左が小さな右心室です。膜状の弁もはっきり写っていますね。
「オタマジャクシの心臓の拍動を調節する薬物の作用」
アフリカツメガエルという実験動物の幼生(オタマジャクシ)を使って、尾の部分の血流を観察しました。その後、アドレナリンやアセチルコリンなどの薬物によって心拍数がどう変化するかを調べました。簡単にいうとオタマジャクシにドーピングをさせたのです。私の使ったオタマジャクシは緊張していたと見えて、最初からドキドキの状態でしたけどね。そんなにコワイのかなぁ...
こんな場所で実習をさせていただきました。壁に「実験中に地震があったときの注意」が貼ってあって、東京は地震が多いんだなと思いました。右の写真は生物界のアイドル「プラナリア」です。A.M.
昨日の夜に帰阪しました。3日間の研修でどんなことをしてきたか、もう少し紹介してみます。将来の進路として学校の先生を目指す人もいると思いますから、参考になるといいなと思います。
1日目午後も引き続き、講堂で講義を受けました。大学と同じように、一つ一つの講義時間は90~120分と長いです。説明をするのにそれだけの時間がかかる内容が盛り込まれているということです。これだけの長さの講義となると、受け身の姿勢では集中力が持続できません。学年が上がるほど、自分で学び取る積極的な姿勢を持つことが大切になってくるのではないでしょうか。
「ミトコンドリア・ミステリー -ミトコンドリアの生存戦略に学ぶ-」というテーマで筑波大学の林純一先生のお話でした。中学1年生では細胞のことを少しだけ勉強しましたが、まだミトコンドリアのことは学習していません。授業で出てきた細胞の呼吸に関係のある細胞小器官なのですが、ここで説明するのはちょっと難しいかな。老化やがんの原因はミトコンドリアDNAの突然変異であるとする「老化ミトコンドリア原因説」が今の考え方の主流だが状況証拠による説明しかされていないこと、実際にはミトコンドリアの呼吸機能は核DNAに存在する遺伝子にも支配されているので、どちらのDNAに生じた突然変異が原因なのかを調べないと結論はでないこと、そのために突然変異型ミトコンドリアをマウス細胞に移植する技術を開発したことなどを話されました。興味があれば、林先生の本「ミトコンドリア・ミステリー」が講談社ブルーバックスから出ていますから、読んでみてください。
続いて「植物ホルモンの演示実験」があり、この日、会場を出たのは18時30分を過ぎていました。
やれやれ...続きは明日です。A.M.
出張で東京に来て3日目になります。私自身は科学万能時代といわれた時期を中学生として過ごした世代ですが、朝から数時間で東京まで出かけることができ、出張先からブログの更新が簡単にできる便利さには感動を覚えます。今の中学生にはできて当たり前のことが多すぎるのかもしれませんね。できない不便さも実感してこそ、できる便利さが理解できるのかもしれません。
さて今日紹介する作品はSF小説です。SFとはサイエンス・フィクション(科学的な空想)のことです。以前に紹介した「二年間の休暇」の作者ジュール=ベルヌJules Verneや、「タイムマシン」「透明人間」「宇宙戦争」の作者ウエルズHerbert George Wellsらが、SFの開祖ともいうべき人たちになると思います。古典的な名作ですから読んで損はないのですが、やはり古さは否めません。そこで、今回はハインラインRobert Anson Heinleinの「夏への扉」を紹介します。これも1957年の作品ですから50年も前に書かれているわけですが、それを意識させない作品だと思います。
主人公は家事ロボットを発明した優秀な技術者ダン(と愛猫ピート)です。幸せな生活をおくるはずの彼は親友マイルズと恋人ベルの裏切りにあい、すべてを失ってしまいます。失意のままピートと30年間の冷凍睡眠につくことで現実から逃避しようとするのですが、タイムマシンの存在を知ったことがきっかけで、人を信じる気持ちを取り戻し、幸せを手に入れるために最善をつくそうと決意します。表題の「夏への扉」は何を指しているのかを考えながら読んで欲しい作品です。
「過去よりも現在、現在よりも未来のほうが優れており、世界は日々進歩している、人間が環境に働きかけ、科学技術によってよりよい世界を築いていける」と信じていた時代の文章ですから、読んでいて未来を信じる気持ちにさせてくれることと思います。今の君たちにとって大切なのは、素晴らしい未来が訪れると信じることではないでしょうか。将来はあまり期待できないと思っていると、刹那的な生き方しかできなくなります。その意味でも読んで欲しい作品です。A.M.
言葉について取り上げた一昨日の続きです。今日は漢字の本です。といっても、君たちが4月から悩まされている漢字や漢検の問題集ではありません。古代漢字の研究の第一人者である白川静さんが監修し、最後の教え子である山本史也さんが著した「神さまがくれた漢字たち」という本です。残念ながら白川静さんは昨年亡くなられてしまいましたが、大阪の公立高校の先生である山本史也さんによって、「白川文字学」とよばれる考え方が継承されています。
漢字は象形文字ですから、「山」や「川」という文字に本物の山や川の姿を見つけることができると思います。また、「人」という文字は、人と人とが支え合う形からきているのだと、某学園物のテレビ番組で知った人も多いと思いますが、「白川文字学」では「元は少し首をすくめた人を横から見た、うつむき加減の姿勢」からできた形で、神に試され、操られ、時には傷つけられた姿を意味したらしいです。今までに聞いた常識が崩されてしまいそうでしょう。身近な漢字のそんな生々しさがたくさん出てきます。漢字の創造は、人間と神や精霊との交感、つまり信仰や儀式の中から生まれてきたというのが「白川文字学」の底辺にあるのです。
「女」という文字も、単に産む「性」を表すだけではなく、「ものの豊穣なるさま」から穀物の豊かな実りとを結びつけた、古代の信仰、さらには宇宙の創生までも意味するように広がっていきます。その考え方はやがて、「母」,「身」,「免」,「后」などの漢字と関わっていく様子は、まるで推理小説を思わせるような展開で、ちょっぴりドキドキするようなスリルさえ感じるかもしれませんよ。ただし、本屋さんでは手に入りにくくなっているようです。学校の図書室か近所の図書館で探してみてください。 A.M.
今朝はすごい雨でしたね。一時は新幹線も止まりましたが、なんとか研修に間に合うことができました。今、東京・広尾にある東京女学館中学高校に来ています。渋谷の近くにある120年近い歴史を持つ女子校です。先生の研修って何をしているんだろうと、興味があるかもしれないので、ここからレポートしてみます。
午前中に1つ目の講演(授業みたいなもの)がありました。お話しになったのは、1991年にカーボンナノチューブを発見した飯島澄男先生です。「最初は理学部で理論化学を学んでいたが興味を持てず、大学院に進学したときに電子顕微鏡に出会って自分のやりたいことが見つかった」と話されていました。進路を早く決めてしまうことは悪いことじゃないけれど、急がずに色々なことをやってみることが大切だという意味ではないでしょうか。中学1年生も数年のうちには自分の人生を具体的に考えていくことが求められます。でもそれは全部決めてしまうということではなく、そのとき一番良いと信じた進路を選択していくことにほかなりません。
また、「これまでに大きな発見を3度経験して、それに対して賞を受けるなど高い評価もされてきたが、それができたのは偶然である」ともおっしゃいました。しかし、その偶然はよく準備をして挑んだからこそ得られたものであり、新しい発見を見逃さないためには知識や観察力を身につけることが大切であるとも言われました。知識や観察力は日々の積み重ねで体得するものであり、それを身につけていたからこそ、最初の発見者という幸運を引き寄せることもできたのだろうと思います。
教師が生徒の皆さんに教えるのは、教科書に載っている知識だけではありません。こんなお話しを聴いてストックし、あなた方の進路を考えていくときの参考にしているのです。昼からは別の講義がありましたが、それは別の機会にお伝えしたいと思います。研修は明日明後日と8月1日まで3日間続きます。A.M.
ゆたかな言葉がちりばめられた詩集を2つ取り上げたので、今日は言葉そのものを扱っている本をいくつか紹介します。説明文なので、小説のような心踊らせるようなストーリーも無いですし、詩集のような言葉のリズムを楽しむこともありません。だから、小学校中学年よりも年齢が幼いとおもしろさを感じることは難しいと思います。経験や語彙が増え、言葉に対する理解が深まる中学生だからこそ、おもしろさがわかるかな? と期待しているのですが、どうでしょう。
まず、池上嘉彦さんの「ふしぎなことば ことばのふしぎ」はどうでしょうか。この本は身近な日本語を取り上げて、普段は何気なく使っている日本語の面白さや不思議さに気づかせてくれます。母語である日本語の中で育ってきた私たちは、日本語を当たり前のように使っていますから、何のこだわりもひっかかりも感じていないことが多いですね。あらためて言葉を見つめなおしてみようよというのがこの本のテーマです。また、池上嘉彦さんは英語英文学者なので、ほかの言語(たとえば英語)と比べてみると、日本語の特徴がはっきりわかるという例も示してくれています。この本で紹介されている、言葉遊び、言葉探し、擬態語・擬音語くらべなどを読むと、言葉の楽しさに気づき、言葉を客観的にとらえられるようになるかもしれませんね。 A.M.
