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2013年03月02日

いよいよ学年末考査

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 来週から学年末考査です。きょうの午後、在校生の試験勉強の手助けのために、大学に行っている卒業生が、応援に駆けつけてくれています。「OB・OGによる学習支援」です。場所は会議室で、中学一年生から高校生まで、先生に教えてもらうのとは違った雰囲気で学習しています。職員室に隣接している交流スペースも賑わっています。こちらは先生が熱心に指導しています。もちろん、学習スペースで黙々と一人で勉強している姿もあります。
 多くの生徒は、昨日は卒業式で休みでした。あすは日曜日で、また休みです。月曜日からの学年末考査に向けての準備の時間は十分あります。結果が楽しみです、といいたいところですが・・・。
 私たちもそうですが、時間があるから前もって十分準備ができるかといえば、必ずしもそうではありません。計画的に物事を処理していかないと、結局のところ切羽詰まってからやらなければならない、ということがよくあります。その人の性格によるところもあるかもしれませんが、スケジュール管理、物事の段取りというものを大切にしなければいけないと思います。突き詰めれば、「何とかなる」、「この程度でいいだろう」という安易な考えがそうさせているのでしょう。それでいけば、与えられた課題を何とかこなすことはできても、自分の持てる力を最大限発揮するとか、力をさらに向上させてより高い成果を上げるということにはなっていません。これだけの時間と環境があれば、これだけのことができるという発想で取り組む必要があるのだと思います。自戒の念を込めて・・・。

2012年09月27日

高校1年生JICA国際交流授業

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         書道実習                     調理実習
 JICA(独立行政法人国際協力機構)は、外務省所管の独立行政法人で、開発途上地域等の経済及び社会の発展に寄与し、国際協力の促進に資することを目的としています。きょう、JICA職員2名とブータン、インドネシア、エジプトなど9カ国から橋の建設について学びに来られている17名の研修員の方が来校されました。高校1年生と国際交流授業を行うためです。
 本校生は、書道実習や一緒におにぎりを作る調理実習では先生役を務めました。午後からのワークショップでは、本校生は折り紙を研修員の方はそれぞれのお国の文化や風習などを相互に教え合いました。もちろん会話は英語で行っています。どこまで細かく説明できたか理解したかは様々ですが、気持ちは通じ合い交流はできたと思います。
 学びの方法はいろいろな形があります。普段の授業のように先生が主導ですすめていく形式もあれば、今回のワークショップのような形式もあります。いずれの場合も学びの主体である生徒がどのように活動しているかが大切なところです。教えてもらうという受け身の姿勢から、教えるという能動的な対場を取り入れることによって、自分の理解の不十分さに気付いたり、考えていることを相手に伝えることの難しさを実感したりします。このことは自らが学ぶ立場に立った時、貴重な経験として生きてくる筈です。
 「具体から抽象へ」、いろいろな体験・経験を通して学びを深めていく、高校1年生にふさわしい国際交流授業だと思います。研修員の方の帰り際の笑顔がきょうの内容の充実ぶりを物語っていました。

2012年07月08日

幼稚園から高校まで一丸となって

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  《 NZ説明会 》
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  《 幼稚園バザー 》
 雲雀丘学園には幼稚園が2園、雲雀丘学園幼稚園と中山台幼稚園、学園小学校、学園中・高等学校があります。昨日は、7月7日土曜日でしたが、それぞれでいろんな取り組みがありました。
 高校は1Day Collegeでした。午後からはニュージーランド研修に参加する生徒の最終説明会も行われました。3週間に渡る語学研修です。21日から出発しますので、ほぼ夏休み返上で頑張ることになります。きっと、大きな成果をあげて帰ってきてくれると確信しています。
 中学校は中体連行事で、各クラブが頑張っています。その様子の一部は「クラブ」を見ていただければお分かりいただけると思います。思うように力を発揮できなかったクラブもあったようですが、今日、8日(日)放送部が中学県大会で優良賞を受賞する成績を収めました。なんと、11年連続全国進出の快挙です。
 小学校は補習の取り組み、中山台幼稚園は「わくわく体験幼稚園」で、未就園児の皆さんに幼稚園を体験していただく行事でした。これらについて、全て見ることはできませんでしたが、雲雀丘学園幼稚園のPTA「バザー」には招待を受けていましたので、わずかな時間でしたが参加させていただきました。たくさんの参加者があり、活気にあふれていることに驚きました。先生方も「先生のコーナー」をつくり、楽しい取り組みをされていました。中学生の鉄道研究部もバザーに協力出展し、楽しんでいただいていたようです。
 雲雀丘学園は幼稚園から高校までの総合学園です。それぞれの校種が魅力を発揮し、多くの方に支持していただける保育・教育内容の構築と学園のビジョンと創立の精神の浸透を図るため、中・高等学校は先頭に立って頑張っていきたいと考えています。

2012年07月07日

1dayCollege

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 昨夜来の雷と豪雨で、眠れぬ夜を過ごされた方も多かったと思います。警報がでますと、せっかくの企画である1Day Collegeが流れてしまいます。各大学の先生方の、この日のために準備してくださっているものが、無駄にならなくてよかったと、胸をなで下ろしているところです。

 生徒にできるだけ分かり易くと、実験機材等の搬入など、いろいろ工夫していただいての講座でした。各講座の詳細は「進路のへや」で報告されますので、そちらをご覧いただきたいと思います。
 生徒の方は、期末考査を昨日終えたばかりという日程でしたが、各先生方の熱のこもった講義に引き込まれていたようです。きっと、自分の進路を考える上でヒントをつかめた生徒も沢山いる、と期待しています。各会場を回らせていただいて気づいたことですが、熱心に講義を受けておられる保護者の姿を見かけたということです。「共育・共学・共成」の姿を見た思いです。
 また、ある私立大学の教授から、「貴学から毎年指定校推薦で入学されてくる生徒さんが非常に優秀なので、ご挨拶にあがりました。」と、お褒めの言葉をいただきました。大学でのご指導の賜物だと思いますが、この様なお言葉をいただいて嬉しい限りです。単なる大学選びではなく、何のために、何をするためにそこを選ぶのかを明確にした進路指導の大切さを再認識した次第です。

 各先生方のお陰を持ちまして、伝統的行事である1Day Collegeを今年も無事終えることができました。来年もよろしくお願いします。
 折しも、今日は七夕。一年後の再会を楽しみにしています。

2012年07月03日

学ぶとは、感動を心に刻むこと

 「学ぶ、(『まねぶ』の変化という)教わる通りに、本を読んだり、物事を考えたり、技芸を覚えたりする。」また、「まね、学ぶと同源の文語動詞『まねぶ』の語幹」と新明解国語辞典にあります。
 「学ぶ」という言葉は以上の通り、「まね」、「まねぶ」というところから来ています。赤ちゃんがお母さんの言葉をオウム返しで繰り返し覚えていく、まさに、「まねぶ」です。学習の基本は繰り返し「まねぶ」、ここにあると思います。
 武道においても「守・破・離」(しゅ・は・り)という言葉があります。修行における順序を表した言葉です。「守」とは、師の教えを忠実に守る。「破」は、師の教えをしっかり身につけ、自分の特性にあった自らの境地を見つける。「離」は、それらの段階を通過し、何者にもとらわれない境地を切り拓く。という意味です。ここでも、最初は「守」、教えを忠実に守る。「まねぶ」です。
 学びのマジックワードとして、「学びたいことがあります。教えてください。お願いします。」を内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)はあげておられます。「これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長することができる。この言葉を惜しむ人は学ぶことができないのです。」とまでいわれています。学びには、教えられたことを忠実に守る謙虚さ、素直な心が必要だということだと思います。
 学びを扱った言葉に、私の好きなフレーズ、この詩は1943年、ナチスの弾圧によりストラスブール大学の教授・学生が銃殺、逮捕されたことを痛み書かれた「ストラスブール大学の歌」の一節ですが、「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと。」( ルイ・アラゴン)があります。これを手本に、感動や驚きがある事象は記憶に残るところから、「学ぶとは、感動を心に刻むこと」として、よく使わせていただいています。
 謙虚さ、素直な気持ちを持ち、教えられたことをしっかり守り、そこから次のステージへと進んでいく「本物の学び」を追求していく生徒であってほしいと考えています。

2012年06月25日

期末考査一週間前

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 一週間後には期末考査です。今日からクラブ活動も中止になりますので、放課後の時間の使い方が大切になります。普段からシッカリ学習してるので、取り立てて特別なことをすることはない、と思っている人もいるかもしれません。日常の学習の延長線上に考査があるということは当然のことですが、中間や期末といった定期考査に向けては、特別な体制を組むということが必要です。

 今学習しているところを理解しようとすれば、以前学習した内容を理解していないと分からない内容や科目がほとんどです。が、以前の内容が不十分でも、今回学習した内容を理解できるものもあります。ただ闇雲に、丸暗記をしなさいといっているのではありません。授業中は分かった、理解できたと思っていても、思い違いや勘違いなどがあって理解できていなかったという事はよくあります。これらをシッカリ検証し、できていないところは復習し直す。当然覚えないといけないことは覚える、ということです。いずれにしても、学習した範囲は限定されていますので、その内容を100%理解するところまで準備をして臨む気構えを持つことです。

 既知の知識を駆使し、新しい課題や問題の解決にあたるということは学習だけに限ったことではありません。すべてに通じることです。学習した内容が本当に理解できているか、傾向の違う問題で試してみる。本質が理解できていれば通用するはずです。どうもうまく行かない時は、本質まで理解できていないということになります。「できる」と「分かる」は違います。「分かって」いなくても「できる」ことがあります。たまたまとか、偶然できたというのもその一つです。ただ、パターンや方法だけを覚えていて「できる」ということもあります。反対に「分かって」いても、解答の段階のケアレスミスで「できない」こともあります。この一週間、特別な体制を組んで、「できる」かどうかだけではなく、「分かって」「できる」を目指して頑張ってほしいと考えています。 

2012年05月26日

感動の金環日食、そこから一歩踏み込んで

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*ベイリービーズ・・・太陽と月の縁が重なったときに月表面の凹凸から光が漏れる現象

 この写真は、5月21日(月)雲雀丘学園中高等学校の校庭から撮影したものです。写真の右下に「ベイリービーズ」がきれいに映っています。当日は、朝7時から観測会を実施し、約170名の中高生が参加しました。金環日食の現場に立ち会え、感動の一日でした。

 国立天文台などの研究者で構成する「金環日食限界線研究会」が24日、太陽の半径は暫定値で69万6010Km(誤差はプラスマイナス20Km)と発表した。これは、金環日食前後の現象、本校の校庭からも確認することができた「ベイリービーズ」を観測して計算したということです。「国際天文学連合は1891年当時の計算に基づき、太陽の半径を69万6000Kmとしており、これをやや上回る結果。2008年までの約10年間に海外で発表された5本の論文では69万5508〜69万6180Kmとばらつきがあった。」と時事通信社は伝えています。
 同じような方法で、愛知県立一宮高校の地学部の生徒たちが、また、違った方法で、岐阜県立大垣東高校地学班の生徒たちも挑戦しているそうです。どのような結果が出るのか楽しみなところです。

 今回の金環日食もそうですが、私たちはいろんなところで、多くの感動する場面に出会うことがあると思います。「美しいなあ」「すごいなあ」と感動することは大切なことです。「感動を胸に刻むこと」が学びの原点だと思います。が、そこで止まらす、愛知県と岐阜県の高校生のように、一歩踏み込む姿勢や探求心、これが大切だと感じました。
 さて、6月4日は部分月食、6月6日は金星の日面通過と続きます。これらを通して、どのような一歩を踏み出せるでしょうか。

2012年05月25日

中間考査終了、新たな課題に向かって

 中間考査が終わりました。生徒たちもチョット一息といったところかもしれません。
 4月からの生徒たちの学習面での頑張り具合が結果として表れてきます。ただ、考査というのは、生徒の学習の到達具合や取り組む様子が表れるだけではありません。指導してきた先生の反省、総括の材料でもあります。良かれと思って指導してきたことが本当に身についているのか。ついていないとすれば、どこに問題があるのか等を分析して、次からの指導に生かしていく必要があります。
 4月当初に行った中学や高校の外部テストの結果も届いています。これらは新年度を迎えるまでの学力の分析ですから、中間考査の結果と併せて、今後の各生徒の指導方針を作成していく資料になります。ケアレスミスや本来の力がうまく発揮できなかったということもあるでしょう。しかし、気持ちの切り替えやミスを防ぐことで解決できない、もう少し長い期間かけて取り組まなければ克服できない課題も有ると思います。
 学校としては、期末考査に向けての短期の取り組みや夏休みから一年間を見通した長期の対策や課題を検討する作業に入っています。担当している学年やクラスだけでなく、中学から高校までを通した教科としての分析、また、教務部や進路指導部など各分掌から過年度との時系列で観た分析などを進めていきます。
 基本となるのは生徒自身による分析です。テスト結果と真正面から向き合い、自分のやるべき課題、それも今すぐやる課題と長期的に取り組む課題を明確にできれば、半分以上は解決できたことになります。後は、先生と相談してやるだけです。課題と向き合い解決していく、そしてまた新しい課題に向き合う、というサイクルを身に着けていく生徒であってほしいと思います。

2012年05月22日

中間考査始まる

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 本やノートを片手に持つ生徒の姿がいつもより多く感じられます。登校してくる生徒の流れもいつもとは少し違います。明らかに、考査初日とわかる登校風景です。今日はシリーズをお休みして、生徒たちにエールを送ります。
 中学一年生にとっては初めての考査になりますが、以前から在校生にとっても新しい学年、新しいクラス、初めての先生など今までと違うかたちで授業を受けてきているはずですので、今までの自分とは違う取り組みで考査に臨んでほしいと言ってきました。その成果が問われるときです。
 日常の生活習慣、学習習慣などのルーティーンをしっかり守るということは大切なことですが、考査など、いわば非日常の事態ですので、非日常の対応が必要になります。このときの取り組み方によって、日常の取り組み方にも大きな変化を与えることがあります。「ゾーンに入る」経験をしてほしいのです。「ゾーンに入る」と言う言葉は、スポーツ選手などが試合の時に、今まで経験したことのない力を発揮したりする時に使われたりします。こうした経験が有るということは、今後の自分の力を伸ばしていくときに、大切な財産になることは間違い有りません。
 中間考査ですので、基本的には4月から学習したことのチェックです。学習した範囲もそんなに多くないはずです。いつもより時間もたくさんあるはずです。一番「ゾーン」に入りやすい状況です。このような時は「絶対にやってやる」という意気込み、意欲など精神的な作用が大きくものをいいます。是非、「ゾーン」を経験して、さらにステップアップした自分を創り上げることを期待しています。

2012年05月09日

新たな自分に見合った新たな取り組みを

 毎年同じ事を繰り返しているということがよくあります。学校もそうです。しかし、本当に同じ事の繰り返しになるのでしょうか。むしろ、逆に同じ事の繰り返しの方が少ない、いや、無いと言った方がいいかもしれません。現象や、表面上は同じように見えても違っているはずです。そこを見落としてしまうと、マンネリになり、効果のないものになってしまいます。
 いろいろな行事、考査など年間行事は毎年毎年大きく変わりません。だからといって、例年と同じ取り組みをしていては、だめだと思います。生徒も替わり、それを指導する先生も替わるように、同じ要素の方が少ないのです。だから、例年通り行ってもうまくいかないのは当然です。現象的にはうまく言っているように見えても、本当にそこにいる構成員の力を十分出し切れたかどうかという観点から見ると、決して喜べるのもではありません。なぜなら、現状をしっかり分析したうえで、今を観れていないからです。
 13日は体育大会、それが終われば中間考査、新入生にとっては初めての考査です。在校生にとっても、新しいクラスで、新しい先生に指導していただいて考査を受けるという意味では、新入生と同じ事です。今までの自分の学習の仕方と今がどこが違うのか、変わってないとすれば、今の自分に求められている事には、十分対応し切れていないと考えてください。
 新たな自分に見合った新たな取り組み、今までとは違う取り組みがあって、初めて本物になったという事ができます。

2012年05月08日

ふと授業に引き込まれて

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           国語                         英語
 いつものように、校内を巡回しながら、ふと授業の様子を見に入ったところ、中学3年生の授業で、菊池寛の小説「形」の授業が行われていました。ご存じの方も多いと思いますが、あらすじは、槍の名手中村は、戦場へ出かけるときは決まって「猩々緋(しょうじょうひ)の服折を着て、唐冠纓金(えいきん)の兜」という派手な装束でむかいます。槍の腕前はもちろんの事、対峙した相手は、その装束、形を見ただけで、おそれをなして負けてしまいます。ある時、主君の息子の初陣に自分の装束を貸し、「その日に限って、黒皮縅(おどし)の冑を着て、南蛮鉄の兜をかぶっていた」ので、いくら、いつものように口上を述べても、相手は怯まず、名もない雑兵に簡単に負けてしまうという話です。
 この小説を読んだのは、数十年以上も前のことですが、私自身にも強烈な印象として残っています。当時、高校時代のことですが、どうしても勝てない学校があって、その学校の校章を刺繍した稽古着・袴、独特の色合いの防具、「形」だけではないかもしれませんが、その「形」に負けていたという経験があったからです。
 「形」に負けてしまう人間、「形」の力で自分の本当の力を過信してしまう人間、さあ、この授業を通じて、生徒たちはどんな「形」を思い浮かべてくれることでしょう。権威、伝統、評判など目に見えない「形」もあるかもしれません。

2012年05月07日

剥げた芝生を見て思うこと

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 連休明けのひさしぶりの登校です。朝から元気のいい声で挨拶する生徒もあれば、少し小さな声で返事が帰ってくる生徒もあります。冬服と合い服の併用期間でもありますので、バッジをつけ忘れてくる生徒もチラホラ見受けられます。でも、みんな元気な様子です。朝の登校指導の風景です。

 校庭の芝生も、連休で少し元気になってきたようで、緑が濃くなってきました。ところが、一部地面が見えて、剥げているところがあります。踏圧に強いとされているティフトン芝を張っているのですが、どうしても、多くの生徒が利用しますので、剥げてしまいます。芝が剥げるので使用させないということになると、何の為の校庭の芝生化か、ということになります。剥げるのは仕方のないことです。その剥げた芝生を見て、生徒たちが何を感じてくれるのかということです。奇麗な緑の芝生は、放っておいてできるものではありません。雑草抜きや肥料の散布など、メンテナンスを誰かがしているのです。
 また、学園内には多くの草花や木々があります。季節に応じて奇麗な花を咲かせてくれます。それらを見て奇麗と感じる心は勿論、咲かせるまでの経過や背景にまで思いを馳せられる人間になってほしいと思います。
 いつも誰かが用意したり、お膳立てしてくれたことを、さも当然のごとく使用する何も感じない生徒にはしたくありません。誰かにしてもらう人間から、他人の為に力を尽くせる人間に。夢物語でしょうか。

2012年04月28日

さあ、リフレッシュして5月へ

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 平戸ツツジが赤や白、ピンクなどきれいな花を咲かせています。今日のような青空には、一層映えて一段と綺麗に見えます。今年は例年になく寒い冬で、桜の開花も遅く、ついこの間まで桜が咲いていたかと思うと、もうツツジが咲き始めています。より一層季節の進みが早く感じられます。
 今日で4月の授業は終わりです。授業が終わっても、午後からカナダ研修に参加する生徒は研修に向け事前の学習、心構え等のオリエンテーションが行われています。並行して、隣の演習教室では、「戦略的受験勉強法〜努力が報われるように努力する〜」というテーマで卒業生が在校生に講演を行ってくれています。彼は塾や予備校にも行かず、クラブ活動も一生懸命頑張り、現役で京都大学に合格した生徒です。高校生に混じって中学生の姿もチラホラ見えましたが、会場は一杯でした。身近な先輩の話ですので、我々が話すのとはまた違った感じで聞いていてくれていると思います。クラブ活動に精を出している生徒、体育大会の準備に残っている生徒など様々ですが、連休前の4月最後の土曜日、生徒たちの元気に活動している姿が、あちらこちらで見られます。
 世間では、ゴールデンウィークで9連休だとか、2万人もの海外への旅行者が関空から飛び立っているなど騒いでいます。連休といっても休みが取れず働いている人もたくさんいます。クラブ活動の試合で頑張っている生徒もいます。休みの間に授業という日々を送ることになると思いますが、心と体と頭をリフレッシュして5月に臨んでほしいと思っています。
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2012年04月25日

インターネットは諸刃の剣

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 インターネットの普及は目覚ましいものがあります。それが、現在では携帯電話やスマートフォンとして簡単に持ち歩くこともできます。パソコンを立ち上げる手間や場所を選ばず手軽にできるところに、便利さと同時に危険性も潜んでいます。「ネットの悪口やいじめ」、「オンラインゲームでのトラブル」、「わいせつな犯罪や暴力犯罪の被害者に」、「個人情報がインターネットに流れる」などインターネットの危険は一杯あります。何気ない一言を書き込んだり、興味半分の気持ちでクリックしたりすることによって、これらの危険に巻き込まれることがあります。ボタンやキーを押すのが未成年者であろうが、大人であろうが関係ありません、押したという事実だけが問題になってきます。また、ネット上では匿名性が確保されている、実名を出さなければわからないと思うのは大きな間違いです。
 インターネットは居ながらにして、世界中から情報を得ることや発信することができるという素晴らしい技術です。しかし、恐ろしいことに、初めから悪意を持って人をだまそうとしたりする動きがネットの中には一杯あるということです。いかにすればうまく人をだませるか、人を陥れるために「知識や技術」を使っている人間がいるのです。何とも情けない話ですが、これが現実です。
 人間が生み出した文明の諸刃の剣です。行き着くところは、いかに素晴らしい道具や機械、技術であっても、それを使うのは人間だということです。誰のために、何のために、どう使うのかが問われていると思います。

2012年04月19日

クラブ活動のすすめ

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                    講堂でのクラブ紹介

 新入生対象のクラブ紹介も終わりました。中学1年生は担任の先生に入部用紙をたくさん貰いにいっているそうです。中学生の入部率は毎年高く、8割を超える生徒が文化部、運動部に所属しています。高校生も7割弱の生徒が入部しています。
 クラブ活動は、学校生活の中で自分たちのやりたいことを選択してできる唯一のものと言っても過言ではありません。中高生時代のこの経験は、非常に大切なものだと思います。学習面にも必ず良い結果をもたらします。
 同じ学年だけではなく、先輩もいますし後輩もいます。いわゆる良い意味での「縦の関係を学ぶ場」でもあります。学校の教育活動とはまた違った教育的側面を持つ重要な活動です。新入生の保護者の方には、入学式後のオリエンテーションでもお話しさせていただきましたが、クラブ活動で頑張っている生徒は学習面でも頑張っています。今春、高校を卒業させた旧3年生の担任団から、進学面でも頑張っているとの報告を聞いています。これは毎年のことです。クラブ活動と学習は必ず両立するということです。
 学習も軌道に乗り出しています。校長室にいても授業の様子がかすかに聞こえてきますが、非常にさわやかな、いい感じです。これから、難しくなり困難に直面するかもしれませんが、今まで、クラブを辞めて学習面で伸びたという報告は皆無と言っていいと思います。
 自分の興味、関心のあることに、とことん打ち込んでみよう。当然、打ちのめされることもあるでしょう。しかし、それを乗り越えることによって得るものは宝物です。
 勿論、学習をしっかりやりながら。
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2012年04月04日

「共育」・「共学」そして「共成」

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 荒れ狂った春の荒らしも過ぎ去り、風は強いというものの春らしい日差しが戻ってきました。桜も一段と開花が進み、校庭の芝生も心なしかうっすらと青い色が出てきているようです。

 本校では従来から生徒の育成にあたって、家庭と学校が両輪となって進むことをモットーにしてきました。と申しますのも、中学から高校にかけての6年間というのは人生で最も多感な時期で、自我の目覚めとともに大人へと成長していく時期です。このときによくいわれるのが、子どもは周りの大人を観て育っていくということです。周りの大人とは家庭ではお父さんやお母さん、学校では先生です。この周りの大人を批判的に観ながら自分というものを確立していきます。大人よりも友達同士の影響の方が大きくなる時期でもあります。反抗期といわれる所以です。
 しかし、この時期は自立していく上では大変重要だといわれています。子どもたちのネットワークはすごいものがあります。子どもはネットワークを組んで大人に対峙してきます。大人がバラバラで対応していては太刀打ちできません。だからこそ、子どもを取り巻く大人のネットワークが大切になってきます。
 本校では子どもを親と先生がともに育む「共育」、子どもだけでなく親も先生もともに学ぶ「共学」、の姿勢が大切だとしてきました。ここに、子どもだけでなく、親も先生もともに成長する「共成」を付け加えたいと考えています。「共育」・「共学」そして「共成」です。

 今の自分に満足することなく、新しい自分を作っていくということは年齢に関係ないと思います。
 24年度を迎えるにあたっての人事発表の場で、校長を筆頭に成長した新しい自分を作り出すことに取り組み、新たな雲雀丘学園中高等学校になるように力を合わせて頑張りましょうと訴えかけています。

2012年04月03日

新年度準備

 昨日の職員会議や合同職員会議で確認された今年度の教育ならびに経営方針をもとに、新年度準備が始まっています。

 担任や学年担任、分掌担当、クラブ顧問など先生の体制づくり、新体制のもとでの学年や教科担当者の打ち合わせ等いろいろな部署や担当するところで会議が持たれています。それだけではありません。時間割の作成、職員室の座席替え、教室の配当替え、教室の机の過不足の調整、下足箱や傘入れの割り当て等さまざまな業務が行われています。

 施設設備の面でも、新学年が気持ちよくスタートを切れるように清掃や改修工事など行っています。今年は中学棟のトイレを改修します。春休み中に5階すべてを改修することはできませんので、5階、2階と1階の3か所を新しくします。中学の新一年生が入る階は4月から新しくなります。

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 そのほかにも、校庭の芝生の手入れと養生を行っています。エアレーションという地面に穴をあける作業です。直径1センチ弱の穴を2〜3センチ間隔で芝生面にあけていく作業です。校庭に無数の穴があけられます。空気を芝の根っこに供給してやることにより、芝生を活性化させるのです。また、土の中に空気が送り込まれることで微生物の活動が活発になります。土もほぐれますので、水はけの改善にもなるということです。このような手入れをしてやることによって美しい緑の絨毯が出来上がるのです。

 今日は春の嵐が吹き荒れました。この雨や風に負けず、校庭の桜も咲き始めました。桜も新入生を迎える準備をしてくれています。入学式にはきっと満開になっているでしょう。
 咲き誇る美しい花に感動する心を持ってほしいのは勿論のこと、花を咲かせるまでの過程に思いを巡らせ、そのことに感動する心を持つ生徒を育てたいと思っています。
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2012年04月01日

平成24年度のスタートにあたって

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 今年度は、中学、高校とも過去最高の志願者で入試が行われ、過去最高の入学者を迎えてスタートを切ることができました。とりわけ中学入試は、6年生の児童数減少に加え、景気動向の影響もあり年々厳しくなってきているといわれています。厳しい情勢のなか、このような結果をおさめることができました。寄せられた期待に応えられるよう一層努力しなければならないと、責任を痛感しております。

 中学改革から5年目を迎えます。新しい制度の下で入学してきた生徒たちが中学1年生から高校2年生までになります。一年先行して高校改革を行っておりますので、高校3年生だけが違うシステムになっています。このような体制で24年度がスタートします。私たちが第二ステージと位置づけています中学改革後の生徒たちが卒業していく前の年、第一ステージ最後の年であります。
 第一ステージでは、幅広い学力層の生徒たちに、3つのコースに分けきめ細かく対応することにより、今まで「進学では物足りない」とされてきた本校の評価を大きくかえる成果を上げてきました。最後を締めくくる3年生(55期生)は、今までやり残してきた課題をやりきり、第二ステージへとつなげる努力をしています。本校は、「上の学年(先輩)が自分たちの持てる力を最大限発揮し成果をあげ、下の学年(後輩)に高い目標を提示する。それを下の学年が乗り越えていく。」好循環になっています。必ず、第二ステージの生徒たち(56期生以降)にとって挑戦意欲をかき立てられる目標を提示してくれると確信しています。

 今年度は第一ステージを完結させる年であり、第二ステージの幕開けにふさわしい準備をする年にもしなければならないと考えています。そして第三ステージのイメージを明確にする年でもあります。
 60数年前「雲雀丘一帯は、古くからの住宅地でありながら教育機関に恵まれず、教養・文化の高い居住者達の間に、この地にふさわしい学園を要望する声が高まっていました。・・・この地域の住民、財界、教育界の有志により、社会奉仕の目的のもとに学園創立の委員会が生まれ・・・学校法人雲雀丘学園設立の認可・・・」(学園の歴史)により創立されたように、今また時代の要請により「人間教育の充実」と「学力の向上」を両立させた「関西を代表するすばらしい学園」の誕生目指して頑張ります。

                     平成24年4月1日
                      校長 影浦 正二

2012年03月22日

IT(情報処理)スキルを高める

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  これまで何度も取り上げてきたように、東西冷戦の終結に伴い、グローバル化は急速に進展することになりましたが、これを加速させたのが情報化の進展です。特にインターネットの普及は、時間の壁・地域の壁・人の壁を崩し、いつでも、どこでも、誰とでも情報の伝達ができるようになってきました。この一年間を振り返っても、アラブ諸国における動乱、東日本大震災と原発事故が発生、タイの大洪水、ヨーロッパの財政危機などによって、製造業を中心とする輸出産業に大きな経営の見直しを迫られることになりました。また、国内需要に頼っていては大きな成長が期待できないため、すべての業界において企業は否応なくグローバル化を急がざるを得ない状況になってきています。これからはグローバル展開を意識した日本の企業によるM&Aや海外展開が、益々盛んになっていくことでしょう。この様な状況を考えると、これからの社会においては、語学力と並んで情報処理スキルは欠かせないということになります。
  そのため本校においてもITネットワークの基礎知識とプログラミング等の情報処理スキルの習得に注力しています。先日も「情報科」の教諭による研究授業が行われ、プログラミングの元祖でもあるN88-BASICの実習が取り上げられました。このBASIC言語は、一行ずつ機械語に翻訳して実行するインタプリタ方式であるため、プログラム全体が完成しなくても部分的に実行させることができることや、命令が英語であるため初心者向きです。そして、試行錯誤しながらプログラムを完成させることができるため、論理的思考力と判断力も養われることになります。学習内容は、生徒達の興味をひくために図形描画とアニメーションによる「スクロールゲーム~宇宙の彼方へVer.1~」の設計と起動でした。これは宇宙空間を隕石を避けながら進んでいく横スクロールゲームで、生徒達はパソコン画面に集中しながら真剣に作業に取り組んでいました。
  生徒達が更に高度な情報処理能力を身につけ、将来の仕事の中での活用をはかっていってくれることを期待しています。なお、プログラミングは、毎年、センター入試においても「数学ⅡB」の選択問題として取り上げられています。

2012年03月18日

養護教員研修会の開催

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  兵庫県の私立学校では、教科や分掌毎に研究会があり、雲雀丘学園中学・高校の校長に就任以来、養護教員研究会の会長をつとめています。いつもはなかなかスケジュール調整ができず、欠席していることが多かったのですが、今回は最後になるということで、出席しました。
  冒頭、私学を巡る環境は厳しいものがあるが、これからは他校にない特色づくりを進めることが何よりも大切であること、近年、精神面・身体面で配慮を要する生徒が増えている中で、養護教員の役割は極めて重要になってきていることを話しました。
  続いて、大阪府立大学人間社会学部の里見恵子准教授に〝発達障害の児童生徒の理解と支援〟というテーマで講演していただきました。この内容は以下のとおりです。
〝平成17年に発達障害支援教育、平成19年に特別支援教育がスタートした。これによって、幼稚園から大学まで、従来の障害に加えて「軽度の発達障害」を含めて地域の学校が対応することになり、養護学級は「特別支援学級」に、養護学校は「特別支援学校」に変わり、今日に至っている。そして、軽度の発達障害に該当する児童生徒数は割合は6%を超えている。つまり、平均すると500人の学校には約31人、1200人の学校には約75人の特別支援の生徒がいるということになり、この障害の種類がさまざまであるため、きめ細かい対応が必要である。そのためには学校あげての組織作りが必要である。〟
  私にとって今回が最後ということで、花束をいただき全員で記念撮影を行ないました。多くの生徒が集う学校生活においては、常に病気やケガがつきものです。養護教員という仕事は気の抜けない苦労の多い仕事ですが、これからも生徒達の視点に立って、しっかりと取り組んでいって欲しいと思っています。

2012年03月12日

人との出会いを大切に

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  3月12日(月)、一年間の浪人生活の後、京都大学に合格したNさんが手紙を持って校長室に訪ねてきてくれました。昨年は現役で合格してくれることを願っていましたが、残念ながら思いを達成することができませんでした。昨年の合格発表の後、ゆっくり話をすることもなかったため、どうしているか心配していましたが、私が以前贈った〝感動は努力の結晶〟という言葉を眺めながら受験勉強に励んでいたようです。この一年間は落ち込むこともあったとのことですが、多くの人達に励まされながら頑張ってきたことを涙ながらに語ってくれました。私は大学に進学することが最終目標ではないこと、これからは多くの人から学ぶという姿勢を持ち続けて欲しいということを話しました。そして、合格の記念に一緒に写真を撮り、〝人との出会いを大切に充実した人生を送ろう〟という言葉を添えて渡しました。
  有名な陽明学者である安岡正篤氏の言葉に『縁尋機妙』がありますが、これは〝良い縁が更に良い縁を尋ねて成長していくさまは誠に妙なるものがある〟という意味です。安岡氏は人との出会いの大切さについて、この縁尋機妙と共に『多逢聖因(たほうしょういん)』という言葉もあげておられます。この意味は〝良い人に交わっていると良い結果に恵まれる〟ということです。
  人は長い人生の中でさまざまな人に会い、多くのことを学んで成長していきます。しかし、学ぶという謙虚な姿勢がなければ折角の出会いを生かすことはできません。そして、これは得てして頭の良い人が陥りやすいパターンなのです。どんなに優れた人であっても、自分一人の力で大きな目標を達成することは難しいと思います。お互いに人との出会いを大切にしていきたいものです。
 

2012年03月09日

学年最後の定期考査が終了

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  3月9日(金)、学年最後の定期考査が終了し、生徒達もホッとしているようです。この考査期間中はそれぞれノートや教科書を手にしながら登校してくる姿が目につきました。また、見るからに睡眠不足の状態という生徒も数多くいたようです。この定期考査に全力で取り組むという姿勢は評価できますが、この期間だけ頑張って何とか乗り切ることができても、長い目で見るとあまり力がついていないことが多いのです。自分自身を振り返ってみても、試験の前日に明け方まで勉強したこともありますし、社会に出てからも期限ぎりぎりになって半ばやっつけ仕事で資料を作成したことも度々ありました。そして、何とかその場を乗り切るという綱渡りの経験も何度もしてきましたが、所詮一夜漬けや短期間でやるというのは、肉体的な疲れの割には良い結果に結びつかなかったようです。何故なら毎日こつこつと努力を継続する人に比べると、絶対時間が足りないからです。これは勉強だけには限ったことではありません。スポーツや芸術においても、仕事においても同じことが言えると思います。
  〝継続は力なり〟という言葉がありますが、何事も毎日やり続けていくことが何よりも大切なのです。間もなく進級することになりますが、これからの1ヵ月をどう過ごすかが極めて大切です。この一年間にできたこと、できなかったことをしっかりと反省する。そして、特にできなかったことについては必ずできるようにして新学年に臨むようにして欲しいと思っています。
  

2012年03月04日

卒業式後記~厳粛な卒業式

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  本校の卒業式に参列された方は、異口同音に感動溢れる素晴らしい卒業式であったという感想を述べられます。本学園には幼稚園から小学校、中学・高校がありますが、いずれの入学式、卒業式においても国旗と学園旗を掲揚し、ピアノ伴奏による君が代斉唱が行なわれます。私は卒業式は学校での最後の授業であり、入学式は最初の授業であると思っています。特に、これらの学校行事については、厳粛で暖かみのある思い出に残るものでなければなりません。そのため、本校においても予行を行ない、担当を決めて全員で準備を行なっていますが、すべて教頭にお願いして私が陣頭指揮することはありません。
  しかし、公立高校の場合には、校長は張り詰めた気持ちで予行にも立ち会っているケースが多いのではないかと思います。私が民間企業から学校に赴任して驚いたのは、学校現場において国旗の掲揚と国歌の君が代斉唱が学校のマネジメントの大きな課題になっているということでした。そのためいかに入学式や卒業式を混乱なく実施するかということについて色々と指導を受けました。実際に学校に赴任すると、事前に聞かされていたとおり、入学式の実施方法について一部の教員から意見が出されましたが、私は原理原則に従って、国旗を掲揚し全員起立の上で君が代斉唱するということを徹底しました。しかし、当時は多くの学校において、これらが遵守されず校長が頭を痛めていたようです。私も大阪府立高校の校長在任中は毎年の卒業式や入学式の時期には、気を抜けない状態が続いていたことを思い出します。その後、大阪府ではこの問題については改善が進んだということでしたが、まだ完全に徹底がはかられていない学校があるため、ついに昨年条例を制定することになりました。それでも先日卒業式を実施した府立学校107校のうち、式場内で国歌斉唱時に起立しなかった教職員数は17校、20人にのぼっていることを聞いて愕然としました。卒業式は一体誰のためにあるのでしょうか。教員が自分の主義、主張を表に出す場ではないと思います。卒業式は生徒のためにあるということをしっかりと胸に刻み込んでおかなければなりません。
  私はこれまで何度も海外に行っていますが、どの国でもいたるところに国旗は掲揚されています。また、海外からの来賓を迎える際にも必ず、歓迎の意を込めてその国の国旗は掲揚されます。スポーツの国際試合においても必ずそれぞれの国の国歌が流されます。これから国際化がますます進む中で、子ども達は世界の多くの国の人達と共に仕事をしたり、生活することになります。これからは国際感覚を持ち日本という国に誇りを持って行動していける人材を育成していくことが大切であると思っています。

2012年02月27日

生きがいのある人生を送る

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  松下幸之助氏の言葉に『この世は 生きがいの宝庫』というものがあります。「物事がうまく進まないと、人の心は腐りがち。〝つまらない。逃げ出したい〟といった気持ちもついつい生じてくる。しかし、一旦解決の糸口が見つかれば、問題であった障害が一転してやりがい、生きがいの素になることもある。その妙味をわきまえれば、生きがいが尽きることはまずあり得ない。」ということが示されています。
  これまでの自分自身の人生を振り返って見ても、何事も最初に自分の思った通りに進むことはまずありません。このようなことは長い一生の中でもごく稀なことではないでしょうか。通常は必ず、問題点が出て来るものです。大切なのはこの時にどういう姿勢をとるかということです。うまくいかなかったからといって、すっかり落ち込んでしまい、諦めてしまうということでは決して道は開けません。うまくいかなかった原因をしっかりと把握し分析することによって、新たな取り組みをスタートさせなければなりません。これで、成功すれば良いのですが、往々にして再びうまくいかないといったことも起ってきます。このようなことが、二度三度と繰り返されると、次第に失望感が広がってきます。しかし、幾多の試練を超えて得た成功体験は、その人の心にしっかりと刻み込まれ、大きな自信に繋がることになります。そして、更に高い目標に向かって挑戦する姿勢が身についてくることになります。この繰り返しが生きがいのある充実した人生に繋がるのです。また、松下幸之助氏は『僕には失敗はない。何故なら成功するまでやり続けるからだ。』という言葉も残しています。
  最近は、失敗を恐れてチャレンジしない。また、うまくいかないとすぐに諦めてしまうという傾向が目に付きますが、うまくいかない時は〝成長するためのチャンス〟であると前向きに考えて行動していきたいものです。  

2012年02月15日

川西市新任教員研修会の開催

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  2月14日(火)、川西市の新任教員25名を対象にした新任研修交流会において〝新任教員に期待すること〟というテーマで講演を行ないました。川西市は本校の位置する宝塚市に隣接していますが、同市の教育長が本学園理事会の監事ということもあって、お役に立てばということでお引き受けしました。
  今回の全体研修会は本年度3回目ということですが、それぞれの先生はこの一年間に取り組んできた実践と成果、課題、今後取り組みたいことをまとめており、事前に目を通しました。
  講演では、最初に日本や世界の現状について述べた後、グローバル化が進む中で、今日本は正念場を迎えていること、新技術が続々と生まれてきており将来やるべきテーマは数限りなくあること、大きな資源や広大な国土のない日本にとって、教育が最大のテーマであること等を話しました。そして、先生という仕事は子どもの人生を預かっていること、皆さんはゆるぎない志を持って取り組んで欲しいということを訴えました。
  気になったのは、新聞を読んでいる人が実に少ないということです。よく〝学校は閉じられた世界である〟とか、〝学校の常識は社会の非常識である〟といったことが言われますが、これは決して褒められた言葉ではありません。一人ひとりの教員が社会の動向をしっかりと把握し、自ら多くの人脈をつくり、学校の教育活動の内容を積極的に公開する等開かれた学校づくりを目指して欲しいものです。
  最後に〝教えることためには貪欲に学ぶこと〟が大切です。 日々たゆまぬ自己研鑽を続けて欲しいと思っています。 

2012年02月05日

本年度最初のビーンズ研修会に参加して

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  2月5日(土)、ビーンズ研修会が開催されました。この会のメンバーは大阪府立高校・支援学校の現職校長、教頭およびOB校長と教育委員会の幹部となっています。現在大阪府の高校を取り巻く環境は教育条例等の動きもあって、全く予断を許さないものになっています。当日は中学入学予定者のガイダンスのため、当初は欠席の予定でしたが、色々なことについて意見交換したいとの思いで遅れて参加しました。第一部の最後に、私からこれまでの教育条例についての経緯を説明した後、第二部の懇談会の場では、出席者全員がそれぞれの思いを述べ合いました。各校ごとにさまざまな課題があるようですが、その中で懸命に学校づくりを進めておられるようです。
  〝皆さんはトップとして大変ご苦労をされていると思うが、課題が錯綜し混迷している時には今一度、原点に戻って、学校は何をするところなのかをしっかりと考えることが大切である。生徒を育てるという視点に立って、教育活動を展開して欲しい。公立は厳しい環境におかれているが、実は私立も同様であり二極化が進んでいる。現状に対して不満や不平を何回言っても問題は解決しない。こういう時こそ校長や教頭は志を持って元気を出して教育活動を推進して欲しい。〟
  このことは、私自身にも言えることであり、大きな環境変化の中で、前向きに行動していくことが必要であると思っています。

2011年12月29日

徹底した基礎づくり

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  先日紹介した小河勝氏とは常に教育の課題について意見交換していますが、実に多くの学ぶべきことがあります。同氏によると、〝昭和50年の前半に教師になって赴任した学校は、校内に散乱するガラスの破片、たばこの吸い殻、便器にねじ込まれた空き缶等驚くべき状態であった。最初のうちは勉強ができないことと荒れることが、自分の中で深く結びついてはいなかった。
きっかけは米国の社会心理学者、エーリヒ・フロムの著書で読んだ「無力感の中で永遠に人間は生き続けることはできない」「彼らはやがて破壊を求めだす」という言葉だった。荒れている生徒は無力感の渦の中でおぼれ続けていたということに気づき、すぐさま自前のアンケートを行なった。すると授業の理解度と未来への意欲等の関係は見事に比例することが分かった。
  後に赴任した中学校で、同じ学年を受け持つ教員たちと協力し、計算や文章トレーニングを毎日繰り返す取り組みに挑戦したところ、学年が上がっていくごとに子ども達が落ち着いていくことになった。 ところが、すべての学校でこのような取り組みが実現したわけではない。中学では教科の壁があり、『みんなで数学や国語を教えていこう』というのは受け入れられにくい。また「足し引き掛け算が中学生に教える内容か」という反発もあった。
しかし、この基礎的な部分の訓練をしないことには中学の授業は成り立たない。大切なのはまず基礎を徹底してやらせることである。〟
 
  学力も建物と同じで土台がしっかりしていないと上に積み上げていくことはできません。本校では年々学力が向上してきていますが、個々の学力差は生じてきています。先生方は補習等で懸命に指導を続けていますが、基礎的な力が不足しているのは事実です。新学習要領で教える内容が極端に増える中で、小学校・中学校の基礎学力の実態をキッチリ分析し、どこでつまづきが生じているのか把握し、徹底した基礎づくり対策を講じていくことが大切であると感じています。

2011年12月27日

新学習指導要領とつまづき調査 

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  12月24日(土)、大阪府教育委員の小河勝氏に来校いただき、現在の学力問題についてお話いただきました。同氏は1970年(昭和45年)信州大学文理学部を卒業後、大阪市内の中学校勤務を経て、86年に大阪市の教育研究所へ、87年より再び現場に復帰して学力低下問題に注力され、退職後は中学生の自主学習を手助けする「小河学習館」の館長や大阪樟蔭女子大学非常勤講師も務めておられます。とりわけ、「百ます計算」などを取り入れた書き込み式の教材である『小河式プリント』は基礎学力の養成に役立つとして、全国の中学校や学習塾で利用されています。
  出席メンバーは中・高の管理職と小学校の石田校長、井口先生、事務局の山下局長です。最初に小河氏からパワーポイントを使って日本における学力の実態やこれまで指導されてきた全国の小・中の事例を紹介していただきました。百ます計算のスピードや漢字の識字率、個々の生徒のつまづき状況等を分かりやすく説明していただきました。特に小学校において算数の四則計算等でつまづくと、理解できないまま高度な内容に移行するため、これがずっと尾を引くことになります。基礎力をしっかりと身につけておくことが何よりも大切であるということです。
  小河氏が心配されているのは、学習指導要領の改訂によってやるべき内容が大幅に増えてきており、現行の週休二日制の下で十分な教育ができるかどうかということです。現に、公立小学校の現場ではこなしきれない状況になってきており、スピードを重視するあまり、理解不十分なまま上の学年に進むことになってしまいます。
  既に小学校では本年度より新学習指導要領が実施されており、多くの私立小学校では土曜日に授業をする等、授業時間の確保につとめておられるようです。小河氏からは早急に手を打たないとツケを後回しにすることになるという指摘を受けました。
  本学園では、中高は既に完全週六日制に移行し、長期休業も短縮しているため、授業時間数は大幅に上回っていますが、学園としての検討が必要であると感じています。

2011年12月24日

集中力を高める

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  12月24日(土)、冬休みに入って、4日が経過しました。終業式で長期休業中は是非規則正しい生活を送って欲しいということを伝えましたが、守れているでしょうか。冬休みだから一日くらいはいいだろうということで、夜更かしをしたり、何をするということもなく無意味に過ごしてしまうと、これが二日になり、三日になり、気がつくと休みが終わってしまったということになりかねません。
  学習面においては、これまでの反省をしっかりと行ない、解らなかったところは確実にできるようにしておくことが大切です。生徒達と話をしていて感じるのは、自分の弱点についてはつかんでおり、それなりの努力をしているにもかかわらず、なかなか学力向上に結びつかないという人が多いということです。この原因の一つは「やらなくてはいけない」という義務感で学習しているため、どうしても集中できていないということではないかと思います。これでは長時間机に向っていてもなかなか成果には結びつきません。これを防ぐためには、時間を限定し集中することが大切です。集中力は学習だけではなくスポーツや芸術についても必要ですが、これを身につけることができれば、将来さまざまなことに活用できるようになります。そして、経験を積めばどのような条件の下でも集中することができるようになります。そして、社会で活躍している人が身につけている良い習慣の一つです。
  
