先週土曜日、10月8日は忙しい1日となりました。雲雀丘幼稚園と中山台幼稚園の運動会があります。重なっています。私は学園の常務理事も兼ねていますので両方の運動会を見に行きます。幸い中山台幼稚園は学園小学校のグラウンドを使いますので移動に時間はかかりません。心配されていた雨も降らず、初秋の日射しは暑いくらいでした。「伝統の雲雀丘」、そして「元気の中山台」の両幼稚園とも観客席からご家族の声援をいっぱい受け、素晴らしい演技を見せてくれました。
午後からは宝塚大学で開催された「雲雀丘100年フェスイティバル」に出席しました。雲雀丘の地が1915年に開発され今年で100年を迎えます。記念の式典、講演、コンサートなどが催されました。主催者が話された中で興味深い話がありましたので紹介します。ここ雲雀丘は長尾山麓の南側の傾斜地にあります。長尾山麓には古墳が多いことでも有名です。古墳が多いというのは、一般に地盤が強固であり一帯がパワースポットの地ともいわれるそうです。事実、阪神大震災の時は、周り地域が建物の倒壊など大きな被害があったのもかかわらず、ここ雲雀丘は極めて少なかったということでした。この雲雀丘の開発には阿部元太郎氏が当たったのですが、ここまで考えてこの地を選んだことには驚きでした。有難いことだと思っています。
さて過日の校長通信で「60ホール」の前に「親孝行の木(気)」が10本誕生したと書きました。うち4本は、生徒が料理一品を家族に提供し、ご家族から感想の言葉をいただき、木の葉に書いて木の幹に貼り付けたものです。1500枚の葉が繁り私は時々、折を見ては読みに行きます。何度見ても飽きないのです。お母さんが書かれたものが多いと思いますが、どの葉も実に正直な思いが綴られています。慣れない手つきで料理を作る子供に微笑み、作ってくれた料理に感謝し、子供の成長を歓び、子供の将来を夢見るうれしさが感情いっぱいに描かれています。
この木はしばらくの間は掲示されると思いますが、ご覧になれない方もあると思いますのでここでほんの一部ですが紹介したいと思います。
「家族みんなが好きなポテトサラダを作ってくれました。ピーラーも包丁も扱う手がぎこちなく、けがをしないかハラハラしましたが、一生懸命作ってくれて家族も大喜び、美味しかったです。私が作るより主人も妹も喜んで食べ、本人も嬉しそうでした」(中1女子保護者)
「息子が作った豚のしょうが焼きは二つの理由で最高でした。一つは、皆で競い合うほどおいしく仕上がったこと、もう一つは我々家族5人だけでなく、近くの母屋に住む祖父母にも届け喜んでもらえたことです。稲刈りや栗の収穫で忙しく疲れた祖父母の活力になりました。料理の腕前と優しい心がこれからも育ってくれますように。母より。」
「普段、あまり料理をしない娘ですが、今回は楽しそうに野菜を切ったりしていました。不器用なのでつい口出しをしたくなりましたが、「自分一人でやる!」と申しましたので、見守ることにしました。出来上がって家族みんなでおいしくいただきました。「親孝行の日だけでなくこれからは時々、ご飯を作ってね。」と言ったら、「うん!」と言ってくれました。今日食べたビーフシチュウーの味は忘れられないと思います。(高1女子保護者)
「親孝行の日」に向けて、「何か作ってくれるの?」と聞いてみると「卵焼き作るわ!!」と言って、ササッと菜ばしを取り、素晴らしい手際の良さに驚かされました。母と息子、並んで台所に立つ機会がなくなり、久しぶりの親子クッキングでした。あっという間に作ってくれた卵焼き、卵焼きをお皿に移すとき、まさかの落下。キッチンマットの上に着地するハプニング。また、これも笑いが出て、楽しくそして、美味しくいただきました。(高2保護者)
さて、保護者の皆様に感想を書いて提出をお願いした数日後だと思いますが、学園で何かの会合があった時と思います。数名で歩いておられたお母さま方から「校長先生、感想文の宿題をいただきありがとうございます。大変ですょ」とご忠告を受けました。もちろん笑顔でしたが。「そうかなあ、大変なのかなあ」と案じていましたが、ほとんどの方から感想をいただきました。有難いことです。うれしい限りです。
ご家庭では1500通りの「料理一品」ドラマがありました。家族のふれあいがありました。あらためて保護者の皆様にお礼を申し上げます。また一生懸命料理一品を作った生徒も誉めたいと思います。良くやった。あっぱれ!
この大切な感想文をどのようにしようか家庭科の先生方と検討中です。どの感想も素晴らしい心のこもったものです。珠玉です。何か形にして残しておきたいと考えています。
親孝行・・・。雲雀丘学園は親子、ご家族のコミニュケーションを通して人間性豊かな生徒を育てていきたいと思います。