今日は谷川俊太郎の詩集を紹介します。1952年に「二十億光年の孤独」という詩を発表して以来、いろいろな方面で活躍している詩人です。アニメ「鉄腕アトム」の主題歌の作詞を手がけたのも彼ですし、日本生命のCMで朗読されている「愛する人のために」も彼の作品です。
私が最初に出会ったのは福音館書店から出た「ことばあそびうた」でした。「かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた かっぱなっぱかった かっぱなっぱいっぱかった かってきってくった」 すべてひらがなで書かれたこの詩を音読すると、何か楽しくて愉快な気分になりませんか? 「詩」は「うた」とも読むように、喜んだり悲しんだりしたときの、感情がこもった言葉を並べたものです。口から出て、自然にリズムが生じて歌になってしまいそうではありませんか。
また、海外の作品を日本語に訳しています。イギリスで歌い継がれてきた数え歌、なぞなぞ、言葉あそびなどを集めたNursery Rhymes(日本ではMother Goose)を訳した「マザー・グースのうた」を読んで、London Bridge(ロンドン橋)やTwinkle Twinkle Littele Star(きらきらぼし), Mary had a little lamb(メリーさんの羊)などの作品が身近になった大人は少なくありません。チャールズ=シュルツ Charles Monroe Schulz の「Peanuts(ピーナッツ)」という漫画を知りませんか? 登場キャラクターはビーグル犬 Snoopyだと言えば思い出してもらえたのではないでしょうか。その翻訳を手がけていたのも谷川俊太郎でした。
どうですか、おもしろそうな人でしょう。谷川俊太郎本人が「別にわかってもらえなくても、味わってもらえればいいっていう感じがあるんですよ」と言っています。まずは味わってみませんか。A.M.
小説の紹介が3回続きました。少しジャンルの違う本を取り上げようと思います。小説は長くて一気に読めないなぁと思っている人もいると思いますが、「詩集」はいかがですか? あまりなじみがないので、読んだことがないかもしれませんね。2~3紹介してみますから、一度手にとってみてください。悲しいとき、寂しいとき、辛いときなどに「今の自分の気持ち」を示すぴったりな言葉を見つけることができるかもしれません。また、現実から少し目を離したくなったときに、自分の心に響いてくるような不思議な世界を垣間見ることができるかもしれませんよ。
中原中也は明治時代の詩人です。文学書に熱中するあまり落第して転校したのが16歳。そのころから詩を書くようになったようです。彼のつくる詩には独特の雰囲気があるので、読んでいると不思議な感覚に陥ることでしょう。明治の言葉遣いですが、心に残るような言葉がたくさんちりばめられています。「汚れつちまつた悲しみに」や「サーカス」はNHKの「にほんごであそぼ」でも取り上げられていたので、聞いたことがあるかもしれません。暗い闇の中でぼんやりと揺れているブランコを「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん」と表現しているところなど、目に浮かぶようじゃありませんか? A.M.
冒険小説や古めかしい時代小説は気の進まない人には、サン=テグジュペリAntoine de Saint-Exupéryの「星の王子さま」はどうでしょうか。私はずいぶん昔に岩波書店から出ていた内藤濯の訳本で最初に読みました。
ストーリーの展開はそう難しくないだろうと思います。飛行機の操縦士である主人公の「ぼく」が、不時着したサハラ砂漠の真ん中で男の子に出会います。彼は小さな自分の星を後にして、いくつもの星を巡ってから7番目の星・地球にたどり着いた王子さまでした。初対面の「ぼく」に王子さまは「ヒツジの絵を描いてくれ」と頼みます。「ぼく」がゾウを飲み込んだウワバミの絵を描くと、大人たちが帽子だと思うその絵を王子さまは「ウワバミに飲み込まれたゾウ」の絵であると気づいてくれたのです。そして、もう一度ヒツジの絵を描くように求めます。「ぼく」が箱を描いて渡すと、王子さまは「箱の中にいるちっぽけなヒツジ」が眠ってしまったところまで見えました。こういう状況を「心が通じ合った」というのでしょうね。
この作品の素晴らしいところは、大人向けとも言えるすてきなメッセージに満ちていることではないでしょうか。「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。たいせつなことはね、目に見えないんだよ…」 すでに大人になっている私たちにも、これから大人になる君たちにも、ドキッとする言葉じゃありませんか?
新潮文庫は河野万里子の訳で出ています。私は大人になってから原文で読み直しました。詩的な美しいフランス語の文章に触れてから、宝物のような作品の一つとなっています。A.M.
「羅生門」や「七人の侍」を手がけた黒澤明監督が自らの集大成と語った作品が「赤ひげ」です。古い映画なので親御さんの世代でも見たことのある人は少ないかもしれません。その「赤ひげ」の原作が、山本周五郎の小説「赤ひげ診療譚」です。周五郎の作品は「樅ノ木は残った」「さぶ」など、名もなき人々が慎ましやかな生活の中で強く生きる様子を描き出しているものが多いと思います。少し古くさいけれど、真っ直ぐな生き方をしようとしている登場人物に、人との関わり方を見つけるかもしれません。
「赤ひげ診療譚」の主人公は意志に反して小石川療養所の見習い医となった保本登です。そこで出会った「赤ひげ」こと新出去定から、「貧困と無知がいかに人間を蝕むものなのか、その中で医師はどのように振る舞うべきなのか」を見せられ、医学的知識だけでは解決できない問題に直面する中で、「医術の限界を知った上で、なお諦めずに生命の尊厳に対して謙虚に向き合うこと」を学んでいきます。
中学1年生のあなたたちも数年のうちには具体的な進路を考える必要に迫られてきます。そのときに自分が得意な科目が何かとか、好きなことは何かといったことだけでなく、自分が社会の中で誰かの役に立つためには、自分は何ができるのかを考えて欲しいと思います。世の中に生まれたすべての人が、世の中で何かの役割を持っているはずです。もちろんあなたたちもそんな存在だと思いますよ。A.M.
お子さまに向けて、この夏にお薦めの本を挙げていきます。少し前に「新潮文庫きみに読んでほしい50冊2007」を渡していますから、そこから選んでもらってもかまいません。また、図書だよりが図書室から発行されていますから、それも大いに参考にしてください。ここでは中学生くらいの年代に読んでおいて欲しい作品を紹介しています。何か惹かれるものがあれば、手にとってみて欲しいと思います。
まず、ジュール=ベルヌ Jules Verne の作品から紹介しましょうか。「八十日間世界一周」「海底二万哩」「地底旅行」などたくさんの冒険旅行記や物語を書いている著明なSF作家ですが、ここでは「二年間の休暇」を紹介したいと思います。新潮文庫に収められている「十五少年漂流記」という作品名の方が一般的かもしれませんね。私自身は福音館書店から出ていた単行本で読みました。「十五少年漂流記」は完訳ではないので、こちらの方が原作の雰囲気を味わうには良いのではないでしょうか。今は福音館書店からは文庫の形で出ています。
8歳から14歳までの年齢も国籍もバラバラな15人の少年が、太平洋を漂流し、流れ着いた無人島で共同生活を始めます。主人公のゴードンやブリアンの周囲に対する思いやり,問題に立ち向かう知恵と勇気に感銘を受けるとともに、最初は自己中心的な言動をとるドニファンの成長も興味深いものがあります。「自分がこの立場に置かれたらどうするだろう」と考えながら読んで欲しい作品です。A.M.