  最近は個室を持っている人が増えていますが、まず、部屋の環境を整えることから始めて欲しいと思います。学習環境を変えることで集中力を高めることができるようになります。
  ①勉強場所の整理・整頓はできているか
  ②周囲に気になるものがないか(携帯電話やゲーム機、漫画、お菓子等)
  ③光の刺激や騒音は問題ないか
  ④冷暖房は適切か (頭寒足熱)
  ⑤スケジュールが明確になっているか(時間管理)
  ⑥適当な気分転換がはかれているか
  
  特に〝整理整頓ができていないため、物を探すといった無駄な時間が多い〟〝携帯電話でメールの交換をしたり、ゲーム機や漫画に手を伸ばしている〟〝その日にやるべきことや何時までに何をどれだけやるかが決まっていない〟という状況では成果があがらないのは当然です。
  一日の時間は、万人に共通しています。この集中力を身につけることは、将来、仕事をする上でも大いに役立ちますので、是非中学・高校・大学を通じて修得するようにして欲しいものです。

2011年12月18日

大学入試の意義

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  大学センター入試試験も目前に迫り、現在、多くの生徒が大学進学を目指して、必死に最後の追い込みを行なっています。これまで、それぞれが懸命に取り組んできていますが、これからの4週間の過ごし方は非常に大切です。やりたい事ややり残した事は山ほどあると思います。しかし、昔から〝雁は八百、矢は三本〟という言葉があります。これは、たくさんいる雁のどれを打ち落とそうと迷っているうちに、雁が逃げてしまって結局一羽も獲れなくなるという意味です。
  これは、期限が決まっているものを達成する際に心がけておかなければならないことです。つまり、あれもしたい、これもしたいと思っているうちに結局何もできずに終わってしまうのです。これを避けるためには、まず、気になることをすべて洗い出す、その上で重要度と緊急度を考える、次に限られた時間内にできるものの優先順位をつける、そして、実行に移すということが大切です。これは大学受験に限ったことではなく、あらゆる分野における多くのことに共通するものです。
  このように見ると大学受験の経験は単に学習して学力を身につけるということだけではありません。自分の目標を設定し、さまざまな智恵を絞ってこの達成に結びつけていくという行動は、将来社会に出た時に役立つのは間違いありません。
  これまで、何度も言っているように大学への進学が最終目的ではありませんが、まず目の前の目標をしっかりと達成して欲しいものです。 最後に急に気温が下がってきましたので、受験生の皆さんは体調管理に留意し、ベストの状態で本番に臨んでください。 

2011年12月09日

サントリー生命科学財団理事長をお迎えして

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  現在、サントリー(株)では大学をはじめ、さまざまな研究機関との連携のもと研究開発を積極的に行なっておられます。これらの力を何とか本校の教育活動にとり入れたいということでお願いしていたところ、昨日『サントリー生命科学財団』の仙木伸介理事長がご来校されました。
  最初に校舎の諸施設の見学と簡単なご挨拶の後、高校の生物の授業を参観していただきました。同財団は1946年2月に、故佐治敬三理事長の志である「これからの日本は学問や文化を通じて、世界の平和と繁栄に貢献していくべき」という考えのもとに、有機化学を基盤とする『財団法人食品化学研究所』として発足し、その後、『サントリー生物有機科学研究所』を経て現在に至っています。
  最近の日本の教育を見ると、子ども達の理数離れが顕著になってきていますが、これは憂慮すべき現象です。何故なら、これから日本が国際社会で認められていくためには世界に冠たる「技術立国」を目指していくことが何よりも肝要だからです。そして、その根幹は人材の育成にかかっています。
  本校の教育の基本の考え方は「将来社会で活躍できる骨太の人材の育成」ですが、この実現には、単なる知識を詰め込むだけではなく、学問の面白さを体得させることが大切です。そのためには実際に研究や開発の現場で行なわれていることを知ることが前提になると思います。  
  具体的な内容はこれからつめることになりますが、実際の研究現場への見学や多くの大学の先生による講義等が実現できればと思っています。本校では、新しい学校づくりの一環として、環境教育をはじめ、科学の芽賞への応募や科学オリンピックへの参加等を行なっていますが、これらをシステム化することによって理科教育の強固な基盤を構築していきたいと考えています。

   

2011年12月07日

公募推薦合格者と共に

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  先般から指導していた国公立の公募推薦入試の合否結果が順次発表されています。この度神戸市看護大学看護学部にO・Yサンが合格し、校長室に報告に来てくれました。彼女は母親が看護師であったこと、また自分自身が難産であったこともあって、出産する女性を精神面や医療面からサポートしてあげたいという思いが強く、幼少の頃から看護師になるという夢を持ち続けていたようです。そのため、将来は看護師の資格を取った後、助産師になることを目指しています。
  事前の面接では、先生方から相当厳しい指導を受けましたが、これにくじけず頑張った成果が、今回の合格に結びつきました。私も随分困らせる質問をしましたが、面接にあたっては自分の思いをしっかりとまとめて、相手に伝えることが大切です。彼女も合格の通知を受けて正直なところほっとしていると思いますが、何度も言っているとおり大学入試に合格することが最終目的ではありません。実際の仕事に就くまでには、これからも相当の努力が必要ですし、看護師になってからも数々の試練が待ち受けていると思っています。彼女には〝たゆまぬ研鑽で夢を実現〟という言葉を贈りましたが、立派な看護師、助産師になってくれることを願っています。
  

2011年12月05日

学習スペースへ暖房器具設置

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  本校では、新校舎建設をはじめ学習環境を整備することに注力してきています。そして、職員室内に交流スペースを設けることによって、生徒達が気軽に先生に質問できるように工夫したり、教室や図書室だけでなく、自主的に学習できるように学習コーナーを設置しています。放課後、このコーナーには多くの生徒が集まってきて自主的に学習していますが、急に気温が下がり暖房が必要になってきました。これまでは電気ストーブで代用していましたが、台数も不足しており、十分な温度を確保することができませんでした。
  そこで、PTAの協力金を活用させていただき、この学習スペース用の暖房器具として加湿セラミックファンヒーター4台と個人用キャレルデスクの下にすっぽり収まるデスクヒーター5台を設置しました。セラミックヒーターは微粒子イオンのナノイーを放出してウイルスを抑制する機能が付いています。また、デスクヒーターは節電に配慮し、1時間の電気代がわずか3.7円という省エネタイプのものにしました。
  早速、生徒達はこれらを使用して自主学習に取り組んでいますが、頭寒足熱ということでなかなか快適なようです。勉強は自学自習が基本です。是非その日に授業で学んだことをその日のうちにしっかりと見直すという習慣を身につけて欲しいと思っています。なお、夏場の暑さ対策としては既に壁掛け扇風機6台を設置済です。

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2011年12月04日

紅茶の色を変化させる要因(科学の芽賞)

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  先日紹介した「科学の芽賞」を受賞した中学2年女子生徒O.K.さんのテーマは『紅茶の色を変化させる要因』というもので、普段私達が飲んでいる紅茶に関する観察・研究です。
  彼女は以前から紅茶にレモンを入れると色が薄くなることは知っていましたが、ある時、紅茶に蜂蜜を入れると色が濃くなるということを見て、これは何らかの化学変化が起こっているのではないかと疑問を持ったようです。そこで、4つの実験を行ないました。
  まず「実験1」はレモンやグレープフルーツなど5種類の果汁の絞り汁を入れて色の変化を観察すると酸性度の高いものほど紅茶の色を薄くする作用は大きいことが判りました。そして、この実験1の結果を検証するために、次に「実験2」として、酸性物質であるクエン酸や酢を入れた場合とアルカリ性物質である重曹を入れた場合について変化を見ました。すると、クエン酸を入れたものの色が最も薄くなり重曹を入れたものの色は真っ黒になりました。これによって、酸性物質は色を薄くし、アルカリ性物質は色を濃くすることはわかりました。しかし、それでは蜂蜜はアルカリ性物質なのか?という疑問が湧いてきました。そのため検証しなければならない。「実験3」として、蜂蜜以外のガムシロップ、三温糖、黒糖等の糖分を紅茶に加えた場合の色の変化を見ました。その結果、蜂蜜や黒糖を入れた紅茶は中性であったにも関わらず色が濃くなりました。そして、色の濃さは蜂蜜、三温糖、黒糖の順になりました。この3つの共通点はミネラルが多く含まれているということです。
  更に彼女は黒豆を炊く際に鉄釘を入れると黒くなることを思い出し、鉄が紅茶に何か作用したのではないかと考えました。その考えを検証するため、「実験4」として紅茶に鉄釘を入れてみました。その結果、紅茶は真っ黒に変化しました。
何が作用したのか調べたところ紅茶に含まれる「テアフラビン」という紅茶の色素が酸性・中性・アルカリ性の液体の中で構造を変化させ色を変えるということがわかりました。蜂蜜を紅茶に入れると色が濃くなるという現象は蜂蜜に含まれる鉄分が紅茶に含まれるタンニンに作用するということです。
  私達の日常生活の中には、気を付けてみると疑問に思うことが数多くあるようです。なぜ?という疑問を持ち、それを解明するという習慣を身につけることは、非常に大切であると感じました。

2011年12月03日

過年度生に対する激励会の開催

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  12月3日(土)午後、過年度生(浪人生)の激励会を実施しました。大学センター試験まで残り41日になり、受験生にとってはいよいよ最後の追い込みの段階に入ってきましたが、本校では、毎年この時期に、この会を開催しています。本日の出席者は16名と対象者の半数以下という状況でしたが、全員が元気そうで、元担任の先生方と最終の進路について話し合っていました。私も何人かの生徒と話をしましたが、今年はなんとしても志望校に合格するのだという強いが思いが伝わってきました。
  受験生にとっては目前に迫った大学入試で頭が一杯になっていると思います。昔から〝山あり谷ありの人生〟という言葉がありますが、これは多くの人生経験をして初めてわかるものです。大学入試は人生における一つの試練であるのは間違いありません。何事にも全力で立ち向かっていくことで、成長していくのです。これからは精神的にも肉体的にもタフさが必要になってきます。どのようなことにおいても最後のつめが甘いと、折角の努力が報われないということになってしまいます。
  最後まで集中力を切らすことなく、体調を整え、万全の体調で臨んでください。皆さんの笑顔の報告を心待ちにしています。

2011年12月02日

兵庫県私学養護教員研修会の開催

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  12月1日(木)午後、兵庫県私学養護教員研究会主催の研修会が開催され出席しました。
  兵庫県の私学においては各種の研究会を設けそれぞれの活動を行なっており、各学校の校長が分担して会長にあたることになっています。私も雲雀丘学園の中・高校の校長に就任と同時にこの研究会の会長に就任していますが、年何回かの研修会にも業務の都合がつかず欠席することが多く、養護教員の皆さんとは本当に久しぶりの顔合わせになりました。
  今回の研修会の講師は、青山伸郎氏です。同氏は神戸大学医学部を卒業後、同大学消化器内科准教授を経て、2007年5月に青山内科クリニックを開院され、胃大腸内視鏡、炎症性腸疾患、ピロリ菌と専門領域に特化した治療を行っておられます。同クリニックでは,高い専門性とともに、希望通りの鎮静による苦痛のない内視鏡検査、メール予約システムなどのきめ細かい配慮などを重視されています。今では、受診希望者が後を絶たない状況であり、胃・大腸合わせて年間3000件以上をすべて自らの手で扱い、開院後2010年末までで、すでに1万件を超えるそうです。「身体的苦痛回避」、「時間的負担軽減」、「情報公開」・・・「自分が受けたい医療を患者さまに提供すること」という先生のお考え、先生の根底を流れるポリシーが、多くの患者さんから支持されているのだと実感いたしました。
  本日は、県内中・高校を中心とする部会ですので、子どもたちにも増えている「過敏性腸症候群」についての最新医療状況を、わかりやすく教えていただきました。「過敏性腸症候群」とは、器質的腸疾患がないにも関わらず、下痢や便秘などの便通異常と腹部症状が続き、多くの場合日常生活にも影響を及ぼすものです。その原因は精神的、肉体的なストレスや環境などさまざま考えられます。対処法としては、食事や日常生活の改善、さらに症状のセルフコントロールが治療の基本となりますが、良い薬も開発されており、専門医に相談し、適切な投薬を行うことが非常に大切だということです。また、器質的疾患がみられない場合、特に治療らしい治療を受けないで、そのまま不快な状況を強いられている生徒も多いのではないかということでした。
  今回の研修を通して「過敏性腸症候群」だけに限らず、学校現場でも病気・健康に対する関心・意識・知識を高めるとともに、各学校・養護教諭を中心に、適切なアドバイスのもと医療機関へつなげていく体制づくりの必要性を感じました。

兵庫県私学養護教員研修会の開催

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  12月1日(木)午後、兵庫県私学養護教員研究会主催の研修会が開催され出席しました。
  兵庫県の私学においては各種の研究会を設けそれぞれの活動を行なっており、各学校の校長が分担して会長にあたることになっています。私も雲雀丘学園の中・高校の校長に就任と同時にこの研究会の会長に就任していますが、年何回かの研修会にも業務の都合がつかず欠席することが多く、養護教員の皆さんとは本当に久しぶりの顔合わせになりました。
  今回の研修会の講師は、青山伸郎氏です。同氏は神戸大学医学部を卒業後、同大学消化器内科准教授を経て、2007年5月に青山内科クリニックを開院され、胃大腸内視鏡、炎症性腸疾患、ピロリ菌と専門領域に特化した治療を行っておられます。同クリニックでは,高い専門性とともに、希望通りの鎮静による苦痛のない内視鏡検査、メール予約システムなどのきめ細かい配慮などを重視されています。今では、受診希望者が後を絶たない状況であり、胃・大腸合わせて年間3000件以上をすべて自らの手で扱い、開院後2010年末までで、すでに1万件を超えるそうです。「身体的苦痛回避」、「時間的負担軽減」、「情報公開」・・・「自分が受けたい医療を患者さまに提供すること」という先生のお考え、先生の根底を流れるポリシーが、多くの患者さんから支持されているのだと実感いたしました。
  本日は、県内中・高校を中心とする部会ですので、子どもたちにも増えている「過敏性腸症候群」についての最新医療状況を、わかりやすく教えていただきました。「過敏性腸症候群」とは、器質的腸疾患がないにも関わらず、下痢や便秘などの便通異常と腹部症状が続き、多くの場合日常生活にも影響を及ぼすものです。その原因は精神的、肉体的なストレスや環境などさまざま考えられます。対処法としては、食事や日常生活の改善、さらに症状のセルフコントロールが治療の基本となりますが、良い薬も開発されており、専門医に相談し、適切な投薬を行うことが非常に大切だということです。また、器質的疾患がみられない場合、特に治療らしい治療を受けないで、そのまま不快な状況を強いられている生徒も多いのではないかということでした。
  今回の研修を通して「過敏性腸症候群」だけに限らず、学校現場でも病気・健康に対する関心・意識・知識を高めるとともに、各学校・養護教諭を中心に、適切なアドバイスのもと医療機関へつなげていく体制づくりの必要性を感じました。

2011年11月28日

『第2回ひょうご新聞感想文コンクール』で知事賞を受賞

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  最近、生徒の活躍のニュースが次々と飛び込んできており、本当に嬉しく思っています。先日、中学3年生(57期生)のN・Nさんが『第2回ひょうご新聞感想文コンクール』(神戸新聞社主催)において「兵庫県知事賞」を受賞しました。このことは、既に、学年の通信でも紹介されていますが、応募総数8539点の中から見事最終選考会で、この栄誉ある賞を受賞しました。そして、兵庫県民会館のパルテホールで、入賞・入選した40名を超える小中高校生が表彰を受けました。この内容は11月7日(月)付の神戸新聞朝刊にも掲載されましたので、お読みになった方もあったと思います。
  本校では夏休みの宿題として、中学3年生には作文を課しており、その作文を此の感想文コンクールに応募したところ、今回の快挙に繋がりました。この作文のタイトルは『想像力豊かに』というもので、東日本大震災での被災地での厳しい状況を踏まえて、人が今何を必要としているかを「想像力」を豊かに働かせ、相手の立場に立って物事を考えていくことの大切さを訴えています。
  実は、先日の沖縄の研修旅行の際に、今回の受賞についての話題になりました。そして、その後しばらくして表彰状を持って校長室に来てくれましたので、一緒に写真を撮り〝感動は努力の結晶〟という言葉を添えて渡しました。
  最近は活字離れが叫ばれており、本や新聞を読む時間が極端に少なくなってきています。この結果、以前に比べると自分の考えを文章にまとめる力も落ちてきているように感じています。しかし、昔から「読み」「書き」「そろばん(計算)」と言われるように、これらは学力の基礎であることは間違いありません。色々な機会を通じて、生徒達の書く力を高めていきたいものです。

2011年11月10日

読書の習慣を取り戻す

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  11月10日(木)、昨日で2週間にわたる読書週間も終了しました。本校においても〝全学年の担任が生徒に薦める本〟を一覧表にして配布する等の啓蒙活動を行ないました。子どもの言語能力を高めるためには、読書が最も効果的であると言われています。それは本を読めば読むほど色々な文章に接することになり、新しい言語をどんどん覚えることになるからです。
  しかし、年々「子どもたちの読書離れ」という傾向が強くなってきています。特に、小中高と学年が上がるほど本を読まない割合が高くなってきているのは憂うべき状況です。何故なら国語力はすべての学力の基礎になるからです。最近、気になるのは数学や理科等のテストの際に、設問の意味が理解できていないというケースも散見されます。また、大人の読書離れも顕著になってきています。これは携帯端末やパソコンの普及により、活字よりも安易で刺激的な情報メディアへの興味関心が強まったことやゲーム等に時間が奪われていることによるものだと思います。
  昔から『読書万巻を破す』という言葉もありますが、これは多くの本を読破することによってさまざまなことを知ることができるという意味です。人生の生き方をはじめ、芸術、哲学、科学、地理、歴史などあらゆる分野で楽しみを知ることになります。また、読書は心の健康に役立つと言われていますが、軽いスポーツや散歩が、身体の健康を支えるように、本を読むことが頭の体操になるのです。読書というのも「良い習慣」の一つです。燈火親しむ秋、今一度読書の習慣を取り戻していきたいものです。

2011年10月21日

兵庫県私立学校事務研究会研修会の開催

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  10月16日(金)、本校において兵庫県私立学校事務研究会の研修会が開催されました。
出席者は、東洋大学附属姫路高等学校の加藤文則校長、淳心学院の村上法人事務局長をはじめ各校の事務局長・事務長の皆さんです。
  9時にバスで到着された後、4グループに分かれて、中学・高校、小学校、雲雀丘幼稚園、学園講堂等を見学いただきました。続いて、私から『学校事務における組織マネジメント』~事務職員が学校経営に果たす役割と題して約1時間の講演を行ないました。
  講演では、世の中の動きに触れた後、社会で求められる力、教育をめぐる課題と学校の役割、最後にこれからの学校づくりについて説明しました。本校では現在、学校改革を推進していますが、この中で校舎・施設等の教育環境の整備や業務の合理化等事務部門が中心になって取り組んできていることが多くあります。私は学校経営の中で、事務部門の果たすべき役割は非常に大きいと思っています。単に事務処理をするという考え方ではなく、校長のスタッフに徹する、言い換えると校長を補佐するという姿勢が必要です。そして、種々雑多な先生の仕事を標準化し、生徒と接する時間を生み出してあげることも重要な役割の一つです。以前から感じていることですが、事務という名前を〝学校総務〟とか〝経営企画〟に変えるというのも一方ではないかと思っています。
  事務職員の皆さんが強い志を持って、それぞれの学校改革に取り組んで欲しいものです。

2011年10月14日

継続することの大切さ

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  10月14日(金)、定期考査も3日目が終了し、明日1日を残すだけになりました。多くの生徒達の様子を見ていても、かなり睡眠時間を削ってテストに臨んでいるようです。振り返ってみると、私も試験の前日に明け方まで勉強したこともありますし、社会に出てからも期限ぎりぎりになってレポートをまとめるといったことも度々ありました。しかし、一晩で顕著に成果が上がるということはあまりなかったように感じています。勉強はスポーツや芸術等とは基本的に異なる面もありますが、共通する面も数多くあります。それは、ある程度の時間をかけなければものにならない、言い換えると「時間の絶対量」が必要だということです。
  昔から〝継続は力なり〟という言葉がありますが、何かを達成しようと思えば、少しでも良いから毎日やり続けていくことが大切です。仮に一晩徹夜しても生み出せる時間は6~7時間しかありません。1週間何も勉強せずに、まとめてやろうとしても限界があるのは当然です。毎日2時間集中して机に向かっていれば、1週間では14時間、1か月では60時間になります。ある日には5時間やったが、翌日、翌々日は全くやらない、ということでは結局トータル時間は少なくなってしまいます。
  また、細切れ時間を有効に使うことができるようになれば、驚くほど多くのことができるようになります。1日10分間としても1ヶ月では300分、実に5時間になります。1日に10分単位の時間を3回生み出すことができれば、1日で30分になります。これくらいの時間であれば、通学電車の中でも、学校でのちょっとした休憩時間の中でも簡単に生み出すことができます。社会で活躍している人の特長の一つは、時間の使い方がうまいということです。
  間際になってから慌ててスタートするのではなく、毎日小さなことを積み重ねていけば必ず結果はついてきます。定期考査はあと1日になりましたが、是非、効率的な時間の使い方を心がけて欲しいものです。

2011年10月10日

平成23年体育の日にあたって

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  本日は10月の第2月曜日で体育の日です。たまたま今年は第2月曜日が10日になりましたが、この10月10日というのは戦後の日本にとって実に記念すべき日です。
  振り返ると、第2次世界大戦で全土が焼け野原になってから、20年も経たない1964年(昭和39年)に東京でオリンピックが開催され、この大会で日本は柔道、重量挙げ、男子体操、女子バレーボール、レスリング、ボクシングで金メダルを獲得し、国民に勇気と感動を与えました。この輝かしい成果と感動を記念して開会式が行なわれた10月10日を、1966年(昭和41年)から『体育の日~国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日』として国民の祝日に制定したのです。また、この大会に先立って10月1日には最先端技術を結集した東海道新幹線が開通しました。
  その後、2000年(平成12年)からは「ハッピーマンデー法案」の制定により、体育の日は10月の第2月曜日になったため、必ずしも10日ということではなく今日に至っています。
  本日の新聞には文部科学省がこの体育の日に合わせて発表した昨年度の体力・運動能力調査結果が報道されていました。これによると、小中高生の総合成績は、今の形式で調査が始まった1988年度以降緩やかな回復傾向が続いてきていたが、今回は13年間で最高を記録したとのことです。ただ、運動をする子どもとしない子どもの成績差は拡大してきているようです。そして、子どもの頃に身についた運動や食事の習慣は大人になってからも引き継がれ、成人病にも繋がると言われています。本校では多くの生徒が運動クラブに加入していますが、そうでない生徒もしっかりと運動して欲しいものです。
  私も学生時代にはスポーツに親しんできましたが、最近は運動不足の日々が続いています。幸い、凌ぎやすい気候になってきていますので、この体育の日を機に健康維持のためにも体に負担にならない軽い運動から始めたいと思っています。

2011年09月15日

釜石の奇跡~防災教育の成果

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 昨日の避難訓練においては、岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)小学校と釜石東中学校の避難の様子を話しました。
  釜石市はかつて新日鉄釜石製鉄所があり、最盛期には9万人を超える人口を有していましたが、現在は人口が減少し4万人を切っています。今回の大震災では震度5強の地震のあと、釜石市の港には10メートルに及ぶ津波が押し寄せました。このため、釜石湾の入り口に設置されていた強固な造りという点では世界有数と言われていた湾口防波堤が破壊され、 津波は家などの住居を次々と壊し、人々を呑み込み、死者・行方不明は1000人を超えることになりました。しかし、このような状況にもかかわらず、小学生1927人、中学生999人は懸命に避難し、ほぼ全員が無事に生き延びたのです。病気により学校を休んでいた子など5人が亡くなりましたが、生存率は99.8%に達し釜石の奇跡』と呼ばれています。
  釜石市ではこれまで防災・危機管理アドバイザーの支援を受けて、各地域の津波浸水状況、避難経路などを想定したハザードマップを用い、児童・生徒に登校、下校などの生活時間帯に合わせた避難計画を立てさせてきました。この中で、「大きな地震があれば、直後に津波が来ることを自らの意思で考え、想定に囚われることなく、率先して避難すること」を小中学生らに徹底して訴えてきたのです。
  鵜住居小学校(361人)と釜石東中学校(222人)は、隣接していますが、地震の後、中学生が校舎から飛び出しました。そして、小学生の手を引きながら指定されていた避難所に向かいました。しかし、この避難所の崖が崩れ、川の水が引いていくのを見て、主体的な意思で更に遠くの高台に避難したのです。そして、後ろを振り返ると避難所は跡形もなく津波に呑み込まれていたとのことです。これは「想定を信じてはいけない」「状況下において最善をつくす」「多くの人の命を守るには率先避難する」といったことの大切さを我々に教えてくれています。
  早速、本校の生徒達の通学地域のハザードマップを入手して実態を確認したいと思っています。


2011年09月10日

学ぶ姿勢を持ち続ける

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  この校長通信も日々更新ということで書き続けていますが、毎日のアクセス数を確認すると250前後になっており、本校関係以外の方も見られているようです。そして、知人からは頻繁に自宅のメールに感想や意見等が送られてきます。その中には「日本や世界の動向、グローバル化の現状について取り上げてはどうか」とか「今の日本は暗い話題が多すぎる。明るい話題を提供してはどうか」「一度ジャンル毎に整理してまとめてはどうか」といった意見もあります。嬉しいのはわざわざ参考にしてくださいということで自分が聴いた講演の内容を送ってくれたり、本を紹介してくれる人がおられることです。このように関心を寄せていただいている人が多いのは本当に有り難いことですし、励みにもなります。
  また、昨日は、親しい友人から「日付が変わってから掲載しているようだが、どうしているのか」といったメールが届きました。そう言われてみれば、最近帰宅して食事をすると眠ってしまい、気がつくと日が変わっているということもしばしばあります。時々「無理をせず、たまには休んだらどうか」と言われることもありますが、恐らく一日空けると次々と掲載しない日が出てくるのではないかと思います。学校でのできごとを紹介するだけなら、大した準備はいりませんが、より充実した内容にするためには、しっかりと材料集めをしておかなければなりません。このような気持ちで本や新聞を読んだり、人の話を聞いてメモしておくと意外と参考になることが多いようです。
  本校の教育方針は〝共育〟と〝共学〟です。共育というのは「家庭と学校が連携して生徒を育てる」ということであり、共学というのは学校に集う生徒、先生、保護者全員が勉強するということを意味しています。何歳になっても積極的に学ぶという姿勢を持ち続けていきたいものです。

2011年08月25日

川西市教頭研修での講演を終えて

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  8月26日(木)、川西市の生涯学習センターにおいて、教頭研修が開催され、『新しい視点に立った学校づくり』というテーマで講演を行ないました。参加者は川西市立の幼稚園、小学校、中学校の教頭先生の他、教育委員長や教育委員、教育委員会のメンバーの約30名です。事前に課題を確認すると、教育環境の変化に伴って学校改革の必要性が生じてきているが、なかなか思い切った一歩を踏み出せないとのことです。今は教育界だけではなく、あらゆる分野で新たな取り組みが必要になってきています。しかし、どうしようもない状態に追い込まれないと、改革できないということが多いのです。そして、従来どおりのやり方を踏襲することになりがちですが、これでは確実に遅れをとることになってしまいます。
  私立学校に比し公立学校の改革が進まない理由は、根底に「公務員であり雇用が保証されている」ということでの根強い意識があるからではないかと思います。この意識が払拭されないと学校改革は進みません。そして、何か新たなことをやろうと思っても「金がない」「時間がない」「人がいない」といった理由で〝できない〟という結論に達することが多いのです。
  私も公立高校での勤務の経験がありますが、校長の補佐役としての教頭の職責は実に大切であると感じました。学校を改革していくという強い思いを持ち、あるべき姿を描き、戦略を立て、教職員の力を結集することにより、チャレンジしていって欲しいと思っています。

2011年08月13日

魅力ある学校づくり

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  カナダ研修から帰国した翌日、臨時の教育委員会議が開催され出席しました。今、日本の教育をめぐってはさまざまな課題が指摘されていますが、大阪府においては、独自の私学助成策を導入した結果、今春の高等学校の入学者選抜において大きな変化が生じています。
  主なものとしては「①府内の公立中学卒業者の進学率は過去最高の93.5%となった」「②私立高校への入学者の割合が全体の32.2%と増える一方で、公立高校の入学者は募集人員を約1500人下回り、全体の67.8%にとどまることになった」ということが上げられます。端的に言えば、生徒や保護者の私立高校志向が高まったということですが、よく見ると公立、私立共二極化が進んだということになります。言い換えると人気校とそうでない学校がはっきりしたということであり、公立高校の中にも受検者が募集人員を大きく上回ったところがある一方で、大幅な定員割れが起こったところもあります。また、私学についてもすべての高校が定員を上回ったわけではなく、入学者数が不足している学校も散見されます。
  この差はどこから生じるのかと言えば、〝どれだけ他校にない特色ある教育活動を行なっているか〟〝その結果として、どれだけ生徒を育てているか〟ということになります。そして、同時に〝いかに効果的な広報活動を行なっているか〟がポイントになります。これはメーカーが、他社にない差別化した製品を開発し、これをお客様に告知するために広告宣伝を行なうということと同じです。
  教育改革の最終の狙いは、大阪の教育力を高めるということです。すべての公立・私立の学校が切磋琢磨しつつ、今一度、原点に戻って、魅力ある学校づくりを目指していくことが大切であると思っています。

2011年07月20日

夏休みにおける家庭での指導~ブログ・IT教育

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  7月20日(水)、午前8時になっても警報が解除されませんでした。本来であれば、本日は午前中授業の後、終業式を行なうことになっていましたが、臨時休業ということになれば、節目となる終業式がないまま夏休みに入るということになっていたと思います。昨日、ぎりぎりまで台風の動きを見ながら、繰り上げて終業式を行なった決断は間違っていなかったということで、ホッとしています。
  本日より、夏休みに入りますが、それぞれの学年では補習や勉強合宿、行事を予定しています。また、クラブでの合宿や練習も計画されているため、生徒達は学校に来ることが多いと思いますが、夏休みは家庭での生活が基本になります。従って、普段学校において、指導していることをそれぞれの家庭においてしっかりと見守っていただくようお願いします。
  本校では、人間力を高めるために、道徳教育の一環として、食育、服育、ブログ・IT教育、環境教育、覚せい剤防止教育等、さまざまな取り組みを行なってきました。その中でも、携帯端末やパソコンの取り扱いについては、特に留意していただきたいと思っています。この分野については、親よりも子ども達の方が、熟知しており、親がこれらの危険性について知らないというケースが案外多いのです。これでは気がついた時には手遅れということになってしまいます。是非、お子様の日常生活における小さな変化を見逃さないようにして欲しいと思っています。

11042701.jpg 11042702.jpg  マルチメディア振興センターの方々と

2011年07月08日

近畿公立学校事務長会研究協議会の開催

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  7月8日(金)、上本町にあるホテルアウィーナ大阪において、『第35回近畿公立学校事務長会研究協議会』並びに『第9回近畿地区特別支援学校事務長・事務職員研究協議会』が開催されました。本日は、午前中に功労者表彰と総会、午後からは課題研究と記念講演、研究協議が行なわれ、300名を超える事務関係の方が参加されました。
  この研究協議の中で、『学校事務における組織マネジメント』と題して、「世の中の動き」「社会で求められる力」「教育をめぐる課題と学校の役割」「これからの学校づくり」「本校の取り組み」を中心に講演を行ないました。
  企業には、製造・販売・開発等のラインと経理・人事・企画等のスタッフがあり、相互に連携しながら経営を進めています。スタッフの役割はラインの仕事を見直すことにより、仕組みやシステムを変え、経営のトップを補佐することです。学校は企業と異なり、従来踏襲の定型業務を行なうということが多いようです。しかし、このやり方は環境の変化が少ない安定成長期には有効ですが、最近のように、環境が激変する時には経営の足を引っ張ることになってしまいます。そして、新たな仕組みやシステムを導入するのは、トップとスタッフの仕事なのです。まさに、今はスタッフの優劣によって、経営が左右されると思います。事務部門は学校におけるスタッフの役割を果たさなければなりません。
  学校は〝将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場〟であると思います。生徒を育てるという視点に立って、是非学校改革を進めていっていただきたいものです。
  本日は多岐にわたる内容で、しかも時間も限られていたため、十分な説明はできませんでしたが、今一度お届けしたレジュメで確認していただき、お解りにくい点があれば遠慮なくお尋ねください。

2011年06月24日

兵庫県私学新任教員研修会の開催

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  6月24日(金)、本校において、平成23年度兵庫県私立中学・高等学校新任教員研修会が開催され、新任の先生をはじめ、指導助言の校長先生、事務局のメンバー合わせて、約100名が来校されました。この研修会は毎年この時期に、兵庫県の私学の持ち回りで開催されています。冒頭主催校を代表して次の趣旨の挨拶を行ないました。

〝皆さん、おはようございます。
本日はようこそ、雲雀丘学園にお越しくださいました。丁度本校に赴任して6年目になりますが、実は10年前までは、松下電器(現在のパナソニック)という会社で勤務していました。新しい商品をつくったり、販売したり、海外でも勤務していました。そして、生産を増やす、販売を増やす、利益をあげることに全力を挙げて取り組んできました。成果が数字という形ではっきりと出るため、販売や利益を達成した時は本当に充実感があります。その私が全く畑違いの教育という仕事につくことになりました。
  それから10年間、実際に教育現場で勤務させていただき、教育をめぐる課題や皆さんのご苦労も解るようになってきました。一口で言うと、この教育という仕事は、企業の勤務では味わえない実にやりがいのある仕事であると感じています。私達は将来の日本を背負って立つ人材を育てるという使命を持っています。そして、一人ひとりの生徒の人生を預かっています。是非、お互いに高い志を持って取り組んでいきたいものです。
 これまでの民間企業での経験からあえて皆さんにお話しておきたいことがあります。それは社会の動きをしっかりととらえておいて欲しいということです。これができていないと、「社会の常識は学校の非常識」、逆に「学校では当たり前のことが社会の非常識」になることが多いと思います。とりわけ、私学の場合には転勤がありません。日々の仕事に忙殺されていると、どうしても視野が狭くなってしまいます。常に外部に目を向けていって欲しいと思っています。
  本日は、多くの学校から新任の教員の方がお越しになっています。どうかコミュニケーションの輪を広げて、色々なことを勉強していただきますようお願いします。〟
  
  続いて、全体のスケジュールの説明の後、早速本校教員による研究授業と教科別研修会を行ないました。そして、昼食を挟んで、交流会と校舎見学会を行ないました。参加者は他校のさまざまな人達との意見交換を通じて、多くのことを学んでくれたのではないかと思います。また、私の伝えたいことはメモで皆さんのお手許にお届けしましたが、私学の場合は、公立と比較すると体系だった初任者研修のシステムが確立されていません。生徒の育成のためには、教員の資質向上をはかっていくことが何よりも大切であり、これから教員育成のためのシステムを充実させていく必要があると感じています。

2011年06月21日

研究授業~野中兼山を知る~

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  本校では『授業を磨く』を合言葉に、「相互授業参観」「研究授業」「授業アンケート」等さまざまな取り組みを行なっています。先週からは相互授業参観旬間になっており、私もスケジュールを調整しながら先生方の授業を見学しています。
  先日は、野中兼山のエピソードを教材にした国語科の漢文の研究授業が行なわれました。このエピソードというのは、野中兼山が江戸の土産に「ハマグリ」や「アサリ」を船に一艘分、積んで土佐に帰ってきたが、それを全部、海に投げ捨ててしまい、驚く人々に 「これは諸君への、お土産ではない。諸君の子々孫々までの土産なのだ。」と言い切ったというものです。そして、それ以来、土佐湾は「ハマグリ」や「アサリ」の海産物で潤ったと言われています。
  この授業の後で、〝野中兼山〟について質問すると、ほとんどの生徒から知らないという答えが返ってきました。私は以前、四国で勤務していた関係で、江戸時代に土佐に野中兼山という素晴らしい人物がいたということを知っていましたので、本日は野中兼山という人物について紹介します。
  野中兼山は、元和元年(1615年)の生まれで、祖父の妻は、藩主・山内一豊の妹ですから藩主の山内家とは縁続きの家柄です。慶長6(1601)年に山内一豊が土佐藩に移封になったとき、兼山の父は、5000石の扶持を与えられる大身の侍でした。ところが、一豊が約束した昇給が、殿さま(一豊)の死後に反故にされたことに腹を立てて、土佐藩を去って浪人になってしまいます。そして、大阪で商家の娘を嫁にもらうのですが、その父も若くしてこの世を去ってしまいました。そのため、母は夫の親戚を頼り、兼山を連れて土佐に帰ってきました。その後、野中兼山は土佐藩の家老職として総奉行に就くことになりますが、その時は土佐の上士(山内家譜代の武士)と郷士(旧、長宗我部家)の対立が極限に達していた頃でした。それから彼はこの総奉行を30年間勤め、藩内の揉め事を一掃してしまいます。主な功績を挙げると、〝上士〟たちには藩の上級武士として高位を与え、〝郷士〟たちの身分は低く据えおく代わりに、未開の土地の開墾を命じることにより「上士」と「郷士」の対立を解消しました。また、植林や間伐の計画化を実施し、土佐の山林を守り、米価についても、「公定価格制度」を導入することで、米価を常時安定させ、農民たちを手厚く保護しました。このため、台風のメッカともいえる土佐にもかかわらず、江戸時代を通じて飢饉の記録はありません。更に、室戸に海面上11㍍余の高さの「波止めの堤防」を築き上げたのです。当時の人々は、「何で、こんな高い堤防がいるのか」と工事を嫌がったそうですが、この堤防のおかげで、戦後多数の死者を出した最大瞬間風速60㍍超の「室戸台風」でも子孫の命が助かったのです。 
  彼は、晩年悲運の人生を送ることになりますが、一時の人気取りや、目先の利害ではなく、常に「百年の計」を考えて行動したのです。まさに、彼こそが本当の指導者であると言えるのではないかと思います。自分の利害を優先している現在の日本の政治家には、是非彼の姿勢を学んで欲しいものです。

2011年06月20日

中高一貫校・高校ランキング

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平成23年6月25日号 週刊ダイヤモンドより

  6月20日(月)、週刊ダイヤモンドから『中高一貫校・高校ランキング』に関する特大号(6月25日号)が発売されました。この特集は、大学生の就職難が社会問題化する不安の時代にあって、「中学・高校時代から少しでも良い大学に行けるような、子どもの将来に役立つ教育を」と考える親が増えていることから、全国の高校の上位1567校をランキングしたものです。
  この中で、本校も国公立大学100校合格力・難関大学合格力という点でランクアップされました。これに先立ち、ダイヤモンド社から2週間前に取材がありました。そして、生徒達の学校生活の様子を見ていただいた後、本校の学校改革の取り組みや難関大学への入学が最終目的ではなく、最終的には本校の創立の精神である『社会で役立つ人材を育てる』ことを目指して教育活動を行なっていることをお話しました。本号では、これらをコンパクトにまとめていただくと共に、芝生化されたグランドでの生徒達の写真を表紙に掲載していただきました。
  本校では、現在、学校改革の成果が少しずつ現れてきていますが、まだまだ多くの課題があり、満足すべき状態ではありません。これからも他校の優れた点を素直に学び、引き続いて新たな取り組みにチャレンジいきたいと思っています。

2011年06月10日

教育実習生に送る

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  6月10日(金)、本日で3週間の教育実習も終了しました。朝の職員朝礼で代表者から挨拶していただきましたが、この間全員が中身の濃いさまざまな経験をしたのではないかと思います。昔から〝経験が人をつくる〟と言われていますが、人間は経験をすることによって成長していくのは間違いありません。しかし、成長の大きさやスピードという点では個人差が出てきます。そして、この差がどうして生まれるのかと言うと「いかに反省するか」にかかっているのです。昨日に続いて、実習生に送った次の言葉を紹介します。

≪反省なきところ進歩なし≫
  〝社会で活躍されている人の共通点は、必ず日々の反省をされているということです。
このような話をすると、よく「忙しくて、その日その日の仕事をやるだけで精一杯で、とてもそのような時間は取れないから無理だ。」という答えが返ってきます。中には、「できない」とか「難しい」という言葉が条件反射的に出てくる人も見受けられます。しかし、1日が終わって1時間も2時間もかけて反省するということではありません。毎日5分間の反省で良いのです。そして、できれば忘れないようにメモ書きしておくことです。最近、昔に比べると日記をつける人も少なくなったようですが、そう堅苦しく考えずに、一行で反省点を書くということで良いと思います。〝一つでも良いから悪いと思うことは改める。そして良いと思うことはすぐにやる。〟ということが大切です。1週間とか1ヶ月まとめてやろうと思ってもなかなかできるものではありません。キイワードは 「毎日」 「一つずつ」 「すぐに」 という3つです。
わずか1日5分間ですが、1ヶ月では150分間、1年では1800分間、5年では9000分間になります。時間に直すと、1年で30時間、5年で150時間になります。
  私の経験から言っても、毎日5分間の反省が間違いなく人生を変えることになります。毎日、一つずつ改善しても、1年で365個、これを30年続けると1万個を超えることになります。まさに、日々の小さなことの積み重ねが月日の経過と共に大きな差となってくるのです。日常の生活においては、種々雑多な事柄が発生し、その対応に追われているうちに1日が終わり、1週間、1ヶ月が経ってしまいます。このような状態で日々の反省がないまま1年が終わってしまうと、今年も忙しく過ぎてしまったという感想だけが残ることになります。この繰り返しでは、人間として成長することは難しいと思います。
  特に、学校現場では年間の教育活動スケジュールが定例化しており前年踏襲型になっています。また、私学の場合には、どうしても人材交流が少ないためともするとマンネリ化に陥ってしまいます。
  皆さんはどんなに忙しくても、一日の反省をしっかりとやる習慣を是非身につけていただきたいものです。そうすれば長い間には必ず大きな差になってくると思います。〟

2011年06月07日

実習生の皆さんに送る

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  教育実習生の実習も残り少なくなってきました。現在朝の登校指導から始まり、各クラスでのホームルームの運営や授業の進め方等について、色々な経験をしているようですが、毎日私の思いをまとめてお渡ししていますので、この内容を順次紹介したいと思います。

  ≪高志・自律・努力の実践≫
  21世紀に日本が避けて通れないトレンドとしては、情報化、グローバル化、少子高齢化、真の実力主義の浸透等があげられます。このうち少子高齢化というのは日本特有の課題ですが、残りの3つは世界共通の課題です。
  これから情報化とグローバル化がますます進展する中で、世界の人口は今後ますます増加し、食糧・水・エネルギー・資源の不足や地球環境・民族紛争等への対応が迫られています。また、わが国においては少子高齢化に伴う労働力人口の減少や団塊の世代の大量退職による技能・ノウハウの伝承等さまざまな課題が生じてきています。一方、ナノ・バイオ・エコ・インフォメーションに代表される急速な技術の進歩によって、社会のさまざまな分野において、新しい仕組みやシステムが続々と構築され、この結果今までなかった仕事が次々と生まれてきます。これらの仕事の達成には当然のことながら高い専門能力が必要になってきますが、それだけで十分かというとそうではありません。これらを正しく使いこなしていくための人間力が兼ね備わっていなければなりません。
  これからの社会が求める人材は、自己の利益や名誉・名声を優先するのではなく、世の中に貢献するという高い志に根ざした夢や目標に向かってたゆまぬ努力を続けると共に、日々素直に反省し常に自分自身を厳しく律していくことのできる〝骨太のリーダー〟です。言い換えると、社会観や倫理観、人生観、職業観といった人間としての基盤が確立しているということであり、これらは木に例えると〝根っ子〟にあたるものです。枝葉である専門能力や技能は時代と共に陳腐化するため、常に再生が必要ですが、根っ子がしっかりしている限り、次第に幹は太くなり枝葉は繁ってきます。
  雲雀丘学園中学・高校の校是は「高志」「自律」「努力」ですが、これらはまさに社会で役立つ力の核となるものです。教職を目指す皆さんも是非、将来の日本を背負って立つ人(財)材を育てるという高い志を持ち、日々たゆまぬ努力を続け、素直に反省しつつ自分を律するという姿勢を貫いて欲しいものです。 
                                 

2011年05月29日

OECDの学力調査と日本の国際競争力

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  日本はこれまで物づくりの分野で世界をリードし、経済大国として発展を遂げてきましたが、これを可能にしてきたのは高度な専門能力や質の高い労働力です。言い換えると教育力が日本を支えてきたのです。
  OECD(経済協力開発機構)では、2000年から3年毎に世界の15歳の生徒を対象に学習到達度調査を実施しています。最初に実施された2000年の第1回調査では数学的活用力が1位、科学的活用力が2位、読解力が8位と、世界トップを維持していました。ところが、2003年、2006年の調査では、連続して順位を落とすことになりました。その後、2009年に第4回の学力調査が実施され、日本の高校1年生は前回(第3回)2006年に行なわれた調査に比べて、読解力が15位から8位へ、数学的活用力が10位から9位へ、科学的活用力も6位から5位と、3分野すべての順位を上げるという結果となり、低落傾向に歯止めがかかったようです。
  この調査には65か国・地域(OECD加盟国34、非加盟国・地域31)、約47万人の生徒が参加しました。15歳児に関する国際定義に従って、わが国では、調査を実施する学校(学科)を決定し、各学校(学科)から無作為に調査対象生徒を選定し、調査には全国の185校(学科)、約6000人の生徒が参加しました。この結果だけを見ると、日本の生徒の学力は良い方向に向っていると思われがちですが、決して安心できる状況ではありません。
  近年、グローバル化の進展に伴い、日本のお家芸であった物づくりにかげりが出てきています。そして、日本の国際競争力は長期低落傾向にあります。今回の学力調査でもトップは上海、次いでシンガポール、香港と国際競争力との高い相関が見られます。日本が技術立国、貿易立国として世界に認められていくためには、更なる学力アップが不可欠であると思います。

2011年05月24日

高大の連携を強化する~香川大学を訪問

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  本校の生徒達はほとんどが大学進学を目指していますが、進路実現のためには、できるだけ早く志望校と学部を決め目標に向って学習するということが大切です。そのため本校では高校入学時より職業体験談を聞く「職業人に学ぶ」講演、卒業生による講話、高大連携講座、大学の先生による「1 Day College-出前講義」等を実施しています。この中でも全国の30を越える大学の先生に来校いただいて開催する「1 Day College」は業者の方を一切入れず、すべて教員の手づくりで実施している本校独自の取組みです。窓口は進路指導部となっており、各大学に校内オープンキャンパスへの参加をお願いし、それぞれの講師の先生方は高校生向けに講義内容を変更してお話いただくことになっています。
  本校では、本年、中学改革初年度の生徒が高校に入学したのを機に、高校のコース制を「一貫選抜」「選抜特進」「特進」の3コースに再編するのと同時に従来のカリキュラムの見直しを行ない「国公立大学対応型」に変更しました。これは将来社会で役立つ力を習得させるために、生徒達がより幅広い学習をすることにし、国公立大学の受験を目指すようにしていこうとするものです。
  このため1 Day Collegeについても、できるだけ国公立大学からの出前講義を増やす方向で調整していくことにしました。この考え方に立って、先週末、香川大学を訪問し、一井学長に直接お会いして講師の派遣をお願いしたところ、快く了解していただきました。そして、早速工学部の安全システム建築工学科の先生をご紹介していただきました。どのようなお話をしていただけるのか今から楽しみにしています。
  これまでも、生徒達はまず興味、関心のある大学を選び、オープンキャンパス等に参加した上で、志望校を絞り込むというパターンがほとんどです。本校ではこれからも多くの大学との連携強化をはかり、パイプを太くしていきたいと考えています。
  大変ご多用中にもかかわりませず、貴重なお時間をお取りいただいた一井学長はじめ、1 Day Collegeにご協力していただくことになった香川大学の皆様に心より感謝申し上げます。

2011年05月01日

東北・関東大震災支援物資 受け渡し式

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  雲雀丘学園中・高では今回の大震災に対する義援金の募集を校内や校外で行なってきました。しかし、お金や物を授受するだけではお互いの顔が全く見えません。お金や物だけではなく心を伝えることが大切です。そこで、本校では卒業生で東北大学に在籍している学生(Iさん)を窓口にして、現地の要望を受け支援活動を行なうことにしました。そして、今回大きな被害を受けた宮城県の名取市で、学校に対する救援活動を行なっておられる方からの要請を受けて、生徒会の役員が中心となって、同市の小・中学校に文房具を送る活動をスタートさせました。ノートについては大学ノートではなく小学生用のものが要るということで、学園小学校にも協力をお願いしたところ、実に多くの文房具を提供していただきました。また、近隣の皆さんからも心温まる品物を届けていただきました。この結果、実にダンボール箱22個分の文房具が集まりました。そこで昨日の午後、Iさんに来校いただき、受け渡し式を行ないました。皆さんのご厚情に対して心よりお礼を申し上げます。
  本校では間もなく恒例の体育大会が開催されますが、これを『大震災復興体育大会』と位置づけて、大きな布を準備し、当日の来場者の皆さんに激励のメッセージを書いていただき被災地にお届けすることにしています。また、パンや飲み物の販売の一部を義援金に加えることも検討しています。
  今回の震災復興は短期間で終了できるものではありません。これからも被災地との連絡をしっかりと行ないながら支援活動を続けていきたいと思っています。

2011年04月25日

人生におけるPDCAをまわす

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  経営の神様と言われた松下幸之助氏によると〝およそ計画を立てて実行するということはすべて経営である〟ということになります。このような視点で考えると、我々一人ひとりのあらゆる行動そのものも経営であり、PDCAが基本ではないかと思います。一日をとっても〝朝に発意、昼に行動、夜に反省〟、一年をとっても〝元旦に発意、その後一年間行動、大晦日に反省〟ということになります。人間の人生というものを大きくとらまえると、〝一生どう生きるか〟ということを計画することも経営と言えるかも知れません。
  本校では「将来、社会で貢献できる人材の育成」を教育方針にしており、学校は社会で役立つ力を育てるトレーニングの場であると位置づけています。このように考えると「社会人としてPDCAサイクルをキッチリ回せる人」を育てることが大切です。ところが最近、気になるのは物事を深く考えず、Planを持たずに行動している人が多いということです。つまり、PDCAのうち、D(Do)とA(Action)しかないということになります。また、この一方でPDCAサイクルが長い、特にPlanのステップが長い人も散見されます。これらの失敗を恐れ過度にPlanに時間をかけるという人は考えるだけで行動しない結果に終わってしまうことが多いのです。
 社会で活躍するためには、PlanしてからDo、Check、Actionという一連の行動が取れる、できれば、頭で考えなくても体がPDCAを覚えていることが大切です。PDCAのサイクルを早く回せるというのは、Planしたら失敗を恐れずにDoに移せるということであり、仮にDoで失敗しても、Checkして、Actionという修正を行なえば良いということになります。
  社会人になると、中間試験・期末試験という定期的な試験も、高校入試・大学入試もありませんが、毎日PDCAのサイクルを意識しておかなくてはなりません。中学・高校時代に是非、日々のPDCAのサイクルをまわす習慣をつけて欲しいと思っています。

2011年04月22日

大阪私学経営者協議会研修会に参加して

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  4月21日(木)、大阪府の私学経営者協議会の春季研修会において『新たな視点で魅力ある私学をつくる』というテーマで講演を行なった後、出席者のメンバーと懇談しました。この研修会は大阪府の私学のトップの方を対象にして、毎年この時期に開催されています。今回の研修会では大きく「労働紛争」「学校づくり」「私学助成」「教職員の労働時間管理」「関西経済」等、時流に即したテーマが盛り込まれています。
  今、私学を取り巻く環境は激変しており、従来の経営手法を踏襲していくことは非常に難しくなってきています。特に、大阪府においては、公立高校の授業料の無償化に伴い、私学助成のあり方が大きく見直されることになりました。具体的には、公費負担する上限の年間授業料を58万円に設定した上で、私立高校の授業料の無償化の対象世帯を拡大しようとするものです。 一方、高校への運営補助金については、生徒1人あたりの単価(今年度約28万円)の頭割りで配分されることになりました。この狙いは「中低所得層の保護者負担をなくすことにより、授業料無償の公立高校と同一の競争条件にする」ということです。
  この結果、従来の枠組みが大きく変化し、今春の入試においては私立高校へのシフトが進み、公立高校の中には大幅な定員割れになるところが続出することになりました。また、私立においても大規模校とそれ以外の学校では従来以上に大きな格差が生じ、二極化が顕著になってきました。
  大阪府においては、これから公立、私立という枠組みを超えて、同じ条件化で切磋琢磨していくことになりますが、公立と私立ではさまざまなシステム上の違いがあります。いずれにしても、厳しい財政状況にあって、税金という公費がどのように投入され、どのような成果に結びついているのかをしっかりと把握、分析していく必要があると思っています。
  本校は兵庫県にあり、私学助成については大阪府とは異なる制度になっていますが、これから一層少子化で生徒数が減少していく中で、生徒や保護者の皆さんにとって魅力のある学校づくりを進めていかなければならないと痛感しています。


2011年04月11日

お子さんの学校選びにあたって

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  先週、公文教育研究会の依頼を受けて「これから望まれる教育~社会で役立つ力を育てる」というテーマで、小学校の児童を持つ保護者を対象にお話しました。最近、このような講演の依頼が増えてきていますが、時間の許す限り、お受けしていきたいと思っています。

  今、子どもの受験校を絞り込むのに悩んでおられる保護者が多いように感じています。特に中学受験は『親の受験』と言われているように、子どもよりも保護者の意向が反映されることになりがちです。そして、親が希望する中学に入学させるために、小学校の低学年の頃から「詰め込み式の知識偏重型」の教育を行なうという傾向も見られます。しかし、大切なことは人間としてのしっかりとしたものの考え方です。思いやりやまごころ、感謝、おわび、忍耐といった気持、やってよいこととやってはいけないことの見極め、規則正しい生活習慣なのです。そして、学習については基礎・基本をしっかりと習得することです。さらに、学習に対する興味・関心を持たせることが重要なのです。
  また、最近気になるのは、あまりにも身近なことに目を奪われて、大きな視点で物事を見ていない人が増えてきているということです。今、世界は急速に変化してきています。子ども達が社会に出て行く10年後、20年後には、世の中は今とは比べ物にならないくらい大きく変わっているはずです。これらのことを保護者が理解しておくことが必要です。そうしないと、中学・高校を経て大学に進学するということが最終目的になり、卒業しても社会で通用しないということになってしまいがちです。
  
  そのため、私は保護者の皆さんに対しては、できるだけ「これからの社会の動きがどうなるか」ということを取り上げてお話しするようにしています。学校選びについては、お子さんの個性が伸ばせるかどうかをしっかりと見極めてあげることが大切であると思います。そのためには、必ず色々な学校に足を運び、お子さんに向く学校なのかどうかを確認していただくことが必要です。

  本校においては、年間を通じて、入試説明会やオープンスクール、校舎見学会、授業参観等を行なっています。また、随時入試相談も行なっていますので、いつでもお越しください。

2011年04月10日

被災地への支援活動~文房具をおくる

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  本校では、東日本大震災の被災者に対するさまざまな支援活動を行なっています。これまで、生徒会が中心となって校内での義援金募集、宝塚市社会福祉協議会と連携して宝塚駅前での街頭募金を行ないました。その後も、引き続いて校内での義援金募集を続けており、生徒や先生、保護者の皆さんからも協力いただいています。また、先日の卒業式や入学式でも保護者の皆さんからも多くの支援をいただきました。
  現在、日本だけではなく海外からも支援の輪が広がってきていますが、今回の震災に対しては、継続した取り組みが必要です。これから本校においても被災地の要請に応えて支援活動を続けていく予定です。
  さて、今回、宮城県の名取市で救援活動を推進されている方から、子どもたちの文房具が足りず支援して欲しいとの要請がありました。これを受けて、本校では先日の修了式の際に震災の生々しい状況を伝えてくれた、東北大学生の I さんが窓口になって文房具を提供する活動をスタートさせることにしました。そして、昨日の始業式で全校生に文房具支援のための具体的な話をしていただきました。名取市は仙台市の南に位置していますが、震災で亡くなられた方は840名超、行方不明者は約1000名、避難者は1400人超となっています。学校では新学期を迎えていますが、教材も文房具も圧倒的に不足しており、特に「シャープペンシル」「シャープペンシルの芯」「小学生用のノート(大学ノートではなくマス目の入っているもの)」があれば是非提供して欲しいとのことです。また、鉛筆削りが無いため鉛筆が使えないようですので、ご家庭で使っておられない手動式のものが等あれば是非提供してください。

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    宝塚での街頭募金


2011年03月21日

高い目標を目指す

  P1030640b.JPG  頂上を目指す(大山登山) 

  3月20日(日)、国公立大学の中期・後期の合格発表があり、7名が合格したという嬉しい報告を受けました。今回合格したのは第一志望の国公立大学の前期試験で残念な結果に終わった生徒達です。自分の希望が叶わなかったということで、大きなショックを受けたのは間違いないと思います。しかし、気持を切り替えて、中期・後期の試験に再チャレンジして合格したのです。
  この大学入試の経験は、将来社会人になった時に大きな自信に繋がるのは間違いありません。「目標を下げない」「目標に向って努力する」「たとえ失敗しても諦めずに再チャレンジする」といった姿勢が何よりも大切なのです。私は大学入試というのは人間としての節づくりの一つであり、これを乗り越えることによって人間的に大きく成長すると思っています。
  以前、本校の生徒や保護者の大学受験に対する姿勢は、どちらかと言えば有名私立大学の指定校推薦に目が向いていたようです。しかし、高校のコース制を導入後に入学してきた生徒達の意識は〝難関大学を目指す〟というように変わってきました。また、先生方も個々の受験校対策に注力してきました。こういった姿勢が、国公立大学や難関私立大学への合格者増に繋がってきました。
  
  まだすべての発表が行なわれていないため、最終結果は出ていませんが、旧帝国大学と神戸大学、国立大学の医学部合格者は現時点で20名を超えました。また、関西の難関私学と言われている関関同立の合格者も、一昨年111名、昨年161名、今年は現時点で既に240名を超えています。明日からも中期・後期の発表が続くため、もう少し合格者数が増えるのではないかと思っています。

2011年03月17日

被災者への支援

  東日本大震災が発生して間もなく一週間が経過しますが、マスコミの報道を見ていても支援活動は十分できていないようです。被災地にいる私の知人も20数名いますが連絡が取れた人はたったの2人で、ほとんどの人は未だに消息が判りません。今日、福島県にいる知人から連絡が入りましたが〝水道も止まり、食料の配給を受けている、また原発事故のため多くの人達が避難してきている〟とのことです。しかし、連絡の取れていない所では水も食料も灯油もない状態が続いていると思うと、居ても立ってもいられない気持ちです。本校でも生徒会を中心に色々な支援策を検討していましたが、物資を送るということは難しいということもあって、義援金の募集を開始しました。
  今、三学期の授業はほとんど終了し、各学年はさまざまな行事や補習を行なっているため、義援箱は職員室に置かれています。このため、現在は先生や一部の生徒から募金を受け付けているだけですが、これから終業式までには多くの人達の支援をいただく予定です。本校では今週土曜日に中学校の卒業式が行なわれますので、生徒会では保護者の皆さんにも協力を呼びかけたいと考えているようです。
  また、今春高校を卒業した生徒や先輩からも問い合わせがありますので、生徒と教職員が力を合わせてこの支援の輪を広げていくと共に学園としての取り組みにも繋げていきたいと思っています。
  現在、被災地の教育の状況がどのようになっているのかは把握できていませんが、被災地の学校に対して支援できることがないかどうかも模索していく予定です。

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生徒作成の旗               職員室の募金箱

2011年03月09日

〝生き方〟〝働き方〟を学ぶ~ 稲盛和夫氏

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  経営ということを考える際には、優れた経営者の思想を学ぶことが大切です。私も毎年の経営計画を立てるこの時期には、これらの人の考え方を読み直すことにしています。本日は京都セラミック・第二電電の創業者であり、現在日本航空の会長として会社の再建に取り組まれている稲盛和夫氏の経営思想を紹介します。稲盛氏は「盛和塾」の塾長として人材育成に注力されると共に多くの著書を出されていますが、この中に掲載されている内容は学校経営にも大いに役立つと思っています。

 1.事業の目的、意義を明確にする  ⇒公明正大で大義名分の高い目的を立てる
 2.目標を明確に立てる  ⇒立てた目標は常に社員と共有する
 3.強烈な願望を心に抱く  ⇒目標の達成のためには、潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと
 4.誰にも負けない努力をする  ⇒地道な仕事を一歩一歩、堅実にたゆまぬ努力を
 5.売り上げを最大限に、経費を最小限に
 6.値決めは経営なり  ⇒値決めはトップの仕事、お客も喜び自分も儲かるポイントは一点である
 7.経営は意志で決まる  ⇒経営には岩をも穿つ強い意志が必要
 8.激しい闘魂をもつ  ⇒経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要
 9.真の勇気を持つ  ⇒卑怯な振る舞いがあってはならない
10.常に創造的な仕事を行う  ⇒今日より明日、明日より明後日と常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で


  また、次の言葉も大いに参考になります。
 ◇世の中に失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない。あきらめた時が失敗である。
 ◇バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。賢い奴は複雑なことを単純に考える。
 ◇一日一日を懸命に生きれば未来が開かれていく。
 将来を見通すということは、今日を努力して生きることの延長線上にしかない。
 ◇経営とは、人として正しい生き方を貫くことだ。
 ◇自分自身が考えていることの、その動機は善なりや、私心なかりしか。
 ◇今日の成果は、過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まる。
 ◇人生の結果 = 「考え方」 × 「熱意」 × 「能力」

2011年02月15日

自ら疑問を持ち調べ考える

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  2月15日(火)、心配していた雪も溶け出し、大きな混乱もなく授業がスタートしました。生徒達はあと1ヵ月少しでそれぞれ進学や進級をしますが、最近教育と職業とのギャップについて取り上げられることが多くなってきましたので、この背景について考えてみることにします。
  幼少の頃には親や周囲の人に対して 「なぜ?」  「どうして?」 という質問をします。ところが、大きくなるにつれて、このような質問をしなくなってしまいます。この理由は色々考えられますが、大人があまりにも多くのことを与え過ぎているのではないかと思います。近年、少子化の影響もあり、親は子どもに対してあれこれとかまい過ぎ、自分の思いどおりに育てようとします。そうなると子どもは親の意思のまま、言われたことをしておけば良いというようになりがちです。また、学校での学習についても先生が細かく指示してあげないと自分からはやらないということになってしまいます。このやり方は言われたことを忠実にこなす子どもにとって、ある時期までは非常に効果的です。現に試験で高得点を取る人の中には、このタイプの人が数多くいます。この結果、大学生になっても受身的で自律できていない人が多いのです。しかし、このままの状態では社会では通用しません。
  何故なら、学校では通常ある問題が示され、この答えが求められます。また、正しい答えは概ね一つしかありません。これに対して社会では「何が問題なのか」を自分で探しださなくてはなりません。そしてこの問題を解決していくために知恵を絞り出さなくてはなりません。いくら豊富な知識を持っていたとしても活用できなければ何にもならないのです。社会で必要とされるのは『課題発見能力』と『課題解決能力』なのです。
  それでは、どのようにすればこのような力がつくのでしょうか。それは知識を一方的に吸収することではありません。何よりも大切なことは色々なことに関心を持ち、疑問に思うことがあれば自分で調べることです。そして、自分なりにどうすればよいのかを考えていかなければなりません。受身ではなく自ら積極的に行動するという姿勢を続けることにより、社会人として課題を発見し解決する力が身についていくのではないでしょうか。

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2011年02月07日

改定常用漢字表の告示

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  昨日に続いて漢字に関する話題を取り上げたいと思います。
  昨年11月末に『改定常用漢字表』が告示されましたが、この常用漢字(じょうようかんじ)は、現代日本の漢字であり、文部省国語審議会(現文部科学省文化審議会国語分科会)によって決められる「当用漢字」の後継という位置づけです。そして、「法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等、一般の社会生活で用いる場合の効率的で共通性の高い漢字を収め、分かりやすく通じやすい文章を書き表すための漢字使用の目安」とされています。
  これまで常用漢字は1945字(4087音訓[2187音・1900訓])からなっていましたが、文化審議会は昨年の6月7日に改定常用漢字表(2136字/4388音訓[2352音・2036訓])を答申し、これがこの度告示されたのです。
  常用漢字表の目的は、漢字使用の目安であって制限ではないため、強制力を有するものではありませんが、学習指導要領では義務教育の国語で読みを習う漢字は常用漢字しか規定がないということになっています。
  
  近年、パソコンをはじめとするIT機器の普及により、急速に活字離れが起きています。また、パソコンや携帯では自動的に漢字への変換がなされるため、手紙などを直筆で書く際にはなかなか漢字が浮かんでこないという経験をお持ちになる方も多いのではないかと思います。
  海外では母国語を含め、数ヶ国語を駆使する人は珍しくないです。最近は英語をはじめとする語学力に注目が集まっていますが、これからグローバル社会で活躍していくためにも、日本語やこの中核をなす漢字をないがしろにする姿勢は避けなければなりません。
  是非、英語と共に日本語や漢字の運用能力を高めていって欲しいと思っています。

2011年01月29日

他校に学ぶ~熊本学園中学・高等学校

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  1月28日(金)、学校法人熊本学園大学付属高等学校の小牧義典生徒部長と厚晴仁教諭が早朝から来校されました。丁度この日は寒稽古の最終日にあたっており、高校2年生の柔道と剣道の稽古の様子を見学していただきました。その後、私から本校の学校経営方針と教育活動について説明し、色々と意見交換させていただきました。
  学校法人熊本学園が創立されたのは、昭和17年(1942年)ですが、以来「自由闊達」「師弟同行」「全学一家」の建学の精神のもとで70年近くの歴史を歩んできておられます。その後、1958年に熊本商科大学付属高等学校として設立された後、1994年 に 「熊本商科大学」が「熊本学園大学」に改称されたのに伴って、「熊本学園大学付属高等学校」と改称され、2009年に 創立50周年を迎えられました。 また本年4月からは熊本学園大学付属中学校を開校することになっており、既に新校舎も建設されています。そして、小牧氏はこの新校舎の建設責任者としてこれまで尽力されてきており、教育目標は、知、徳、体のバランスのとれた自由闊達の心を持った生徒の育成であり、〝学業に精励し英知を磨く〟〝情操を陶冶し気品を高める〟〝心身を鍛錬し剛気を養う〟ことを目指しておられます。
  現在、教育をめぐる環境は大きく変化していますが、このような時には二極化が進展します。伸びている学校の共通点は思い切った取り組みであり、立ち止まることは停滞を意味します。これからも他校の良いところを積極的に学び新たなチャレンジをしていきたいと思っています。

2011年01月28日

加印地区小中養護学校事務職員に対する講演

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  1月28日(金)午後、「加印地区小中養護学校事務研究大会」において、『学校事務における組織マネジメント~事務職員が学校経営に果たす役割』と題して講演を行ないました。加印という地区名は、かつて播磨の国の加古川を挟んだ東側が加古郡、西側が印南(いんなみ)郡と呼ばれており、この頭文字をとって名づけられたものです。今回に至った経緯は昨年の1月に「阪神地区小中養護学校事務研究大会」において講演を行ないましたが、ほとんどの加印地区の事務職員の方が参加できなかったため、改めて講演して欲しいとの依頼があり実現したものです。参加者は加古川市、高砂市、稲見町、播磨町の小中養護学校に勤務する約80名の事務職員です。
  90分にわたる講演では、最初に「世界や日本の現状」「これまでの民間企業での経験」「世の中の動き」について触れた後、「これから社会で求められる力」「現在の教育をめぐる課題と学校の役割」「これからの学校づくり」「本校での学校改革の取り組み」についてお話しました。
  公立と私立の違いはありますが、学校を取り巻く環境が大きく変化する中では、これまでのように過去の延長線上の取り組みでは不十分であり、新たな改革や改善が必要になってきます。この中で事務職員の果たす役割は非常に大きくなってきているのは間違いありません。経営のトップである校長を補佐するスタッフとしての自覚を持って、学校づくりを進めていくことが大切ではないかと思います。
  講演の最後に、学校改革は〝明るく元気で生き生きと楽しく〟〝衆知を集めた学校づくり〟〝着眼大局 着手小局〟ということをお話ししました。学校だけではなく、成長している企業や組織においては絶えず改革が行なわれています。環境の変化の激しい昨今にあっては、現状維持という姿勢ではたちまち退歩に繋がります。
  本校では現在学校改革を進めていますが、次々と新たな課題が出てきています。これらの課題を解決していくために、これからも引き続き新たな取り組みを展開していかなければならないと感じています。

2011年01月27日

文科省高等学校施設整備指針

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       <ヒアリング中>              被服教室<箸袋製作中>

  1月27日(木)、兵庫県の教育・情報局教育課の倉橋良太氏とNTTインテリジェント企画開発㈱の安川哲親氏、㈱ユーディ・シーの曽川大氏(カメラマン)が来校されました。現在、文部科学省では本年3月に施設整備指針改訂に伴う「高等学校施設整備の事例集」作成のための事前調査を行なっていますが、この業務をNTTインテリジェント企画開発㈱が受託し、現地調査による写真撮影とヒアリングを実施されています。今回作成が予定されている事例集は2種類で、1つはハード面での事例、もう1つはソフト面で生徒と共に教育効果を高めた事例を集め、そのポイントを設置者・計画者・利用者に分かりやすく解説することを目指しています。そして、「人間教育」・「環境教育」等に力を入れている本校については後者の事例集に掲載される予定とのことです。

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   書道教室<書画カメラ動作中>      音楽練習室<ピアノ演奏>

  簡単なスケジュール調査の後、パワーポイントで「本校における教育活動の概要」や「新校舎のコンセプトである環境とゆとり」「新校舎の概要」等の説明と質疑応答を行ないました。続いて、校舎見学と撮影に入り、60ホール(ウイスキー樽材のフローリング床)、授業中の被服教室・調理教室・美術教室等の特別教室、保健室、生徒相談室、交流スペースでの面談風景、防音された音楽教室の授業と練習室での先生によるピアノ演奏、進路指導室での高校3年の生徒、社会科教室兼視聴覚室、物理教室の波の実験、書道教室、屋上緑化、トイレ前ベンチで談笑する女子生徒、屋上のソーラーパネル、雲の動きによって変わる発電量表示のメーター、既設校舎の図書室、視聴覚室、P-Call教室、昼休みにメタセコイアのベンチでくつろいだり、校庭の芝生や体育館でボール遊びをしている生徒達等を撮影して終了しました。
  今回、調査の対象に選ばれたのは全国でわずか30校、兵庫県では本校1校とのことです。大変名誉なことであると思うのと同時に、本校の校舎のコンセプトが他の学校の建設にあたって少しでも参考になることを願っています。

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   ソーラーパネル<10KW>          メタセコイア<サークルベンチ>


2011年01月23日

子どもの声に耳を澄ます

H22.10.9_1.jpg  中学入試説明会

  ドロシー・ロー・ノルト氏の著書『10代の子どもが育つ魔法の言葉』の冒頭には次の詩が掲げられています。

  〝子どもの声に耳を澄ましてください〟

  プレッシャーをかけすぎると、 子どもは疲れてしまう 
  厳しいルールを押しつければ、 子どもはルールを破る方法を探す
  好き勝手にさせると、 子どもは人の気持ちに鈍感になる
  失敗を繰り返すと、 子どもは自信を失う
  約束を破られると、 子どもは失望を味わう
  否定されると、 子どもは苦しむ
  ひとりの人間として大切にされれば、 子どもは思いやりのある人間になる
  親を信頼できる子どもは、 本当のことを話してくれる
  大らかな家庭に育てば、 子どもは考える力をはぐくむ
  先のことを考えて行動できれば、 自分の行くべき道が見える
  責任感を育てれば、 子どもは自分で考えて行動できるようになる
  親が身体にいい習慣をもっていれば、 子どもも自分の身体を大切にする
  支えてあげれば、 子どもは自分に自信をもつようになる
  表現できる場をもてば、 子どもは本当の自分を出せる
  愛してあげれば、 子どもは、人を愛することを学ぶ
  子どもを信じて見守れば、 子どもはよりよい世界を目指して歩いてゆける

  そして、本書ではこの一節一節毎にさまざまな事例をとりあげながら詳しい解説がなされていますが、それぞれが実に味わい深く参考になることが多いように感じています。

2011年01月22日

10代の子どもが育つ魔法の言葉

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  最近、中学生の保護者から「子どもが反抗期でなかなか親の言うことを聞かなくなって困っています」という悩みを打ち明けられることがしばしばあります。しかし、この背景にあるのは自我の発達であり、一人前の大人になるためのプロセスと受け止めるべきであり、親の言うことをすべて素直に聞き入れる子どもというのは、かえって心配な面もあるように思います。
  人によって個人差はありますが、早ければ小学校の高学年頃から通常は12歳から15歳頃第2反抗期に入ってきます。この時期の特徴は〝親の言うことをすべて拒否または無視する〟〝自己主張が強い〟〝自分が悪いことをしても素直に謝らない〟等というものです。
  先日、40年以上にわたって子育てコンサルタントとして活躍されたドロシー・ロー・ノルト氏の『子どもが育つ魔法の言葉』(PHP研究所)を紹介しましたが、本日は、この本の続編として書かれた『10代の子どもが育つ魔法の言葉』(PHP研究所)という、もう一冊の本を紹介します。この本は〝10代に正面から向き合った初めての子育てバイブル〟と言われており、大人に近づいていく子どもとの親子関係についての多くのヒントを教えてくれます。
  この中でノルト氏は〝子どもは反抗しながらも親から学んでいく。親の言葉と行動が一致しなければ鋭く批判する。そして、大きくなったように見えても、子どもはまだ親を必要としている〟と述べています。
  私もこれまで子育ての経験をしてきましたが、親であれば必ず通らなければならない道ではないかと思います。反抗期は子どもの成長する過程であると前向きに受け止め、ゆとりを持って見守っていただきたいものです。

2011年01月21日

勉強することの意味

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  今回、中学入試を受けていただいた方全員に対して面接をさせていただきましたが、驚いたのは子ども達の勉強時間の長さです。毎日、学校から帰るとお弁当を持って塾に行って勉強し、更に学校の宿題をしているといったケースは珍しくないようです。従って、平日には学校以外に4、5時間勉強しているのは普通で、休日には8~9時間勉強している子ども達も数多くいることがわかりました。これではまさに勉強漬けの毎日であり、家族の対話も十分できていないようです。「勉強は楽しいですか?」と聞くと、はっきり「楽しい」と答える子どもはあまり多くありませんでした。そして、この中学入試が終わればゆっくりしたいと答える子ども達がほとんどでした。今は親から言われて勉強している人が大半であり、完全に〝中学に入学する〟が目的になっています。親が勉強を押し付けると、「やりたくないのにやらされる、嫌々やる」というパターンに陥ってしまいます。これでは勉強の楽しさを味わうどころか勉強ぎらいの子どもをつくることになってしまいます。
  本校の中学に入学してくる人はこれから高校、大学に進学することになりますが、進学のための勉強を続けていると、大学に入った時点で目標がなくなってしまいます。大切なことは将来社会に出た時に役立つ力を身につけることです。そのためには、子どもの心に「自分からやりたい」という気持を起こさせなければなりません。「よし、やるぞ」という気持を持って学ばせることが出来れば、子どもの力が大きく伸びるのは間違いありません。
  これから子ども達にやる気を起こさせる方法を学校でも家庭でも考えていかなければならないと思っています。

2011年01月13日

文部科学省幹部との意見交換

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  1月13日(木)、文部科学省生涯学習政策局の上月(こうづき)正博課長と村田恒子生涯学習官が来校されました。村田氏はパナソニックにおいて主として法務関係の仕事に従事されており、私とは旧知の間柄ですが、現在文部科学省に出向されており、時々メールの交換を行なっています。
最初に、簡単な雲雀丘学園の概要を説明させていただいた後、高校新校舎と中学校舎の設備と授業の様子を見学していただきました。特に『環境』をコンセプトにした新校舎の「ICT機器」や「屋上緑化」「太陽光発電」「LED照明」等の導入について関心を持っていただいたようです。続いて校長室において、パワーポイントを使って「学校改革の取り組みの経緯」や「本年度の学校経営方針」についての概要説明を行ないました。そして、教育全般に関するさまざまな課題について、本校の教頭も交えて忌憚のない意見交換をさせていただきました。
  私も公立・私立を含めて教育界での勤務が9年になりますが、「P-D-C-A」という仕組みは徐々に定着しつつあるように感じています。しかし、私立に比し、公立の場合には経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」の連動が弱く、課題解決型のマネジメントは十分にできない状況にあります。また、単年度での取り組みが中心となるため、中期的な視点での学校経営が推進されにくいということも事実です。この結果、どうしても過去の延長線上での考え方に陥り、前年踏襲型のやり方になりがちです。また、教育というものの性格上、過去のしがらみを捨て去り劇的に変革していくことは難しいかも知れませんが、今一度〝いかに生徒の育成をはかるか〟という原点に立ち戻って教育問題を考えていかなければならないと感じています。
  本日、上月氏と村田氏には貴重な時間を割いていただき、心より感謝しております。今後とも是非このような現場の学校との交流の機会を作っていただきたいと思っています。

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2011年01月11日

将来から物事を見る~11年後の社会は?

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  近畿地区の私立中学の入試は今週末から一斉にスタートしますが、本日(1月11日)、前期入試の願書の受付が終了しました。本校では15日(土)に前期A日程、翌日の16日(日)に前期B日程、更に19日(水)に後期と3回の入試を行ないます。今年も昨年度を上回る数多くの方に志願していただくことになり、感謝すると共に更なる教育活動の充実をはかっていかなければならないと思っています。
  本校への入学を希望されておられる生徒は、ほぼ全員が上級学校への進学を目指しておられると思います。しかし、大学への進学が最終の目的ではありません。現在、小学校6年生の皆さんも中学、高校、大学を経て11年後には社会人になります。その時はどのような世の中になっているでしょうか。恐らく想像しているよりもはるかに速いスピードで大きく変わっていると思います。
  21世紀に入って既に10年が経過しましたが、この間だけを見ても急速にグローバル化が進展し、BRICsを中心とした新興国の成長によって、アメリカの一極集中時代から多極化時代に大きく変貌しました。この一方でさまざまな分野で新たな技術が生まれつつあります。そして、これらを活用してこれまでになかった仕事が生まれ、新たな仕組みやシステムによるビジネス・モデルが構築されます。今、就職難が大きな社会問題になっていますが、全世界に目を広げると、仕事はいくらでもあるのです。重要なのはこれらの仕事に必要な力は何なのかをしっかりと把握しておく、つまり〝将来から物事を見る〟という姿勢なのです。
  これからの11年間は、まさに社会で役立つ力を育てるトレーニングの期間であると考えていかなければなりません。まず我々大人が現在の世の中の状況とこれからのトレンドをしっかりと把握し、学校と家庭が連携して子ども達を育成していくことが大切であると思っています。

2010年12月29日

子は親の鏡

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  親にとって、子どもが成長していく姿を見ることは人生の中で何事にも代えがたい大きな喜びです。しかし、この反面で子育ての難しさのために悩んでおられる方が多いのではないでしょうか。本日は、子育てに対して保護者の皆さんに是非読んでいただきたい一冊の本を紹介します。この本は、40年以上にわたって家庭教育についての授業や講演を行ない、子育てコンサルタントとして活躍したドロシー・ロー・ノルトによって著された『子どもが育つ魔法の言葉』(PHP研究所)です。私もこの本を読んで、もう少し早くこの本に出会っていれば良かったと感じました。
  この本は世界23カ国で出版されそれぞれの国の親たちを励ましましたが、冒頭には「子は親の鏡」という詩が紹介されています。そして、本文は次の19の項目にわたってさまざまな事例を取り上げながら、親自身が子どもの手本になることが大切であり、親の価値観は行動によって子どもに伝わることを語りかけています。
  ① けなされて育つと、 子どもは、人をけなすようになる
  ② とげとげした家庭で育つと、 子どもは、乱暴になる
  ③ 不安な気持ちで育てると、 子どもも不安になる
  ④ 「かわいそうな子だ」と言って育てると、 子どもは、みじめな気持ちになる
  ⑤ 子どもを馬鹿にすると、 引っ込みじあんな子になる
  ⑥ 親が他人を羨んでばかりいると、 子どもも人を羨むようになる
  ⑦ 叱りつけてばかりいると、 子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
  ⑧ 励ましてあげれば、 子どもは、自信を持つようになる
  ⑨ 広い心で接すれば、キレる子にはならない
  ⑩ 誉めてあげれば、 子どもは、明るい子に育つ
  ⑪ 愛してあげれば、 子どもは、人を愛することを学ぶ
  ⑫ 認めてあげれば、 子どもは、自分が好きになる
  ⑬ 見つめてあげれば、 子どもは、頑張り屋になる
  ⑭ 分かち合うことを教えれば、 子どもは、思いやりを学ぶ
  ⑮ 親が正直であれば、 子どもは、正直であることの大切さを知る
  ⑯ 子どもに公平であれば、 子どもは、正義感のある子に育つ
  ⑰ やさしく、思いやりを持って育てれば、 子どもは、やさしい子に育つ
  ⑱ 守ってあげれば、 子どもは、強い子に育つ
  ⑲ 和気あいあいとした家庭で育てば、
           子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

  また、彼女はこの本の続編として『10代の子どもが育つ魔法の言葉』という、もう一冊の本を書いていますが、この本は大人に近づいていく子どもとの親子関係についての多くのヒントを教えてくれると思います。

2010年12月26日

凡事徹底~掃除の大切さ

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         ピカピカ賞受賞

  本年最後の日曜日となる12月26日、新年に備えて大掃除を始められた家庭も多いのではないかと思います。松下幸之助氏は身の回りをしっかりと掃除することを訴えておられましたが、掃除というのは〝凡事徹底〟の中でも挨拶や約束の遵守と共に実に大切なものです。
  本校では毎日ホームルーム終了後、生徒達による掃除を行なっていますが、クラスによって大きな差があるようです。先日の終業式では『ピカピカ賞』の特別表彰を行ないました。このピカピカ賞は1学期を通じて、教室の掃除がゆきとどいていたクラスに対して表彰するもので、終業式後クラスの代表に表彰状と副賞を渡しました。どちらも簡単なことですが、クラス全員が毎日意識して行動しないと達成できません。そして、この日々の積み重ねがクラスのまとまりや風土をつくり上げていくのです。
  身の回りを整えるというのは社会人になっても守らなければならない最低限の事柄です。私も民間企業での勤務を通じて、これらの凡事を徹底することの大切さを身にしみて感じてきました。整理整頓や掃除のできていない職場では、必ずといってよいほど仕事のミスや品質不良、事故が多発します。また、個人を見てもこれらができていない人は仕事の進め方も概してルーズです。
  本校では〝人間力〟と〝学力〟の両立を方針に掲げていますが、人間力を高めるための特効薬はありません。あたり前のこと、簡単なことをやり続けるという「凡事徹底」が何よりも大切であると思っています。年末にあたって、家庭においても是非、掃除と整理整頓を心がけて欲しいと思っています。

2010年12月25日

冬休みの生活指導について

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  冬休みに入って既に5日が経過しましたが、毎日規則正しい生活が送れているかどうか気になるところです。
  本校では長期休業に入る前に、生徒指導部が中心となって保護者に対して「ご家庭での生活指導についてのお願い」のプリントを配布しています。このプリントには「家庭との協力」「生活習慣」「健康」「学習」「携帯電話」「薬物」等について家庭で留意していただきたいことを掲載しています。休みが続くとどうしても不規則な生活になりがちですし、一旦生活習慣が乱れると元に戻すまでには大変な労力が必要になります。また、残念なことに最近生徒達を取り巻く環境は決して安心できるものではありません。そのため、ちょっとした気の緩みから事件に巻き込まれるということにもなりかねません。保護者の皆さんは「うちの子に限って・・・」と思われていると思いますが、今、社会で起こっていることは決して対岸の火事ではなく、身近に起こる可能性があるのです。そのため、保護者の皆さんには、このプリントを確認いただいた上で、ご意見をいただくことになっています。
  先日、生徒指導部の先生がこれらの意見をまとめてくれましたので、すべて目を通しました。これによると、普段学校においては、生徒の生活指導に注力しているものの、まだまだ改善していかなければならない点もあるようです。
  本校では、生徒の育成の基本は〝共育〟つまり家庭と学校との連携であると考えていますが、この冬休みの間、是非とも暖かさの中にも厳しくお子様を見守っていただきたいと思っています。

2010年12月23日

「元気な学校を支援し創る会」の活動

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  このたび、「元気な学校を支援し創る会」というNPO法人のホームページに「私学から学ぶ学校経営」の第3回として本校が紹介されました。
  この会は現職の教員を中心として、元気な学校づくりをさまざまな形で応援する特定非営利活動法人です。ルーツは、平成12年に現職の学校教師を中心とした研究グループ「たくみの会」であり、ほぼ毎月、授業や学校・学級運営について勉強会を行なってこられました。その後、活動の幅を広げられ、毎年教師力アップのためのさまざまなセミナーを開催されてきました。このような活動を推し進める中で、学校教育現場の問題解決のためには活動の範囲をより広げ、その内容もより一層充実させると共に教育委員会や企業等の外部関係者と積極的に協力関係を持つことが必要である。そのためには、法人格の取得が不可欠であるとの結論に達し「NOP法人 元気な学校を支援し創る会」を設立され、積極的な活動を展開されています。

  取材を受けたのは10月の初旬でしたが、
(http://school55.net) (http://www.school55.net/index/column21_20101220.html)に記事が掲載されていますので、ご覧下さい。

2010年11月30日

安易な選択を避ける

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  最近の就職内定率の低下は目を覆うばかりの状況であり、氷河期を通り越して〝超氷河期〟と呼ばれています。現時点の大学卒業者の内定率は58%ということになっており、10人のうち4人はまだ就職が決まっていないのです。本人は勿論のこと、保護者の皆さんも「苦労して折角大学に進学したのに」と頭を抱えておられる方も多いのではないかと思います。
  私はこれまで、厳しい時代が来ることを予想して、すべての分野において二極化が進むということを言い続けてきました。安定成長している時代は、多少の差があってもほぼ全員がある程度の結果を出すことができます。分りやすくいえば、これまでは最高と最低の格差は130:70くらいであったかも知れません。しかし、これからは300:0になります。企業の業績も大きく伸びるところがある一方で、従来のやり方を踏襲し続けて生き残れないところも出てきます。これは企業に限ったことではなく国も地方公共団体、病院、商店、学校、個人も同様です。つまり真の実力が試される時代になってきているのです。
  就職について考えると、このような厳しい雇用情勢の中でも何社もの内定を受ける学生もいる反面、100社受験してもすべて駄目という学生もいます。企業が求めている人材というのは〝社会で役立つ力を身につけている人〟なのです。これまでのように、〇〇大学の△△学部を出たからというのは、あまり採用の決め手にはなりません。要は〝何ができるのか〟〝これまで何をやってきたのか〟がポイントなのです。
  このような状況にも関わらず、保護者や生徒の皆さんの中には大学進学が最終目標のように考えておられる方がまだまだ多いようです。私もよく大学への進学相談を受けますが、まだまだ大学のブランドにこだわっているように思えてなりません。大切なのは将来何をやりたいのかということが明確になっており、そのためにはどういう力をつけるのか、その力をつけるためにはどの大学のどの学部を選ぶのかということです。「できれば国公立へ」とか「有名難関私大へ」という安易な選択は避けなければなりません。これが優先されると、入学後に「こんなはずではなかったのに」ということになりがちです。また、大学進学することだけが目標で受験勉強している生徒によく見られるのが、大学入学後における〝燃えつき症候群〟という現象です。いずれにしても常に将来に備えて、しっかりと社会で役立つ力を磨いておくことが大切であると思っています。

2010年11月28日

大学進学の意義

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  本校の生徒はほとんど全員が大学に進学していますが、「何のために大学に行くのか」ということをしっかりと考えた上で、志望先を選んでいくことが何よりも大切です。近年、大学への進学率が上がり二人に一人が大学に進むということになってきました。そして、今は学校や学部を選ばなければ、希望者全員が大学に進学することができるという『大学全入』の時代を迎えてきています。この理由は、多くの大学が生徒を確保しなければ経営が成り立たないために、さまざまな施策を導入するようになってきたからです。つまり、一定の学力があれば、試験なしで入学を認めるという「指定校推薦」や論文と面接が中心の「A・O」、「公募推薦」といった入試制度です。このような入試を選択する生徒の中には、苦手科目を避けるとか、楽をしたいからという理由で大学を選ぶ傾向も見られます。この結果、大学生の学力低下が顕著になってきています。一時、〝分数のできない大学生〟ということが話題になりましたが、これらの学力低下を何とかカバーするために入学前の補習や入学後の特別講習を行なう大学も増えてきています。これは取りも直さず、大学進学の学力が備わっていないということです。そして、日本の大学は他国に比べて卒業の基準が厳しくないため、大学卒業レベルの学力がつかないまま社会に出るということになってしまいます。
  このため企業ではこれまで入社後に再教育をしたり、特に理系については即戦力ということを考えて大学院生を採用してきました。しかし、今は企業のグローバル化の進展に伴い、広く世界から社員を確保しようという動きが加速してきています。この結果が就職内定率の低下という現象に繋がってきているのです。これからは真の実力主義が浸透してくるのは間違いありません。そのためには中学・高校・大学を通して人間力や学力をベースとした社会で役立つ力をしっかりと身につけておくことが大切です。大学進学にあたっての安易な選択は絶対に避けて欲しいと思っています。

2010年11月26日

大阪教育会議&府立学校経営研究大会に出席して

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  11月26(金)午前中、大阪府橋下知事の提唱による『第1回大阪教育会議』が開催され、教育委員として出席しました。この会議の趣旨は〝公私トータルで大阪の教育を考えていく〟というものです。現在、教育行政の所轄は公立学校が教育委員会、私立学校が知事部局の私学課に分かれており、これまではそれぞれが別個に施策を推進してきました。そして、高校の公私間の比率を決める等必要に応じて、情報交換や調整を行なってきました。しかし、最近は高等学校の授業料無償化をはじめ公私が連携して解決しなければならない課題が増えてきており、さまざまな調整が必要となってきています。
  この会議のメンバーは、知事、府民文化部長、教育委員長、教育委員、教育長となっており、本日は6名でそれぞれ意見を述べ合いました。今回は第1回目ということで具体的な施策についての踏み込んだディスカッションまでにはいたりませんでしたが、今後は〝公私共同で実施すべき施策の検討〟や〝共通の取り組みを行なう前提となる仕組みの構築〟をはかっていくことになります。

  また、午後からは大阪府教育センターで府立高校の200名を超える校長・准校長・教頭・首席を対象に『府立学校経営研究発表大会』が開催されました。この催しの冒頭に私から「これからの学校づくり」というテーマで、これまでの民間企業、公立高校、私学の中学・高校における経営の実践をベースに約50分にわたって基調講演を行ないました。その後、3つの分科会において9校から事例発表、最後に全体講評があり、5時に無事閉会しました。
  現在、教育をめぐる課題は山積していますが、学校経営に携わるトップが、将来の日本を背負って立つ人材を育てるというゆるぎない志を持って学校づくりに取り組んでいくことが大切であると思っています。

2010年11月23日

日能研特別セミナーの開催

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  11月23日(火)、本校において日能研の模試が行なわれ、多くの小学生が朝9時から受験しました。試験は昼過ぎまで実施されるため、この間を利用して付き添いの保護者の皆さんを対象に日能研の協力をいただき『特別セミナー』を開催しました。最初にギター・マンドリン部による演奏の後、約50分間パワーポイントを使って〝社会で役立つ力を育てる〟というテーマで講演を行ないました。講演の内容は「世界の中で日本は恵まれているか」「日本の将来は明るいか、暗いか」「学校教育に満足しているか」「家庭教育は十分できているか」「地域が一体となって子どもを育てているか」という質問の後、日本と世界の現状、この10年~20年に世界で起こったこと、これからの地球規模での課題と日本社会、新技術や企業のグローバル化の動向、日本の進むべき方向等に触れ「社会で求められる力」と「教育を取り巻く課題と学校の役割」「家庭との連携による子どもの育成」を中心にお話しました。続いて二人の放送部員による学校紹介、本校の入試広報部長から入試に対する説明を行ないました。

  グローバル化という大きな潮流に乗り遅れた日本はまさに正念場を迎えています。しかし、気になるのは大人が世の中を悲観的に見ていることです。本日の質問に対しても、ほとんどの人が「世界の中で日本は恵まれているが、日本の将来は暗い。学校教育には満足していない。また家庭教育は十分できていないし、地域での教育も十分行なわれていない。」というように感じています。子どもは親の鏡であり、社会の鏡であると言われています。大人がプラス思考で日本の優れているところをしっかりと認識し、子ども達に伝えていくことが何よりも大切です。
  入試までの日は残り少なくなってきましたが、これからはどうしてもお子さんが精神的に不安定になりがちですので、暖かく見守ってあげて欲しいと思っています。