お子さまは今日から実質的に夏休みに入りました。授業のない日々が1ヶ月以上続きます。今朝は普段通り起きてこられましたか? 起床時間・就寝時間・食事の時間を固定し、生活リズムを崩させないことが、長期休暇を充実させるポイントですよ。家庭で過ごすことが Off Time への切り換えになっているお子さまも少なくありませんが、一日の中で朝夕にモードの切り換えをさせることで、だらだらと過ごすことが防げるのではないでしょうか。
今回は「夜の過ごし方」についてでした。夜は本来、闇の世界ですね。外界からの情報が遮断される時間帯なのです。外界からの情報が遮断されるということは、自分の頭の中で情報を整理しやすくなるということです。思索にふけるのに適しています。また、昼に外で活動していれば体は疲れていますから、体を休めることも大切になってきます。
中学生が自分一人の時間を過ごすのに良い方法の一つが「読書」です。もちろん、ただ字面を追いかけるのでは何も得られません。文章に書かれていない状況は自分で補って、登場人物の心情を想像するような読み方をすることで、お子さまに自分では経験し得ない体験をさせることになります。テレビやビデオなどの映像では一方的に迫ってくるので、自分のペースで進めることができません。また、展開が早いので細かいところまで描写されていることが多く、年齢が幼いうちは想像することも難しいのではないでしょうか。映像はわかりやすいという良さがありますから、すべてを否定するわけではありませんが、それだけでは伸びない能力があると思います。どんな作品を読ませるかについては、夏休み中にアップしますので、参考になさっていただきたいと思います。
また、何か知識を覚えるのは寝る前すぐが効果的です。英単語や年号、漢字など覚えることが前提になる知識は一度には脳に入りません。といって覚えていないと、英語も、歴史も、国語も理解するときにいちいち教科書などで確認をする必要があるので、学習能率が悪くなってしまいます。詰め込み教育が悪いように言いますが、「知識の詰め込みだけしかしないのは良くない」ことを「知識の詰め込みは悪い」と短絡的に考えたのであって、知識は必要です。知識なしに理論構築はできません。知識がたくさんあることは悪いことではありません。覚える能力は高めていく必要があります。寝る直前に短時間で覚える、朝起きて確認し、修正するのは、脳のはたらきにとって自然です。情報がたくさん脳に押し寄せる昼の時間帯に脳の中を整理するのは非常に困難です。
今回のポイントは「夜は思索、寝る前に暗記」です。寝る前にゲームをさせると脳が興奮して、刺激の少ない「知識」は受け付けなくなりますよ。次回は「部活動をしている場合の生活」について書きます。
送り梅雨でしょうか、今日、明日と激しい雨が降っています。そろそろ白南風も吹くようですし、梅雨明けも近いのではないでしょうか。いよいよ夏が近づいてきました。来週からは個人懇談です。
前回、「夏休みの午前中は宿題に取り組んで、7月末までに終わらせよう」と書きましたら、ある担当者から「積み重ねが大切だから、毎日取り組む形の課題を出している」と叱られてしまいました。誤解のないように申し上げますが、7月末に宿題を終えて、8月前半はまったく机に向かわない生活を推奨しているわけではありません。ただ、夏の宿題しかしなくて良いと考えているのならば、力はつかないと申し上げているのです。特に小学校時代、夏休みの最後で宿題に追われるような生活をしてきたようなお子さまには、気持ちを切り換えてもらう必要があります。
今回は「午後の過ごし方」でしたね。午前中4時間程度、集中して学習に取り組んだお子さまが昼食を取るころには、休息と気持ちの切り換えが必要になります。教科・科目こそ違え、同じような手法での学習の繰り返しですから、脳は単純作業に飽きてしまっているのです。ですから、夕食までの時間は午前中とは全く異なる生活内容で過ごすべきです。まず、環境を変えるために、机から離れさせましょう。図書館や博物館など外へ出かけるようにすればもっと良いです。また、スポーツとまではいかないでも、体を動かすことも大切です。買い物に連れて行って荷物を持ってもらう、自分の部屋だけでなく家の周囲や風呂などを掃除させるなど、手伝いはお子さま自身のためにしてもらってください。経験させておかないと、将来本人ができなくて困ることになりますから、遠慮はいりません。
最近はネットに熱中するお子さまが少なくありません。「情報機器に疎いようでは将来情報化社会の中で困る」と黙認されているご家庭もあるようですが、ケイタイにせよインターネットにせよ、危険性も認識できない子どもに、大人が手ほどきもせずに与えているだけでは、何のスキルアップにもなりません。デジタルディバイドを心配されているのでしょうが、それは私たち大人に発生している問題です。お子さまに対しては情報リテラシーや社会的な常識を身につけさせることが必要です。と言ってまったく触れさせないわけにもいかないでしょうから、昼の時間帯に時間制限を設けてやらせるようにお家の約束事とされることをお薦めします。ゲーム類も同様です。深夜に何時間もはまっているのを正常とは言いませんよね。
2つ目のポイントは「午前中からの気持ちの切り換え」です。だらけた毎日を過ごさせないためには、生活モードの切り換えを意識的に行わせることが大切だと思います。次回は2回目のモードチェンジ、「夜の過ごし方」について書こうと思います。部活動に取り組んでいるお子さまの場合はこれから取り上げますから、少し時間をください。
七夕も過ぎて、いよいよ授業もあと1週間で夏休みという時期になりました。4月の入学式から3ヶ月、中学校生活に慣れることを第一に忙しい日々を過ごしてきたお子さまたちには待ち遠しい長期休暇だと思います。同時に親御さんにとっては毎日をどう過ごさせるか、頭の痛い時期でもあります。これが正解というものはありませんが、注意していただきたいポイントをいくつかあげておきたいと思います。
まず、学習面です。4月から学力の強化を意識的におこなってきましたから、お子さまには夏休みという言葉に例年以上の開放感があるようです。しかも各教科から課されている宿題は必ずしも多くありません。与えられた宿題だけをするのであれば、それほど机に向かわなくとも仕上がってしまうことでしょう。
ではなぜ、山のような宿題を出さないのか。理由は簡単です。4月からの3ヶ月間の授業を充分に消化しているお子さまもいますが、一方で理解が不十分でしっかりと復習に時間をかけて欲しいお子さまもいます。理解度に大きな差が生じているのに一律の宿題を課しても、効果は上がらないと判断したからです。また、予習・復習に追われている時期にはできなかったことをして欲しいとも考えていることも1つの理由です。
どうすればいいのか。共通部分である夏休みの宿題については7月末までに仕上げさせて欲しいと思います。学校がある時期と同じ時間に起こしていただき、午前中は学習時間に当てさせてください。ラジオ講座は生活リズムを保つためにも効果的です。午前中のすべてを学習に当てると長そうに聞こえるかもしれませんが、時間的には4時間程度です。登校しているときには6時間の授業を受け、2時間程度の学習をしていることを考えると、半分以下となります。7月末まで半月程度ですから、60時間の学習で夏休みの宿題を終えるように計画を立てさせてください。「時間を限って課題をこなす。」 これが1つ目のポイントです。
次回は「午後の過ごし方」について書こうと思います。
明日は第2回学年懇談会です。欠席連絡はいただいておりませんので、ほぼ全員の親御さんとお話しができることになります。学年共通部分の話をする機会をいただきましたので、7月の個人懇談では個々のお子さまの話だけに絞り込んでご相談させていただくことができます。これも親御さんのご理解・ご協力のお蔭と感謝しております。明日はお手柔らかにお願いいたします。
さて、問題用紙の見方についてでした。問題文に何か書き込みがされていますか。抜き出すところに線が引いてあったり、注意しなければならないところに丸がつけられているような問題用紙であれば、かなり前向きに試験に臨んでいるといえるでしょう。テスト直しのために間違えた問題のチェックをするとき、伸びる生徒は解答用紙の×を確認しながら問題用紙の問題番号に印をします。もう一度解き直すためです。解答用紙に直接正解を書き込む生徒の多くは、テスト直しのときに問題用紙を見ていません。テスト直しが作業になってしまっていて、せっかくの復習の機会を失っているのです。
問題集を使った問題演習でも同じようなことが言えます。伸びる生徒は問題集に書き込みが多いのです。もちろん答えを書き込んでいるのではありません。何度解いたのかとか、自力で解くことができるのかといった情報を書き込んでいるのです。また、解答集にも書き込みがされています。解説を読んで、ポイントに線を引いたり、書き込んだりしています。付箋を利用するとさらに効果的ですよね。
授業中、機会があるごとに担当者はこのようなスキルを提示しています。試験のあとにしていただきたいことは、学習方法のチェックです。予想以上に自己流です。その修正がまず大切だと思います。
今回は答案用紙のどこを見て何を話すかでしたね。そろそろ中間考査の答案のほとんどが返却されてきていることと思います。30日に個人成績票をお渡ししたときに学年全体の概況をお話ししますが、まずはお子さまの状況を掌握していただくことが必要です。前回の学年懇談会でお話ししましたように、小学校のテストと異なるのは、到達度テストではないということです。つまり100点は簡単には取れない、60点が平均になるように作成されています。80点取れていれば、上々の滑り出しと言えるでしょう。もちろん次はより高い目標を設定させてください。