2010年11月16日

読書の効用

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  急速に秋が深まり、朝晩はめっきり冷え込んできました。歳時記には「秋涼の日がつづき,夜も長くなると読書に団欒(だんらん)に燈火が親しまれる」と記されており、このことから読書の秋を象徴する「燈火親しむ候」という季語がよく使われています。これは「李杜韓白」*と呼ばれる唐の四大詩人の一人である韓愈(かんゆ)が息子の符(ふ)にあてて書いた手紙の中の「涼しく夜の長い秋は、燈火の下で読書するのに適している」という一文に由来するものです。つまり中国の唐の時代に、都会で勉強している息子に対して「本を読みなさい」と忠告した言葉が日本でこのように季語として使われているのです。もちろん、秋は夜だけでなく昼間も読書するのに快適な季節です。
  「本を読むと若くなる」と言われますが、それは読書が心の健康に役立つからです。つまり軽いスポーツや散歩が、身体の健康を支えるように、本を読むことが頭の体操になるのです。また、「本を読むと美しくなる」とも言われますが、常に優れた本と呼吸し心を豊かに働かせている人は、自然に目の輝きが増して、自信のある引き締まった顔立ちになります。
  また、子どもの言語能力を高めるためには、読書が最も効果的であると言われています。本を読めば読むほど色々な文章に接することになり、新しい言語をどんどん覚えることになります。
  しかし、「子どもたちの読書離れ」と言われて久しくなりました。特に、小中高と学年が上がるほど本を読まない割合は高くなっていますし、大人の読書離れも顕著になってきています。最近、わが国において国語力の低下が叫ばれていますが、この原因は日本人の読書量の減少にあるのは間違いないでしょう。これは携帯端末やパソコンの普及により、活字よりも安易で刺激的な情報メディアへの興味関心が強まったことやゲーム等に時間が奪われていることによるものだと思いますが、読書の効用について今一度考えてみたいものです。

2010年11月08日

いい歯の日にあたって

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  1年にはさまざまな記念日がありますが、本日(11月8日)は 『いい歯の日』 です。つまり、11(いい)と8(は=歯)の語呂あわせですが、この日は1993年(平成5年)に日本歯科医師会によって決められました。それまでは6月4日が 『むし歯予防デー』 ということで、子どものむし歯を対象にした活動でした。そのため歯周病罹患率の高い大人やお年寄りを対象にした取り組みが必要であるということで、この 『いい歯の日』 が制定されることになりました。また、これと同時に4月18日を 『よい歯の日』 に制定し、4月、6月、11月の年3回、自分の歯を守ることを提唱することにしたのです。
  そして、現在は「一生自分の歯で食べること」は、人生80年時代における健康づくりの基本の一つであり、その一施策として〝80歳になっても20本の歯を残そう〟という『8020(ハチマルニイマル)運動』が全国的に提唱されています。この趣旨は〝噛める歯が最低20本あれば、たいていの物は食べることができる、更に噛むことは脳を刺激し、老化防止にもつながる〟ということです。
  私たちの歯は左右対称に生えており、歯の数は乳歯で20本、歯が生え変わった後の永久歯は28~32本です。人間の歯にはそれぞれの役割があり、前歯は8本で薄くて先が鋭くなっていて、食べ物を噛み切る役目を持っています。前歯の隣の犬歯は4本で先のとがった円錐形をしていて、食べ物を食いちぎったり、引き裂いたりする役目です。そして、奥歯は16本~20本で臼のような形をしているので臼歯と呼ばれ、食べ物をすりつぶす役目を持っています。これは永い間の人間の進化を表しているのです。前歯は果物や野菜、犬歯は肉、臼歯は穀物を食べるのに適しています。従って、歯の数の割合で食物をとる、つまり穀物が50%~62.5%、果物や野菜が25%、肉が12.5%の割合が良いとされています。最近、ファーストフードを摂る人が増えてきていますが、今一度自分の歯の状態や食事の内容を見直して欲しいと思っています。


2010年11月05日

韓国への教育視察を終えて

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  11月5日(金)、3日間にわたる韓国への教育視察を終えて深夜に帰宅しました。
  今回の視察には、大阪府の橋下知事、大阪府教育委員、教育委員会事務局の幹部、府立高校の校長・教頭・教諭の21名が参加しました。
  3日間で10の学校・教育施設を訪問するという強行スケジュールです。1カ所の滞在時間は1時間半、この間に施設見学をし、意見交換することになっていますが、参加者の問題意識が高いということもあって質問が続出し、ほとんどの訪問先で時間がオーバーするという状況でした。また、夕食後も日付が変わるまで参加メンバーで活発な意見を述べ合いました。橋下知事と教育委員は一日早く帰国しましたが、空港に向うバスの中でも、これからの教育課題について、今回の感想やお互いの意見を述べあう等、非常に充実した視察になりました。今回の訪問先は以下のとおりです。
  ◇ソウル科学高校(英才学校)
  ◇ソウル教育研究情報院科(情報を核とした研究機関)
  ◇大元外国語高校(語学英才養成校・私学) 
  ◇中谷小学校(校内LAN敷設・英語教育) 
  ◇大韓民国教育科学技術部(日本の文部科学省に相当) 
  ◇ソウル特別市教育庁 
  ◇城東工業高校 
  ◇漢江中学校 (一般的な公立中学校)
  ◇善隣インターネット高校(IT分野での人材育成) 
  ◇ソウル日本人学校
  今回の視察を通じて、韓国の教育の実態を目の当たりにし、参加者全員が大きな刺激を受けたのは間違いないと思います。しかし、単に刺激を受けているだけでは、何事も変わりません。この体験を活かして、それぞれの立場において、今後の教育活動に活かしていかなければと思っています。なお府立高校の先生方は後一日滞在してソウル女子商業を訪問し、土曜日に帰国の予定です。

2010年11月03日

文化の日に韓国への教育視察に出発

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  11月3日(水)は文化の日ですが、戦前は明治天皇の誕生日を祝う日で『明治節』と呼ばれていました。また、明治天皇の在位中であった明治時代には『天長節』と呼ばれていましたが、この名称は中国春秋時代の思想家である老子の「天長地久」という言葉をとって、唐の玄宗皇帝の誕生日を「天長節」としたことに由来しています。
  あまり知られていないのは、この日が日本国憲法と深い関わり合いがあるということです。 つまり、敗戦の翌年の1946年(昭和21年)のこの日に日本国憲法が“公布”されたのです。そして、1948年(昭和23年)に制定された祝日法(国民の祝日に関する法律)によって、戦争放棄・主権国民・基本的人権を宣言した日本国憲法の尊重する「自由と平和を愛し文化を薦める」祭日と定められ、『文化の日』と名づけられました。
  そして、この記念日に大阪府の橋下知事と教育委員会メンバーで韓国の教育視察に出発することになりました。かつて日本の教育水準は世界の中でもトップクラスにありましたが、OECD(国際経済協力機構)の学力調査においても地位が低下してきています。韓国は一時経済破綻の危機に陥り、国をあげて改革に取り組んできました。その結果、サムソンや現代、LGをはじめ世界をリードする企業が生まれ、強い経済力を取り戻しつつあります。そして、これを支えているのが教育力であると言われています。今回の視察では、このような韓国の教育事情をしっかりと見てきたいと思っています。

2010年10月19日

日本の次世代育成を考える委員会に出席して

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  10月19日(火)午後、関西経済同友会『日本の次世代育成を考える委員会』のパネルディスカッションにパネラーとして出席しました。
  この委員会では〝グローバル化、少子高齢化が加速し、景気が後退する中で広がる格差社会、それらを背景とする青少年問題の増大などわが国の現状は、非常に大きな危機の時代にある。このような逆境の時代に耐えて、安心して暮らせる社会が安定的に形成されるためには、我が国の将来を担う人材を育てる他はない。厳しい社会環境を乗り越え、正しく豊かで、かつ社会・国の発展に貢献しようとする志の高い次代を担う子ども達を育てるために、今の次世代育成環境の何が問題で、それをどう解決すればいいのかということが最優先課題である。〟という基本認識に立って委員会活動を行なっておられます。
  そして、次代を担う子ども達、特に人格形成から社会で活躍するための基本的な知識や態度を習得する小学校から高校までの範囲の子ども達をターゲットに、学校、家庭、地域社会から行政まで次世代育成を取り巻く環境がいかにあるべきかを研究し、提言を行なっていくことを目指しておられます。
  本日は、最初に私から日本における教育の課題、学校において起きているさまざまな事象、学校の組織風土、学校現場から企業にお願いしたいこと等についての基調講演を行ないました。この後、パネラーである3人の校長から自己紹介とそれぞれ感じている教育界の課題を発表し、続いて竹花豊委員長の司会で4人のパネラーによるディスカッションを行ないました。
  その後、場を移して正副委員長会議が開催されましたが、参加されている皆様とパネラーとの教育にかける熱い思いが交錯し、活発な意見交換がなされました。子どもは国の宝であると共に親や教師や社会の鏡です。産業界の皆様や保護者、地域の皆様の協力を得て次世代の人材を育てていきたいものです。

2010年10月18日

週刊朝日主催「選ばれる私学 関西共学校」誌上座談会

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  10月18日(月)、週刊朝日が主催される「選ばれる私学 関西共学校誌上座談会」が朝日新聞本社ミーティングルームで開催され出席しました。週刊朝日では何回かに分けて首都圏、関西の私学の校長による座談会を開催されており、今回は関西の共学校である関西大倉、京都産業大学附属、金光八尾、初芝富田林、雲雀丘学園の5校が対象です。座談会は森上教育研究所代表の森上展安氏の司会で約2時間にわたり、建学の理念や各校が取り組んでいる特徴ある教育活動、社会人になった際に問われる必要な能力、保護者の皆さんに訴えたいこと等について活発な意見交換が行なわれました。
  現在、私学をめぐる環境は激変してきていますが、この中でそれぞれの学校が私学の特徴を活かしてさまざまな取り組みを行なっておられることが解り、大変参考になりました。
  座談会の後、引き続き本音で情報交換しようということで食事をしながら懇談を行ない、これからもお互いに交流を深め切磋琢磨することを約束して別れました。
グローバル化が進展する中で、日本が世界から認められるためには世界をリードしていく人材の育成が何よりも大切です。我々教育に携わっている者は将来の日本を背負って立つ人材を育てるという強い志を持って取り組んでいかなければならないと感じました。
  なお、この座談会の内容は『週刊朝日11月9日発売号』に掲載される予定です。

2010年10月14日

漢字の成り立ち~手、口、工をめぐる漢字

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  漢字大テストが終了しましたが、合格点に達しなかった生徒は再テストを受けています。しかし、一部には漢字に対する苦手意識が払拭できず、クリアできていない生徒もいるようです。この大きな理由は、漢字には画数の多い複雑な文字がたくさんあるため、難しいという先入観があるからではないかと思います。しかし、漢字を体系的に整理すると、一つ一つ覚える必要はないようです。このことを我々に伝えてくれた人が以前紹介した白川静氏なのです。
  白川氏は中国にもない新しい漢字学の体系を打ちたてたことにより、文化勲章を受けましたが、その最大の功績は「口」という字が、耳や口の「くち」ではなく、神への祈りの祝詞(のりと)を入れる器「口=サイ」であることを明らかにしたことです。これにより、漢字の世界がひとつながりの文字体系であることがわかるようになってきたのです。
  例えば、右という字を取り上げると、この中の「口」も、その神への祝詞をいれる「口=サイ」を表しています。また「ナ」の字形は古代文字を見ると明らかなように「手」の形です。このように見ると、右という字は祝詞を入れた器を右手で持つ形であることが解ります。
  では、左はどんな字かというと「ナ」はやはり手の形ですが、この「工」の部分は、呪術のために使う道具の形です。つまり左という字は、左手で呪具の「工」を持つ形なのです。更に「寸」も、その古代文字を見れば、「手」と指を表す「、」から成り立っています。また「ョ」も手を表わしています。このように見ていくと「ナ」も「寸」も「ョ」も手を表わしているのです。
  次に「尋」という字を見ると、「ョ」と「寸」という2つの手の間に「口=サイ」と「工=呪具」があります。つまり、尋という字は両手で祝詞を入れた器と呪具を持っている姿を表わしているのです。この漢字の意味が解ると、一尋というのは人間の両手を広げた長さ(1.8メートル)であるということが容易に理解できます。
  漢字をまる覚えするのではなく、成り立ちを知ることができれば、興味も湧いてくるのではないかと感じています。


     

2010年09月25日

白川静さんに学ぶ

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  先日の大漢字テストの採点が終わり、生徒達にも徐々に返却されているようです。私も秋分の日に2級の漢字検定試験の問題に取り組んでみました。自己採点をすると合格ラインの160点(満点は200点)はクリアできていますが、間違いの箇所を分析すると、いくつかのケアレスミスだけではなく、部首に関する知識が不十分であることが解りました。要は漢字の成り立ちが理解できていないということです。
  近くの書店に行くと、漢字に関する数多くの書籍が並んでいます。早速、数冊を購入し、ザッと目を通して見ましたが、その中の一冊である『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』には、実に興味深い内容が盛り込まれています。白川静氏は漢字が持つ体系的なつながりを明らかにして文化勲章を受章された漢字学の第一人者ですが、この本は著者である文字文化研究所の小山鉄郎氏が共同通信社の企画として、白川氏から漢字の成り立ちや体系を一つ一つ教えてもらい、全国の新聞に連載されたものをまとめたものです。
  以前、ある方から現在の漢字教育は、学年が上がるにつれて、画数の少ない漢字から多い漢字へ習得するシステムになっているため、どうしても丸暗記することになりがちであるということを聞きましたが、これが漢字嫌いに繋がっているのかも知れません。
  この本には〝漢字という文字は、その成り立ちをきちんと学べば、これらのすべてがお互いに繋がって関連性を持ち、一貫した体系で構成されている。従って、難しい漢字を一つ一つ暗記しなくても容易に漢字を理解することができる〟と書かれています。私もこれを機会に漢字の成り立ちについての学習を始めることにしました。
  また、興味深いものがあればこれから何回かに分けて紹介していきたいと思っています。

2010年09月16日

家庭は最初の社会~元気な挨拶の推進

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  9月16日(木)、昨日の中学校の全校朝礼では、「私一人が皆さん480名に話をするのではなく、一人ひとりとコミュニケーションをとりたいと思っているので、ハッキリと答えて欲しい」ということで、次の質問をしました。
  「皆さんは今日の朝、家族に挨拶をしましたか?」。
  この質問に対して手を上げてもらいましたが、挨拶をしていないという生徒が約2割いるということがわかりました。中学生になると正直なところ自立心が芽生えたり、反抗期に入るということもあり、親との対話が少なくなる傾向があります。このようなことは、どの家庭においても多かれ少なかれ起こりうることであり、私自身の家庭を振り返ってみても、子どもとのコミュニケーションが十分であったかどうかは疑問です。
  しかし、〝家庭は子どもにとって最初の社会〟であり、挨拶というのは〝コミュニケーションの扉を開く第一歩である〟と考えるなら、家族全員が朝の挨拶をかわすというのは生活していく上で、最低限必要なことではないかと思います。これまでの経験からも、爽やかな挨拶が明るい家庭、地域、学校、職場をつくるのは間違いありません。そのためには、まず目上の人から積極的に明るく元気な挨拶を心がけることが大切です。
  本日の職員朝礼で先生方にもお願いしましたが、家庭と学校が連携して、全員で挨拶を推進していきたいと思っていますので、宜しくお願いします。

2010年09月15日

中学校全校朝礼~挨拶を大切にする

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  9月15日(水)、2学期になって初めての中学校の全校朝礼を行ないました。いつものように、部活動の表彰の後、次の話をしました。

  〝皆さん、おはようございます。今月はあいさつ推進月間になっていますので、今日は挨拶は何故大切かということについてお話しします。
皆さんは今日の朝、元気に挨拶をしましたか? (手を上げてもらう)
「あいさつ」というのはどういう字を書きますか?(少し考えて見てください・・・)
“挨”という字の意味は“心を開く”、“拶”は“相手に迫る”ということです。心を開いて相手に迫るというのは、コミュニケーションの第一歩です。皆さんは将来学校を終えて仕事に就くことになりますが、社会で役立つためにはコミュニケーション能力が最も大切です。今、人間関係で悩んでいたり、引きこもり状態になっている人の大半は、このコミュニケーション能力の不足が原因なのです。人に嫌われようとしている人はいないと思いますが、相手から挨拶されても挨拶を返さなければ、自らコミュニケーションの扉を閉ざすことになってしまいます。そして、良好な人間関係は築くことができません。まず朝起きたら元気な声で家族に「おはようございます」と大きな声で挨拶して下さい。そうすれば背筋がピンと伸び、一日が元気にスタートできます。挨拶なんて大したことではない。「今は挨拶をしていないが、社会に出たらキッチリやる。」と考えている人がいるかもしれません。しかし、この考え方は間違っています。挨拶の習慣というものはすぐに身につくものではありません。皆さんは是非爽やかな挨拶の習慣をつけて欲しいと思います。〟

  この後、世界における挨拶についての話をしましたが、この内容については後日紹介します。

2010年09月14日

あいさつ推進月間

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  本学園では挨拶を人間教育の大きな柱に位置づけており、年2回、4月と9月を『あいさつ推進月間』に定めています。通常、私の学校生活は、生徒達に対する〝おはようございます〟という挨拶と服装指導からスタートします。雲雀丘学園に赴任して5年間、この運動を継続することによって多くの生徒が挨拶をしてくれるようになってきましたが、まだ完全に徹底できているとは言えません。恥ずかしいとか大きな声が出ないとか、色々な原因があると思いますが、社会に出た時に絶対に必要なのはこの挨拶なのです。
  あいさつ推進月間にあたって、これからいくつかの実例をあげながら、挨拶の大切さについて取り上げてみたいと思います。最初に、挨拶の意味ですが、「挨」は〝心を開く〟「拶」は〝相手に迫る〟ということです。つまり、コミュニケーションの第一歩なのです。挨拶をしないということは自らコミュニケーションの扉を閉ざすということになってしまいます。今、ニートや引きこもりが社会問題になっていますが、この原因はほとんどがコミュニケーション能力の不足であると言われています。
  「おはよう。こんにちは。さようなら。お元気ですか。お疲れさま。ありがとう。失礼します・・・・・・」等あいさつは人間社会のコミュニケーションの基本です。〝家庭で、学校で、職場で、地域社会で、人と接したら、必ずあいさつをする。あいさつをされたら、必ず応える。〟という習慣をつけていきたいものです。
  あいさつが明るく安心な家庭や学校、ひいては地域社会をつくります。社会を変革するのは政治の力だけでは不十分です。一人ひとりの小さな実践から社会を変えていきたいと思っています。

2010年08月29日

2011年度私学教員適性検査の実施

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委員の皆さんと

  8月29日(日)、白陵中学・高等学校において「2011年度兵庫県私学教員適性検査」が実施され、実行委員として出席しました。実行委員は8校の理事長・校長があたることになっており、今年の実行委員長は実施校の斎藤校長です。
  この適性検査は「兵庫県私立中学・高等学校連合会」の主催で毎年8月の下旬に実施されており、実行委員の学校が持ち回りで担当することになっています。今年の受検申込者数は496名と昨年に続いて500名の大台を割り込みました。また、当日欠席者も70名あり最終の受検者は426名ということになりました。
  適性検査は国語、地理歴史(日本史・世界史・地理)、公民(政治経済)、数学、理科(物理・化学・生物)、英語、家庭の各教科に分かれて9時30分から80分の専門科目と50分の論文記述が行なわれました。実行委員のメンバーで各試験会場の巡回をさせていただきましたが、受検者は全員真剣に取り組んでいました。
  この試験結果は厳正に採点の上、9月下旬に兵庫県私学連合会の『適性検査受検者名簿』に登録されることになっています。学校にとって優秀な教員の採用は最重要課題であり、各校はこの名簿を参考にして教員採用を行なっていますが、教科によっては受検者が少ないため教員の確保に苦労することもあるようです。そのため本日は実行委員のメンバーで教員確保の方法や今後の適性検査のあり方について意見交換しました。
  今回の受検会場は兵庫県の西部にある高砂市にあり、交通の便ということを考えると受検者にとって負担をかけることになったのではないかと思います。
  
  最後に、会場校としてきめ細かい準備をしていただいた白陵中学・高等学校の教職員の皆さんに心より感謝申し上げます。 

2010年08月11日

日経テストの結果を受けて

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  7月末に、先日(6月13日)受験した日経テストの結果が送られてきましたが、時間の余裕がなく詳細を見る時間がなかったため、夏休みに入ってじっくりと内容を見直してみました。この日経テストは日本経済新聞社が主催し、年間2回全国で実施されています。世界経済や日本経済、経営、金融、消費・流通、技術など幅広いジャンルから出題され、経済の基本的な知識や経済ニュースに対する感度、知識を知恵に変える力を確認できるため、最近では次第に多くの企業等において受験を勧めてきているようです。
  学校はともすると社会の動向と離れがちになるため、本校の社会科の先生達にも勧めていましたが、申し込みの締め切りが終わって受験票が送られてきた段階で、受験するのは私だけということが判明しました。一時は欠席しようとも思いましたが、何事も経験が大切であると考えて受験してみました。今回は準備もせずぶっつけ本番で臨み、時間配分が十分できなかった割には、総得点は平均をかなり上回っており、ほぼ満足できる結果でしたが、ジャンル毎のバラツキが大きいということが解りました。これまで経験してきた人事や法務等に関するものや世界・日本の経済や企業動向等に関するものについては高い点数でしたが、反面今社会のさまざまなトレンドや色々な分野で起きている事象については極端に低いものもあったようです。特に音楽やファッション等については名前も知らないような問題も数多くありました。普段からテレビや新聞、雑誌でも政治や経済、最新の技術等関心のあるものは見ていますが、芸能界に関するもの等はほとんど見過ごしていますし、最近、タウンウォッチングしたり、映画を鑑賞するということもあまりないようです。この夏休みには目的を持たず出かけてみるのも良いのではないかと思っています。
  なお、次回の日経TEST公開テストは10月3日(日)に全国8都市で開催されます。申し込みの締め切りは9月1日(水)になっていますので、是非挑戦してみてください。

2010年08月07日

夏休みの過ごし方

  夏休みに入って半月が経過しました。この間、生徒達は勉強合宿、林間学舎、A日程講習、B日程講習、部活動の合宿や練習、ニュージーランド語学研修、カナダ研修旅行等それぞれの夏休みを送っています。先生方もこれらの指導や引率のために、相当ハードな日々を送ってきましたが、来週一週間はできるだけ休暇をとるようにしていただくように考えています。バカンスと言われるように、本当は何もせずにのんびりと過ごすということが必要なのかも知れませんが、これまでの休暇の過ごし方を振り返ると、この間に普段やれなかったさまざまなことをしておかなければ、後になって非常にタイトなスケジュールをこなさなければならないということになります。今回もやるべきことを洗い出してみると、スケジュールがほとんど詰まってしまいましたが、調整して有意義な休暇を過ごしたいと思っています。
  また、よく学校は閉鎖社会で、世の中の動きと学校での学習が結びついていないという声も聞きますので、できるだけこの期間中に社会の動向について整理し、皆さんに伝えていきたいと思っています。


  ≪急速に変貌を遂げる世界の国々≫%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%8B%E3%82%89%E6%B3%A8%E7%9B%AE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E5%9B%BD%E3%81%AF.jpg

2010年08月05日

目標を下げないで頑張る

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  各学年・クラスの個人懇談も先週でほぼ終了しました。中学1年から高校3年まで、それぞれの学年によって押さえておかなければならない課題は異なりますし、生徒一人ひとりにとって、現状を正しく認識し今後に生かしていくという点においては非常に意義があると思います。
  とりわけ大学進学を目前に控えた高校3年生にとっては、この面談は将来の進路を決めるという意味でも特に重要です。最近は大学入試のやり方も多様化し、早いところでは9月頃からAOや推薦入試がスタートします。また、センター試験までも6ヵ月を切ることになり、最終の受験校を絞り込むという段階になっています。このため、高校3年生については保護者との懇談ではなく、生徒自身も含めた三者懇談の形をとるようにしています。
  近年、多くの生徒が受験する全国模試が充実した結果、志望校に対する合否の判定が「ABCDE」といった記号で表示されるようになってきました。そして、当然のことながら無難な目標を設定すると「A判定」や「B判定」になるのに対して、高い目標を設定すると「D判定」や「E判定」という結果になってしまいます。昔はこのようなデータがなかったため、とにかく最後まで目標に向かって突き進むということでしたが、この結果を見て当初の目標を下げ安易に志望校を変更するという傾向が多く見られるようになってきました。しかし、最後の栄冠を勝ちとるのは〝高い目標を下げずに諦めないで頑張る〟という生徒です。つまり、現時点ではまだまだ学力が伸長する可能性が大きく残されており、これからの3ヶ月、とりわけこの夏休みの過ごし方がポイントです。
  私は〝一度がむしゃらにやってみる〟という経験が大切であると思っています。大学受験を単に大学に入るということだけではなく、人生における節づくりととらえて欲しいものです。

2010年07月22日

保護者との個人懇談

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  7月21日(水)から夏の長期休業に入りましたが、連日保護者との個人懇談が行なわれています。本校ではこれまで、夏の長期休業がスタートする直前に、クラス担任が保護者の方々と子どもさんの学校生活や学業成績、部活動等について話し合いの場を持つことにしていました。しかし、2学期制をとっていたため、期末考査の成績に基づいた懇談はできませんでした。本年度からは3学期制への移行に伴い、期末考査も終了しているため、各教科の成績をすべてフィードバックできるようになりました。本日も朝から多くの方がやや緊張した面持ちで来校されていましたが、中学生の保護者の皆さんは校長室の前の廊下を通って懇談の教室に行かれるため、何人かの方とお話しさせていただきました。中学1年生の保護者にとっては、新しい学校生活に定着できているかが最大の関心事であるようです。また、中学2年生、3年生の保護者からは「最近体力がついてきたようです」「学習面でも頑張っています」といった声に混じって、「勉強しなくて困っています」「クラブには熱中しているのですが・・・」「しっかりした目標が見つけられないようです」「〇〇教科の成績が悪くて・・・」といった声も返ってきました。私は「何もやらないということなら問題はあるが、一つのことに打ち込めるというのは素晴らしいことである。目標ができれば勉強にも打ち込めるようになる。」「早寝・早起き・朝ごはん、整理整頓といった生活習慣をしっかりと身につけさせることが大切である。そして、学習に対しては、どれだけの時間をかけたというよりも毎日スタートする時間を決める方が有効である。」ということをお話しました。
  中学時代には、何と言っても〝元気に楽しく学校に行く〟〝クラスやクラブで色々な人と接する〟〝さまざまな経験をする〟ということが重要です。これまで何度も取り上げていますが、人間としての根っ子を育てれば学力は必ず向上するのは間違いありません。夏期休業中のご家庭での生活指導を宜しくお願いします。

2010年07月21日

校長特別表彰 ~ 精勤賞とピカピカ賞

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  7月20日(火)、終業式の式辞の後で『精勤賞』と『ピカピカ賞』の特別表彰を行なうことを発表し、大掃除終了後、それぞれのクラスで表彰状と副賞を渡しました。精勤賞を受賞したのは「中学1年A組」で、1学期の遅刻が1回だけという素晴らしい出席状況です。また、ピカピカ賞は1学期を通じて、教室の掃除がゆきとどいていた「中学2年B組」と「高校3年A組」です。どちらも簡単なことですが、クラス全員が毎日意識して行動しないと達成できません。そして、この日々の積み重ねがクラスのまとまりや風土をつくり上げていくのです。
  この二つは社会人になっても守らなければならない最低限の事柄であり、私も民間企業での勤務を通じて、これらの凡事を徹底することの大切さを身にしみて感じてきました。体調が優れないからという理由ですぐに休んだり、自己の不注意で遅刻するといったことがあると、お客様をはじめ周りの人に大変迷惑がかかることになります。そして、単に個人の問題だけではなく会社としての信用問題にも関わることになってしまいます。また、整理整頓や掃除のできていない職場では、必ずといってよいほど仕事のミスや品質不良、事故が多発します。
  本校では〝人間力〟と〝学力〟の両立を教育方針に掲げていますが、人間力を高めるための特効薬はありません。あたり前のこと、簡単なことをやり続けるという「凡事徹底」が何よりも大切であると思っています。

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2010年07月14日

三木市学校事務研修部会 夏期研修会

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  7月13日(火)三木市学校事務研修部会の夏期研修会において『学校事務における組織マネジメント~事務職員が学校経営に果たす役割~』と題して講演を行ない意見交換しました。
  三木市は戦国時代に東播8郡24万石を領し、秀吉をさんざんてこずらせた後、家臣や領民の命乞いをして自害した三木城主・別所長治の居城等の史跡が多く残っています。現在は三木市と吉川町の合併により、約82,000人の人口を有し、山田錦(酒米)の主生産地や三木金物ブランドとして更に発展が期待されており、「グリーンピア三木」「三木ホースランドパーク」「山田錦の館」「吉川温泉よかたん」等、多彩な観光資源も有しているようです。
  また、『心豊かな人づくり』と『自己を磨きみんなと生きる』を基本に、夢や志を持ち心豊かに元気よく躍動する教育の実現を目指しておられます。本日の講演は8中学、16小学校、1支援学校の事務職員が対象でしたが、高校と異なりほとんどが各校1名の配置ということになっています。
  私はこれから世界の中で日本が進むべき方向と人材育成の重要性に触れた後、学校改革を成功させるには〝どのような学校を目指すのかというビジョンを明確にする〟〝しっかりとした戦略を構築する〟〝教職員のベクトルを一致させる〟〝生徒の育成を第一義に考えていく〟〝目を外部に向け世の中の流れを的確に把握する〟〝内部評価ではなく外部評価を優先する〟ことが何よりも大切であると訴えました。
  学校は鍋蓋社会と言われるように、校長・教頭の下に教員が横一線に並ぶという組織体制になっています。このため、校長のスタッフがいないということになりがちですが、事務職員の皆さんは単に事務処理を行なうだけではなく、校長を補佐して学校改革を進めるという気持ちで取り組んで欲しいものです。


2010年07月08日

大阪府立大学での講演を終えて

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  7月8日(木)、大阪府立大学が主催する授業公開講座『関西経済論』において「社会で役立つ力」というテーマで講演を行ないました。この講座は府立大学の学生と府民の希望者を対象に、毎週木曜日に開催されています。本日は南海電車の人身事故の影響で、参加者が少ないということでしたが、暑い中にもかかわらず、1000人くらいの方がお見えになりました。担当の教授からお話をうかがうと、開始の随分前から前の席を確保するために来場される方もおられるようです。
  90分間の講演の中で、私は「世界の動き」と「日本の現状」、「民間企業での経験」について触れた後、「教育をめぐる課題」や「学校の役割」、「新しい学校づくり」についてお話しましたが、参加者は熱心に耳を傾けておられました。また、いくつかの質問をしてみましたが、皆さんが相当色々なことに関心を持ち、勉強されているということがわかりました。講演終了後、二人の学生が〝人間力をつけるにはどうすれば良いか〟〝将来どういう方向に進んだら良いのかがわからず迷っている〟とのことで質問にきました。色々と話をしましたが、真剣に人生を生き抜きたいという思いがひしひしと伝わり、頼もしく感じました。
  講演の前後に奥野武俊理事長・学長と産学官連携理事の菅野昌志理事と色々と意見交換を行ないました。大阪府立大学は現在、理系の大学を目指して改革を推進されていますが、これから日本が世界で認められるためには技術立国として確固たる地位を確保することが大切です。将来の日本を背負って立つ人材を輩出できるような体制を目指して欲しいものです。

2010年07月01日

大阪府立大学公開講座 関西経済論

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  大阪府立大学は現在大学改革を推進中ですが、同大学においては毎年授業公開講座『関西経済論』が開催されています。昨年10月に大阪府の教育委員に就任したこともあって、3月にこの講座の講師を依頼されました。この講座は平成7年度に経済学部の特殊講義としてスタートしましたが、非常に人気が高かったこともあり、翌年からは大阪府民と府立大学の学生が共に学ぶ公開講座の形をとることになり今に至っています。
今年は4月から7月末までの4ヵ月にわたり、毎週木曜日の午後、15回にわたって開催されることになっていますが、いよいよ来週8日に『社会で役立つ力』というテーマで講演することになりました。これまで、企業の経営者やスポーツ、マスコミ、官僚等さまざまな分野の方が話をされています。受講者は800名くらいで、学生から主婦や年配の方まで幅広い年齢層にわたっているとのことですので、パワーポイントの資料作りにあたっては、できるだけグラフや写真をとり入れ、字もできるだけ大きくするようにしました。90分の講演の内容は、世界のトレンドと企業の動向、民間企業での経験、日本のグローバル化への対応遅れ、教育界をめぐる課題と学校の役割、これからの学校づくり等です。どれくらいの受講者の皆さんが出席されるかわかりませんが、少しでも心に残る話題を提供することができればと思っています。

2010年06月26日

ビーンズ21研修会に参加して

  6月26日(土)5時から開催された「ビーンズ・21・OB・OG会」に参加しました。この会のメンバーは府立高校の校長や教育委員会の幹部経験者で構成されています。
  
現在、大阪府立高校の校長・教頭の自主的な研修会として〝ビーンズ21研修会〟というものがあります。この研修会は平成3年に、現職校長の自主的な研修会としてスタートし、平成13年にビーンズ・ツリーという名前になり、二カ月に一度土曜日の午後に、さまざまな講師を招いて開催されています。一方で府立高校を退職され、私立の中高や大学で勤務される人も増えてきたため、OB・OG会も結成され年に3~4回程度開催されています。私も大阪府立芦間高校の校長時代に、この会のメンバーに加えていただき、先輩の皆さんから多くのことを学ばせていただきました。しかし、雲雀丘学園勤務後はなかなかスケジュールの調整ができず、最近はあまり参加できていません。
  本日は、本年3月末で関西福祉科学大学高校校長を退職された関谷茂紀先生より『私の教育軌跡』というテーマで講演いただきました。最後ということで、これまであまりお聞きしたこともない苦労話をお聞きすることができ、大変勉強になりました。講演後の懇親会では、それぞれの近況報告とさまざまな意見交換を行ないました。その中で、日本の良いところをもっと認識し、子ども達に伝えていくべきではないかという話が出ました。今、日本は色々なマイナス面が強調されていますが、世界第2位のGDPを有する経済大国になったのは、それなりの理由があったのは間違いありません。しかし、これまでは〝国家としての百年の計〟言い換えると、しっかりとした〝国家戦略〟がないまま進んできたのではないかと思います。
  これからは、すべての分野で『戦略』の構築が必要になりますが、この際に大切なことは、自分達の強みをしっかりと認識することです。ともすると弱みが前面に出されますが、今一度現状の強みと弱みをしっかりと分析していくことが必要ではないかと感じました。

2010年06月13日

経済知力をはかる日経テスト

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  6月13日(日)、第4回の『日経テスト』が札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡の全国8都市で実施されました。この正式名称は「日経経済知力テスト」と言い「Test of Economic Sense and Thinking」 の略称であり、日本経済新聞社と日本経済研究センターが連携して2008年からスタートしました。
  近年、アメリカの一極体制が崩れ、中国やインド、ブラジルといった新興国が台頭する中で、日本経済の勢いは失われ、世界経済の中での日本の地位は低下しつつあります。大した資源もなく人口減少に転じた日本は放置しておけば衰退の道を転がり落ちるという危機感から、日本を再び成長軌道に乗せるためには、政治・経済を含めさまざまな局面でのイノベーションが必要であり、これを担う〝経済知力〟を有する人材育成が大切になります。この経済知力というのは、自ら問題意識を持って「学び 考え 新しいビジネスを創造する力」です。そして、現在、富士通、西武百貨店、パナソニック、アデコ、新生銀行、トランスコスモス等、200社以上の様々な業種の企業で、新入社員の採用や幹部の昇進等に活用されています。
  本校は「将来、社会で役立つ人材を育てる」ことを教育目標に掲げていますが、そのためには、教員自身が社会の動向を正しくとらえることにより、経済知力を身につけておくことが必要です。今回のテストにあたっては、社会科や若手の先生に受験を奨めましたが、どういう内容のものかを自ら知るために受けてみました。本日の大阪でのテスト会場は、大阪大学と大阪商業大学の2カ所ということでしたが、大阪大学の会場での受験者は581名、若い人に混じって高齢者の方の姿も目に付きました。
  日経TESTの問題は四肢択一になっており、かなり広範囲に出題されています。ファッションや音楽に関する質問については名前すら分らないというものもありました。その上、問題数は100問もあり制限時間は80分ということで、一問を平均48秒で解答しなければなりません。そのため、ゆっくり問題を読む暇もありません。普段から相当勉強し、感性磨いておかなければ対応できないと感じました。とりあえず最後までやりあげましたが、全く見直す時間がないまま終了してしまいました。結果はともかくとして、久しぶりに頭の体操をすることができたというのが正直な感想です。
  経済知力は、経済の仕組みや流れを理解し、新しいビジネスを生み出す能力を意味していますが、これからのビジネスリーダーを目指す人材に求められる必須の能力です。次回は10月3日(日)に実施されますので、皆さんも是非チャレンジして欲しいと思っています。

2010年05月28日

ワイカト大学のフィンチ先生が来校

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  5月28日(金)午後、ニュージーランド語学研修でお世話になっているワイカト大学の研修責任者であるレスターフィンチ(Lester Finch)氏とこの研修の担当者である曽我部さんが来校されました。フィンチ氏との最初の出会いは3年前のニュージーランド研修の付き添いとして、ワイカト大学を訪問した時であり、当時はまだ国際科があり、9週間という長い語学研修の期間でした。
  同氏は以前「イヌイット」に関心を持って研究されていたようですが、現在は〝幕末に薩摩藩士が参勤交代の途上イギリス人を殺傷し、後の薩英戦争の原因となった〟「生麦事件」に大変興味を持ち、さまざまな文献を調べておられるようです。色々とお聞きすると、イギリス人から見た生麦事件の書物は数多くあるが、日本人からは、この事件をどのように見ているのかを知りたいとのことでした。今回の来日を機に、その文献を入手したいということで、本日も本校に来る前に、関西大学に行って色々と調査してきたとのことでした。彼からこの事件のことを端的に表わす言葉を筆で書いて欲しいという依頼があり、色々と考えましたがなかなか適当な言葉が見つかりません。最終的に〝異なる文化を理解する〟という言葉にし、色紙をお送りしました。その後、新校舎を見学していただき、お別れしました。
  これからのグローバル社会においては、生活習慣も宗教も物の考え方も異なる人達と一緒に暮らしていかなければなりません。今年も高校1年生と2年生の生徒15名が7月19日から8月19日まで、ニュージーランドへ語学研修に行くことになっています。まさに、異文化を理解し受け入れるという気持ちで研修に参加して欲しいと思っています。

2010年05月22日

国際成人力調査(PIAAC:ピアック) の実施 

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国際成人力調査(PIAAC)のパンフレットより

  OECDが世界の15歳の子どもたちを対象として行なっている「国際学習到達度調査(PISA)」の結果については、日本の子ども達の学力低下が顕著になってきているということが指摘されています。それでは、大人能力はどうなっているのでしょうか。これまでこのような国際的な調査が行なわれたことはありませんでしたが、ついに、経済協力開発機構(OECD)による「成人が社会で必要とされる能力」を測定する初の世界的調査「国際成人力調査(PIAAC:ピアック)」が2011年に実施されることになりました。
  一口に言うと、ピアックは、「国際学習到達度調査(PISA)」の大人版で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、フィンランド、韓国など計25カ国が参加することになっています。内容は16~65歳を「成人」として各国で無作為に抽出された男女5000人を対象にピアック調査員が直接面接、パソコンを使って出題するというものです。
  問題は「読解力」「数学力」「ITを活用した問題解決能力」の3項目が用意されており、〝「読解力」や「数学力」では、文章や図表の情報を読み取って分析し活用する能力などを測定する。「ITを活用した問題解決能力」の調査では、たとえば「ウェブ上の情報を確認して自分のスケジュールを調整し、メールする」といった内容の指示を受けて、調査のために独自に作成されたメールソフトを使って「回答」する。また、学歴、職歴、収入のほか職場で求められている技能の内容、新聞・雑誌、学術論文を読む頻度などの回答データも測定に使われる〟ことになっているようです。
  この結果は2013年に世界同時公表されますが、OECDでは、これらの結果の分析から成人に必要な「社会対応能力」を特定し、(1)各国の成人が持つ能力、(2)個人の能力と社会的な成功・経済成長との関係(3)教育や職業訓練制度の効果―を把握し、将来の政策に活かすことを目的としています。
  また、日本も、文部科学省の国立教育政策研究所が中心となって、2010年に予備調査、2011年夏に本調査を実施し、「日本の大人の学力」の把握に取り組むとともに国際比較を行なうことによって、世代間の能力差など、日本の教育について考えるソースにしたいという狙いのようです。
  本校では〝保護者も先生も共に学ぶ〟という「共学」を掲げていますが、大人も常に勉強するという姿勢が大切であると思っています。どのような調査結果になるのか、関心を持って見守っていきたいものです。

2010年05月20日

私立学校養護教員研究会総会の開催

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  5月20日(木)、兵庫県私学会館において『兵庫県私立学校養護教員研究会総会』が開催され、会長として出席しました。
  昨今、生徒達を取り巻く環境は大きく変化しており、一人ひとりの生徒の事情もそれぞれ異なっています。これに伴い、養護教員の役割も複雑多岐にわたってきています。開会にあたって、私は「学校においては怪我や伝染する病気・心のケア等さまざまなことが起こるが、何かが起こってから対応するというケースが多すぎるように感じている。常に、〝予防する〟〝芽生えの段階でいち早く兆候を掴み対応する〟〝何かが起こったときには迅速に動く〟〝事後の対策を考える前に管理職に報告する〟といった危機管理の重要性についてお話しました。次いで養護教員としての専門性を高めるには、自ら仕事の枠を設けるのではなく、食育や睡眠、保護者の対応等幅広い勉強をして欲しい。そして、ヘッドワーク、フットワーク、ハートワークをベースに、生徒が入りやすい保健室を目指して欲しい」ということを話しました。
  続いて、兵庫県西宮こども家庭センターの塚元重範所長から『子どもたちの心の危機への対応と支援』というテーマで、実際に起こったいじめや虐待の事例を紹介いただきながら講演していただきました。西宮のセンターだけで、平均すると毎日20件くらいの相談があり、そのうち4件はいじめや虐待に関するものであるとの事です。その後、相談場面における面接技法をケーススタディーの形で学習しました。
  講演を通じて感じたことは〝どこかで起こっていることは自分達の身近なところでも起こっていると考えなければならない〟〝いじめや虐待についてはそれぞれの物差しが違っている〟〝面接にあたっては、まず受け入れて心を開かせる〟等です。
  学校において、養護教員の役割は非常に重要になってきています。これからも生徒達にとって信頼される養護教員を目指して欲しいと思っています。

2010年05月17日

IT化の推進による革新

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  昨今のIT化の進展は目を見張るものがあり、個人的にパソコンを保有している人も年々増加の一途を辿っています。また、民間企業においても一人一台のパソコンを貸与しているところが珍しくありませんが、概して学校においてはIT化の遅れが目立っています。この結果、パソコンを活用すれば、ごく短時間で処理できる仕事に多大の時間と労力をかけているケースが散見されます。
  このような中で、本校は校内LANが敷設され、各人毎にパソコンが使用できるという恵まれたIT環境下にあり、かなりの事務作業の軽減がはかられています。しかし、現在学校改革の中で目指しているのは〝経営戦略の一環としてのより高度なITの活用〟です。つまり、事務を円滑に処理するというレベルから「情報の共有化をはかる」「迅速な意思決定を行なう」「上意下達・下意上達を円滑にする」等により『学校経営の仕組み』『教職員の行動』『風土』を変え、ベクトルを合わせていこうとすることを狙いとしています。そして、最終的にはパソコンをフル活用することにより余裕時間を生み出し、生徒に対する教科・生活・進路・部活動等を指導する時間や授業力を高めるための教材研究の時間を増やすことを目指していきたいと思っています。
  そのために、これからはITスキルを向上させるための研修を行ない、新たな取り組みに繋げていく予定です。なお、参考までに本校でのIT活用事例は次のようなものです。
  
  ①教職員間の個別メール     ②職員会議の仕組みの変更
  ③各種会議の仕組みの変更    ④月間スケジュールの公開・共有化
  ⑤校内掲示板の設置       ⑥成績処理
  ⑦出欠管理           ⑧経営管理の仕組みづくり
  ⑨情報の共有(分掌・学年・教科) ⑩広報・進路情報の公開
  ⑪教材の共有化         ⑫学校提言の仕組みづくり   
  ⑬アンケートの実施方式     ⑭休暇予定の管理(動静表)     
  ⑮スケジュール調整(面談)   ⑯相互授業参観予定
  ⑰ホームページによる情報発信  ⑱各種経営情報の管理 
  ⑲事務室での情報管理      ⑳教職員の休暇・出張情報 等 

2010年05月15日

強い思いが道を拓く

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  本校に入学する生徒はほとんど全員が大学進学を目指しており、希望する大学に合格するために必死に努力しています。しかし、大学に進学するということが最終目的ではありません。あくまで社会で活躍するための専門知識やスキル、幅広い教養、人間力等を身につけるための場なのです。このような考え方に立てば、将来どのような仕事に就きたいのかを明確にして大学・学部を選ぶということが大切になってきます。
  本日は、高校時代から将来の進路を考えて大学に進学したN君を紹介したいと思います。N君は今週の木曜日に来校し現役後輩諸君に話をしてくれました。
  彼は高校時代から自動車が好きで、慶應義塾大学の電気自動車研究室に進みたいという強い思いを持っており、SFC(湘南藤沢キャンパス)のAO入試に挑戦しました。この時に彼が示したのは「自分の人生を、良い自動車社会を作ることに捧げる」 という言葉でした。そして、この思いが認められ見事合格し、入学後は自動車開発の現場体験、これまで憧れていた多くの人達との出会い、EVタクシーコンペにおける研究室としての優勝、車の開発にあたってのコンセプトづくり等を体験しました。N君は現在四年生ですが、既に自分の希望する某自動車メーカーに就職が内定したとのことです。
  実は昨年、N君は企業の就職試験を受ける直前に、自動車業界を取り巻く環境や課題、面接にあたっての心構え等について教えて欲しいということで、私のところにやって来ました。その時に色々とアドバイスしましたが、「何としても自動車に関係した仕事をしたい」という強い思いがひしひしと伝わってきました。今回、彼の夢が実現したという事をお聞きし、本当に良かったと思っています。しかし、これからがいよいよ本番です。社会に出てさまざまな経験をすると思いますが、是非〝良い自動車社会を作ることに捧げる〟という初志を実現して欲しいものです。
  後輩達に伝える最後のメッセージは「自分の好きなことをした方が絶対楽しい」 です。何事も強い思いがなければ実現しません。自分の好きなことを真剣に考え、それを追求していくことで必ず道は拓けると思っています。


2010年05月10日

はじめは誰もが初心者

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  昨日の体育大会では、普段余り目ただない生徒達の生き生きと活躍する姿が随所に見られました。改めて、一人ひとりの生徒にはそれぞれ優れているところがあるということを再認識しました。
  考えてみれば生まれた時はみんな同じただの赤ん坊ですが、年月が経つと色々なことに差がついてきます。しかし、潜在能力に大きな差があるかどうかは疑問です。スポーツの世界を見ても、イチロー選手や石川遼選手は素晴らしい能力を持っているのは誰もが認めることです。しかし、彼らが生まれた時からこのような能力を兼ね備えていたかどうかは疑問です。確かにある程度の資質はあったとは思いますが、これらを現在のレベルにまで引き上げたのは日々のたゆまぬ努力です。今、社会のさまざまな分野で活躍している人は数多くいますが、生まれた時から野球選手、ゴルフプレーヤー、学者、弁護士、経営者、発明家、医者、教師等になると確約されていた人は誰もいません。
  江戸時代初期の教訓的読み物作者である寒河正親(さむかわまさちか)の『子孫鑑』の中には〝下手は上手の下地なり。下手よりだんだん上手になるなり。〟という有名な言葉があります。この意味は、〝下手だからといってあきらめることはない。下手だからこそ上手になれる。地道に努力することでだんだん上手になるのだから、続けていくことが大切である。〟ということです。
  何事も初めた時は初心者ですから下手で当然なのです。従って、最初から上手くやろうと思わなくてもいいのです。上手くいかなくて当たり前、失敗して当たり前であるという気持ちで、前向きに取り組む。そして、その失敗を糧に、また努力を続けて行けば必ず上手になると思います。
  現在、成功している人を羨ましいと思うのではなく、「努力を続ければ必ず自分もそこまで到達できる。」と信じて研鑽を積めば必ず成功できます。そして、努力を続けているうちに次第に興味も出てくることになり、ある段階に到達すれば飛躍的に上手くなるように思います。これは勉強にもスポーツにもその他あらゆることにも共通していることですので、大いにチャレンジしていって欲しいものです。

2010年05月06日

池田市教育委員会からの感謝状

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  5月6日(木)、池田市教育委員会の田渕和明教育部長が来校され、同市教育委員会からの感謝状を贈呈いただきました。これは本校の高校新校舎建設にあたって新たな机や椅子を購入することに伴い、これまで使っていた生徒用の机・椅子630セット等を池田市の市立中学校へ寄贈したことに対するものです。お話しをお伺いすると、既に有効活用されているということで大変嬉しく思いました。これらの机や椅子は生徒会の役員が中心となって再利用することを検討していましたが、運送費がかさむということもあって実現しませんでした。しかし、本校の生徒達がこれまで大切に使っていたものが廃棄されるのは忍びないということで、引き続き活用していただけるところがないか打診していたところ、池田市教育委員会から申し出があり、再利用していただくことになったのです。本日は田渕氏と色々なことを話し合い、これからもお互いに協力していくことを確認しました。
  近年、日本は物質的には豊かになりましたが、その反面、物を大切にするという気持ちが希薄になり、使い捨てるという風潮が出てきています。この結果、単に物だけにとどまらず、人の命ですら大切にしないということに繫がっているように感じています。
  本校は環境教育に注力していますが、環境に配慮するということは人に対する優しさや思いやりに通じます。今回の取り組みは生きた教材として、生徒達に伝えていきたいと思っています。

2010年04月26日

業務の改善・効率化をはかる

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  近年、パソコンや携帯電話に代表されるIT化の進展には目を見張るものがあります。そして、昨今は〝1人1台のパソコン〟を配備し、構内LANを敷設することによって、業務の見直し・改善を積極的に行なおうとする事業所が増加しつつあります。しかし、企業に比べると、学校のIT化は極端に遅れているように感じます。この原因としては「LANが構築されていない」「1人1台のパソコンが配備されていない」「教職員のITスキルのレベルが低い」といったことがあげられます。
  本校においては、既に校内LANが設置されており、メールによる情報伝達や勤怠管理、成績処理、ホームページの管理、資料の管理等さまざまな活用をはかっていますが、まだまだ業務改善をする余地は大きいと思っています。また、学校の場合は生徒に配るプリントが多いということもあってなかなか紙の使用量が削減できないという状況になっています。
  そこで、今回の高校校舎建設に合わせて、積極的に情報機器を導入することによって、業務の合理化と授業の質的向上、ペーパーレス化の推進をはかることにしました。具体的には、「情報・データ管理の精度をあげ、随時活用を可能にすることにより、各人のファイリングの手間をなくす」「会議における配布資料を削減する」「写真や動画等をとり入れることにより、授業における教材の共有化をはかる」等です。本日も管理職によるトップ会議を行ないましたが、パソコンのデータをプラズマテレビに表示することにより、ペーパーなしでの打ち合わせを行ないました。
  既に、昨年より、職員会議については、事前にパソコンのホルダーに「議題」や「必要な資料」を登録しておき、プロジェクターを使用することにより、大幅なペーパーの削減をはかっていますが、今後は更に教職員のITスキルを高めることにより、すべての業務の改善・効率化をはかっていきたいと思っています。

2010年04月04日

継続は力なり

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  この校長通信を書き始めて5年目を迎えることになりました。最初の間は時々休むこともありましたが、お蔭さまでこの3年間は毎日掲載させていただくことができました。夜遅くパソコンに向っているため、たまに公開のボタンを押し忘れてしまうことがありましたが、翌日パソコンを開くと「昨日は掲載されていなかったが、どうしたのですか」というメールが入っており、慌てて公開したということもありました。毎日見ていただいている人がおられるというのは励みになります。それ以上に毎日掲載する材料を考えるということは、自分自身の勉強になります。以前は新聞や本を手にしてもざっと目を通したり、人の話も細部は聞き流していることが多かったようですが、しっかりと内容を理解しようという姿勢が強くなってきたように感じています。また、〝今日は疲れているから〟〝他にやるべきことがあるから〟〝時間がないから〟といったできない理由を取り上げて妥協してしまうと、たちまち挫折してしまうことになります。〝継続は力なり〟という言葉がありますが、継続することのポイントは、どのような時にも例外を作らないということではないかと思っています。
  
  ところで、私の尊敬している『志ネットワーク』代表の上甲晃氏は実に18年間にわたって、一日も休まず「デイリーメッセージ 日々新た」を書き続けておられます。また、毎朝、携帯に「上甲晃の志 一日一語」を届けておられます。携帯電話から空メールを送信することで簡単に登録できますので、ご紹介します。
    ibamoto@star7.jp
※登録は無料ですが、パケット代金がかかりますのでご注意下さい。

2010年04月03日

これからの学校経営~チャレンジ目標制度

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  これまで学校においては〝経営〟というよりも〝運営〟という視点が強かったようです。このやり方が通用するのは、環境の変化がほとんどなくすべてが右肩上がりの状態の時です。言い換えると、従来どおりのやり方をしておれば、大きな問題は生じないという時には効果的であったと思います。しかし、昨今のように環境の変化が大きな時には、従来踏襲型のやり方をしていれば必ずどこかに歪が出てしまうことになります。
  学校が企業と大きく異なるのは、〝企業が全体の方針が示された後に個々人に対する具体的な目標が決まる〟のに対して、〝個々人の裁量に任されてしまっている〟ということです。そのため、他では耳慣れない〝校長・教頭の下に教職員が横一列に並んでいるという意味の「鍋蓋(なべぶた)組織」〟や〝誰の指示も受けず自分の裁量で思い通りにやれるという「一国一城の主」〟というような言葉も耳にします。このやり方の長所は自主責任という点であり、高い志を持って積極的に行動する人が多ければ、大いに力を発揮することができます。反面、最低限のことだけをやるという人が増えれば機能しないということになりますし、各人が好き勝手なことをやっていれば、方向が定まらず全体としての力は減衰されてしまいます。
  一方、企業は従来の多段階のピラミッド組織の階層を減らし、意思決定の迅速化と自主責任制の強化をはかろうとしています。
  はっきりしているのは、これからの学校にとっては、従来型の「学校運営」ではなく、「学校経営」という視点が不可欠であるということです。そして、円滑な学校経営を進めていくためには、学校のビジョンや方針が明確になっていること、これに基づいて各分掌・各学年・各教科の計画が決定されていること、更に各人の目標設定に繋がっていることが大切です。
  本校では年度初めに学校の経営方針を発表し、各人がそれぞれの目標を設定し、年度末に振り返りを行うという『目標チャレンジ制度』を導入しています。
但し、現在これが十分機能しているとは言えません。
  本年度はこのシステムの精度アップをはかることによって、円滑な学校経営を進めていきたいと考えています。

2010年03月22日

これからの学校経営~来年度の計画づくり

  本年度も残すところ一週間になりました。既に分掌長や学年主任・担任等の人事は今月初めに発表しているため、来年度の計画についてはそれぞれのメンバーで検討していただいています。その後、先週土曜日(20日)の職員会議において「学年担任」や「一人一役運動の担当」「クラブ顧問」の発表を行ないました。そして、午後からは来年度から新たに赴任される先生方に来校していただき、事前のオリエンテーションを行ないました。この中で担当していただく授業についても説明し、教科書をはじめ関係の資料をお渡ししました。学校全体の計画は既に作成しましたが、分掌や学年、教科等の責任者に対しては、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」というタイムスケジュールをしっかりと詰めていただくようお願いしています。
  仕事の基本はPLAN-DO-CHECK-ACTIONというサイクルを回していくことですが、〝仕事は段どり八分〟と言われるように、計画がしっかりしていることが何よりも大切です。現在、本年度の振り返りを含め来年度計画の個別のヒアリングを実施しており、新学期が始まるまでにすべてのヒアリングを終了する予定です。
  また、全ての教職員を対象に、来週の23日を期限として『経営提言』を出していただくようにしています。経営にあたってはトップダウンとボトムアップの両方が必要ですが、学校はフラット型組織になっており、企業等に比し教職員の自由裁量は大きくなっています。これからの学校経営にあたってはボトムアップが非常に大切になってくると思います。しかし、これは自分の思い通りにやるということではありません。成果をあげるためには、各人がバラバラに行動するのではなく、あくまで他の人の協力を得ながら組織的な行動をしていかなければなりません。
  これまで出していただいた提言についてはすべて目を通しましたが、採用できるものが多くありますので、検討の上、来期の経営計画の中に取り入れていきたいと思っています。

2010年03月18日

これからの学校経営~予算のゼロベース化

  高度成長や安定成長期においては、国も地方も企業も年々収入が増加するため、新しい取り組みを始めたり、現行の取り組みを強化することができます。しかし、現在の日本は、かつてのような経済成長は見込めなくなってきているため、ほとんどの部署で収入が少なくなってきています。従ってさまざまな見直しが必要になってきますが、この際留意しなければいけないのは一律カットという考え方を避け、資源の集中と選別を行なうということです。言い換えると思い切って、新たな取り組みを始めたり、逆にこれまで続けていたことをやめたり、大幅削減していかなければなりません。改革に成功したところは例外なく思い切った手を打っているのです。このことをやらずに現状を何とか維持していこうという考え方では改革は進みません。ましてや一律に削減率を決めていくという安易なやり方では、すべてが中途半端になってしまいます。
  一方、学校においても少子化が進み、生徒数が増えないため、これまでの経営のやり方を見直していかなければなりません。しかし、学校改革の必要性が叫ばれて久しいにもかかわらず、なかなか前年比ベースという考え方から脱却できていないのが現状です。この結果、重点を絞って予算を配分するというよりは、“原則は前年比一律カット”というようなやり方になってしまうようです。
  本学園は本年、創立60周年という節目を迎えますが、これを機にあらゆるものを原点に戻って見直していきたいと思っています。現在、来年度の学校経営計画を策定中ですが、高校の新校舎建設を柱として、ゼロベースでの予算を検討していきたいと考えています。

2010年03月17日

これからの学校経営~明るい改革を進める

  現在、残念なことに日本はいたるところで閉塞感に包まれているようです。〝このままでは駄目だ、何とかしなければ〟ということで改革の必要性が叫ばれていますが、必ずしもうまくいっていないというケースが多いようです。
  日本という国一つを見てもGDPの2倍にあたる巨額の債務を抱え、これが増え続けているにもかかわらず、一向に歯止めがかからない状況です。また、企業においても同様の現象が数多く見られます。そして、最終的にどうにもならなくなって、倒産したり、痛みを伴うリストラを断行するということになってしまいます。一つの家庭を例にとると、収入を上回る支出があり、これが毎年続くと破綻するのは目に見えています。しかし、この当たり前のことが国や企業というレベルになると放置されてしまうということが多いのです。まさに、〝ゆでガエル現象〟と言わざるを得ません。
  さて、教育界を見ても実に多くの課題を抱えています。その最大の原因は少子化、つまり児童・生徒数が増えないということです。今、多くの企業は遅まきながら世界の新興市場の開拓を加速し始めています。しかし、学校の場合は国外に出ていくことは困難な状況であり、パイを増やすという方策は見当たりません。この点においては、学校経営は企業経営以上に難しい面があります。
  言い換えると、児童・生徒数が増えるという前提に立った〝右肩上がりの学校経営〟は成り立たないということです。しかし、現在のシステムは生徒急増期に構築されたものが大半です。早急にこれらを見直していかなければ経営に行き詰まる学校が次々と出てくるのは間違いないと思います。
  改革は体力のある間にやるというのが鉄則です。追い詰められてからでは暗い改革になってしまいます。まさに全員が危機意識を共有し、〝明るい改革〟を進めていくことが大切であると思っています。

2010年02月01日

子どもの心に灯をともす

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  日本の子ども達は他の国の子ども達と比較して、「夢や希望を持っている割合が低く、ハングリー精神に欠け、学習に対する意欲に乏しい」と言われていますが、この責任は我々大人にあるのではないかと思います。
  私は年に何回か講演する機会がありますが、その時にはいつも聴衆がどういう思いを持っておられるのかを質問することにしています。先日の講演会でも同じ事を尋ねましたが、〝今の日本は恵まれている〟〝日本の将来は暗い〟〝家庭教育は十分できていない〟〝学校教育には満足していない〟〝地域社会も一体となって子どもを育てていない〟という予想通りの答えが返ってきました。これは校長・教頭、教職員、保護者を対象とした講演会についても同様であり、子ども達はこれらの大人の思いを敏感に受け止めているのは間違いありません。この結果、子ども達が前向きに自分達の将来を明るいと考えることができなくなってきているのではないかと感じています。
  〝教育とは子どもの心に灯をともす〟ことであると言われていますが、何のために勉強するのかという意義が解らずに、漫然と勉強しているというケースが多いのではないかと思います。まさに〝馬を湖のほとりに連れて行くことはできるが、馬に水を飲ますことはできない〟という西洋の諺を今一度噛みしめるべき時かも知れません。
  人間はやらされているという気持でいる限り大きな成長は期待できませんが、しっかりとした目標を持てば、この達成に向けて自ら努力するものです。このように考えると、教育にたずさわる者は子ども達に夢を与えるということを常に意識しておかなければなりません。とりわけ〝現状の世界がどうなっているのか〟〝今後どのようなことが起こってくるのか〟〝その中で世の中に役立つ仕事にはどういうものがあるか〟といったことは最低限把握しておかなければならないと思っています。

2010年01月29日

公立中小支援学校事務研究大会での講演

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  1月29日(金)、阪神地区公立中小支援学校事務研究大会において『学校組織マネジメント~事務職員が学校経営に果たす役割~』と題して講演しました。
  この大会は1964年(昭和39年)にスタートし、実に46回目を迎える伝統ある催しで、今年のテーマは『情報化社会の今こそもとめる学校事務~つなげよう人とのきずな ひろげよう心のわ』です。本日は尼崎市、伊丹市、猪名川町、川西市、宝塚市、西宮市の中学校・小学校・特別支援学校の事務職員約400名が参加して、午前中に開会行事・活動報告と記念講演、午後から4つの分科会での研究協議が行なわれました。

  今、わが国の教育は多くの面での見直しが必要になってきており、学校を取り巻く環境も激変してきています。これに対応するには、従来のような「前年踏襲型の学校運営」ではなく「改革という視点に立った学校経営」が必要になってきます。しかし、現在の学校におけるマネジメント力は十分ではあるとは言えません。学校は〝鍋蓋組織〟という言葉に代表されるように校長・教頭の下に教員が横並びに配置されています。そのため校長を補佐する体制が極めて弱い、言い換えるとスタッフがほとんどいないのです。こういう状況にもかかわらず、学校で起こったことはすべて校長の責任であるということで片付けられているのが現状です。これを打破していくためには、事務職員が単なる事務処理に終始するのではなく、積極的に校長を補佐することによって学校経営に参画し、教員や保護者、児童・生徒に働きかけていかなければなりません。
  事務職員の皆さんは〝学校を改革する〟という強い思いを持って、現在の仕事を徹底的に見直し、合理化・簡素化をはかることによって時間を創り出し、新しい学校づくりを目指して欲しいと思っています。

2010年01月24日

社会で役立つ力の修得

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  日本においては中学までは義務教育となっていますが、高校への進学率が次第に高まり、現在では約97%となっています。また、今回の公立高校の授業料の無償化によって、ほとんどの生徒が進学することになり、ますます義務教育に近い姿になります。更に 大学進学の状況を見ると、1950年(昭和25年)代には約1割でしたが、高校進学率と同様1970年(昭和45年)代半ばまでに急増し、1976年には38.6%という第1のピークを迎えました。その後、大学進学率はやや微減という傾向になりましたが、1980年(昭和55年)代からはハイテクを中心として経済成長が続き、高度の専門知識を有する技術者などへの需要が高まり、平成に入ると再度大学進学率が上昇し、1993年(平成5年)には40%を越え、現在では50%を越えるようになってきました。この数字は、アメリカやイギリスと並んで世界の中でも非常に高い水準です。また、他国に比べて退学率が低いため、世界有数の高学歴社会の国ということになります。
  しかし、大切なことは大学を卒業したという肩書きではなく、社会に出てから役に立つ能力が修得できているということです。私はこれまで民間企業での勤務を通じて社内外の多くの人達とお会いしてきました。また、著名な大学を卒業してきた人達と一緒に仕事をする機会も数多くありました。これらの経験を通じて感じるのは、まず勤務の基本である「健康」や「人間性」「情操」「物の考え方」「凡事徹底」が大切であるということです。
  いくら能力があっても病気がちであったり、すぐに寝込んでしまったり、ここ一番という時に力が発揮できないということでは立派な仕事はできません。また、爽やかな挨拶をする、約束を守る、時間に遅れない、我慢する、思いやる、感謝する、相手の立場に立つ、志すという姿勢が必要であり、これらがなければ、いくら高度な知識を身につけていても社会で活躍することはできません。社会で活躍するための力、言い換えると社会人基礎力というのは、これらのベースと専門知識やスキル、ノウハウの複合されたものなのです。今の入学試験ではこれらを見ることはほとんどなく、狭い意味での学力を中心に入学判定を行なっていますので、人間としてのベースが弱いまま社会に出る人が出てくるのです。
  本校では「人間教育の充実」と「学力の向上」を教育方針の基本の柱にしていますが、社会に出るまでにしっかりと社会で役立つ力を身につけさせたいと思っています。

2010年01月06日

読書の勧め

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  このお正月には年賀状を通じて、色々な方とのメールや電話等での交流がありました。心強く感じたのは、退職後も世の中にお返しするという思いで、これまでの経験を生かして活動されている方が多いということです。その中の一人である〝森奨(もり すすむ)氏〟より『ビジネスマンのための森流・読書術』という著書を送っていただきました。同氏はパナソニック株式会社(旧 松下電器産業)時代に大変お世話になった大先輩ですが、人事や経営の仕事を担当され定年退職された後、パナソニックの顧問を2年、大阪の色々な企業の幹部研修を5年、社会人向けの専門大学院の講師5年と実に昨年までの12年間、人材育成の仕事を担当されてきました。これらの経験を通じて、現役のビジネスマンが読書をあまりしていないことを知って驚かれ、本を読むことの大切さを訴え続けてこられたようです。ある企業の課長職を対象とした調査によると「読書を毎日30分(または週4時間以上)している人」は半数しかいないとのことです。
  最近、大変気になっているのは急速に活字離れが進んできているということです。通勤電車の中でも本や新聞を読んでいる人より携帯電話を操作している人の方が圧倒的に多いのは事実ですし、何もせずに居眠りをしている人も見かけます。いずれにしても異なる分野の人と付き合わない、本を読まないということでは人間の幅や視野が広がらないのは当然です。
  この著書の中には読書力のチェックリストとして、「読書を毎日30分以上する」「一年間に50冊読む」「新聞や雑誌の書評に目を通す」「毎週書店をのぞく」「毎月本を購入する」「いつも本を持ち歩く」「図書館を利用する」「読みたい本のリストを作る」「読書好きの友人を5人以上持つ」「読書後の感想をメモする」の10項目が紹介されています。また、読書の効果として「世界が拡がる」「専門能力が身につく」「一般教養を高める」を、具体的な読書術として「読む習慣をつける」ことや「読む時間を作り出す」ことを取り上げておられます。
  これらは一朝一夕に身につくものではありません。将来社会で活躍するためにも中学・高校・大学時代に本に親しむという良い習慣を身につけておくことが大切であると思っています。

2009年12月28日

学力の向上~色別管理法

  学力向上をはかるための有効な手段の一つは、さまざまな色の使い分けです。
この提唱者は『声に出して読みたい日本語』の著者である明治大学の斉藤孝教授ですが、色別に管理すると学習の効率は格段にアップします。
  学習の際には本や参考書、問題集、ノート等を使いますが、これらを何回も繰り返すことが大切です。つまり重要度や理解度に応じて「赤」「青」「緑」を使い分けるのです。問題集を例にとると、正解の場合には赤、単純ミスの場合には青、重要な間違いの場合には緑というように色分けしておくのです。こうしておくと緑色の部分を重点的に見直すことにより、効率的な学習が可能になります。学力の向上のためには、自分なりにこの勉強法をマスターすることなのです。この色別管理法は社会に出てからもさまざまなことに応用できます。
  私も現在、スケジュール管理や読書にはこの色別管理法を応用しています。スケジュールについては、出張する時は赤、来客は黒、会議は青、資料作成等の準備は緑のボールペンで記入する。読書については、重要な箇所には赤、やや重要な箇所には青、自分が興味を感じた箇所は緑というように使い分けています。最近は3色や4色のボールペンが販売されているため、色別管理には便利です。
一度、この長期休業中に試してみてください。

2009年12月27日

学力の向上~集中力の修得~

  学力の向上をはかるためには、ある程度の学習時間を増やすことが必要ですが、長い時間机の前に座っていれば必ず効果が上がるということでもありません。ポイントはいかに気持を集中することができるかです。集中力は学習だけではなくスポーツや芸術についても必要ですが、これを身につけることができれば、さまざまなことに活用できるようになります。経験を積めばどういう条件の下でも集中することができるようになりますが、最初のうちは環境を整えることから始めて欲しいと思います。特に、学習しているのに学力が上がらないという人は次の点をチェックしてみてください。学習環境を変えることで集中力を高めることができるようになります。
  ①勉強場所の整理・整頓はできているか
  ②周囲に気になるものがないか (携帯電話やゲーム機、漫画、お菓子等)
  ③光の刺激や騒音は問題ないか
  ④冷暖房は適切か (頭寒足熱)
  ⑤スケジュールが明確になっているか (時間管理と気分転換)
  〝整理整頓ができていないため、物を探すといった無駄な時間が多い〟〝携帯電話でメールの交換をしたり、ゲーム機や漫画に手を伸ばしている〟〝その日にやるべきことや何時までに何をどれだけやるかが決まっていない〟という状況では成果があがらないのは当然です。
  最近は個室を持っている人が増えていますが、学習にはリビングの方が効果的であるということも言われています。
  集中力は将来の仕事をする上でも大いに役立つ力ですので、是非中学・高校・大学を通じて修得するようにして欲しいものです。

2009年12月26日

 学力の向上~苦手科目の克服~

  人は誰でも好きなものと嫌いなもの、得意なものと不得意なものがあります。当然のことながら、これは科目についても当てはまります。生徒達に「得意な科目と不得意な科目は何か」という質問をすると、〝英語〟〝数学〟〝国語〟〝世界史〟〝生物〟〝化学〟等さまざまな答えが返ってきます。一般的には成績の悪い科目が苦手科目に、成績の良い科目が得意科目になっています。そして、得意科目についてはよく学習するのに対して、不得意科目はあまり学習しないという傾向が強いようです。そのためますます成績が悪くなり、苦手意識も更に増すといった悪循環に陥っている生徒が多いようです。
  このように苦手科目は学習の絶対時間が少ないため、基礎のできていないことが多いのです。従って、一学年下の内容に戻る、極端な場合には高校生なら中学の教科書の内容に、中学生なら小学生の教科書の内容に戻ることが成果に結びつくのです。
  昔から〝好きこそものの上手なれ〟という言葉があるように、好きだからこそ人に言われてやるのではなく自主的に行動するのです。何事も興味をかきたてることによって「好き」にしてしまうことが大切であり、学習も同じです。
  長期休業の期間は苦手教科を克服する絶好の機会です。苦手教科であるからといって放置しておくのではなく、比較的好きな分野を選んで取り組んで欲しいと思っています。

2009年12月25日

学力の向上~規則正しい生活習慣~

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  年末年始の長期休業に入りましたが、学力を伸ばすためにはこの間の過ごし方が極めて大切です。よく基本的な生活習慣を代表する言葉として〝早寝・早起き・朝ご飯〟があげられますが、これらと学力とは明確な相関があります。
  本校では毎年、卒業式で無遅刻・無欠席の生徒の皆勤賞表彰を行ないますが、ほとんどが学力の高い生徒です。
  近年、渡辺武郎ボストン大学教授らのグループが〝学習中に活動する脳の領域が睡眠中にも活動している〟ことを機能的磁気共鳴画像で確認し、睡眠をとると成績が向上することを発表しました。また、〝朝ご飯をしっかり摂ると体温が上がり脳の働きが高まる〟〝一日の中で脳が最も活性化するのは朝の時間帯である〟ということも分かってきました。
  また、休み明けには「だるい」「おなかが痛い」と訴えてくる生徒の数が増えているようですが、この原因は生活リズムの乱れです。夜中までテレビゲームなどをしていると光で脳が刺激されて眠くならないという状態になります。こうなると起床が遅くなり、「朝食を摂らない」「排便もしない」ということになります。長期休業中に何日もこのような不規則な生活を続けていると、体調不良に陥り、結果的に勉強に集中できないということになってしまいます。
  是非、長期休業中にはしっかりとスケジュールを固め、規則正しい生活を心がけて欲しいものです。

2009年12月21日

学力の向上~学習時間を増やす~

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  12月21日(月)、今年も残り少なくなりました。先週から始まった個人懇談も本日でほぼ終了しました。私もできる限り来校された保護者の皆さんに声をかけるようにしていますが、当然のことながらお子さんの学力や将来の進路について心配されている様子がうかがい知れます。
  それでは〝どうすれば学力がつくのでしょうか〟「学力向上のための特効薬はない」というのがその答えです。ごくあたり前のことですが、学力をつけるには学習時間の確保しかありません。ある程度の時間をかけなければ駄目だというのは学習だけではなくスポーツや芸術においても同様です。つまり練習時間の絶対量が少ないのを棚に上げて高度なことをやろうとしても成果は上がりません。基礎的なことを繰り返し行なうことが大切なのです。
  学力を向上させるためには、あれこれと考える前にまず学習時間を増やすということから始めて欲しいと思います。それでも当初は努力したことがそのまま報われるかどうかは分かりません。努力したにもかかわらず思い通りの結果が得られないというケースもあるでしょう。しかし〝継続は力なり〟という言葉もあるように、日々の努力はいつか必ず〝花開く〟ものです。
  本校の校訓は『高志・自律・努力』ですが、これらはとりも直さず将来社会に出た時に役立つ力です。生徒達が中学・高校時代に努力するという習慣を是非身につけて欲しいと思っています。

2009年12月02日

中期的な視点に立った計画づくり

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  早いもので12月に入りました。これから来年度の計画を立てることになりますが、これに先立ち学園全体の方針を検討の場が持たれることになります。本日はそのための資料を作成しましたが、現在の学園を取り巻く環境は極めて不透明なものが多いようです。つまり、先が読みにくい状況下にあるということです。これは本学園だけではなく恐らく他の学校法人も同じだと思います。また、最近のマスコミの報道を見てもさまざまな企業や国や地方も来年度の計画策定にあたっては苦慮している様子がうかがえます。
  このように不確定要素が多い時にはともすれば〝とりあえずこうしよう〟といった大雑把な計画になりがちですが、こういう時にこそしっかりとした計画を作らなければならないと思います。良い経営のためには原点に戻ってビジョンを確認し、戦略を再構築する、その上で中期の視点に立ってやるべきことを明確にする、最後に来年度の計画を作るということが大切です。
  言い換えると、単年度計画ではなく最終(3~5年後)の到達目標を決め、現状とのギャップを埋めるためにどうすれば良いのかを決めるということが必要なのです。また、今回については環境の変化に対応するためのいくつかのシナリオを作っておくということも欠かせません。いずれにしてもこれからは難しい舵取りになりますが、智恵を絞り出してこの局面を乗り切っていきたいと思っています。

2009年12月01日

進学指導特色校との懇談会

  12月1日(火)、大阪府の橋下知事と進学指導特色校に指定された府立高校10校の校長との懇談会に出席しました。最初に知事より〝進学指導特色校を指定したのは単に大学受験のための知識を上げるということではなく、急速に進展するグローバル化や発展途上国の教育に対する取り組みを見ると、早晩日本の経済面での優位性はなくなり産業の空洞化が避けられないことになってしまう。これを防ぐには教育レベルを上げ、世界に通用する人材を育てることしかない〟という話がありました。
  次に高校課長から進学指導特色校設定の趣旨や概要、整備の内容についての説明があり、続いて10校の校長から自己紹介を含めて各校の取り組みの紹介がありました。多くの学校で、週2回の6時から8時までの夜間補習や土曜日の補習、自修室の設置、土曜日の特進ゼミ、さまざまなキャリア教育や高大連携等独自の取り組みを実施されており、本校にとっても参考となる数多くの内容がありました。
  私は〝学校は校長の高い志で決まる。今の子ども達はこれまで元気な日本の姿を見てきていない。やればできるという思いを持たせることが大切である。これからはアメリカ一極体制からBRICs やVISTAの発展により多極化体制に移行することになる。グローバル化の視点をしっかりと持ち続けて欲しい。学校経営という視点に立ってPDCAのサイクルをまわすことが基本である。くれぐれも言葉が一人歩きしないようにし、結果を見える形にしていくことが大切である。とりあえずこうするというのではなく、あるべき姿を描いた上で、いつまでにどうするという時間軸を明確にして取り組んで欲しい〟という話をしました。
  21世紀における日本の課題は教育であるのは間違いありません。公立や私立を問わず、他校の良いところを積極的に取り入れ切磋琢磨していくことが大切であると感じました。

2009年11月29日

ビーンズ研修会に参加して

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  11月28日(土)、17時より開かれたビーンズ研修会に参加しました。
この会のメンバーは大阪府立の現職校長、教頭およびOB校長と教育委員会の幹部となっており、通常は校長部会と教頭部会に分かれて土曜日の夕方に開催されていますが、今回は合同開催ということになりました。あくまで自主研修のため、講師等の選定も役員の皆さんが行なっています。最初に中西正人大阪府教育長より「回顧とこれからの教育界の課題」というテーマで、ご本人の生い立ちやこれまでの35年間の公務員生活を振り返っての感想や就任後8ヶ月の教育長としての取り組み経緯、今後の学力向上や人件費の将来動向とハード整備、高校の実質無償化の課題についてお話をいただきました。
  その後の懇談会の場では、出席者全員がそれぞれの思いを述べ合いました。各校ごとにさまざまな課題があるようですが、懸命に学校づくりを進めておられる様子が窺い知れました。
  最後に私は自分に言い聞かせる思いもあって次のような話をしました。〝皆さんはトップとして大変ご苦労をされていると思うが、このように厳しい時には教員や生徒は常に皆さんの後姿を見ているので、どうか元気を出して欲しい。今は、世の中の動向をしっかりつかみ、あたり前のことをあたり前のように行なうという凡事徹底が大切である。「着眼大局・着手小局」という言葉があるが、まず足下を固めるという脚下照顧の取り組みが必要である。お互いに健康に留意して教育活動を進めていこう。〟
  現在の日本はまさにすべての分野が厳しい経営環境下におかれていますが、ピンチはチャンスという思いで、今一度原点に戻って見直していくことが必要であると感じています。

2009年11月16日

お礼状を書く

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  先日、沖縄研修旅行に行った中学3年生が民泊でお世話になったご家庭にお礼状を書いてお送りしたということを学年の先生方から聞きました。
  このお礼状を書くということは、感謝の気持ちを相手に伝えるという意味で実に大切なことであると思います。残念なことに、最近は〝お礼の手紙を出す〟ということが少なくなり、電話やメールで済ます人が多くなってきました。特にインターネットや携帯端末の普及がこの傾向に拍車をかけることになってきています。しかし、メールは単に用件を伝えることはできても心を伝えることはできないのに対し、手紙は電話やメールのように時間が経つと消えてしまうものではなく、いつまでも形のあるものとして残ります。
  かつて民間企業に勤務している時、営業の大先輩からお得意先を訪問する際には「〝たとえあらかじめ約束していたとしても、相手様にどのような緊急事態が発生しているかわからないため、必ず前日に当初のお約束どおりで良いかどうかの確認をしておくこと〝 そして〝常に葉書と切手を用意しておき、訪問後ただちにお礼状を書いて現地でポストに投函すること〟が営業活動の基本である。」〟という話しを聞きました。この事例は、本番だけではなく事前に準備しておくことと事後にフォローすることがいかに大切であるかということを示唆しています。
  我々も日常生活の中で、ついついお礼状をお出しするタイミングを逸してしまうことが多くありますが、後回しにするのではなくすぐに手紙を書く習慣をつけておきたいものです。

2009年11月11日

読書週間を終えて

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  11月3日の文化の日を挟んだ10月27日から11月9日の2週間は『第63回読書週間』ということになっていましたが、皆さんはどれくらい読書をされましたか。
先日、本校の生徒達の図書室における貸出冊数を調べると過去半年間で平均5冊強で、決して多いとは言えません。また個人差が極めて大きく、概して読書量の多い生徒の学力が高いようです。
  最近、気になるのは年々活字離れが進んできており、本だけではなく新聞を読まない若者も増えてきているということです。この原因は色々考えられますが、テレビを主とするメディアやパソコン・携帯端末の急速な普及が上げられるように思います。私も毎日往復約3時間かけて電車通勤していますが、新聞や本を読むより、携帯端末を操作している人の方が圧倒的に多いようです。この結果、日本人の国語力が急速に低下してしまいました。そして、大学入試においても設問の意味を理解することができないため正答を導き出せない生徒も増えてきているようです。
  読書の鼓吹、図書文化の普及、良書の推薦を目的とした読書週間のルーツは、はるか大正時代(1924年・大正13年)にまで遡りますが、戦争によって一旦廃止されました。そして、戦後間もない1947年(昭和22年)、“読書の力によって平和な文化国家を創ろう”という決意のもと出版社,取次会社、書店、公共図書館、新聞・放送のマスコミ等の関係者が結集して見事に復興し、名称も『第一回読書週間』とされ、翌年の第2回目からは現在の形になりました。以降、「読書週間」は日本の国民的行事として定着し、各家庭においても、幼少の頃から子ども達に本を与えてきたのです。この結果、日本は世界有数の「本を読む国民の国」となりましたが、これまで日本が高い教育水準を維持することが出来たのは、この読書力が大きな要因であるのは間違いありません。
  〝自ら学び、調べ、考える〟という習慣をつけることは生徒達が将来社会に出た時に大いに役立つと思っています。これからも、大いに読書を奨励していきたいものです。

2009年10月31日

鳥取出張を終えて

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  一昨日は鳥取県の公立の高校、中学校、小学校、特別支援学校の校長先生を対象に講演を行ない、昨日は鳥取大学を訪問しました。この2日間の鳥取県出張では色々なことを感じましたが、その最大のものは〝鳥取県は日本の縮図である〟ということです。今、鳥取県で起こっている過疎化は鳥取県だけの特別な状況ではありません。私がかつて勤務していた四国でも同様のことを経験しましたし、日本の他の地域でも同様のことが起こっていると思います。そして、この傾向は今後ますます顕著になってくるのは間違いありません。
  鳥取県の人達は、地元に大きな産業もないため生徒達は県外に出て行って帰ってこない。そのため過疎化するのは仕方がないと半ば諦めておられるようです。鳥取県としても企業誘致等を考えておられると思いますが、多くの地域が同じような動きをしても実現することは簡単ではありません。
  学校経営についてお話したのは〝差別化〟つまり〝他にない特色づくり〟ですが、経営という観点で見ると鳥取県としても差別化をはかるということが大切ではないかと思いました。鳥取には大山を中心とした素晴らしい自然環境や海の幸にも恵まれています。東京や大阪のような都会に住む人から見れば羨ましいことも数多くあります。県外から来られている鳥取大学の教授の皆さんも鳥取の良さを訴えておられました。また、鳥取大学の学生も県外出身者が多く90%が下宿生活をしているそうですが、同様の見方をしているようです。
  大都市を真似るのではなく〝癒し〟や〝安らぎ〟をキイワードにし、環境という切り口での活動を推進することによって地域の活性化をはかっていくことが必要ではないかと感じました。

2009年10月30日

鳥取大学を訪問

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  10月30日(金)、鳥取大学を訪問しました。同大学はJRの鳥取駅から倉吉、米子方面行きの列車で二つ目の〝鳥取大学前駅〟から徒歩5分のところに位置しています。同大学のルーツは明治7年の小学校教育伝習所です。その後、幾多の変遷を経て昭和24年5月鳥取大学に再編スタートされ、今年創立60周年を迎えています。
  最初に入試センターを訪れ、三宅貴也教授と森川修准教授にお会いしました。冒頭、本校から農学部のAO入試を受験した生徒が、先日合格の通知を受け取り、本年度の国公立大学合格の第一号となったことに対するお礼を申し上げた後、色々と意見交換させていただきました。今回の訪問に際しては、本校をよりご理解いただくために事前にパンフレットや環境に関する取り組みに関する資料をお送りしましたが、話の中で本校のホームページもご覧いただいていることが分かりました。私からは本校の学校改革の内容や環境教育の取り組み、とりわけ中学2年生が自然学舎で大山登山やサントリーの奥大山ブナの森工場の訪問等を行なっており、鳥取県とは多くの面で関係が深いことをお話し、本校との連携をお願いしました。
  その後、農学部長の中島廣光教授や工学部の細井由彦教授にもお会いしました。中島教授とは前任の芦間高校出身で今年同学部を卒業し現在海外で活動している生徒の話題に花が咲き大いに盛り上がりました。
  現在、本校では環境教育に注力していますが、今後エコスクールの完成を機に更なる充実をはかると共に鳥取大学をはじめとする大学との連携も深めていきたいと思っています。
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2009年10月29日

鳥取県校長総合研修にあたって

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  10月29日(木)、鳥取県教育委員会主催の「校長総合研修」において昨年に引き続いて“特色ある学校経営”というテーマで講演を行なうため、間もなく出発します。今回は講演後鳥取に宿泊し、翌日鳥取大学を訪問する予定です。また、今回の校長研修ではサントリー奥大山水工場の徳田工場長による企業経営の立場からの講演も並行して行なわれることになっています。実は数ヶ月前に誰か企業経営の経験のある方を紹介して欲しいという依頼を受け、徳田氏を紹介させていただいたところ快く引き受けていただいたとのことです。現地で同氏ともお会いできそうで、日頃のお礼も兼ねて色々とお話したいと思っています。
  鳥取県は年々人口が減少し人口も59万人と全国の都道府県では最低ですが、この数字は豊中市と宝塚市を合わせた人口より少ないということになります。一方では大山を中心とした素晴らしい自然環境や海の幸にも恵まれており、都会に住む人から見れば羨ましいことも数多くあります。私はこれまでも何度か学校の特色づくりの中に環境の切り口を取り入れられないかということをお話してきましたが、正直なところこれが十分活かしきれていないように感じています。今回はそれぞれの学校で特色づくりがどれ位進んできているのかも確認してきたいと思っています。
  これからはまさにグローカル(グローバル+ローカル)の時代。鳥取県としての強みを生かした学校づくりを進め、子ども達を育てるという高い志で取り組んでいただきたいものです。
本校も環境教育に注力していますし、毎年中学二年生の研修旅行では鳥取県を訪れていますので、これから何らかの形で連携を深めていきたいと考えています。

2009年10月28日

課題を解決する

  これまで、学校と社会との大きな違いは与えられた問題を解くというだけではなく、何が課題なのかを見つけ出し、解決していくことであるということを紹介してきました。
  現在、日本はあらゆる分野において見直しが必要になってきていますが、教育界も例外ではありません。本日(10月18日)午後、初めて大阪府教育委員会会議に出席し、さまざまな懸案事項の説明を受けました。また、先日いただいたマニュフェストにも実に多くの内容が盛り込まれていましたが、これらをやり遂げるためには業務に落とし込むことが大切です。しかし、現下の厳しい経済環境のもとにあっては、ヒト、モノ、カネといった経営資源が豊富にあるわけではありません。まさに限られた資源を有効に使うという発想が必要です。そのためには、まず課題を緊急度と重要度という二つの尺度で分類し、絞り込む、その上でスケジュールを作成していくことが必要です。よく実現性のない例えとして〝絵に書いた餅〟という言葉が使われますが、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうする」ということが明確になっていないと課題を解決していくことは難しいように思います。
  いずれにしても過去の延長線上で物事を考え行動するというパターンから脱却して、新しい仕組み、システムを構築していくという姿勢が必要であると感じています。

2009年10月26日

創立の精神の体現

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     ―小学校での総合発表会―

  先日の学園小学校の総合発表会では、六年生と一年生が合同で学園の歴史を見事に演じてくれました。
  思えば、初代理事長 鳥井信治郎先生の“どうや、うまくいっているか、なんか困っている事はないか”という心温かい言葉に励まされ、先人達が保護者や地元住民の皆さん方と共に築き上げてきた学園も明年60年の節目を迎えようとしています。人間でいえば干支が一回りして元にかえる還暦ということになります。今日に至るまでの諸先輩方のご苦労に思いを寄せると共に学園創立の原点に立ち帰り、創立時とは比べ物にならない施設や設備の整った教育環境の下で働けることを感謝したいものです。
  これまで、昭和26年7月の創刊より本学園の沿革・歴史を一歩一歩着実に記録し続けてきた機関紙「ひばり」も、今年10月には273号を発行するはこびとなりました。同号の巻頭言で私は「社会で活躍する骨太のリーダーの育成」というテーマで本学園の目指す教育についての思いを述べましたが、その基本となる考え方は「創立の精神」の体現です。即ち『孝道を人間の根本義と考え 社会のために尽くす精神を最も尊重し よりよい社会 国家を生み出すべく 心を素直にもち すべてに感謝の念を捧げ 健康な体力とたくましい実践力をもつ強い人間を創ることを念願としています』というものです。
  来るべき創立60周年に向けて、学園に集う全員が歴史をしっかりと胸に刻み込むと共に素晴らしい伝統を継承し、新たな学校づくりに取り組んでいくことが大切であると思っています。

2009年10月19日

横浜市立みなと総合高等学校の取り組み

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  昨日のブログで、横浜市立みなと総合高等学校の角田武彦先生が来校されたということを紹介しました。同校は2002年に開校され8年目を迎えており、学校の基礎固めが終わり、第二ステップにさしかかっていますが、順調に学校づくりが進んできているようです。
  角田先生とは前任の芦間高等学校時代からの付き合いで、年に一度くらいの割合で情報交換していますが、今回の話し合いの中で非常に印象に残ることがありました。それは、以前私が話した「権限とは与えられるものではなく、奪い取るものである」という言葉を胸に刻み、積極的に学校づくりを進めています、という力強い答えが返ってきたことです。
  
  総合学科というのは普通科、専門学科(工業、商業等)以外の第3の学科ということで、1994年(平成6年)から導入され、現在全国には334校が設置されています。総合学科の最大の特徴は将来の進路希望に応じて各教科・各科目を選択履修できる、言い換えると生徒一人ひとりが自分で時間割をつくることができるということです。そして、これを助成するため『産業社会と人間』という科目が設置されています。
  同校では学校としてのマニュフェストを公表しており、「学校ビジョン」としては〝人間力を高める〟、「めざす学校像」としては〝学ぶ力を伸張する学校〟〝キャリア形成を支援する学校〟〝相互理解を深める学校〟、また「めざす生徒数」としては〝知識を活用できる生徒〟〝将来の展望を拓く生徒〟〝暖かな人間関係を築く生徒〟を掲げています。そして、具体的な教育活動として、きめ細かい進路指導や学校生活を見直す週間の設置、学校Webページの活用、学校評価の精度アップ等を公表されています。
  今は政治分野を中心にマニュフェストを公開することが一般的になりつつあります。また、企業では事業経営計画だけではなく都度進捗状況を発表しています。本校も毎年学校経営計画を作っていますが、開かれた学校づくりのためには更に精度を高め、公表していくことが大切であると思っています。

2009年10月16日

大阪府教育常任委員会に出席して

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  10月16日(金)、『教育常任委員会』が開催され、大阪府教育委員の初仕事として出席しました。委員会は各会派の議員15名と大阪府の教育に関わる教育委員会や私学・大学課等の責任者約30名出席のもと定例府議会の時期に開催されています。会議の進め方は各会派からの質問に対して府の各部署の代表が答弁するという方式で、昼食休憩を挟み、約7時間にわたって行なわれました。
  主な質問事項は「卒業式や入学式における国旗・国歌」「小中学校における学力向上策」「公立高校の授業料の無償化」「支援学校の整備」「府立大学問題」「公立高校受入れ枠の拡充」「教員の新規採用」「私学・助成の復活」「小中学校における教育環境の整備」「親学習の充実」「地域と学校の連携」「教員のサポート」「教員の給与」等実に多岐にわたるものです。これらの事項については、どれを取り上げても重要なものばかりですが、限られた経営資源をいかに有効活用して最大の効果を発揮していくかが極めて重要です。そのためには〝これまでの取り組みをしっかり反省すること〟〝多くの課題を緊急度と重要度別に整理すること〟次に〝やるべきことを決めタイムスケジュールを明確にすること〟が必要です。何事を行なうにも、現場、現物、現実という「三現主義」が基本であり、一律ではなくそれぞれの実態にあわせて個別に対応していくことが大切であると感じました。
  委員会の後、教育長をはじめ教育委員会事務局の幹部と教育委員の皆さんによる懇談会が開催されましたが、本音の意見が出され大いに盛り上がりました。 
  本日取り上げられた内容は単に公立についての課題ではなく、私学にとっても大変参考になると思います。これからも児童・生徒を育てるという視点に立って、より一層充実した教育活動を推進していきたいと思っています。

2009年10月15日

宮坂政宏氏にお会いして

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  10月15日(木)、株式会社『日本教育綜合研究所』の宮坂政宏氏が来校され、さまざまな教育課題について意見交換しました。同社は〝こころの教育 モラルの教育 創造性の教育を問い求めます〟というテーマで毎週、『教育PRO』を発刊されています。編集長である宮坂氏は卓越した見識を有する教育のプロフェッショナルで、大阪府を中心に教育行政の歴史や教育動向を正確に把握されています。また教育界における幅広い人脈を活用され、新たな特色ある教育活動を紹介されています。同氏とは8年前に大阪府立の校長に就任して以来今日に至るまで、貴重な情報やアドバイスをいただいてきました。
 この度、大阪府の教育委員に就任することになりましたが、既に色々な方から現場の実態はもとよりご意見やご要望が寄せられてきています。現在、自分なりに課題の整理を行なっていますが、あまりにも多岐にわたっており総花的に取り組んでいくというやり方では到底うまくいかないように思います。「あるべき姿を描く」「現状を正確に分析する」「重点課題を絞り込み優先順位をつける」「目標を設定し個々の業務に落とし込む」その上で「進捗状況を確認する」ということが不可欠です。
 〝教育日本一〟という言葉だけが一人歩きしないように、誰が、何を、いつまでに、どうする、ということを明確にしていかなければならないと思っています。