では、まず答案用紙を見てください。空欄が目につきませんか。空欄が多いのに成績が良いはずはありません。それが全体に散らばっている場合と、最後の方に偏っている場合とでは状況が異なります。前者は授業が消化できていません。同じ言葉を複数の解答欄に書き込んでいる場合も同じです。知識が不足しているので、解答欄の数だけ答を用意できていないのです。家庭での学習量が不足しているので、この夏にしっかりとフォローしておかないと、夏休みに状況は悪化します。毎日決められた量の学習をこなすように習慣づけなければなりません。後者は時間が足りない場合です。問題を解くのに時間がかかるのは、問題演習が足りません。知識は持っているので、時間を計りながら問題演習の数を増やすことです。また、生真面目な性格ならば時間配分を教えてあげると解決することがあります。
今回、目についたのは漢字の間違いです。国語だけではありません。地理や歴史、理科などで出てくるテクニカルターム(専門用語)も漢字で書く必要があります。それが書けないために減点されているのです。書けない生徒は覚えるときに眺めているだけのことが多いです。それでは書けません。漢字の書き取りと同じように、正確な手本を用意して、実際に手を動かして覚えるようにしないとできるようになりません。ノートの字がきたないのは早急に直させるべきです。普段いい加減に字を書いているので、丁寧に書かせたときに正しい字を書けないことが多いです。
次回は問題用紙の見方についてです。
週末に持って帰ってきた答案どうなっていますか?クラスによって返却された科目や枚数には差がありますので、今週よりも来週の土日の過ごし方が大切になろうかと思います。中間考査のような定期考査は、日頃の学習状況がもっとも反映される教材です。充分に活用していただきたいと考えています。30日の学年懇談会ではその話をさせていただく予定です。
さて、答案を見てお子さまに何を話せばいいのでしょうか。点数と平均点ですか?でしたら、懇談会でお渡しする成績票をご覧になれば済みますよ。科目毎にお子さまの点数、平均点、度数分布表をまとめてお渡しします。何より点数の良い悪いは最初に答案を見たお子さま自身がよく分かっています。
「85点、よく頑張ったね」という一言はお子さまにとってうれしい言葉でしょう。やる気を起こさせる効果はありますが、85点から90点にできるかどうかはわかりません。ほめ言葉ではあってもアドバイスでは無いからです。ほめれば伸びると言う人もいるようですが、中高生の感性は敏感です。ほめ言葉を並べているだけでは簡単にその薄っぺらさを見抜かれてしまいます。
「45点、悪いね。どうするの、最初のテストでこんな点数取って。」と言われることが分かっているのに答案を見せにくるでしょうか。悪いことは分かっているのに、悪いことを責められるだけならば、言われるまで答案を隠すのは心情として理解できます。素直に答案を見せるのは、まだ幼さを残しているお子さまでしょう。「次、頑張れ」も応援であって、何を頑張れば良いのか具体性に欠けます。
点数が良かったにせよ、悪かったにせよ、お子さまが大人から聞きたいのは「どうすればもっと良い点が取れるか」ということです。テストの点数ですべてを判断するわけではありません。でも、点数は悪いよりも良いほうがいいという価値観は共通しています。答案を一緒に見ないとできない内容の話をしていただく必要があるのです。
次回は、どこを見て何を話すかを具体的に書きたいと思います。
今日、中間考査が終わりました。お子さまも、そして親御さんも今日はホッとしているのではないでしょうか。「結果は分からないけれど、ともかく終わった。週末どこへ遊びにいこうかなぁ。」というのがお子さまの本音でしょうね。中学一年生、まだまだ幼い彼らにはそれが正直な気持ちでしょう。
ここで一つだけご家庭で意識しておいて欲しいことがあります。定期考査は通過点であって、ゴールではないということです。通過点でラップタイムを計っているときに、その瞬間だけ速度を上げてもあまりタイムは伸びません。そればかりか、そこで無理をしたためにその後のペースが崩れるということもよくあることです。どれだけ授業を消化できているかを定期考査で試しているのです。80点ならばまだ20点の課題があります。その20点は早急に身につけなければならないものでしょうか、それともこれから力がついていけば解消されるものでしょうか。それによってその後の対処も違ってきます。60点ならば40点も課題があります。たぶん、授業の受け方や日頃の学習に課題があるのでしょう。見直しが必要ですね。
明日から授業の中で答案が返却されます。大切なことは分析と対策です。お子さまはすぐに点数と平均点に意識が向きますが、それは集団での位置を示すに過ぎません。「56点だったけれど、平均は54点だから平均より2点上」とお子さまが報告されたときにどう対応するかを考えておいてください。「平均より2点上だったら、真ん中ちょっと上くらいだからOK」とするならば、お子さまは60点前後しか取らなくなります。答案を分析して、「歴史は用語を漢字で書けるように練習していくと8点は上がったね」などと助言してもらえることの積み重ねが学力の向上につながるのです。
「なんでこんなに点数悪いの」「もう知らない」とだけは言わないようにお願いします。結果が悪い場合には必ず理由があります。それに対する方法も必ずあります。中学1年生ですから、まだまだ時間的なゆとりも残されています。焦らず、でも着実に伸ばしていきたいですね。
試験一週間前になりました。中学1年生もようやく試験の重要性に気づき始めたようです。職員室へ質問に来る生徒の数も多くなってきました。このブログもおまじないでは胡散臭い宗教みたいですから、少し脳科学からの裏打ちをしておきたいと思います。参考にしているのは、海馬(脳)の研究をしている池谷裕二さんの「記憶力を強くする」「進化しすぎた脳」「高校生の勉強法」などの著作です。
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。短期記憶は長期記憶から情報を引き出したり、長期記憶に情報を保管するための一時的な保管場所になっています。30秒から長くても数分しか覚えておくことができない短期記憶には容量が小さいという欠点があります。一度に記憶できる個数は7個前後であるということです。一度にたくさんのことを覚えようとしても短期記憶の容量をオーバーしてしまいます。この短期記憶から長期記憶へ移すときに必要かどうかを判定している部分が海馬です。海馬では本当に必要な情報であると判断しない限り、長期記憶へは移してくれません。歴史の年号とか英単語のような知識は生死に関わりませんから、簡単には覚えてくれないのです。ですから、海馬をだまして重要な情報であるかのように勘違いを引き起こす必要もあります。勘違いを引き起こす基本的なやり方が「反復練習」です。何度も入ってくる情報は大切であると海馬が勘違いしてくれるように学習するのです。同じ量の努力をするのならば、脳の性質に沿った良い方法を選んでください。
明日からは各教科・科目の担当者からのアドバイスを発信していきます。教科特性だけではなく、担当者の授業に対する考え方や教育方針によって、さまざまなアドバイスが並ぶことと思います。ベクトルがぶれていて一貫性に欠けるように見えるかもしれませんが、学力を身につける方法の正解は1つではありません。自分自身にあったやり方を身につけるためのヒントが並んでいると考えて欲しいと思います。
4月の開設以来、今回のエントリーがちょうど100件になりました。毎日200件前後のアクセスをいただいています。これからも保護者のみなさまにとって有効な情報を発信していきますので、よろしくお願いします。また、ご意見・ご要望などがありましたら、学年主任・学級担任までメールをいただけるとありがたいです。重ねてお願い申し上げます。
さて、授業に集中するための「勉強のおまじない」の続きです。
それは「具体例をしっかりと聴く」ということです。抽象的な説明というのは、教科書や参考書に必ず書かれています。だから、聞き逃しても取り返しがつきます。でも、抽象的な説明というのはわかりにくいことが多いので、それだけを聞いていると「頭が真っ白になる」「何を言っているのか分からない」ということにもなります。だから授業中に担当者は必ず具体例を挙げて説明をしています。その部分を聞き逃さないということが大切なのです。
たとえば、英文法で仮定法の説明を聞いているとします。「仮定法というのは事実ではなく、話者が頭で考えた想像を述べる場合に使います。」とだけ聞いてもわかりにくいですね。その後に具体例を挙げた説明が続くはずなのです。「例えば、『もっと勉強しておけばよかった』と言いたいときに仮定法を使います。このときに話し手は実際には勉強をしていません。『勉強した』という事実があるのではなく、話し手の想像なわけです。」 これなら、理解しやすいですよね。
今の説明でもそうですね。最初の段落の抽象的な説明よりも、後の段落の具体的な説明のほうがわかりやすかったと思います。抽象的な説明と具体的な説明と区別して、具体的な説明のときに集中して聴くことができれば、理解度は高まります。
授業を受けるときのおまじないといっても、神懸かり的なものではありません。期待させていたらごめんなさい。上手にノートを取ることができる生徒には授業を受けるときの共通点があります。それは「授業に集中できていること」です。その集中力をつけるための方法を書こうと思います。
1つめは、自分だけの儀式(ルーティン)をつくるということです。儀式と思うかもしれませんが、集中力が要求される人は自分なりの方法で、最高のパフォーマンスを発揮できる心理状態に入るための準備をしています。例えば、メジャーリーグで活躍しているイチロー選手は打席に入るときに必ず土をならしながらバットを一回転させています。「今から授業だ」という心理状態に入ることができるかどうかは、50分の授業を効果的に受けることができるかどうかを左右します。指先やボールペンの先を凝視する,秒針を見ながらカウントダウンなど方法は何でもいいのです。一つ決めて何度も繰り返すことで条件反射のように身につくようになります。気をつけることは、教室であってもどこであってもできる簡単なものにするということです。教室だけではなく家でも同じように実行しておくとさらに効果的です。
2つめはリテンションです。リテンションとは「相手の言ったことを記憶し、声に出して再現する」トレーニング方法です。授業中に先生が話す言葉を自分の中で繰り返すことが集中力を高めます。もちろん授業中に声を出すと進行の妨げになりますから、頭の中だけの話です。また、話し手の言葉を正確に再現するのは無理なので、具体例の説明だけを繰り返します。「この問題はfeel likeが動名詞をとっていることを知っているかどうかがポイントです」という説明のあとに、「feel likeは動名詞をとる」と繰り返すのです。この方法は負荷がかかりますが、集中力と短期記憶力を伸ばすので、効果は大きいです。
残りのおまじないは次の機会に書きます。
Output型の授業について書きます。数学のような問題演習中心の授業のことです。でも、これは理系科目ということではありません。英語の授業で指名されて「次の段落を読んで、日本語に訳して」と指示され、それを答えると「そこは…のほうがいいね」と修正されるようなものもOutput型の授業です。暗記中心のInput型学習しかできないタイプの生徒にとっては取り付きにくい科目が多いようです。中学生のように精神的に幼いとその傾向は強くなります。ところが入試を含めテストでは知識を答案に出力する能力を問いますから、Output型の授業についても疎かにはできないのです。
Output型の授業では予習が不可欠です。重要なことは、自分が予習で用意していった解答と授業で示された模範解答がどれだけ違うかを比較することです。予習と授業を通して自分の答案に不足しているものは何かを探し、同じ失敗をしないように修正するのが正しい姿勢と言えます。予習をして授業に臨まないと授業効果がまったくないと言ってもいいでしょう。
予習ではノートの左側のページに自分の解答を書き込みます。右側のページは授業で模範解答を書き込むので空けておきます。また、解答の下にテスティング・ポイントを簡単に書き込みます。テスティング・ポイントとは「その問題で試されている知識」のことです。英文和訳の問題での It is too ... to ~の構文のようなポイントとなる文法事項や、三角関数の問題での効率的な計算・式変形の仕方などがこれにあたります。授業中にはテスティング・ポイントがどこかということに集中して話を聞くようにします。板書の模範解答を覚えるために授業を受けているのではありません。
中学1年生では、Output型の授業よりもInput型の授業が多いかもしれません。しかし、小学校時代よりはOutput型の授業の割合は多くなりますし、学年が上がればなおさらのことです。知識を記憶する能力も小学生→中学生→高校生と変化していきます。それに対応できるかどうかによって、成績も大きく影響されると思います。次は「勉強のおまじない」について書きます。
Input型の授業でのノートの取り方について説明します。
授業では板書を写したり、先生の話を聞いたメモをとったりします。そのときに注意すべきことは、余白をとっておくということです。行間を詰めてぎっしりと書き込まれたノートはしっかりと授業が受けられているように見えますが、後からの書き込みができません。Input型の授業では授業を消化するための復習は重要ですから、(自分にとってわかりやすい)先生や参考書の説明を書き加えることができるように余裕を持たせることです。コーネル大学式ノートのように最初から、復習用のセクションを作っておくのも効果的と言えるでしょう。大切なことは授業用のノートを復習でどれだけ使いこなすかということです。書きっぱなしで二度と見ないようなノートを作っていると、Input型の授業では理解が深まりません。
また、Input型の授業では専門用語や固有名詞は重要であることが多いです。試験でも問われる可能性が高いので、漢字できちんと書けるようにノートに少し大きめの正しい字を書いておくことが必要です。いい加減な字をノートに書いて、それを使って試験前に勉強し、答案にその字を書いたらどうなるか。結果は火を見るよりも明らかですが、少しの手間を惜しんで失敗する例は少なくありません。
授業の進度が速い場合には記号や略語を使って効率よくメモをとることが有効になります。
e.g. : たとえば (exempi gratia)
i.e. : つまり (id est)
etc. : など (et cetera)
c.f. : ~を参照
ただし、意味がわからないのでは、逆効果になりますので、中学1年生では難しいかもしれませんね。
そのほか、サーキット法やマトリクス法などを使って、図表にまとめると知識の整理がしやすいのですが、その説明はまた今度といたしましょう。明日はOutput型の授業の受け方を説明します。
授業には大きく分けて2つのタイプがあります。理科系と文科系のことではありません。それは学問を体系立てて分類したときの区分です。授業方法をタイプに分けると、一つはInput中心の授業、もう一つはOutput中心の授業になると思います。教科・科目によって分けられるのではなく、その授業をおこなっている担当者の考え方や扱っている教材に左右される部分です。
Input型の授業では知識の説明が中心になります。歴史の授業で「群馬県岩宿遺跡で相沢忠洋によって打製石器が見つかった」とか、英語の授業で「使役動詞のmakeは『強制的に~させる』の意味になります」といったことを、教師が一方的に話しているものを指します。Input型の授業では、予習には効果がありません。予習で分かる程度の授業ならば受ける意味はありませんし、分かったと思っている生徒のほとんどが内容を過小評価していて、実はわかっていないのに分かったように誤解していることも多いのです。このタイプの授業では授業内容の把握と復習が重要なポイントになります。
ただし中学生の場合、まったく予習をしないで授業を受けると困る場合もあります。それは前提となる言葉や知識の欠如です。耳から入る情報量が多いので、重要語句の読み方を知らないと、理解度が低下する危険性があります。「そうしようるいのくきのとくちょうはかんじょうにならんだいかんそくとけいせいそうのそんざいです」と聞いたときに「双子葉類の茎の特徴は、環状に並んだ維管束と、形成層の存在です。」と頭の中で直せるかどうかが、理解の分かれ目になります。5分程度のわずかな時間で良いので、教科書や参考書を使ってキーになる重要語句の読み方を調べておくと良いと思います。
Input型の授業を受ける場合に、どのようなノートをつくると効果的でしょうか。これが明日の内容です。
6月に入りました。前期中間考査の学習計画表を配りましたので、お子さまの学習に対する関心は強くなっています。勉強をしないといけないという気持ちになっていて、「でも、何をしたらいいの」と不安になっているときにこそ、親御さんのアドバイスは効果的なのです。このチャンスを生かしてください。
中学校の授業にはいくつかのタイプがあります。タイプごとに学習の方法は異なります。例えば、英語と数学の勉強のしかたは同じではありません。ところが同じような姿勢で取り組もうとするお子さまが結構多い。学習方法がその教科科目に合っていれば効果的なのですが、合っていなければ努力に見合う結果が得られない。努力したのに結果が悪いものだから、「私は○○は苦手」と苦手意識だけが先行する。お子さまを見ていると、このタイプの苦手意識を持っている場合が珍しくありません。この場合、苦手だと思っている科目に対する勉強の仕方をアドバイスしてあげるだけで成績が伸びる可能性が高いですよね。
私は理科を担当しています。4月のはじめに「小学校時代に理科が苦手だった人,嫌いだった人」に手を挙げてもらいました。思ったよりも少なかったですが、それでも各クラス10人前後いたように思います。その時に「嫌いは感情だから構わないが、苦手はやり方の問題だから克服できる」と話しました。自分自身が学生時代に理科の授業を好きではなかったからです。カエルの解剖なんて出てきた日にはその日一日食事ができなくなるくらい生物学の生々しい一面が嫌でした。でも、理科(科学scienceという言葉のほうが適しています)を学ぶことの大切さは理解していましたし、学ぶことをやめはしませんでした。苦手であろうと嫌いであろうと、学問に取り組むときの姿勢さえ正しければある程度は理解できると思います。中学で学ぶ内容はこれからの人生の基礎になる部分ですから、好き嫌いに関係なく取り組ませることが大切です。