2009年10月11日

塾の日フェスティバルの開催

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  10月11日(日)、尼崎市のホテル・ポップイン・アミングにおいて『塾の日フェスティバル2009inひょうご』が開催されました。この催しは全国学習塾協会の主催で日本の各地区の持ち回りで開催されることになっており、21回目となる今年は近畿地区の担当です。学習塾協会は1988年に当時の通商産業省(現、経済産業省)の指導・協力により設立された社団法人です。
  本日のテーマは〝学力が危ない!~確かな学力と豊かな人間性教育を求めて〟です。各種の表彰の後、京都大学経済研究所所長の西村和雄教授による〝分数ができない大学生から10年〟という題目の基調講演があり、続いて〝学力が危ない〟というテーマでパネルディスカッションが行なわれました。
  現在、日本の子ども達の学力はゆとり教育の影響もあり、以前に比し大幅に低下してきています。また、豊かさのあまり我慢することもできなくなってきています。更に道徳面でも憂慮すべき事象が数多く見受けられます。
  これからグローバル化が益々進展する中で、世界に通用する人材の育成と共に学力不足に悩む子ども達の育成をはかっていかなければなりません。このためには学校も塾も画一的な指導ではなく、個々の子ども達に合ったきめ細かい指導をしていくことが大切です。塾や学校という教育の場は心のふれ合いがベースになければならないと感じました。
 
  なお、この催しに先立ち、〝今後求められる人材の育成と私教育のかかわり〟というテーマで座談会が開かれました。私もメンバーとして参加しましたが、この内容は『新未来』という冊子に掲載され、本日の出席者に配布されました。
是非、ご意見、ご感想をお聞かせいただきたいと思っています。

2009年10月05日

地理や歴史を学ぶ

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  一昨日、2016年のオリンピック開催地に決定されたブラジルのリオデジャネイロのことを紹介したところ、〝最近学校でも世界の国について教えなくなったため、あまりにも世界のことを知らない人が多くなっている。これからグローバル化がますます進展する中で、もっと諸外国のことを教えるべきではないか〟というメールをいただきました。この意見には私も同感です。ゆとり教育の影響で社会科の時間が削減され、地理や歴史の時間が極端に少なくなりました。この結果、日本の都道府県や世界の国々についての知識は極端に乏しくなってきています。振り返ると、私の小学校時代には日本の各都道府県の地図や県庁の所在地、世界の主要な国の首都や主要な歴史年表等はほとんど記憶していたように思います。しかし、今は中学生でも十分な知識を持ち合わせていないようです。

 以前、イラクを知らない高校生が3割もいるということや世界の国がどれ位ありどれ位の人口がいるかというごく基本的なことすら知らない人が多いという現実に愕然としました。もっと世界に目を向けていくためにも、これからこの校長通信を通じて機会ある毎に世界や日本の状況について紹介していきたいと思っています。

 この一環として次回は近年成長の著しいブラジルについて掲載する予定です。

2009年10月01日

大阪府教育委員就任にあたって

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(2009年10月2日 神戸新聞 了解済み)

  本日10月1日付で大阪府の教育委員に就任することになり、橋下知事から辞令を拝受しました。主な仕事は、月一回および臨時の教育委員会会議に出席して〝大阪府の教育行政の基本計画や基本方針の決定を行なう〟というものです。これ以外にも学校視察、市町村教育委員会との意見交換会、知事との意見交換会、府議会への出席等があります。現職を継続しながらの勤務になりますので、ますます多忙になりますが、世の中にお返しするという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
  振り返りますと、8年前にパナソニック(株)を退職し、大阪府初の民間出身の校長として、大阪府立守口北高校(兼)芦間高校の校長として4年間勤務させていただきました。その後、雲雀丘学園中学・高等学校校長として4年目を迎えています。この8年間、教育の仕事に従事させていただいた感想を一言で表わすなら〝このままの状況では日本の将来は危うい〟ということです。
  今、世界はグローバル化や情報化の急速な進展に伴い、大きく変化してきています。特にリーマンの破綻に端を発した今回の恐慌によってアメリカの一極集中体制が崩れ、BRICs諸国を中心とする多極化体制への移行が進みつつあります。また、人口爆発による環境問題、食料・水・エネルギー・資源の争奪といった問題も今後深刻さを増してくることが予想されます。
  これまでわが国は高度な技術力に立脚した自動車や電機、工作機械に代表される物づくりによって世界をリードしてきました。そして、これを支えてきたのは高い専門知識やスキルを有する人材であったのは間違いありません。しかし、ゆとり教育の導入や子ども達のハングリー精神の欠如等の結果、日本の子ども達の学力は国際比較においてここ数年顕著に低下してきています。このままでは技術立国としての地位は揺らぐことになり、さまざまな産業においての空洞化が進むことになります。
  広大な国土にも、豊かな資源にも恵まれない日本が今後世界から認められていくためには〝世界に通用する骨太の人財(材)の育成〟をはかり、技術立国を目指していかなければなりません。このように考えると、二十一世紀における日本の最大の課題は『教育』ではないかと思います。私も微力ながら高い志を持って〝将来の日本を背負って立つ人材〟を育成していきたいと決意していますので、今後ともご指導、ご鞭撻賜わりますようお願いします。

2009年09月20日

教職員の気づき(Ⅱ)

 引き続き四日市高校の教職員の気づきを紹介します。
 ⑥生徒が「宿題が多すぎてできない」というのは本当か
   →宿題が終わらないのは生徒の時間の使い方に問題がある
 ⑦二次対策かセンター対策か 二次重視は正しいか
   →二次重視から「センター対策も重視」へ転換すべき
 ⑧「文武両道」本当か、クラブと学習は両立するか
   →部活動で頑張った生徒の合格率は高い
 ⑨教室内の整理整頓は学習に影響するか。掲示物、ゴミ、空き缶
   →古い汚れた期限切れ掲示物の撤去、ゴミの片付け、空き缶整理を徹底することが学習効率・生徒のやる気を促進する
 ⑩追い上げ、結果を出す  ライバル校の進路指導はどうなっているのか
   →ライバル校に学ぶことが大切である
 以上の10項目は多くの学校においてもよく議論される内容です。四日市高校ではしっかりと検証され教育活動に反映されていますが、参考になるところが数多くあります。
現在、本校は新しい学校づくりに向けてさまざまな取り組みを行なっていますが、これからも他校の良いところを積極的に取り入れていきたいと思っています。

2009年09月19日

教職員の気づき(Ⅰ)

  昨日紹介した四日市高校では、先生方が自ら〝東大と京大の合格者を50名出す〟という目標を掲げておられます。この実現をはかるため、進路選択に向けては「繰り返し行なう個人懇談」「東大・京大見学会」「保護者大学見学会」「大学出前授業」「卒業生による話(ようこそ先輩!)」等さまざまな取り組みを実施されていますが、圧巻は何といっても『学力検討会議(3年生は進路検討会議)』です。この会議は学年主任、学年進路係、各教科担当が中心となって、学年全体の状況を把握して「成績不振者へのフォローの手立て」「実力アップ用の指導」「土曜学習会の内容」を検討しますが、何と1日5時間の会議を3日間かけて行ない、生徒1人ずつの弱点を徹底的に洗い出すというものです。
  そして、教職員の気づきとしては次の10点をあげておられます。
①なぜ、成績推移は毎年同じこと(2年生の11月模試成績の落ち込み)がくりかえされるのか
  →課題管理の徹底と中だるみ意識の克服 
②なぜ、学年によって強化の優劣があるのか
  →教科を超えた組織的指導で課題料を調整、生徒の中に教科優先順位をつくらない 
③理科の本格的な学習開始は国数英の完成(3年生前半)からという考え方は正しいか
  →理科のスタートは2年生の9月、英数国と同時に強化が必要 
④「勉強は自主的なもの、学校がさせなくても良い」、「本校の入学生なら中学時から自主的にやれるはずである」という見方は正しいか
  →家庭学習の習慣ができていない、1・2年は課題で引張り3年の自主的学習につなぐ
⑤生活指導を厳しくすることと学習習慣との相関はあるのか
  →しつけ指導と学習は連動する
                                               《続く》

2009年09月18日

高等学校校長会の開催

  9月18日(金)、神戸市総合教育センターにおいて『平成21年度兵庫県普通科高等学校長会第23回総会・研究協議会』が開催されました。この会は兵庫県内の高等学校が県立・市立・私立の設置者を問わず、一堂に会する唯一の会です。本日は午前の総会に続いて午後からは三つの講演がありましたが、とりわけ「三重県四日市高校」の大橋眞校長先生による事例発表は実に興味深いものでした。同校は明治32年創立で110年の歴史を有する伝統校で全校生徒は1076名です。学校教育目標は「国際的に活躍できる創造力豊かな人材の育成をはかるため、個性の伸張と人格の陶冶に努める」「生徒・保護者・県民の方々の願いに応えることができる全国屈指の進学校をめざす」というものです。この目標を受けて学校経営の基本テーマは『三重県でトップの卓越した学校づくり』です。
  大橋校長の話の中で印象に残ったのは「教職員がこの基本テーマ(理念)を共有することが何よりも大切であり、一人ひとりにどうしていきたいかを尋ね、この理念に賛同できない人には転勤してもらう。そうしないと一つの方向に向かうことはできない。理論や言葉だけではなく気持ちで動く教員でなければ学校づくりはできない。学校を動かす力は教職員が現状に対して何かの気づきや問題意識を持つことが大切である。」という言葉です。
  平成20年の大学合格者数は国公立大学236名で、東京大学 12名、京都大学17名、大阪大学17名、名古屋大学38名となっています。そして、現在教職員の満足度は95%、全員がプライドを持って教育活動を行なっており、東大、京大あわせて50名をめざしているとのことです。
そして10項目にわたる教職員の気づきを紹介されましたが、大変参考になる内容なので後日掲載します。

2009年09月16日

危機感が学校を変える

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  9月15日(火)、近年大学進学実績において顕著な伸びを実現されている開明中学・高等学校を3名の先生と共に訪問しました。
  最初は中学・高等学校の両教頭先生から「進学校としての歩み」と「開明の教育活動」についてのお話をうかがいました。その後本校の先生とは別行動をとり、校長室で森田校長先生と〝インフルエンザ対策〟〝大阪における私学の現状〟〝これまでの公立と私立の経緯〟〝今日に至るまでの苦労話〟等さまざまな意見交換をさせていただきました。
  この中で衝撃的だったのは、〝30年前までは学力面において厳しい生徒達が入学してきており、とても進学校と言える状況ではなかった〟という言葉です。〝このままでは学校は生き残れない〟という危機感から先生方が何とか進学校に変えたいという思いで必死に取り組み、この結果やっと難関私大に合格する生徒を出すことができるようになったそうです。更に国公立大学への合格者を増やすために「国公立のコース制の設置」「中学校の開設」「男女共学化」「スーパー理数の設置」と相次ぐ改革を断行されてきました。とりわけ中学校の設置にあたっては全国をくまなく巡回し、他校の良いところを徹底的に調査される等大変な努力をされたようです。このような取り組みが実を結び、共学の一期生が卒業した平成19年には国公立大学合格者の大幅アップを達成されました。更に現在は平成18年に設置したスーパー理数の生徒の育成に注力されています。
  お話していて強く感じたのは、森田校長をはじめ両教頭先生、教務部長が現状に満足することなく危機感を持って新たなチャレンジをされているということです。まさに先生方の危機感が学校を変えてきたのです。
  現在、国・地方・企業・学校等すべての部門において改革が必要になってきています。これが成功するためには構成メンバーの意識改革が不可欠ですが、意識は人に言われて変わるものではありません。自分達のおかれている状況を客観的に分析することにより危機感が生まれ、意識が変わり、行動が変わるのです。私学を取り巻く環境は大きく変わろうとしていますが、今回の訪問で多くのことを学ぶことができました。ご多用中にも関わらず貴重なお時間を割いていただき心より感謝申し上げます。


2009年09月08日

社会人基礎力~チームで働く力を育てる

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  文化祭ではそれぞれのクラブやクラスの活動発表がありましたが、これらの活動を通じて身につけた力は社会に出てから大いに役立ちます。単に知識を習得するだけなら別に学校に行かず独学でも可能ですが、これだけで将来社会で活躍できるということはありません。何故なら社会では人間関係が非常に大切になるからです。
  最近企業の人事担当の方と話しをすると〝必ずしも大学や高校での学力(狭義)が社会で役立っていないケースが多い〟という言葉が返ってきます。何故なら社会ではひとりで仕事をすることはほとんどなく、何らかの形で人とのつながりを持ちながら仕事をしていくことになるからです。従ってチームで働く力が非常に大切であるということになりますが、このような力は単なる教室の授業の中だけでは身につきません。
  少し前のことになりますが、平成18年の2月に経済産業省から『社会人基礎力』についての注目すべきレポートが発表されました。これは私が常々言っている『社会で役立つ力』と共通するものですが、大きく「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」という3つの力に分類されています。その能力の中でも特に「チームで働く力」は重要です。これは職場における人間関係のベースになるものですが、実際は仕事だけではなく社会生活全般に必要な能力であると言えます。また、これからますますグローバル化が進展する中では、異なる国の人達と共に仕事をしたり、生活することも増えてくるでしょう。
学校での集団行動を通じて、チームで働く力を身につけて欲しいと思っています。

2009年08月30日

2010年度私学教員適性検査の実施

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  8月30日(日)、昨年度に引き続き須磨学園中学・高等学校において「2010年度兵庫県私学教員適性検査」が実施され実行委員として出席しました。実行委員は8校の理事長・校長があたることになっており、今年の実行委員長は実施校の西泰子理事長です。
  この適性検査は「兵庫県私立中学・高等学校連合会」の主催で毎年8月の下旬に実施されており、実行委員の学校が持ち回りで担当することになっています。今年の受検申込者数は487名で昨年度の576名を大きく下回りました。また、当日欠席者も57名あり最終の受検者は430名ということになりました。学校にとって優秀な教員の確保は最重要課題ですが、このように年々受検者の減少という状況が続くのであれば新たな取り組みが必要なのかも知れません。
  適性検査は国語、地理歴史(日本史・世界史・地理)、公民(政治経済)、数学、理科(物理・化学・生物)、英語、家庭の各教科に分かれて9時30分から80分の専門科目と50分の論文記述が行なわれ、大きな問題もなく無事終了しました。この試験結果は厳正に採点の上、9月下旬には兵庫県私学連合会の『適性検査受検者名簿』に登録され、各校の教員採用の参考資料になります。
  本日は、実行委員のメンバーで各試験会場の巡回と学校の施設見学の後、さまざまな意見交換をさせていただきました。普段、このような機会はほとんどないため大変参考になる内容が多かったように思います。
 最後に、会場校としてきめ細かい準備をしていただいた須磨学園の教職員の皆さんに心より感謝申し上げます。 

2009年08月29日

今後求められる人材の育成

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  8月29日(土)、『今後求められる人材の育成と私教育のかかわり』というテーマで対談を行ないました。対談のメンバーは、白藤学園理事長の土谷宗一氏と木村総合学院塾長の木村美津子氏と私の三人で,司会は塾(株式会社ホリエ)社長の荒川雅行氏です。
  現在、日本では〝フリーターやニート〟〝大学入学後の燃え尽き症候群〟〝倫理観の欠如による犯罪〟〝大麻汚染〟〝不登校〟の増加等さまざまな社会問題が現出してきています。
  このような問題に対して、私達はともすると政治が悪い、企業が悪い、大学が悪い、高校・中学・小学校・幼稚園が悪い、保護者が悪い等他責にする傾向があります。また、このような現象面に目を奪われ対処療法的な取り組みを行ないがちですが、これだけでは抜本的な解決にはなりません。
  日本では学校や塾で勉強するのがあたり前になっていますが、学校や塾があるのは人間社会だけで、他の動物はすべて親が子に教えています。他のことを考えず自分が生きていくことだけを最優先するなら動物と変わりませんし、学校も塾も要らないでしょう。人間は自分ひとりでは生きていけません。互いに助け合って生きているのです。大切なことは子ども達が将来社会のため人のために役立つという気持ちを持つようになることです。このように考えると教師の重要な役割は子ども達が夢や希望を持てるように導いてあげることであると思います。また、本校の教育方針でもある家庭との連携による「共育」や親も教師も全員が勉強するという「共学」の姿勢も大切です。
  本日は人材育成や私教育のあり方について色々とディスカッションしましたが、教育の仕事に携わる者は〝将来日本を背負って立つ子ども達を育てる〟という強い思いを持つと共に子ども達から尊敬される人間力を身につけていかなければならないと感じました。

2009年08月21日

スポーツ障害と治療法

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  養護教員研修会の午後は岩崎安伸先生による『養護教諭の知っておくべきスポーツ障害と治療法』でした。同氏は1983年に和歌山県立医科大学を卒業後、テキサス大学Southwestern Medical Center,Dallas,USA、神戸大大学院を経て神戸大整形外科、神戸労災病院整形外科、新須磨病院等で勤務された後、平成4年から2年間、米・テキサス大でスポーツ選手の治療、肩、ひざの手術を学ばれました。
  現在はポートライナーの『先端医療センター前駅』のすぐ近くで加齢に伴う肩や膝の痛み、スポーツによる関節の障害でスポーツや日常生活に不便を感じている方々のために、入院施設を有する『あんしんクリニック』を開業され最先端の医療を行なっておられます。また、いくつかのプロスポーツチームのチームドクターとして選手らの診断、治療にもあたっておられます。
  講演ではパワーポイントを使って〝障害には急性のものと慢性のものがあること〟〝熱中症や虚血性心疾患に代表される急性障害については一旦起きると死にいたることもあるため万全の対策を講じておくこと〟〝スポーツ活動中の障害発生調査によると年間で約10万件が発生。男女別に見ると女性は捻挫、男性は骨折が多く、全体の76.2%が球技で次いで武道の7.6%、陸上の7.3%の順になる。球技の中ではバスケットボールがトップで35.6%、続いてサッカー18.2%、バレーボール14.6%、野球12.3%となっていること〟〝これらのスポーツ障害に対する治療法が格段に進歩してきていること〟等を分かりやすく説明していただきました。
  特に〝膝の十字靭帯の切断〟〝膝の半月板の損傷〟〝椎間板ヘルニア〟〝アキレス腱の切断〟等に対する内視鏡を使った手術法を動画により紹介していただきましたが、医学の格段の進歩に驚きました。これらの最先端の治療法によって、回復までの期間が大幅に短縮できるようになったとのことです。
  今回の研修は養護教諭として参考になることが多かったのではないかと思います。
  お忙しい中、時間をとっていただいた大野先生、岩崎先生に心よりお礼を申し上げます。

2009年08月20日

養護教員夏期研修会の開催

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  8月20日(木)、兵庫県私立学校養護教員の夏期研修会が舞子ビラで開催されました。夏休みということでしたが、参加者は38名で参加率は7割超、主な内容は午前と午後の二つの講演と地区別交流会です。
  午前中の講演は兵庫県カウンセリング協会理事、尼崎市カウンセリング協会会長の大野悦子先生による『保健室でできる子どもへのかかわり』でした。受講者がいくつかの小グループに分かれて色々と話し合いを行ないましたが、先生によると〝子ども達にとって「保健室は学校の中で唯一のホッとする所」「訪れるだけで養護の先生の顔を見るだけでちょっとした安心感が得られる所」「特別のことを言わなくてもそのままを受け入れてくれる所」ということになります。その後、昼食をとりながらの地区別情報交換会では現状の課題や取り組み等に関する活発な意見が出されたようです。
  まさに保健室は学校におけるオアシスであり、養護教諭にとっては子ども達の心を開かせる包容力が何よりも必要でないかと思いました。

  午後からの講演は「あんしんクリニック」を開業されている岩崎安伸院長による『養護教諭の知っておくべきスポーツ障害と治療法』でしたが、大変興味深い内容でしたので別途紹介します。

2009年08月12日

八冊の手帳の活用

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  最近は本や新聞だけでなくインターネットや携帯メールの普及によって実に多くの情報を入手することが出来るようになってきました。しかし、これらの情報を活用するためにはジャンル別に分類し整理をしておくことが不可欠です。
 
  以前、ある大学教授の方から〝校長は色々な話題について語ることが出来るようにしておくことが大切である。少なくとも5つくらいの分野についてしっかりとした見識を持つようにして欲しい。〟という話をうかがいました。確かにその通りだと思い、早速分野を決め実行することにしました。まず「教育」、次に「環境」「健康と食」「経営・マネジメント」「格言・金言」の5つの分野を決めました。次に五冊の手帳を作り、これまで保管していたカードや色々なサイズの紙情報を整理することにしました。情報カードの場合には、かさばるために持ち運びが難しいという欠点がありますが、手帳というコンパクトな形にすることで常に持ち歩くことが出来るようになりました。最近は朝礼での話や校長通信のネタはこの中から選ぶようにしています。更に「社会のトレンド・企業活動」と「日本の文化・伝統」「雑学」を加え、現在は八冊の手帳に必要な情報を書き入れるようにしています。
  この夏休みには、新聞の切抜きや書物からの未整理の情報を加えることにより、これらの手帳の充実をはかっていきたいと思っています。

2009年08月09日

兵庫私学 中学・高等学校展を終えて

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  8月9日(日)、三日間にわたる兵庫私学 中学・高等学校展が終了しました。本校のブースには数多くの児童・生徒や保護者の方がお越しになり、熱心に我々の説明に耳を傾けていただきました。学校説明会やオープンスクールに参加して入学を希望するようになられた方、本校のホームページを見て興味を持たれた方、友人から情報を入手された方、塾から勧められた方等さまざまでしたが、一つ一つの広報活動の積み重ねが非常に大切であるということを再認識しました。
  また、中学受験に関しては小学校6年生だけではなく小学校4年生や5年生の保護者の方、高校受験に関しては中学3年生以外に中学1年生や2年生の生徒や保護者の方も多数お見えになり、早くから進学のことを熱心に考えておられることも解りました。 
  特に、中学受験希望の保護者にとっては「一貫選抜コース」・「発展コース」の概要や難易度・合格基準、クラブの活動状況等、高校受験希望者の生徒・保護者にとっては「選抜特進」・「特進Ⅱ」・「特進Ⅰ」の難易度・合格基準、「選抜特進」の就学補助、大学への進学実績等への質問が多く、学校改革に対する注目度が高まってきているように感じました。
  来年には新システムにおける最初の卒業生が大学に進学し、3月には高校の新校舎の完成、4月には中学のコース制が揃うことになります。全教員が力を合わせ更に教育レベルの向上をはかると共に、来るべき創立60周年を機に一層の飛躍をはかっていきたいと思っています。
  本校ではこれからもオープンスクール、学校説明会を開催する予定です。また、お解りにくい点があれば事前にご連絡の上ご来校いただきますようお願いします。

2009年08月08日

兵庫県私学中学・高等学校展始まる

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  8月7日(金)から、第4回目となる兵庫県私学中学・高等学校展が始まりました。前日までに説明資料やパンフレットを搬入しており、各校の担当者は午前10時の開場に備えてそれぞれのブースで来場者を待ち受けました。 平成18年と19年は8月末に開催されていましたが、昨年度からは8月上旬のこの時期に変更になりました。会場は少し手狭ですが、兵庫県の全私学52校が一堂に会して開催される年1回の合同説明会は壮観そのものです。会場入口には各校のパンフレットが山積みされ、『兵庫の私立中学・高等学校ガイド』と各校のブース配置図が配られました。そして開場と同時に生徒や保護者の皆さんが入場され、それぞれ希望する学校のブースに向かい担当者から説明を受けておられました。
  私も昨日と本日の2日間、朝10時から夕方6時まで本校の先生と共に生徒や保護者の方々に説明させていただきました。本校のブースには、両日で100組を超える方がお越しになりましたが、ピークの時間帯にはブース前の椅子席で対応させていただくことになり申し訳なく思っています。私も何人かとお話させていただきましたが、保護者の皆さんの子どもの教育にかける思いがひしひしと伝わってきました。 
  3日間開催のため、最終的にはどれだけの来場者数になるかはわかりませんが、この2日間の来場者は昨年の6250名を上回ったようです。
  
  この催しは明日が最終日になりますが、大阪から大丸神戸店までの所要時間は約30分ですので大阪府在住の皆さんも是非ご来場の上、兵庫県の各私学がどのような教育活動を行なっているかを確認していただきたいと思っています。

2009年08月06日

第4回「兵庫私学 中学・高等学校展」の開催

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   明日、8月7日(金)から9日(日)の3日間にわたり、次の通り「兵庫私学 中学・高等学校展《合同説明会》」が開催されます。
  場所・・・大丸神戸店 9回特設会場 (JR元町駅東口南側)。
  時間・・・10:00~18:00 個別相談ブース受付
       10:00~20:00  パンフレットコーナー 
(但し 最終日は10:00~18:00)

  この催しは本年度で4回目を迎えますが、兵庫県私立中学高等学校連合会の主催、兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会、日本私立中学高等学校連合会、神戸新聞社、朝日新聞神戸総局、読売新聞大阪本社、大丸神戸店の後援で開催されます。
  兵庫県の私立中学高等学校全校が同一会場に集い、各校の建学の精神、教育方針・内容、特色・魅力等の情報を提供することにより、生徒一人ひとりの能力やポテンシャリティーを開花させる私学選択を積極的に支援することを狙いとしています。各校のブースでは私立学校への進学を目指す児童・生徒・保護者を対象にマン・ツー・マン方式により学校紹介等の説明会を行なうことになっていますので、是非お越しいただき自分に合った学校を見つけてください。

  なお、入場料は無料でご来場者には私立中学・高等学校ガイド2010」を配布させていただくことになっています。 明日は私もこの催しに参加し、素直に他校の良いところを学ばせていただくことによって、更に本校の教育内容の充実をはかっていきたいと思っています。

2009年08月04日

充実した夏休みを送るには~整理整頓

  私はこれまでくり返し〝凡事徹底〟の大切さを訴えていますが、社会で活躍している人は例外なく簡単なこと、当たり前のことを着実に実行されています。この凡事徹底の一つに整理整頓があります。
  机の上に書類が散乱し積み上げられている事務所、さまざまな部品が〝所狭し〟と積み上げられている工場、商品が無秩序に陳列されている売り場で、仕事が円滑に行なわれているところはありません。事務所では代金の請求や回収漏れがあり、書類を探しまわるというケースが見られます。工場では品質不良や労働災害が発生し、売り場では在庫管理が不十分なため過剰在庫や品切れが起こっています。
  また、仕事をてきぱきとこなしている人は常にやるべきことが緊急度・重要度別にキッチリ分類されています。要は職場においても個人においてもいかに整理整頓ができているかがポイントなのです。整理というのは〝要らないものを捨てる〟ということであり、整頓というのは〝必要なものを取り出せる〟ということです。
  〝学校は将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場である〟と考えるなら、中学・高校時代に整理整頓の習慣を身につけておくということは極めて大切です。最近は自分の部屋を持つ子ども達が増えてきましたが、ゲーム機や携帯電話、漫画の本が散乱している中で学習していても学習の効果は上がりません。この夏休みに是非不要なものは思い切って捨て、必要なものが随時取り出せる学習環境を整えて欲しいと思っています。

2009年07月21日

御所市教育委員会での講演

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  7月21日(火)、奈良県御所市の上田貞夫教育長の依頼を受けて、本年度の教員初任者に対する講演を行ないました。上田氏は私の高校時代の同級生であり、母校である奈良高校の校長退職後は私学の事務局長を勤められる等永年教育の仕事に従事されてきており、実に幅広い教育界での人脈を有しておられます。私も民間企業から校長に就任したため当初は戸惑うことも数多くあり、これまで色々な指導やアドバイスをいただいてきました。
  御所市は奈良盆地の西南端に位置し、西には葛城山や金剛山がそびえ立ち南は五條市に連なる総人口約3万1千人の県下では最小の市ですが、目立った産業もないため財政状況は極めて厳しいようです。この中にあって同氏は教育長に就任以来、従来の延長線上の取り組みを見直し、さまざまな教育改革を推進されています。
  本日は今年採用された小学校・中学校の23名の教員に対して、日本や世界の現状と今後、これから社会で必要となる力、学校現場と社会の違い、学校の役割、凡事徹底の大切さ、教員として心がけて欲しいこと等をパワーポイントでお話しました。その後、本日の講演に対して個人的にお礼をしたいということなので、地元のこだわり豆腐店で数時間にわたり情報交換を行ないました。こだわりというだけあって、この店ではすべて国産大豆を使用しており、普通の豆腐とは異なり甘みが口の中に広がりました。  お互いに立場は違いますが、将来の日本を背負って立つ子ども達を育てるという志を持って教育活動を推進していきたいと思いました。

2009年07月11日

養護教員研修会の開催

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  7月10日(金)午後、兵庫県私立学校養護教員研究会総会に出席しました。兵庫県の私学においては各種の研究会を設けそれぞれの活動を行なっており、会長職には各校の校長が分担してあたることになっています。私も雲雀丘学園の中・高校の校長に就任以来この研究会の会長を拝命していますが、これまでなかなか業務の都合がつかずに欠席することが多く、養護教員の皆さんとは本当に久しぶりの顔合わせになりました。
  本日は最初に総会が開催され、「20年度事業報告」「役員改選」「21年度事業計画」についての審議が行なわれました。冒頭の挨拶で、私はまず日頃より生徒の怪我や病気等健康管理や安全管理に対して献身的な取り組みをしていただいていることに対して感謝の言葉を述べました。次いで、昨今は単なる怪我や病気といった肉体的な問題だけでなく心の管理が大切になっていること、特別に配慮を要する生徒が増加してきていること、O157・ノロウィルス・麻疹・インフルエンザといったさまざまな感染症が発生していること等を取り上げ、これらの新たな課題についての的確な対応が必要になってきていること、また各学校においては毎日色々なことが起こっているが、「未然に防ぐ」「芽生えの段階で芽をつみとる」「迅速に対応する」といった危機管理の徹底をはかると共に受身ではなく積極的に行動することが大切であるという話をしました。
  学校現場での諸課題に対応していくためにはこれから養護教員の果たす役割は非常に重要になってくると思います。是非一人ひとりの生徒のために何をなすべきかという強い思いで取り組んで欲しいものです。
 
総会後は『新型インフルエンザについて』と題して国立感染症センターの砂川富正(すながわ とみまさ)先生と土橋酉紀(つちはし ゆうき)先生から講演していただきました。非常に有意義な内容でしたので、別途紹介したいと思っています。

2009年07月06日

魔方陣の不思議

 以前、不思議な数の話題を紹介しましたが、今回は魔方陣の驚異を紹介します。魔方陣(3方陣)というのは縦・横・斜めの数字を足すと15になるという数字の配列ですが、実はこれだけではなく驚くべきことが分かってています。3方陣の代表的なものを紹介します。

          魔方陣.JPG

①上の3方陣のなかの9つの数を,上段左の6を先頭にして右へ618,次に中段も左から右へ753, 下段も同様にして,すべてを順に並べた618753294を1つの数とみる。 ②続いて頭の数の「6」を末尾に回した187532946を次の数とする。 ③その次は,頭の「1」を回したものを3つめの数とする…。 これを繰り返す。
このように繰り返してできる下記の9通りの数は,全部「37」で割り切れます。
     618753294÷37=16723062
     187532946÷37=5068458
     875329461÷37=23657553
     753294618÷37=20359314
     532946187÷37=14403951
     329461875÷37=8904375
     294618753÷37=7962669
     946187532÷37=25572636
     461875329÷37=12483117
  次に,3方陣全体を90度左に回転させてみます。

          魔方陣01.JPG

  最初と同じように834159672を1つの数とみて,次に頭の数「8」を末尾に回す…。 このようにしてできた9通りの数は,全部37で割り切れます。
     834159672÷37=22544856
     341596728÷37=9232344
     415967283÷37=11242359
     159672834÷37=4315482
     596728341÷37=16127793
     967283415÷37=26142795
     672834159÷37=18184707
     728341596÷37=19684908
     283415967÷37=7659891
  更に3方陣を90度回転させて,492357816を1つの数とみる。次に,頭の数「6」を末尾に回す…。 このようにしてできた数は,全部37で割り切れます。
     492357816÷37=13306968
     923578164÷37=24961572
     235781649÷37=6372477
     357816492÷37=9670716
     578164923÷37=15626079
     781649235÷37=21125655
     816492357÷37=22067361
     164923578÷37=4457394
     649235781÷37=17546913
  最後に,3方陣のなかの「2」が左上にくるようにして,276951438を1つの数とみて,同じようにしても, できた9通りの数は,全部37で割り切れます。
     276951438÷37=7485174
     769514382÷37=20797686
     695143827÷37=18787671
     951438276÷37=25714548
     514382769÷37=13902237
     143827695÷37=3887235
     438276951÷37=11845323
     382769514÷37=10345122
     827695143÷37=22370139
  このようにしてできた商の数を,各組ごとに9つずつ足してみると,その和は全部135135135となってしまいます。また,各組の商の一の位だけをみると,1から9までの数がすべてあります。どうしてこうなるのでしょうか。本当に不思議ですね。
  
  魔方陣に関しては、これ以外にも驚きに値するものがあるようですし、まだまだ未発見のものあるかもしれません。また、現在日本にもいくつかの魔方陣同好会があり、情報発信されていますので、興味のある方は一度、調べてみてください。
    

2009年07月02日

ハインリッヒの法則

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  先日のPTAの学級委員会で『ハインリッヒの法則』について話をしました。これはアメリカの技師ハインリッヒが労働災害の事例の統計を分析した結果、導き出し発表したものです。
  災害の起こる確率は重大災害を1とすると、軽傷の事故は29、そして無傷災害は300になるというものです。このことから、多くの企業では〝大きな災害を防ぐためには小さな災害を徹底的に撲滅する〟という取り組みを行っています。そして「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景には、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある。」という警告を発することにより、安全活動を推進しているのです。ヒヤリ・ハットというのは事故に繋がらなくても〝ヒヤリ〟とした、また〝ハッと〟したということがあるということですが、我々の日常生活の中にはヒヤリ・ハットの状態にまでいかない(もしくは自覚していない)が、実は非常に不安全な状態や行為をしているということが相当な件数になっているはずです。しかし、いつもやっていることだからとか、今までも平気だったので大丈夫だろう、ということで続けている不安全行為が、いつヒヤリ・ハットを飛び越えて、一気に重大災害になるかも知れないのです。ハインリッヒの法則として「1:29:300」で言い表されている比率は、よく考えれば非常に高い確率で重大事故を招くことを示唆しています。
  これは学校や病院、その他の多くの部署においても同様です。いつやって来るか分からない災害を未然に防ぐには、不安全な状態や行為を認識し、ヒヤリ・ハットの段階で小さな芽を摘み取るという気持ちで地道に対策を考え、実行していくことが重要であると思っています。

2009年06月14日

関西私塾教育連盟教育シンポジウムに参加して

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  6月14日(日)、関西私塾教育連盟主催の教育シンポジウムに参加しました。このシンポジウムのテーマは『すべての教育関係者が百年に一度の教育危機を元気に乗り切るために』というものです。休日にも関わらず、大学、公立高校、私立中・高、塾等の関係者約130名という多数の方が参加されており、顔見知りの方も数多くおられました。
  冒頭、同連盟の藪木章雄理事長の挨拶があり、続いて立命館大学入学センターの岡本直輝教授から『現下の経済危機は、大学改革にさらに何を必要としているか』と題して基調講演が行なわれました。  最初に立命館大学2009年度の入試志願状況についての説明がありましたが、厳しい経済情勢を反映して志願者は昨年度比89%であったこと、独自方式では大幅減・センター7方式では大幅増、近畿・東海地区で大幅減であったこと、次いで志願者減の要因、これらへの対応策、同学の教育の特色、伸びる学生・伸び悩む学生の特徴、最後に同学の課題についてお話いただきました。
  その後のパネル・ディスカッションにおいては、参加者との間で活発に意見交換がなされ、引き続いて開催された第二部の懇親会でも色々な情報の交換や名刺の交換が行なわれました。

  これから世界は大量生産・大量消費・大量廃棄の経済の枠組みが崩壊し、新たな枠組みが構築されることになります。この国際社会の中で日本が認められていくためには、先端技術に裏付けられた産業の創出とこれを担って立つ人財(材)の育成が何よりも大切になってきます。
  現在、多くの人がそれぞれの分野で教育に携わっていますが、これらの人が高い志を持ち、互いに連携して教育の質的レベルを引き上げていくことが肝要であると痛感しています。

2009年06月05日

人間の歯と食物

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  今週は『歯の衛生週間』ということもあり、昨日に続いて人間の歯についての話題をとりあげたいと思います。
  歯の形は食べ物の種類と関係が深く、肉を食べる肉食動物と草を食べる草食動物、両方を食べる雑食動物では全く異なっています。ライオンや猫などの肉食動物は犬歯が発達しており、肉を裂いたり骨を噛み砕いたりするために歯が鋭く尖っています。奥歯はハサミのようになっていて肉をくいちぎるとあまり噛まずにそのまま飲み込めるようになっています。また、牛や馬や鹿などの草食動物は門歯や臼歯が発達していて、草や果物をすりつぶすために臼のようになっています。これに対して人や猿のような雑食動物は門歯、犬歯、臼歯が平均的に発達しており、門歯は野菜や果物を、犬歯は小魚や肉類を、臼歯は穀類を食べるために必要な形状をしています。
  人間の歯を観察すると全部で32本あり、その内訳は臼歯=20本(62.5%)、門歯=8本(25%)、犬歯=4本(12.5%)であり、臼歯:門歯:犬歯の比率は5:2:1になっています。このことは〝穀物5に対して、野菜・果物を2、魚や肉を1〟という割合で食物を摂るのが人間にとっては最も良いということを示しているのです。
  かつての日本はこの割合の食事が大半を占めていましたが、今は洋食化、惣菜、外食産業の普及によって大きく食生活が変わってきました。そして、この結果としてさまざまな健康問題が起きてきているのです。
  歯の衛生週間にあたって、人間の歯と食物との関係を認識し、自らの食生活を見直す機会にしていただきたいと思っています。

2009年06月02日

共育と共学~漢字の学習

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  本校では家庭と学校が連携して子どもを育てていくという「共育」と本学園に集うすべての生徒・保護者・教職員が学ぶという「共学」を教育方針に掲げています。
  先日の慶應義塾大学の連携講座の中でも「半学半教」という話がありましたし、松下村塾においても共に学ぶという思想が底流にあったようです。また、松下幸之助氏や吉川英治氏も〝万物わが師〟ということを自らの行動指針にあげておられたようです。まさに教えるということは、その何倍も勉強しなければならないということではないかと思います。
  さて、最近はパソコンや携帯を使うため、実際に直筆で文章を書くという機会は極端に減ってきています。また、漢字変換という便利な機能が付いているために日本人の漢字力の低下は顕著になってきているように感じています。先日、知人から『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房 出口宗和著)をいただきました。早速読んでみましたが、わからない漢字や読み方が予想以上にあったため、今は日々の通勤電車の中で学習することにしています。
  また、先週の水曜日に全学年で実施した〝漢字百問大テスト〟の問題を入手し解いてみました。漢字の読み書きに関しては比較的自信がありましたが、残念ながら満点をとることはできませんでした。まさに、いくつになっても勉強することの大切さを痛感しています。
  保護者の皆さんにおかれましても、時間を見つけて一度この漢字百問大テストにチャレンジいただくと共に日頃から「辞書を引く」「手紙を書く」等の手間を惜しまず漢字力の向上につとめていただきたいと思っています。


 

2009年05月27日

1000回掲載にあたって

  平成18年の4月に校長に就任した際、〝開かれた学校づくり〟を目指し、学校情報を積極的に公開しようという思いで書き始めた校長通信の掲載が本日で1000回目になりました。
私にとって何故か〝27日〟というのは、これまで思い出に残る出来事が多かったのですが、奇しくも本日(5月27日)が節目の日になりました。
  初年度は学校での出来事を中心にしていたため、休日や長期休業中にはほとんど掲載することはありませんでしたが、次第に色々な方から感想が寄せられるようになってきました。その中に〝世の中のトレンド〟〝日本の伝統や歴史〟〝食料・水・エネルギーといった環境問題〟について取り上げてはどうかという意見もいただきました。このような感想や意見を受けて、2年目からはあまりテーマを限定することなく、気を張らずに毎日書き続けています。
  私が尊敬している方に上甲晃氏(志ネットワーク代表)がおられますが、同氏は17年にわたって一日も休まず実に6500回にわたりデイリーメッセージを書き続けておられます。どれをとっても質・量とも素晴らしい内容であり、私の校長通信など足元にも及びません。
  毎日掲載するということになると、書くための時間や材料集めに苦労することもありますが、お陰で往復の通勤電車内の時間の使い方がうまくなったように感じています。これからもできる限り継続していきたいと考えていますので、参考になる情報があれば是非ご紹介いただきますようお願いします。

2009年05月13日

挨拶の大切さ~前味・中味・後味

090513chourei1.jpg 090513chourei2.jpg  
  5月13日(水)、高校の全校朝礼を体育館で行ない、次のような話をしました。
 〝前回の朝礼ではしっかりとした挨拶をしなかったために〝出入り禁止〟になった営業マンの話をしましたが、もし彼が大きな声で爽やかな挨拶をしていたら、恐らく得意先の社長から〝君はなかなか良い挨拶をしているね。出身はどこかね。〝というように会話が弾んでいたと思います。このように挨拶というのは人の第一印象を決める大きなポイントなのです。
  皆さんはこの第一印象はどれくらいの時間で形づくられると思いますか。わずか6~7秒という短い時間なのです。第一印象が決まる大きなポイントは挨拶、服装、言葉づかいです。
  人間は知らず知らずの間に評価する習慣が身についています。そして、会社でも個人のお店でも人でもあらゆるものが評価の対象になりますが、概ね「前味」「中味」「後味」という3つのステップを経て決まることになります。
  わかりやすいようにお寿司屋さんの例を取り上げますと、店に入った時の「いらっしゃい」という元気な挨拶や店の雰囲気が前味です。そして、主人のお薦めに従って注文すると出てきたお寿司は実に美味しい、これが中味です。最後に勘定を払うと「有難うございました。またどうぞ」という声と共に両手でおつりを渡される、そして思っていたより安い、これが後味です。このような態度に接するとまた来ようという気持ちになります。この例でもわかるように繁盛しているお店は、前味・中味・後味の3つが揃っています。
  これは人間でも同じです。第一印象が爽やかである。色々と話し合ってみるとなかなか素晴らしい。この人となら末永く付き合いたいということになります。このような人には多くの人達が集まってきます。この結果、数多くの有益な情報が齎(もたら)されることになるのです。社会で活躍するためには衆知をあつめることが大切ですが、皆さんはこの最大のポイントは挨拶であることを是非理解しておいて下さい。〟

2009年04月16日

根っ子を育てる~人間力を磨く~

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  本学園では“将来社会で活躍する人材を育成する”という考えに立って「人間教育の充実」と「学力の向上」の2つを大きな柱として教育活動に取り組んでいます。
  最近はともすると大学受験のための知識の詰め込み式の教育が重要視される傾向がありますが、社会においてはどれだけ豊富な知識を持っていても、これだけでは通用しません。社会で活躍するためには「人間力」と「学力」の2つが必要なのです。このような話をするとしばしば“「人間力」と「学力(知識)」のどちらが大切だと思っているのですか”という質問を受けることがありますが、あえて順序をつけるなら、私は、一番目は「人間力」次いで「学力(知識)」になると思います。
  今年の高校の入学式において、人間を木に例えて話をしました。「学力(知識)」は葉っぱや花にあたり、「人間力」は根っ子にあたります。私達は目に見えている葉っぱや花に目を奪われがちですが、これらは枝に支えられ、枝は太い幹に支えられています。そして、この幹は根っ子に支えられていますが、根っ子は土の中にあるため見えません。しかし、根っ子がしっかりしていないとやがて木は弱り枯れてしまいます。この根っ子にあたるのは「ゆるぎない志」「我慢強さ」「根気」といったものです。また幹にあたるのは「思いやり」「真心」「素直」「情熱」「感謝」といったものです。
  狭い意味での学力(知識)を否定するわけではありませんが、現在のように世の中の変化の激しい時代には、知識はすぐに陳腐化してしまいます。従って絶えず新たな知識を獲得していくことが必要となるのです。新たな葉や多くの蕾が生まれるためには根っ子を育て、幹を太くしておくことが何よりも大切です。是非、人間力をしっかりと磨いていって欲しいと思っています。

2009年03月16日

箱根会議を終えて

箱根会議.jpg 箱根会議01.jpg

  3月15日(日)、JR小田原駅から箱根登山バスで約1時間かけて曲がりくねった坂道を登り、仙石原文化センターに到着しました。早速、受付を済ませて会場に入ると、正面には『日の丸』と志という字が白抜きされた濃紺の旗と、本会議のテーマである "日本、この手で何とかする 今、新しい風を"という看板が掲げられています。続々と入場者が増え、午後1時には、会場は北海道から九州まで全国各地から志を持ってこの場にかけつけられた、500人をはるかに超える人達で埋めつくされました。
  冒頭の挨拶で、上甲氏は"今は自分の会社、自分のこと、目先のことで精一杯という方が多い中で、今日は全国から、実に多くの皆さんがこの会場に駆け参じて下さったことに対し、心より御礼申し上げたい。まさに、感激、感動、感謝で一杯です。正直なところ、この会議を開催したいということを伝えると、中には「バックには誰がいるのか」、「どういう人が賛同しているのか」ということを質問した人もおられた。しかしバックには誰もいない。今の政治の現状はあまりにもひどい、もはや「私達には関係ない」とは言っておれない。このまま任せておいたら日本は沈んでしまうと思う。私が今この会議を持ったのはただ日本の未来のために何とかしたいという純粋な思いだけである。今日はこれから半日にわたって、志を持って取り組んでいる多くの方にお話をしていただくが、この会議が終る時に、この運動をこれから続けていくのかどうかを皆さんにお伺いしたい。賛同者がなければ、この運動をスタートすることはやめ、今日一日の会議としたいと思っている" ということを話されました。
  会議は13時15分から開始され、途中休憩の15分間以外は18時まで実に5時間近くにわたる中身の濃いものになりました。発表が進むにつれて、会場には〝自分達の手で日本を何とかしたい〟という気持ちが高まり、最後の話し手であるジャーナリストの櫻井よし子氏が登場された時には、会場は興奮の坩堝と化しました。
  この会議における青年塾出身者の実践例の発表や政治家の決意表明等どれを取り上げても、感動すべき内容が多くあったように感じましたので、順次紹介していきたいと思っています。