明日からしばらく授業の受け方について書いていこうと思います。参考になりそうなことがありましたら、遠慮無くお使いください。親御さんの体験談も含めて、お子さまと学習についてお話ししていただければと思います。小学生の頃は親御さんが一方的に話しても聞かすことができたでしょうが、中学生は話のタイミングが重要です。初めての定期考査が近づくこの時期を上手にお使いくださいますように。
私たちの周りには、普通に生活しているだけでも、色んな音が鳴っています。あらためて身の回りの音を意識して聞いてみると、何と雑音の多い中に居てるのかと気づくと思います。そして、国によって、音に対しての表現が違ったりします。私達は、虫の“声”と言いますが、他国では“ノイズ(騒音)”と表現するようです。確かに、秋の虫の声は穏やかな気持ちになれますが、夏の蝉の声は、集団になると“ノイズ”と化しています。おかげで我が家のテレビの音量は、冬に比べて夏の方が、かなり大きくしないと聞こえないほどです。
このように、音というのは、時と場合によって、また人によって感じ方が違ってきますので、音楽を聴きながらの勉強が、いいのか悪いのかは、一般論としても定義しにくいのです。
私の場合、ある程度の絶対音感を持っているため、音楽を聴きながら勉強をするなんて、絶対に無理なんです。たとえ、それがモーツァルトであっても、私には美しいハーモニーと感じる前に、ドレミの嵐が降ってくるし、歌にいたっては、ピッチ(音の微妙な高さ)が気になったりと、かえって混乱してしまいます。
医学的には、右脳と左脳の働きの関係から、勉強している間は、主に左脳が活躍し、音楽を聴いているときは、主に右脳が活発になると言われています。だから、これらを同時に行うと、脳全体が活動していることになり、疲れも多くなるから、勉強している間は音楽を流さず、キリが付いたころで、左脳を休ませるために音楽を聴き、右脳に血液を循環させることで、能率を上げることができるそうです。
ところが、音楽の力を借りることで、静かな環境を作ることも考えられます。家のある場所が、繁華街の中だったり、家族の中で、あるいはご近所で、熱心に楽器の練習に励んでいる人がいてても、そう簡単にやめてもらう訳にもいきません。そんな時は、自分の好きな音楽や、自然の音(水の流れる音や鳥のさえずり等)を、小さな音でかけることで、マスキング効果を期待できるのではないでしょうか。ただし、聴き入ってしまっては、何の効果も期待できませんが…。
いかがでしょうか。音に対して、自分はどのような感覚を持っているのかを探ってみた上で、自分なりの音楽との付き合い方を考えてみてください。
4回の連載はいかがだったでしょうか。
では、明日の学年懇談会、お待ち申し上げております。
一般的に居心地の良い部屋と言えば、風通しが良く、明るくて、広々とし、整然とした中に花でも生けてあれば…そんな夢のような状況が目に浮かぶかも知れません。それがかなうのなら、それにこしたことはないでしょうが、勉強部屋となると少し考えを変えてみる必要がありそうです。
私の親の育ってきた時代は、戦争という悲惨な状況だったため、とても厳しく、戦争を知らない幼い私には、理解しにくい面も多々ありました。“もったいない” “無駄遣いだ”と、勉強部屋には長い間、暖房も冷房も入れてもらえませんでした。暖房に関しては、“散らかった部屋にストーブを入れて、火事にでもなったらどうするんだ”と。大学に入ってからバイトをして、電気ストーブを自分で買いました。部屋の照明もスタンドのみ。恐がりの私にとって、これが一番辛かったです。しかし、今はとても恵まれた時代になっています。可能な範囲で、利用するのもいいのではないでしょうか。
はじめに、風通しについてですが、これは大切でしょう。1時間ごとに目覚まし時計を合わすなど、時間を決めて5~10分程度換気をする。今の時代、エアコンなど、室温を適度に調節しやすくなっています。よく、“頭寒足熱”という言葉を聞きますが、それは実行すべきです。机を置く場所も、エアコンが直接あたらないように考えたり、寒いときは、足元にホットカーペットを敷いたり、工夫してみましょう。蛇足でが、“集中できる、学力の伸びる机の向き” 等について気になる人は、今はやりの風水などを参考にするのも、気分的に楽になるかも知れません。
次に明るさですが、できれば部屋の照明をやさしくつけて、なおかつ手元の照明をつければ、集中しやすくなるでしょう。手元の明かりだけで部屋を真っ暗にしていると、不安になりやすく、目が疲れるだけでなく、ちょっとした物音や自分の影などが気になったりと、気が散ることもあるようです。
そして、カーテンは閉めておいた方がいいような気がします。外の風景が、自然の美しい環境にある人は、もったいないと思うでしょうが、そのあたりは臨機応変に。これは、私の体験談ですが、浪人中の真夏の暑い暑い中、昼間なのに窓を閉め、カーテンも閉め、エアコンもつけずに何時間もピアノの練習をしていた覚えがあります。ある意味、気が変になっていたのかなぁとも思いますが、とにかく外界から自分をシャットアウトし、集中したかったから。でも、ちょっと異常かなあ…それがあったから、大学にも合格し、今の私があるのですが…。
次回は、音楽を聴きながらの勉強について、考えてみたいと思います。
昨日の続きです。
さて、子供部屋(自室)を与えてもらっている場合、どのような環境が勉強するのに適しているのでしょう。こればかりは、人それぞれだとは思いますが、まずは一般論から入ってみたいと思います。
・勉強机の上には、何が置いてありますか?
・本棚のどの場所に、何の本が立っていますか?
・机の引き出しのどの場所に、何が入っていますか?
・通学用の鞄などは、どこに置いていますか?
これら全てを完璧に答えられるならば間違いなく学力が伸ばせる部屋だと思います。そうでない場合は、部屋を片付けなければいけません。“どこから手をつけたらいいかわからない”という人は、まず初めに、机の上のガラクタ類を、本当に必要な物以外は迷わず捨てる! その時、マスコット類や何かの景品などを眺めすぎて、思い出にふけっていては前に進みません。思い切って捨てる! そのうち、不要な物や余分な文房具類の多さに気づくでしょう。捨てるにはもったいないが、いらない物は、町内のバザーに出すとか、本校のインターアクトクラブの荒木田先生に相談するのもいいでしょう。無駄にならずに、リサイクルする方法を考えてくださるかも知れません。
机の上が片付いたら、次は本棚を整理してみてはどうでしょう。本以外は代用のきく物ですが、本だけは“その本”でないと意味がないからです。必要なときにすぐその本を手に取ることができれば、多くの場合、はかどるものです。そして、使ったら必ず元の場所に戻す。そして、寝る前には、たとえ作業(勉強)途中であっても、本を元の場所に戻し、机の上を片付けてから布団に入る。たとえ、深夜で睡魔に襲われていても、あるいは“明朝早起きして続きをするんだ”と思っていても、片付ける。もし、本当に早起きできたとしても、改めて本を開いた方が、気分も新たで、気合いも違ってきます。どうしても片付けてしまうのが不安であれば、整頓された机の上に、朝することをメモして置いておけば忘れることは無いでしょう。
ちなみに私は、いつもメモ用ノートを持っています。毎日、日付を書き、ノートの左端に□を付けてから、用件を右に書く。そして、その用件が済めば□の中に v を付ける。これを始めて、もう15年以上になりますが、それでも忘れることがあり、自責の念に陥りますが…
次回は、また違った面から、部屋の様子を見ていきたいと思います。
「学力の向上について」の連載が10回になりましたので、4回ほど人を変えてアップします。いろいろな考え方をもつ教員が学年担任として55期生の教育に取り組んでいます。各々が書く文章のどこかに家庭教育のヒントが隠されているかもしれません。
最近、家庭学習の環境について耳にする機会が増えてきました。皆さんは、どのような環境で学習しているのでしょうか。子供部屋(自室)を与えてもらっている場合、そこでどれだけ集中しているでしょうか。また、近頃は居間(リビング)を勉強場所とするというのもよく聞きます。居間で勉強すれば、どのような利点があるのでしょう。
まず、自室にはその名の通り自分の物が何でも置いてあります。中にはパソコンまで入れている人もいますね。ベッドがあるなど、よほど整理整頓していない限り、気の散る要素がいっぱいです。そこで、居間へ必要な物だけを持って行き、勉強をするのはどうでしょうか。そばには家族が一緒にいて、少しでも気が散ろうものなら“喝”が入る。しかし、そこには温かさもあり、兄弟姉妹のいる人は、一緒に勉強すれば、自分だけが家族から離れて、話題にも入れず辛い思いをすることも無いでしょう。それに、お互いに教え合うこともあるだろうし、親も一緒に食卓に向かって仕事ができるかも知れません。そこで出てくる話題は、長い目で見ると、決して悪い雑談ではないはずです。居間には必ずと言っていいほどテレビがあるでしょうが、家族の協力により、自然と必要以上には見なくなる可能性もでてきます。
家族の協力、これはとても大切なことです。同じ屋根の下に居ながら、お互いに何をしているのかよく分からない、あげくの果てには、何を考えているのか分からない、では、あまりにも淋しいではありませんか。親友を持てることは素晴らしいことです。しかし、最後まで側にいてくれるのは家族です。受験を直前に控えている人は別として、自分の部屋で、なかなか集中できない人は、一度試してみてはいかがでしょう。
次回は、子供部屋(自室)での学習環境について、考えてみたいと思います。
大脳生理学が流行ですね。