2009年03月15日

日本、この手で何とかする

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  この度、これまでこの通信でも何度か紹介している上甲晃氏が3月14日と15日の両日にわたり、〝新しい国づくりに向けての大決起大会〟を神奈川県の箱根町において開催されることになりました。
  この大会の趣旨は〝このままの政治が続けば、日本は早晩完全に行き詰まる。もはや、政治家に国の舵取りを任せておけない。日本人が、生きる勇気と誇り、そして未来に向けて夢を持てる国づくりの構想を、私達自身が持ち、実現に向けて立ち上がろう〟というものです。そして、国づくりの骨子は『世界一の≪命の国≫づくり』。「世界で、日本くらい、命を大事にする国はない」というものです。
  参加者は、志ネットワークの会員、青年塾の現役とOBの塾生、松下政経塾の出身者、テーマに関する有識者、趣旨に賛同する有志となっています。この箱根会議開催の趣旨が公表されると全国から参加したいという申し出が相次ぎ、当初予定されていた会場を急遽変更することになったようです。
  私も上甲氏からこの話をお聞きし、即座に参加することをお伝えしました。年度末でスケジュールは相当過密になっていますが、日曜日(本日)の午後から開催される本会議に参加することにしました。教育の仕事に就いて7年になりますが、このままの状況を放置しておくと日本の将来は危ういように感じます。今こそ国家百年の計を立てなければならないのではないでしょうか。一人ひとりの力は小さくても、多くの人の志が集まれば大きなうねりになるのではないかと思っています。

志ネットワークのホームページはこちら

2009年03月11日

大阪府民間出身校長

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  3月11日(水)、大阪府教育委員会の島崎英夫参事と栁井淳校長が来校され色々と意見交換しました。栁井氏は民間(金融関係)出身で、この4月からは大阪府立の高等学校に赴任されることになっています。
  大阪府教育委員会は平成14年より〝府立高等学校の特色づくりなどを進めるため、柔軟な発想や企画力、国際感覚、組織運営の手腕など、優れたリーダーシップと柔軟性・熱意・情熱を持った人材を採用する〝という方針で毎年民間出身の校長を募集しており、栁井氏は大阪府としては8人目の民間出身の校長になります。私も7年前、教育界という全く異なる世界に入って驚くべきことが数多くありましたが、民間出身でなければ学校が活性化できないということはないと感じました。民間企業と言っても農林、水産、薬品、鉄鋼、電機、自動車、流通、サービス、金融、運送等さまざまな業界に分かれていますし、この中には多くの会社があるため、民間という一つの言葉で表せるものではないと思います。公立の学校にも素晴らしい方が数多くおられますし、私も4年間の公立高校の勤務を通じて色々なことを学ばせていただきました。しかし、企業にとっても学校にとっても同質集団では考え方が固定化されてしまうことになるため、互いの良いところをとり入れていくことが大切なのではないかと思いました。
  栁井校長におかれましては、是非ゆるぎない志と情熱を持ち〝生徒の育成のために何ができるのか〟という視点に立って〝将来日本を背負って立つ人財(材)〟を育てていって欲しいと願っています。

 

2009年03月09日

勉強ぎらいになる理由

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  世界の国々では勉強したくても学校に行けないという子ども達が数多くいますが、日本では学校に行きながら勉強がどうしても好きになれないという生徒が多いようです。このように勉強ぎらいになる理由は大きく二つあると言われています。
  一つ目は、豊かになり過ぎ何故自分は勉強しなければいけないのかという目的がはっきりわからない。二つ目は、頭が悪いから勉強しても成績は上がらないと自分で思い込んでいるというものです。
  前者に対しては〝何故自分は勉強するのかを早いうちから認識させる〟ことが必要です。そのためには〝今後世の中がどのように変わっていくのか〟また〝将来どのような仕事が生まれてくるのか〟〝これらの仕事を通じていかに社会に役立つことができるのか〟といったことを教えることにより、子ども達に夢や希望を持たせていかなければなりません。
  後者に対しては〝成績が上がらないのは頭が悪かったからではなく、頭を良くするような勉強の仕方をしなかったからである〟ということを理解させることが大切です。言い換えると問題の解き方を教えるよりも「勉強の仕方を教える」ということなのです。これには脳の働きが大きく影響しています。
  この二つのことをやらずに「勉強せよ」ということだけを生徒達に言っても〝やらされている〟という気持ちから脱却することはできず、大きな効果は期待できないように思っています。
 
  なお、脳の働きについては、後日紹介します。

2009年03月08日

終わった後の反省と行動

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  昨日のWBCの日本対韓国戦のニュースを見て、やはりイチロー選手は改めて凄いと感じました。年間200本安打を続け、打率3割というのは当然であると思われているイチローのような選手でも、WBCの前哨戦と初戦の中国戦はバッティングが不調で、何と28打数3安打という極度の不振に陥っていました。特に中国戦においては、5打数でヒットなし、ほとんどが内野ゴロで外野にボールが飛ばないという状態でした。いつもなら内野ゴロでも俊足を生かして安打にするというのがイチロー選手ですが、そのプレーも全くできませんでした。これを見て心配されていたファンも多かったのではないかと思います。
  しかし、韓国との試合では5打数3安打と完全に復調し、イチローの活躍で日本チームは14対2、7回コールド勝ちという快挙をなし遂げました。何故このようなことが実現できたのでしょうか。答えは〝特打ち〟です。中国戦ではバッティングのタイミングがずれて結果が出ませんでしたが、これを修正するためには自分が納得するまで打ち込むしかありません。不振の原因を頭の中であれこれと考えていても解決することはできません。練習して自分でタイミングをつかむことしかないのです。立派な成績を残す選手とそうでない選手の違いはゲームが終わった後の姿勢ではないかと思います。試合では当然ながら上手くいく時もあれば、上手くいかない時もあります。成功する時もあれば失敗する時もあります。大切なことはどのような時にもしっかりと反省し行動することだと思います。これはスポーツでも学習でも仕事でも人生でも同じです。
  先週末で期末考査は終わりましたが、学力に差がつくのはこの時なのです。今日と明日は自宅学習日になっていますが、〝終わった後の反省と行動〟をしっかりとして欲しいと思っています。

2009年03月02日

時間管理術を身につける

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  明日から始まる学年最後となる後期期末考査に向けて、生徒達はそれぞれ学習に励んでいると思います。私自身を振り返ってみてもテストの前日は明け方まで勉強して眠たい目をこすりながら登校し、すっきりしない頭でテストを受けたものです。そして、帰宅すると少し眠った後、また夜中に起き出して勉強するといった状態で、テストが終わるとくたくたになっていました。自分なりには身体が疲れているため、よく勉強したように感じるのですが、所詮一夜漬けに近い状態のため、トータルの勉強時間は限られています。学校生活はテストになるといつもこの繰り返しで反省ばかりしていたように思います。テストの日は事前に分かっているのだからもう少し計画的に勉強していたら、前日になってバタバタすることはなかったはずです。
  このようなことは社会に出てからも何度もあります。しかし、人間はなかなか追い込まれないと行動に起こすことはできません。それまで時間がなかったかと言うとそうでもなく、計画的にやれていなかっただけなのです。1日24時間という時間はどの人にも平等に与えられています。時間はどんどん過ぎていきますし、引き延ばすことはできません。学校の勉強だけではなく仕事や家庭、趣味など人生のあらゆる局面において時間を管理するスキルを身につけることができれば充実した人生を送ることができると思います。私もこれまで何人もの超多忙な人にお会いしてきましたが、これらの人に共通しているのは時間の使い方が極めて上手いということです。言い換えると時間の使い方を変えれば人生は絶対に充実したものになるのは間違いありません。
  生徒達にとっては、これから大学受験という大きな山が待ち受けていますが、〝受験というのは時間管理術を身につける絶好の機会である〟と前向きに受け止めて行動して欲しいと思っています。

2009年03月01日

心に火をつける

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  多くの先生方の悩みは自分が懸命に指導しているのにも関わらず、生徒達がなかなかやる気になってくれない。そのため学力伸張がはかれないということではないかと思います。私も先週までに高校2年生の私立大学への受験を目指している生徒達に対する面接を行ないましたが、将来どのような道に進みたいという明確な目標を持っているかどうかがやる気に繋がっているのは間違いありません。
  今日は休日ということで久しぶりに吉田松陰の書を読み返して見ました。吉田松陰は松下村塾において幕末の志士を多く育てたことで知られていますが、もともとこの塾は松陰の叔父である玉木文之進が設立したもので、松陰が塾生達の指導にあたったのはわずか2年余りでした。そして、弟子入りを希望する若者達に対しては「私はあなた方に教えることはできない。しかし、共に学ぶことはできる。」と言っていたようです。松陰のこのような姿勢が、久坂玄瑞、高杉晋作、吉田稔磨など討幕運動の中で重要な役割を果たしながらも道半ばで倒れた者や伊藤博文、山県有朋をはじめ多くの国務大臣や大学の創始者など近代日本に繋がる大きな役割を果たした人材を育て上げたのです。その後、安政の大獄により江戸伝馬町において斬首刑に処せられました。わずか29歳という若さでした。
  教師のレベルについて、イギリスの教育哲学者であるウィリアム・アーサ・ワードは次のように述べています。
〝凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして偉大な教師は心に火をつける。〟
  教育というものを突き詰めていくと、教えられた側の意識や行動が変わって初めてその使命が達成されると言えるのではないかと思います。生徒の心に火をつける教師を目指していきたいものです。

2009年02月27日

出会いを大切に

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  月日が経つのは早いもので、雲雀丘学園での勤務も間もなく3年になります。振り返るとパナソニック・カンパニー(旧、松下電器)で人事の仕事を20年、関係会社での総務や製造の仕事を10年、営業の仕事を4年、合計34年の企業での勤務の後、全く異なる教育界の仕事に就くことになりました。大阪府公立高校の4年の勤務と合わせると、教育の仕事に就いて既に7年が経過したことになります。
  この間、さまざまな仕事を通じて、実に多くの人とお会いしてきましたが、人の縁というものは本当に不思議であると感じています。もし私がパナソニックという会社に勤務し続けていたら恐らく一生会えなかった人もあるでしょうし、雲雀丘学園に来なければ会えなかった人もあるでしょう。このように考えると人との出会いは実に不思議であると思います。昨日も本日も校外の方や保護者の方とお会いする多くの機会がありました。また、お昼休みには生徒達に進路指導の面接をしましたが、これも出会いのひとつであり、教職に携わる者は一人ひとりの人生を預かっているという気持ちを強く持たなければならないと感じました。
  人が一生に会える人は限られていますが、これからも人との出会いを大切にし、お互いに会って良かった、これからも機会があれば会って色々なことを学びたいというような数多くの出会いを持ちたいと思っています。

2009年02月25日

物や命を大切にする

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  2月25日(水)、本年度最後となる高等学校の朝礼を体育館で行なう予定でしたが、生憎の雨で体育館への移動がスムーズにできないため、急遽放送による全校朝礼を行ないました。
先週の土曜日には新しく建設された仮校舎に移転をしましたが、この仮校舎には貴重な資材が使われています。またトイレットペーパーを取り上げても、この材料として地球の環境保護には欠かせない木々が切り倒されているのです。本校では今、環境を大切にするということを教育の大きな柱として取り組んでいます。先日卒業した高校3年生は高校最後となる文化祭で、「マイ箸」運動や徹底した「ゴミの分別」を行なってくれました。
  また皆さんも気づいていると思いますが、現在高校校舎前のメタセコイヤの枝が切り落とされています。何のためにこのようなことをしているのかと言うと、移植してメタセコイヤの命を守ろうとしているからなのです。このメタセコイヤは今から46年前(1963年、昭和38年)、中高校舎の増築を記念して、当時大阪市立大学の教授であった三木茂博士から贈られた実生が育ってきたものなのです。皆さんは身近なできることから〝物を大切にする〟〝命を大切にする〟〝地球環境を大切にする〟という姿勢を是非貫いて欲しいと思っています。そして、優しさと思いやりの気持ちを忘れず、素晴らしい学校生活を送ってください。

2009年02月24日

出る杭を伸ばす

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  大きな国土も大した資源もない日本が世界で認められるために進むべき道は「科学技術創造を基盤にイノベーションを創出して、国際競争力を強化する」ことであり、「いかに多様性を活用し社会を創造的に活性化するのか」ということが大切です。そのためには人材育成のイノベーションをはかり、グローバルな視点を有する人材を数多く輩出していかなければなりません。日本ではかつて「出る杭は打たれる」という言葉に代表されるように「金太郎飴」的な人材が重宝されました。そして、自分自身で考え行動するよりもトップの指示に従ってひたすら前を向いて走ることにより高度成長を可能にしてきたのです。このように同質集団化を追求し異質な人材を排除してきましたが、グローバル化された社会では金太郎飴は通用しません。これからは「異(異能・異端)が大事」であり、人材育成に対する「国民一人ひとりの意識改革」が強く求められているのです。
  イノベーション(innovation)の語源は、ラテン語の(innovare:新たにする)ですが、(in:内部へ)+(novare:変化させる)という意味です。従来はよく「技術革新」という言葉で言い換えられてきました。しかし本来の意味はこれまでのモノ・仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、永続的に大きな変化を起こすということなのです。同質なものに囲まれていると安心感にスッポリはまりこみ、異質なものがはじき出されるということになってしまいます。
  今の日本を見ると、あらゆる分野でこれまで同質集団化という強みが逆に弱みになってきており、これが発展を妨げる大きな要因になってきています。これからは異質なものを受け入れイノベーションをはかるという「出る杭を伸ばす」姿勢が必要であると感じています。

2009年02月23日

卒業生に贈る~常に感謝する

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  卒業式の式辞の中の三つ目は、〝常に感謝の気持ちを持つ〟ということです。人間は一人で生きているわけではありません。食べる物も着る物もその他生活に必要な物もすべて自分で作っているわけではありません。お互いに助け合って生きているのです。〝生きる力〟と言われますが、人間は多くの人に支えられお世話になって生きている、つまり〝生かされている〟と言えるのではないでしょうか。
  皆さんが今日こうして卒業式を迎えられるのも、お父さんやお母さんをはじめ、多くの人達のお陰なのです。そして、皆さんが卒業されるにあたって、最も喜んでおられるのは保護者の皆さんだと思います。今日、家に帰ったら、是非皆さんの口から直接、お父さん、お母さんに感謝の気持を伝えてください。そして、これからも常に感謝の気持ちを持って周りの人に接していって欲しいと願っています。

  日本人の中には素直に感謝の気持ちを表わすのが苦手な人が多いようですが、感謝できるということは意外と身近なところにあるように思います。
そして、ありがとうという言葉には人間を強める力が宿っており、〝ありがとう〟を口にすることによって心が前向きになるのです。〝今日もご飯がとても美味しい。ありがとう。〟〝お母さんが生んでくれたから今日の私がいる。ありがとう。〟〝先生が熱心に指導してくれたから学力が向上した。ありがとう。〟等です。
日々の生活の中で常に感謝し、ありがとうという言葉を忘れないようにしていきたいものです。

2009年02月22日

卒業生に贈る~果敢に挑戦する

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  卒業式の式辞の中の二つ目は『果敢に挑戦する』ということです。挑戦することの大切さは松下常務理事からも卒業生の皆さんに伝えられましたが、本学園の初代理事長である鳥井信治郎氏は常々〝やってみなはれ。やらなわかりまへんで〟と言っておられたようです。
  皆さんは、将来さまざまな分野で仕事をされることになりますが、社会と学校の大きな違いは、通常〝学校においては与えられた問題に対して答えを出す〟のに対して、〝社会においては自ら問題(課題)を見つけ出し、答えを探り出す〟ということです。学校での正答は一つなのに対して、社会ではあらかじめ正しい答えが準備されているわけではありません。言い換えると答えは定型化された単純なものではなく無数にあるということです。
  また、頭の中でいくら考えても答えの出ないものが多いのですが、高い学歴を有する人は、まず頭の中で考えて答えを導き出そうとしがちです。ところが、頭の中で考えるとすぐに難しいことやできない理由が出てきます。そして、失敗しないかどうか、失敗した時にどうするかということを考えてしまいます。このため、いつになっても失敗を恐れて行動に移すことができず、折角の機会を失ってしまうことになります。
  何事も一度で成功することはまずありませんし、ましてや、成功し続けることなど考えられません。逆に失敗し続けることもありません。成功の裏には数多くの失敗がつきものです。言い換えると、今成功している人は最も数多くの失敗をしてきた人であると言っても良いのではないでしょうか。度重なる失敗にもかかわらず、それを乗り越えて成功した時の達成感や感動が自信に繋がり、人間的に一回りも二回も大きく成長することになるのです。初代鳥井理事長の言葉を常に心に留め、失敗を恐れず何事にも〝果敢に挑戦〟して欲しいと思っています。

2009年02月21日

卒業生に贈る~高い志を持つ

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  卒業式の式辞の中で私は三つのことをお話しましたが、その一つ目は『高い志を持つ』ということです。高い志というのは本校の校是の最初に掲げられていますが、いかなる時代にあっても最も大切なものではないかと思います。ところが、残念なことに現在の日本や日本人にとってこの志というものが失われつつあるように感じます。
  志というのは単にお金儲けをするとか、地位や名声を得るといった野心や野望といったものではありません。野心や野望は〝自分が中心〟になるのに対して、志は〝世のため人のために尽くす〟ということになります。
  私はこれまで多くの社会で活躍している人にお会いしてきましたが、これらの人は、例外なく高い志を持っておられます。そして、志を有する人のまわりには磁石に引き寄せられるように、お金や人材、有益な情報が集まり、逆に自分の利益だけを考えて行動している人からは、これらのものが去っていきます。
  本校では、〝将来社会で活躍するリーダーの育成〟を目指して教育活動に取り組んでいますが、リーダーにとって不可欠な要件は、〝自己を超越して世の中のためにいかに尽くすかというゆるぎない信念を持ち、人の何倍も努力をする〟ということではないかと思います。
  高い志を持ち、目標達成に向けて日々自分自身を律しながら、努力を継続していけば、必ず道は拓けていくと思います。これはまさに本校の校是の実践に他なりません。大切なのは〝利己〟ではなく〝利他〟の気持で行動することなのです。
  これからの人生には平坦な道ばかりではなく険しい山もあれば深い谷もあります。楽しいことばかりではなく、苦しみや悩むことも多々あることでしょう。どのような時にも、是非本校の校是を思い出し充実した人生を送って欲しいと思っています。

2009年02月15日

beauty-of-mathematics

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  昨年の10月22日に「これから大学で学ぶ皆さんへ~微生物を通して~」というテーマで講演いただいた妙田俊夫先生から表記の内容の資料がアメリカから送られてきました。妙田先生は微生物の権威で現在アメリカのデラウェア大学教授、東海大学医学部教授、デュポン研究所ディレクター等の要職に就かれると共にサントリー(株)の顧問として発酵研究に対する指導助言を行なっておられます。
  資料の内容はクリックしていただくとご覧いただけます。私も久しぶりに学生時代に戻り数学の美しさを再認識しました。この資料を数学の先生に転送すると、ある先生から魔方陣に関する資料が返送されてきました。これも非常に興味深い内容ですので、後日紹介したいと思います。

2009年02月07日

素朴な疑問を持つ

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  先日、何故節分に豆まきをするのかという話を紹介しましたが、最近の風潮として何の疑問も持たず行動している人が増えてきているように感じます。勉強にしてもスポーツや仕事にしてもただ言われたことや与えられたことだけをこなしているという姿勢では大きな成長は期待できません。幼児が急成長するのは色々なことに興味があり、常に〝なぜ〟〝どうして〟という素朴な疑問を持つからです。
  昨今のように激動する世の中にあっては、過去の延長線上で行動するのではなく〝何故なのか〟という問いかけを行ない、原点に戻って現在やっていることを見直すという力が必要です。そして、この力をつけるためには日頃から問題意識を持って色々なことに接するという姿勢と課題を解決するための脳の思考回路を鍛えておくことが大切であると言われています。言い換えると〝日常生活において1日最低1つは疑問を持つ。次にその疑問をすぐに誰かに尋ねるのではなく自分自身で調べてみる。〟ことを心がけたいものです。

  ところで、2月に入り既に一週間が経過し、今月は残り21日しかありません。普段は余り疑問を感じずに過ごしていますが、どうして2月には28日(但し閏年は29日)しかないのでしょうか。また「如月」という呼び名はどこから来ているのでしょうか。一度調べてみてください。

2009年02月05日

本年度の私立高等学校の志願状況

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  立春が過ぎ厳しい寒さの中にも随所に春の兆しが感じられるようになってきました。中学1年の生徒達が植えたチューリップの球根からも次々と新しい芽が顔を出し始めました。学校も高校3年生の卒業式を間近に控える一方で、新1年生を迎えるための入試の準備を進めています。
  このような中で、昨日新聞各紙に『兵庫県の私立高等学校42校の志願状況』が発表されました。これによりますと募集定員9909人(20年度比1013人減)に対して志願者数は3万3652人(20年度比172人減)となり、平均倍率はほぼ前年並みの3.40倍、厳しい経済情勢を反映して兵庫県全体の出願数は過去最低という結果になりました。
  この中で本校の選抜特進コースの倍率は27.5倍と全私立校のトップになりました。また、全体の志願者数も846名と前年を111名、15%上回り、前年度に続いて過去最高数の方々に受験いただくことになりました。多くの皆様のご支援に対し、心より感謝申し上げますと共にご期待に沿えるよう教職員一同、気持ちを引き締めて更に努力を積み重ねていきたいと思っています。
  現在、本校では「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という3つの切り口でさまざまな改革を推進し『良循環型の学校経営』を目指しています。また、来るべき創立60周年に向けて今月末より高校の新校舎の建設に着手し、2010年3月の完成を予定しています。素晴らしい学習環境の中で生徒達が健やかに成長し、将来社会で大いに活躍してくれることが私達教職員の切なる願いです。
  今後とも温かいご支援とご指導を心よりお願いいたします。

2009年02月02日

寝屋川市立中学校長研修会に出席して

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  先日、大阪府教育委員会では平成21年度から起用する公立小中学校の民間出身の校長第一号に牧野一徳氏を選出したことを発表しました。配置校が注目されていましたが、寝屋川市の中学校への赴任が決定され、本日牧野氏との顔合わせを兼ねて寝屋川市立の12中学の校長が一堂に会され臨時校長研修会が開催されました。
  牧野氏はパナソニックの子会社で携帯電話の開発・販売を担当するモバイル・コミュニケーションの出身ということもあって、私に民間企業から公立高校に赴任して率直に感じたことを話して欲しいとの依頼があり出席しました。
寝屋川市教育委員会では、以前教頭研修や第五中学の保護者対象に講演をしたこともあり、顔見知りの先生方もおられました。
  最初に自己紹介を兼ねて各校の課題や取り組みを発表していただきましたが、同じ寝屋川市立の中学と言っても、地区によって随分異なる課題があるようです。これらの課題を解決するには多大のご苦労がありますが、校長先生方は学校のトップとして熱意を持って教育活動を推進されておられるようで力強く感じました。私は7年前を振り返って最初の印象を述べた後、「民間企業でやってきた手法がそのまま学校で通用するとは限らないこと。学校にも経営という視点が欠かせないこと。凡事徹底が重要であること。人材育成の基本はOJTであること。開かれた学校づくりを目指すこと。」等をお話しました。
  牧野氏も最初は戸惑われることが多いと思いますが、学校と民間それぞれの良さをとり入れて特色ある学校づくりを目指して欲しいものです。また、寝屋川市の各校が切磋琢磨して新たな取り組みをスタートされることを期待しています。

2009年02月01日

願望を目標に変える

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  これまで目標を持つことの大切さについては何回も紹介してきましたが、よく人に「あなたの目標は何ですか?」という質問をすると「まだ決まっていません」という答えが返ってきます。ところが、一年経って同じ質問をするとまた同じ答えが返ってくることがあまりにも多いようです。この間、色々なことを自分なりに真剣に考えた結果であれば仕方がないかもしれませんが、単に先延ばしをしたため漫然と時間だけが経過してしまったということでは何の進歩もありません。このような姿勢では、〝生きがい〟や〝やりがい〟を持たないまま人生が終わってしまうということにもなりかねません。
  また、中には「将来はお金を儲けたいです」「大きな家を建てたいです」「ビジネスで成功したいです」「○○大学に進みたいです」「プロスポーツの選手になりたい」といった具体的な思いを持っているから大丈夫だという人もいるようですが、これらは単なる夢や願望に過ぎません。夢や願望だけで思いが実現できるということであれば話は簡単ですが、そのようなことは絶対にありません。充実した人生を送るためには願望と目標は違うということをしっかりと認識し、願望を目標に変えていかなければなりません。
  目標のつくり方については次の視点で考えることが必要です。
    ①目標が自分自身にとってプラスになるものであること。
    ②同時に他の人の役に立つものであること。
    ③いつまでにやるという期限を決めること。
    ④最終の到達地点を決め、具体的な計画を立てること。
    ⑤達成のための強い意志を持つ。
  この5つの条件を満たす目標ができれば、あとは行動するだけです。そして、常に自ら立てた目標を確認するために紙に書き目に見えるところに張り出しておくことが大切です。朝には新たな気持ちでスタートし、夜にはその日の行動を振り返って素直に反省する。この繰り返しが必ず目標達成に結びつくものと確信しています。

2009年01月30日

目標を持つ

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  過去、歴史に名を残す偉業を成し遂げた人の伝記を読むと例外なく高い目標とこの目標達成のためのゆるぎない志を持っていたことが解ります。
  また、私もこれまで色々な人にお会いしてきましたが、社会で活躍できるか否かは〝目標の有無〟であると確信しています。言い換えるとそれなりの成功を収めておられる人の共通点は“目標を持っている”ということです。
  ミシシッピー大学の卒業生が40年後にどうなっていたかを調整した有名なデータがあります。
これによると
     社会的に大成功している人は 3%
     かなりの成功をしている人は 10%
     普通の生活をしている人は  60%
     何らかの援助が必要な人は  27%  です。

  この結果を見ると、成功を収めていた人は13%であり、普通の生活や援助が必要な人は87%ということになります。更に、社会的に大成功しているトップの3%は実に具体的な目標を持っており、常にこの目標を意識するために目に付くところに張り出していたそうです。裏返すと何となく生活していて成功した人はいないということです。このように考えるとできるだけ早い時期に将来どういうことをやりたいという目標を持つということが大切なのではないでしょうか。
  今、多くの中学生や高校生は大学に進学することが目標であり、将来社会で何をやりたいかということまで考えている人は多くないかも知れません。しかし、大学進学は手段であって最終目標ではありません。将来の目標と大学進学の目標をしっかりと持ち、これを絶対に達成するという強い思いで日々研鑽を積んで欲しいものです。

2009年01月12日

新成人の意識

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  本日、12日は成人の日ですが、総務省の発表によると新成人となるのは全国では133万人となり、人口推計を始めた昭和43年(1968年)以降最低を記録した昨年を更に2万人減少することになりました。
  成人の日は1948年に施行された「祝日法」により、古来より小正月として元服の儀式が行われていた1月15日になっていましたが、2000年の「ハッピーマンデー法」により1月の第2月曜日に変更になりました。第3月曜日でないのは阪神・淡路大震災の被災者に配慮し1月17日を避けるという意味もあるようです。
  この日は〝おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます〟と定められていますが、祝日にしたのは〝戦後の物資や食糧難の時代に、将来日本を発展させていくためには「人材」が必要であり、国民自身が成長していくことが大切である。〟ということなのです。
  しかし、マクロミルが調査した今年の新成人の意識を見ると、「将来の夢がある」は63.8%、「自分の将来は明るい」は64.1%、「日本の将来は明るい」は18.2%、そして最も重要視しているのは何ですかという質問に対してはトップが「将来の仕事・就職」次いで「お金」、「スキルアップ」・・・・最後が「結婚(家庭生活)」ということになっています。これは最近の世相を反映しているのかもしれませんが、今全世界が直面している大不況は多くの人がお金を得ることが人生の最大の目標と考え行動したことが原因であると思います。自分だけが良ければ他の人はどうなってもかまわないというような自己中心的な考え方では決して世の中は良くなりません。
  成人になると、選挙権、財産処分、飲酒、喫煙といった権利が発生しますが、これを機に「社会に役立つ」という利他の気持ちを育てていって欲しいものです。

2009年01月11日

整理整頓と段取りの大切さ

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  例年、年末年始の休暇に入ると、最初の1~2日は日常の疲れを取るために何もせずにのんびりと過ごし、その後思いつくまま本の整理をする、部屋の片づけをする、年賀状を書く、買い物に行く、等を行なっていた結果、あっという間に大晦日を迎え、多くのことを中途半端にしたまま年を越していました。そして、年明けには年賀状の返事を書くのにほとんどの時間を費やし、気がつくと休暇が終了しているというパターンでした。これでは折角の休暇でありながらリフレッシュすることがなかなかできず、新年の仕事がスタートすることになってしまいます。
  今回はこのパターンからの脱却をはかるということで、昨年末には思い切って不要な資料や書物を整理すると共にやるべきことをすべて書き上げ休暇中のスケジュールを明確にしました。また、年賀状を作成する際に使用する住所録も事前に整理しパソコンに登録するという作業をしておいたため、年賀状の作成時間が例年に比し大幅に短縮できることになりました。この結果、年末・年始には随分と余裕が生まれたように思います。
  大きな反省は、必要な記事の切抜きをするために捨てずに取っておいた膨大な量の新聞の整理は十分できなかったことです。また、読み終えた本を読み直してみると、参考となる内容もほとんど頭の中には残っていないということも解りました。従ってこれらの新聞や本の中の必要な内容は都度書き留めておくことが必要であると痛感しました。
  私はこれまで仕事をてきぱきとこなす多くの人を見てきましたが、この人達の共通点は常に整理整頓を心がけると共にしっかりとした段取りをしておられるということです。机の上と手帳を見ればその人の仕事ぶりが分かると言われますが、私自身も反省すべき点が多いように思います。。
  今日はいただいた年賀状を整理し、住所録への追加や削除等の変更を行ないましたが、今年はまず身のまわりの環境を整えるということをテーマに整理整頓と段取りを心がけていきたいと思っています。

2009年01月01日

新年を迎えて~逆境に打ち勝つ

元旦
  明けましておめでとうございます。
  100年に一度という世界大不況の中でいよいよ新しい年がスタートしました。昨年はグローバル化が進む中でアメリカ発の金融問題は瞬く間に世界全体に波及し、日本経済にも大きな影響をもたらしました。株価は40%も下落、企業業績は急速に悪化、失業者は増加、個人消費は低迷等まさに先が見えない逆風が吹き荒れています。このような状況下にあっては、ともするとなかなか前向きに考え行動することができないものですが、〝厳しい〟という言葉を100回唱えても何も変わりません。むしろプラス思考で行動することが大切です。そのために、今年はこの校長通信においてもできるだけ元気の出る話題を紹介していきたいと思っています。
  私が勤務していた松下電器(現、パナソニック)の創業者である松下幸之助氏は「好況よし 不況さらによし」という言葉が口癖でした。この意味は〝景気に左右されている限り企業は発展することができない。人間は危機になれば智恵を絞り出すことになるため、新たな製品や技術を生み出すことになる。また、人が育つ絶好のチャンスである。〟ということです。
  過去の歴史を紐解いてみると、不況の時に時代を変える大きな技術革新が起きています。トヨタ自動織機が自動車部を設置したのは1933年、コピー機やポラロイドカメラが開発されたのは1937年(世界恐慌後)、コンピュータの開発は1945年(第2次世界大戦後)、ソニーがウォークマンを発売したのは1979年(第2次石油ショック後)、グーグルの設立は1998年(アジアの金融危機後)、アップルがiPod発売したのは2001年(ITバブル崩壊後)です。
  このように見ていくと、今回の不況は新しい技術革新が起き時代が変わるチャンスであると言えます。そして、アメリカの一極集中体制が崩れ新しい世界の枠組みが形成されるようになると思われます。
  今年の干支は〝丑〟ですが、白川静氏によると丑という漢字は「指先に力を入れて強く物を取る形」を表しているようです。まさに危機は何かを掴み取るチャンスです。〝逆境に打ち勝つ〟という強い思いを持って行動していきたいものです。
どうか本年も宜しくお願いします。

2008年12月22日

ダイヤモンドの原石を見つけ出す

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  12月22日(月)、授業納め式を行ない次のような話をしました。
  〝今年一年を振り返ると、皆さん一人ひとりにとっても随分色々なことがあったことでしょう。大きく成長した人もあれば、残念な結果に終わった人もあるかも知れません。
  今日はダイヤモンドの話をしたいと思います。最初に皆さんに質問しますが、皆さんの一番の強みは何ですか。それは若さです。ここにいる先生方も絶対に若さということに関しては皆さんに勝てません。若いということはそれだけ大きな無限の可能性があるということです。言い換えると皆さん一人ひとりはダイヤモンドの原石を持っているのです。自分にはそんなものはないという人がいるかも知れませんが、どんな人の中にも必ずダイヤモンドの原石はあります。持っていないという人はただ見つけていないだけなのです。しかし、皆さんが原石を見つけだし磨かなければただの石ころを持ったまま人生が終わるということになってしまいます。
  自然界にあるダイヤモンドと人間の中にあるダイヤモンドには二つの大きな違いがあります。一つ目は、自然界のダイヤモンドは切り刻むと小さくなりますが、人間の持つダイヤモンドは光り始めると成長を始めます。つまり努力を続けると1つが2つに、2つが4つにと増えていきます。二つ目は、自然界のダイヤモンドは一度輝きを得れば永遠にその輝きを保つのに対して、人間の持つダイヤモンドは努力を続けなければ輝きを失い、やがて元の原石に戻ってしまいます。今、社会で活躍しているイチローも石川遼もこのダイヤモンドを磨き続けている人です。
  本校は将来社会で役立つ人材を育てることを教育方針に掲げていますが、これはまさに本校の校是である『高志・自律・努力』を実践することなのです。来年度のキーワードはCHANGE(変える)です。是非この休み中にダイヤモンドの原石を見つけ出し何をCHANGEすれば良いのかを考える機会にしてください。〟

2008年12月07日

成長は素直な反省から

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  昨日で期末の定期考査も終了しました。生徒達は5日間の緊張から解き放たれ、家路に着く者、クラブ活動に向かう者等さまざまでした。生徒達にとって試験は楽しいものではないかも知れませんが、学力が向上しているのかどうかを確かめるための最適の手段であるのは間違いありません。大切なことは試験が終わった後どのような行動をとるかです。最良の方法は家に帰って自分なりにもう一度試験を解き、正しい答えを導き出し、将来同種の問題が出されたら確実に解けるようにしておくことです。次善の方法は答案が返された時にしっかりと正答を確かめ、自分のものにしておくことです。言い換えると学力を上げるためには素直な反省が何よりも大切であり、これらが習慣付けられると確実に学力は向上していくものです。
  しかし、この簡単なことを実行していない生徒も相当数いるようです。やってもやりっ放しということでは人間としての成長は期待できません。
  成長するためには素直な反省が必要です。今年も残り少なくなりましたが、一日一日、一週間、一ヶ月、一年の反省を通じて、人間としての成長をはかっていただき、充実した人生を送って欲しいと思っています。

2008年12月02日

〝先生・本気ですか〟~上甲 晃氏の講演

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  12月2日(火)、志ネットワーク代表の上甲晃先生より学園の教職員を対象に『先生・本気ですか』というテーマで熱意溢れるお話をいただきました。
  この講演の中で人を育てるための数多くの心に残る言葉が紹介されました。松下幸之助氏が言われた〝自分の頭で考えなはれ〟という「自修自得」、心して見ればことごとくわが師となるという「万事研修」、「待つことは愛である」、青年塾の教育方針である「不便・不自由・不親切」、「人は与えれば与えるほど贅沢になる」、「環境を整えると心が整う」、汗を流せば大事なことが解るという「流汗悟道」、「人に求める限りは自らやる」、「己の損得を超える」、あたり前のことを継続するという「凡事徹底」等です。
  最後に26年間の教育の世界で体得したのは「生徒は〝あんた本気か〟という目で見ている。他人を変えることはできない。自分を変える勇気を持つことである。言っていることとやっていることが一致していることが大切である。」という言葉で締めくくられました。
  更に退場される時、一つ言い忘れていたことがあるということで、青森県弘前市のリンゴ農家である木村秋則さんの〝リンゴ栽培の主人公はりんご。自分が育てていると思っている間はうまくいかなかった。育つお手伝いをしてあげるのが自分の役目。声をかけたりんごのほうが早く実をつける。〟というエピソードを紹介されました。そして、この講演の後、上甲先生は汗びっしょりになったシャツを着替えられました。
  本日は、先生の本気が伝わるお話をお聴きし、教職員一同素晴らしい感動をいただきました。ご多用中にもかかわりませず、福岡からの帰途本学園にお立ち寄りいただき、心より感謝申し上げます。

2008年11月28日

先生・本気ですか~上甲晃氏の講演

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  先日、『志ネットワーク』を主催されている上甲晃(じょうこう あきら)氏に講演をお願いしたところ快くお引き受けいただき、12月2日に学園の教職員を対象に講演していただくことになりました。テーマは『先生・本気ですか』。上甲氏は、松下電器(現、パナソニック)で広報や電子レンジの営業を担当された後、昭和56年松下政経塾に出向、塾頭、常務理事、副塾長を歴任され、平成8年4月に松下電器を退職されました。そして、同年5月、〝21世紀に向けて「志の高い日本」は「志の高い日本人」によってこそ実現する〟との思いで、有限会社志ネットワークを設立され、現在日本全国で青年塾の開催や講演等実に幅広い活動を行なっておられます。
  上甲氏は松下政経塾の勤務を通じて、松下電器の創業者である松下幸之助氏から数々の薫陶を受けられましたが、ゆるぎない志と凡事徹底の姿勢には心から敬服しています。そのひとつの例が政経塾在職中の平成4年4月から始められた『デイリーメッセージ』です。当初は自分の思いとするところを塾生に伝えたいということでパソコン通信の形で始められたようですが、政経塾を離れてからも継続を勧める人達の要請に応えて、現在まで17年間一日も休むことなく日々のメッセージを書き続けておられます。
  ご本人の言によれば〝一日生きていたら、ひとつぐらいは感動ある生き方をしたい、一つぐらいは学びのある生き方をしたい。そんな思いから毎日取り組んでいます。どうせなら、一日も休まず継続してみよう、そんなささやかな挑戦でもあります。〟とのことです。
私の家でも毎月デイリーメッセージが届くのを家族全員心待ちにしていますが、読むたびに志が凝縮された内容に感動を覚えています。

志ネットワーク青年塾 http://www.kokorozashi.net/

2008年11月25日

日能研特別セミナーの内容~日本の将来は?

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  このブログで日能研特別セミナーでの講演の様子を掲載したところ、何人かの方からどのような内容の話だったのか詳しく教えて欲しいというメールが届きました。また、今回は約70枚に及ぶパワーポイントのスライドを60分という短い時間で説明しましたので、舌足らずの点もあったと思います。出席された方の中にもわかりにくい点が多々あったかも知れませんので、これから何回かにわたって紹介したいと思います。
  最初に出席者の皆さんにいくつかの質問をしました。
    ◇世界の中で日本は恵まれているか ◇日本の将来は明るいか、暗いか
    ◇学校教育に満足しているか ◇家庭教育は十分できているか
    ◇地域が一体となって子どもを育てているか 
  この質問に対する大部分の答えは、「世界の中で日本は恵まれているが、日本の将来は暗い。学校教育には満足していない。また家庭教育は十分できていないし、地域での教育も十分行なわれていない。」というものです。私はこれと同様の質問を色々な講演会ですることにしていますが、校長先生や教頭先生、教職員、保護者からほとんど例外なく同じ答えが返ってきます。そして、当然のことながら生徒達も日本の将来は暗いというように思っています。また、数々のアンケートでも世界各国の生徒の中で将来に対する夢や希望を持つ比率の最も低いのが日本の子ども達であるということが指摘されていますが、このことは我々大人に大きな問題があるように思います。大人が志を持って生き生きと生活している後姿を見て元気な子ども達が育つのではないでしょうか。多くの世界の人達から見れば日本は憧れの国であるのは間違いありません。
  イギリスの詩人で『失楽園』の著書で知られるジョン・ミルトンは〝心が天国をつくり地獄をつくる〟という言葉を残していますが、それぞれの人生においては積極的な心の持ち方が大切であると思っています。

2008年11月20日

逞しく生き抜く力を身につける

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  11月19日(水)、真冬並みの寒気が日本列島を覆う中、中学校の全校朝礼を行ない、前回に続いてインドネシアでの生活体験をもとに次のような話をしました。〝発展途上国に赴任した人は気候や食事、衛生面で日本との余りの違いに驚くことが多いようです。皆さんの中にはこれまで海外に行った人もあると思いますが、ほとんどがホテルに宿泊するためその国の本当の姿は見えません。しかし、実際に生活してみると色々な苦労があります。食べ物には蝿が群がってくる、椰子油を使った激辛料理が多い、シャワーはお湯と水が交互に出てくる、水が悪いため気をつけていても月に2~3回は激しい下痢に襲われる、トイレに飛び込むと水がめと柄杓(ひしゃく)があるだけで紙がない、家の中には何匹も大きなヤモリが住み着いている等さまざまなことを経験しました。しかし、このようなことに慣れていかないと暮らしていけません。これからますますグローバル化が進展する中で、皆さんは将来色々な国に出張したり、生活することになります。当然先進国だけではなく発展途上国で暮らすこともあるでしょう。どのような環境下でも逞しく生き抜く力を身につけていくことが大切です。私もインドネシアでの生活体験が後の仕事に大いに役立ちました。このことは次回以降に紹介していく予定です〟
  日本は世界の中では最も恵まれた国の一つであるのは間違いありませんが、今の子ども達は概してこれがあたり前であると思っているようです。また、さまざまな意識調査を見ても他の国の生徒に比べて将来に対する大きな夢や希望を持つ比率が極端に低いという結果になっています。これは学校や家庭、地域社会、マスコミ等子どもを取り巻く我々大人にも大きな責任があるのではないかと思っています。

2008年11月15日

東洋食品工業短期大学創立70周年記念式典に出席して

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  11月15日(土)、東洋食品工業短期大学創立70周年記念式典に出席しました。同学は現在の東洋製罐株式会社を創業され、わが国の缶詰業界の発展に大きな貢献をされた故・高碕達之助氏によって1938年(昭和13年)に東洋製罐詰専修学校として開学されました。その後、1961年(昭和36年)に東洋食品工業短期大学に改編され今日に至っていますが、本学園とはJR宝塚線を挟んで隣接したところに位置しています。
  高碕達之助氏は〝食料は人の命に関わるものであり、食品の仕事に従事する者は、心の正しい人でなければならない〟という言葉を残しておられますが、これが普遍の教育理念として継承されています。同校はこれまで、70年にわたり包装容器及び包装食品を専門に教える短期大学として、生産者と消費者を結ぶ「包みと食のエキスパート」を育成し輩出してこられました。また、創立70周年という節目を前に『包装食品工学科』に名称変更、「密封技術コース」と「食品製造技術コース」を設置されると共に70周年を機に施設の改築や共学化に踏み切る等の改革を進めておられます。
  今、日本には世界各国からあらゆる食材が集まってきていますが、食品の産地偽装や残留農薬・有害物質の混入等の問題が多数顕在化し、国民の間に〝食の安心・安全〟に対する関心が高まってきています。同学の〝誠実と勤労の精神を根底においた人間教育〟は本学園の教育理念と一脈相通じるものがあるように感じました。本校もまさに食育に注力しようとしており、これから多くの面で連携を蜜にしていきたいと思っています。

2008年11月14日

学力推移調査を終えて

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  今週、中学1年生と2年生を対象にベネッセによる学力推移調査を実施しました。本校では毎年2回、4月と11月に生徒の学力状況と学習実態を見るためにこの調査を実施していますが、全国での受験生は年々増加しており、今春は中学1年生が約36500名、中学2年生が約40500名となっています。
  今回行なったのは国語・数学・英語の3教科と学習実態調査でしたが、4月との違いはマーク式が記述式になった点です。全体の集計がまとまるのは12月初旬になるようですが、個人にとっては各学校の学年内順位だけではなく全国での順位も判ることになりますし、学校にとってはコース別・クラス別・教科別にどの分野に課題があるのかも明確になります。
  また、学習実態調査については「生活・学習全般」「教科共通の学習」「国語・数学・英語の学習」の項目ごとに質問が準備されています。特に、起床や就寝時間、朝食の摂り方、部活動と学習の両立、学習時間等の基本的な生活習慣に関するものや、勉強の仕方について生徒達の実態を知ることは非常に大切であると思います。ともすると点数として表われた結果のみに目を奪われがちですが、生活面や学習の仕方との関連があるのは間違いありません。
  今回の調査を個人別の課題やコース・教科別の課題を明確にし、今後の教育に活かしていきたいと考えています。

2008年11月07日

読書の大切さ

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  読書週間(10月27日~11月9日)も残り少なくなってきましたが、既に多くの本を読まれた方もおられると思います。この読書週間が制定されたのは、戦火の傷跡がいたるところに残る昭和22年ですから今年は実に第62回ということになります。ルーツを紐解くと戦前にも図書週間や図書館週間という名称のものがあったようですが、戦争により中止されていました。戦後《読書の力によって平和な文化国家をつくろう》という決意のもとに出版社、書店、公共図書館、新聞・放送等のマスコミが中心となって第1回の読書週間が開催されたのが昭和22年です。その時の反響は素晴らしいものがあり、翌年からは文化の日を中心とした2週間と定められ全国的に広がり今日に至っています。
  これまで日本は〝世界有数の本を読む国民である〟と言われてきましたが、昨今の状況を見るとこの言葉は全く当てはまらないように思います。私は毎日片道1時間以上の電車通勤をしていますが、車内の光景は10年前とは隔世の感があります。幸いなことに乗換えの必要がないため、日々の新聞に目を通し、本を読み、業務整理をする、また帰りにはこの校長通信の原稿を書くということを習慣にしており、極めて密度の高い時間を過ごしています。しかし、通勤電車の中では、朝は一部新聞を読んでいる人の姿も見られますがほとんどの人が目を閉じて眠っていますし、夜は携帯を手にしてメールをしている人が目に付きます。そして、残念なことに最近では新聞や本を読んでいる人の姿は極端に少なくなってきました。よく「子どもが本を読まなくなった」と言われますが、大人についても急速に活字離れが進んでいるように感じています。この結果、書く力が急速に低下してきているのは間違いないでしょう。
  今年の読書週間の標語は『おもわぬ出会いがありました』です。この週末には是非家族で本を読みその中から新たな発見をして欲しいものです。