「バカの壁」の養老孟司さんが「学問が最終的に突き当たる壁は自分の脳である」と書いたことから、脳のはたらきに注目が集まりました。「感動する脳」「ひらめき脳」などを出されている茂木健一郎さんはAha体験やクオリアなどをマスコミを通じて世間に広めましたし、川島隆太さんの脳トレがDSになったのも最近の話です。「海馬-脳は疲れない」「進化しすぎた脳」を出されている池谷裕二さんも読みやすくてお薦めです。
私がこの連載の参考にしているのが、築山節さんの「脳が冴える15の習慣」です。このジャンルの本の中には怪しげなものも多くありますが、築山さんは脳神経外科医で脳機能の回復を専門にしてこられて、その経験を織り込んで執筆されているので、安心して読むことができます。「フリーズする脳」の著者と言えば、ご存知の方も多いかもしれません。
その前書きでこう書かれているのがこの本を薦める理由です。
『多くの現代人がいつの間にか脳の力を衰えさせているとき、欠けているのはたいていの場合、ごく基本的なことです。ただ、そのことに自分では気づかず、脳を働きにくくさせる方向に進んでしまっている。それを回復させるために大切なのは、気が向いたときに脳トレーニングを行うことよりも(それはもちろん良いことですが)、その「ごく基本的なこと」を生活に取り入れる、つまり脳にとって良い習慣を身につけることです。』
今月は公開授業旬間ということで、教員間で授業を公開し合い、授業の質を向上させる取り組みをおこなっています。私は今日、A組の英語1の授業を見せていただきました。クラスの半分しか生徒がいない上に、担任が見に来たということで緊張したのか、担当の先生も驚くほどとてもおとなしい様子でした。落ち着いた雰囲気の中で授業を聴けているから良さそうにも見えるのですが、一つだけ気になったのが復唱するときの声が出ていないということでした。
何かを覚えるときには次のようなステップを踏むと効果的といわれています。
1 情報を「意識的に」脳に入力する。
2 情報を脳の中で保持し、入力した情報を解釈する。
3 脳の中にある情報を出力する。
まず、意識的に入力するためには、その情報を出力するという前提が必要です。ただ聞くのではなく、それを誰かに伝えなければならないという前提で聞くならば、要点を意識的に捉えようとします。その要点を断片として、話全体も思い出しやすくなります。ご家庭であれば、授業でどんな話をしていたかを聞き出していただくのもよいかと思います。
次に、その情報を長く脳に留めておくことが必要です。長くといっても数秒のことです。口ずさんだり、書き写したりする。すると黙読とは違い、ある程度の言葉のまとまりを一時的に脳の中に保持する必要がでてきます。また、音読するためには、意味の分からない単語はできるだけ無くさなければなりません。意味がつかめていない文はスムーズには読めないのです。授業で気になったのはこの部分です。話したり、書いたりするという出力の練習が弱いと、学力は向上しません。
英語はお子さまにとって不安要素の多い教科です。中学校で初めて授業を受ける、聞き慣れない文法,覚える単語の数が多いなどを考えると仕方がないと思います。できるようにならなければその不安は解消されません。そのためには、文章を音読させながら、書かせること。それが正しいかをチェックしてあげることが重要です。ご家庭で毎日20~30分見ていただけると、お子さまがこの先、英語を苦手にしないで済みますよ。
体育大会で少し間があいてしまいました。また、この掲載を再開します。
昨日、高校生に「颯」という進路指導のパンフレットが配られました。その中に49期生へのアンケート結果が載っていました。私自身が6年間持ち上がった学年ですので、匿名でも誰のことか察しがつきます。興味深く読ませてもらいました。
希望通りに近い大学進学を果たした彼らに共通して言えることは、比較的早い時期に高い目標を持って日々を過ごし始めたということ、日々の学習時間はしっかりと確保していたということ、部活動をやめるのではなくメリハリのある生活をすることが大切だと考えていることです。
ダイジェストは「進路の部屋」4/23~4/28にも掲載されていますので、参考にどうぞ。進路の部屋へはここをクリック
55期生はようやく中高6年が始まったところです。大学入試はまだ先のことに思われるかもしれません。しかし、ぎりぎりになって考える進路が最善にはなりません。どこの大学に行くかはまだ先でかまいませんが、どんな大人になるのか、どんな人生を歩むのかを考えることは必要だと思います。
今、中学1年生にできることは、「初心を忘れない」ということでしょう。入学式のときに、しっかりと頑張っていこうと思っていたはずです。課題が多い、授業が早いと逃げ腰になってしまっては、何も身につきません。漢字・英語・数学…とテストや課題で振り回され始めているお子さまもいるようですが、そこから逃げ出したら、学力を向上させることなど不可能です。励ましながら、少しずつ力をつけてもらおうと思いますので、ご家庭でもご協力をお願いします。
一昨日の続きです。久石譲さんの「感動をつくれますか?」からです。
第二章の「直感力を磨く」にこんな文章がありました。
『最近いろんな人と話していて思うのは、結局いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切だということだ。創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。』
中学生のときにたくさんの経験をすることは、将来を豊かにするために必要なことなのですね。その経験は特殊なものである必要はないのです。積極的に授業を受け、たくさんの本を読み、いろいろな人とさまざまなテーマで話をし、部活動などで活発に体を動かすこと。清掃,委員や係の活動,家事の手伝いなど、中学生活のすべてが経験の蓄積になるのだと思います。この章の終わりにこうありました。
『楽な人生などない。みんな何かしら人知れず苦労しているものだ。だから自分から進んで苦労する必要はない。苦労自慢する人には、自分を冷静に見つめる第三の脳、客観視能力がない。ひいては知性が感じられない。普通の苦労は人間の幅を広げることにはならない。幅を広げたかったら、知性を磨くことと本当の修羅場をくぐり抜けることである。』
お子さまの能力を上げるためには、苦労させないために障害を取り除くのではなく、多少苦労することが分かっていてもそれを自分で乗り越えるまで見守ることではないでしょうか。楽をさせる方法はいくらでもあります。でも敢えて不自由な道を選ばせてこそ、それを克服する能力が身につくような気がします。
今日は子どもの日です。子どもの機嫌をとる日ではなく、子育てを見直す機会にしたいと思います。
今日は、久石譲さんの「感動をつくれますか?」を紹介しながら、文章を進めます。久石さんは、「ハウルの動く城」や「もののけ姫」などの映画音楽や「伊右衛門」などのCM音楽を手がけている作曲家です。創造力や感性が豊かな彼がこの本を執筆するにあたって、こう書いています。
『ものづくりの基本は感性だとよくいう。感性も創造も言葉では説明しにくい。だが、人間はものを考えるという行為を、言葉を介してやっている。ということは、僕が音楽家としてやっている方法、考え方、視点、もっと無意識下の感覚、そういうものをできるだけ言葉で表現することで、透けて見えるものがあるのではないか。』
創造性を一番大事にする作曲家でありながら、自分を社会の一員であると位置づけてものづくりをしていく姿勢があるからこそ、自分の考えを言葉で表現して社会に投げかけてみようとお考えになったのではないでしょうか。
今週、私たちは「漢字テスト」の出来に注目しています。漢字は読み書きの基本であるからということもありますが、それ以上に気がかりなことは「日本語の語彙力」の低下です。あれだけ図書室に出入りする生徒が多い学年でありながら、知っている言葉が少ないために漢字が書けないのではないか。文字を覚える能力とか学習意欲の低下に起因しないのではという気もしています。国語科とも協力しながら早期に分析を進め、最善の方策を考えていきます。
今日の朝終礼をお子さまたちはどのように受け止めたでしょうか。また、帰宅してからの様子はどうですか。まさか、いつもと同じような姿勢で机に向かっているのではないですよね。
今朝、国語と数学の提出物を集めました。担任としては絶句です。どのような状況だったかは直接お子さまにお聞きください。あまりの提出状況の悪さに苦言を呈することとなりました。未提出も再提出も明日の朝8時過ぎまでに職員室まで提出しに来ることになっています。また、漢字の2回目の小テストの合格状況が担当者から報告されました。これも放置できない状況ですので、急遽担当者に追試を準備してもらいました。明日朝8時15分からの追試は対象者全員が満点でクリアすべき課題です。
課題の提出や小テストの準備は学習の基本です。授業をしっかりと聞くこと、積極的に参加することと同じくらい大切なことです。いくら塾へ行こうと、通信教育を利用しようと、学校教育の基本ができない生徒に学力向上はあり得ません。もう入学して一月が経とうとしているのに、学習面での課題は山積です。状況が改善される気配がなければ、少々手荒な方法ですが、課題と追試によって基本的な学習姿勢を身につけてもらおうと考えています。中学生としての自覚をもって自学自習するようになるか、強制的に机に向かう生活に追い込まれるか、どちらを選択するかはお子さま次第です。前者になることを私たちは願っているのですが...