2008年10月12日

学校改革研究会に出席

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  10月11日(土)の午後、ベネッセコーポレーション主催の私立校対象学校改革研究会に出席しました。現在、教育界をめぐる環境は激変しており、従来のやり方を踏襲しているだけでは、時代の流れについていけなくなってしまいます。そのため近年では公立・私立にかかわらず、さまざまな改革が行なわれるようになってきています。今回のセミナーでは、私立校を取り巻く環境の変化の分析とこれらに対応するための学校改革の方向性やポイントについての話がありました。その後、学校改革において目覚しい成果をあげている福岡工業大学附属城東高等学校の事例発表がありました。
  環境の変化としては、社会環境・大学入試環境等の出口の変化、生徒・保護者の気質の変化、公立高校の改革や私学助成の減額、大学による中学・高校の系列化や私立校の共学化等が挙げられます。とりわけ社会環境の変化については、午前中に実施した本校の入試説明会での少子高齢化や社会で役立つための社会人基礎力、グローバル化やIT化の進展等ほぼ同様の内容のものが紹介されました。又、大学入試の環境については大学が二極化し、選ばなければ入れる時代になること、2~3年後には就職が厳しくなることが予想され、真の意味での学力をつけておく必要があるという指摘がなされました。
  事例発表については、ほぼ本校が取り組んでいることやこれから取り組もうとしていることと同様ですが、改めて改革のスピード、教職員の資質向上、保護者との連携の大切さを感じました。

2008年10月03日

鳥取県校長総合研修での講演

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  10月3日(金)、鳥取県教育委員会主催の「校長総合研修」において“特色ある学校経営”というテーマで講演しました。この研修の受講対象は鳥取県下の小学校・中学校・高等学校の校長39名で、この研修の講師として参加するのは、大阪府立高校時代を含めて今回が4回目となります。鳥取県では2007年に人口が29年ぶりに60万人を割り込むなど人口減少が続いており、全国の都道府県では最低となっています。
  このような中で、鳥取県では教員の資質向上には特に注力されており、校長教頭等の管理職研修をはじめ、多くの教員研修を実施されています。また、私立学校がほとんどないため、公立学校として何とか思い切った特色ある学校づくりを進めていこうとされているようです。
  講演では「世界のトレンド」「社会で役立つ力」「教育界をとりまく環境と課題」に触れた後、「これからの学校づくり」について本校の取り組み等の紹介も含め約2時間にわたりお話しました。
  昨今、教育界を取り巻く環境は激変しており、従来どおりの学校運営では早晩行き詰まるのは目に見えています。ところが切羽詰らないとこれまで永年やってきたことを抜本的に変えるというのはなかなかできないものです。そして、とりあえずこうしておこうという小手先の見直しに終わってしまいます。今必要なのは「改善」ではなく「改革」です。このような学校改革のためには、校長がゆるぎない志を持って「どのような学校にするのか」というビジョンを掲げ、戦略を構築し、あるべき姿に向けて各人のやるべきこと(目標)を明確にしていくことが大切です。この際他にない特色を盛り込んでいかなくてはなりませんが、そのためにはマイナス思考ではなくプラス思考が必要です。その上でPDCAのマネジメント・サイクルをしっかりと回していかなければなりません。
  このように見ていくと自然環境をはじめ鳥取県としての強みは数多くあるように感じました。これからはまさにグローカル(グローバル+ローカル)の時代です。是非とも校長がゆるぎない志を持って特色を生かした学校づくりを進めていただきたいものです。
  本校もまだまだやるべきことが山積しており、特色づくりを更に進めていきたいと思っています。

2008年10月02日

教育実習希望者に対する事前説明会

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  昨日(10月2日)、来年度教育実習を希望する学生に対する事前説明会を実施しました。該当者は10名ですが、今回の出席者は8名。すべて本校の卒業生で、現在はそれぞれの大学の3回生です。
  これまで本校では、卒業生で教育実習を希望する者に対しては、無条件で全員の受け入れを行なっていました。このため、今年は25名の教育実習生を受け入れるということになり、しっかりとした指導ができないという結果になってしまいました。このため、今年は各大学に真剣に教職を目指す人に限って実習の受け入れを行いたいという趣旨の手紙をお送りし、今回初めてこのような事前説明会という試みを行ないました。私は全員に教職への志望動機を確認した後、次のような話をしました。〝これからの日本が国際社会で認められていくためには人材育成が何よりも大切であること。皆さんは雲雀丘学園中・高で学校生活を送ってきているが、これが普通の学校であると思わないこと。社会の動向をしっかりと掴む、具体的にはしっかりと新聞を読むこと。先生という職業は他から指摘されることが少ないため、自ら求めて研鑽を積むこと。何をするにも困難はつきものであるが、教職を目指すという強い信念を持つこと。〟等です。
  今回の説明会に参加することによって、全員が気持ちを切り替えて、来年の教育実習に臨んで欲しいと思っています。

2008年10月01日

教職を目指す皆さんをお迎えして

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  先日、エデュケーショナル・ネットワークで「教職を目指す皆さんへ」と題して講演をしましたが、その時の受講生が昨日と本日(10月1日)の2日間にわたり来校しました。15名の中で既に就職が内定した人や公立の発表待ちという人もいますが、大半はまだ就職先が決まっていないようで、本校に関心を持っている人もいるようです。
  約1時間半、私と教頭で皆さんからの疑問点にお答えしたり、こちらから逆に質問するということで、フリーディスカッションを行ないました。〝何故教職を目指しているのか〟また〝どういう教師を目指しているのか〟ということを全員に聞いてみましたが、それなりに自分なりのしっかりとした考え方は持っているようです。私は教育現場というものは必ずしも一口では言い表すことができないし、それぞれの学校においても大きな違いがあること、私学の良さは創立の精神に基づくバックボーンが明確になっていること、現在進めている学校改革の基本的な考え方も、創立の精神である孝道がベースになっており、社会で活躍できるリーダーの育成を目指していること、まず将来のあるべき姿を描きそこから逆算して具体的な取り組みを行なっていること、このことは人生設計においても共通していること、学校だけではなくどのような職場にあっても厳しい現実が待ち受けていること、自分なりのゆるぎない志を持ち続けること等の話をしました。その後、学校の見学をしていただきましたが、丁度期末考査期間ということもあり、授業の様子を見ていただくことはできませんでした。
  今後、一層の研鑽を積んで素晴らしい教師を目指していって欲しいと思っています。

2008年09月30日

企業から見た日本の教育への期待

  先日の講演の中で、楠見氏からは日本の教育への期待という切り口での話がありましたが、これから日本が国際社会で生き残っていくためには、高度な科学技術力の養成が不可欠であるというグローバル企業としての危機感がひしひしと伝わってきました。
  この中で、指摘されたのは〝青少年が科学技術に興味を持つために重要なこととして、教育制度や授業の改善、自然とのふれ合い、処遇改善による研究者のイメージアップ、地域や家庭での育成に関する認識の向上が必要なこと。また、研究者という道に進むにあたって影響を受けたのは大学や高校・中学時代の恩師、憧れの技術者や科学者、親・家族・親戚といった人に関するものが多いこと。
  更に、国際競争力のある科学技術人材・モノ作り人材の資格要件としては「相手を思いやる心」「(相手の)課題を課題として認識する力」「課題解決に向けて論理的に考える力」「真理・原理、そして科学技術への探究心」「(海外の方との)ディベートに負けない根性」「語学力」「国際社会の中での日本への誇り」が必要なこと。ゆとり教育の実施('98~'07)は日本の競争力伸張の観点では空白の10年を生んだこと。
  最後に、教育現場と企業の期待に乖離はあると思うが、国際競争力の確保なくして、国際社会の中での日本の存続(貿易収支の確保による国民生活の維持)はありえない。企業として期待するのは大学や大学院のレベルアップであるが、そのためにはまず大学以前の段階での準備が重要であり、技術が高度・複雑化している現在、より早期に科学技術の基礎学力を身につける必要があること。〟等です。
これらの指摘は実に核心をついており、我々教育を担当する者についても傾聴に値するように感じました。
  大きな国土やこれといった資源もない日本が世界で認められていくためには、産業立国としての強固な基盤を築き上げていくことが不可欠ですが、その核となるのは何と言っても人材です。これからはまさに世界各国を上回る教育のレベルアップが必要であり、我々教育を担当する者は日本の将来を担っているという強い志を持たなければならないと痛感しました。

2008年09月27日

ビーンズ・ツリー研修会に参加して

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  9月27日(土)、ビーンズ・ツリー研修会に参加しました。この会は大阪府立高校の現職校長の自主的な研修会として平成3年にスタートし、平成13年にビーンズ・ツリーという名前になり、現在に至っています。活動内容は土曜日の午後に2カ月に一度の割合で、さまざまな講師を招いて開催されています。
私も大阪府立芦間高校の校長時代には、この会のメンバーとして参加していましたが、その後は時間の都合がつかず欠席していました。今回は、私が講師を紹介させていただいたこともあり、久しぶりに参加しました。
  本日の講師は大阪府教育センターの清水隆氏と松下電器産業株式会社のR&D戦略室の楠見雄規氏のお二人です。清水氏からは平成19年に「教育課題研修指導者海外派遣プログラム」に基づいて視察された〝イギリスにおけるキャリア教育の実態〟についての報告がありました。また、楠見氏からは「松下電器の事業戦略と人材への期待」というテーマで興味深いお話をいただきましたが、まさに生き残りをかけた企業の取り組みをお聞きして先生方も大いに触発されたのではないかと感じました。この内容については私の感想も含めて後日詳しくお知らせします。
  講演後の懇親会においては、キャリア教育についてのさまざまな意見が出されましたが、学校の役割は〝将来社会で役立つ人材の育成である〟と考えるなら教員自らが社会の動きをしっかりと捉え、生徒に伝えていくことが何よりも必要ではないかと思いました。

2008年09月19日

教師の仕事は志事

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  8月末に株式会社エデュケーショナル・ネットワークのイースタッフの主催の研修会で教職志望の15名の皆さんにお話しましたが、本日この研修担当の田代さんから、受講生の感想文のコピーをいただきました。私もこれまで色々な方を対象に数多くの講演を行なってきましたが、話の内容が全く同じというものはありません。今回も事前に夏休みの5日間をかけて、パワーポイントによるレジュメと教職を目指すための40項目にわたる心構えを作成しました。それだけに受講生の皆さんがどういう受け止め方をしてくれたのかが大変気になっていましたが、感想を読む限りではほぼ私の思いが伝わっているようで安心しました。
  私も教育界での仕事も7年目を迎えましたが、月日が経つにつれて、教師という仕事は単に生活のために働くといった安易な考え方では到底勤まらないと感じています。今回、何よりも嬉しかったのは、「視野が狭くならないように日々研鑽していきたい」「人間的な幅を身につけていきたい」「生徒達が夢や希望を持てるようにしていきたい」等、真剣に教職を目指すという意気込みが伝わってきたことです。まさに、キイワードは〝志〟であり、教師の仕事は志事であるという表現が当てはまるのではないでしょうか。教職を目指す皆さんがこの気持ちを忘れずにこれから自己研鑽をはかって欲しいと思っています。

2008年09月18日

京都文教中学・高等学校の皆さんをお迎えして

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  9月18日(木)、京都文教学園中学・高等学校の先生21名が来校されました。同学園は幼稚園、小学校、中学校、高等学校、短期大学、大学、大学院を擁しており、創立されたのは1904年です。実に100年以上の歴史を有している名門で、仏教精神に基づく人間教育がベースになっています。校訓は「謙虚にして心理探求、誠実にして精進努力、親切にして相互協同」であり、謙虚な心、誠実な姿、親切な行為により、世に尽くす人となれと謳われています。事前に同校のホームページを開いてみましたが、人間教育に注力されている学校としての特色が随所に見られました。特に樋口和彦氏による礼拝(らいはい)の内容は素晴らしいものがあると感じました。聞くところによると、本日は新しく赴任された宮本修校長先生の指示で、全教員が大阪、兵庫、奈良・和歌山の3地区に分かれてそれぞれ2校ずつ学校を訪問され、それぞれの良いところを学ばれているとのことです。
  私は挨拶の中で、「本校は学校改革を始めたばかりであり、貴校に学ばせてもらうことの方が多いように思う。学校はともすると前年踏襲型になり、変化への対応が迅速に行なえないということになりがちである。従って経営という視点を持つ、創立の精神の体現をはかる、戦略構築を行ない中期の視点を持つ、良循環型の経営を目指す、PDCAをまわす、開かれた学校づくりを目指す、クレームを恐れない、という姿勢が大切である。」ということを話しました。口で言うのは簡単ですが、これらを実践していくことは簡単ではありません。
本校も他の良いところを積極的に取り入れていかなければと思っています。

2008年09月17日

携帯電話の功罪

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  前期も残すところ半月になり、期末考査も目前に迫ってきましたが、この度保護者の皆さんに携帯電話の扱いについてのお願い文をお送りしました。
  日本では年々老若男女を問わず携帯電話を所持する人が増えてきましたが、中・高生の中にも使用している人が多いようです。携帯電話の使用ルールについては、それぞれの学校において差があるようですが、本校では〝学校への持ち込みは禁止。やむを得ない事由により学校に持参する場合には、担任が始業前に預かり、放課後返却する〟ということにしています。
  近年、携帯電話やパソコンの普及によって我々の生活は大きく変貌してきました。必要な情報は専門書・辞書等を探して調べなくても、インターネットを利用して検索すれば簡単に入手することができます。またメールアドレスが判れば、たとえ会ったことがない人に対しても情報を送ることが可能になります。手紙のように相手に届くまでに時間がかかるということもなく、地球の裏側にいる人にも瞬時に情報を届けることができるのです。
  このように急速なIT化の進展によって「時間」「地域」「人」の壁がなくなり、我々の生活はこれまでとは比較にならないくらい便利なものになってきました。しかし、すべてのものに光と影があるように大きなマイナス面もあります。残念なことに、今多くの犯罪にインターネットや携帯電話が関係しているのです。特に携帯端末を持つ子ども達は常に危険と隣り合わせているということを保護者の皆さんが理解し、出会い系サイトに代表されるサイバー犯罪に巻き込まれないように細心の注意を払って欲しいと思っています。

2008年09月13日

開かれた学校づくりを目指す 

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  平成18年4月より、本校の教育活動を積極的に発信するためにホームページの充実をはかってきました。先日もある学校の先生から「雲雀丘学園中学・高等学校のホームページは色々な方が記事を掲載されているようですが、本校ではホームページを担当する以外の先生が積極的にかかわることはなかなかできません。」という話をお聞きしました。
  改めて、ホームページの現状を見ると改めて多くの教員が分担して記事を掲載してくれていることが解りました。私も必ず夜校長通信を書いた後、本校のホームページを確認していますが、都度報告を受けなくても各学年や各分掌の動きを掴むことができるため、非常に重宝しています。また、ジャンル毎にアクセス数をカウントしていますので、毎日どの記事がどれだけ読まれているかがわかるようになっています。興味深いのは、学校説明会や文化祭、体育大会等の行事の後にはアクセス数が急激に増えるということです。よく保護者の方からは「学校の様子がよくわかるようになってきました。これからも是非続けてください。」というお言葉をいただき心強く感じています。開かれた学校づくりのためには、各種の情報を公開していくことが大切であると考えています。私も休日には時間の許す限り、全国の色々な学校のホームページを見ていますが、参考になることが多いように感じています。また毎日数人の方から自宅にメールが届いていますが、是非、本校の教育活動に対するご意見・ご要望をお聞かせいただきたものです。
  参考までに《日本の学校》というサイトに全国の学校のホームページが掲載されていますので、紹介させていただきます。色々な学校の教育活動が解りますので、ご覧ください。
http://www.i-learn.jp/schools/search.asp/a=s&prid=30&k1=H&o=updf

2008年09月01日

全国学力テスト結果について

  先日、文部科学省から4月に実施した2008年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。これによると、小学六年生と中学三年生が受けた国語と算数・数学のテストの平均正答率は、基礎知識と応用力の双方で昨年に比べて8~16ポイント低下しました。とりわけ応用力について大きな課題が見られます。このテストは2006年に実施された世界57カ国の15歳を対象にしたOECDの学習到達度調査の結果、日本の子ども達の学力が大幅に低下しているという衝撃的な事実を受けて、昨年43年ぶりに再開されました。今年は二年目になりますが、「私立校の平均が公立校を大幅に上回っている」「地域格差が大きく、好成績組と低迷組の顔ぶれは昨年度と大きな変動はない」という結果になりました。
  また、このテストと同時に実施したアンケートでは「学習意欲の低下」や「生活の乱れ」が明らかになっています。このような調査では概して「日本は」「大阪府は」「公立は」「家庭教育は」といった総論的な話題になりがちですが、細かく分析していくとどこに問題があるのかが見えてきます。一般論をいくら展開しても打つ手は見えてきません。ありのままの実態を抉り出すということが大切であると思います。本学園においても、小学校六年生と中学三年生がこのテストを受けています。まだ、結果は入手できていませんが、しっかりと分析し今後の教育活動に生かしていきたいと考えています。

2008年08月31日

私学教員適性検査の実施

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  8月31日(日)、昨年度に引き続き園田学園中学・高等学校において「平成21年度兵庫県私学教員適性検査」が実施され実行委員として出席しました。この適性検査は「兵庫県私立中学・高等学校連合会」の主催で毎年8月の下旬に実施されており、実行委員の学校が持ち回りで担当することになっています。今年の受検申込者は576名でしたが欠席者が67名あったため、最終の受験者は509名となり昨年度を下回ることになりました。受検生の中には大阪府や兵庫県の公立中学や高校の採用試験を受検している人も多数含まれているようです。
私学においても団塊の世代の退職により、後継者となるべき優秀な人材の確保をはかっていかなければならない状況下にありますが、気になるのは受検者数が年々減少してきていることです。今回は国語、地理歴史(日本史・世界史・地理)、公民(政治経済)、数学、理科(物理・化学・生物)、英語、家庭の各教科に分かれて80分の専門科目と50分の論文記述が行なわれました。途中、実行委員のメンバーで各試験会場を巡回させていただきましたが、真剣に問題に取り組んでいる姿が印象的でした。
  本日の試験結果は厳正に採点の上、9月下旬には兵庫県私学連合会の『適性検査受検者名簿』に登録され、今後各私立中学高等学校が新規に教員を採用する際の参考となります。従って、この中の何人かが実際に兵庫県の私立中学や高校において教壇に立つようになるのは間違いありません。
  昨日のイー・スタッフ主催の講演の中でも触れましたが、教職を目指す上で最も大切なものは〝人を育てる〟という高い志であると思います。先生に対しては「教師」「教諭」「教員」とさまざまな呼び方がありますが、これからもたゆまぬ研鑽を続け是非生徒や保護者、同僚から尊敬される「教師」を目指していただきたいものです。


2008年08月30日

教職を目指す皆さんと

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  8月30日(土)、株式会社エデュケーショナル・ネットワークのイースタッフが主催する私学教員志望者を対象にした研修会で約1時間半にわたり話をしました。同社では、教員免許取得見込みの大学4回生および26歳以下の教員志望者を対象にした「トップネット私学教員養成所」という若手教員の育成を目的とした研修制度を設けています。その概要は、あらかじめ研修生を選抜し、選抜試験をクリアした教員志望者のみが10回にわたる研修を受講できるということになっています。この研修制度はスタートして今年で6年目を迎えるとの事ですが、本日の受講対象者は15名です。最初に私に対する簡単な自己紹介がありましたが、さすがに選抜されただけあって目の輝きが違うように感じました。講演はパワーポイントを使って、「日本や世界の現状とこれからの世の中の動き」「社会で役立つための力」「成長している企業の特徴」「学校現場における課題と生徒の実態」「学校改革の取り組み」「公立と私立の違い」「学校と家庭の連携による子どもの育成」「教職を目指す皆さんに期待すること」等を中心に行ないました。
  その後、質疑応答の時間をとっていただきましたが「公立と私立の違いは?」「民間企業から学校現場に来て最も苦労したことは?」「人間力をつけるための著書は?」「元気の秘訣、健康維持のための食事は?」といった質問が次々と出されました。更に、講演後は2つのグループに分かれて「求められる教師像」というテーマで討議を行ない、最後に私からまとめの言葉を述べました。 研修生にとって本日の研修は3回目ということですが、自分なりのゆるぎない思いを持って尊敬される教師をめざして欲しいと思っています。


2008年08月29日

他に学び行動する

  今年はカナダへの出張があったため、夏期休業の前半は例年に比べると外部の方とお会いする機会は少なかったようですが、一旦人脈ができるとインターネットの活用によってさまざまな情報が入手できるようになるということを実感しています。数多くの塾や教育関係の方、公立・私立の校長からも現場の実態や課題を知らせていただいています。また、本校に対しても忌憚のないご意見や助言ももいただき本当に有難いと思っています。
  人間は自分にとって厳しいご意見や苦言を呈する人を何となく遠ざけたいという心理が働くものですが、成長している人や生成発展している組織というのは必ず自分の方から積極的に働きかけを行なっています。以前『大企業病』という言葉を耳にしましたが、この特徴は「その組織の中にいる人が閉鎖的で、他の動きがどうなのかを把握せずに自分達はよくやっている、前よりは良くなっている、と思い込んでいる。」ということのようです。「進歩なきものは退歩」と言われますが、今は時代の変化が早いため、現状維持の姿勢では確実に遅れをとることになります。
  特に、学校の場合は意識して、外部の方の意見を素直に聴いたり、他の優れているところをとり入れるという姿勢が大切であると思います。本校も学校改革をスタートさせてまだ3年目であり、課題は山積していますが、常に新しい視点に立って学校づくりに取組んでいきたいものです。

2008年08月27日

自学自習の習慣づくり

  世界には勉強したくてもできない、学校に行きたくても行けないといった子ども達が数多くいます。これに比べて日本ではほとんどの生徒が高校に進学し、半数以上が大学進学する等学校に行くのが当たり前ということになっています。昔のように苦学して高校や大学を卒業したという話も最近ではほとんど聞きません。
  また、幼児期から習い事や塾通いをしている子ども達も多く、与えられることに慣れ切てしまっています。そして、自分の意思というより親の意思でひたすら大学受験を目指すということになっているのです。言わば〝水をたっぷり含んだ脱脂綿〟という状態になっており、新たな水を吸収することができなくなっています。この結果、勉強が楽しいものではなく苦痛に感じる生徒や何のために勉強するのかという意義が解らなくなってしまっている生徒も出てきています。かつて〝地球が100人の村だったら〟という本が出版されましたが、この中には大学に進学できるのはたった1人であり、文字が読めない人が70人ということが紹介されています。
  昨今の傾向として、自分自身で考えずにすぐに答えを求めるという傾向も強いようです。これは学校に限らず、一般の社会においても同じようです。しかし、すぐに答えが示されるとその時には解ったように思いがちですが、実際には自分のものになっていないことが多いのです。本当の力をつけるためには、自分で苦労して学び考え抜くということが不可欠です。
  〝教育というのは英語ではeducation と言いますが、この意味は外に引っ張り出すということです。西洋の諺に〝馬を湖のほとりに連れて行くことはできるが、馬に水を飲ませることはできない〟というものがありますが、教師や保護者の役割は子ども達が自分で水を飲める「自学自習」の習慣を身につけるように指導してあげることではないかと思っています。

2008年08月25日

教職を目指す皆さんへ

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  夏休みに入る前に㈱エディケーショナル・ネットワークから “8月の末にこれから教職を目指す人達に話をして欲しい”という依頼がありました。軽い気持ちでお引き受けしましたが、その日も近づいてきました。
  一方、雲雀丘学園においても経営トップ会議で「望まれる教員像」について話し合いの場を持つということになっています。共にどのようなまとめ方にするか自分なりに色々と考えていましたが、この際教師としてどのようなことに心がけなければならないかという視点に立って『教職を目指す皆さんへ』というタイトルで約40項目にわたりまとめることにしました。
  主な視点は、「確固たる人生観や志」「学ぶ姿勢」「行動指針」「世界の動き」「日本の現状と課題」「生徒の現状」「社会で役立つ力」「学習方法」「保護者との連携」といったものです。
  いずれも、これまで校長通信に掲載したり、講演で話してきた内容が中心ですが、まだ十分ではありません。今後色々なものを付け加えることにより更に内容を充実させていきたいと考えています。

2008年08月23日

AO入試の功罪

  近年、AO入試を実施する大学は国公立・私立共に増加してきています。
  AO入試の受験生にどのような資質・能力を期待しているかという問いには、1.コミュニケーション力2.探求心 3.論理的思考力が上位を占めているようです。従って、はっきりと自分の考えを主張できる、課題にじっくりと取り組める、そして世の中の色々なことに興味があり、自分なりの目標を持っているということがポイントになります。言い換えると〝将来社会で役立つ実践的な力〟の可能性を持っている生徒ということになるのかも知れません。この面では、素晴らしい選抜法であり、アメリカの大学では通常行なわれている入試のやり方なのです。しかし、一般入試合格者と比較すると、基礎学力不足は否めないなどの理由で、AO入試合格者に対する特別教育(フォロー教育)を実施している大学も出てきています。これは大学側があまりにも入学者数の確保にこだわるため、安易な選抜方法をとっているということにも問題があると思います。
  点数で表せる学力と自分の考えを文章や口頭で表現する力や点数で表せない力は決して相反するものではありません。AO受験に際しては、テストがないからといって、基礎学力をつけることをおろそかにせず、取り組んでいくことが何よりも大切であると思っています。

2008年08月20日

和泉青年会議所での講演を終えて

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  8月20日(水)、和泉青年会議所のメンバーを対象に『これからのJC活動に期待・求められること~高い志を持つ~』というテーマで講演を行ないました。JCとの関係は、昨年の7月に近畿地区 大阪ブロック協議会主催の“『日本の力教育』実践検討委員会 北地域セミナー”に出席したことに始まります。
  その時の大阪ブロック協議会では≪子ども達の明るく夢ある将来のために≫というスローガンのもと教育問題に取り組まれており、テーマは『OMOIYARI あふれる心 〝日本の教育は我々が変える〟 我々JCから変わる』ということでした。
  私は講演の中で、最初に世界や日本の現状と今後の動き、次いで松下幸之助氏のエピソードを紹介し、社会で活躍するためには高い志が何よりも大切であること、教育をめぐる現状の課題について話をしました。そして、最後に『脚下照顧』『着眼大局、着手小局』という言葉があるが、まず一人ひとりが自分の足元を見つめ、身近なことから行動を起こしていくことが大切であること等を訴えました。
  一人ひとりの行動は点であっても、何人かが集まると線になり、面になります。日々の仕事を持ちながら、それぞれの地域において活動されているJCのメンバーの皆さんが中心になって大きなうねりを起こして欲しいと願っています。

2008年08月19日

青年会議所の活動について

  明日、和泉青年会議所のメンバーの皆さんに講演することになっていますが、この青年会議所について紹介したいと思います。
  1949年(昭和24年)、日本はこれからどうなるのかという混沌とした戦後の時代背景の中、全国各地で志ある若者達が立ち上がり、青年会議所の活動が始まりました。その後、1951年に全国の青年会議所が集まり、日本青年会議所が創設されました。そして、現在は日本全国47ブロック711ヶ所に設置されており、それぞれが『個人の修練』『社会への奉仕』『世界との友情』の3信条のもと、地域との協働により「よりよい社会づくり」を目指して活動されています。なお加入資格は満20歳から満40歳までとなっており、文字通り将来の日本を背負って立つ若者の集まりです。
  〝二度とない人生だから志を高く持とう。愛するわがまちだから夢を形に変えていこう。二つとない国だから日本の未来をこの手で創ろう。かけがえのない地球だからすべてのものと共に生きよう。時代を切り拓くのは我々青年の使命である〟という言葉には心打たれるものがあります。
  本校の校是の第一も〝高志〟であり、青年会議所の理念とは一脈相通ずるものがあります。今、日本には約4万人の青年会議所の会員がいますが、彼らが地域のリーダーとしてこれからも活躍し、地域社会の活性化に大いに貢献してくれることを期待しています。

2008年08月17日

たゆまぬ努力の大切さ

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  北京のオリンピックも折り返し点を過ぎ残り少なくなってきました。カナダではほとんどオリンピックに関するニュースを見ることができませんでしたが、この休みには日本選手の出場する競技を中心に多くの時間をオリンピックのテレビ観戦に費やしました。
  一人ひとりの選手はこの4年間、たゆまぬ努力を続けそれぞれの国の代表となり、今回のオリンピックに参加してきています。メダルを獲得した選手達は例外なく感激の涙を流していますが、それだけ血の滲むような練習を積み重ねてきたということでしょう。しかし、すべての人に栄冠が輝くわけではなく、大半の選手が悔しい思いをしているはずです。金メダル候補と言われていた人も実力を出し切れずに敗退していったケースも散見されます。はっきりしているのは心技体のすべてを鍛えこまなければ五輪という大舞台で実力を発揮することが出来ないということです。これはスポーツだけでなく、すべての分野について共通することではないでしょうか。
  「努力しても成功するかどうかはわからない。だが、努力しなければ絶対に成功することはない。」という言葉がありますが、自分の目標に向かって日々たゆまぬ努力を続けていくことが大切であると感じています。

2008年07月23日

他校との交流

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  7月23日(水)、大阪府刀根山高等学校の梅景一雄校長が来校され、情報交換を行ないました。梅景氏は大阪府としては7人目の民間人出身の校長で本年4月より同校で勤務されています。
  刀根山高等学校は豊中市にある、平成18年に創立30周年を迎えた学校ですが、周辺が閑散な住宅地という落ち着いた学習環境にあり“自ら未来を切り拓く心豊かでたくましい人間を育てる”という教育目標を掲げておられます。
  本日も色々な点で意見交換させていただきましたが、参考になることも数多くありました。8月25日(月)から実質的に授業を開始していること、3学期制を採用しており、夏休みに入る前には必ず先生保護者生徒による三者懇談を平均20分かけて1週間にわたり午後実施していること、3年生の希望者を対象に6月より早朝(7:40)に国語・数学・英語の三教科について補習授業を開講し学年の半数である160人位が受講していること、部活動の加入率が75%に達しており、文武両道を目指していること、学校行事に注力していること、等です。また生活指導については公立高校の中では厳しいとのお話しでしたが、本校との比較においてはそう驚くようなことはないように感じました。
  今、本校では夏期休業を利用して多くの学校の教育活動の実態を把握しようとしていますが、どのような学校でも必ず参考になる点があるものです。
  他校の取り組みをそのまま本校に導入しても効果があがるかどうかはわかりませんが、良いところは素直に受け止めていくことが大切であると思っています。

2008年07月18日

他校に学ぶ~天王寺高校

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  7月18日(金)午後、大阪府立天王寺高校を訪問しました。同校は1896年(明治29年)に大阪府第五尋常中学校として創立、1901年(明治34年)に天王寺中学校と改称、戦後1948年(昭和23年)に天王寺高等学校と改称、夕陽丘高等学校と教員・生徒交流により男女共学校として再スタートしました。また平成に入ってからは新校舎竣工、理数科設置、土曜日に「桃陰セミナー」開始、2003年エルハイスクール、2004年スーパーサイエンススクールに指定される等、輝かしい歴史を有しておられます。
  本日は今年4月に赴任された兵庫校長先生や藤田教頭先生、和田教育部長から「45分授業」「プレ中間考査」「土曜日の活用」「クラブ活動と学習の両立」「模擬試験の実施方法」「センター試験対策」「授業評価」「ビジョンの策定」等、広い範囲にわたる取り組みについて色々とお話をお伺いしました。
  印象に残ったのは、生徒が明るく挨拶をしてくれたこと、徹底的に自学自習の校風を追及されていること、部活動と学習の両立をはかるためメリハリのある教育活動を推進されていること(週1回の休養日と18:05までの完全下校の徹底、土曜日練習のクラブに対する自主学習の義務付け等)、教員の教科指導力を徹底して向上させるために、天王寺高校としての教員のスタンダードを確立させておられること等です。
  本校としても参考になる点が数多くあり、今後前向きに検討して良い点は積極的にとり入れていきたいと思いました。

2008年07月14日

将来に対する夢や希望

  今、日本の子ども達の意識や意欲の低下が問題視されています。子ども達の学力や学習意欲、生活習慣に関する調査結果を見ると、憂慮すべき点が数多く認められます。特に他の国の生徒と比較すると、日本の子ども達が自分の将来に対して夢や希望を持っていないということがわかります。主なものをあげると ①〝将来に対して大きな希望を持っているか〟(中学3年生対象)という問いに対しての肯定的な回答は、中国91%、韓国46%、に対して日本は27%  ②〝21世紀は希望に満ちた社会か〟(高校生対象)という問いに対しては、韓国70%、フランス64%、アメリカ36%に対して日本34% ③〝科学の進歩で人間はより幸福になれるか〟(高校生対象)という問いに対しては、中国84%、アメリカ68%、韓国56%に対して日本35%という結果になっています。
  しかし、これらの国々の子ども達と比べて、日本の子ども達が恵まれない生活を送っているかと言うと決してそうではありません。世界には学校に行きたくても行けない、勉強したくてもできないという子ども達も数多くいるのです。一方、日本の子ども達は衣食住のどれをとっても世界のトップレベルにあります。しかも高等学校は義務教育化しつつあり、およそ半数が大学や短大などに進学するという状況です。それにもかかわらず、どうしてこのようなことになるのでしょうか。
  この原因は、世の中が豊かになりすぎ目標がなくなったことに加えて、子ども達を取り巻く環境や身近な大人達にあるように思います。私も時々講演会において、〝日本の将来が明るいか暗いか〟を質問することがありますが、“圧倒的に暗い”という答えが返ってきます。子どもは“親の鏡・社会の鏡”という言葉があるように、まさに親の言動や社会の世相を反映しているのです。
  これからも色々な人達とお会いする機会がありますが、将来に対する夢や希望を持つことができるような元気の出る話をしていきたいと思っています。

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2008年07月06日

国立大学ゼミ保護者への合同説明会

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  7月5日(土)午後、池田市にある国立大学ゼミ本部で、高校入試を控えた中学生保護者の皆さんに現在進めている本校の取り組みについてお話しました。
  同ゼミは池田・箕面・川西の3教室で小学校4~6年生、中学生、高校生約1000名に対する学習指導を行なっておられます。
今回は大阪府立の千里青雲高校との合同説明会という形になりました。私は『社会で役立つ力を育てる~高志・自律・努力』というテーマで、パワーポイントを使って次のような説明を行ないました。

① 世界の中で、日本の子ども達の夢や希望を持つ比率は極端に低い
② OECDの学力調査でも、教育レベルの低下が顕著になってきている
③ 子どもさんが社会人になる8年後には、世の中は大きく変わってきている
④ 学校は将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場である
⑤ 人としての根っ子である人格を磨き、意志や情操を育てれば学力は向上する
⑥ 本校では人間力の養成と学力の向上の両立を目指し、改革に取り組んでいる
⑦ 昨年度から、きめ細かい進路実現をはかるため3つのコース制を導入した
⑧ 授業日数・授業時間数の増加、カリキュラムの変更等に注力している
⑨ 改革2年目を迎え、入学生のレベルは上昇してきている
⑩ 入学後の学力は、すべてのコースにおいて着実に伸長している
⑪ 選抜特進コースには、北野高校・豊中高校レベルの生徒が入学してきている
⑫ 高校受験にあたっては、実際に学校現場を見て決定していただきたい等

  本校では家庭と学校が連携して子どもを育てるという「共育」、すべての人が学ぶという「共学」を基本にしています。また、いつでも学校見学していただけるようにしていますので、是非お越しください。

2008年06月27日

間違った子育て指針

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 昨日、幼稚園の保護者の皆さんにお話した内容の中で、特に大切だと思われる〝間違った二つの子育て指針〟について触れておきたいと思います。
  その一つ目は、『子どもの目線で対処する』というものです。この考え方の前提にあるのは、子どもの立場に立って子育てを行なうというということですが、ともすると「大人の論理を押し付けない」「子どもの望むようにしてあげる」「嫌がることはさせなくても良い」ということになります。このように子どもを甘やかせてしまうと、なんでも自分の思いどおりになるというわがままな子どもに育ってしまいます。また、最近は一人っ子が増えてきているため、極端な場合にはお父さんとお母さん、それぞれのお祖父さんとお祖母さんの6人が一人の子どもに関わり合うことになります。この結果、子どもは家の中では王子様、王女様になってしまい、最も居心地が良い場所ということになってしまいます。ところが、家庭の外に出ると、当然のことながら集団生活が待っており、多数の中の一人になります。家庭でのように特別扱いされることはありません。これが子どもにとっては我慢できないという状態になってしまい、ひいては不登校や問題行動に結びつくことになります。
  二つ目は、『大人と子どもは対等の立場にある』というものです。最近の親子の関係を見ていると、あたかも友達であるというようなケースも目に付きます。大人と子どもが対等なら、先生と子どもも対等、つまり友達先生ということになってしまいます。友達先生は最初のうちは子どもにとって人気があるかも知れませんが長続きはしません。教育にとって大切なことは、良いことと悪いことをしっかりと指摘することであり、好きなようにやらせるということではありません。
  この二つは、一見正しいように見えますが、間違った子育て指針なのです。年齢に応じて「して良いこと」と「してはいけないこと」の線引きを明確にすることが大切だと思います。

2008年06月21日

幼児期にすべきこと

  本学園には、雲雀丘と中山台という二つの幼稚園とがあります。通常は幼稚園と小学校、小学校と中・高等学校との連携はあっても、幼稚園と中高等学校の連携はほとんどありません。しかし、最近は学園全体としての取り組みも徐々に増えてきています。本校においても環境教育と共に〝食育〟にも注力しはじめていますが、7月には本校の家庭科の先生が中山台幼稚園において保護者の皆さんに、食育についての講演を行なう予定になっています。
  また、来週26日(木)には、私が雲雀丘幼稚園の保護者対象に『幼児期にすべきこと』というテーマでお話しますが、一口に言えば中学・高校の校長からの子育てについてのアドバイスということになると思います。
  残念ながら、自分の子ども以外に幼稚園児を育てた経験はありませんが、人間としての基礎は幼児期につくられるのは間違いないように感じます。幸い今日は休日のため、講演に備えてパワーポイントによるレジュメを作成しました。
 
  すべての動物の中で、幼稚園や学校があるのは人間だけであり、人間以外の動物は親が子に教えています。〝つのつく教育〟(一つから九つまで)の重要性を聞かれた方もおられると思いますが、この時期には右脳が大きく成長することが解っています。そして、間違った子育てをしてしまうと後で取り返しのないことになってしまいます。
  保護者の皆さんは幼児期における家庭教育の重要性を認識し、しっかりと子育てして欲しいものです。

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2008年06月20日

大切な振り返り

  6月20日(金)、高校2年生は修学旅行の代休、その他の学年は定期考査の最終日ということになりました。本日は生徒に対する早朝指導を阪急電鉄の雲雀丘花屋敷駅構内で行ないましたが、それぞれ参考書やノートを手にしながら登校してくる生徒の姿が目に付きました。午前中で試験が終了した後、何人かの生徒に「結果はどうだった?」と尋ねてみましたが「自信があります」「大丈夫です」という答えは少数で「難しかったです」「できませんでした」「微妙です」といった答えが数多く返ってきました。
  大切なのはこれからの対処の仕方です。「済んだものは仕方がない」ということでそのまま放置しておくと、決して自分のものにはなりません。できなかったところを今一度調べてみる、またテストが返却された後間違っていたところは必ずできるようにしておくということです。この振り返りをしっかりやっておかないと、将来全く同じ問題が出されても正答を示すことができないということになってしまいます。
  確かな学力が身につくかどうかは「試験が終わった後の取り組みにある」と言っても過言ではありません。そして、このことは単に試験だけでなく、すべてのことに当てはまるものです。是非、しっかりと振り返りを行なって欲しいものです。

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2008年06月18日

生徒に夢を与える

  現在、将来教師を目指す教育実習生に対して日々私の思いを伝えていますが、資源や広大な国土もなくエネルギーや食糧のほとんどを海外に依存しているわが国が国際社会で認められていくためには、グローバルな視点に立って考え行動できる人財(材)の育成が極めて重要です。
  しかし、残念なことに今日本の多くの子ども達は自分の将来に対して夢や希望を持っていないのです。どうしてこのようになっているのでしょうか。
  それは、大人が子ども達に夢や希望を与えていないからだと思います。それではこの役割は誰が担うのでしょうか。私が危惧するのは、保護者は学校まかせになっており学校は家庭教育に問題があるからとお互いに責任を転嫁しているのではないかということです。少なくとも我々教育界にいる人間にとっては、他責にするのではなく“生徒に夢や希望を与える”ということが最大の責務であると考えなければなりません。
  今、強く感じるのは“勉強の意義を感じていない”言い換えると“この勉強をしても将来何の役にも立たない”と思っている生徒が多いのではないかということです。何のために学力をつけるのか、それは単に大学に合格することではありません。目的と手段を混同しては駄目です。そのためには教師が“世の中がこれからどのように変わっていくのか”“その時に社会で活躍するにはどのような能力が必要になるのか”ということを認識し、一人ひとりの生徒を指導していくことが大切であると思っています。

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2008年06月17日

実習生に送る

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  現在、本校には3週間の予定で25名の教育実習生を受け入れており、この中の多くの学生は教職に就くことを希望しているようです。しかし、〝人を教えることを生涯の仕事にする〟という覚悟ができているかどうかは疑問です。「できれば教師になりたい」と思うのと、「何としても教師になるのだ」というのでは、心の持ち方という点では雲泥の差があると思います。
  既に紹介しましたが、本校では教育実習のスタートにあたって、学生気分を切り替えてもらうということもあって、簡単な常識テストをしてもらいましたが、とても教師として胸を張って教壇に立てるというレベルには達していないように感じました。教育実習の大きな狙いの一つは、意識を切り替えることではないかと思います。そこで、この期間に実習生に校長としての考えを毎日A4一枚にまとめて、伝えていくことにしました。これまでの内容は「実習についての心構え」「ゆるぎない志を持つ」「高志・自律・努力の実践」「反省なきところ進歩なし」「われ以外、みなわが師」「成功と失敗四つのパターン」「社会人基礎力を育てる」「OECDの学力調査を受けて」です。
  実習終了までの実勤務日は10日ありますが、ポイントを絞って思いを伝えていきたいと思っています。この中の何人かが、意識を切り替え、行動を変えることによって素晴らしい教師になってくれることを期待しています。

2008年06月06日

IT化の推進による仕事の見直し

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  本学園においては、平成12年から構内LANの導入をはかり今日に至っています。現在、中・高校、小学校の専任教職員については、一人一台のパソコンが配置されており、学園内通知という形で人事異動や行事予定をはじめ必要な情報が伝達されることになっています。また、各人のメールアドレスが登録されており、随時報告や連絡ができるようになっています。
  更に、予算や成績処理、勤怠管理、掲示板等の目的に応じてフォルダを作成し、その中にそれぞれ必要なデータを保管できるようになっており、必要に応じて各人が見ることができるため、非常に効率的な業務の進め方が可能になります。
  このような恵まれたIT環境の下では、業務の簡素化やシステム化、ペーパーレス化が進んでいるように思われますが、職員室の中の各先生の机の上には資料が山積みになっています。学校という性格上、生徒に配布したり回収する資料が多いということもありますが、このことを差し引いてもまだまだ改善の余地があるように思います。そこで、本年度から「業務改革・IT推進担当」の先生を決め、LANの更なる活用をはかることによって業務の簡素化やシステム化を推進していくことにしました。
  まだ、スタートして2カ月にしかなりませんが、徐々にデータ類の整理も含め改善が進みつつあります。
  また、今月は環境月間になっていますが、学校全体の取り組みの一つとして「紙の削減」を取り上げていきたいと考えています。しかし、生徒に配布するプリント類を減らすことは現実的ではありませんので、教職員の使うペーパーの削減が中心となります。この取り組みのスタートにあたって、全員が参加する職員会議での配布資料を減らすということにしました。具体的には、プロジェクターとスクリーンを会議室に設置し、パソコン内の資料をスクリーンに写して説明するというやり方に切り替えました。多少見にくいということもあったようですが、先日の職員会議では配布資料ゼロということになりました。同時にこれまで各人がそれぞれファイリングしていたやり方を改め、パソコンの中に「職員会議」というフォルダを作成し、必要に応じて閲覧できるようにしました。これにより、少なくともペーパーの削減とファイリング時間の手間がなくなります。また、事前に会議資料を登録しておけば、教職員は内容を確認した上で会議に臨むこともできるようになります。
  まだまだ課題は数多くありますが、これからもITを積極的に活用して、業務の見直しを行ない、少しでも時間の余裕を見出していきたいと考えています。

2008年05月25日

ユーデック主催学校見学会の開催

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  5月24日(土)、『総合教育ユーデック主催の学校見学会』が行なわれました。土曜日ということもあって、100名を超える保護者や児童の方にお越しいただきました。来年度中学受験を控えておられる小学校6年生だけではなく、5年生以下の保護者の方も出席していただいていたようです。
  小学校6年生も来年4月には中学生、4年後には高校生、7年後には大半の人が大学生、11年後には大学を卒業することになります。そして、社会人として色々な分野に進んでいくことになっていきます。その時に必要になるのは、〝最終的にどの大学を出たか〟ということではなく、〝何ができるか、何をしてきたのか〟ということになります。そのためには、学力と人間力の両方を身につけていくことが必要です。保護者の皆さんは、是非このことを頭に入れて、子どもさんにあった学校を選んであげて欲しいと思っています。

  今は、「マウス・イヤー」という言葉に代表されるように、世の中は急激に変化してきていますが、この動きは今後ますます大きくなってくるのは間違いありません。好むと好まざるにかかわらず、グローバル化が進み、新技術が生まれ、新たな仕事やシステムが創出されてくると思います。そして、世界の多くの人達と一緒に活動していくことがあたり前になってきます。
  このように考えると、我々大人が時代のトレンドをしっかりと把握し、子ども達が将来社会で活躍できるように指導していくことが大切です。
「教えることは学ぶこと」という言葉がありますが、私自身、まだまだ勉強していかなければならないことが多いと感じている昨今です。

2008年04月19日

凡事徹底~デイリーメッセージ

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  私の知人に、『志ネットワーク』を主催されている上甲晃(じょうこう あきら)氏がおられます。上甲氏は、松下電器で広報や電子レンジの営業を担当された後、昭和56年松下政経塾に出向、塾頭、常務理事、副塾長を歴任され、平成8年4月に松下電器を退職されました。そして、同年5月、〝21世紀に向けて「志の高い日本」は「志の高い日本人」によってこそ実現する〟との思いで、有限会社志ネットワークを設立され、日本全国で青年塾の開催や講演活動を行なっておられます。前任の芦間高校時代には、ご無理を申し上げて学校協議会の委員に就任いただき、ご指導いただきました。
  松下政経塾在任中は、松下幸之助氏から数々の薫陶を受けられましたが、ゆるぎない志と凡事徹底の姿勢には心から感銘を受けています。上甲氏は政経塾在職中の平成4年4月に、自分の思いとするところを塾生に伝えたいとの思いからパソコン通信による『デイリーメッセージ』を書き始められました。その後、政経塾を離れてからも、継続を勧める人達の要請に応えて、現在まで一日も休むことなく16年間日々のメッセージを書き続けておられます。
  ご本人の言によれば〝一日生きていたら、ひとつぐらいは感動ある生き方をしたい、一つぐらいは学びのある生き方をしたい。そんな思いから毎日取り組んでいます。どうせなら、一日も休まず継続してみよう、そんなささやかな挑戦でもあります。〟とのことです。
  私も現在、校長通信を通じて自分なりの思いをお伝えしていますが、16年間という気の遠くなるような期間と毎月届けられるデイリーメッセージの内容の濃さに驚くと共に勇気づけられています。
    www.kokorozashi.net
 biz.sbrain.co.jp/keyperson/K-2277.htm