オリエンテーション期間中にお子さまたちに図書室の使い方を説明すると同時に、読書をすることの意味を少しだけ説明しました。自然学舎でも毎日1時間ずつ読書の時間をつくりました。4月中は朝の10分間を読書の時間にしました。小学校でも読書指導は熱心に行われています。お子さまに「なぜ本を読むのか」と問われたときの答えを用意できていますか。
今回は、斉藤孝さんの「読書力」を引用しながら説明します。5年くらい前に出た新書ですし、筆者は話題書をたくさん出しておられますから、お読みになった方も多いのではないでしょうか。
まず、読書は自己形成にとって強力な道であるということです。特にこれから自我が目覚めてくる中学生の時期にとって、人生の指針となるような書物に出会うということはとても大切なことだと思います。小学生でも読める楽しい読み物から、少しずつ「精神の緊張を伴う読書」へと移行していくことが必要です。中学生としてはまず文庫本で文学系の名作を読むのが良いかと思います。中学3年間に文庫本を100冊読むと、月に3冊のペースになります。
また、「一人になる」時間の楽しさを知ることも自己形成には大切です。一人きりで静かに本と向き合うことで、著者と向き合うことができ、優れた人の選び抜かれた言葉を、自分一人で味わうことができます。今の子どもは一人になることに耐えられなくてケイタイで誰かに常時つながろうとしているように思います。
そして、言葉を知ることも読書の中で身につきます。言葉の種類が少なければ思考も粗雑になります。考えるということを支えているのは言葉の豊かさなのです。しかし、日常生活で使っているのは話し言葉です。書き言葉のほうがヴァリエーションは豊富なので、感情や思考も複雑で緻密なものになっていきます。書き言葉を身につけるのにも読書は最良の方法です。
いかがでしょうか。お子さまに本を読ませたくなりませんか。そのためには、親御さん自身が楽しそうに本を読む習慣を身につけていただくのが、最短の方法だと思います。
お子さまにどこへ行こうかと相談されたご家庭もお有りでしょう。こんなところはどうでしょうか。
近いところでは、大阪大学が「いちょう祭」を4月30日,5月1日に実施します。模擬店などもありますが、寄っていただきたいのが、学内施設の開放です。附属図書館や総合学術博物館にも入れますし、理学部や基礎工学部などでは一般への公開講座も実施しています。豊中キャンパスも吹田キャンパスも同時に開放していますから、総合大学の内部を見学できるチャンスだと思います。
http://www.osaka-u.ac.jp/jp/saishin/icyousai2007.pdf
足をのばせば、京都で5月3日に流鏑馬神事,5日に賀茂競馬競馳があります。この季節は非公開文化財特別拝観(~5月6日)も実施されているので、普段は直接見ることのできない鴨長明の方丈(復元)とか円山応挙の「竹林図」などの文化財と接することができます。前もって少し知識をもって訪れていただければより深いものになると思います。
http://kyoto.jr-central.co.jp/kyoto.nsf/story/story_index_16
もちろん配布したカードが使える兵庫県下の博物館や美術館でも充実した休日が過ごせると思います。休日くらいは家でゆっくりと...も結構なのですが、この休みのうちにお子さまを外に出す機会を考えていただければと思います。
「たくさんの経験をさせる」についてです。
前に社会で生き抜くために必要な理解力・想像力・表現力を鍛えることが必要であると書きました。さまざまな授業を受けることで、それらの力は伸ばされます。国語や英語は読解力と表現力を、数学は理解力をそれぞれ要求する教科ですから、バランスが悪ければ苦手意識をもつかもしれません。でも、それは基礎トレーニングのようなものですから、鍛えれば容易に解決することなのです。
では、基礎トレーニングだけで学力は向上するのでしょうか。やはり実戦的なトレーニングも必要でしょう。それが、さまざまな経験なのです。家事を手伝う、掃除をする、部活動をする、さまざまな生活の場面で適切な行動をとるために頭を使うことが、実戦的なトレーニングになります。いくら知識があっても、それを生活の中で生かせなければ、何の意味も持ちません。勉強する時間を増やすために、それ以外の時間を削ることは決して良いことではないのです。
また、学校以外の場所を変えての活動も経験を積むという意味で大切です。今日、お子さまには「博物館・美術館に行こう」というプリントと3枚のカードを配布しました。本の中、インターネットの中にある情報はあくまでも架空です。本物を見せるということが視覚以外の感覚を鍛えるという意味でもとても大切です。中学生の時にたくさんの本物に出会うことができるように、ご家庭でもさまざまな機会を利用していただきますようにお願いいたします。
来週5月1日(火)から「細切れパワーアップタイム」の内容を次の段階に進めます。
「細切れパワーアップタイム」とは朝8:20~8:30におこなっている活動のことです。特に名前がついていなかったので、急遽命名しました。10分間の”細切れ”の時間に集中して「何か」に取り組み、こつこつと積み上げることで、お子さまたちに達成感を感じてもらおうとする意図で取り組んでいます。入学式からしばらくは10分間、教室で集中してもらう材料として小学校時代に慣れている「読書」を利用しましたが、来週からはドリル学習に切り替えます。各曜日の内容については明日お子さまに説明する予定です。
だらだらと時間をかけるような勉強ではなく、短時間に集中して必要な量を学習するような習慣を身につけることをご家庭でも求めてください。短時間に学習することができるようになって初めて、発展的な内容にも手を広げていくことができるようになります。学力の向上は、塾に行かせることで何とかなる課題ではありません。まず学習に集中する能力を向上させることが大切です。家庭で集中して1時間ないし2時間授業内容を消化する習慣をつけるだけでかなり学力は伸びますので、ぜひとも心掛けていただきたいと思います。
ずいぶんとお子さまたちも中学校生活に慣れてきました。と、同時にいくつかの問題点も表に出てきています。
学習面について目についていることは、2点です。
まず毎日の学習が定着していない、課題がやりきれない生徒が出てきていることです。中学生ですから自分で取り組むことが前提ですが、まだまだやれるやれないの個人差があります。できていないのに中学生だからできているだろうと見過ごされてしまうと、できていないことすら気づかない可能性があります。低学年のうちは、家庭学習がどの程度できているのかを見ていただいて、不十分であれば親御さんが横についていただきますようにお願いします。
また、学習に前向きに取り組む生徒が多く、活発な授業が展開されていることは良いことなのですが、騒がしいことと区別できない生徒がいるようです。一つの学習テーマに沿って自由闊達な意見交換をしていることは学習内容の充実につながります。しかし、それは好き勝手にしゃべることではないはずです。授業担当者の方で指導をしていますが、聞き入れない場合はほかの生徒の迷惑にもなりますので、学年で厳しく指導をさせていただきます。ご理解ください。
生活面で気になっていることは3点です。
学年では部活動に積極的に取り組むように指導しています。たくさんの生徒が見学に出かけたり、すでに入部しています。ただ、部活動をすると下校時刻は活動時間だけ遅くなります。にも関わらず、終わってからの動きが鈍かったり、食堂などでしゃべっていたりする生徒がいるようです。疲れもあってすぐに動けないのかもしれませんが、部活動をする前提として時間を有効に使うことが求められますので、帰宅時間が遅い場合には、顧問や担任にご相談くださいますようお願いします。
また、携帯電話の使い方については入学式にプリントを配布し、説明申し上げた通りです。基本的には持ってこない、事情があって持ってくる場合には、生徒手帳に事情を書いていただき、朝礼までに担任に預けるというのが学内のルールです。今日、食堂で携帯電話を使っていた生徒を見かけましたので、指導の上で、親御さんにも来ていただき、再度説明しました。今の携帯電話はいろいろな機能がついていて便利ですが、使い方を誤ればトラブルの原因になります。安全のために持たせるという親心がお子さまに充分に伝わっていればよいのですが、低学年の場合にそれがよく分かっていないということもあるようです。授業中に問題が起きた場合には厳しい処置をさせていただきますので、必要がなければ持ってこないようにさせてください。
最後は人との接し方です。入学時よりも距離が縮まってきたので、同級生どうしあまり遠慮しないようになりました。それ自体は悪いことではないのですが、乱暴な言葉遣いや行動で嫌な思いをさせているのに気づいていない生徒がいます。活発なのと粗暴なのとは違います。気づいたときには注意していますが、ご家庭で困っているようでしたら、担任にご相談いただきますようにお願いいたします。
「教科・科目を絞り込まない」から書こうと思います。
高校になると理系・文系に分けるほうが能率が良いのではないかという意見もあります。理系は英語・数学・理科の3教科,文系は英語・国語・社会(多くは歴史)の3教科だけに集中して学習すれば、1教科の学習時間が多くなって、成績が上がるのではないかということをおっしゃっているのだろうと思います。それも一理ありますし、実際に効果が見られる生徒もいますが、学習時間の総合計が減るために成績が上がらないケースが見られます。
中学生の学習ではできるだけ広範囲に学習することが大切です。大きな土台の上にはたくさんの砂を積み上げて高い山をつくることができますが、土台を絞り込むとその上に高い山をつくるのは難しくなります。それと同じで、早い時期から教科・科目を絞り込むことは高い学力を身につけるのが難しくなります。それぞれの学問領域は独立しているわけではなく、関連性をもっています。だから、得意不得意に関わらず、いろいろな教科・科目に取り組むことが学力全体を伸ばすことにつながります。
早い時期から可能性の芽を摘むようなことは避けてください。お子さまの可能性はまだまだ開花していません。どのような才能がいつ伸びるのかもわかりません。お子さまの将来を案じるあまりに急いで進路を決定しようとすることは、決して良いことではありません。進路は時期がくればお子さま自身が自分で切り開いていくものなのですから。
次は、「たくさんの経験をさせる」について書こうと思います。
先週の金曜日に中学担当者の会議を開きました。
その席で生徒に求めることとして
・授業時間を大切にさせる。
・けじめをつけさせる。
・家庭学習を身につけさせる。
ということを確認しました。
最初の2つは学校生活の中で指導することができます。
ただ、家庭学習についてはご家庭の理解と協力がなければ効果をあげることができません。また懇談会などの機会にもお話しさせていただきますが、次の点を意識していただければと思います。
・毎日の家庭学習を習慣づける。
・教科・科目を絞り込ませない。
・たくさんの経験をさせる。
続きは、明日以降に掲載します。
今日から授業が始まりました。各授業担当者から授業についてのレクチャーを受けて、小学校との違いを感じ取ってくれたのではないでしょうか。私は今日、A組とC組の2クラスで授業をしました。最初は、不安そうな表情だった生徒さんたちが、徐々に「そうか、今日からスタートなのだ」と気づいて、やる気を起こしてくれたような気がします。
さて、学力の向上のための方策を、これから授業の進行とともに始めていきます。その一つとして、親御さんにも理論武装をしていただくつもりをしています。今回は、鈴木光司さんが書かれた「なぜ勉強するのか」という本を紹介させていただきます。新書ですので、気軽にお読みになれると思います。
タイトルにあるように「なぜ勉強するのか」と子どもに訊かれたときに合理的に答えることができれば、子どもにとって勉強が無意味でなくなる。勉強に意味が出てくれば、やる気が飛躍的に向上するのではないか。そして、勉強するのは「社会をよりよくするためだ」と明言することで、子どもがポジティブに生きていけるのではないだろうか。社会で生き抜くために必要な理解力・想像力・表現力を鍛えるのが学校での勉強の本質であるというのが、著者の論旨です。
著者の考え方のすべてに共感できるわけではありませんが、「社会に役立つ人材を育てる」ことが本校の目標ですし、なぜ勉強するのかという問いへの答えの一つとして「社会をよりよくするため」というのは説得力があるのではないでしょうか。